JP3679192B2 - 側溝の被蓋装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、道路沿い等に施工される側溝のその長手方向沿いの開口部や側溝の途中の会所桝の部分の開口部に設ける被蓋装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8には、本出願人が提案し、既に出願公告(特公平4−63175号)された従来の被蓋装置の構造を示してある。この被蓋装置は、側溝aの上部の開口縁に、断面がL形をなす受枠bを設け、この受枠bの内側に蓋体cを脱着可能に載架し、この蓋体cで側溝aの開口部を覆う構成となっている。
【0003】
そして受枠bの内側面および内底面と、蓋体cの外側面および外底面との間にスペーサdを介してそれぞれ所定の隙間h1 ,h2 を確保し、これら隙間h1 ,h2 でL形状に屈曲する通水路eを構成し、降雨時に路面の上に流れる雨水をこのL形状に屈曲する通水路eを通して側溝a内に流入させるようにしている。
【0004】
ところで、路面の上には雨水と共に枯れ葉やゴミ屑等の異物も流れるが、近年においては、その枯れ葉やゴミ屑等の異物も雨水と共に積極的に通水路eを通して側溝a内に流入させる傾向がある。そしてその異物を側溝aの途中の会所桝に集めて取り出すようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、受枠bと蓋体cとの間のL形状に屈曲する通水路eを通して雨水および枯れ葉やゴミ屑等の異物を流すと、その異物が通水路eの途中、特に直角に屈曲する部分に引っ掛かって詰まり、排水効率を低下させてしまう。
【0006】
また、側溝aの両側の路面と面一に載架される蓋体cは、景観上の観点からその幅L1 が小さいことが好ましい。ところが、従来の被蓋装置においては、側溝aの開口縁に断面L形の受枠bを設け、この受枠bの水平な底面部を介して蓋体cを支持する構造であるため、側溝aの幅L2 よりも蓋体cの幅L1 を大きくしなければならず、この結果、幅寸法の大きな蓋体cが路面上に露出して景観を悪くしてしまう。
【0007】
この発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、枯れ葉やゴミ屑等の異物が雨水と共に流れ込んでも、通水路の詰まりを防止して雨水と共にその異物を円滑かつ確実に側溝内に流入させることができ、かつ蓋体の幅を小さくして景観の向上を図ることができる側溝の被蓋装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明はこのような目的を達成するために、側溝の内側両側面の上部に、その側溝の外側に向って凹む凹部と、この凹部の開口縁の上部からその上方にほぼ垂直に起立する起立部とを有した見切り通し枠を互いに対向して設け、これら見切り通し枠の凹部内に蓋受け枠の両側部を脱着可能に嵌合してその蓋受け枠を側溝の上部にほぼ水平に架設し、この蓋受け枠の上に、側溝の両側の路面とほぼ面一に蓋体を載架し、この蓋体の両側部または一側部と前記見切り通し枠の起立部との間に、蓋体の上方から側溝内にほぼ垂直に通じる雨水流通用の隙間をスペーサを介して設けてなり、前記蓋受け枠は、側溝の幅方向に沿って延びる複数の受け桟と、側溝の長手方向に沿って延び、前記各受け桟と互いに回動自在に結合された連結バーとで拡張・縮小が可能なリンク構造に構成され、その拡張状態において前記各受け桟の両端部が前記見切り通し枠の凹部内に嵌合することにより側溝の上部にほぼ水平に架設されることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図1ないし図7を参照して説明する。
図1にはこの発明の第1に実施形態に係る被蓋装置の全体の平面図を、図2には図1中のA−A線に沿う断面図を、図3には図1中のB−B線に沿う断面図を示してある。
【0010】
図に示す符号1は、道路沿いに施工された側溝で、この側溝1の内側の両側面の上部に、側溝1の長手方向に沿って延びる見切り通し枠2が互いに対向して設けられている。
【0011】
この見切り通し枠2はステンレス等の金属で形成され、図2および図3に示すように、側溝1の外側に向って凹む断面コ字状の凹部3と、この凹部3からその上方にほぼ垂直に起立する起立部4とを一体に有し、アンカー5を介して側溝1に固定され、前記起立部4の上端縁が見切り縁として側溝1の上方に露出している。
【0012】
側溝1の両側の上面には、化粧タイル等の仕上げ材6がモルタル7を介して敷き詰められ、これら仕上げ材6により前記見切り縁と同一のレベルを保つ化粧路面8が施工されている。
【0013】
10は蓋受け枠で、この蓋受け枠10は図5および図6に示すように、側溝1の幅方向に沿って延びる複数の受け桟11と、側溝1の長手方向に沿って延び、前記各受け桟11を互いに連結した一対の連結レバー12とでリンク構造に構成されている。
【0014】
各受け桟11は互いに所定の間隔をあけて並列し、これら受け桟11の下面側に前記一対の連結レバー12が平行に配置し、各受け桟11と連結レバー12とがそれぞれ枢支ピン13を介して互いに回動自在に結合されている。
【0015】
したがってこの蓋受け枠10は、図5に実線で示すように、各受け桟11と各連結レバー12とが直角に交わる長方形の拡張状態から、図5に鎖線で示すように、各枢支ピン13を支点にして各受け桟11と連結レバー12を回動して各受け桟11を斜めに傾斜させる平行四辺形の縮小状態に変形させることができるようになっている。
【0016】
そしてこの蓋受け枠10は、長方形の拡張状態において、その両側部、つまり各受け桟11の両端部が図2および図3に示すように、前記見切り通し枠2の凹部3内に脱着可能に嵌合され、この嵌合により蓋受け枠10の全体が側溝1の上部に水平に支持されている。
【0017】
この蓋受け枠10の各受け桟11は、例えば曲げ強度が高く、伸びの少ないダクタイル鋳鉄で形成され、また各連結レバー12はステンレス等の金属、あるいはSSめっきを施した金属で形成されている。そして各受け桟11の上面にはゴムクッション14が取り付けられている。
【0018】
また、図5に示すように、一つの受け桟11と一つの連結レバー12との間には、ロックピン15が挿脱可能に挿入され、このロックピン15により蓋受け枠10の拡張状態が固定され、振動等で不用意に蓋受け枠10が縮小することがないようになっている。
【0019】
側溝1内の清掃等のために蓋受け枠10を取り外す場合には、まずロックピン15を抜き取り、一方の連結レバー12と他方の連結レバー12とを互いに逆方向に移動させる。この移動で各受け桟11が連結レバー12に対して斜めに傾斜し、蓋受け枠10の全体が平行四辺形の縮小状態となり、したがってこの状態で蓋受け枠10を側溝1内から容易に取り出すことができる。また、蓋受け枠10を側溝1に取り付ける場合には、前記の逆順作業により容易に取り付けることができる。
【0020】
側溝1に取り付けられた蓋受け枠10の上には、蓋体18が脱着可能に載架され、この蓋体18により側溝1の上面の開口部が覆われている。この蓋体18は、底板19および両側板20を有する偏平な皿形状に形成され、前記底板19の下面が蓋受け枠10における受け桟11の上面のゴムクッション14に接触して支持されている。なお、図4には蓋うけ枠10の上から蓋体18を取り除いた状態を示してある。
【0021】
蓋体18の内部には、側溝1の両側の路面8の仕上げ材6と同一の仕上げ材6がモルタル7を介して敷き詰められ、これら仕上げ材6により蓋体1の上面が路面8と面一の美麗な化粧面21として仕上げられている。
【0022】
蓋体18の両側板20の外面には、その長手方向に沿う所定間隔ごとにスペーサ22が溶接等により取り付けられ、これらスペーサ22により蓋体18の両側部と前記見切り通し枠2の内面との間に25〜30mm程度の隙間hが確保され、この隙間hにより蓋体18の上方から側溝1内にほぼ垂直に通じる通水路23が構成されている。そして蓋体18の両側のスペーサ22に、前記隙間h内に配置するように複数の桟材24が架設されている。
【0023】
なお、蓋受け枠10および蓋体18は、予め所定の長さに形成されていて、その蓋受け枠10を側溝1の所要の区間に順次直列状に配設し、その各蓋受け枠10の上に各蓋体18を載架して側溝1の開口部を覆うものである。
【0024】
このような構成の被蓋装置においては、降雨時に路面8の上に雨水が流れると、その雨水が蓋体18の両側の隙間すなわち通水路23を通って側溝1内に順次流入する。
【0025】
通水路23は、蓋体18の上方から側溝1内に垂直に通じるストレートな通路として構成されており、したがってその雨水と共に枯れ葉やゴミ屑等の異物が流れ込んだときに、その異物が通水路23の途中に引っ掛かるようなことがなく、このため通水路23の詰まりを防止して常に円滑かつ確実に異物を雨水と共に側溝1内に流入させることができる。
【0026】
また、この発明の被蓋装置においては、側溝1の内側の両側面に配置する見切り通し枠2の凹部3内に蓋受け枠10の両側部を嵌合して蓋受け枠10を側溝1の上部に支持し、この蓋受け枠10の上に蓋体18を載架するようにしたものであるから、スペーサ22を含んだ蓋体18の幅L1 を側溝1の幅L2 とほぼ同一の狭い幅とすることができ、このため路面全体の景観を良好に保つことができる。
【0027】
前記第1の実施形態においては、蓋体18の両側にそれぞれ通水路23を設けるようにしたが、図7に第2の実施形態として示すように、蓋体18の片側にのみ隙間hを確保して排水路23を構成し、その反対側の蓋体18の側板20を見切り通し枠2の内面にほぼ接触するように配置させる構成とすることも可能である。
【0028】
さらにこの発明は、前記各実施形態に限らず、例えば蓋受け枠10の各受け桟11をその中間に配置する1本の連結レバー12のみで連結するような構成とすることも可能である。
【0029】
また、この発明は、側溝の長手方向沿いの開口部を覆う被蓋装置として構成する場合に限らず、側溝の途中の会所桝の部分の開口部を覆う被蓋装置として構成する場合であってもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、枯れ葉やゴミ屑等の異物が雨水と共には通水路内に流れ込んでも、その通水路が蓋体の上方から側溝内に向ってほぼ垂直に通じるストレートな通路となっているから、雨水と共に枯れ葉やゴミ屑等の異物が流れ込んだときに、その異物の詰まりを防止して常に円滑かつ確実に異物を雨水と共に側溝内に流入させることができ、また蓋体の幅を側溝の幅とほぼ同一の狭い幅に設定して路面全体の景観を向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る被蓋装置を示す平面図。
【図2】図1中のA−A線に沿う断面図。
【図3】図1中のB−B線に沿う断面図。
【図4】その被蓋装置の蓋体を取り除いた状態の断面図。
【図5】その被蓋装置の蓋受け枠の支持構造を示す平面図。
【図6】その被蓋装置の蓋受け枠の支持構造を示す斜視図。
【図7】この発明の第2の実施形態に係る被蓋装置を示す断面図。
【図8】従来の被蓋装置を示す断面図。
【符号の説明】
1…側溝
2…見切り通し枠
3…凹部
10…蓋受け枠
18…蓋体
22…スペーサ
23…通水路
Claims (2)
- 側溝の内側両側面の上部に、その側溝の外側に向って凹む凹部と、この凹部の開口縁の上部からその上方にほぼ垂直に起立する起立部とを有した見切り通し枠を互いに対向して設け、これら見切り通し枠の凹部内に蓋受け枠の両側部を脱着可能に嵌合してその蓋受け枠を側溝の上部にほぼ水平に架設し、この蓋受け枠の上に、側溝の両側の路面とほぼ面一に蓋体を載架し、この蓋体の両側部と前記見切り通し枠の起立部との間に、それぞれ蓋体の上方から側溝内にほぼ垂直に通じる雨水流通用の隙間をスペーサを介して設けてなり、
前記蓋受け枠は、側溝の幅方向に沿って延びる複数の受け桟と、側溝の長手方向に沿って延び、前記各受け桟に回動自在に結合された連結バーとで拡張・縮小が可能なリンク構造に構成され、その拡張状態において前記各受け桟の両端部が前記見切り通し枠の凹部内に嵌合することにより側溝の上部にほぼ水平に架設されることを特徴とする側溝の被蓋装置。 - 側溝の内側両側面の上部に、その側溝の外側に向って凹む凹部と、この凹部の開口縁の上部からその上方にほぼ垂直に起立する起立部とを有した見切り通し枠を互いに対向して設け、これら見切り通し枠の凹部内に蓋受け枠の両側部を脱着可能に嵌合してその蓋受け枠を側溝の上部にほぼ水平に架設し、この蓋受け枠の上に、側溝の両側の路面とほぼ面一に蓋体を載架し、この蓋体の一側部と前記見切り通し枠の起立部との間に、蓋体の上方から側溝内にほぼ垂直に通じる雨水流通用の隙間をスペーサを介して設けてなり、
前記蓋受け枠は、側溝の幅方向に沿って延びる複数の受け桟と、側溝の長手方向に沿って延び、前記各受け桟と互いに回動自在に結合された連結バーとで拡張・縮小が可能なリンク構造に構成され、その拡張状態において前記各受け桟の両端部が前記見切り通し枠の凹部内に嵌合することにより側溝の上部にほぼ水平に架設されることを特徴とする側溝の被蓋装置。
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JP09543596A Expired - Lifetime JP3679192B2 (ja) | 1996-04-17 | 1996-04-17 | 側溝の被蓋装置 |
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