JP3678965B2 - 回転打撃工具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、インパクトレンチやインパクトドライバーと称される回転打撃工具に係り、詳しくは回転方向に打撃を与えて、ネジを強固に締め付けることができる回転打撃工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の回転打撃工具、例えばインパクトレンチは、電動モータを駆動源として、遊星歯車列からなる動力伝達機構を介して回転されるスピンドルを備え、そのスピンドルの先端側外周には、アンビルに対して回転打撃を与えるためのハンマーが回動可能にかつ軸方向に移動可能に嵌合されている。アンビルはスピンドルと同一軸線上に回転可能に配置されており、その先端にボルトの締付工具であるソケットが装着可能とされている。
スピンドルとハンマーとの間には、ボール(鋼球)が介在され、そのボールはスピンドルの外周に形成した回転軸線に傾斜する側面視V字形でかつ断面半円形のV溝と、ハンマーの内周面に形成した側面視逆V字状でかつ断面半円形の係合凹面を持つ係合凹部との間に挟み込まれている。このため、スピンドルに対してハンマーが相対的に回動すると、該ハンマーはスピンドルに対して軸方向に前進又は後退する。すなわち、ハンマーはスピンドルに対して所定角度の周方向移動と軸方向移動との複合運動を行う構成となっている。
【0003】
また、ハンマーは圧縮スプリングにより前進方向(アンビル側)に向かって加圧されている。このため、ハンマーの後退動作は、圧縮スプリングの加圧力に抗してなされることになる。一方、ハンマーの前端面には、周方向に180度の位相差を置いて2個の爪が設けられ、これに対応してアンビルの軸端面には、周方向に180度の位相差を置いて2個の爪が設けられている。そして、ハンマーは圧縮スプリングの加圧力で回動しつつ前進してその爪がアンビルの爪に周方向から当接(衝突)し、これによりアンビルに回転方向の打撃が与えられる。このことによって、アンビルからソケットを経てボルトに回転打撃を与えてネジ締めが行われる。
そして、打撃後のハンマーは、打撃時の反発力で圧縮スプリングに抗してスピンドルの回転方向と逆方向へ回動されつつ軸方向に後退する。また、後退後は、再び圧縮スプリングの加圧力で回動しつつ前進し、以下、上記と同様の打撃動作を繰り返すことによってネジ締めを完了する。このような構造のインパクトレンチは、例えば実公昭55−169368号公報に開示されている。
【0004】
上述した従来のインパクトレンチにおいては、アンビルに回転打撃を与えるためにスピンドルに対して相対的に移動するハンマーは、スピンドルに設けられたV溝及び該ハンマーに設けられた係合凹面によって規制される動きとなる。図5の(A)には、従来のスピンドル51に設けられるV溝(周方向に180度の位相差を置いて2個設定されている)52が展開図で示され、また図5の(B)にはハンマー53に設けられる係合凹面54をもつ係合凹部(周方向に180度の位相差を置いて2個設定されている)55が展開図で示されている。
V溝52は谷底から延びる一方の傾斜溝52aを締付用、他方の傾斜溝52bを緩め用として備え、また係合凹面54は谷底から延びる一方の斜面54aを締付用、他方の斜面54bを緩め用として備えている。
図示のように、従来のV溝52は、締付側と緩め側の傾斜溝52a,52bのリード角(スピンドル51の回転軸線に直交する直線に対する傾斜角)αが同一に設定され、また係合凹面54も締付側と緩め側の係合凹面54a,54bのリード角βが同一に設定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ハンマーによりアンビルに回転打撃を加えたとき、締付時と緩め時とではハンマーの反発量が異なる。これは締付時の反発力が大きく、緩め時の反発力が小さいからである。
図5の(A)には、スピンドル51に対するハンマー55の相対的位置が2点鎖線によって示されており、C位置が回転打撃位置(前進位置)であり、D位置が締付時の反発による後退位置であり、E位置が緩め時の反発による後退位置である。回転打撃で反発されたハンマー53は、その係合凹面54の斜面54a,54bがボール56に係合して移動し、ボール56はV溝52の傾斜溝52a,52bに沿って移動する。すなわち、ハンマー53はスピンドル51に対して逆方向へ回動しつつ軸方向に後退するが、このとき、締付時と緩め時とでは、反発力が異なることに起因して図示の如く後退量に差が生ずる。
従って、ハンマーに作用する反発力が大きい締付時には、ボール56が締付側の傾斜溝52aの溝端まで後退してから、次の打撃動作に移行しているが、反発力の小さい緩め時には、ボール56が緩め側の傾斜溝52bの溝端まで戻り切れず、傾斜溝52bの途中から次の打撃動作に移行することになる。
なお、圧縮スプリングのばね力は、反発力が大きい締付時において、ボールが溝端に当接したときの衝撃の緩衝を考慮して適正に設定しており、必要以上に小さく設定することはできない。
一方、図6はボルトの緩め作業時において、反発で後退されたハンマー53の爪57が次の打撃動作へ移行する作動態様を模式的に示したものである。締付時に比べて後退量が小さい緩め時には、打撃動作が早期に開始される結果となり、ハンマー53の爪57が前回打撃を加えたアンビル58の爪58aに当接してから180度の位相差をおいて設けられている次の爪58bに当たるという現象、いわゆる、爪の2度当たりが生じる可能性がある。
すなわち、従来のインパクトレンチにおいては、ボルトを緩める作業を行うときは、爪の2度当たりによって打撃エネルギーがアンビルに有効に伝達されず、作業効率が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回転打撃工具において、ネジの緩め作業時に爪の2度当たりを解消して作業効率を向上することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明に係る回転打撃工具は、特許請求の範囲の各請求項に記載の通りの構成を備えた。
従って、請求項1の発明によれば、ハンマーの回動量に対する軸方向移動量の比率を、締付側に比べて緩め側の方が小さい複合運動を行うように構成したことにより、緩め時における打撃の反発で後退移動するハンマーの回動量を締付時と同程度まで大きく取ることができる。このため、次回の打撃のためにハンマーが軸方向に前進して打撃を与え得る位置、すなわちハンマーの爪がアンビルの爪に当たる位置まで前進する時間を長くとることができる。このことによって、ハンマーが打撃を加える位置まで移動する間に、該ハンマーの爪が前回の打撃動作時に打撃を加えたアンビルの爪に当接することなくその上面を通過し、次の爪に当接することができる。かくして、爪の2度当たりが解消される。このため、ハンマーの打撃エネルギーがアンビルに対して一時期に集中して伝達され、効率の良い打撃作用が加えられる。
【0008】
また、請求項2の発明によれば、回転打撃機構におけるV溝又は係合凹面のうちのいずれか一方又は双方の緩め側のリード角を締付側のリード角よりも小さく設定したことにより、請求項1と同様に爪の2度当たりを解消してアンビルに効率の良い打撃作用を加えることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態は、回転打撃工具の一例として、ボルトの締付け又は緩め作業に使用するインパクトレンチに適用したものである。図1はインパクトレンチの一部破断側面図、図2は要部の拡大断面図、図3は展開図であり、(A)はスピンドルのV溝を示し、(B)はハンマーの係合凹部を示す。図4は緩め時におけるハンマーの爪の作動態様を説明する模式図である。
図1に示すように、インパクトレンチは、ハウジング1内の後側(図示左側)に収容された駆動源としての可逆式の電動モータ(図示省略)を備えており、該電動モータの出力軸2の回転が動力伝達機構としての遊星歯車列3を介してスピンドル8に伝達される。
【0010】
遊星歯車列3は、図1に示すように、前記出力軸2に設けられたピニオンギヤ(サンギヤ)5と、そのピニオンギヤ5と噛み合う複数の遊星ギヤ6と、遊星ギヤ6に噛み合うインターナルギヤ7とによって構成され、これらはハウジング1に固着されたギヤボックス4内に組み込まれている。インターナルギヤ7はギヤボックス4に固着され、各遊星ギヤ6はスピンドル8の後端部(図示左側)に一体に形成された外張出状のキャリア部9に支軸6aを介して回転可能に支持されている。スピンドル8は、出力軸2と同一軸線上に配置され、出力軸2側の端部が前記ギヤボックス4に軸受10によって回転可能に支持されている。
【0011】
スピンドル8の先端側(図示右側)外周には、アンビル18に回転打撃力を付加するためのハンマー11が嵌合され、そのハンマー11とスピンドル8との間には、ハンマー11にスピンドル8に対して所定角度の周方向移動(相対回動)と軸方向移動(前進、後退)との複合運動を行わせる回転打撃機構12が設けられている。
回転打撃機構12は、スピンドル8の外周に形成した回転軸線に傾斜する側面視V字形でかつ断面半円形のV溝14と、ハンマー11の内周面に形成した側面視逆V字状でかつ断面半円形の係合凹面15を持つ係合凹部16と、それらV溝14と係合凹部16との間に介在されるボール13とから構成されている。このため、スピンドル8に対してハンマー11が相対的に回転されると、該ハンマー11はスピンドル8に対して軸方向に前進又は後退する。
なお、このような構成の回転打撃機構12は、回転軸線を挟んで対称位置、すなわち周方向に180度の位相差を置いた位置にそれぞれ形成されており、このことによりハンマー11の作動の円滑性を確保している。
【0012】
また、ハンマー11とスピンドル8のキャリア部9との間には、弾性部材としての圧縮スプリング17が介装されており、この圧縮スプリング17によりハンマー11は、該ハンマー11に対向状に配置されるアンビル18側(前方)に向かって加圧されている。このため、ハンマー11の前進動作は、圧縮スプリング17の加圧力によってなされ、後退動作は圧縮スプリング17の加圧力に抗してなされる。また前進動作は圧縮スプリング17の加圧力によってなされることになる。ハンマー11の前端面には、2個の爪(係合凸部)11aがアンビル18側に突き出して設けられ、この爪11aに対応してアンビル18の軸端面(後端)には、2個の爪(係合アーム)18aが放射方向に突設されている。
【0013】
従って、ハンマー11が圧縮スプリング17の加圧力により前進した位置では、ハンマー11の爪11aがアンビル18の爪18aに対して周方向から当接(衝突)し、これによりアンビル18に対して回転方向の打撃が与えられる。一方、アンビル18側からハンマー11に一定値を超える負荷(ネジ締め抵抗)が働いたときは、ハンマー11は、上記の如く後退され、爪11a,18aの当接が解除される。
【0014】
アンビル18は、ハウジング1の前端に取り付けたインパクトケース20に軸受19を介して回転可能に支持されるとともに、その軸端面側の軸中心部に設けた軸孔18cによってスピンドル8の先端軸部8aを回転自在に支持している。また、アンビル18の爪18aとインパクトケース20と間にはライニング21が挟み込まれている。このライニング21によりアンビル18が軸方向にがたつきなく回転支持される。
アンビル18の先端側は、インパクトケース20から突き出され、その突き出し部分の先端には、先端工具としてのボルト締め用のソケット(図示省略)を着脱可能に装着するためのソケット取付部(四角軸)18bが設けられている。
【0015】
上記のような構成のインパクトレンチにおいて、図3の(A)に示すように、スピンドル8に形成されるV溝14は、谷底14aから一方の溝端に向かって延びる一方の傾斜溝14bを締付用として備え、谷底14aから他方の溝端に向かって延びる他方の傾斜溝14cを緩め用として備えている。そして、緩め側の傾斜溝14cは、そのリード角(スピンドル8の軸線に直交する直線に対する傾斜角)α1が、締付側の傾斜溝14bのリード角αよりも小さく設定されている。
また、図3の(B)に示すように、ハンマー11に形成される係合凹面15は、その中央の凹部15aから延びる一方の斜面15bを締付用として備え、凹部15aから反対側に延びる他方の斜面15cを緩め用として備えている。そして、V溝14の場合と同様に、緩め用の斜面15cは、そのリード角(ハンマー11の軸線に直交する直線に対する傾斜角)β1が、締付側の斜面15bのリード角βよりも小さく設定されている。
すなわち、回転打撃機構12は、ハンマー11の周方向移動量に対する軸方向移動量の比率が、締付側に比べて緩め側の方が小さい複合運動を行うように構成されている。
【0016】
本実施の形態に係るインパクトレンチは上記のように構成したものである。従って、ボルトの締付作業又は緩め作業時において、ソケットを経てアンビル18に一定値以上の負荷(ネジ締め抵抗)が付加されると、スピンドル8のV溝14に嵌合するボール13が締付側又は緩め側の傾斜溝14b,14cに沿って移動され、それに伴いハンマー11は締付側又は緩め側の斜面15b,15cを加圧されて軸方向に移動される。すなわち、ハンマー11は圧縮スプリング17を圧縮しながらスピンドル8に対して逆方向へ相対回動しつつ後退する。このことによって、ハンマー11の爪11aがアンビル18の爪18aから外れ、ハンマー11とアンビル18との当接が解除される。
【0017】
そして、ハンマー11とアンビル18との当接が解除されると、負荷が消去され、それに伴いハンマー11が圧縮スプリング17によって加圧される。このため、ハンマー11はV溝14の傾斜溝14b,14cに沿って移動するボール13を斜面15b,15cによって加圧しながら移動する。すなわち、ハンマー11はスピンドル8に対して同方向へ相対回動しつつ前進し、この時にハンマー11の爪11aがアンビル18の爪18aに対して周方向から当接する。かくして、アンビル18には回転方向に打撃力が加えられてボルトが締め付けられ又は緩められ、以下上記のような回転打撃動作が繰り返される。
【0018】
しかして、上述した締付時又は緩め時において、ハンマー11がアンビル18に対して打撃を加えたとき、該ハンマー11はその打撃による反発によって上述したように圧縮スプリング17を押し縮めながら後退するが、そのときの反発力は、締付時に比べて緩め時の方が小さい。
一般に、圧縮スプリング17のバネ力は、締付時において、打撃の反発でボール13がV溝14の溝端に当接したときの軸方向の衝撃を有効に緩衝できることを条件に設定している。このため、V溝14の締付側と緩め側の傾斜溝のリード角が同一であると、従来の技術として説明したように、反発力の小さい緩め時には、ボールがV溝の溝端まで十分に後退し切れず、そのことが原因となって次回の打撃動作時に爪が前回の爪に当たってから次回の爪に当たる現象、いわゆる爪の2度当たりが生ずる。
【0019】
しかるに、本実施の形態においては、スピンドル8に形成されるV溝14の緩め側の傾斜溝14cのリード角α1を締付側の傾斜溝14bのリード角αよりも小さく設定するとともに、ハンマー11に形成される係合凹面15の緩め側の斜面15cのリード角β1を締付側の斜面15bのリード角βよりも小さく設定してある。このため、緩め時における打撃時の反発で後退するハンマー11の周方向の移動量、すなわち、スピンドル8に対する相対回動量を、リード角が締付側と同一の場合に比べて(締付時と同程度まで)大きく取ることができる。ただし、ハンマー11の軸方向の後退量は、圧縮スプリング17の大きさと反発力とによって決まる。
図3の(A)には、スピンドル8に対するハンマー11の相対的位置が2点鎖線によって示されており、C位置が回転打撃位置(前進位置)であり、D位置が締付時の反発による後退位置であり、E位置が緩め時の反発による後退位置である。この図からも明らかなように、ハンマー11の後退位置における緩め時の周方向移動量を締付時と同程度とすることが可能となる。
このため、図4の模式図に示すように、次回の打撃のためにハンマー11が軸方向に前進して打撃を与え得る位置、すなわちハンマー11の爪11aがアンビル18の爪18aに当たる位置まで前進するに必要な所要時間を長くとることができる。このことによって、ハンマー11の爪11aがアンビル18の爪18aに当接する位置まで前進する間に、該ハンマー11の爪11aが前回の打撃動作時に打撃を加えたアンビル18の爪18aに当接することなくその上面を通過し、180度の位相差で設けられた次の爪18a’に当接することができる。
【0020】
このように、本実施の形態によれば、爪11a,18aの2度当たりが解消されることになり、ハンマー11の打撃エネルギーをアンビル18に対して一時期に集中して伝達させ、効率の良い打撃作用を加えることができる。なお、リード角α1及びβ1の実際の角度については、発明の実施に際して、圧縮スプリング17のバネ力による緩衝効果や打撃力等を考慮した上で、2度当たりを回避可能な範囲内で適当に定められるものである。
【0021】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更を加えることができる。例えば、実施の形態では、V溝14と係合凹面15との両方について、緩め側の傾斜溝14cのリード角α1及び緩め側の斜面15cのリード角β1を、それぞれ締付側の傾斜溝14bのリード角α及び締付側の斜面15bのリード角βよりも小さく設定した場合で説明したが、V溝14又は係合凹面15のうちの少なくともいずれか一方に関して適用されていればよい。
また、回転打撃工具の一例としてインパクトレンチを例示したが、アンビル18側の先端にドライバビットを装着可能としたインパクトドライバーに適用することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ネジの緩め作業時において、爪の2度当たりを解消して作業効率を向上することが可能な回転打撃工具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るインパクトレンチを示す一部破断側面図である。
【図2】要部を示す拡大断面図である。
【図3】スピンドル及びハンマーの展開図であり、(A)はスピンドルに設定されるV溝を示し、(B)はハンマーに設定される係合凹部を示す。
【図4】緩め時の爪の作動態様を説明する模式図である。
【図5】従来のスピンドル及びハンマーの展開図であり、(A)はスピンドルに設定されるV溝を示し、(B)はハンマーに設定される係合凹部を示す。
【図6】従来例に係る緩め時の爪の作動態様を説明する模式図である。
【符号の説明】
1…ハウジング
2…出力軸
3…遊星歯車列
8…スピンドル
11…ハンマー
12…回転打撃機構
13…ボール
14…V溝
14b…締付側の傾斜溝
14c…緩め側の傾斜溝
15…係合凹面
15b…締付側の斜面
15c…緩め側の斜面
16…係合凹部
17…圧縮スプリング
18…アンビル

Claims (2)

  1. 電動モータと、該電動モータにより回転されるスピンドルと、該スピンドルに対して同軸上に配置されるアンビルと、前記スピンドルの外周に嵌合されるハンマーと、該ハンマーを前記アンビル側に向かって加圧する弾性部材と、前記スピンドルと前記ハンマーとの間に介在され、前記スピンドルがネジの締付方向に回転される締付側又はネジの緩め方向に回転される緩め側のそれぞれの回転方向について、前記ハンマーに前記スピンドルに対する所定角度の周方向移動と軸方向移動との複合運動を行わせることによって、前記ハンマーの爪を前記アンビルの爪に係合させて回転打撃を加える回転打撃機構とを備えた回転打撃工具であって、
    前記回転打撃機構は、ハンマーの周方向移動量に対する軸方向移動量の比率が、前記スピンドルが締付側に回転するときに比べて緩め側に回転するときの方が小さい複合運動を行うように構成されていることを特徴とする回転打撃工具。
  2. 請求項1に記載の回転打撃工具であって、前記回転打撃機構が、前記スピンドルの外周に形成されたV溝と、そのV溝に沿って移動されるボールと、前記ハンマーの内周面に形成されるとともに前記ボールに係合する逆V字状の係合凹面を有する係合凹部とから構成され、前記V溝は谷底から延びる一方の傾斜溝を締付用、他方の傾斜溝を緩め用として備え、前記係合凹面は谷底から延びる一方の斜面を締付用、他方の斜面を緩め用として備え、前記V溝又は前記係合凹面のうちのいずれか一方又は双方の緩め側のリード角が締付側のリード角よりも小さく設定されていることを特徴とする回転打撃工具。
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