JP3678649B2 - ヒンジ機構及び携帯電話並びに開閉装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒンジ機構と、そのヒンジ機構を有する携帯電話及び開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、近年普及しつつある携帯電話にあっては、二つ折りに構成されたものがある。このような携帯電話は、使用しないときは、折り畳んだ状態にあり、使用時には、一方の本体に対し他方の本体を開くことによって送受信できるようになっている。そして、この折り畳みできる携帯電話は、一方の本体と他方の本体との間にヒンジ機構を設けて構成されている。
【0003】
従来のヒンジ機構は、一方の本体の軸挿通部と他方の本体の挿入部とを連結するヒンジピンを有している。ヒンジピンは、一方の本体の軸挿通部を介して他方の本体の軸挿入部に差し込んだとき、ヒンジピンの先端に設けられた爪部が他方の本体の挿入部に設けられている嵌合部に嵌合することにより、一方の本体と他方の本体とがヒンジピンを中心として、互いに開閉できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記に示すヒンジ機構は、上記の如く、一方の本体の軸挿通部及び他方の本体の軸挿入部にヒンジピンを差し込むことによって双方の本体を互いに開閉できるようになっている。
しかしながら、ヒンジピンを他方の本体の軸挿入部に差し込んだとき、ヒンジピンの爪部が軸挿入部の嵌合部に嵌め殺し状態で嵌合するようになっているので、双方の本体を組み付ける場合には問題ないものの、ヒンジピンを本体から取り外そうとすると、ヒンジピンの爪が破損したりする結果、ヒンジピンを再び使用することができなくなるばかりでなく、本体までも再使用することができなくなったりするおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、ヒンジピンを双方の本体に組み付けることができるばかりでなく、簡単かつ確実に取り外すこともでき、以て構成部品をリサイクルすることができるヒンジ機構を提供するのを課題とし、また上記ヒンジ機構を有する携帯電話及び開閉装置を提供するのを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明においては、以下の手段を採用した。請求項1記載の本発明では、一方の本体に形成された軸挿通部と他方の本体に形成された軸挿入部とを連結し、かつ一方の本体と他方の本体とを互いに開閉させるヒンジ機構であって、外周部に軸方向に沿い先端部に突起を有する突条部が頭部から先端部に向かって所要長さに亘って形成されると共に前記先端部の端面から所要深さ開口されてなり、一方の本体の軸挿通部から他方の本体の軸挿入部に差し込まれるヒンジピンと、前記ヒンジピンの先端部に軸周りに回転可能に装着され、かつその外周部に、他方の本体の軸挿入部内に突設された係合リブと係合するスリットを設けて他方の本体の軸挿入部に嵌合された筒状体と、前記ヒンジピンとこれに装着された前記筒状体の内部に縮設された押し出しばねと、前記軸挿通部の挿通孔の軸方向の途中位置に周方向に沿って突設され、前記ヒンジピンの突条部の位置まで張り出し、かつ突起を前記軸挿通部内で係止させる規制突起と、その規制突起に連設され、かつヒンジピンの外周面まで張り出す角度規制壁とからなり、一方の本体の軸挿通部内に、前記ヒンジピンを取り付け方向に回転したとき、前記突条部の突起を係止させる係止ストッパーと、他方の本体の軸挿入部内に突設され、前記筒状体に嵌合しかつ前記押し出しばねを一方の本体の外方に押圧させる嵌合ボスとを備えてなることを特徴とする。
請求項2にかかるヒンジ機構は、請求項1において、前記ヒンジピンの先端面に爪が形成されると共に、前記筒状体の前記ヒンジピン寄りの一端面に爪と係合する係合爪が形成され、さらに前記係合爪と前記爪との何れか一方に凸部が設けられると共に、その他方に凸部と嵌合される凹部が設けられていることを特徴とする。
請求項3にかかるヒンジ機構は、請求項1または2において、前記ヒンジピンは、その頭部に、工具によって前記ヒンジピンを取り出すための工具用切り欠きを設けていることを特徴とするヒンジ機構。
請求項4にかかる携帯電話は、請求項1〜3記載の何れか 1 項記載のヒンジ機構を備えたことを特徴とする。
請求項5にかかる開閉装置は、請求項1〜3記載の何れか 1 項記載のヒンジ機構を備えたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1〜図6は本発明によるヒンジ機構を携帯電話に適用した一実施形態を示している。
この発明のヒンジ機構を述べる前に、開閉可能に構成された携帯電話について述べると、この携帯電話は、図1に示すように、第一本体としての表示側筐体1と、第二本体としての入力側筐体2とを備えている。
【0015】
表示側筐体1は、その内面に例えば液晶板からなる表示部3を装着している。この表示部3は、表示側筐体1の内面に設けられた表示窓4に取り付けられており、通常では時刻が表示されたり、あるいはユーザによって選定された画像等が表示され、送受話時には相手先の番号やその経過時間などが表示されるようになっている。
入力側筐体2は、その内面に複数個の釦キー5が配設されている。各釦キー5は、入力側筐体2の内面に配設されたキー窓6にそれぞれ取り付けられ、釦キー5が操作されることによって所望の機能が得られるようになっている。
なお、図1では図示していないが、表示側筐体1には受信した音声信号を出力するため、スピーカからなる音声出力部が設けられる一方、入力側筐体2の内面に音声を取り込むためマイクロフォンからなる音声入力部が取り付けられている。
【0016】
本実施形態のヒンジ機構10は、図1及び図3に示すように、表示側筐体1の一端部に筒状に形成された軸挿通部7が突設されると共に、入力側筐体2の一端部に一端が閉塞された筒状の軸挿入部8が突設されている。そして、表示側筐体1の軸挿通部7と、これと間隔を設けて突設された円柱部7′との間に入力側筐体2の軸挿入部8が挿入して配置されたとき、軸挿通部7,軸挿入部8間が後述するヒンジピン11によって連結されることにより、ヒンジピン11を中心として表示側筐体1と入力側筐体2とが互いに開閉できるようになっている。
なお、図1において、表示側筐体1の一方の軸挿入部8(左側)と、他方の軸挿入部8(右側)とは軸方向の長さが異なっているが、基本的には左右対称に同様の形状に構成されている。
【0017】
ヒンジピン11は、表示側筐体1の軸挿通部7及び入力側筐体2の軸挿入部8に挿入するためのものであって、図2及び図3に示すように、筒状に形成されており、その一端部にヒンジピン11(図2のみ)より大きい径をもって周囲外方に膨出する頭部11aが形成されている。
【0018】
また、頭部11aの内面部には図2及び図4に示すように、ヒンジピン11の外周部上に軸方向に沿い突条部11bが形成されている。この突条部11bは、頭部11aの内面部においてその頭部11aの径寸法より小さい高さをなすと共に適宜の幅寸法をもつ矩形状に形成され、しかもヒンジピン11の軸方向の長さより短い長さで軸方向に沿って形成されている。また、突条部11bの先端部には突起11cが設けられている。このような突条部11bは、図2では一個しか表示されていないが、図4に示す如く、ヒンジピン11の外周部に180゜の間隔をもって二個配設されている。
【0019】
さらに、ヒンジピン11の先端部には、入力側筐体2の軸挿入部8に嵌合する筒状体12が装着されている。この筒状体12は、図4に示すように、ヒンジピン11と略同径の筒状をなしており、ヒンジピン11寄りの一端面に係合爪12aが突設され、この係合爪12aがヒンジピン11の先端面に形成された爪11dと係合することにより、ヒンジピン11の先端部に装着されるようになっている。その際、筒状体12は、ヒンジピン11に対し軸周りに回転できるように装着されている。そのため、係合爪12aと爪11dとは、ヒンジピン11に対し筒状体12が回転可能な状態で係合するようになっている。
【0020】
また、ヒンジピン11の他端側の内面部にはばね引掛部12bが内方に向かって突設されている。そして、ヒンジピン11に筒状体12を装着するに際し、ヒンジピン11内に先端側から押し出しばね13を入れておいた後、筒状体12の係合爪12aをヒンジピン11の爪11dと係合させて、ヒンジピン11の先端部に筒状体12を装着することにより、押し出しばね13がヒンジピン11の頭部11aの内面と筒状体12のばね引掛部12bとの間に縮設されるようになっている。
つまり、筒状体12は、ヒンジピン11に装着されることにより、ヒンジピン11内に押し出しばね13を縮設した状態で内蔵させるようになっている。押し出しばね13は、ヒンジピン11及び筒状体12の内部に挿入し得る大きさのコイル式の圧縮ばねからなっている。
【0021】
さらに、筒状体12の外周部には、図2に示すように、その一部が外面部から内面部に渡る深さで、しかも軸方向に沿って切り除いて形成されたスリット12cが形成され、スリット12cが軸挿入部8の後述する係合リブ8bと係合するようになっている。
【0022】
一方、表示側筐体1の軸挿通部7は、ヒンジピン11の頭部11aと同程度の径を有する大きさの筒状に形成されており、その内部にヒンジピン11を挿通するための挿通孔7aが形成されていると共に、挿通孔7aの軸方向の途中位置に周方向に沿って突設され、かつヒンジピン11の突条部11b及び突起11cを係止できる係止ストッパー7bが形成されている。係止ストッパー7bは、軸挿通部7の挿通孔7aにおいて、その内周部に図5及び図6(b)に示すように、突条部11bの位置まで張り出して突出し、突起11cを係止するための規制突起7cと、この規制突起7cの末端位置に連設され、かつ図5及び図6(c)に示すように、ヒンジピン11の外周面まで張り出して突出する角度規制壁7dとからなっている。
【0023】
そして、軸挿通部7にヒンジピン11を挿入するに際し、ヒンジピン11の突条部11b及び突起11cを軸挿通部7の挿通孔7aに一致させ、その状態で挿通孔7aに沿いヒンジピン11を挿入し、突条部11bの突起11cが係止ストッパー7bの規制突起7cを通過した時点で、ヒンジピン11を図5に示す矢印の如く時計方向に回すと、突条部11bの側部が角度規制壁7dに突き当たり、突起11cが係止ストッパー7bの規制突起7cによって抜けることがないようにしている。
【0024】
他方、入力側筐体2の軸挿入部8は、図6に示すように、外観上、ヒンジピン11の頭部11aと同程度の径を有する大きさの円柱状に形成されている。この軸挿入部8は、表示側筐体1の軸挿通部7寄りの一端部に、ヒンジピン11に装着されている筒状体12に嵌合する嵌合ボス8aが突設されると共に、筒状体12のスリット12cと係合する係合リブ8bが内方に向かって突設されている。
【0025】
嵌合ボス8aは、図5及び図6に示すように、軸挿入部8内の底部中央に環状凹部8cを設けることにより、筒状体12の内周部に嵌入し得る程度の大きさに形成されている。この嵌合ボス8aは、ヒンジピン11の先端部が入力側筐体1の軸挿通部7を介し表示側筐体2の軸挿入部8に挿入されたとき、筒状体12の先端部と嵌合し、かつ押し出しばね13の先端部をヒンジピン11の頭部11a側に押圧するようになっている。
【0026】
係合リブ8bは、軸挿入部8の環状凹部8cの周側部に内方に向かって若干突設されており、ヒンジピン11の先端部が表示側筐体2の軸挿入部8に挿入されたとき、筒状体12のスリット12cと係合することにより、表示側筐体1と筒状体12とが一体的に回転するようになっている。
【0027】
本実施形態のヒンジ機構10は、上記の如く構成されているので、次に携帯電話を組み付ける場合について説明する。
まず予め、表示側筐体1,入力側筐体2,及びヒンジピン11,押し出しばね13,筒状体12をそれぞれ用意し、図1及び図3に示すように、表示側筐体1の軸挿通部7と円柱部7′との間に入力側筐体2の軸挿入部8を配置しておく一方、図2及び図3に示すように、ヒンジ機構10のヒンジピン11内に押し出しばね13を入れると共に、そのヒンジピン11の先端部に爪11dと係合爪12aとの係合によって筒状体12を装着しておく。
【0028】
この場合、ヒンジピン11の先端部に筒状体12を装着すると、筒状体12のばね引掛部12bとヒンジピン11の頭部11aとの間に押し出しばね13が縮設されることとなる。また、ヒンジピン11に筒状体12を装着したとき、ヒンジピン11の突条部11bと筒状体12のスリット12cとの角度位置を、軸挿通部7の挿通孔7aと軸挿入部8の係合リブ8bとの角度に対応させておく。
【0029】
このような状態にあるとき、筒状体12付きのヒンジピン11の突条部11bと、表示側筐体1の軸挿通部7の挿通孔7aとの位置を一致させ、このままの位置状態でヒンジピン11を、その先端側から軸挿通部7の挿通孔7a及び入力側筐体2の軸挿入部8内に挿入する。
【0030】
そして、ヒンジピン11の先端部に装着されている筒状体12が軸挿通部7の挿通孔7aを通った後、筒状体12の先端部に入力側筐体2の軸挿入部8内の嵌合ボス8aが嵌合すると、図6(a)に示すように、嵌合ボス8aが押し出しばね13の端部を圧接することにより、押し出しばね13がヒンジピン11内で頭部11a側にさらに付勢された状態となる。
【0031】
また、筒状体12に嵌合ボス8aが嵌合した時点で、ヒンジピン11を図5に示す矢印の如く時計方向に回し、ヒンジピン11の突条部11bが挿通孔7a内で係止ストッパー7bの角度規制壁7dに突き当てる。
【0032】
これにより、突条部11bの突起11cが図6(b)に示すように、挿通孔7a内で係止ストッパー7bの規制突起7cに係止されるので、ヒンジピン11は、入力側筐体2の軸挿入部8及び表示側筐体1の軸挿通部7から抜けることがなくなり、入力側筐体2及び表示側筐体1の双方をヒンジ機構10によって互いに閉じたり開いたりすることができるように取り付けることができる。
【0033】
一方、表示側筐体1及び入力側筐体2からヒンジピン11を取り外す場合には、ヒンジピン11を押し出しばね13のばね力に抗し、表示側筐体1及び入力側筐体2側に一旦押し込むと共に、その押し込んだ状態で図5に示す矢印と反対方向に徐々に回転させる。この回転時、ヒンジピン11の突条部11bの突起11cが挿通孔7a内で係止ストッパー7bの規制突起7cに沿って次第に周方向に移動するが、規制突起7cからはずれた位置に到達した時点で、ヒンジピン11の押し込みを解除すると、押し出しばね13が嵌合ボス8aによってヒンジピン11の頭部11a側に付勢されているので、押し出しばね13のばね力によりヒンジピン11が入力側筐体2の軸挿入部8及び表示側筐体1の軸挿通部7から外部に飛び出ることとなる。そして、飛び出たヒンジピン11を取り出すことにより、表示側筐体1と入力側筐体2とを分離することができる。
【0034】
本実施形態によれば、筒状体12を装着しているヒンジピン11を、表示側筐体1の軸挿通部7から入力側筐体2の軸挿入部8に挿入し、かつヒンジピン11を取り付け方向に回転させ、突条部11bの突起11cが係止ストッパー7bの規制突起7cに係止されることにより、ヒンジピン11が入力側筐体2と表示側筐体1とを互いに開閉できるように連結するので、ヒンジピン11を表示側筐体1と入力側筐体2とに簡単かつ確実に取り付けることができる。
また、ヒンジピン11を、突条部11bの突起11cと規制突起7cとの係合が解除する位置まで逆方向に回転させると、ヒンジピン11を入力側筐体2の軸挿入部8及び表示側筐体1の軸挿通部7から抜き取ることができるようにしたので、表示側筐体1及び入力側筐体2からのヒンジピン11の抜き取りを容易に行うことができる。
そのため、従来技術に比較すると、取り外したときにヒンジピンが破損することがなくなるので、ヒンジ機構10としての分解性が良く、リサイクルの面で有利となる。
【0035】
そして、上記ヒンジ機構10によれば、以下の効果もある。
即ち、ヒンジピン11の先端部に装着されている筒状体12の外周部には、入力側筐体2の軸挿入部8内に突設された係合リブ8bと係合するスリット12cが設けられているので、ヒンジピン11を軸挿通部7及び軸挿入部8内に取り付けたとき、筒状体12のスリット12cに軸挿入部8の係合リブ8bが確実に係合する。そのため、例えば表示側筐体1と入力側筐体2との何れか一方を開閉動作させると、軸挿通部7と軸挿入部8とが互いに反対方向に回転する結果、他方も必然的に開閉動作するので、表示側筐体1と入力側筐体2との開閉を的確に行うことができ、開閉操作が良好となる。
【0036】
また、軸挿通部7内に設けられた係止ストッパー7bは、突起11cを軸挿通部7内で係止する規制突起7cと、ヒンジピン11の外周面まで張り出す角度規制壁7dとを有しているので、ヒンジピン11を回したとき、突条部11bが角度規制壁7dに当たった時点で、突条部11bの突起11cが規制突起7cに係止されることとなり、したがって、挿入しかつ回転させるだけでヒンジピン11を表示側筐体1と入力側筐体2とに確実に取り付けることができると共に、双方の筐体1,2を互いに組み付けることができる。
【0037】
さらに、ヒンジピン11と筒状体12との間に押し出しばね13を縮設する一方、軸挿入部8内に押し出しばね13を表示側筐体1の外方に押圧させる嵌合ボス8aが形成されているので、ヒンジピン11を軸挿通部7から軸挿入部8に取り付けたとき、嵌合ボス8aによって押し出しばね13が押圧され、表示側筐体1の外方側に付勢されることとなる。そのため、ヒンジピン11を取り外し方向に回転させ、突起11cが係止ストッパー7bから外れると、ヒンジピン11が表示側筐体1から飛び出すので、ヒンジピン11の抜き取りを簡単かつ確実に行うことができ、ヒンジピン11の抜き取り作業をいっそう単純化することができる。
【0038】
またさらに、ヒンジ機構10は、表示側筐体1に形成された軸挿通部7と、入力側筐体2に形成された軸挿入部8と、これを連結するヒンジピン11とを有し、しかもヒンジピン11が筒状体12と、押し出しばね13とで構成されているので、各部品を容易に分解しかつ組み付けることができるばかりでなく、使用部品点数の削減を図ることもできる。
【0039】
図7は本発明によるヒンジ機構10の他の実施形態を示している。
この場合は、ヒンジピン11の先端面に設けられた爪11dの先端部に凹部11eが形成される一方、筒状体12に設けられた係合爪12aの凹部11eと対応する位置に凸部12dが形成されている。
そして、ヒンジピン11によって表示側筐体1と入力側筐体2とを組み付けた後、両者を次第に開いたとき、爪11dと係合爪12aが互いに摺接しながら反対方向に回転するが、その際、爪11dの凹部11eに係合爪12aの凸部12dが嵌合することにより、表示側筐体1と入力側筐体2との開状態を固定させておくことができる。
【0040】
したがって、係合爪12aの凸部12dが爪11dの凹部11eに嵌合することによって表示側筐体11と入力側筐体2との開状態を固定させておくことができるので、開いたときに自重等で閉じてしまうのを防止することができ、使い勝手が良好となる。
また、このような凹部11eは爪11dに対し周方向に沿って複数設けておくと、それら各凹部11eに凸部12dが順次断続的に係合することにより、表示側筐体1と入力側筐体2との間でクリック音を発生させながら開閉させることも可能となる。
なお、この実施形態では、凸部12dが係合爪12aに、かつ凹部11eが爪11dに設けられた例を示したが、それらを逆に設けてもよいのは勿論である。
【0041】
図8は本発明によるヒンジ機構10のさらに他の実施形態を示している。
これまで述べた実施形態においては、ヒンジピン11の頭部11aを表示側筐体1に押し込むことにより取り付けるようにした例を示した。しかしながら、ヒンジピン11の頭部11aが極端に小さいものであって、作業員が指で押し込むことが困難となる場合がある。
【0042】
本実施形態においては、上記事情に対処するためのものである。即ち、図8(a)に示すように、ヒンジピン11の頭部11aの表面に、例えば工具としてマイナスのドライバーを差し込むためのドライバー用溝9aが設けられ、このドライバー用溝9aにドライバーを差し込んで回転させることにより、表示側筐体1及び入力側筐体2に対しヒンジピン11を取り付け,取り外しできるようになっている。
【0043】
図8(b)では、ヒンジピン11の頭部11aの外周部につまみ工具用溝9bが設けられ、該溝9bに例えばピンセットの先端部を折り曲げたような形状のつまみ工具9bを差し込んで回すことにより、ヒンジピン11の取り付け,取り外しを行えるようになっている。この場合、ヒンジピン11の頭部11aが軸挿通部7の挿通孔7a内に完全に入っていると、ヒンジピン11を取り出しにくいので、頭部11aは挿通孔7aの外側に突出しているのが好ましい。
【0044】
このように、ヒンジピン11の頭部11aにドライバー用溝9aやつまみ工具用溝9bを設けると、作業員が作業しにくいような大きさの頭部11aであっても、ヒンジピン11を的確に回転させ、取り付け,取り外しを的確に行うことができるばかりでなく、頭部11aの外観デザインが制約を受けるというおそれもない。なお、図8では、ヒンジピン11に設けられている突条部11bが省略されている。
【0045】
なお、図示実施形態においては、ヒンジ機構10を携帯電話に適用した例を示したが、これに限らず、要は、一方の本体と他方の本体とが互いに開閉する他の開閉装置に利用しても、同様の作用効果を得ることができる。また、ヒンジピン11には突起11cを有する突条部11bが二個設けられ、表示側筐体1の軸挿通部7に係止ストッパー7bが二個設けられた例を示したが、これらは一個形成しただけでも同様の作用効果を得ることができる。
【0046】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、一方の本体に形成された軸挿通部及び他方の本体に形成された軸挿入部に対し、ヒンジピンを挿入して回転することにより、ヒンジピンの取り付け,取り外しを行え、取り外したときにヒンジピンが破損することがないように構成したので、ヒンジ機構としての分解性が良く、リサイクルの面で有利となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるヒンジ機構を適用した携帯電話を示す分解斜視図である。
【図2】 同じくヒンジ機構のヒンジピンを示す拡大斜視図である。
【図3】 携帯電話における表示側筐体の軸挿通部を示す斜視図である。
【図4】 ヒンジピンを示す図1のA−A線に相当する断面図である。
【図5】 携帯電話において軸挿通部及び軸挿入部を示す図3のB矢視に相当する説明用拡大図である。
【図6】 本発明によるヒンジ機構の要部を示し、(a)は図5のC−C線断面図、(b)は図5のD−D線断面図、(c)は図5のE−E線断面図である。
【図7】 本発明によるヒンジ機構の他の実施形態を示す要部の断面説明図である。
【図8】 本発明によるヒンジ機構のさらに他の実施形態を示し、(a)はドライバー用溝を設けたヒンジピンの斜視図、(b)はつまみ工具用溝を設けたヒンジピンの斜視図である。
【符号の説明】
1 表示側筐体
2 入力側筐体
3 表示部
4 表示窓
5 釦キー
6 キー窓
7 表示側筐体の軸挿通部
7’ 円柱部
7a 挿通孔
7b 係止ストッパー
7c 規制突起
7d 角度規制壁
8 入力側筐体の軸挿入部
8a 嵌合ボス
8b 係合リブ
8c 環状凹部
9a ドライバー用溝
9b つまみ工具用溝
10 ヒンジ機構
11 ヒンジピン
11a 頭部
11b 突条部
11c 突起
11d 爪
11e 凹部
12 筒状体
12a 係合爪
12b ばね引掛部
12c スリット
12d 凸部
13 押し出しばね
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒンジ機構と、そのヒンジ機構を有する携帯電話及び開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、近年普及しつつある携帯電話にあっては、二つ折りに構成されたものがある。このような携帯電話は、使用しないときは、折り畳んだ状態にあり、使用時には、一方の本体に対し他方の本体を開くことによって送受信できるようになっている。そして、この折り畳みできる携帯電話は、一方の本体と他方の本体との間にヒンジ機構を設けて構成されている。
【0003】
従来のヒンジ機構は、一方の本体の軸挿通部と他方の本体の挿入部とを連結するヒンジピンを有している。ヒンジピンは、一方の本体の軸挿通部を介して他方の本体の軸挿入部に差し込んだとき、ヒンジピンの先端に設けられた爪部が他方の本体の挿入部に設けられている嵌合部に嵌合することにより、一方の本体と他方の本体とがヒンジピンを中心として、互いに開閉できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記に示すヒンジ機構は、上記の如く、一方の本体の軸挿通部及び他方の本体の軸挿入部にヒンジピンを差し込むことによって双方の本体を互いに開閉できるようになっている。
しかしながら、ヒンジピンを他方の本体の軸挿入部に差し込んだとき、ヒンジピンの爪部が軸挿入部の嵌合部に嵌め殺し状態で嵌合するようになっているので、双方の本体を組み付ける場合には問題ないものの、ヒンジピンを本体から取り外そうとすると、ヒンジピンの爪が破損したりする結果、ヒンジピンを再び使用することができなくなるばかりでなく、本体までも再使用することができなくなったりするおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、ヒンジピンを双方の本体に組み付けることができるばかりでなく、簡単かつ確実に取り外すこともでき、以て構成部品をリサイクルすることができるヒンジ機構を提供するのを課題とし、また上記ヒンジ機構を有する携帯電話及び開閉装置を提供するのを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明においては、以下の手段を採用した。請求項1記載の本発明では、一方の本体に形成された軸挿通部と他方の本体に形成された軸挿入部とを連結し、かつ一方の本体と他方の本体とを互いに開閉させるヒンジ機構であって、外周部に軸方向に沿い先端部に突起を有する突条部が頭部から先端部に向かって所要長さに亘って形成されると共に前記先端部の端面から所要深さ開口されてなり、一方の本体の軸挿通部から他方の本体の軸挿入部に差し込まれるヒンジピンと、前記ヒンジピンの先端部に軸周りに回転可能に装着され、かつその外周部に、他方の本体の軸挿入部内に突設された係合リブと係合するスリットを設けて他方の本体の軸挿入部に嵌合された筒状体と、前記ヒンジピンとこれに装着された前記筒状体の内部に縮設された押し出しばねと、前記軸挿通部の挿通孔の軸方向の途中位置に周方向に沿って突設され、前記ヒンジピンの突条部の位置まで張り出し、かつ突起を前記軸挿通部内で係止させる規制突起と、その規制突起に連設され、かつヒンジピンの外周面まで張り出す角度規制壁とからなり、一方の本体の軸挿通部内に、前記ヒンジピンを取り付け方向に回転したとき、前記突条部の突起を係止させる係止ストッパーと、他方の本体の軸挿入部内に突設され、前記筒状体に嵌合しかつ前記押し出しばねを一方の本体の外方に押圧させる嵌合ボスとを備えてなることを特徴とする。
請求項2にかかるヒンジ機構は、請求項1において、前記ヒンジピンの先端面に爪が形成されると共に、前記筒状体の前記ヒンジピン寄りの一端面に爪と係合する係合爪が形成され、さらに前記係合爪と前記爪との何れか一方に凸部が設けられると共に、その他方に凸部と嵌合される凹部が設けられていることを特徴とする。
請求項3にかかるヒンジ機構は、請求項1または2において、前記ヒンジピンは、その頭部に、工具によって前記ヒンジピンを取り出すための工具用切り欠きを設けていることを特徴とするヒンジ機構。
請求項4にかかる携帯電話は、請求項1〜3記載の何れか 1 項記載のヒンジ機構を備えたことを特徴とする。
請求項5にかかる開閉装置は、請求項1〜3記載の何れか 1 項記載のヒンジ機構を備えたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1〜図6は本発明によるヒンジ機構を携帯電話に適用した一実施形態を示している。
この発明のヒンジ機構を述べる前に、開閉可能に構成された携帯電話について述べると、この携帯電話は、図1に示すように、第一本体としての表示側筐体1と、第二本体としての入力側筐体2とを備えている。
【0015】
表示側筐体1は、その内面に例えば液晶板からなる表示部3を装着している。この表示部3は、表示側筐体1の内面に設けられた表示窓4に取り付けられており、通常では時刻が表示されたり、あるいはユーザによって選定された画像等が表示され、送受話時には相手先の番号やその経過時間などが表示されるようになっている。
入力側筐体2は、その内面に複数個の釦キー5が配設されている。各釦キー5は、入力側筐体2の内面に配設されたキー窓6にそれぞれ取り付けられ、釦キー5が操作されることによって所望の機能が得られるようになっている。
なお、図1では図示していないが、表示側筐体1には受信した音声信号を出力するため、スピーカからなる音声出力部が設けられる一方、入力側筐体2の内面に音声を取り込むためマイクロフォンからなる音声入力部が取り付けられている。
【0016】
本実施形態のヒンジ機構10は、図1及び図3に示すように、表示側筐体1の一端部に筒状に形成された軸挿通部7が突設されると共に、入力側筐体2の一端部に一端が閉塞された筒状の軸挿入部8が突設されている。そして、表示側筐体1の軸挿通部7と、これと間隔を設けて突設された円柱部7′との間に入力側筐体2の軸挿入部8が挿入して配置されたとき、軸挿通部7,軸挿入部8間が後述するヒンジピン11によって連結されることにより、ヒンジピン11を中心として表示側筐体1と入力側筐体2とが互いに開閉できるようになっている。
なお、図1において、表示側筐体1の一方の軸挿入部8(左側)と、他方の軸挿入部8(右側)とは軸方向の長さが異なっているが、基本的には左右対称に同様の形状に構成されている。
【0017】
ヒンジピン11は、表示側筐体1の軸挿通部7及び入力側筐体2の軸挿入部8に挿入するためのものであって、図2及び図3に示すように、筒状に形成されており、その一端部にヒンジピン11(図2のみ)より大きい径をもって周囲外方に膨出する頭部11aが形成されている。
【0018】
また、頭部11aの内面部には図2及び図4に示すように、ヒンジピン11の外周部上に軸方向に沿い突条部11bが形成されている。この突条部11bは、頭部11aの内面部においてその頭部11aの径寸法より小さい高さをなすと共に適宜の幅寸法をもつ矩形状に形成され、しかもヒンジピン11の軸方向の長さより短い長さで軸方向に沿って形成されている。また、突条部11bの先端部には突起11cが設けられている。このような突条部11bは、図2では一個しか表示されていないが、図4に示す如く、ヒンジピン11の外周部に180゜の間隔をもって二個配設されている。
【0019】
さらに、ヒンジピン11の先端部には、入力側筐体2の軸挿入部8に嵌合する筒状体12が装着されている。この筒状体12は、図4に示すように、ヒンジピン11と略同径の筒状をなしており、ヒンジピン11寄りの一端面に係合爪12aが突設され、この係合爪12aがヒンジピン11の先端面に形成された爪11dと係合することにより、ヒンジピン11の先端部に装着されるようになっている。その際、筒状体12は、ヒンジピン11に対し軸周りに回転できるように装着されている。そのため、係合爪12aと爪11dとは、ヒンジピン11に対し筒状体12が回転可能な状態で係合するようになっている。
【0020】
また、ヒンジピン11の他端側の内面部にはばね引掛部12bが内方に向かって突設されている。そして、ヒンジピン11に筒状体12を装着するに際し、ヒンジピン11内に先端側から押し出しばね13を入れておいた後、筒状体12の係合爪12aをヒンジピン11の爪11dと係合させて、ヒンジピン11の先端部に筒状体12を装着することにより、押し出しばね13がヒンジピン11の頭部11aの内面と筒状体12のばね引掛部12bとの間に縮設されるようになっている。
つまり、筒状体12は、ヒンジピン11に装着されることにより、ヒンジピン11内に押し出しばね13を縮設した状態で内蔵させるようになっている。押し出しばね13は、ヒンジピン11及び筒状体12の内部に挿入し得る大きさのコイル式の圧縮ばねからなっている。
【0021】
さらに、筒状体12の外周部には、図2に示すように、その一部が外面部から内面部に渡る深さで、しかも軸方向に沿って切り除いて形成されたスリット12cが形成され、スリット12cが軸挿入部8の後述する係合リブ8bと係合するようになっている。
【0022】
一方、表示側筐体1の軸挿通部7は、ヒンジピン11の頭部11aと同程度の径を有する大きさの筒状に形成されており、その内部にヒンジピン11を挿通するための挿通孔7aが形成されていると共に、挿通孔7aの軸方向の途中位置に周方向に沿って突設され、かつヒンジピン11の突条部11b及び突起11cを係止できる係止ストッパー7bが形成されている。係止ストッパー7bは、軸挿通部7の挿通孔7aにおいて、その内周部に図5及び図6(b)に示すように、突条部11bの位置まで張り出して突出し、突起11cを係止するための規制突起7cと、この規制突起7cの末端位置に連設され、かつ図5及び図6(c)に示すように、ヒンジピン11の外周面まで張り出して突出する角度規制壁7dとからなっている。
【0023】
そして、軸挿通部7にヒンジピン11を挿入するに際し、ヒンジピン11の突条部11b及び突起11cを軸挿通部7の挿通孔7aに一致させ、その状態で挿通孔7aに沿いヒンジピン11を挿入し、突条部11bの突起11cが係止ストッパー7bの規制突起7cを通過した時点で、ヒンジピン11を図5に示す矢印の如く時計方向に回すと、突条部11bの側部が角度規制壁7dに突き当たり、突起11cが係止ストッパー7bの規制突起7cによって抜けることがないようにしている。
【0024】
他方、入力側筐体2の軸挿入部8は、図6に示すように、外観上、ヒンジピン11の頭部11aと同程度の径を有する大きさの円柱状に形成されている。この軸挿入部8は、表示側筐体1の軸挿通部7寄りの一端部に、ヒンジピン11に装着されている筒状体12に嵌合する嵌合ボス8aが突設されると共に、筒状体12のスリット12cと係合する係合リブ8bが内方に向かって突設されている。
【0025】
嵌合ボス8aは、図5及び図6に示すように、軸挿入部8内の底部中央に環状凹部8cを設けることにより、筒状体12の内周部に嵌入し得る程度の大きさに形成されている。この嵌合ボス8aは、ヒンジピン11の先端部が入力側筐体1の軸挿通部7を介し表示側筐体2の軸挿入部8に挿入されたとき、筒状体12の先端部と嵌合し、かつ押し出しばね13の先端部をヒンジピン11の頭部11a側に押圧するようになっている。
【0026】
係合リブ8bは、軸挿入部8の環状凹部8cの周側部に内方に向かって若干突設されており、ヒンジピン11の先端部が表示側筐体2の軸挿入部8に挿入されたとき、筒状体12のスリット12cと係合することにより、表示側筐体1と筒状体12とが一体的に回転するようになっている。
【0027】
本実施形態のヒンジ機構10は、上記の如く構成されているので、次に携帯電話を組み付ける場合について説明する。
まず予め、表示側筐体1,入力側筐体2,及びヒンジピン11,押し出しばね13,筒状体12をそれぞれ用意し、図1及び図3に示すように、表示側筐体1の軸挿通部7と円柱部7′との間に入力側筐体2の軸挿入部8を配置しておく一方、図2及び図3に示すように、ヒンジ機構10のヒンジピン11内に押し出しばね13を入れると共に、そのヒンジピン11の先端部に爪11dと係合爪12aとの係合によって筒状体12を装着しておく。
【0028】
この場合、ヒンジピン11の先端部に筒状体12を装着すると、筒状体12のばね引掛部12bとヒンジピン11の頭部11aとの間に押し出しばね13が縮設されることとなる。また、ヒンジピン11に筒状体12を装着したとき、ヒンジピン11の突条部11bと筒状体12のスリット12cとの角度位置を、軸挿通部7の挿通孔7aと軸挿入部8の係合リブ8bとの角度に対応させておく。
【0029】
このような状態にあるとき、筒状体12付きのヒンジピン11の突条部11bと、表示側筐体1の軸挿通部7の挿通孔7aとの位置を一致させ、このままの位置状態でヒンジピン11を、その先端側から軸挿通部7の挿通孔7a及び入力側筐体2の軸挿入部8内に挿入する。
【0030】
そして、ヒンジピン11の先端部に装着されている筒状体12が軸挿通部7の挿通孔7aを通った後、筒状体12の先端部に入力側筐体2の軸挿入部8内の嵌合ボス8aが嵌合すると、図6(a)に示すように、嵌合ボス8aが押し出しばね13の端部を圧接することにより、押し出しばね13がヒンジピン11内で頭部11a側にさらに付勢された状態となる。
【0031】
また、筒状体12に嵌合ボス8aが嵌合した時点で、ヒンジピン11を図5に示す矢印の如く時計方向に回し、ヒンジピン11の突条部11bが挿通孔7a内で係止ストッパー7bの角度規制壁7dに突き当てる。
【0032】
これにより、突条部11bの突起11cが図6(b)に示すように、挿通孔7a内で係止ストッパー7bの規制突起7cに係止されるので、ヒンジピン11は、入力側筐体2の軸挿入部8及び表示側筐体1の軸挿通部7から抜けることがなくなり、入力側筐体2及び表示側筐体1の双方をヒンジ機構10によって互いに閉じたり開いたりすることができるように取り付けることができる。
【0033】
一方、表示側筐体1及び入力側筐体2からヒンジピン11を取り外す場合には、ヒンジピン11を押し出しばね13のばね力に抗し、表示側筐体1及び入力側筐体2側に一旦押し込むと共に、その押し込んだ状態で図5に示す矢印と反対方向に徐々に回転させる。この回転時、ヒンジピン11の突条部11bの突起11cが挿通孔7a内で係止ストッパー7bの規制突起7cに沿って次第に周方向に移動するが、規制突起7cからはずれた位置に到達した時点で、ヒンジピン11の押し込みを解除すると、押し出しばね13が嵌合ボス8aによってヒンジピン11の頭部11a側に付勢されているので、押し出しばね13のばね力によりヒンジピン11が入力側筐体2の軸挿入部8及び表示側筐体1の軸挿通部7から外部に飛び出ることとなる。そして、飛び出たヒンジピン11を取り出すことにより、表示側筐体1と入力側筐体2とを分離することができる。
【0034】
本実施形態によれば、筒状体12を装着しているヒンジピン11を、表示側筐体1の軸挿通部7から入力側筐体2の軸挿入部8に挿入し、かつヒンジピン11を取り付け方向に回転させ、突条部11bの突起11cが係止ストッパー7bの規制突起7cに係止されることにより、ヒンジピン11が入力側筐体2と表示側筐体1とを互いに開閉できるように連結するので、ヒンジピン11を表示側筐体1と入力側筐体2とに簡単かつ確実に取り付けることができる。
また、ヒンジピン11を、突条部11bの突起11cと規制突起7cとの係合が解除する位置まで逆方向に回転させると、ヒンジピン11を入力側筐体2の軸挿入部8及び表示側筐体1の軸挿通部7から抜き取ることができるようにしたので、表示側筐体1及び入力側筐体2からのヒンジピン11の抜き取りを容易に行うことができる。
そのため、従来技術に比較すると、取り外したときにヒンジピンが破損することがなくなるので、ヒンジ機構10としての分解性が良く、リサイクルの面で有利となる。
【0035】
そして、上記ヒンジ機構10によれば、以下の効果もある。
即ち、ヒンジピン11の先端部に装着されている筒状体12の外周部には、入力側筐体2の軸挿入部8内に突設された係合リブ8bと係合するスリット12cが設けられているので、ヒンジピン11を軸挿通部7及び軸挿入部8内に取り付けたとき、筒状体12のスリット12cに軸挿入部8の係合リブ8bが確実に係合する。そのため、例えば表示側筐体1と入力側筐体2との何れか一方を開閉動作させると、軸挿通部7と軸挿入部8とが互いに反対方向に回転する結果、他方も必然的に開閉動作するので、表示側筐体1と入力側筐体2との開閉を的確に行うことができ、開閉操作が良好となる。
【0036】
また、軸挿通部7内に設けられた係止ストッパー7bは、突起11cを軸挿通部7内で係止する規制突起7cと、ヒンジピン11の外周面まで張り出す角度規制壁7dとを有しているので、ヒンジピン11を回したとき、突条部11bが角度規制壁7dに当たった時点で、突条部11bの突起11cが規制突起7cに係止されることとなり、したがって、挿入しかつ回転させるだけでヒンジピン11を表示側筐体1と入力側筐体2とに確実に取り付けることができると共に、双方の筐体1,2を互いに組み付けることができる。
【0037】
さらに、ヒンジピン11と筒状体12との間に押し出しばね13を縮設する一方、軸挿入部8内に押し出しばね13を表示側筐体1の外方に押圧させる嵌合ボス8aが形成されているので、ヒンジピン11を軸挿通部7から軸挿入部8に取り付けたとき、嵌合ボス8aによって押し出しばね13が押圧され、表示側筐体1の外方側に付勢されることとなる。そのため、ヒンジピン11を取り外し方向に回転させ、突起11cが係止ストッパー7bから外れると、ヒンジピン11が表示側筐体1から飛び出すので、ヒンジピン11の抜き取りを簡単かつ確実に行うことができ、ヒンジピン11の抜き取り作業をいっそう単純化することができる。
【0038】
またさらに、ヒンジ機構10は、表示側筐体1に形成された軸挿通部7と、入力側筐体2に形成された軸挿入部8と、これを連結するヒンジピン11とを有し、しかもヒンジピン11が筒状体12と、押し出しばね13とで構成されているので、各部品を容易に分解しかつ組み付けることができるばかりでなく、使用部品点数の削減を図ることもできる。
【0039】
図7は本発明によるヒンジ機構10の他の実施形態を示している。
この場合は、ヒンジピン11の先端面に設けられた爪11dの先端部に凹部11eが形成される一方、筒状体12に設けられた係合爪12aの凹部11eと対応する位置に凸部12dが形成されている。
そして、ヒンジピン11によって表示側筐体1と入力側筐体2とを組み付けた後、両者を次第に開いたとき、爪11dと係合爪12aが互いに摺接しながら反対方向に回転するが、その際、爪11dの凹部11eに係合爪12aの凸部12dが嵌合することにより、表示側筐体1と入力側筐体2との開状態を固定させておくことができる。
【0040】
したがって、係合爪12aの凸部12dが爪11dの凹部11eに嵌合することによって表示側筐体11と入力側筐体2との開状態を固定させておくことができるので、開いたときに自重等で閉じてしまうのを防止することができ、使い勝手が良好となる。
また、このような凹部11eは爪11dに対し周方向に沿って複数設けておくと、それら各凹部11eに凸部12dが順次断続的に係合することにより、表示側筐体1と入力側筐体2との間でクリック音を発生させながら開閉させることも可能となる。
なお、この実施形態では、凸部12dが係合爪12aに、かつ凹部11eが爪11dに設けられた例を示したが、それらを逆に設けてもよいのは勿論である。
【0041】
図8は本発明によるヒンジ機構10のさらに他の実施形態を示している。
これまで述べた実施形態においては、ヒンジピン11の頭部11aを表示側筐体1に押し込むことにより取り付けるようにした例を示した。しかしながら、ヒンジピン11の頭部11aが極端に小さいものであって、作業員が指で押し込むことが困難となる場合がある。
【0042】
本実施形態においては、上記事情に対処するためのものである。即ち、図8(a)に示すように、ヒンジピン11の頭部11aの表面に、例えば工具としてマイナスのドライバーを差し込むためのドライバー用溝9aが設けられ、このドライバー用溝9aにドライバーを差し込んで回転させることにより、表示側筐体1及び入力側筐体2に対しヒンジピン11を取り付け,取り外しできるようになっている。
【0043】
図8(b)では、ヒンジピン11の頭部11aの外周部につまみ工具用溝9bが設けられ、該溝9bに例えばピンセットの先端部を折り曲げたような形状のつまみ工具9bを差し込んで回すことにより、ヒンジピン11の取り付け,取り外しを行えるようになっている。この場合、ヒンジピン11の頭部11aが軸挿通部7の挿通孔7a内に完全に入っていると、ヒンジピン11を取り出しにくいので、頭部11aは挿通孔7aの外側に突出しているのが好ましい。
【0044】
このように、ヒンジピン11の頭部11aにドライバー用溝9aやつまみ工具用溝9bを設けると、作業員が作業しにくいような大きさの頭部11aであっても、ヒンジピン11を的確に回転させ、取り付け,取り外しを的確に行うことができるばかりでなく、頭部11aの外観デザインが制約を受けるというおそれもない。なお、図8では、ヒンジピン11に設けられている突条部11bが省略されている。
【0045】
なお、図示実施形態においては、ヒンジ機構10を携帯電話に適用した例を示したが、これに限らず、要は、一方の本体と他方の本体とが互いに開閉する他の開閉装置に利用しても、同様の作用効果を得ることができる。また、ヒンジピン11には突起11cを有する突条部11bが二個設けられ、表示側筐体1の軸挿通部7に係止ストッパー7bが二個設けられた例を示したが、これらは一個形成しただけでも同様の作用効果を得ることができる。
【0046】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、一方の本体に形成された軸挿通部及び他方の本体に形成された軸挿入部に対し、ヒンジピンを挿入して回転することにより、ヒンジピンの取り付け,取り外しを行え、取り外したときにヒンジピンが破損することがないように構成したので、ヒンジ機構としての分解性が良く、リサイクルの面で有利となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるヒンジ機構を適用した携帯電話を示す分解斜視図である。
【図2】 同じくヒンジ機構のヒンジピンを示す拡大斜視図である。
【図3】 携帯電話における表示側筐体の軸挿通部を示す斜視図である。
【図4】 ヒンジピンを示す図1のA−A線に相当する断面図である。
【図5】 携帯電話において軸挿通部及び軸挿入部を示す図3のB矢視に相当する説明用拡大図である。
【図6】 本発明によるヒンジ機構の要部を示し、(a)は図5のC−C線断面図、(b)は図5のD−D線断面図、(c)は図5のE−E線断面図である。
【図7】 本発明によるヒンジ機構の他の実施形態を示す要部の断面説明図である。
【図8】 本発明によるヒンジ機構のさらに他の実施形態を示し、(a)はドライバー用溝を設けたヒンジピンの斜視図、(b)はつまみ工具用溝を設けたヒンジピンの斜視図である。
【符号の説明】
1 表示側筐体
2 入力側筐体
3 表示部
4 表示窓
5 釦キー
6 キー窓
7 表示側筐体の軸挿通部
7’ 円柱部
7a 挿通孔
7b 係止ストッパー
7c 規制突起
7d 角度規制壁
8 入力側筐体の軸挿入部
8a 嵌合ボス
8b 係合リブ
8c 環状凹部
9a ドライバー用溝
9b つまみ工具用溝
10 ヒンジ機構
11 ヒンジピン
11a 頭部
11b 突条部
11c 突起
11d 爪
11e 凹部
12 筒状体
12a 係合爪
12b ばね引掛部
12c スリット
12d 凸部
13 押し出しばね
Claims (5)
- 一方の本体に形成された軸挿通部と他方の本体に形成された軸挿入部とを連結し、かつ一方の本体と他方の本体とを互いに開閉させるヒンジ機構であって、
外周部に軸方向に沿い先端部に突起を有する突条部が頭部から先端部に向かって所要長さに亘って形成されると共に前記先端部の端面から所要深さ開口されてなり、一方の本体の軸挿通部から他方の本体の軸挿入部に差し込まれるヒンジピンと、
前記ヒンジピンの先端部に軸周りに回転可能に装着され、かつその外周部に、他方の本体の軸挿入部内に突設された係合リブと係合するスリットを設けて他方の本体の軸挿入部に嵌合された筒状体と、
前記ヒンジピンとこれに装着された前記筒状体の内部に縮設された押し出しばねと、
前記軸挿通部の挿通孔の軸方向の途中位置に周方向に沿って突設され、前記ヒンジピンの突条部の位置まで張り出し、かつ突起を前記軸挿通部内で係止させる規制突起と、その規制突起に連設され、かつヒンジピンの外周面まで張り出す角度規制壁とからなり、一方の本体の軸挿通部内に、前記ヒンジピンを取り付け方向に回転したとき、前記突条部の突起を係止させる係止ストッパーと、
他方の本体の軸挿入部内に突設され、前記筒状体に嵌合しかつ前記押し出しばねを一方の本体の外方に押圧させる嵌合ボスと
を備えてなることを特徴とするヒンジ機構。 - 請求項1において、前記ヒンジピンの先端面に爪が形成されると共に、前記筒状体の前記ヒンジピン寄りの一端面に爪と係合する係合爪が形成され、さらに前記係合爪と前記爪との何れか一方に凸部が設けられると共に、その他方に凸部と嵌合される凹部が設けられていることを特徴とするヒンジ機構。
- 請求項1または2において、前記ヒンジピンは、その頭部に、工具によって前記ヒンジピンを取り出すための工具用切り欠きを設けていることを特徴とするヒンジ機構。
- 請求項1〜3記載の何れか 1 項記載のヒンジ機構を備えたことを特徴とする携帯電話。
- 請求項1〜3記載の何れか 1 項記載のヒンジ機構を備えたことを特徴とする開閉装置。
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