JP3678442B2 - 医療システム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、内視鏡とこの内視鏡に関連した各種機器等を集中制御する医療システムの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療用分野において、内視鏡を用いて診断あるいは治療処置を行う場合、必要となる内視鏡、光源装置等をラック等にまとめて医療システムを構成したり、これらの装置を搭載したラックを組み合わせるなどして、診断等を行うことが一般的である。
【0003】
また、本出願人は、特開平3−284230号公報において、複数の装置を1つの筐体内に収納し、これら複数の装置を集中制御する集中制御部と、複数の装置を集中的に操作する集中操作部とを備えた医療システムを提案している。
【0004】
このような医療システムは、内視鏡を介して被検体へ照明光を供給するための光源装置、内視鏡からの画像信号を処理する映像信号処理装置(ビデオプロセッサあるいはビデオシステムセンタ)、内視鏡からの光学像を撮影する自動撮影装置、被検部位を焼灼して治療を行う焼灼装置(ヒートプローブ装置)、被検部位を切除する電気メス装置等、多様な装置があり、これらの周辺装置を目的に合わせて組み合わせて構成されている。
【0005】
そして、前記周辺装置を集中操作するための集中操作部として、各操作用のスイッチを表示する液晶ディスプレイ等の操作画面表示部、及び操作画面表示部上に配設されたタッチパネル等の入力検出部が設けられている。前記操作画面表示部には、例えば図7に示すような操作画面が表示され、操作画面上の目的の操作スイッチを押す(あるいは触れる)と、タッチパネル上の押された位置が検出されて集中制御部へ操作指令が入力され、集中制御部により該当する装置の制御が行われるようになっている。
【0006】
このように構成することにより、内視鏡による診断や治療処置の際に各周辺装置を集中的に操作、制御することができ、また各装置の動作状態を確認できるため、各装置の操作時における操作者の負担を軽減でき、操作性を向上できる。また、使用する装置が異なる場合においても、目的に応じて装置を組み合わせて医療システムを構成でき、システムの構成に応じて各周辺装置を集中制御することができる。
【0007】
前記医療システムにおいて処置装置、例えば電気メスやヒートプローブの使用時は、毎回出力値の設定を行わなければならない。その出力値は医者毎にほぼ好みの値が決まっており、毎回いちいち設定するのは大変不便である。
【0008】
しかし、設定値を記憶させておき、毎回自動的に設定されるようにすると、手技内容によって変化させるべき時にもそれを忘れてしまうことが考えられ、その都度医師が逐次設定するようになっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
医療システムにおいて、スタート/ストップSW(スイッチ)に連動して例えば光源ランプのオンオフ、ポンプのオンオフを行うように初期設定されていた。しかしなから、ユーザーの好みに合わせて設定を変えることがでず、フレキシビリティに欠けており、個別に設定し直すしかできなかった。
【0010】
本発明は前記事情にかんがみてなされたもので、一連の動作がユーザーの好みで設定でき、またその変更も自在で、その動作の開始及び停止が可能な医療システムを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による医療システムは、内視鏡に関連あるいは医療用の複数の機器を集中制御する医療システムにおいて、前記所定の機器が所定の動作を開始、またその所定の動作を停止させる指示をするための動作開始/停止選択手段と、前記複数の機器の動作データを入力する入力手段と、前記動作データが前記所定の動作を開始する時のものであるか、停止させる時のものであるかを設定する設定手段と前記動作開始/停止選択手段による指示がなされたとき、前記入力手段により入力された動作データおよび前記設定手段の設定に基づき、前記複数の機器のうち対応する所定の機器を選択的に、または同時に制御する制御手段とを備えたことを特徴とし、また、前記入力手段により入力された動作データと、前記設定手段による設定内容とを記憶する記憶手段を更に有し、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された設定に従い制御する。更に、前記制御手段は、前記複数の機器のうち対応する所定の機器の各種制御を一連的に行うことを特徴とする。
また、本発明による医療システムの制御方法は内視鏡に関連あるいは医療用の複数の機器を集中制御する医療システムの制御方法において前記複数の機器の動作データを入力する入力ステップと前記動作データが前記所定の動作を開始する時のものであるか、停止させる時のものであるかを設定する設定ステップと前記所定の機器が所定の動作を開始し、またその所定の動作を停止させる指示をする動作開始/停止選択ステップと前記動作開始/停止選択ステップで指示がなされたとき、前記設定ステップでの設定に基づき、前記複数の機器のうち対応する所定の機器を選択的に、または同時に制御する制御ステップとを備えたことを特徴とする。
【0012】
【作 用】
本発明の医療システムでは、動作開始/停止選択手段による指示がなされたとき、制御手段は入力手段により入力された動作データおよび設定手段の設定に基づき複数の機器のうち対応する所定の機器を選択的に、または同時に制御する。
【0013】
また、本発明の医療システムの制御方法では、入力ステップで複数の機器の動作データを入力し、設定ステップで動作データが所定の動作を開始する時のものであるか、停止させる時のものであるかを設定し、動作開始/停止選択ステップで所定の機器が所定の動作を開始し、またその所定の動作を停止させる指示をし、制御ステップで動作開始/停止選択ステップで指示がなされたとき、設定ステップでの設定に基づき、複数の機器のうち対応する所定の機器を選択的に、または同時に制御する。
【0014】
【実施例】
図を参照して本発明の実施例について、以下に説明する。
図1ないし図3は本発明の第1実施例に係り、図1は医療システムの全体的な構成図、図2は画面移行スイッチを含む電子内視鏡関係の操作画面の説明図、図3はスタート/ストップの初期設定画面の説明図である。
【0015】
図1に示す医療システム30は、後述する各種制御を行う制御部1と、前記制御部1からの制御コマンドにより各種制御がなされかつ内視鏡検査や処置等に必要で内蔵または外部に設けられた各種機器からなる複数の機能ブロックを有する被制御部2と、制御部1の制御の基で前記被制御部2の各機能ブロックを制御するコマンドを入力するためのタッチパネル3と、被制御部2に接続される内視鏡11とを有している。
【0016】
前記制御部1は、制御の集中管理を行うCPU4と、各種データが格納される例えばハードディスクからなる記憶部5と、CPU4の指示により記憶部5から読み出されたタッチパネル3に表示する画面情報のインターフェースとなる表示I/F6と、タッチパネル3と制御部1間の入出力情報のポートとなる第1のI/O(入力/出力ポート)7と、タッチパネル3やCPU4等と被制御部2との間で情報のやりとりをするためのポートである通信ポート8と、タッチパネル3やCPU4等と被制御部2の電源関係の制御を含む所定ブロックの機器とを結ぶ第2のI/O9とを有している。
【0017】
なお、制御部1は、CPU4、記憶部5、表示I/F6、第1のI/O7、通信ポート8及び第2のI/O9との間が、バスライン10で接続されている。
【0018】
前記タッチパネル3は液晶ディスプレイの表面に透明マトリクススイッチを配置したものであり、そのスイッチの情報は第1のI/O7を介して、CPU4が取り込むようになっている。
【0019】
この制御部1は、被制御部2の各機能ブロックをタッチパネル3からの入力に従い制御しており、電源立上がりと同時にCPU4は記憶部5(ハードディスク)からタッチパネル3に表示する画面情報を読み出し、表示I/F6を介してタッチパネル3に表示するようになっている。
【0020】
前記被制御部2は、前記内視鏡11の撮像手段を駆動し得た電気信号を標準的な映像信号に変換処理するビデオプロセッサ12と、内視鏡11に照明光を供給する光源部13と、内視鏡11の吸引管路を介して吸引動作を行うための吸引ポンプ14とを有している。
【0021】
また、被制御部2は、経内視鏡的に被検部の切除や止血処置をする電気メス15と、焼灼処置をするヒートプローブ16と、検査時等に患者のIDカードを用いて患者の個人データを読込む磁気カードリーダ17と、血中の酸素飽和度を測定するパルスオキシメータ18と、血圧計19と、画像情報またはそれ以外の他の情報を記録するVTR20と、図示しないビデオプリンタ等を有し、これらの機器は、通信ポート8を介して制御部1と接続されている。すなわち、これらの機器は、タッチパネル3からの入力指示に対応した機器がCPU4の管理下で制御されるようになっている。
【0022】
さらに、被制御部2は、内視鏡11の送水管路を介して体内に送水をするための図示しない送水タンクを含む送水ポンプ21と、音声発生部22と、べッド23等を有しており、これらの機器は、第2のI/O9を介してタッチパネル3からの入力指示に対応した機器がCPU4の管理下で制御されるようになっている。
【0023】
さらにまた、被制御部2は、ビデオプロセッサ12、光源部13、吸引ポンプ14、電気メス15、ヒートプローブ16及びベッド23に供給する電源の0N/OFFを各制御する6つの電源制御部24〜29を有しており、これらの電源制御部24〜29は、第2のI/O9を介してタッチパネル3からの入力指示に対応した制御部がCPU4の管理下で制御されるようになっている。
【0024】
前記構成で、CPU4は記憶部5からタッチパネル3に表示する画面情報を読み出し、表示I/F6を介してタッチパネル3に表示する。タッチパネル3は液晶ディスプレイの表面に透明マトリクススイッチが配置されており、タッチされたスイッチの入力情報は第1のI/O7を介してCPU4が取り込む。CPU4は第1のI/O7を介して取り込んだ入力情報を現在、表示I/F6を介して表示している画面情報との対比により制御内容を決定し、通信ポート8あるい第2のI/O9を介して被制御部2の前記決定に対応する機器を制御する。
【0025】
まず、タッチパネル3に表示される画面は、複数の画面が準備・設定されており、これらは階層的に構成されている。
【0026】
図3はスタート/ストップの初期設定画面を示す。画面移行スイッチ50を押すことにより、CPU4は初期設定画面から図2に示す画面に切換える。
【0027】
図3にはタッチパネル3に表示される初期設定画面39を示している。この初期設定画面39は、本医療システムの各種初期値が設定できる画面である。
【0028】
図2には、タッチパネル3に表示される複数の操作画面のうち、電子内視鏡11の映像信号に関連した処理の制御をするためのメイン操作画面40を示す。この画面は、各画面左部の“EVIS”をクリックすることにより選択できる。電源立ち上げ時は、初期設定画面39が最初に表示されるが、この画面39から“EVIS”だけてなく、例えばVTR20による画像記録関連の画面を表示させる“画像記録”、ヒートプローブ16の設定・制御のための画面を表示させる“ヒートプローブ”、電気メス15の設定・制御のための画面を表示させる“電気メス”といったメニューが下部に常時表示されているので、階層画面の選択が容易である。
【0029】
また、図中、右下部の“HELP”は、操作の方法が分らない場合の救援のためのアイコンである。
【0030】
図3に示す初期設定画面39のうち、スタート/ストップ連動機能設定ブロック45には、スタート/ストップ選択スイッチ51及び機能選択スイッチ52が設定されている。このスタート/ストップ選択スイッチ51は、スタート時の機能設定かストップ時の機能設定かを選択するスイッチである。現在(図示例)の画面は、スタート時の機能設定が選択されている。機能選択スイッチ52a〜52eは、各種機能を設定するためのスイッチであり、スタート/ストップ選択スイッチ51がスタート側になっているので、スタート時の各機能を選択設定することになる。
【0031】
一方、ストップ時の機能はスタート/ストップ選択スイッチ51を再度押し、スイッチ上の表示をストップ側にしてから同様に機能を選択する。
【0032】
機能選択スイッチ52には、光源部13のランプのON/OFFを設定するランプON/OFF設定スイッチ52aと、ベッド23の上げ下げを制御するベッド昇降設定スイッチ52bと、送気の制御を行う送気制御設定スイッチ52cと、血圧計19の制御をする血圧測定設定スイッチ52dと、ビデオプロセッサ12の表示時刻を設定する時間設定スイッチ52e等のスイッチが設けられている。これらは、一つの例示にすぎない。
【0033】
例えばスタート時の状態で、ランプON/OFF設定スイッチ52aを操作し“ランプ点灯”に設定し、ベッド昇降設定スイッチ52bによりベッド23を所定位置までの“上昇”に設定する。さらに、送気制御設定スイッチ52cにより“送気開始”に設定し、血圧測定設定スイッチ52dにより“血圧測定開始”に設定する。なお、ビデオプロセッサ12の表示時刻は、図3のテンキー71により入力設定できる。
【0034】
CPU4は、以上により設定されたスタート及びストップの内容を、記憶部5に記憶しておく。ここで、図2のスタート/ストップ選択スイッチ53が押された時には前記設定に従い、通信ポート8を介しビデオプロセッサ12の時間表示、光源部13のランプのON/OFF等の制御を行う一方、第2のI/O9を介してビデオプロセッサ12のON/OFF、ベッド23の上げ下げ等の制御を行う。
【0035】
従って、スタート/ストップ選択スイッチ53を押すとスタート時のモードとなり、ランプが点灯し、ベッド23は所定位置まで上昇し、送気が開始され、血圧測定が開始される。
【0036】
次に、スタート/ストップ選択スイッチ53を押すと、ストップ時のモードとなり、例えばランプが消灯し、ベッド23が所定位置まで下降し、送気が停止させることができる。これは、全て記憶部5に記憶された設定に従ってスタート/ストップの各種制御が一連でまたは同時多発的、あるいはこれらの組合わせでなされる。
【0037】
また、記憶部5により、新たにタッチパネル3の機能選択スイッチ52により入力したデータを前回のデータに上書きすれば、新たな動作データで一連の手順がなされる。すなわち、データが更新される。
【0038】
なお、本実施例では、記憶部5はハードディスクを例示してあるが、EEPROM、あるいはバックアップされたRAMであってもよい。
【0039】
また、CPU4は、スタート/ストップ選択スイッチ53の最初の操作で制御を開始し、次の操作で一連の動作を停止するように制御し、さらに次の操作で停止した動作の後続の動作を開始するように制御し、この操作の繰返しにより一連の動作が最後までなされるまで開始及び停止が繰返すように制御する様に構成してもよい。
【0040】
また、メイン操作画面40の画面切換スイッチ68を押すことにより、メイン操作画面中の一部分をさらに細かく操作するために設けられた1階層下のサブ操作画面に画面が切りかわる。この時、操作画面切換スイッチ68内には、“ものを指し示す指”の図形が表示され、その指の向きを下位の階層であるサブ操作画面に切換わることができる場合には下向きのものが示される。一方、上位の階層に切り替ることができる場合には、画面切換スイッチは指が上向きの図形を表示する。この様な構成をとることにより、上位,下位いずれの階層が選択できるか一目で認識でき、わかり易い。
【0041】
次に、本発明の第2実施例について、図4ないし図6を用いて説明する。
図4はヒートプローブに関連した設定画面の説明図、図5は電気メスに関連した設定・操作画面の説明図、図6はヘルプメッセージ画面の説明図である。
【0042】
本第2実施例は、第1実施例と同様の構成及び作用については同じであり、同じ符号を付して説明を省略すると共に、異なる点または同様の構成であっても説明されていない点についてのみ説明する。
【0043】
前記CPU4は、第1実施例と同様に、通信ポート8を介して電気メス15の出力波形、出力モード及び切開,凝固の各出力設定し、かつヒートプローブ16の出力及び水量を設定するようになっている。
【0044】
また、CPU4は、第2のI/O9を介して電気メス電源制御部27を介して電源のON/OFF、及びヒートプローブ電源制御部28を介して電源のON/OFFの制御を行うようになっている。
【0045】
図2において、ヒートプローブ画面移行スイッチ54を押すと、図4のヒートプローブ制御画面41がタッチパネル3に表示され、このヒートプローブ制御画面41は、ヒートプローブ16の操作画面である。
【0046】
画面41の設定表示ブロック42には、左側の“5,10,15,…,30”と示される設定スイッチが設けられており、これらはヒートプローブ16の熱量(joules)を設定するためのものである。また、設定表示ブロック42の右側には、焼灼の際に送水動作を併用するか否の選択スイッチ“off”と、onのときに送水量を段階的に設定するスイッチ群“Min(最小)〜Max(最大)”が配置されている。
【0047】
図示例では、すなわち現在、熱量(出力)は15(joules)に、送水量はMaxの一つ手前に設定されている。この設定値で、洗浄しながら例えば止血等の処置が可能である。
【0048】
ヒートプローブ画面移行スイッチ54を押して表示された出力値及び水量値は、前回のデータを記憶部5より読み出した値である。
【0049】
ここで、設定値確認ブロック72の確認スイッチ“はい”55aを押すと、表示された値がCPU4により通信ポート8を介してヒートプローブ16に送信される。その後、出力又は水量の値を変化させた時は、CPU4はその値を通信ポート8からヒートプローブ16に送信すると共に、記憶部5に記憶する。この設定は、ユーザ毎に、図示例ではドクター毎に設定できる。なお、磁気カードリーダ17で患者個人が識別できるので、患者毎に設定するようにしてもよい。
【0050】
一方、同ブロック72の確認スイッチ“いいえ”56aを押した場合には、CPU4は一度、出力及び水量を最小値(出力:5,水量:OFF)に設定する。そして、操作者は新たに水量、出力の設定を行うことができる。
【0051】
新たに設定を行った時点で、CPU4がヒートプローブ16にその値を送信し、記憶部5に記憶させるのは上記と同様である。
【0052】
次に、図2における画面40において、電気メス画面移行スイッチ55を押すと、図5の電気メス制御画面43がタッチパネル3に表示される。
【0053】
ヒートプローブと同様に、表示される各値は前回設定した値を記憶部5より読み出した値である。表示される値は、画面左側の“切開”とある設定値表示部62は電気メス15による切開モード時の出力値を表示するものであり、現在は789Wに設定されている。また、画面右側の“凝固”とある設定値表示部63は、電気メス15による止血等処置のための凝固モード時の出力値を表示するものであり、現在は880Wに設定されている。設定値の変更は、設定値表示位置の右側にある△▽と表示されたスイッチ60,61によりアップ、ダウンの設定が可能である。
【0054】
また、同画面43は、出力モードの設定スイッチを有するモード設定表示ブロック74と、出力波形の設定スイッチを有する波形設定表示ブロック75とを有している。
【0055】
ここで、設定値確認ブロック73の確認スイッチ“はい”55bを押すと、ヒートプローブの時と同様に出力波形、出力モード、切開及び凝固の出力設定値がCPU4により通信ポート8を介して電気メス15に送信される。その後、出力設定値、出力波形、出力モードを変化させた場合、再度電気メス15に送信されると同時に記憶部5に記憶されるのもヒートプローブの場合と同様である。
【0056】
ここで、設定された値ではいけない場合は、確認スイッチ“いいえ”56bを押す。この場合、CPU4はまず電気メス15の電源をOFFした後、モード設定表示ブロック74の“バイポーラ”57、“モノポーラ”58のスイッチを交互に点滅させ、使用者に入力をうながす。“バイポーラ”57は、一対の電極が平行に突出した構成の電気メスに対応したモードであり、“モノポーラ”58は、メス自体には一方の電極が突出するのみで、他方の電極が患者の他の位置に接続されるような形式のものに対応するモードである。
【0057】
このような動作を出力波形選択スイッチ59、切開設定スイッチ60(この場合は設定値表示部62の数字を点滅させる)、凝固設定スイッチ61(表示部63も左に同様)についても設定がなされる。
【0058】
出力波形選択スイッチ59には、切開モード選択スイッチ59aと、混合1モード選択スイッチ59bと、混合2モード選択スイッチ59cとが設けられている。切開モードは、切開のための高周波でメスが駆動される一方、混合1モード及び混合2モードは、切開に止血効果を加えるための波形を混合する比率が異なるモードである。
【0059】
設定が一通り済むとCPU4は、その値を記憶部5に記憶するとともに電気メス電源制御部27をONした後、通信ポート8を介して電気メス15に設定値を送信する。図示例では、“切開”、“バイポーラ”が選択されている。
【0060】
前記のように設定がひととおりすむまでは、CPU4は電気メス15の電源をOFFにするので、フットSW31をONしても出力しないので中途半端な状態で出力してしまうことがない。
【0061】
むろん、電気メスのブロック自体にすべてのパラメータの設定がされなくてはフットSWを受付けない構成にして、前記電源はONにしたままで行っても同様の効果が得られる。この場合には各設定の送信はまとめて行わなくてもその都度行うこともできる。
【0062】
なお、図5の出力特性表示部64は、本実施例においては出力モードにより出力特性条件が変化するため、バイポーラ選択時とモノポーラ選択時のそれぞれのグラフを記憶部5に用意しておき、出力モードの選択結果により出力特性表示部のグラフを書き換える。このようにすれば、複数のグラフを選択に応じて使い分けたり出力換算を行う等の労力を省くことができる。
【0063】
図6にヘルプメッセージの画面を示す。これは図2のヘルプスイッチ65を押してヘルプモードに入った後、説明を求めるスイッチを押すことで求める内容が表示されるようになっている。図6は送気スイッチ67を押した場合の例で、説明表示ブロック67の中に例えば参照ページ数を表示し取扱説明書との対応関係を明確にしているので、取扱説明書での確認を迅速に行うことができる。むろんこれは取扱説明書のみではなく、解説書その他の文献の参照場所を表示してもよい。
【0064】
なお、確認画面はヒートプローブ画面移行スイッチ54又は電気メス制御画面移行スイッチ55を押した直後に表示されると説明したが、毎回ではなく、電源投入を後の1回のみに限定してもよい。あるいは、スタート/ストップ選択スイッチ53を押してスタートさせてからストップする間において、最初の移行スイッチの操作により表示させてもよい。あるいは前記表出パターンを選択できるようにしてもよい。
【0065】
また、入力の手段としてタッチパネル3を使用しているが、タッチパネル3に表示したスイッチをすべて専用スイッチとして、通常のスイッチを使って構成することも可能である。
【0066】
[付記]
以上詳述したように本発明の実施態様によれば、以下のような構成を得ることができる。すなわち、
(1)内視鏡に関連あるいは医療用の複数の機器を集中制御する医療システムにおいて、前記複数の機器の動作データを入力する入力手段と、前記入力手段により入力された動作データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された動作データに応じて、前記複数の機器のうち対応する所定の機器を選択的にまたは同時に一連の手順で制御する制御手段と、前記動作データに基づいて前記所定の機器が所定の動作を開始し、またその所定の動作を停止させる指示を前記制御手段に与える動作開始/停止選択手段と、を有する。
【0067】
(2)前記動作開始/停止選択手段は、一回の診察または手術の前後に操作させる付記1に記載の医療システム。
【0068】
(3)前記制御手段は、前記動作開始/停止選択手段により停止が指示されると、前記入力手段により設定された停止時の設定状態に戻るように制御する付記1に記載の医療システム。
【0069】
(4)前記制御手段は、前記動作開始/停止選択手段の最初の操作で制御を開始し、次の操作で一連の動作を停止するように制御し、さらに次の操作で停止した動作の後続の動作を開始するように制御し、この操作の繰返しにより一連の動作が最後までなされるまで開始及び停止が繰返すように制御する付記1に記載の医療システム。
【0070】
付記4に記載の内視鏡システムは、一連の動作がユーザーの好みで設定でき、その開始及び停止が自在にできる。
【0071】
(5)前記入力手段は、表示手段と操作入力手段とが組合わされたタッチパネルであり、前記制御手段の制御の基で、所定動作データを有するアイコンを前記タッチパネルの表示手段に表示するように構成されており、前記制御手段は、入力された動作データを前記記憶手段に格納するように制御すると共に、前記動作データを前記表示手段に確認表示する付記1に記載の医療システム。
【0072】
(6)内視鏡に関連あるいは医療用の複数の機器を集中制御する医療システムにおいて、前記複数の機器の動作設定値を入力する入力手段と、前記入力手段により入力された動作設定値を記憶する記憶手段と、前記入力手段により入力された動作設定値に応じて、前記複数の機器うち所定の機器を制御する制御手段と、前記制御手段の制御の基で、前記動作設定値を表示する表示手段と、前記動作設定値をそのまま使用するか再度設定するかを選択する設定値確認/変更手段とを有する医療システム。
【0073】
付記6に記載医療システムでは、装置の使用時においてドクター毎に前回の設定値を記憶しておき、使用時にはその設定値を確認してそれでよければ設定値確認/変更手段のみを操作すれば全ての設定が前回の設定値どおりに設定される。また、前回と異なる設定で使用する場合は、設定値確認/変更手段により設定のし直しができる。
【0074】
(7)前記入力手段と表示手段は一体に組合わされたタッチパネルである付記7に記載の医療システム。
【0075】
(8)前記入力手段は、前記複数の機器のうち所定の処置を行うための装置である付記8に記載の医療システム。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の医療システムは、一連の動作がユーザーの好みで設定でき、その開始及び停止が自在となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図3は第1実施例に係り、図1は医療システムの全体的な構成図。
【図2】図2は画面移行スイッチを含む電子内視鏡関係の操作画面の説明図。
【図3】図3はスタート/ストップの初期設定画面の説明図。
【図4】図4ないし図6は第2実施例に係り、図4はヒートプローブに関連した設定画面の説明図。
【図5】図5は電気メスに関連した設定・操作画面の説明図。
【図6】図6はヘルプメッセージ画面の説明図。
【図7】図7は従来例に係る集中操作画面の説明図。
【符号の説明】
30…医療システム
1…制御部
2…被制御部
3…タッチパネル
4…CPU
5…記憶部
6…表示I/F
7…第1のI/O
8…通信ポート
9…第2のI/O
11…内視鏡
12…ビデオプロセッサ
13…光源部
15…電気メス
16…ヒートプローブ

Claims (4)

  1. 内視鏡に関連あるいは医療用の複数の機器を集中制御する医療システムにおいて、
    前記所定の機器が所定の動作を開始、またその所定の動作を停止させる指示をするための動作開始/停止選択手段と、
    前記複数の機器の動作データを入力する入力手段と、
    前記動作データが前記所定の動作を開始する時のものであるか、停止させる時のものであるかを設定する設定手段と
    前記動作開始/停止選択手段による指示がなされたとき、前記入力手段により入力された動作データおよび前記設定手段の設定に基づき、前記複数の機器のうち対応する所定の機器を選択的に、または同時に制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする医療システム。
  2. 前記入力手段により入力された動作データと、前記設定手段による設定内容とを記憶する記憶手段を更に有し、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された設定に従い制御することを特徴とする請求項1記載の医療システム
  3. 前記制御手段は、前記複数の機器のうち対応する所定の機器の各種制御を一連的に行うことを特徴とする請求項1または2に記載の医療システム
  4. 内視鏡に関連あるいは医療用の複数の機器を集中制御する医療システムの制御方法において
    前記複数の機器の動作データを入力する入力ステップと
    前記動作データが前記所定の動作を開始する時のものであるか、停止させる時のものであるかを設定する設定ステップと
    前記所定の機器が所定の動作を開始し、またその所定の動作を停止させる指示をする動作開始/停止選択ステップと
    前記動作開始/停止選択ステップで指示がなされたとき、前記設定ステップでの設定に基づき、前記複数の機器のうち対応する所定の機器を選択的に、または同時に制御する制御ステップと
    を備えたことを特徴とする医療システムの制御方法
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