JP3677904B2 - 電気自動車のモーター駆動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電気自動車のモーター駆動制御装置に関し、特に低速における制御性能を改善するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車のモーターの出力トルクは、アクセル開度、モーター回転速度、変速機のシフト状態、ブレーキ状態などに基づいて決定される。
図6は、アクセル開度Accをパラメータにしたモーター回転速度Nmに対するトルク指令値Teo*のデータテーブルを示す。予め設定されたこのデータテーブルからアクセル開度Accとモーター回転速度Nmにより表引き演算してトルク指令値Teo*を求め、モーターの出力トルクが指令値Teo*に一致するようにモーターを駆動制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常、モーターの回転速度は、モーターの所定の回転角度ごとにパルス信号を発生する回転センサーを用い、パルス信号をカウントするか、またはパルス信号の発生時間間隔を計測することにより検出している。このような回転速度の検出方法では分解能を上げることが困難であり、回転速度の検出値は分解能に相当する量だけステップ状に変化し、そのようなステップ状に変化する回転速度検出値に基づいて演算されたトルク指令値Teo*もまたステップ状に変化する。
【0004】
例えば登坂路をアクセル開度一定で走行する場合に、図7に示すようにわずかに車速Vが低下すると、回転速度NmはNm1からNm2まで分解能に相当する回転速度だけステップ状に低下する。トルク指令値Teo*は回転速度Nm2に基づいて演算されるので、回転速度低下分(Nm1−Nm2)に相当する分だけTe1からTe2までステップ状に増加する。その結果、車速Vが増加する。この時、車速Vが増加しても回転センサーにより検出される回転速度Nmは直ちに増加せず、車速Vがある一定値だけ増加した時に分解能に相当する回転速度だけステップ状に増加する。
【0005】
このように、アクセル開度一定で走行していても、回転速度検出値の分解能によりトルク指令値Teo*がステップ状に増減を繰り返し、モータの出力トルクが脈動して乗員に違和感を与えることになる。
車速Vが大きい時は、出力トルクにこのような脈動があってもほとんど感じないが、車速Vが低いほど出力トルクの脈動をはっきりと感じる。
【0006】
本発明の目的は、低車速時のモーター回転速度の検出分解能に起因するモーター出力トルクの脈動を抑制する電気自動車のモーター駆動制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 請求項1の発明は、アクセル開度を検出する開度検出手段と、モーターの回転速度を検出する回転速度検出手段と、アクセル開度検出値とモーター回転速度検出値とに基づいてトルク指令値を設定するトルク指令値設定手段と、トルク指令値にフィルター処理を施すフィルター手段と、モーター回転速度検出値とフィルター処理前後のトルク指令値とに応じてフィルターの時定数を設定する時定数設定手段と、モーターの出力トルクがフィルター処理後のトルク指令値に一致するようにモーターを駆動制御する駆動制御手段とを備える。
(2) 請求項2の電気自動車のモーター駆動制御装置は、時定数設定手段によって、モーター回転速度検出値が所定値以下で、且つフィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値が所定値以下の時は、乗員がトルク脈動を感じない長さのフィルター時定数K1を設定するようにしたものである。
(3) 請求項3の電気自動車のモーター駆動制御装置は、時定数設定手段によって、モーター回転速度検出値が所定値よりも大きい時は、フィルター時定数K1よりも短いフィルター時定数K2(K2<K1)を設定するようにしたものである。
(4) 請求項4の電気自動車のモーター駆動制御装置は、時定数設定手段によって、モーター回転速度検出値が所定値以下であっても、フィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値が所定値よりも大きい時は、フィルター時定数K1よりも短いフィルター時定数K2(K2<K1)を設定するようにしたものである。
(5) 請求項5の発明は、アクセル開度を検出する開度検出手段と、モーターの回転速度を検出する回転速度検出手段と、アクセル開度検出値とモーター回転速度検出値とに基づいてトルク指令値を設定するトルク指令値設定手段と、トルク指令値にフィルター処理を施すフィルター手段と、フィルター処理前後のトルク指令値に応じてフィルターの時定数を設定する時定数設定手段と、モーターの出力トルクがフィルター処理後のトルク指令値に一致するようにモーターを駆動制御する駆動制御手段とを備える。
(6) 請求項6の電気自動車のモーター駆動制御装置は、時定数設定手段によって、フィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値が所定値以下の時は、乗員がトルク脈動を感じない長さのフィルター時定数K11を設定するようにしたものである。
(7) 請求項7の電気自動車のモーター駆動制御装置は、時定数設定手段によって、フィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値が所定値よりも大きい時は、フィルター時定数K11よりも短いフィルター時定数K12(K12<K11)を設定するようにしたものである。
【0008】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明によれば、アクセル開度検出値とモーター回転速度検出値とに基づいてトルク指令値を設定するとともに、モーター回転速度検出値とフィルター処理前後のトルク指令値とに応じてフィルター時定数を設定し、トルク指令値に設定した時定数でフィルター処理を施し、モーターの出力トルクがフィルター処理後のトルク指令値に一致するようにモーターを駆動制御するようにしたので、急なアクセル操作に対するモーター出力トルクの高い応答性を保持しながら、モーター回転速度検出値の分解能に起因したモーター出力トルクの脈動を抑制することができる。
(2) 請求項2の発明によれば、モーター回転速度検出値が所定値以下で、且つフィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値が所定値以下の時は、乗員がトルク脈動を感じない長さのフィルター時定数K1を設定し、トルク指令値にフィルター処理を施すようにしたので、低車速時におけるモーター回転速度検出値の分解能に起因したモーター出力トルクの脈動を抑制することができる。
(3) 請求項3の発明によれば、モーター回転速度検出値が所定値よりも大きい時は、フィルター時定数K1よりも短いフィルター時定数K2(K2<K1)を設定し、トルク指令値にフィルター処理を施すようにしたので、高車速時には急なアクセル操作に対してモーター出力トルクをすばやく応答させることができる。
(4) 請求項4の発明によれば、モーター回転速度検出値が所定値以下であっても、フィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値が所定値よりも大きい時は、フィルター時定数K1よりも短いフィルター時定数K2(K2<K1)を設定し、トルク指令値にフィルター処理を施すようにしたので、急なアクセル操作に対するモーター出力トルクの高い応答性を得ることができる。
(5) 請求項5の発明によれば、アクセル開度検出値とモーター回転速度検出値とに基づいてトルク指令値を設定するとともに、フィルター処理前後のトルク指令値に応じてフィルター時定数を設定し、トルク指令値に設定した時定数でフィルター処理を施し、モーターの出力トルクがフィルター処理後のトルク指令値に一致するようにモーターを駆動制御するようにしたので、急なアクセル操作に対するモーター出力トルクの高い応答性を保持しながら、モーター回転速度検出値の分解能に起因したモーター出力トルクの脈動を抑制することができる。
(6) 請求項6の発明によれば、フィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値が所定値以下の時は、乗員がトルク脈動を感じない長さのフィルター時定数K11を設定し、トルク指令値にフィルター処理を施すようにしたので、モーター回転速度検出値の分解能に起因したモーター出力トルクの脈動を抑制することができる。
(7) 請求項7の発明によれば、フィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値が所定値よりも大きい時は、フィルター時定数K11よりも短いフィルター時定数K12(K12<K11)を設定し、トルク指令値にフィルター処理を施すようにしたので、急なアクセル操作に対するモーター出力トルクの高い応答性を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
−発明の第1の実施の形態−
図1は発明の第1の実施の形態の構成を示す図である。
バッテリー1はインバーターリレー2およびDCリンクコンデンサ3を介してインバーター主回路4に直流電力を供給し、インバーター主回路4はこの直流電力を交流電力に変換してモーター5に印加する。モーター5には、所定の回転角度ごとにパルス信号を発生する回転センサー6が設けられる。
【0010】
モーターコントローラー7はマイクロコンピュータとその周辺部品から構成され、インバーター主回路4とインバーターリレー2を制御する。このモーターコントローラー7には回転センサー6が接続され、回転センサー6の発生パルス数をカウントしてモーター5の回転速度Nm[r/m]を検出する。
【0011】
車両コントローラー8はマイクロコンピュータとその周辺部品から構成され、モーターコントローラー7からのモーター回転速度Nm、不図示のアクセル開度センサーからのアクセル開度Acc、不図示の変速装置からのシフト信号および不図示のブレーキ装置からのブレーキ信号に基づいて、トルク指令値Te*を演算する。
【0012】
図2は車両コントローラー8によるトルク指令値の演算制御ブロック図である。
車両コントローラー8は、マイクロコンピュータのソフトウエア形態によりトルク指令値設定部8a、フィルター8bおよび時定数設定部8cを備えている。トルク指令値設定部8aは、アクセル開度Accとモーター回転速度Nmとに基づいて図6に示すような予め設定されたデータテーブルからトルク指令値Teo*を表引き演算する。フィルター8bは、演算されたトルク指令値Teo*を、時定数設定部8cで設定された時定数を用いてフィルター処理する。このフィルターには例えば1次ローパスフィルターを用いることができる。時定数設定部8cは、フィルター処理前のトルク指令値Teo*とフィルター処理後のトルク指令値Te*との差の絶対値(|Teo*−Te*|)とモーター回転速度Nmとに基づいて、フィルター時定数を設定する。
【0013】
上述したように、モーター回転速度の検出分解能に起因した出力トルクの脈動は、車速Vが低いほどはっきりと感じる。そこで、車速Vに比例するモーター回転速度Nmが所定の低い回転速度Nth以下で、且つフィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値(|Teo*−Te*|)がトルク指令値Teo*の演算分解能Tth以下の時は、乗員がトルク脈動を感じない程度の大きなフィルター時定数K1を設定する。ここで、K1の値は例えば数秒以上とする。
【0014】
図3は、大きなフィルター時定数K1を設定した場合のモーター回転速度Nm、フィルター処理後のトルク指令値Te*および車速Vを示す。
モーター回転速度検出値Nmが検出分解能のためにステップ状に減少しても、トルク指令値Teo*に対して時定数の大きなフィルター処理がなされるので、フィルター処理後のトルク指令値Te*はステップ状に増加せず、滑らかに増加する。モーターコントローラー7は、モーター5の出力トルクが、この滑らかに増加するトルク指令値Te*に一致するようにインバーター主回路4を制御するので、モーター出力トルクはゆっくりと増加し、それにより車速Vも滑らかに増加する。車速Vが増加してモーター回転速度検出値Nmがふたたびステップ状に増加しても、上述した回転速度減少時と同様にトルク指令値Te*がゆっくりと減少し、モーター出力トルクおよび車速Vもゆっくりと減少する。
【0015】
このように、車速Vに比例するモーター回転速度Nmが所定の低い回転速度Nth以下で、且つフィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値(|Teo*−Te*|)がトルク指令値Teo*の演算分解能Tth以下の時は、フィルター時定数にモーター出力トルクの変化を乗員が感じない程度の大きな値を設定することにより、車速が低い時でも乗員がモーター回転速度の検出分解能に起因したモーター出力トルクの脈動を感じることはない。
【0016】
一方、モーター回転速度Nmが低速度Nth以下でも、フィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値(|Teo*−Te*|)がトルク指令値Teo*の演算分解能Tthよりも大きい時、あるいはモーター回転速度Nmが所定の低い回転速度Nthよりも大きい時は、急なアクセル操作にモーターの出力トルクが追従できる程度の小さなフィルター時定数K2(K2<K1)を設定する。ここで、K2は例えば0.1sec程度とする。
【0017】
図4は、小さなフィルター時定数K2を設定した場合のモーター回転速度Nm、フィルター処理後のトルク指令値Te*および車速Vを示す。
上述したように、車速Vが高い時はモーターの出力トルクの脈動を感じにくいので、アクセル操作に対してモーター出力トルクを敏感に追従させるために、フィルター時定数を小さくする。また、車速Vが低くても、フィルター処理前後のトルク指令値の差が大きい時は、急なアクセル操作が行なわれた時であり、アクセル操作にモーター出力トルクを敏感に追従させるためにフィルター時定数を小さくする。トルク指令値Teo*に小さな時定数のフィルター処理を施すことにより、図4に示すように、モーター回転速度Nmの変化に対してフィルター処理後のトルク指令値Te*と車速Vは敏感に追従する。
【0018】
図5は、車両コントローラー8で実行されるトルク指令値の演算処理を示すフローチャートである。このフローチャートにより、この実施の形態の動作を説明する。
車両コントローラー8のマイクロコンピュータは、所定の時間間隔でこのトルク指令値演算処理を実行する。ステップ1において、アクセル開度Acc、シフト情報およびブレーキ情報を入力するとともに、モーターコントローラー7で検出されたモーター回転速度Nmを入力する。続くステップ2で、図6に示すような予め設定されたデータテーブルからモーター回転速度Nmとアクセル開度Accによりトルク指令値Teo*を表引き演算する。ステップ3で、モーター回転速度Nmが所定の低い回転速度Nth以下か否かを判定し、回転速度Nmが速度Nth以下であればステップ4へ進み、フィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値(|Teo*−Te*|)がトルク指令値Teo*の演算分解能Tth以下か否かを判定する。
【0019】
モーター回転速度Nmが所定の低い回転速度Nth以下で、且つフィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値(|Teo*−Te*|)が演算分解能Tth以下の時は、ステップ5でフィルター時定数KFに大きな値K1を設定する。
一方、モーター回転速度Nmが所定の低い回転速度Nthよりも高い時、またはモーター回転速度Nmが所定の低い回転速度Nth以下であっても、フィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値(|Teo*−Te*|)が演算分解能Tthよりも大きい時は、ステップ6でフィルター時定数KFに小さな値K2を設定する。
【0020】
ステップ7において、トルク指令値Teo*にステップ5または6で設定した時定数のフィルター演算を施し、トルク指令値Te*を得る。続くステップ8でトルク指令値Te*をモーターコントローラー7へ出力する。
モーターコントローラー7は、モーター出力トルクがトルク指令値Te*に一致するようにインバーター主回路4を制御し、モーター5を駆動する。
【0021】
このように、アクセル開度検出値Accとモーター回転速度検出値Nmとに基づいてトルク指令値Teo*を設定するとともに、モーター回転速度検出値Nmとフィルター処理前後のトルク指令値Teo*、Te*とに応じてフィルター時定数TFを設定し、トルク指令値Teo*に設定した時定数TFでフィルター処理を施し、フィルター処理後のトルク指令値Te*に基づいてモーターを駆動制御するようにしたので、急なアクセル操作に対するモーター出力トルクの高い応答性を保持しながら、モーター回転速度検出値の分解能に起因したモーター出力トルクの脈動を抑制することができる。
すなわち、モーター回転速度検出値Nmが所定値以下で、且つフィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値(|Teo*−Te*|)が所定値以下の時は、長いフィルター時定数K1を設定し、トルク指令値Teo*にフィルター処理を施すようにしたので、低車速時におけるモーター回転速度検出値Nmの分解能に起因したモーター出力トルクの脈動を抑制することができる。また、モーター回転速度検出値Nmが所定値よりも大きい時は、短いフィルター時定数K2(K2<K1)を設定し、トルク指令値Teo*にフィルター処理を施すようにしたので、高車速時には急なアクセル操作に対してモーター出力トルクをすばやく応答させることができる。さらに、モーター回転速度検出値Nmが所定値以下であっても、フィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値(|Teo*−Te*|)が所定値よりも大きい時は、短いフィルター時定数K2を設定し、トルク指令値Teo*にフィルター処理を施すようにしたので、急なアクセル操作に対するモーター出力トルクの高い応答性を得ることができる。
【0022】
−発明の第2の実施の形態−
上述した一実施の形態では、モーター回転速度検出値とフィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値とに応じてフィルター時定数を設定する例を示したが、フィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値のみに応じてフィルター時定数を設定する第2の実施の形態を説明する。なお、この第2の実施の形態の構成は図1、図2に示す第1の実施の形態の構成と同様であり、説明を省略する。
この第2の実施の形態では、フィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値(|Teo*−Te*|)が所定値以下の時は、乗員が乗員がトルク脈動を感じない程度の大きなフィルター時定数K11を設定し、逆にフィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値(|Teo*−Te*|)が所定値より大きい時は、急なアクセル操作にモーター出力トルクが追従できる程度の小さい時定数K12(K12<K11)を設定する。なお、第2の実施の形態の動作は図5に示す第1の実施の形態の動作からステップ3の処理を削除したものであるから、説明を省略する
【0023】
このように、アクセル開度検出値Accとモーター回転速度検出値Nmとに基づいてトルク指令値Teo*を設定するとともに、フィルター処理前後のトルク指令値Teo*、Te*に応じてフィルター時定数TFを設定し、トルク指令値Teo*に設定した時定数TFでフィルター処理を施し、フィルター処理後のトルク指令値Te*に基づいてモーターを駆動制御するようにしたので、急なアクセル操作に対するモーター出力トルクの高い応答性を保持しながら、モーター回転速度検出値Nmの分解能に起因したモーター出力トルクの脈動を抑制することができる。
すなわち、フィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値(|Teo*−Te*|)が所定値以下の時は、長いフィルター時定数K11を設定し、トルク指令値にフィルター処理を施すようにしたので、モーター回転速度検出値Nmの分解能に起因したモーター出力トルクの脈動を抑制することができる。また、フィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値(|Teo*−Te*|)が所定値よりも大きい時は、短いフィルター時定数K12(K12<K11)を設定し、トルク指令値Teo*にフィルター処理を施すようにしたので、急なアクセル操作に対するモーター出力トルクの高い応答性を得ることができる。
【0024】
以上の第1および第2の実施形態の構成において、アクセル開度センサー(不図示)がアクセル開度検出手段を、回転センサー6およびモーターコントローラー7が回転速度検出手段を、車両コントローラー8が指令値設定手段、フィルター手段および時定数設定手段を、モーターコントローラー7が駆動制御手段をそれぞれ構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】 車両コントローラーのトルク指令値演算の制御ブロック図である。
【図3】 大きなフィルター時定数K1を設定した場合のモーター回転速度Nm、フィルター処理後のトルク指令値Te*および車速Vを示す図である。
【図4】 小さなフィルター時定数K2を設定した場合のモーター回転速度Nm、フィルター処理後のトルク指令値Te*および車速Vを示す図である。
【図5】 車両コントローラーで実行されるトルク指令値の演算処理を示すフローチャートである。
【図6】 アクセル開度Accをパラメータにしたモーター回転速度Nmに対するトルク指令値Te*のデータテーブルを示す図である。
【図7】 従来の電気自動車のモーター駆動制御装置による、モーター回転速度Nmが変化した時のトルク指令値Teo*および車速Vを示す図である。
【符号の説明】
1 バッテリー
2 インバーターリレー
3 DCリンクコンデンサー
4 インバーター主回路
5 モーター
6 回転センサー
7 モーターコントローラー
8 車両コントローラー
8a トルク指令値設定部
8b フィルター
8c 時定数設定部
Claims (7)
- アクセル開度を検出する開度検出手段と、
モーターの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
前記アクセル開度検出値と前記モーター回転速度検出値とに基づいてトルク指令値を設定するトルク指令値設定手段と、
前記トルク指令値にフィルター処理を施すフィルター手段と、
前記モーター回転速度検出値と前記フィルター処理前後のトルク指令値とに応じて前記フィルターの時定数を設定する時定数設定手段と、
モーターの出力トルクが前記フィルター処理後のトルク指令値に一致するようにモーターを駆動制御する駆動制御手段とを備えることを特徴とする電気自動車のモーター駆動制御装置。 - 請求項1に記載の電気自動車のモーター駆動制御装置において、
前記時定数設定手段は、前記モーター回転速度検出値が所定値以下で、且つ前記フィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値が所定値以下の時は、乗員がトルク脈動を感じない長さのフィルター時定数K1を設定することを特徴とする電気自動車のモーター駆動制御装置。 - 請求項2に記載の電気自動車のモーター駆動制御装置において、
前記時定数設定手段は、前記モーター回転速度検出値が前記所定値よりも大きい時は、フィルター時定数K1よりも短いフィルター時定数K2(K2<K1)を設定することを特徴とする電気自動車のモーター駆動制御装置。 - 請求項2に記載の電気自動車のモーター駆動制御装置において、
前記時定数設定手段は、前記モーター回転速度検出値が前記所定値以下であっても、前記フィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値が前記所定値よりも大きい時は、フィルター時定数K1よりも短いフィルター時定数K2(K2<K1)を設定することを特徴とする電気自動車のモーター駆動制御装置。 - アクセル開度を検出する開度検出手段と、
モーターの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
前記アクセル開度検出値と前記モーター回転速度検出値とに基づいてトルク指令値を設定するトルク指令値設定手段と、
前記トルク指令値にフィルター処理を施すフィルター手段と、
前記フィルター処理前後のトルク指令値に応じて前記フィルターの時定数を設定する時定数設定手段と、
モーターの出力トルクが前記フィルター処理後のトルク指令値に一致するようにモーターを駆動制御する駆動制御手段とを備えることを特徴とする電気自動車のモーター駆動制御装置。 - 請求項5に記載の電気自動車のモーター駆動制御装置において、
前記時定数設定手段は、前記フィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値が所定値以下の時は、乗員がトルク脈動を感じない長さのフィルター時定数K11を設定することを特徴とする電気自動車のモーター駆動制御装置。 - 請求項6に記載の電気自動車のモーター駆動制御装置において、
前記時定数設定手段は、前記フィルター処理前後のトルク指令値の差の絶対値が前記所定値よりも大きい時は、フィルター時定数K11よりも短いフィルター時定数K12(K12<K11)を設定することを特徴とする電気自動車のモーター駆動制御装置。
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