JP3677642B2 - 包装用容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本考案は、ラップ掛け用の支持突起を有する包装用容器に関し、特に、複数枚を水平に積み重ねるようにした包装用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、刺身等の食品を収納する包装用容器においては、収納物の鮮度を保ちながら外からもよく見えるようにするために、透明フィルムである所謂ラップを掛けている。そして、容器から突出させた支持突起にラップを支持させて、ラップが収納物に接触しないようにすべく、両者間に隙間を形成するようにしたものがある。
【0003】
出願人に関連する岐阜プラスチック工業株式会社(本社;岐阜市)は、既に実願平5−38381号にて、機械によりラップ掛けができる包装用容器1を開示している。これは、図6に示すように、「底面2の周囲から上方開口部に向けて傾斜する側壁3を有する略四角形状の包装用容器1であって、側壁3の一部を、上方に膨出させることにより、当該側壁3上辺から上方へ突出する支持突起4を形成した」ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この包装用容器1は、一般に、成形時或は運搬に際しては、複数個を相互に積み重ねている。上述の包装用容器1においては、支持突起4の空間部に、他の包装用容器1の支持突起4を挿入して重ねている。
【0005】
然しながら、支持突起4は側壁3から上方へ膨出しているものであるし、この種の容器1は発泡合成樹脂シートを圧空または真空成形されることが一般であるので、成形時に肉厚が変動しやすく、また支持突起4が傾むいた場合には、図7に示すように、上下の支持突起4が空間部内で接触したときの相互の接触点が変動して、包装用容器1の外周端部に隙間が発生することがある。このような状況においては、包装用容器1の水平度が保ちにくく、多数の包装用容器1を重ねたときは、上方の包装用容器1が点線で示すように傾斜するので、全体が倒れ易くなり、積み重ね段数が少なくなるという問題がある。また、支持突起を形成している側壁側は、上下の支持突起が空間内の一部で接触しているのみであるため、この上下側壁隅部間には少しの隙間が存在する。そのために、少しの力でも隅部に掛かると、上の包装容器が傾斜するという問題がある。よって、積み重ねた各包装用容器1が倒れ易いということは、各包装用容器1内に刺身等の収納物を収納する作業を行いにくくするということでもあり、例えばこの種の容器1を1個づつ機械的に取り出すという作業を困難にしているのである。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、多数の包装用容器を安定して水平に積み重ねることができる包装用容器を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、実施例において使用する符号を付して説明すると、
「底面12の周囲から上方開口部に向けて拡開しながら傾斜する側壁13を有する略矩形状のトレイ部11と、
側壁13の一部を上方に山形に膨出させて形成され、内側に空間部15aを有するラップ掛け用の支持突起15とを備え、
支持突起15の少なくとも両側に位置する隅部に、側壁の一部を外側に突出させて受け部16を設け、この受け部16の傾斜角を支持突起15の傾斜角より大に形成して、この包装用容器10の支持突起15を他の包装用容器10の支持突起15の上に挿入し相互に積み重ねたとき、各受け部16が他の包装用容器の受け部16内面に夫々当接するようにしたことを特徴とする包装容器10」
である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の包装用容器10につき図1〜図5を参照して説明する。
先ず、図2及び図3において、トレイ部11は、シート状の合成樹脂材料、例えば発泡ポリスチレン性合成樹脂材料により略均一の厚さに成形されたものであり、矩形状の底面12の周囲から拡開しながら傾斜する側壁13が形成され、上面が開放する矩形状をなしている。
【0009】
なお、本実施形態の包装用容器10では、その底面12の略中央部に、図2に示すように、屈曲中心部14が形成してある。この屈曲中心部14は、これを中心として底面12を左右に湾曲または屈曲させた場合の稜線となるものであり、底面12自体の剛性を高め、結果的に当該包装用容器10全体の剛性を高めるものである。また、この屈曲中心部14は、これから底面12を傾斜させていることから、刺身等が含んでいた液汁を底面12の両側に流すことになり、刺身等の味の低下を防止するものである。更に、各側壁に対しても底面12と同じような稜線を設け、剛性を高めている。
【0010】
長辺側の一方の側壁13には、図4に示すように、側壁13の傾斜幅Lの範囲内で一部を上方に山形に膨出させて支持突起15が形成されている。この支持突起15の内側には空間部15aが形成されており、その中心線は屈曲中心部14に直交し、側壁13から上方へ突出している。この支持突起15は、ラップを掛けるとときこのラップを支持して、ラップが収容物に接触しないようにしている。また、収納物を無駄なくきれいに並べることができる。
【0011】
受け部16は、支持突起15の少なくとも両側に位置する隅部に形成されている。即ち、図5に二点鎖線で示すように、トレイ部11の上端開口部と底面12の外周部を連結する側壁13Aの中間の一部を外側に突出させて形成されており、下端部16aが側壁13Aに連結される。本実施例においては、容器内面の形状を平滑化するため、受け部16の下端部16aを、実線で示すように、底面11の外周部に連結している。尚、受け部16の傾斜角αは、支持突起15の傾斜角よりも大に形成されている。
【0012】
つぎに、図1において、2個の包装用容器10、例えば、包装用容器10Aと包装用容器10Bを重ねる場合について説明する。
【0013】
包装用容器10Aを包装用容器10Bの上方に置き、包装用容器10Aの支持突起15の空間部15a内に、包装用容器10Bの支持突起15を挿入しながら降下させると、包装用容器10Aの4隅の受け部16の下端部16aが、夫々対向する包装用容器10Bの受け部16の内面に当接して停止し、上部の包装用容器10Aが包装用容器10Bの上に水平状態に載置される。そして、包装用容器10Aと包装用容器10Bとの間には、間隔Hが確保されている。
【0014】
この場合、包装用容器10Aの空間部15aと、包装用容器10Bの支持突起15との間には隙間Gが存在しているので、支持突起15により包装用容器10Aが傾斜することはない。
【0015】
包装用容器10Aの上に、他の包装用容器10を重ねる場合は、上述の工程を繰り返せばよい。このようにして、複数の包装用容器10が複数段に水平状態に安定して積み重ねられる。
【0016】
上記実施例によれば、トレイ部11の隅に受け部16を設け、包装用容器10を重ねたとき、上部の包装用容器10の各受け部16を、下部の包装用容器10の対向する受け部16に当接するようにしたので、支持突起15を有する場合であっても、上下の包装用容器10が水平に重ねられて、包装用容器10を多段に安定して積載できるという効果を奏するものである。また、隙間Gが存在しているため強い力が各方向から働らいても、隙間Gがなくなり支持突起同士が当接することとなり、転倒することは免れる。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、底面の周囲から上方開口部に向けて拡開しながら傾斜する側壁を有する略矩形状のトレイ部と、
前記側壁の一部を上方に山形に膨出させて形成され、内側に空間部を有するラップ掛け用の支持突起とを備え、
前記支持突起の少なくとも両側に位置する隅部に、側壁の一部を外側に突出させて受け部を設け、この受け部の傾斜角を前記支持突起の傾斜角より大に形成して、この包装用容器の支持突起を他の包装用容器の支持突起上に挿入し相互に積み重ねたとき、前記各受け部が他の包装用容器の受け部内面に夫々当接するようにしたので、多数の包装用容器を水平に安定して積み重ねることができるという効果を奏するものである。
【0018】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の包装用容器を積みかさねた状態における一部を破断した縦断側面図である。
【図2】 包装用容器の斜視図である。
【図3】 図2に示すB−B線に沿って破断した断面図である。
【図4】 図2に示すA−A線に沿って破断した断面図である。
【図5】 受け部の拡大縦断面図である。
【図6】 従来例の包装用容器の斜視図である。
【図7】 包装用容器を積みかさねた状態における一部を破断した縦断側面図である。
【符号の説明】
10 包装用容器
10A包装用容器
10B包装用容器
11 トレイ部
12 底面
13 側壁
13a側壁
15 支持突起
15a空間部
16 受け部
16a下端部
Claims (1)
- 底面の周囲から上方開口部に向けて拡開しながら傾斜する側壁を有する略矩形状のトレイ部と、
前記側壁の一部を上方に山形に膨出させて形成され、内側に空間部を有するラップ掛け用の支持突起とを備え、
前記支持突起の少なくとも両側に位置する隅部に、側壁の一部を外側に突出させて受け部を設け、この受け部の傾斜角を前記支持突起の傾斜角より大に形成して、この包装用容器の支持突起を他の包装用容器の支持突起上に挿入し相互に積み重ねたとき、前記各受け部が他の包装用容器の受け部内面に夫々当接するようにしたことを特徴とする包装用容器。
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JP17664496A JP3677642B2 (ja) | 1996-07-05 | 1996-07-05 | 包装用容器 |
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JP17664496A JP3677642B2 (ja) | 1996-07-05 | 1996-07-05 | 包装用容器 |
Publications (2)
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JPH1017053A JPH1017053A (ja) | 1998-01-20 |
JP3677642B2 true JP3677642B2 (ja) | 2005-08-03 |
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ID=16017194
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3677642B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010269805A (ja) * | 2009-05-19 | 2010-12-02 | Fp Corp | 包装用容器 |
-
1996
- 1996-07-05 JP JP17664496A patent/JP3677642B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2010269805A (ja) * | 2009-05-19 | 2010-12-02 | Fp Corp | 包装用容器 |
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JPH1017053A (ja) | 1998-01-20 |
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