JP3676108B2 - 光ファイバケーブル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ心線と抗張力体とが被覆層によって被覆されて成る光ファイバケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1には光ファイバケーブルの一例が断面により模式的に示されている。この図1に示す光ファイバケーブル1は、光ファイバ心線部2と、緩衝層3と、抗張力体4と、被覆層5とを有して構成されている。
【0003】
上記光ファイバ心線部2は1本以上の光ファイバ心線6を有している。図1に示す例では、光ファイバ心線6を複数本並べてテープ状に形成した光ファイバテープ心線7が図1に示す横方向に複数並べられて光ファイバ心線部2を構成している。この光ファイバ心線部2の周りには緩衝層3が設けられており、該緩衝層3によって光ファイバ心線部2の各光ファイバ心線6は側圧等の外力から保護されている。
【0004】
上記緩衝層3の外側には抗張力体4が設けられている。この抗張力体4は鋼線等によって形成されており、光ファイバ心線6に過剰な張力が加えられるのを防止して光ファイバ心線6を保護する機能を持つものである。
【0005】
上記光ファイバ心線部2と緩衝層3と抗張力体4は、ポリ塩化ビニルやポリエチレン等の被覆層5によって一括的に被覆されている。
【0006】
図1に示す光ファイバケーブルは上記のように構成されている。この図1に示す形態の光ファイバケーブル以外に、例えば、図2に示す形態の光ファイバケーブルもある。この図2に示す光ファイバケーブル1は架空敷設タイプのものであり、光ファイバケーブル本体部10に首部11を介して吊り部12が接続されている。
【0007】
上記光ファイバケーブル本体部10は、光ファイバ心線部2の周りに緩衝層3が設けられ、この緩衝層3の外側に鋼線等の抗張力体4が配設され、それら光ファイバ心線部2と緩衝層3と抗張力体4は被覆層5によって被覆されている。また、上記吊り部12は鋼線等の支持線13を被覆層5によって被覆したものであり、上記光ファイバケーブル本体部10の長手方向に沿って設けられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記図1に示すような光ファイバケーブル1は地下管路等の管路内に敷設される場合があり、この場合には、光ファイバケーブル1は管路の内壁面を擦りながら管路内に引き込まれることとなる。従来では、光ファイバケーブル1の被覆層5は抗張力体4に強く密着していないことから、光ファイバケーブル1を管路内に敷設する際に、上記光ファイバケーブル1の被覆層5と管路の内壁面との摩擦によって、被覆層5が抗張力体4に対して光ファイバケーブル1の長手方向にずれて寄ってしまい、光ファイバケーブル1の端部又は中間部においてしわが寄ってしまう場合がある(以下、このしわの部分を寄れという)。この場合、その被覆層5の寄れと共に、光ファイバ心線部2(光ファイバテープ心線7(光ファイバ心線6))も寄れてしまい、この寄れに起因して光ファイバ心線6の光損失が増加してしまうという問題が生じる。
【0009】
特に、上記光ファイバケーブル1を夏場等の高温環境下において敷設する場合には、その熱によって被覆層5が柔らかくなって寄れ易くなることから、上記被覆層5の寄れに起因した光ファイバ心線6の光損失の増加の問題は大きくなる。
【0010】
また、上記図2に示す架空敷設タイプの光ファイバケーブル1においても、夏場等の高温環境下において敷設する場合には架空敷設する際に被覆層5に寄れが生じ、上記同様に、その被覆層5の寄れに起因して光ファイバ心線6の光損失が増加するという問題が生じる場合がある。つまり、図2に示す架空敷設タイプの光ファイバケーブル1を敷設する際に、金車によって光ファイバケーブル1がしごかれる場合があり、この場合には、上記金車と光ファイバケーブル1の被覆層5とが擦れ合うので、この金車と被覆層5との摩擦によって、上記同様に、被覆層5が抗張力体4に対してずれて被覆層5に寄れが生じることがあり、その被覆層5の寄れに起因して光ファイバ心線6の光損失が増加してしまう場合がある。
【0011】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、抗張力体と被覆層との密着強度を高めて、光ファイバケーブルの敷設時における被覆層の寄れを防止し、光ファイバ心線の光損失の増加を抑制することができる光ファイバケーブルを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためにこの発明は次に示す構成をもって前記課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、1本以上の光ファイバ心線と該光ファイバ心線を保護するための抗張力体とが設けられ、これら光ファイバ心線と抗張力体とを被覆層によって被覆して成る光ファイバケーブルにおいて、長さ50mmの光ファイバケーブルから上記抗張力体のみを引き抜く場合に要する抗張力体の引き抜き力が50N以上500N以下となる結合強度でもって上記抗張力体と被覆層とが結合されている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0015】
上記構成の発明において、光ファイバケーブルの抗張力体と被覆層とは、長さ50mmの光ファイバケーブルから上記抗張力体のみを引き抜く場合に要する抗張力体の引き抜き力が50N以上となる結合強度でもって結合されている。
【0016】
光ファイバケーブルを例えば管路内に引き込む際に、光ファイバケーブルの被覆層は管路内壁面と擦れ合うけれども、該被覆層は抗張力体に上記の如く結合強度強く結合していることから、被覆層が抗張力体に対してずれることはなく、このことによって、敷設時に生じる被覆層の寄れを防止することができて被覆層の寄れに起因した光ファイバ心線の光損失の増加を抑制することができる。
【0017】
このように、この発明の構成を備えることによって、前記課題が解決される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づき説明する。
【0019】
この実施形態例では、前記図1や図2に示すような光ファイバケーブル、つまり、1本以上の光ファイバ心線と該光ファイバ心線を保護する抗張力体とが設けられ、それら光ファイバ心線と抗張力体とが被覆層によって被覆されている構造を有している光ファイバケーブルを対象としている。
【0020】
この実施形態例において特徴的なことは、図1や図2に示す抗張力体4を接着剤を介して被覆層5に接着結合させ、このことにより、光ファイバケーブル1の敷設時に、被覆層5に寄りが生じるのを防止して被覆層5の寄れに起因した光ファイバ心線6の光損失増加の問題を回避する構成を備えたことである。それ以外の構成は前記図1や図2に示す光ファイバケーブル1の構成と同様であり、その共通部分の重複説明は省略する。
【0021】
この実施形態例では、上記の如く、抗張力体4は接着剤を介して被覆層5に接着結合されており、その抗張力体4と被覆層5の結合強度は、長さ50mmの光ファイバケーブル1から抗張力体4のみを引き抜く場合に要する抗張力体4の引き抜き力が50N以上、かつ、500N以下の範囲内となる結合強度である。
【0022】
換言すれば、上記長さ50mmの光ファイバケーブル1から抗張力体4のみを引き抜く場合に要する抗張力体4の引き抜き力の大きさを、便宜上、(N/50mm)という単位を使用して表すと、この実施形態例では、抗張力体4と被覆層5の結合強度は、抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)以上、かつ、500(N/50mm)以下の範囲内となる接合強度である。
【0023】
上記抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)以上となる抗張力体4と被覆層5の結合強度は、光ファイバケーブル1を敷設する際に、摩擦力によって被覆層5が抗張力体4からずれてしまうのを防止することができる結合強度である。つまり、光ファイバケーブル1が管路内に引き込まれて敷設される場合には、光ファイバケーブル1と管路内壁面との摩擦によって、被覆層5が抗張力体4からずれて被覆層5に寄れが生じるのを防止することができ、また、光ファイバケーブル1が架空敷設される場合には、光ファイバケーブル1と金車との摩擦によって、被覆層5が抗張力体4からずれて被覆層5に寄れが生じるのを防止することができる。もちろん、上記抗張力体4と被覆層5の結合強度は、上記被覆層5が抗張力体4からずれて被覆層5に寄れが生じるのを防止することができる結合強度である。
【0024】
ところで、光ファイバケーブル1の端末処理を行う際に、人がニッパー等の道具を利用して、被覆層5を剥いて抗張力体4を剥き出しにするという皮剥ぎ作業を行う場合がある。しかし、抗張力体4と被覆層5の結合強度を非常に強くしてしまうと、上記皮剥ぎ作業を人に手によって行うのが非常に困難となり、不都合が生じる。
【0025】
そこで、この実施形態例では、上記皮剥ぎ作業に関わる問題を防止することができる、抗張力体4の引き抜き力が500(N/50mm)以下となる結合強度でもって抗張力体4と被覆層5は接着結合されており、上記皮剥ぎ作業を人に手によって行うのが非常に困難となるという問題を防止している。
【0026】
この実施形態例によれば、被覆層5は接着剤を介して抗張力体4に接着結合され、その抗張力体4と被覆層5の接合強度は、抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)以上となる結合強度であることから、光ファイバケーブル1の敷設時に、光ファイバケーブル1と管路内壁面との摩擦、あるいは、光ファイバケーブル1と金車との摩擦によって被覆層5が抗張力体4からずれてしまうのを防止することができ、このことによって、被覆層5が寄れてしまうのを防止することができて被覆層5の寄れに起因した光ファイバ心線6の光損失の増加を抑制することができる。この効果は次に示す第1の実験および第2の実験によって確認されている。
【0027】
第1の実験では、前記図1に示す形態の光ファイバケーブル1に関する実験であり、抗張力体4と被覆層5の結合強度が互いに異なる3種の光ファイバケーブル1を用いて、敷設時における光ファイバ心線6の光損失の変動をそれぞれ測定した。
【0028】
つまり、まず、前記図1に示す形態のサンプルAとサンプルBとサンプルCという3種の光ファイバケーブル1を用意した。上記サンプルA,B,Cはそれぞれ抗張力体4と被覆層5の間の接着剤の量が互いに異なるが、それ以外は同様な構成を備えている。上記サンプルAは、抗張力体4と被覆層5の間に接着剤が無く、抗張力体4の引き抜き力が12(N/50mm)である光ファイバケーブル1であり、上記サンプルBは、抗張力体4と被覆層5とは接着剤によって接着結合され、抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)である光ファイバケーブル1であり、サンプルCは、上記サンプルBよりも接着剤の量を多くして抗張力体4と被覆層5とが接着結合されており、抗張力体4の引き抜き力は80(N/50mm)である光ファイバケーブル1である。
【0029】
上記サンプルA,B,Cの3種の光ファイバケーブル1を、約50℃程度に加熱した樹脂等の可とう管路内に引き込み、この際の光ファイバ心線6の光損失の変動量を測定した。なお、この実験に使用された可とう管路は内径が14mmであり、曲率半径Rが140mmである曲がりを2箇所入れている。また、光損失の測定波長は1.55μmである。
【0030】
上記第1の実験による光ファイバ心線6の光損失の変動量の測定結果が表1に示されている。
【0031】
【表1】
Figure 0003676108
【0032】
上記表1に示すように、サンプルA、つまり、抗張力体4と被覆層5との間に接着剤が無く、抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)未満である光ファイバケーブル1では、光ファイバケーブル1を可とう管路に引き入れた際に、被覆層5と可とう管路内壁面との摩擦によって、被覆層5が抗張力体4からずれて被覆層5に寄れが生じ、このことによって、光ファイバ心線6の光損失が増加している。
【0033】
これに対して、サンプルBやサンプルC、つまり、抗張力体4と被覆層5とを接着剤を用いて接着結合し、抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)以上である光ファイバケーブル1では、光ファイバケーブル1を可とう管路に引き入れた際に被覆層5と可とう管路内壁面とは擦れ合うけれども、被覆層5は抗張力体4に接着結合しているためにずれず、被覆層5に寄れが生じるのが回避され、このことによって、光ファイバ心線6の光損失の増加は無く、光損失の増加は抑制されている。
【0034】
このように、第1の実験の結果からも明らかなように、図1に示す形態の光ファイバケーブル1において、抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)以上となる接合強度でもって抗張力体4と被覆層5を接着結合させることによって、光ファイバケーブル1の敷設時における被覆層5の寄れを防止することができ、このことによって、被覆層5の寄れに起因した光ファイバ心線6の光損失の増加を抑制することができる。
【0035】
第2の実験では、前記図2に示す架空敷設タイプの光ファイバケーブル1に関する実験であり、抗張力体4と被覆層5の結合強度が互いに異なる3種の光ファイバケーブル1を用いて、架空敷設時における光ファイバ心線6の光損失の変動をそれぞれ測定した。
【0036】
つまり、まず、前記図2に示す形態のサンプルDとサンプルEとサンプルFという3種の光ファイバケーブル1を用意した。上記サンプルD,E,Fは抗張力体4と被覆層5の間の接着剤の量が互いに異なるが、それ以外は同様な構成を備えている。上記サンプルDは、抗張力体4と被覆層5の間に接着剤が無く、抗張力体4の引き抜き力が12(N/50mm)である光ファイバケーブル1であり、上記サンプルEは、抗張力体4と被覆層5とは接着剤によって接着結合され、抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)である光ファイバケーブル1であり、サンプルFは、上記サンプルEよりも接着剤の量を多くして抗張力体4と被覆層5とが接着結合されており、抗張力体4の引き抜き力は80(N/50mm)である光ファイバケーブル1である。
【0037】
上記サンプルD,E,Fの各光ファイバケーブル1をそれぞれ金車によるしごきを与え、この際における光ファイバケーブル1の光ファイバ心線6の光損失の変動量を測定した。なお、上記金車は半径が250mmであり、その金車を光ファイバケーブル1の架空敷設経路上に2箇所入れており、環境温度は50℃とした。また、光損失の測定波長は1.55μmである。
【0038】
上記第2の実験による光ファイバ心線6の光損失の変動量の測定結果は表2に示されている。
【0039】
【表2】
Figure 0003676108
【0040】
この第2の実験でも、前記第1の実験と同様に、サンプルD、つまり、抗張力体4と被覆層5の間に接着剤を無く、抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)未満である光ファイバケーブル1では、光ファイバケーブル1の架空敷設時に被覆層5が抗張力体4に対してずれて被覆層5に寄れが生じ、表2に示すように、被覆層5の寄れに起因して光ファイバ心線6の光損失が増加している。
【0041】
これに対して、サンプルEやサンプルF、つまり、抗張力体4と被覆層5を接着剤を利用して接着結合させて抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)以上である光ファイバケーブル1では、光ファイバケーブル1の架空敷設時に被覆層5が抗張力体4に対してずれず、このことから、被覆層5に寄れは生じずに、表2に示すように、光ファイバ心線6の光損失は増加していない。
【0042】
上記第2の実験の結果にも示されているように、図2に示す架空敷設タイプの光ファイバケーブル1においても、抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)以上となるように抗張力体4と被覆層5を接着結合することによって、光ファイバケーブル1の架空敷設時における被覆層5の寄れ発生を防止することができ、被覆層5の寄れに起因した光ファイバ心線6の光損失の増加を抑制することができる。
【0043】
この実施形態例では、前述したように、抗張力体4の引き抜き力が500(N/50mm)以下となる結合強度でもって抗張力体4と被覆層5が接着結合されているので、光ファイバケーブル1の端末処理時に、前記皮剥ぎ作業を人の手によって行うことが可能である。この効果は、実験によって確認されている。
【0044】
上記実験とは、抗張力体4と被覆層5の結合強度が互いに異なる3種の光ファイバケーブル1(サンプルG、サンプルH、サンプルI)を用意し、それら光ファイバケーブル1のそれぞれについて上記皮剥ぎ作業が可能であるか否かを調べた実験である。
【0045】
この実験では、上記3種の光ファイバケーブル1(サンプルG、サンプルH、サンプルI)は抗張力体4と被覆層5の間の接着剤の種類が互いに異なるものであり、それ以外の構成は同様である。上記サンプルGは抗張力体4の引き抜き力が500(N/50mm)となる結合強度でもって抗張力体4と被覆層5が結合されている光ファイバケーブル1であり、サンプルHは抗張力体4の引き抜き力が550(N/50mm)となる結合強度でもって抗張力体4と被覆層5が結合されている光ファイバケーブル1であり、サンプルIは抗張力体4の引き抜き力が610(N/50mm)となる結合強度でもって抗張力体4と被覆層5が結合されている光ファイバケーブル1である。
【0046】
上記サンプルG、サンプルH、サンプルIの各光ファイバケーブル1について、人の手によって上記皮剥ぎ作業を行うことができるか否かを実験した。その皮剥ぎ作業の可・不可の実験結果が表3に示されている。
【0047】
【表3】
Figure 0003676108
【0048】
上記表3に示すように、サンプルHやサンプルI、つまり、抗張力体4の引き抜き力が500(N/50mm)よりも強い結合強度でもって抗張力体4と被覆層5が結合されている光ファイバケーブル1では、前記皮剥ぎ作業を人の手によって行うことは非常に困難であるのに対して、サンプルG、つまり、抗張力体4の引き抜き力が500(N/50mm)以下となる結合強度でもって抗張力体4と被覆層5が結合されている光ファイバケーブル1では、前記皮剥ぎ作業を人の手によって行うことが可能であった。
【0049】
このように、抗張力体4の引き抜き力が500(N/50mm)以下となる結合強度でもって抗張力体4と被覆層5を結合することによって、前記皮剥ぎ作業を人の手によって行うことが可能であり、光ファイバケーブル1の端末処理に悪影響を及ぼすのを防止することができる。
【0050】
この実施形態例では、抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)以上、かつ、500(N/50mm)以下となる結合強度でもって抗張力体4と被覆層5とが結合されているので、光ファイバケーブル1の敷設時における被覆層5の寄れ発生を防止することができて光ファイバ心線6の光損失増加を抑制することができると共に、光ファイバケーブル1の端末処理作業時における皮剥ぎ作業に関わる問題を防止することができる。
【0051】
なお、この発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、上記実施形態例では、抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)以上、かつ、500(N/50mm)以下となる結合強度でもって抗張力体4と被覆層5とが結合されていたが、例えば、人の手による前記皮剥ぎ作業が行われないと想定される光ファイバケーブル1では、皮剥ぎ作業に関する考慮は必要なく、このような場合には、抗張力体4の引き抜き力が500(N/50mm)よりも大きくなる結合強度でもって抗張力体4と被覆層5とを結合してもよい。
【0052】
また、上記実施形態例では、接着剤を利用して抗張力体4と被覆層5とを接着結合し、抗張力体4の引き抜き力を50(N/50mm)以上に高めたが、例えば、接着剤を使用するのに代えて、抗張力体4の表面に凹凸を付けて、抗張力体4と被覆層5の結合強度(密着強度)を高めて抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)以上となるように構成してもよい。さらに、抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)以上となる抗張力体4の材料と被覆層5の材料との組み合わせでもって抗張力体4と被覆層5を構成して、抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)以上となる結合強度でもって抗張力体4と被覆層5を結合させてもよい。さらに、被覆層5の材料として接着性を有するものを用い、抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)以上となる結合強度でもって抗張力体4と被覆層5を結合させてもよい。さらにまた、上記したような抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)以上となる結合強度でもって抗張力体4と被覆層5を結合させるための複数の手段を組み合わせてもよい。例えば、被覆層5の材料として接着性を有するものを用い、かつ、抗張力体4の表面に凹凸を設けて、抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)以上となる結合強度でもって抗張力体4と被覆層5を結合させてもよい。
【0053】
さらに、上記実施形態例は、図1や図2に示す光ファイバケーブル1を例にして説明したが、1本以上の光ファイバ心線と該光ファイバ心線を保護するための抗張力体とが設けられ、これら光ファイバ心線と抗張力体とが被覆層によって被覆されて成る光ファイバケーブルであれば、この発明は適用することができ、図1や図2に示す光ファイバケーブル1に限定されるものではない。例えば、緩衝層3が設けられていない光ファイバケーブル1にも本発明は適用することができる。
【0054】
【発明の効果】
この発明によれば、長さ50mmの光ファイバケーブルから抗張力体のみを引き抜く場合に要する抗張力体の引き抜き力が50N以上となる結合強度でもって抗張力体と被覆層とが結合されているので、光ファイバケーブルの敷設時に、被覆層が抗張力体からずれて寄れるを防止することができ、この被覆層の寄れに起因した光ファイバ心線の光損失の増加を抑制することができ、光伝送特性の信頼性を向上させることができる。
【0055】
また、本発明は、抗張力体と被覆層との結合強度は、長さ50mmの光ファイバケーブルから抗張力体のみを引き抜く場合に要する抗張力体の引き抜き力が500N以下としたので、光ファイバケーブルの端末処理を行う際に、人に手によって被覆層を剥いて抗張力体を剥き出しにする皮剥ぎ作業が必要である場合に、その皮剥ぎ作業を人に手によって行うことが可能であり、抗張力体と被覆層との結合強度が強過ぎて皮剥ぎ作業を行うのが非常に困難となるという問題を防止することができる。
【0056】
また、抗張力体と被覆層とを接着剤を利用して接着結合させた場合には、接着剤を用いるだけで、簡単に、抗張力体と被覆層との結合強度を、長さ50mmの光ファイバケーブルから抗張力体のみを引き抜く場合に要する抗張力体の引き抜き力が50N以上となる結合強度に高めることができる。また、上記接着剤の付着量(塗布量)の増減によって、抗張力体と被覆層との結合強度を変化させることが容易であり、所望の結合強度でもって抗張力体と被覆層とを結合させることが可能となる。
【0057】
光ファイバケーブル本体部に、該本体部の長手方向に沿って光ファイバケーブル本体部を支持する吊り部が設けられている架空敷設タイプの光ファイバケーブルにあっては、架空敷設する際に光ファイバケーブルの被覆層と金車とが擦れ合うけれども、長さ50mmの光ファイバケーブルから抗張力体のみを引き抜く場合に要する抗張力体の引き抜き力が50N以上となる結合強度でもって抗張力体と被覆層とが結合されているので、上記したように、被覆層が抗張力体からずれて寄れるを防止することができ、この被覆層の寄れに起因した光ファイバ心線の光損失の増加を抑制することができ、光伝送特性の信頼性の高い架空敷設タイプの光ファイバケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバケーブルの断面の一例を模式的に示す断面図である。
【図2】架空敷設タイプの光ファイバケーブルの断面の一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 光ファイバケーブル
4 抗張力体
5 被覆層
6 光ファイバ心線
7 光ファイバテープ心線
10 光ファイバケーブル本体部
12 吊り部

Claims (1)

  1. 1本以上の光ファイバ心線と該光ファイバ心線を保護するための抗張力体とが設けられ、これら光ファイバ心線と抗張力体とを被覆層によって被覆して成る光ファイバケーブルにおいて、長さ50mmの光ファイバケーブルから上記抗張力体のみを引き抜く場合に要する抗張力体の引き抜き力が50N以上500N以下となる結合強度でもって上記抗張力体と被覆層とが結合されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
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