JP2000241688A - 光ファイバケーブル - Google Patents

光ファイバケーブル

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JP2000241688A JP11044737A JP4473799A JP2000241688A JP 2000241688 A JP2000241688 A JP 2000241688A JP 11044737 A JP11044737 A JP 11044737A JP 4473799 A JP4473799 A JP 4473799A JP 2000241688 A JP2000241688 A JP 2000241688A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバ心線の光損失の増加を抑制する。 【解決手段】 抗張力体4の引き抜き力が50(N/5
0mm)以上となる結合強度でもって抗張力体4と被覆層
5を結合する。光ファイバケーブル1を管路内に引き込
んで敷設する場合には光ファイバケーブル1の被覆層5
と管路内壁面とが擦れ合う。抗張力体4の引き抜き力が
50(N/50mm)未満である場合には、管路内壁面と
の摩擦によって被覆層5が抗張力体4からずれて被覆層
5に寄れが生じ、この寄れと共に光ファイバ心線6も寄
れて光損失が増加するが、抗張力体4の引き抜き力が5
0(N/50mm)以上となる結合強度でもって抗張力体
4と被覆層5を結合させることによって、光ファイバケ
ーブル1の敷設時における被覆層5の寄れ発生を防止で
きて光ファイバ心線6の光損失の増加を抑制することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ心線と
抗張力体とが被覆層によって被覆されて成る光ファイバ
ケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1には光ファイバケーブルの一例が断
面により模式的に示されている。この図1に示す光ファ
イバケーブル1は、光ファイバ心線部2と、緩衝層3
と、抗張力体4と、被覆層5とを有して構成されてい
る。
【0003】上記光ファイバ心線部2は1本以上の光フ
ァイバ心線6を有している。図1に示す例では、光ファ
イバ心線6を複数本並べてテープ状に形成した光ファイ
バテープ心線7が図1に示す横方向に複数並べられて光
ファイバ心線部2を構成している。この光ファイバ心線
部2の周りには緩衝層3が設けられており、該緩衝層3
によって光ファイバ心線部2の各光ファイバ心線6は側
圧等の外力から保護されている。
【0004】上記緩衝層3の外側には抗張力体4が設け
られている。この抗張力体4は鋼線等によって形成され
ており、光ファイバ心線6に過剰な張力が加えられるの
を防止して光ファイバ心線6を保護する機能を持つもの
である。
【0005】上記光ファイバ心線部2と緩衝層3と抗張
力体4は、ポリ塩化ビニルやポリエチレン等の被覆層5
によって一括的に被覆されている。
【0006】図1に示す光ファイバケーブルは上記のよ
うに構成されている。この図1に示す形態の光ファイバ
ケーブル以外に、例えば、図2に示す形態の光ファイバ
ケーブルもある。この図2に示す光ファイバケーブル1
は架空敷設タイプのものであり、光ファイバケーブル本
体部10に首部11を介して吊り部12が接続されてい
る。
【0007】上記光ファイバケーブル本体部10は、光
ファイバ心線部2の周りに緩衝層3が設けられ、この緩
衝層3の外側に鋼線等の抗張力体4が配設され、それら
光ファイバ心線部2と緩衝層3と抗張力体4は被覆層5
によって被覆されている。また、上記吊り部12は鋼線
等の支持線13を被覆層5によって被覆したものであ
り、上記光ファイバケーブル本体部10の長手方向に沿
って設けられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記図1に
示すような光ファイバケーブル1は地下管路等の管路内
に敷設される場合があり、この場合には、光ファイバケ
ーブル1は管路の内壁面を擦りながら管路内に引き込ま
れることとなる。従来では、光ファイバケーブル1の被
覆層5は抗張力体4に強く密着していないことから、光
ファイバケーブル1を管路内に敷設する際に、上記光フ
ァイバケーブル1の被覆層5と管路の内壁面との摩擦に
よって、被覆層5が抗張力体4に対して光ファイバケー
ブル1の長手方向にずれて寄ってしまい、光ファイバケ
ーブル1の端部又は中間部においてしわが寄ってしまう
場合がある(以下、このしわの部分を寄れという)。こ
の場合、その被覆層5の寄れと共に、光ファイバ心線部
2(光ファイバテープ心線7(光ファイバ心線6))も
寄れてしまい、この寄れに起因して光ファイバ心線6の
光損失が増加してしまうという問題が生じる。
【0009】特に、上記光ファイバケーブル1を夏場等
の高温環境下において敷設する場合には、その熱によっ
て被覆層5が柔らかくなって寄れ易くなることから、上
記被覆層5の寄れに起因した光ファイバ心線6の光損失
の増加の問題は大きくなる。
【0010】また、上記図2に示す架空敷設タイプの光
ファイバケーブル1においても、夏場等の高温環境下に
おいて敷設する場合には架空敷設する際に被覆層5に寄
れが生じ、上記同様に、その被覆層5の寄れに起因して
光ファイバ心線6の光損失が増加するという問題が生じ
る場合がある。つまり、図2に示す架空敷設タイプの光
ファイバケーブル1を敷設する際に、金車によって光フ
ァイバケーブル1がしごかれる場合があり、この場合に
は、上記金車と光ファイバケーブル1の被覆層5とが擦
れ合うので、この金車と被覆層5との摩擦によって、上
記同様に、被覆層5が抗張力体4に対してずれて被覆層
5に寄れが生じることがあり、その被覆層5の寄れに起
因して光ファイバ心線6の光損失が増加してしまう場合
がある。
【0011】本発明は上記課題を解決するために成され
たものであり、その目的は、抗張力体と被覆層との密着
強度を高めて、光ファイバケーブルの敷設時における被
覆層の寄れを防止し、光ファイバ心線の光損失の増加を
抑制することができる光ファイバケーブルを提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明は次に示す構成をもって前記課題を解決する
手段としている。すなわち、第1の発明は、1本以上の
光ファイバ心線と該光ファイバ心線を保護するための抗
張力体とが設けられ、これら光ファイバ心線と抗張力体
とを被覆層によって被覆して成る光ファイバケーブルに
おいて、長さ50mmの光ファイバケーブルから上記抗張
力体のみを引き抜く場合に要する抗張力体の引き抜き力
が50N以上となる結合強度でもって上記抗張力体と被
覆層とが結合されている構成をもって前記課題を解決す
る手段としている。
【0013】第2の発明は、上記第1の発明の構成を備
え、抗張力体と被覆層との結合強度は、長さ50mmの光
ファイバケーブルから抗張力体のみを引き抜く場合に要
する抗張力体の引き抜き力が500N以下である構成を
もって前記課題を解決する手段としている。
【0014】第3の発明は、上記第1又は第2の発明の
構成を備え、1本以上の光ファイバ心線と抗張力体とが
設けられ、これら光ファイバ心線と抗張力体とが被覆層
によって被覆されて成る光ファイバケーブル本体部に、
該本体部の長手方向に沿って光ファイバケーブル本体部
を支持する吊り部が設けられている架空敷設タイプの光
ファイバケーブルと成している構成をもって前記課題を
解決する手段としている。
【0015】上記構成の発明において、光ファイバケー
ブルの抗張力体と被覆層とは、長さ50mmの光ファイバ
ケーブルから上記抗張力体のみを引き抜く場合に要する
抗張力体の引き抜き力が50N以上となる結合強度でも
って結合されている。
【0016】光ファイバケーブルを例えば管路内に引き
込む際に、光ファイバケーブルの被覆層は管路内壁面と
擦れ合うけれども、該被覆層は抗張力体に上記の如く結
合強度強く結合していることから、被覆層が抗張力体に
対してずれることはなく、このことによって、敷設時に
生じる被覆層の寄れを防止することができて被覆層の寄
れに起因した光ファイバ心線の光損失の増加を抑制する
ことができる。
【0017】このように、この発明の構成を備えること
によって、前記課題が解決される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、この発明に係る実施形態
例を図面に基づき説明する。
【0019】この実施形態例では、前記図1や図2に示
すような光ファイバケーブル、つまり、1本以上の光フ
ァイバ心線と該光ファイバ心線を保護する抗張力体とが
設けられ、それら光ファイバ心線と抗張力体とが被覆層
によって被覆されている構造を有している光ファイバケ
ーブルを対象としている。
【0020】この実施形態例において特徴的なことは、
図1や図2に示す抗張力体4を接着剤を介して被覆層5
に接着結合させ、このことにより、光ファイバケーブル
1の敷設時に、被覆層5に寄りが生じるのを防止して被
覆層5の寄れに起因した光ファイバ心線6の光損失増加
の問題を回避する構成を備えたことである。それ以外の
構成は前記図1や図2に示す光ファイバケーブル1の構
成と同様であり、その共通部分の重複説明は省略する。
【0021】この実施形態例では、上記の如く、抗張力
体4は接着剤を介して被覆層5に接着結合されており、
その抗張力体4と被覆層5の結合強度は、長さ50mmの
光ファイバケーブル1から抗張力体4のみを引き抜く場
合に要する抗張力体4の引き抜き力が50N以上、か
つ、500N以下の範囲内となる結合強度である。
【0022】換言すれば、上記長さ50mmの光ファイバ
ケーブル1から抗張力体4のみを引き抜く場合に要する
抗張力体4の引き抜き力の大きさを、便宜上、(N/5
0mm)という単位を使用して表すと、この実施形態例で
は、抗張力体4と被覆層5の結合強度は、抗張力体4の
引き抜き力が50(N/50mm)以上、かつ、500
(N/50mm)以下の範囲内となる接合強度である。
【0023】上記抗張力体4の引き抜き力が50(N/
50mm)以上となる抗張力体4と被覆層5の結合強度
は、光ファイバケーブル1を敷設する際に、摩擦力によ
って被覆層5が抗張力体4からずれてしまうのを防止す
ることができる結合強度である。つまり、光ファイバケ
ーブル1が管路内に引き込まれて敷設される場合には、
光ファイバケーブル1と管路内壁面との摩擦によって、
被覆層5が抗張力体4からずれて被覆層5に寄れが生じ
るのを防止することができ、また、光ファイバケーブル
1が架空敷設される場合には、光ファイバケーブル1と
金車との摩擦によって、被覆層5が抗張力体4からずれ
て被覆層5に寄れが生じるのを防止することができる。
もちろん、上記抗張力体4と被覆層5の結合強度は、上
記被覆層5が抗張力体4からずれて被覆層5に寄れが生
じるのを防止することができる結合強度である。
【0024】ところで、光ファイバケーブル1の端末処
理を行う際に、人がニッパー等の道具を利用して、被覆
層5を剥いて抗張力体4を剥き出しにするという皮剥ぎ
作業を行う場合がある。しかし、抗張力体4と被覆層5
の結合強度を非常に強くしてしまうと、上記皮剥ぎ作業
を人に手によって行うのが非常に困難となり、不都合が
生じる。
【0025】そこで、この実施形態例では、上記皮剥ぎ
作業に関わる問題を防止することができる、抗張力体4
の引き抜き力が500(N/50mm)以下となる結合強
度でもって抗張力体4と被覆層5は接着結合されてお
り、上記皮剥ぎ作業を人に手によって行うのが非常に困
難となるという問題を防止している。
【0026】この実施形態例によれば、被覆層5は接着
剤を介して抗張力体4に接着結合され、その抗張力体4
と被覆層5の接合強度は、抗張力体4の引き抜き力が5
0(N/50mm)以上となる結合強度であることから、
光ファイバケーブル1の敷設時に、光ファイバケーブル
1と管路内壁面との摩擦、あるいは、光ファイバケーブ
ル1と金車との摩擦によって被覆層5が抗張力体4から
ずれてしまうのを防止することができ、このことによっ
て、被覆層5が寄れてしまうのを防止することができて
被覆層5の寄れに起因した光ファイバ心線6の光損失の
増加を抑制することができる。この効果は次に示す第1
の実験および第2の実験によって確認されている。
【0027】第1の実験では、前記図1に示す形態の光
ファイバケーブル1に関する実験であり、抗張力体4と
被覆層5の結合強度が互いに異なる3種の光ファイバケ
ーブル1を用いて、敷設時における光ファイバ心線6の
光損失の変動をそれぞれ測定した。
【0028】つまり、まず、前記図1に示す形態のサン
プルAとサンプルBとサンプルCという3種の光ファイ
バケーブル1を用意した。上記サンプルA,B,Cはそ
れぞれ抗張力体4と被覆層5の間の接着剤の量が互いに
異なるが、それ以外は同様な構成を備えている。上記サ
ンプルAは、抗張力体4と被覆層5の間に接着剤が無
く、抗張力体4の引き抜き力が12(N/50mm)であ
る光ファイバケーブル1であり、上記サンプルBは、抗
張力体4と被覆層5とは接着剤によって接着結合され、
抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)である光
ファイバケーブル1であり、サンプルCは、上記サンプ
ルBよりも接着剤の量を多くして抗張力体4と被覆層5
とが接着結合されており、抗張力体4の引き抜き力は8
0(N/50mm)である光ファイバケーブル1である。
【0029】上記サンプルA,B,Cの3種の光ファイ
バケーブル1を、約50℃程度に加熱した樹脂等の可と
う管路内に引き込み、この際の光ファイバ心線6の光損
失の変動量を測定した。なお、この実験に使用された可
とう管路は内径が14mmであり、曲率半径Rが140mm
である曲がりを2箇所入れている。また、光損失の測定
波長は1.55μmである。
【0030】上記第1の実験による光ファイバ心線6の
光損失の変動量の測定結果が表1に示されている。
【0031】
【表1】
【0032】上記表1に示すように、サンプルA、つま
り、抗張力体4と被覆層5との間に接着剤が無く、抗張
力体4の引き抜き力が50(N/50mm)未満である光
ファイバケーブル1では、光ファイバケーブル1を可と
う管路に引き入れた際に、被覆層5と可とう管路内壁面
との摩擦によって、被覆層5が抗張力体4からずれて被
覆層5に寄れが生じ、このことによって、光ファイバ心
線6の光損失が増加している。
【0033】これに対して、サンプルBやサンプルC、
つまり、抗張力体4と被覆層5とを接着剤を用いて接着
結合し、抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)
以上である光ファイバケーブル1では、光ファイバケー
ブル1を可とう管路に引き入れた際に被覆層5と可とう
管路内壁面とは擦れ合うけれども、被覆層5は抗張力体
4に接着結合しているためにずれず、被覆層5に寄れが
生じるのが回避され、このことによって、光ファイバ心
線6の光損失の増加は無く、光損失の増加は抑制されて
いる。
【0034】このように、第1の実験の結果からも明ら
かなように、図1に示す形態の光ファイバケーブル1に
おいて、抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)
以上となる接合強度でもって抗張力体4と被覆層5を接
着結合させることによって、光ファイバケーブル1の敷
設時における被覆層5の寄れを防止することができ、こ
のことによって、被覆層5の寄れに起因した光ファイバ
心線6の光損失の増加を抑制することができる。
【0035】第2の実験では、前記図2に示す架空敷設
タイプの光ファイバケーブル1に関する実験であり、抗
張力体4と被覆層5の結合強度が互いに異なる3種の光
ファイバケーブル1を用いて、架空敷設時における光フ
ァイバ心線6の光損失の変動をそれぞれ測定した。
【0036】つまり、まず、前記図2に示す形態のサン
プルDとサンプルEとサンプルFという3種の光ファイ
バケーブル1を用意した。上記サンプルD,E,Fは抗
張力体4と被覆層5の間の接着剤の量が互いに異なる
が、それ以外は同様な構成を備えている。上記サンプル
Dは、抗張力体4と被覆層5の間に接着剤が無く、抗張
力体4の引き抜き力が12(N/50mm)である光ファ
イバケーブル1であり、上記サンプルEは、抗張力体4
と被覆層5とは接着剤によって接着結合され、抗張力体
4の引き抜き力が50(N/50mm)である光ファイバ
ケーブル1であり、サンプルFは、上記サンプルEより
も接着剤の量を多くして抗張力体4と被覆層5とが接着
結合されており、抗張力体4の引き抜き力は80(N/
50mm)である光ファイバケーブル1である。
【0037】上記サンプルD,E,Fの各光ファイバケ
ーブル1をそれぞれ金車によるしごきを与え、この際に
おける光ファイバケーブル1の光ファイバ心線6の光損
失の変動量を測定した。なお、上記金車は半径が250
mmであり、その金車を光ファイバケーブル1の架空敷設
経路上に2箇所入れており、環境温度は50℃とした。
また、光損失の測定波長は1.55μmである。
【0038】上記第2の実験による光ファイバ心線6の
光損失の変動量の測定結果は表2に示されている。
【0039】
【表2】
【0040】この第2の実験でも、前記第1の実験と同
様に、サンプルD、つまり、抗張力体4と被覆層5の間
に接着剤を無く、抗張力体4の引き抜き力が50(N/
50mm)未満である光ファイバケーブル1では、光ファ
イバケーブル1の架空敷設時に被覆層5が抗張力体4に
対してずれて被覆層5に寄れが生じ、表2に示すよう
に、被覆層5の寄れに起因して光ファイバ心線6の光損
失が増加している。
【0041】これに対して、サンプルEやサンプルF、
つまり、抗張力体4と被覆層5を接着剤を利用して接着
結合させて抗張力体4の引き抜き力が50(N/50m
m)以上である光ファイバケーブル1では、光ファイバ
ケーブル1の架空敷設時に被覆層5が抗張力体4に対し
てずれず、このことから、被覆層5に寄れは生じずに、
表2に示すように、光ファイバ心線6の光損失は増加し
ていない。
【0042】上記第2の実験の結果にも示されているよ
うに、図2に示す架空敷設タイプの光ファイバケーブル
1においても、抗張力体4の引き抜き力が50(N/5
0mm)以上となるように抗張力体4と被覆層5を接着結
合することによって、光ファイバケーブル1の架空敷設
時における被覆層5の寄れ発生を防止することができ、
被覆層5の寄れに起因した光ファイバ心線6の光損失の
増加を抑制することができる。
【0043】この実施形態例では、前述したように、抗
張力体4の引き抜き力が500(N/50mm)以下とな
る結合強度でもって抗張力体4と被覆層5が接着結合さ
れているので、光ファイバケーブル1の端末処理時に、
前記皮剥ぎ作業を人の手によって行うことが可能であ
る。この効果は、実験によって確認されている。
【0044】上記実験とは、抗張力体4と被覆層5の結
合強度が互いに異なる3種の光ファイバケーブル1(サ
ンプルG、サンプルH、サンプルI)を用意し、それら
光ファイバケーブル1のそれぞれについて上記皮剥ぎ作
業が可能であるか否かを調べた実験である。
【0045】この実験では、上記3種の光ファイバケー
ブル1(サンプルG、サンプルH、サンプルI)は抗張
力体4と被覆層5の間の接着剤の種類が互いに異なるも
のであり、それ以外の構成は同様である。上記サンプル
Gは抗張力体4の引き抜き力が500(N/50mm)と
なる結合強度でもって抗張力体4と被覆層5が結合され
ている光ファイバケーブル1であり、サンプルHは抗張
力体4の引き抜き力が550(N/50mm)となる結合
強度でもって抗張力体4と被覆層5が結合されている光
ファイバケーブル1であり、サンプルIは抗張力体4の
引き抜き力が610(N/50mm)となる結合強度でも
って抗張力体4と被覆層5が結合されている光ファイバ
ケーブル1である。
【0046】上記サンプルG、サンプルH、サンプルI
の各光ファイバケーブル1について、人の手によって上
記皮剥ぎ作業を行うことができるか否かを実験した。そ
の皮剥ぎ作業の可・不可の実験結果が表3に示されてい
る。
【0047】
【表3】
【0048】上記表3に示すように、サンプルHやサン
プルI、つまり、抗張力体4の引き抜き力が500(N
/50mm)よりも強い結合強度でもって抗張力体4と被
覆層5が結合されている光ファイバケーブル1では、前
記皮剥ぎ作業を人の手によって行うことは非常に困難で
あるのに対して、サンプルG、つまり、抗張力体4の引
き抜き力が500(N/50mm)以下となる結合強度で
もって抗張力体4と被覆層5が結合されている光ファイ
バケーブル1では、前記皮剥ぎ作業を人の手によって行
うことが可能であった。
【0049】このように、抗張力体4の引き抜き力が5
00(N/50mm)以下となる結合強度でもって抗張力
体4と被覆層5を結合することによって、前記皮剥ぎ作
業を人の手によって行うことが可能であり、光ファイバ
ケーブル1の端末処理に悪影響を及ぼすのを防止するこ
とができる。
【0050】この実施形態例では、抗張力体4の引き抜
き力が50(N/50mm)以上、かつ、500(N/5
0mm)以下となる結合強度でもって抗張力体4と被覆層
5とが結合されているので、光ファイバケーブル1の敷
設時における被覆層5の寄れ発生を防止することができ
て光ファイバ心線6の光損失増加を抑制することができ
ると共に、光ファイバケーブル1の端末処理作業時にお
ける皮剥ぎ作業に関わる問題を防止することができる。
【0051】なお、この発明は上記実施形態例に限定さ
れるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例え
ば、上記実施形態例では、抗張力体4の引き抜き力が5
0(N/50mm)以上、かつ、500(N/50mm)以
下となる結合強度でもって抗張力体4と被覆層5とが結
合されていたが、例えば、人の手による前記皮剥ぎ作業
が行われないと想定される光ファイバケーブル1では、
皮剥ぎ作業に関する考慮は必要なく、このような場合に
は、抗張力体4の引き抜き力が500(N/50mm)よ
りも大きくなる結合強度でもって抗張力体4と被覆層5
とを結合してもよい。
【0052】また、上記実施形態例では、接着剤を利用
して抗張力体4と被覆層5とを接着結合し、抗張力体4
の引き抜き力を50(N/50mm)以上に高めたが、例
えば、接着剤を使用するのに代えて、抗張力体4の表面
に凹凸を付けて、抗張力体4と被覆層5の結合強度(密
着強度)を高めて抗張力体4の引き抜き力が50(N/
50mm)以上となるように構成してもよい。さらに、抗
張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)以上となる
抗張力体4の材料と被覆層5の材料との組み合わせでも
って抗張力体4と被覆層5を構成して、抗張力体4の引
き抜き力が50(N/50mm)以上となる結合強度でも
って抗張力体4と被覆層5を結合させてもよい。さら
に、被覆層5の材料として接着性を有するものを用い、
抗張力体4の引き抜き力が50(N/50mm)以上とな
る結合強度でもって抗張力体4と被覆層5を結合させて
もよい。さらにまた、上記したような抗張力体4の引き
抜き力が50(N/50mm)以上となる結合強度でもっ
て抗張力体4と被覆層5を結合させるための複数の手段
を組み合わせてもよい。例えば、被覆層5の材料として
接着性を有するものを用い、かつ、抗張力体4の表面に
凹凸を設けて、抗張力体4の引き抜き力が50(N/5
0mm)以上となる結合強度でもって抗張力体4と被覆層
5を結合させてもよい。
【0053】さらに、上記実施形態例は、図1や図2に
示す光ファイバケーブル1を例にして説明したが、1本
以上の光ファイバ心線と該光ファイバ心線を保護するた
めの抗張力体とが設けられ、これら光ファイバ心線と抗
張力体とが被覆層によって被覆されて成る光ファイバケ
ーブルであれば、この発明は適用することができ、図1
や図2に示す光ファイバケーブル1に限定されるもので
はない。例えば、緩衝層3が設けられていない光ファイ
バケーブル1にも本発明は適用することができる。
【0054】
【発明の効果】この発明によれば、長さ50mmの光ファ
イバケーブルから抗張力体のみを引き抜く場合に要する
抗張力体の引き抜き力が50N以上となる結合強度でも
って抗張力体と被覆層とが結合されているので、光ファ
イバケーブルの敷設時に、被覆層が抗張力体からずれて
寄れるを防止することができ、この被覆層の寄れに起因
した光ファイバ心線の光損失の増加を抑制することがで
き、光伝送特性の信頼性を向上させることができる。
【0055】抗張力体と被覆層との結合強度は、長さ5
0mmの光ファイバケーブルから抗張力体のみを引き抜く
場合に要する抗張力体の引き抜き力が500N以下とし
たものにあっては、光ファイバケーブルの端末処理を行
う際に、人に手によって被覆層を剥いて抗張力体を剥き
出しにする皮剥ぎ作業が必要である場合に、その皮剥ぎ
作業を人に手によって行うことが可能であり、抗張力体
と被覆層との結合強度が強過ぎて皮剥ぎ作業を行うのが
非常に困難となるという問題を防止することができる。
【0056】また、抗張力体と被覆層とを接着剤を利用
して接着結合させた場合には、接着剤を用いるだけで、
簡単に、抗張力体と被覆層との結合強度を、長さ50mm
の光ファイバケーブルから抗張力体のみを引き抜く場合
に要する抗張力体の引き抜き力が50N以上となる結合
強度に高めることができる。また、上記接着剤の付着量
(塗布量)の増減によって、抗張力体と被覆層との結合
強度を変化させることが容易であり、所望の結合強度で
もって抗張力体と被覆層とを結合させることが可能とな
る。
【0057】光ファイバケーブル本体部に、該本体部の
長手方向に沿って光ファイバケーブル本体部を支持する
吊り部が設けられている架空敷設タイプの光ファイバケ
ーブルにあっては、架空敷設する際に光ファイバケーブ
ルの被覆層と金車とが擦れ合うけれども、長さ50mmの
光ファイバケーブルから抗張力体のみを引き抜く場合に
要する抗張力体の引き抜き力が50N以上となる結合強
度でもって抗張力体と被覆層とが結合されているので、
上記したように、被覆層が抗張力体からずれて寄れるを
防止することができ、この被覆層の寄れに起因した光フ
ァイバ心線の光損失の増加を抑制することができ、光伝
送特性の信頼性の高い架空敷設タイプの光ファイバケー
ブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバケーブルの断面の一例を模式的に示
す断面図である。
【図2】架空敷設タイプの光ファイバケーブルの断面の
一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】 1 光ファイバケーブル 4 抗張力体 5 被覆層 6 光ファイバ心線 7 光ファイバテープ心線 10 光ファイバケーブル本体部 12 吊り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高坂 正登 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 岩田 秀行 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2H001 BB16 DD06 DD21 HH02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1本以上の光ファイバ心線と該光ファイ
    バ心線を保護するための抗張力体とが設けられ、これら
    光ファイバ心線と抗張力体とを被覆層によって被覆して
    成る光ファイバケーブルにおいて、長さ50mmの光ファ
    イバケーブルから上記抗張力体のみを引き抜く場合に要
    する抗張力体の引き抜き力が50N以上となる結合強度
    でもって上記抗張力体と被覆層とが結合されていること
    を特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 【請求項2】 抗張力体と被覆層との結合強度は、長さ
    50mmの光ファイバケーブルから抗張力体のみを引き抜
    く場合に要する抗張力体の引き抜き力が500N以下で
    あることを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブ
    ル。
  3. 【請求項3】 1本以上の光ファイバ心線と抗張力体と
    が設けられ、これら光ファイバ心線と抗張力体とが被覆
    層によって被覆されて成る光ファイバケーブル本体部
    に、該本体部の長手方向に沿って光ファイバケーブル本
    体部を支持する吊り部が設けられている架空敷設タイプ
    の光ファイバケーブルと成していることを特徴とする請
    求項1又は請求項2記載の光ファイバケーブル。
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