JP2007011019A - 光ファイバケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】外層シースの引抜き力の調整を可能にして除去容易性を確保すると共に、内層シースの突き出しを抑制することができる光ファイバケーブルを提供する。
【解決手段】光ファイバ心線を内層シース3と外層4シースからなる外被で被覆した光ファイバケーブルであって、内層シース3と外層シース4との間に2枚以上の巻テープ5を配し、外層シース3と接する最上層の巻テープ5bとの摩擦係数が、内層シース3と接する最下層の巻テープ5a、並びに巻テープ5同士間の摩擦係数より大きくなるようにする。また、外層シース4の内面に蛇腹状に加工された金属保護層を有し、巻テープ5には、プラスチックフィルムとプラスチック繊維の不織布を貼り合わせたような異なる材質のものを貼り合わせたものを用いることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバ心線を内層シースと外層シースの少なくとも2層のシースからなる外被で被覆した光ファイバケーブルに関する。
光ファイバケーブルは、1本以上の光ファイバ心線を外被により保護する構成とされるが、外被は種々の目的で内層シースと外層シースの2層のシースとする場合がある。例えば、空気圧送用の光ファイバケーブルとして、内層シースを発泡層とし、外層シースを潤滑剤添加の充実層とし、軽量化と管路内での牽引時の摩擦軽減化を図ったものがある(例えば、特許文献1参照)。また、防鼠用の光ファイバケーブルとして、内層シースをカブサイシンのような防鼠剤を含有した防鼠層とし、外層シースを防鼠剤を含有しない外傷保護層とし、充分な防鼠効果を維持すると共に、ケーブル敷設時に防鼠剤の刺激により作業性が低下するのを防止したものもある(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−241689号公報 特開平10−223085号公報
2層シースからなる光ファイバケーブルで、ケーブル端末を形成するに際して、外層シースのみを剥ぎ取る場合がある。また、内部の光ファイバ心線を剥き出しにする場合も、外層シースを除去してから内層シースを切裂くほうが、光ファイバ心線を傷つけないようにすることができ、作業的にも容易である。外層シースの剥ぎ取りには、外層シースを輪切りにして筒状の形で引抜くことにより、比較的短時間で実施することができる。しかし、内層シースと外層シースの密着力が強いと、人の手では引抜くことが難しくなり、外層シースを刃物で軸方向に切裂く必要がある。この切裂きによる外層シースの剥ぎ取り作業は、時間を要するうえに内層シースを傷つけやすいという問題がある。
従来の2層シースを有する光ファイバケーブルは、外層シースのみを除去して使用することを想定していないため、一般的には内層シースと外層シースとの密着性がよく、外層シースの引抜き力は大きい。しかし、内層シースと外層シースとの密着性を弱くして外層シースの除去性をよくしようとすると、外層シースの押出し成型時の残留歪みの解放による経時的な収縮や低温時の収縮により、内層シースが突き出すというような問題が生じる。内層シースがクロージャ等の端末装置内で突き出すと、ケーブルの曲がりによるロス増やファイバ断線の原因となる場合がある。
光ファイバケーブルの外層シースは、通常、製造性の観点から内層シースの外周に押出し成型により形成される。この押出し成型で、内層シースと外層シースは、ほぼ円形断面であるため、両者の接触は円周全体でタイトに接触するか、或いはルースに接触する状態となる。内層シースと外層シースとの間の摩擦力を所定の値に設定するには、外層シースの締付け力を調整することになる。具体的には、外層シースの押出し成型の際に、樹脂材料の引き落とし率や樹脂圧力を調整する方法がとられる。しかし、ケーブル長手方向の全長に亘って均一な摩擦力とするには高度な調整が要求され、生産性が低下する等の問題がある。このため、外層シースの除去性向上と内層シースの突き出し抑制を両立させるのが難しかった。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、外層シースの引抜き力の調整を可能にして除去容易性を確保すると共に、内層シースの突き出しを抑制することができる光ファイバケーブルの提供を課題とする。
本発明による光ファイバケーブルは、光ファイバ心線を内層シースと外層シースからなる外被で被覆した光ファイバケーブルであって、内層シースと外層シースとの間に2枚以上の巻テープを配し、外層シースと接する最上層の巻テープとの摩擦係数が、内層シースと接する最下層の巻テープ、並びに巻テープ同士間の摩擦係数より大きくなるようにする。また、外層シースの内面に蛇腹状に加工された金属保護層を有し、巻テープには、プラスチックフィルムとプラスチック繊維の不織布を貼り合わせたような異なる材質のものを貼り合わせた巻テープを用いることができる。なお、外層シースを輪切りにして引抜くときの引抜き力が50N/50mm〜200N/50mmであることが望ましい。
本発明によれば、外層シースを輪切り状にして引抜く際に、外層シースと大きい摩擦力で接触している巻テープが、摩擦力が小さい巻テープ同士の間で滑って、外層シースと一緒に引抜き方向に動いて、外層シースを容易に引抜くことができる。また、外層シースが収縮しようとすると、外層シースと接触していない巻テープにシワを生じさせ、外層シースと大きい摩擦力で接触している巻テープとの間の摩擦力が増大するよう作用して、内層シースの突き出しを抑制することができる。
図1は、本発明の実施形態を説明する図で、図1(A)は丸型の光ファイバケーブル、図1(B)は自己支持型の光ファイバケーブルを示す図である。図中、1a,1bは光ファイバケーブル、2はケーブルコア、3は内層シース、4は外層シース、5は巻テープ、5aは最下層の巻テープ、5bは最上層の巻テープ、5cは中間層の巻テープ、6は支持線部、7は首部を示す。
図1(A)に示す丸型の光ファイバケーブル1aは、外形が丸型でケーブルコア2の外周を内層シース3と外層シース4の2層のシースで被覆し、内層シース3と外層シース4との間に2枚以上の巻テープ5を配して構成される。ケーブルコア2は、例えば、複数本の光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線を、緩衝材と共に内層シース3で被覆する形態であってもよく、溝付きスペーサの溝内に光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線を収納した形態であってもよい。
内層シース3及び外層シース4の樹脂材料としては、ポリエチレン、難燃ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂が用いられるが、本発明においては他の種々のシース材料を使用することができる。巻テープ5は、内層シース3に接する最下層の巻テープ5aと、外層シース4と接する最上層の巻テープ5bの少なくとも2枚の巻テープが配され、さらに、これらの間に中間層の巻テープ5cを配することができる。なお、「巻テープ」とは、横巻または縦添えで最外層の内層シース上に巻き付けられた状態をいう。この場合、外層シース4と最上層の巻テープ5bとの接触面における摩擦力は、最上層の巻テープ5bと最下層の巻テープ5a又は中間層の巻テープ5cとの間の摩擦力、並びに、内層シース3と最下層の巻テープ5aとの接触面における摩擦力より大きくなるように設定される。
また、図1(B)に示す支持線部6を有する自己支持型の光ファイバケーブル1bも、ケーブル本体部は図1(A)と同様に構成される。支持線部6は、高抗張力を有する撚鋼線6aを、首部7を介して外層シース4と一体に被覆してなり、端部分で首部7を引裂いてケーブル本体部と分離される。支持線部6から分離されたケーブル本体部は、図1(A)と同じ構成となり、クロージャ等に導入されて光ファイバ心線の分岐接続や引き落としが行なわれる。なお、支持線部6は、構造物等の把持具を用いて引止め固定される。
図2は、他の実施形態を説明する図で、鳥獣害対策や耐火用として、外層シースの内側に金属保護層を有する光ファイバケーブルの例を示すものである。図2(A)は丸型の光ファイバケーブルを示し、図2(B)は自己支持型の光ファイバケーブルを示し、図2(C)は光ファイバケーブルを部分的に破断した状態を示す図である。図中、8は金属保護層、9は抗張力体を示し、その他の符号は、図1で用いたのと同じ符号を用いることにより説明を省略する。
図2(A)の丸型の光ファイバケーブル1aは、ケーブルコア2の外周を内層シース3と、内面に金属保護層8を有する外層シース4の2層のシースで被覆し、内層シース3と金属保護層8との間に2枚以上の巻テープ5を配して構成される。なお、外層シース4と金属保護層8とは、機械的強度向上の点で互いに密着して接着一体化されているのが望ましい。ケーブルコア2は、図1の例と同様に、複数本の光ファイバ心線或いはテープ心線の形状で緩衝材と一体にした形態であってもよく、溝付きスペーサの溝内に光ファイバ心線或いはテープ心線の形状で収納した形態であってもよい。
内層シース3及び外層シース4の樹脂材料としては、ポリエチレン、難燃ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどを用いることができる。巻テープ5は、内層シース3に接する最下層の巻テープ5aと、金属保護層8と接する最上層の巻テープ5bの少なくとも2枚以上の巻テープが配される。この場合、金属保護層8と最上層の巻テープ5bとの接触面における摩擦力は、最上層の巻テープ5bと最下層の巻テープ5aとの間の摩擦力、並びに内層シース3と最下層の巻テープ5aとの接触面における摩擦力より大きくなるように設定される。なお、巻テープ5が3枚以上配される場合は、上記の最上層の巻テープ5bと最下層の巻テープ5a間の摩擦力は、最上層の巻テープ5bと中間層の巻テープ間の摩擦力とされる。
また、図2(B)に示す支持線部6を有する自己支持型の光ファイバケーブル1bも、ケーブル本体部は図2(A)と同様に構成される。支持線部6は、高抗張力を有する撚鋼線6aを首部7を介して外層シース4と一体に被覆してなり、ケーブル端部分で首部7を引裂いてケーブル本体部と分離される。なお、図2(B)では、内層シース3に抗張力体9を埋設した例で示したが、図1及び図2(A)の構成においても同様に適用することができる。
図2(C)は、図2(A)又は図2(B)の光ファイバケーブルの一部を破断して示すもので、金属保護層8を長手方向に波付けして蛇腹状にした例で示してある。この蛇腹状の金属保護層8は、ステンレス(SUS304、SUS430等)又は鉄のテープ材(両面に接着性樹脂を塗布)をパイプ状に成型しながら蛇腹状に加工して巻テープ5の外周を覆うようにして設けられる。このとき、蛇腹状の金属保護層8の内面側の頂部は、最上層の巻テープ5bに接着して大きな摩擦力が得られるようにする。蛇腹状の金属保護層8の外面には、外層シース4が押出し成型により形成され、接着一体化される。金属保護層8を蛇腹状とすることにより、光ファイバケーブルに可撓性をもたせることができ、敷設作業を容易にする。
図1及び図2の構成において、巻テープ5には、プラスチック材料からなる不織布やフィルム等を用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(ナイロン)、ポリプロピレン(PP)などが使用できる。これらの材質を最上層の巻テープ5bと最下層の巻テープ5aで異ならせることにより、外層シース4と最上層の巻テープ5bとの摩擦係数が、内層シース3と最下層の巻テープ5a、並びに巻テープ5同士の摩擦係数より大きくすることができる。
また、巻テープ5を、異なる材質のものを貼り合せて、巻テープ両面での表面状態を異ならせることにより、それぞれの摩擦係数の調整をしやすくすることができる。例えば、PETフィルムとPET繊維の不織布を貼り合わせると、両面での表面状態が異なり、摩擦係数を変えることができる。なお、最上層の巻テープ5bと外層シース4又は金属保護層8との摩擦係数が1.0以上であり、最下層の巻テープ5aと内層シース3との摩擦係数並びに巻テープ5同士の摩擦係数が0.05〜0.30の範囲にあると好適である。なお、巻テープ5の厚さについては、特に制限はないが、ケーブルの細径化や経済性の観点から0.5mm以下(1枚当たり)とするのが好ましい。
図3は、本発明による外層シースの引抜き時の動作状態を説明する図で、図3(A)は外層シースを輪切りにした状態を示す図、図3(B)は外層シースを引抜いた状態を示す図である。図中の符号は図1で用いたのと同じ符号を用いることにより説明を省略する。
図3(A)に示すように、外層シース4を光ファイバケーブルから引抜く場合、ケーブル端から所定の長さ位置(例えば、50mm程度)の所に、カッタ等で切込みを入れ輪切り状にする。カッタ刃による切込みは、外層シース4が完全に輪切り状態となるように最上層の巻テープ5bに達するまで入れる。次いで、図3(B)に示すように、外層シース4を矢印方向に引抜くと、外層シース4との摩擦力の大きい最上層の巻テープ5bは、摩擦力の小さい最下層の巻テープ5aに対して滑るように外層シース4と一体になって引抜かれる。
図4は、本発明による内層シースの突き出し抑制の動作状態を説明する図である。外層シース4が、押出し成型時の残留歪みの解放による経時的な収縮や低温時の収縮により、ケーブル端部から後退するように矢印方向に縮小しようとする。外層シース4と接し摩擦力が大きい最上層の巻テープ5bは、外層シース4と一体になって縮小後退しようとする。これに対し、最上層の巻テープ5bと接する最下層の巻テープ5aにも、最上層の巻テープ5bと共に縮小後退しようとする力は働くものの、その接触面の摩擦力が小さいため、完全には後退せずにシワが生じ、摩擦抵抗が上昇するようになる。
すなわち、このときに生じるシワによって、最下層の巻テープ5aと最上層の巻テープ5bとの間の摩擦力、並びに、最下層の巻テープ5aと内層シース3との間の摩擦力が上昇する。この結果、外層シース4の後退(=内層シース3の突き出し)が抑制される。また、この状態から、図3で説明したように外層シース4を輪切り状にして引抜くと、上記のシワが引伸ばされるため、最上層の巻テープ5bは、摩擦力の小さい最下層の巻テープ5aに対して滑りを生じ、外層シース4と一体になって引抜くことができる。
上述した構成で、外層シース4の引抜き力は、50N/50mm〜200N/50mmとなるように、それぞれの摩擦係数等が設定されているのが望ましい。金属保護層8を有する場合は、外層シース4と金属保護層8が一体となった状態での引抜き力である。引抜き力が50N/50mm未満では、上述した巻テープ5同士の摩擦力が小さく、内層シース3の突き出し抑制が難しく、また、引抜き力が200N/50mmを越えると、引抜きが難しくなり作業性が低下する。
次に本発明による光ファイバケーブルの評価結果について説明する。図5は、本発明の評価のために作製した自己支持型の光ファイバケーブルの概略を示す図、図6は巻テープの構成条件を変えて評価した結果を示す図である。図中、12はケーブルコア、13は内層シース、14は外層シース、15は巻テープ、16は支持線部、17は首部、18は金属保護層、19は抗張力体を示す。
評価用の光ファイバケーブルの共通の構成は、以下の通りとした。
(1)内外層のシース材料:直鎖状低密度ポリエチレン
(2)外層シース14 :直径=15mm
(3)金属保護層18 :外径=11mm,ステンレステープ(両面に接着樹脂を塗布)をパイプ状に成型して蛇腹状に加工
(4)巻テープ15 :金属保護層との間に1〜3枚を巻回
(5)内層シース13 :外径=9mm 内径=5mm
(6)抗張力体19 :内層シース内の対向位置に1mmφの鋼線を埋設
(7)支持線部16 :1.4mmφの鋼線7本を撚って埋設
(8)ケーブルコア12 :SMの光ファイバ心線24心を緩衝材と共に実装
上述の構成を共通として、図6(A)に示すように、巻テープ15の組合せを条件1〜条件6の如く異ならせた光ファイバケーブルを作製した。なお、巻テープ15は、内側の下層から外側の上層に向かって順に、1枚目、2枚目、3枚目とする。「PET(=ポリエチレンテレフタレート)テープ」は厚さ0.05mmのテープ、「PP(=ポリプロピレン)テープ」は厚さ0.1mmのテープ、「不織布」はPET繊維による厚さ0.2mmのテープである。「PETフィルム+不織布」は、貼り合わせ型の厚さ0.15mmのテープで、先に記した素材面を内側にして巻くものとする。
図6(B)は、図6(A)の条件1〜条件6で巻テープ15を組合せたときの摩擦係数を測定した結果である。内層シース13と接する1枚目の巻テープが、PET(条件1,2)又はPET+不織布(条件4,5,6)である場合は、内層シース13とPETとが接することとなり、その接触面おける摩擦係数が0.2であり、不織布(条件3)である場合は、摩擦係数が0.28であった。1枚目の巻テープと2枚目の巻テープの異なる組合せで、巻テープ間での摩擦係数は、PET同士(条件2)では0.15であり、不織布とPP(条件3)では0.07であり、不織布同士(条件4,5,6)では0.13であった。また、2枚目の巻テープと3枚目の巻テープの組合せにおける巻テープ間の摩擦係数は、不織布同士(条件5,6)で、前記の不織布同士の場合と同様に0.13であった。
そして、ステンレスの金属保護層18と接する最上層の巻テープとの組合せで、最上層となる巻テープがPET(条件1,2,4,5)の場合は、金属保護層18とPETとが接することとなり、その接触面における摩擦係数は1.6であり、金属保護層18とPP(条件3)の場合は、接触面おける摩擦係数は1.2であった。なお、条件6は条件5と同じ組合せであるが、最上層の3枚目の巻テープ上面に、摩擦力を下げるためにタルクを塗布したものである。このため、金属保護層18とPETとの接触面おける摩擦係数は0.04の低い数値となった。
上記の組合せで作製した光ファイバケーブルの外層シース(金属保護層を含む)の引抜き力と除去性について評価した結果を、図6(C)に示す。この結果、1枚だけの巻テープ(PETテープ)を配した条件1で作製された光ファイバケーブルでは、外層シースの引抜き力は、280N/50mmで、大きな引抜き力を要し、人手による引抜きは困難であった。また、シースの輪切り時に巻テープは切断された。2枚〜3枚の巻テープを配した条件2〜条件5で作製された光ファイバケーブルでは、外層シースの引抜き力は、70N/50mm〜110N/50mmで、巻テープ同士の間で滑りが生じ、容易に除去することができた。なお、最上層の巻テープ上面にタルクを塗布した条件6で作製された光ファイバケーブルは、引抜き力が40N/50mmで容易に除去することができたが、金属保護層と巻テープとの間で滑りが生じていた。
図6(D)は、温度特性について評価した結果を示す図で、損失変動と内層シースの突き出しについて試験した。内層シースの突き出しは、ケーブル長1000mで、−30℃〜+70℃のヒートサイクルを3サイクルかけ、ケーブル両端での突き出し量を合計した。この結果、条件1〜条件5で作製された光ファイバケーブルは、損失変動が0.05dB/km以下であり、内層シースの突き出し量も0.5mm以下で満足する特性を得ることができた。しかし、条件6で作製されたケーブルは、損失変動が0.1dB/km以上であり、内層シースの突き出し量も1.0mm以上で所望の特性を得ることができなかった。
本発明の実施形態を説明する図である。 本発明の他の実施形態を説明する図である。 本発明による外層シースの引抜き時の動作を説明する図である。 本発明による内層シースの突き出し抑制の動作を説明する図である。 本発明の評価のために試作した自己支持型の光ファイバケーブルの概略を示す図である。 ケーブルの巻テープの構成を変えて試験した評価結果を示す図である。
符号の説明
1a,1b…光ファイバケーブル、2,12…ケーブルコア、3,13…内層シース、4,14…外層シース、5,15…巻テープ、5a…最下層の巻テープ、5b…最上層の巻テープ、5c…中間層の巻テープ、6,16…支持線部、6a…撚鋼線、7,17…首部、8,18…金属保護層、9,19…抗張力体。

Claims (6)

  1. 光ファイバ心線を内層シースと外層シースからなる外被で被覆した光ファイバケーブルであって、
    前記内層シースと前記外層シースとの間に2枚以上の巻テープが配され、前記外層シースと接する最上層の巻テープとの摩擦係数が、前記内層シースと接する最下層の巻テープ、並びに、前記巻テープ同士間の摩擦係数より大きいことを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 前記外層シースの内面に密着する金属保護層を有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記金属保護層は、蛇腹状に加工されていることを特徴とする請求項2に記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記巻テープに、異なる材質のものを貼り合わせた巻テープが用いられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
  5. 前記異なる材質のものを貼り合わせた巻テープは、プラスチックフィルムとプラスチック繊維の不織布を貼り合わせたものであることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバケーブル。
  6. 前記外層シースを輪切りにして引抜くときの引抜き力が50N/50mm〜200N/50mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
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