JP7083691B2 - 光ファイバケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバケーブル関する。
山間や山林などに架設、敷設、あるいは埋設(以下、単に「設置」という)された光ファイバケーブルは、ネズミ、リス、キツツキなどの野生動物に噛まれることによって、ケーブル内部の光ファイバが損傷する場合がある。このような損傷を防止するために、光ファイバを鋼板で形成された補強シートで被覆し、これを保護することが考えられる。しかしながら、補強シートとして鋼板を用いると、光ファイバケーブルが重くなったり、光ファイバケーブルを捻回させたときに鋼板が金属疲労を起こしたりする。このため、鋼板を用いずに、シースを2重に形成してこのシース同士の間に補強層を設けることで、上記のような噛害を防ぐ構成が提案されている。
例えば下記特許文献1では、内側シースと外側シースとの間に補強層(外装20)を設けた光ファイバケーブルを開示している。この補強層は、ガラス繊維などに熱硬化性樹脂を含浸させ、この熱硬化性樹脂を硬化させることで形成している。
また、下記特許文献2では、光ファイバを有するコアの外側に保護層を設けた光ファイバケーブルを開示している。この保護層は、ケーブル表面を形成する外側シース(外層)と、外側シースの内側に設けられた内側シース(内層)と、これらシース同士の間に設けられた補強層と、を備えている。この補強層は、ガラスクロスからなるメッシュ材により形成されている。
特開平8-190036号公報 特開2012-181300号公報
ところで、このような光ファイバケーブルの設置作業等においては、外側シースを掴んで引っ張るような操作が行われる場合が多い。このような操作が行われると、外側シースに対して長手方向に強い張力が作用して、この外側シースが長手方向に伸びる。このとき、外側シースの長手方向の伸びに対して、内側シースの長手方向の伸びが小さいと、内側シースが外側シースの長手方向における内側に入り込んでしまう。このような現象が発生すると、外側シースに作用していた長手方向の張力が解放された際に、外側シース内で光ファイバなどが蛇行してしまい、光ファイバの伝送損失の増大につながる。
また、このような光ファイバケーブルでは、中間後分岐作業などの際に、内部から光ファイバを取り出す場合がある。このような中間後分岐作業などをより円滑に行うためには、補強層を除去する際の労力を低減する必要がある。
これらの課題に対して、上記特許文献1および特許文献2に記載の光ファイバケーブルの構成では、改善の余地があった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、噛害から光ファイバを保護しつつ、光ファイバを取り出しやすくした光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1態様に係る光ファイバケーブルは、複数本の光ファイバを有するコアと、外側シースと、前記コアと前記外側シースとの間に位置する補強層と、を備え、前記補強層は、互いに接着された複数の層要素を有し、前記複数の層要素はそれぞれ、並列された複数の繊維同士が接着剤で固定されたシート材によって形成されている。
上記第1態様に係る光ファイバケーブルによれば、補強層を構成する複数の層要素は、並列された複数の繊維同士が接着剤で固定されたシート材によって形成されているため、これらの繊維が延びる方向に沿って、各層要素を容易に引き裂くことができる。従って、中間後分岐作業などの際に、補強層を容易に除去して、光ファイバをケーブル内から取り出すことができる。その一方で、繊維が延びる方向に直交する方向に沿って引き裂こうとする外力に対して、各層要素は高い強度を有するため、補強層によって光ファイバを噛害から保護することができる。
また、補強層が複数の層要素を有する多重構造となっているため、動物によって最外に位置する層要素の同一の箇所が繰り返し噛まれて、当該最外の層要素がずれたとしても、光ファイバが露出してしまうのを内側の層要素によって抑えることができる。
本発明の第2態様に係る光ファイバケーブルの製造方法は、複数本の光ファイバをパイプ内に進入させる進入工程と、複数のシート材を前記パイプの周囲に巻き付けて補強層を形成する巻き付け工程と、前記複数本の光ファイバを、前記補強層に覆われた状態で、前記パイプから通過させる通過工程と、前記補強層を被覆するシースを形成する被覆工程と、を有する。
上記第2態様によれば、補強層と光ファイバとの間に内側シースが配置されていない光ファイバケーブルについても、安定して製造することが可能となる。
本発明の上記態様によれば、噛害から光ファイバを保護しつつ、光ファイバを取り出しやすくした光ファイバケーブルを提供することができる。
第1実施形態に係る光ファイバケーブルの横断面図である。 補強層を形成する方法の一例を説明する図である。 補強層を形成する方法の他の例を説明する図である。 第2実施形態に係る光ファイバケーブルの横断面図である。 第3実施形態に係る光ファイバケーブルの横断面図である。 第4実施形態に係る光ファイバケーブルの横断面図である。 第3、第4実施形態に係る光ファイバケーブルの製造方法を説明する図である。 比較例に係る光ファイバケーブルの横断面図である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る光ファイバケーブルの構成を、図1を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる各図では、各構成部材の形状を認識可能とするために縮尺を適宜変更している。
図1に示すように、本実施形態の光ファイバケーブル10Aは、複数本の光ファイバ1aを有するコア8と、コア8を内部に収容する内側シース3と、内側シース3の外側に設けられた外側シース5と、内側シース3と外側シース5との間に設けられた補強層4と、外側シース5に埋設された一対の線条体7および一対の抗張力体6と、を備える。
ここで本実施形態では、内側シース3および外側シース5は、共通の中心軸線Oを有する筒状に形成されている。
本実施形態では、中心軸線Oに沿う方向を長手方向といい、長手方向に直交する断面を横断面という。また、横断面視において、中心軸線Oに直交する方向を径方向といい、中心軸線O周りに周回する方向を周方向という。また、光ファイバケーブル10A若しくはその構成部材を、径方向外側から見た場合を側面視という。
コア8は、複数の光ファイバ1aをそれぞれ有する複数の光ファイバユニット1と、これらの光ファイバユニット1を包む押さえ巻き2と、を備えている。複数の光ファイバユニット1は、SZ状若しくは螺旋状に撚り合わされた状態で、押さえ巻き2によって包まれている。なお、コア8は1つの光ファイバユニット1を押さえ巻き2で包むことで構成されていてもよい。
押さえ巻き2としては、不織布やポリエステルテープなどを用いることができる。また、押さえ巻き2として、不織布やポリエステルテープなどに吸水性を付与した、吸水テープを用いてもよい。この場合、光ファイバケーブル10Aの防水性能を高めることができる。なお、コア8は押さえ巻き2を備えていなくてもよい。
光ファイバ1aとしては、光ファイバ心線や光ファイバ素線などを用いることができる。光ファイバユニット1は、複数の光ファイバ1aと、これらの光ファイバ1aを束ねる結束材1bと、を備えている。光ファイバユニット1は、いわゆる間欠固定テープ心線であってもよい。光ファイバユニット1が間欠固定テープ心線である場合、複数の光ファイバ1aは、その延在方向に対して直交する方向に引っ張ると、網目状(蜘蛛の巣状)に広がるように互いに接着されている。詳しくは、ある一つの光ファイバ1aが、その両隣の光ファイバ1aに対して長手方向で異なる位置においてそれぞれ接着されており、かつ、隣接する光ファイバ1a同士は、長手方向で一定の間隔をあけて互いに接着されている。
なお、コア8に含まれる光ファイバユニット1の態様は間欠固定テープ心線に限られず、適宜変更してもよい。
また、複数の光ファイバ1aが、結束材1bによって束ねられておらず、そのまま押さえ巻き2によって包まれていてもよい。
内側シース3は、コア8と補強層4との間に位置している。内側シース3の材質としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンプロピレン共重合体(EP)などのポリオレフィン(PO)樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)などを用いることができる。
線条体7は、外側シース5を引き裂くためのリップコードとして用いられる。線条体7としては、PPやナイロン製の円柱状ロッドなどを用いることができる。一対の線条体7は、コア8を径方向で挟んで配設されている。なお、内側シース3に埋設される線条体7の数は、1または3以上であってもよい。
抗張力体6の材質としては、例えば金属線(鋼線など)、抗張力繊維(アラミド繊維など)、およびFRPなどを用いることができる。
一対の抗張力体6は、コア8を径方向で挟んで配設されている。一対の抗張力体6がコア8を挟む方向と、一対の線条体7がコア8を挟む方向と、は互いに略直交している。
なお、外側シース5に埋設される抗張力体6の数は、1または3以上であってもよい。
外側シース5は、コア8、内側シース3、および補強層4を被覆している。外側シース5の材質としては、PE、PP、EEA、EVA、EPなどのPO樹脂、あるいはPVCなどを用いることができる。
外側シース5の外周面には、長手方向に沿って延びる一対の突起5aが形成されている。各突起5aは、外側シース5の外周面のうち、一対の線条体7がその径方向内側に位置する部分にそれぞれ配設されている。なお、突起5aは外側シース5に切り込みを入れる際の位置合わせに使用するものであるため、他の形態を採用してもよい。例えば、外側シース5の外周面から径方向内側に向かって窪む凹部や、塗料によるマーキングなどであってもよい。
なお、外側シース5を形成する材料に、カプサイシンなどを含ませてもよい。この場合、例えばネズミなどの動物が外側シース5を噛むのを防止することができる。
補強層4は、螺旋状に巻かれて筒状となった第1層要素4aと、第1層要素4aに径方向外側から巻き付けられて筒状となった第2層要素4bと、を有している。本実施形態では、第1層要素4aが内側シース3に巻き付けられている。これら第1層要素4aおよび第2層要素4bは、並列された複数の繊維同士が接着剤で固定されたシート材によって形成されている。第1層要素4aおよび第2層要素4bは、互いに接着されている。
第1層要素4aおよび第2層要素4bとなるシート材に用いられる繊維としては、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、金属繊維(例えば鉄繊維、ステンレス鋼繊維)などを用いることができる。
なお、第1層要素4aおよび第2層要素4bには、互いに異なる種類の繊維が含まれていてもよい。例えば、第1層要素4aとなるシート材にガラス繊維が含まれ、第2層要素4bとなるシート材にアラミド繊維が含まれていてもよい。この場合、第1層要素4aおよび第2層要素4bに同一の種類の繊維を用いた場合と比較して、以下に示すような各繊維の利点を活かしつつ、各繊維の欠点を補える場合がある。
例えば炭素繊維は、引張に対する強度が高いため、第1層要素4aまたは第2層要素4bを抗張力体(テンションメンバ)として用いる場合に好適である。その一方で、単価が高く、導電性を有するため、補強層4を接地するための構成が要求される場合がある。
ガラス繊維は、絶縁性を有するため、接地するための構成が要求されない。また、アラミド繊維に比べて単価が安い。その一方で、他の材料(繊維)と比較すると引張に対する強度が低い。
アラミド繊維は、絶縁性を有するため、接地するための構成が要求されない。また、ガラス繊維と比較して引張に対する強度が高い。その一方で、例えば低温環境下で外側シース5や内側シース3が収縮しようとしたときに、その収縮変形を抑制する能力が比較的低く、光ファイバ1aに影響が及びやすい。また、ガラス繊維と比較して単価が高い。
金属繊維は、引張に対する強度が高い。また、外側シース5や内側シース3の収縮変形を抑制する能力が高く、光ファイバ1aに影響が及びにくい。その一方で、導電性を有するため、補強層4を接地するための構成が要求される場合がある。
第1層要素4aおよび第2層要素4bとなるシート材に用いられる接着剤としては、外側シース5を押出成形する際の押出温度よりも低い融点を有する接着剤を用いることができる。この場合、外側シース5を押出成形する際に、シート材に含まれる接着剤が溶融し、内側シース3と第1層要素4a、第1層要素4aと第2層要素4b、および第2層要素4bと外側シース5が、互いに融着する。これにより、補強層4が内側シース3と外側シース5とを互いに接着し、内側シース3と外側シース5とが一体化される。なお、このように融着する場合に限らず、補強層4は、内側シース3と外側シース5とを粘着などによって互いに接着してもよい。
補強層4を形成する場合は、図2(a)、(b)に示すように、内側シース3の周囲に隙間なく第1層要素4aとなるシート材を巻き付ける。なお、図2(a)~(c)に示す矢印F1は、第1層要素4aとなるシート材に含まれる繊維が延びる方向(以下、繊維方向F1という)を示す。同様に、矢印F2は、第2層要素4bとなるシート材に含まれる繊維が延びる方向(以下、繊維方向F2という)を示す。
次に、図2(b)、(c)に示すように、第1層要素4aに対して、その径方向外側から、第2層要素4bとなるシート材を巻き付ける。第2層要素4bを巻き付ける方向は、第1層要素4aを巻き付ける方向と同様とする。このとき、図2(c)に示すように、内側シース3の表面で隣り合う、筒状となった第1層要素4a同士の境界線を、第2層要素4bで覆うように巻き付けるとよい。これにより、内側シース3の表面で隣り合う第1層要素4a同士の間に隙間が生じた場合であっても、この隙間を第2層要素4bで覆うことができる。
図2(a)~(c)に示す方法によって補強層4を形成した場合には、側面視において、第1層要素4aの繊維方向F1と、第2層要素4bの繊維方向F2と、が互いに平行となる。
なお、図3(a)~(c)に示すように、第2層要素4bを巻き付ける際の巻き付け方向を、第1層要素4aを巻き付ける際の巻き付け方向と逆方向にしてもよい。補強層4を図3(a)~(c)に示す方法によって形成した場合には、側面視において、第1層要素4aの繊維方向F1と、第2層要素4bの繊維方向F2と、が互いに交差する。
以上説明したように、本実施形態の光ファイバケーブル10Aによれば、外側シース5に対して長手方向の強い張力が作用したとしても、補強層4が内側シース3と外側シース5とを互いに接着しているため、外側シース5とともに内側シース3が長手方向に伸びる。これにより、内側シース3が長手方向において外側シース5の内側に入り込んでしまうのを抑止することができる。
また、外側シース5を切り開くために、例えば電工ナイフなどの工具を用いたとしても、この工具の先端がコア8に向けて進行するのを、補強層4によって止めることができる。従って、工具によって光ファイバ1aなどが傷ついてしまうのを抑えることができる。さらに、補強層4は、互いに接着された複数の層要素4a、4bを有しており、複数の層要素4a、4bはそれぞれ、並列された複数の繊維同士が接着剤で固定されたシート材によって形成されているため、繊維方向F1、F2に沿って、容易に引き裂くことができる。従って、中間後分岐作業などの際に、補強層4を容易に引き裂いて、光ファイバ1aを光ファイバケーブル10A内から取り出すことができる。その一方で、繊維方向F1、F2に直交する方向に沿って引き裂こうとする外力に対して、第1層要素4aおよび第2層要素4bは高い強度を有するため、補強層4によって光ファイバ1aを噛害から保護することができる。
また、補強層4が第1層要素4aおよび第2層要素4bの2層構造(多重構造)となっているため、動物によって最外に位置する第2層要素4bの同一の箇所が繰り返し噛まれて、第2層要素4bがずれたとしても、内側シース3が露出してしまうのを第1層要素4aによって抑えることができる。
ここで、上記のように第2層要素4bの同一の箇所が繰り返し噛まれてずれる場合、第2層要素4bは繊維方向F2に直交する方向にずれやすい。従って、図3(c)に示すように、側面視において第1層要素4aの繊維方向F1と第2層要素4bの繊維方向F2とを互いに交差させることで、第2層要素4bとともに第1層要素4aがずれにくくなり、噛害によって内側シース3が露出してしまうのをより確実に抑止することができる。
また、第1層要素4aは内側シース3に巻き付けられ、第2層要素4bはさらにその径方向外側から巻き付けられている。この構成により、第1層要素4aを内側シース3に巻き付けた際に、仮に内側シース3の表面上で隣り合う第1層要素4a同士の間に隙間が生じたとしても、この隙間を第2層要素4bによって覆うことができる。
また、第1層要素4a若しくは第2層要素4bとなるシート材に、吸水パウダーを塗布してもよい。この場合、補強層4の表面に塗布された吸水パウダーによって、光ファイバケーブル10Aの防水性能を高めることができる。
また、ガラス繊維などの非導電性繊維で上記シート材(補強層4)を形成した場合には、補強層4を接地するための構成を設けなくても、補強層4の内部に電流が流れることが抑えられる。これにより、光ファイバケーブル10Aの内部または外部に、電磁場による影響が及ぼされることを抑止できる。
また、第1層要素4aおよび第2層要素4bには、互いに異なる種類の繊維が含まれていてもよい。この場合、第1層要素4aおよび第2層要素4bに共通の種類の繊維を用いた場合と比較して、各繊維の利点を活かしつつ各繊維の欠点を補える可能性がある。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図1に示すように、第1実施形態の光ファイバケーブル10Aは、一対の抗張力体6を有していた。ところで、このような抗張力体6として、例えば鋼線のような剛性の大きい材質を用いた場合には、光ファイバケーブルの可撓性が小さくなる。特に、コア8を挟むように一対の抗張力体6を設けた場合には、横断面視において各抗張力体6が並ぶ方向で光ファイバケーブルが撓みにくくなり、光ファイバケーブルを束ねたり巻いたりする作業がしにくくなる。
一方、第1層要素4aおよび第2層要素4bとして用いられるシート材には、複数のガラス繊維などが含まれているため、このシート材は繊維方向F1、F2において高い引張強度を有している。また、側面視において、長手方向と、各層要素4a、4bの繊維方向F1、F2と、がなす角度が充分に小さい場合には、長手方向における補強層4の引張強度も充分に強くなる。
そこで本実施形態の光ファイバケーブル10Bは、図4に示すように、抗張力体6(図1参照)を有しておらず、光ファイバ1aに作用する張力は、補強層4が受けるように構成されている。このように、補強層4をテンションメンバとして用いることで、抗張力体を設けた場合と比較して、光ファイバケーブルの可撓性を高めることができるとともに、光ファイバケーブルの重量や製造コストを低減することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図5に示すように、本実施形態の光ファイバケーブル10Cは、内側シースを有さず、コア8と外側シース5とを補強層4によって接着している。補強層4による補強が充分である場合には、本実施形態のように内側シースを省略することも可能である。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態について説明するが、第3実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図6に示すように、本実施形態の光ファイバケーブル10Dでは、外側シース5に抗張力体6が埋設されていない。補強層4による補強が充分であり、さらに補強層4によって光ファイバ1aに作用する張力を充分に受けることができる場合には、本実施形態のように内側シースおよび抗張力体の両者を省略することも可能である。
なお、第1実施形態~第4実施形態のいずれの構成を選択するかについては、その光ファイバケーブルに作用する張力や外力などに応じて決定するとよい。
(光ファイバケーブルの製造方法)
第3、第4実施形態に係る光ファイバケーブルは、例えば図7に示すような製造方法によって製造することができる。
まず、図7(a)に示すように、複数本の光ファイバ1aを筒状のパイプP内に進入させる(進入工程)。パイプPとしては、補強層4および外側シース5よりも高い融点を有する、耐熱性の高い材質を好適に用いることができる。パイプPの形状は、円筒状、角筒状、楕円筒状などであってもよい。パイプPに進入させる光ファイバ1aは、結束材1bによって束ねられた状態であってもよいし、押さえ巻き2によって包まれた状態であってもよい。つまり、進入工程では、光ファイバユニット1またはコア8の状態となった複数本の光ファイバ1aをパイプP内に進入させてもよい。
次に、図7(b)に示すように、パイプPの周囲に補強層4となる複数のシート材を密に巻き付ける(巻き付け工程)。これにより、パイプPと同様の形状を有する、筒状の補強層4が形成される。このとき、図2(a)~(c)に示すように、第1層要素4aに含まれる繊維が延びる方向と第2層要素4bに含まれる繊維が延びる方向とが、互いに平行になるように、複数のシート材を巻き付けてもよい。あるいは、図3(a)~(c)に示すように、第1層要素4aに含まれる繊維が延びる方向と第2層要素4bに含まれる繊維が延びる方向とが交わるように、複数のシート材を巻き付けてもよい。
次に、複数本の光ファイバ1aを、補強層4に覆われた状態で、パイプPから通過させる(通過工程)。このとき、光ファイバ1aがパイプPを通過する速度(線速)に合わせて、補強層4をパイプPの外周面上で移動させる。これにより、図7(c)に示すような状態となる。
次に、必要に応じて、補強層4を加熱する(加熱工程)。これにより、補強層4の表面が溶融して、例えば押さえ巻き2と補強層4とを接着することができる。加熱工程では、上記通過工程の後で、補強層4が巻き付けられた状態の光ファイバ1aが、炉などの加熱装置を通過するようにしてもよい。
次に、図7(d)に示すように、補強層4を被覆するシース(外側シース5)を形成する(被覆工程)。これにより、光ファイバケーブル10C、10Dが得られる。
なお、外側シース5の押出成形時の温度が、補強層4の融点よりも高い場合、外側シース5の熱を用いて補強層4を加熱および溶融させることができる。この場合、加熱工程と被覆工程とを同時に行うことができる。
上記した製造方法によれば、補強層4と光ファイバ1aとの間に内側シース3が配置されていない光ファイバケーブル10C、10Dについても、安定して製造することが可能となる。
なお、光ファイバケーブル10C、10Dの製造方法は上記に限定されない。例えば、パイプPを用いずに、コア8の周囲に補強層4となるシート材を直接巻き付けてもよい。
以下、具体的な実施例を用いて、上記実施形態を説明する。なお、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
(実施例1)
本実施例では、図1に示す第1実施形態と同様の構成の光ファイバケーブル10Aを試作した。コア8として、6つの12心の間欠固定テープ心線を押さえ巻き2で巻いた72心のコアを用いた。第1層要素4aおよび第2層要素4bとなるシート材に含まれる繊維として、ガラス繊維を採用した。また、図2(c)に示すように、側面視において、第1層要素4aの繊維方向F1と第2層要素4bの繊維方向F2とが互いに平行となるように補強層4を形成した。また、第1層要素4aおよび第2層要素4bとして用いるシート材の厚さは0.25mmとし、幅は2.1mmとした。すなわち、補強層4の厚みは0.5mmとした。
(実施例2)
本実施例では、図3(c)に示すように、側面視において、第1層要素4aの繊維方向F1と第2層要素4bの繊維方向F2とが互いに交差するように補強層4を形成した。その他の点を除き、実施例1と同様の条件とした。
(比較例1)
比較例1として、図8に示すような構成の光ファイバケーブル10Eを試作した。光ファイバケーブル10Eは、補強層4を有していない点を除き、実施例1と同様の条件とした。
(比較例2)
比較例2として、第2層要素4bを有さず、第1層要素4aのみを補強層4として有する光ファイバケーブルを試作した。第2層要素4bを有していない点を除き、実施例1と同様の条件とした。すなわち、補強層4の厚みは0.25mmとした。
上記の各光ファイバケーブルを、ネズミを飼育したゲージ内に7日間放置し、光ファイバの損傷の有無を確認した結果を下記表1に示す。
Figure 0007083691000001
表1に示すように、比較例1および比較例2の光ファイバケーブルでは、光ファイバに損傷が確認された。一方、実施例1および実施例2の光ファイバケーブルでは、光ファイバに損傷が確認されなかった。
以上のことから、補強層4を第1層要素4aと第2層要素4bとの2層構造にすることの効果が確認された。また、第1層要素4aおよび第2層要素4bとして用いるシート材の厚みが、0.25mm以上であることが好ましいことが確認された。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記第1~第4実施形態では、補強層4が第1層要素4aおよび第2層要素4bを有する2層構造となっていたが、第2層要素4bの径方向外側に、さらに層が設けられていても良い。すなわち、補強層4は、3層以上で構成されていてもよい。
また、補強層4が3つ以上の層要素を有する場合、少なくとも2つの層要素に、互いに異なる種類の繊維が含まれていてもよい。
また、前記第1実施形態~第4実施形態の光ファイバケーブルは、外側シース5を引き裂くための線条体7を有していたが、このような線条体7を有さない構成を採用してもよい。特に、先述の通り外側シース5を工具で切開した際に、補強層4によって工具の先端を充分に止められる場合には、線条体7を用いず、工具によって外側シース5を必要な長さの分だけ引き裂くことができる。これにより、光ファイバ1aを取り出す作業をより容易にすることが可能となる。
また、前記第1実施形態若しくは前記第3実施形態の光ファイバケーブルでは、一対の抗張力体6が外側シース5に埋設されていたが、一対の抗張力体6が内側シース3に埋設された構成を採用してもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…光ファイバユニット 1a…光ファイバ 2…押さえ巻き 3…内側シース 4…補強層 4a…第1層要素 4b…第2層要素 6…抗張力体 8…コア 10A~10D…光ファイバケーブル F1、F2…繊維方向 O…中心軸線 P…パイプ

Claims (13)

  1. 複数本の光ファイバを有するコアと、
    外側シースと、
    前記コアと前記外側シースとの間に位置する補強層と、を備え、
    前記補強層は、互いに接着された複数の層要素を有し、
    前記複数の層要素はそれぞれ、並列された複数の繊維同士が接着剤で固定されたシート材によって形成されている、光ファイバケーブル。
  2. 前記複数の層要素には、第1層要素および第2層要素が含まれ、
    前記第1層要素および前記第2層要素には、互いに異なる種類の繊維が含まれている、請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記補強層は、第1層要素および第2層要素を有する2層構造である、請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記コアと前記補強層との間に位置する内側シースをさらに備え、
    前記補強層は、前記内側シースと前記外側シースとを互いに接着する、請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
  5. 前記コアは、前記複数本の光ファイバを包む押さえ巻きを有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
  6. 前記押さえ巻きは、吸水性を有する吸水テープである、請求項5に記載の光ファイバケーブル。
  7. 前記コアを挟んで配置された少なくとも一対の抗張力体が、前記コアと前記補強層との間に位置する内側シース若しくは前記外側シースに埋設されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
  8. 前記複数の層要素には、第1層要素および第2層要素が含まれ、
    側面視において、前記第1層要素に含まれる繊維が延びる方向と、前記第2層要素に含まれる繊維が延びる方向と、が互いに平行である、請求項1から7のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
  9. 前記複数の層要素には、螺旋状に巻かれて筒状となった第1層要素と、前記第1層要素に径方向外側から巻き付けられた第2層要素と、が含まれ、
    前記第2層要素が、前記筒状となった前記第1層要素同士の境界を覆っている、請求項8に記載の光ファイバケーブル。
  10. 前記複数の層要素には、第1層要素および第2層要素が含まれ、
    側面視において、前記第1層要素に含まれる繊維が延びる方向と、前記第2層要素に含まれる繊維が延びる方向と、が互いに交差している、請求項1から7のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
  11. 前記補強層の表面には、吸水パウダーが塗布されている、請求項1から10のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
  12. 前記層要素は、前記シート材が隙間なく巻き付けられて構成されている、請求項1から11のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
  13. 前記繊維が延びる方向は、前記シート材の長さ方向に沿う方向である、請求項1から12のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
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