JP3676029B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異種の半導体基板にそれぞれ成長させた半導体層を直接接着法により互いに接着して形成される半導体レーザ装置に係り、特に接着界面での界面準位の発生を防いだ構造の半導体レーザ装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
長波長帯の半導体レーザ装置は、例えば異種の半導体基板にそれぞれ成長させた半導体層を直接接着法により互いに接着して形成され、活性層よりもバンドギャップが大きく、且つ該活性層とは格子定数が異なるクラッド層をp側に備えた構造を有する。
【0003】
この種の半導体レーザ装置は、図1にその概略的な製作工程とその素子構造を模式的に示すように、先ず図1(a)に示すようにn-InP基板1上に有機金属気相成長法(MOCVD法)によりn-InPクラッド層2、発振波長1.3μmのGRIN-SCH-MQW(多重量子井戸)活性層3、そしてInP層4を順に成長させる。一方、図1(b)に示すようにGaAs基板5上に同様にしてMOCVD法によりInGaPエッチング停止層6、p-GaAsコンタクト層7、p-InGaPクラッド層8を順に成長させる。
【0004】
しかる後、上記各半導体層をそれぞれ成長させたエピタキシャル基板を、例えば[3:1:1]に混合されたH2SO4,H22,H2O、およびフッ酸により処理する。そしてこれらの各基板をそれぞれ乾燥させた後、図1(c)に示すように前記InP層4と前記p-InGaPクラッド層8とを、その劈開面を揃えて室温大気中にて張り合わせる。次いで上記の如く張り合わせた2枚の基板上に、例えば約30g/cm2程度のモリブデン(Mo)からなる重りを載せ、水素雰囲気中にて500℃程度の温度で30分間の熱処理を施して前記InP層4とp-InGaPクラッド層8とを直接接着する。
【0005】
その後、図1(d)に示すように前記p-GaAs基板5をアンモニア系のエッチング液を用いて除去する。この際、前記InGaPエッチング停止層6は上記アンモニア系のエッチング液ではエッチングされないため、前記p-GaAs基板5のエッチングはInGaPエッチング停止層6の表面にて自動的に停止する。そこで次に塩酸(HCl)を用いて前記InGaPエッチング停止層6をエッチング除去する。このとき前記p-GaAsコンタクト層7は上記塩酸ではエッチングされないため、上記InGaPエッチング停止層6のエッチングはp-GaAsコンタクト層7の表面にて自動的に停止する。
【0006】
しかる後、幅5μm程度のSiNx膜(図示せず)をマスクとして用い、硫酸系エッチング液と塩酸系のエッチング液とを用いて、図1(e)に示すようにp-GaAsコンタクト層7とp-InGaPクラッド層8の途中までをエッチングする。そしてこのエッチングによりストライプ状の逆メサを、例えばメサ底部の幅が約3μm程度となるように形成する。その後、その全面にSiNx膜9を形成した後、メサの上部のSiNx膜9を開口して電流通路を形成する。そして前記n-InP基板1の裏面側を研磨してその厚みを100μm程度とした後、p側電極10とn側電極11とをそれぞれ形成する。
【0007】
かくして上述した如く異種の半導体基板にそれぞれ成長させた半導体層を直接接着法により接着して製作され、図1(e)に示す如き素子構造を有する半導体レーザ装置によれば、MQW活性層3に比較して、p-InGaPクラッド層8のバンドギャップが十分に大きく、価電子帯と伝導帯とのバンドオフセットを(1:2)と仮定した場合においても。導電帯のバンドギャップ差ΔEcが300meV以上大きく、しかもこのクラッド層8をp側に有するので、電子のオーバーフローを効果的に抑制することができる。この結果、長波長帯の半導体レーザ装置において問題となっている温度特性の劣化を防ぎ、温度特性の向上を図ることが可能となる。
【0008】
また上述した如くワイドバンドのギャップを持つクラッド層8を、その基板であるn-InP基板1とは異種のp-GaAs基板5上に形成し、これをn-InP基板1上に成長させた半導体層に直接接着しているので、格子定数が大きく異なる半導体材料を適宜用いて半導体レーザ装置を実現することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで格子定数の異なる半導体材料を接合した場合、その接合界面には、所謂ダングリングボンドが発生し易い。このダングリングボンドの密度は面方位によって異なるが、例えばその接合界面が(100)面同士である場合、その格子定数がa1,a2(a1<a2)で与えられるとき
4[(a22−a12)/a22a12
として求めることができる。ちなみにダイヤモンド結晶構造では、ダングリングボンドの密度(表面準位密度)が1013cm-2以上である場合、接合面でのフェルミ準位は、その禁制帯幅(バンドギャップ)の約1/3の点でクランプされる。また半導体におけるヘテロ接合の場合にも、空乏層が形成される。
【0010】
前述した図1に示す素子構造の半導体レーザ装置にあっては、その接着界面が前述したようにInP層4と、p-GaAs基板5に格子整合したp-InGaPクラッド層8とによって形成される。従ってGaAsの格子定数a1は5.6532Åであり、InPの格子定数a2が5.8687Åであるので、当該接着界面でのダングリングボンドの密度は、約9×1013cm-2となる。これ故、その接着界面における界面準位の影響によってキャリアの非発光再結合が誘起されることが否めず、特性の劣化が懸念される。
【0011】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、異種の半導体基板にそれぞれ成長させた半導体層を直接接着法により互いに接着して形成される半導体レーザ装置において、特にその接着界面における界面準位の発生を防ぎ、界面準位の影響による特性の劣化をなくした構造の半導体レーザ装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するべく本発明に係る半導体レーザ装置は、異種の半導体基板にそれぞれ成長させた半導体層を直接接着法により互いに接着して形成された素子構造を有し、特に一方の半導体基板に成長させた活性層と、他方の半導体基板に成長させた半導体層であって前記活性層よりもバンドギャップが大きく、且つ前記活性層とは格子定数が異なるp側クラッド層を前記活性層に直接接着した半導体レーザ装置に係り、
直接接着される前記p側クラッド層と前記活性層との間に、その接着界面における互いの格子定数を一致、または接近させる接着層を設けたことを特徴としている。
【0013】
特に前記接着層を、異種の半導体基板にそれぞれ成長されて直接接着される半導体層の一方に、またはその双方にそれぞれ形成するようにし、また前記接着層をIn1-xGaxP層(但し、xは0.5以下)として、或いはInGaAsP層として実現することを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る半導体レーザ装置について説明する。
図2は本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の概略的な製作工程とその素子構造を模式的に示している。この半導体レーザ装置は、先ず図2(a)に示すように、n-InP基板21上にMOCVD法によりn-InPクラッド層22、発振波長1.3μmのGRIN-SCH-MQW(多重量子井戸)活性層23、そしてIn0.7Ga0.3P接着層24を順次成長させる。一方、図2(b)に示すようにGaAs基板25上に、同様にしてMOCVD法によりIn0.5Ga0.5Pエッチング停止層26、p-GaAsコンタクト層27、p-In0.5Ga0.5Pクラッド層28、更にIn0.7Ga0.3P接着層29を順に成長させる。
【0015】
しかる後、上記各半導体層をそれぞれ成長させたエピタキシャル基板を、例えば[3:1:1]に混合された[H2SO4,H22,H2O]、およびフッ酸により処理する。そしてこれらの各基板をそれぞれ乾燥させた後、図2(c)に示すように前記n-InP基板21上のIn0.7Ga0.3P接着層24と、前記GaAs基板25上のIn0.7Ga0.3P接着層29とを、その劈開面を揃えて室温大気中にて張り合わせる。次いで上記の如く張り合わせた2枚の基板上に、例えば約30g/cm2程度のモリブデン(Mo)からなる重りを載せ、水素雰囲気中にて500℃程度の温度で30分間の熱処理を施して前記両In0.7Ga0.3P接着層24,29を互いに直接接着する。
【0016】
その後、図2(d)に示すように前記GaAs基板25をアンモニア系のエッチング液を用いて除去する。この際、前記InGaPエッチング停止層26は上記アンモニア系のエッチング液でエッチングされることがないので、前記p-GaAs基板25のエッチングはIn0.5Ga0.5Pエッチング停止層26の表面にて自動的に停止する。そこで次に塩酸(HCl)を用いて前記In0.5Ga0.5Pエッチング停止層26をエッチング除去する。このとき前記p-GaAsコンタクト層27は上記塩酸ではエッチングされないため、上記In0.5Ga0.5Pエッチング停止層26のエッチングはp-GaAsコンタクト層27の表面にて自動的に停止する。
【0017】
しかる後、幅5μm程度のSiNx膜(図示せず)をマスクとして用い、硫酸系エッチング液と塩酸系のエッチング液とを用いて、図2(e)に示すようにp-GaAsコンタクト層27とp-In0.5Ga0.5Pクラッド層28の途中までをエッチングし、ストライプ状の逆メサを、例えばメサ底部の幅が約3μm程度となるように形成する。その後、その全面にSiNx膜30を形成した後、メサの上部の上記SiNx膜30を開口して電流通路を形成する。そして前記n-InP基板21の裏面側を研磨してその厚みを100μm程度とした後、p側電極31とn側電極32とをそれぞれ蒸着形成する。
【0018】
かくしてこのようにして製作される半導体レーザ装置によれば、直接接着されて接合界面をなす半導体層が、前記n-InP基板21上のIn0.7Ga0.3P接着層24と、前記p-GaAs基板25上のIn0.7Ga0.3P接着層29であり、その格子定数が同じである。従って従来のように格子定数の差に起因して発生するダングリングボンドの密度は、実質的に無視できる程度まで小さくなり、その接着界面での界面準位に起因する悪影響が発生しなくなる。具体的にはキャリアの非発光再結合の発生を防ぐことが可能となる。
【0019】
また上述した素子構造であれば、図1に示した従来構造の半導体レーザ装置と同様にバンドギャップの大きいクラッド層をp側に備えるので、電子のオーバーフローを抑制することができ、長波長帯の半導体レーザ装置で問題となっていた温度特性の劣化を効果的に防ぐことができる。つまり温度特性に優れた半導体レーザ装置を効果的に実現することができる。
【0020】
尚、上述した実施形態においては、InxGa1-xP接着層24,29における組成比xを(0.3)としたが、実際的には組成比xを(0.5)以下に設定すれば良い。即ち、接着層24,29の格子定数が必ずしも一致していなくても、その間の格子定数が接近していれば、その接着界面に生じるダングリングボンドの密度を十分に小さくすることができるので、接着界面での界面準位に起因する悪影響を十分に抑え得る。
【0021】
但し、例えばMQW活性層23やp-In0.5Ga0.5Pクラッド層28等との格子定数の差が大きい場合には、InxGa1-xP接着層24,29の結晶成長自体が困難となるので、例えば上記組成比xを(0.2〜0.3)程度に設定した接着層を、その双方に設けることが好ましい。またこの接着層24,29における組成比xを、その厚み方向に徐々に変えることも好ましい。
【0022】
ところで上述した第1の実施形態に係る半導体レーザ装置は、GaAs基板25をエッチング除去し、最終的にはInP基板21上にエピタキシャル層を形成した構造として実現されが、逆にInP基板を除去してGaAs基板上にエピタキシャル層を形成して半導体レーザ装置を実現することもできる。
図3は本発明に係る第2の実施形態を示すもので、InP基板を除去してGaAs基板上に半導体レーザ装置を実現する例を示している。この場合には、先ず図3(a)に示すように、n-InP基板41上にMOCVD法によりn-InGaAsコンタクト層42、n-InPクラッド層43、発振波長1.3μmのGRIN-SCC-MQW(多重量子井戸)活性層44、そしてIn0.7Ga0.3P接着層45を順次成長させる。一方、図3(b)に示すようにp-GaAs基板46上に、同様にしてMOCVD法によりp-In0.5Ga0.5Pクラッド層47、In0.7Ga0.3P接着層48を順に成長させる。
【0023】
しかる後、上記各半導体層をそれぞれ成長させたエピタキシャル基板を前述した第1の実施形態と同様にして処理し、図3(c)に示すように前記p-GaAs基板46上のIn0.7Ga0.3P接着層48と前記n-InP基板41上のIn0.7Ga0.3P接着層45とをその劈開面を揃えて室温大気中にて張り合わせ、荷重を加えた状態で水素雰囲気中にて加熱処理を施すことで、前記両In0.7Ga0.3P接着層48,45を互いに直接接着する。
【0024】
その後、n-InP基板41を塩素系のエッチング液で除去する。このとき前記n-InGaAsコンタクト層42は上記塩酸ではエッチングされないため、上記n-InP基板41のエッチングは上記p-InGaAsコンタクト層42の表面にて自動的に停止する。
しかる後、先の第1の実施形態と同様にして、例えば図3(d)に示すようにn-InGaAsコンタクト層42とn-InPクラッド層43の途中までをエッチングし、リッジ型構造に加工する。その後、その全面にSiNx膜49を形成した後、リッジ上部の上記SiNx膜49を開口して電流通路を形成する。そして前記p-GaAs基板46の裏面側を研磨してその厚みを100μm程度とした後、p側電極51とn側電極50とをそれぞれ形成する。
【0025】
このようにしてp-GaAs基板46上に形成される素子構造の半導体レーザ装置であれば、前述した第1の実施形態に係る半導体レーザ装置と同様な効果が奏せられる。しかも最終的にはn-InP基板41をエッチング除去し、GaAs基板46上に素子が形成されることになるので、GaAs基板上に形成される他の電子デバイスとの同時集積化が容易になる等の効果が奏せられる。
【0026】
ところで本発明は、面発光型の半導体レーザ装置にも適用することができる。図4および図5はその実施形態を示すもので、活性層の両側に格子定数の異なる半導体層を接合形成した例を示している。
即ち、この面発光型の半導体レーザ装置は、先ず図4(a)に示すようにGaAs基板61上にMOCVD法を用いてIn0.5Ga0.5Pエッチング停止層62、p-GaAs/Al(Ga)As-DBRミラー層63、In0.7Ga0.3P接着層64を順に成長させる。一方、n-InP基板65上には、図4(b)に示すようにInGaAsエッチング停止層66、In0.7Ga0.3P接着層67、量子井戸活性層68、更にIn0.7Ga0.3P接着層69を順次成長させる。これに加えて更に第3の基板として、図4(c)に示すようにn-GaAs基板70上に、同様にしてMOCVD法によりn-GaAs/Al(Ga)As-DBRミラー層71、In0.7Ga0.3P接着層72を順に成長させる。
【0027】
しかる後、これらの各半導体層をそれぞれ成長させたエピタキシャル基板を、例えば[3:1:1]に混合された[H2SO4,H22,H2O]、およびフッ酸により処理する。そして先ず、図4(d)に示すようにp-GaAs/Al(Ga)As-DBRミラー層63を有するGaAs基板61のIn0.7Ga0.3P接着層64と、前記n-InP基板65のIn0.7Ga0.3P接着層69とを直接接着法により接着する。そして塩素系のエッチング液を用いてn-InP基板65をエッチング除去し、更に硫酸系エッチング液を用いて前記InGaAsエッチング停止層66をエッチング除去する。
【0028】
次いで図5(a)に示すように上記n-InP基板65とInGaAsエッチング停止層66とを除去することで露出したIn0.7Ga0.3P接着層67と、前記n-GaAs基板70上のIn0.7Ga0.3P接着層72とを、先と同様にして直接接着する。そして前記GaAs基板61とIn0.5Ga0.5Pエッチング停止層62とを順にエッチング除去する。
【0029】
しかる後、図5(b)に示すようにp-GaAs/Al(Ga)As-DBRミラー層63を、例えばSiNx膜(図示せず)をマスクとして用いてドライエッチングし、該p-GaAs/Al(Ga)As-DBRミラー層63を円柱状のメサに加工する。そしてこのp-GaAs/Al(Ga)As-DBRミラー層63の、特にAl(Ga)As層の側面を酸化し、メサに電流および光の閉じ込め機能を持たせる。そして前記n-GaAs基板70の裏面を研磨した後、前記p-GaAs/Al(Ga)As-DBRミラー層63の上面にp側電極73を蒸着形成し、更にn-GaAs基板70の裏面にn側電極74を円環状に蒸着形成する。
【0030】
このように量子井戸層68の両側にGaAs/Al(Ga)AsからなるDBRミラー層63,71を接着した素子構造の半導体レーザ装置によれば、ミラー部における損失が少なく、熱放散性も良いので、長波長帯の面発光型レーザとして優れた効果を発揮する。しかも室温環境での動作特性に優れている等の効果が奏せられる。更には接着界面が2箇所も存在するにも拘わらず、接着界面での界面準位の影響がないので、その特性の向上を図ることが可能となる。
【0031】
尚、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。例えば長波長帯の半導体レーザ装置に限らず、他の波長帯の半導体レーザ装置にも同様に適用することができる。また活性層の構造としても、上述した例に限られるものではない。更には接着層としてInGaAsPを用いることも可能であり、要は接着界面をなす接着層の格子定数が一致、若しくは接近しており、ダングリングボンドによる界面準位の影響が生じないようにすれば良い。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、異種の半導体基板にそれぞれ成長させた半導体層を直接接着法により互いに接着して形成される半導体レーザ装置において、直接接着される半導体層間に、その接着界面における互いの格子定数を一致または接近させる接着層を設けているので、格子定数の異なり起因するダングリングボンドの密度を無視できる程度に小さくすることができ、接着界面での界面準位の影響を抑えてキャリアの非発光再結合を防ぐことができる。特に活性層よりもバンドギャップが大きく、且つ活性層とは格子定数が異なるクラッド層をp側に備えた半導体レーザ装置にあっては、電子のオーバーフローを抑制し、その温度特性の向上を図ることができる等の効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】直接接着法を用いて製作される従来の半導体レーザ装置の素子構造とその製作工程とを模式的に示す図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の素子構造とその製作工程とを模式的に示す図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の素子構造とその製作工程とを模式的に示す図。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置の製作工程の一部を模式的に示す図。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置の図4に示す製作工程に続く工程と、その素子構造とを模式的に示す図。
【符号の説明】
21 n-InP基板
22 n-InPクラッド層
23 GRIN-SCH-MQW(多重量子井戸)活性層
24 In0.7Ga0.3P接着層
25 GaAs基板
26 In0.5Ga0.5Pエッチング停止層
27 p-GaAsコンタクト層
28 p-In0.5Ga0.5Pクラッド層
29 In0.7Ga0.3P接着層29
30 SiNx
31 p側電極
32 n側電極
41 n-InP基板
42 n-InGaAsコンタクト層
43 n-InPクラッド層
44 GRIN-SCC-MQW(多重量子井戸)活性層
45 In0.7Ga0.3P接着層
46 GaAs基板46
47 p-In0.5Ga0.5Pクラッド層
48 In0.7Ga0.3P接着層
49 SiNx
50 n側電極
51 p側電極
61 GaAs基板
62 In0.5Ga0.5Pエッチング停止層
63 p-GaAs/Al(Ga)As-DBRミラー層
64 In0.7Ga0.3P接着層
65 n-InP基板
66 In0.5Ga0.5Pエッチング停止層
67 In0.7Ga0.3P接着層
68 量子井戸活性層
69 In0.7Ga0.3P接着層
70 n-GaAs基板
71 n-GaAs/Al(Ga)As-DBRミラー層
72 In0.7Ga0.3P接着層
73 p側電極
74 n側電極

Claims (4)

  1. 異種の半導体基板にそれぞれ成長させた半導体層を直接接着法により互いに接着して形成された素子構造を有し、一方の半導体基板に成長させた活性層と、他方の半導体基板に成長させた半導体層であって前記活性層よりもバンドギャップが大きく、且つ前記活性層とは格子定数が異なるp側クラッド層とを直接接着した半導体レーザ装置であって、
    前記直接接着される前記p側クラッド層と前記活性層との間に、その接着界面の格子定数を一致、または接近させる接着層を設けたことを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 前記接着層は、異種の半導体基板にそれぞれ成長されて直接接着される半導体層の一方、または双方に形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記接着層は、In1-xGaxP層(但し、xは0.5以下)からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記接着層は、InGaAsP層からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
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