JP3675513B2 - 溶接方法および溶接設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、鉄骨柱などの被溶接物の継手を溶接するための溶接設備および溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図14に示すように、角柱状の被溶接物の継手部どうしを溶接して鉄骨柱90を製作する場合は、予め被溶接物91の側面端部どうしを拘束治具(以下、エレクションピースという)92で保持した状態で、溶接トーチで溶接するようにしている。
【0003】
また、建設現場で鉄骨柱90を製作する場合、必要な精度を得るために被溶接物91の対面を同時に溶接する対面溶接を行っている。この場合、被溶接物91の所定位置にレールを取付け、このレールに溶接トーチを案内させて自動走行させることにより被溶接物91の継手部を連続的に溶接するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、被溶接物91の側面どうしをエレクションピース92で保持して被溶接物91の継手部どうしを溶接トーチで連続的に溶接する場合、被溶接物91の側面にエレクションピース92を取付けているため、これを取外さなければ、継手部を連続的に溶接することができず、溶接作業に手間がかかるといった課題がある。
【0005】
また継手部を溶接する際、被溶接物91にレールを取付けるのは手間がかかる作業であり、特に、継手部の位置が被溶接物91の設置面から高く(例えば1m以上)なると、いっそう作業性が悪くなる。
【0006】
また、被溶接物91の一方向を対面溶接した後は、別の対面を溶接する必要があるが、この場合、溶接トーチを別の対面側に取付けたレールに設置し直さなければならないといった手間がある。
【0007】
さらに被溶接物91のコーナー部分は、対面溶接とは別個に行わなければならず、作業能率の低下をきたしている。
そこで本発明は、上記課題を解決し得る溶接方法および溶接設備の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明における課題を解決するための手段は、角柱状の被溶接物の継手部どうしを突き合わせ、継手部を閉鎖しないように被溶接物の角部どうしに、継手部を避ける開口を有した拘束治具を差渡して仮に保持する第一工程と、この第一工程に続いて、溶接トーチを継手部に対して接近離間させる接近離間装置で溶接トーチを継手部に接近させるとともに、被溶接物の側面および角部に沿ったレール体に走行体を介して溶接トーチを走行させながら溶接トーチで継手部どうしを溶接し、溶接トーチが継手部の角部に到ったときに、溶接トーチを拘束治具の継手部側開口の一方から角部に接近させて溶接し、続いて溶接トーチを拘束治具から回避させて角部に沿って走行させた後、拘束治具の開口の他方から角部に溶接トーチを接近させることにより被溶接物の継手部どうしを溶接する第二工程とからなる。
【0009】
また、角柱状の被溶接物の継手部どうしを突き合わせてその角部どうしを、継手部を避ける開口を有した拘束治具で仮に保持した状態で溶接するための溶接設備であって、被溶接物の側面および角部に沿った水平面内にレール体が設けられ、該レール体に沿って走行自在な走行体が設けられ、該走行体に、被溶接物の継手部どうしを溶接するための溶接トーチが、これを継手部に対して接近離間させるための接近離間装置を介して取付けられたものである。
【0010】
【作用】
上記課題解決手段において、被溶接物の継手部どうしを突き合わせ、継手部をできるだけ閉鎖しないように被溶接物の角部どうしに、継手部を避ける開口を有した拘束治具を差渡して被溶接物どうしを仮に保持して第一工程を終了し、続いて、溶接トーチを継手部に対して接近離間させる接近離間装置で溶接トーチを継手部に接近させるとともに、被溶接物の側面および角部に沿ったレール体に走行体を介して溶接トーチを走行させながら溶接トーチで継手部どうしを溶接し、溶接トーチが継手部の角部に到ったときに、溶接トーチを拘束治具の継手部側開口の一方から角部に接近させて溶接し、続いて溶接トーチを拘束治具から回避させて角部に沿って走行させた後、拘束治具の開口の他方から角部に溶接トーチを接近させることにより被溶接物の継手部どうしを溶接する第二工程を終了する。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の溶接設備および溶接方法の実施例を、図1〜図13に基づいて説明する。
【0012】
本発明の実施例に係る溶接設備は、例えば建設現場において、角柱状の被溶接物(以下、鉄骨柱という)1A,1Bの継手部1aどうしを突き合わせて、継手部1aを避けて形成した開口60aを有するエレクションピース60により、両鉄骨柱1A,1Bどうしを仮に保持した状態で、両鉄骨柱1A,1Bの継手部1aどうしを溶接するものである。
【0013】
この溶接設備において、図1の平面図および図2の正面図に示すように、前記エレクションピース60は、一方の鉄骨柱(既設の鉄骨柱)1A側の下部エレクションピース70Aと、他方の鉄骨柱(新設の建込み柱)1B側の上部エレクションピース70Bとからなり、両エレクションピース70A,70Bは、その側面にボルト70Dを介して取付けたスプライスプレート70Cによって互いに固定されるものである。
【0014】
図3の全体正面図、図4の断面図および図7の平面図に示すように、鉄骨柱1Aの外側近傍に設置台2が設けられ、該設置台2上の取付け支柱3に、前記鉄骨柱1Aの側面および角部に沿った水平面内に板状のレール体5が取付け部材4を介して設置され、該レール体5の上下端部は面取りされてハ字形の案内面5aが形成され、該レール体5の側部に、水平面内に配置されたラック6が取付けられている。
【0015】
このレール体5の案内面5aに当接して転動する上下の案内ローラー7を介してレール体5に沿って走行自在な走行体8が設けられ、図4および図5の断面図に示すように、案内ローラー7は、前記走行体8の前後部に左右一対で支持部材9を介して斜軸10に回転自在に支持されている。
【0016】
前記走行体8の上面には、載置部材11を介して旋回台12が取付けられ、該旋回台12は、前記載置部材11の下面凹部15上から上方に向けて貫通した旋回軸13を介して旋回可能に支持され、前記旋回台12上に両鉄骨柱1A,1Bの継手部1aを溶接するための溶接トーチ22が、後述の近接離間装置24を介して取付けられている。
【0017】
前記旋回軸13の旋回中心13aは、前記左右の案内ローラー7間の中心を通る鉛直線上に配置され、前記旋回軸13の下部には、前記下面凹部15の底面に当接する大径頭部16が形成されている。
【0018】
また、前記旋回台12を旋回軸13回りに旋回するための旋回手段17が設けられ、該旋回手段17は、前記旋回軸13の上部に取付けられるとともに、旋回台12に形成した取付け孔18に内嵌された旋回円板19と、前記旋回円板19の上方で旋回台12に取付け板20を介して取付けられるとともに出力軸が前記旋回円板19に連結された旋回用モーター21とから構成されている。
【0019】
そして旋回用モーター21を駆動すると、旋回用モーター21自身および旋回円板19が旋回して、これに取付けられている旋回台12が旋回軸13回りに旋回する。
【0020】
図3および図6の断面図に示すように、前記旋回台12の上端部にブラケット25が立設され、該ブラケット25に前記近接離間装置24が支持され、溶接トーチ22は近接離間装置24の上端部に把持部材23を介して取付けられている。
【0021】
この接近離間装置24は、前記旋回手段17と、前記ブラケット25の上向き突片25a上に摺動自在に支持された第一アーム体26と、該第一アーム体26の上部に、第一アーム体26に沿って配置された第二アーム体27と、前記第一アーム体26を前記ブラケット25に対して回動自在に支持する第一回動手段28と、前記第二アーム体27を第一アーム体26に対して回動自在に支持する第二回動手段29とから構成されている。
【0022】
前記第一回動手段28は、第一アーム体26の途中に水平方向に取付けられた第一回動用モーター30と、該第一回動用モーター30の下方で第一アーム体26の途中に水平方向に配置された第一減速機31と、前記第一回動用モーター30のモーター軸30aおよび第一減速機31の減速軸32の一端部どうしを連結するベルト33とから構成されている。
【0023】
前記第二回動手段29は、前記第一回動用モーター30の上方で第一アーム体26に水平方向に取付けられた第二回動用モーター34と、該第二回動用モーター34の上方で第一アーム体26に水平方向に取付けられた第二減速機35と、前記第二回動用モーター34のモーター軸34aおよび第二減速機35の減速軸36の一端部どうしを連結するベルト37とから構成されている。
【0024】
そして前記第一減速機31の減速軸32の他端部は、前記ブラケット25の立設支持部25bに貫通支持され、前記第二減速機35の減速軸36の他端部は前記第二アーム体27の下部に貫通支持され、前記第一回動用モーター30を駆動することにより、この駆動力が第一減速機31に伝達されて第一減速機31自身が回転し、第一アーム体26が第一減速機31の減速軸32回りに回動する。
【0025】
また第二回動用モーター34を駆動すると、この駆動力が第二減速機35に伝達されて第二減速機35自身が回転し、第二アーム体27が第二減速機35の減速軸36回りに回動する。
【0026】
また、前記第二アーム体27の上端部に形成された取付け片27aに、前記把持部材23を鉛直面内で回動させるための把持部材回動用モーター38が取付けられ、該把持部材回動用モーター38のモーター軸38aに軸受け39を介して前記把持部材23が取付けられている。
【0027】
そして溶接トーチ22の継手部1aへの接近離間は、旋回用モーター21、第一回動用モーター30、第二回動用モーター34、把持部材回動用モーター38を必要に応じて駆動することによって行う。
【0028】
なお前記第一アーム体26の下部には、図4に示すように、前記旋回台12の上向き突片25aに当接して第一アーム体26の回動範囲を規制する一対のストッパー40が設けられている。
【0029】
前記走行体8に案内手段51を介して、前記レール体5に対して直角な方向の水平面内で移動自在な板状の移動部材50が設けられ、該移動部材50に、前記走行体8をレール体5に沿って走行させるための走行装置45が設けられている。
【0030】
該走行装置45は、前記ラック6に噛合して転動するととに鉛直方向の回転軸49が移動部材50の下面に取付けられたピニオン46と、該ピニオン46に噛合してこれを回転させるための駆動ピニオン47を有するとともに取付け部材52を介して前記移動部材50に取付けられた走行用モーター48とから構成されている。
【0031】
前記案内手段51は、前記移動部材50の一側上面に形成されて前記走行体8の上部台8Aの下面に形成された案内部材54に摺動する摺動片53と、前記移動部材50の他側端部下面に支持部材55を介して斜軸56を中心に回転自在に支持されるとともに、前後の案内ローラー7間に配置されてレール体5の案内面5aに当接転動する位置保持ローラー(位置保持部材の一例)57とから構成され、前記走行体8の走行時に、前記位置保持ローラー57が常にレール体5の案内面5aに当接して案内されることにより、移動部材50が水平方向に追従して移動し、ピニオン46を常にラック6に噛合させるよう構成されている。
【0032】
なお、図中の61は走行体8と同期して走行して溶接トーチ22に溶接ワイヤー62を供給するためのワイヤー供給装置である。
次に、このように構成した溶接設備を用いて両鉄骨柱1A,1Bの継手部1aどうしを溶接する溶接方法を説明すると、これは、両鉄骨柱1A,1Bの継手部1aどうしを突き合わせ、継手部1aをできるだけ閉鎖しないためにその角部どうしにエレクションピース60を溶接し両鉄骨柱1A,1Bどうしを仮に保持する第一工程と、この第一工程に続いて、エレクションピース60を取外すことなく溶接トーチ22で継手部1aどうしを溶接する第二工程とからなるものである。
【0033】
詳述すると、まず図1および図2に示すように、両鉄骨柱1A,1Bの継手部1aどうしを突き合わせ、継手部1aをできるだけ閉鎖しないように、各エレクションピース70A,70Bを両鉄骨柱1A,1Bの継手部1aの角部どうしに溶接し、スプライスプレート70Cでエレクションピース70A,70Bどうしを固定することにより両鉄骨柱1A,1Bどうしを仮に保持し、第一工程を終了する。
【0034】
そして図7に示すように、一方の鉄骨柱1Aの周囲にレール体5を設置し、レール体5に走行体8を取付け、走行用モーター48を駆動すると、この走行用モーター48の駆動力が駆動ピニオン47を介してピニオン46に伝達されて回転し、案内ローラー7がレール体5の案内面5aに案内され、走行体8が鉄骨柱1Aの側部に沿って走行する。
【0035】
また一方で、溶接トーチ22においては、第一回動用モーター30、第二回動用モーター34および把持部材回動用モーター38を随時駆動させることにより、第一アーム体26、第二アーム体27および把持部材23を鉛直面内で回動させて溶接トーチ22を両鉄骨柱1A,1Bの継手部1aに近付け、走行体8を両鉄骨柱1A,1Bの側部に沿って複数回往復動させ、両鉄骨柱1A,1Bの継手部1aに対して対面溶接を行う。
【0036】
ところで、走行体8が両鉄骨柱1A,1Bの直線部分から角部に到った場合、図8〜図10の使用状態図に示すように、接近離間装置24を必要に応じて駆動して、エレクションピース60を両鉄骨柱1A,1Bから取外すことなく、溶接トーチ22をエレクションピース60の開口60aの一方から角部に接近させて角部の溶接を行う。
【0037】
その後、再び接近離間装置24を必要に応じて駆動して、図9の仮想線で示すように、溶接トーチ22を角部から遠のけ、続いて走行用モーター48を駆動して走行体8を角部に沿って走行させる。
【0038】
ところで、ラック6は鉄骨柱1Aの角部に沿って円弧状になっているので、この角部のラック6は、両案内ローラー7間を結ぶ直線に対してずれた位置にあり、この両案内ローラー7間を結ぶ直線に対してずれた位置にあるラック6に対してもピニオン46を噛合させる必要がある。
【0039】
そしてピニオン46は、レール体5に沿って案内される位置保持ローラー57に移動部材50を介して取付けられているので、走行体8が鉄骨柱1Aの直線部分から角部に到った場合には、移動部材50が図4中の仮想線で示す位置まで移動して移動部材50とレール体5との距離が一定に保持され、この移動部材50の移動に伴って、ピニオン46は両案内ローラー7間を結ぶ直線に対して所定の距離Dだけ水平方向に移動し、ラック6とピニオン46との距離が常に一定に保持されてラック6にピニオン46が噛合する。
【0040】
従って、走行体8が鉄骨柱1Aの直線部分から角部に到った場合であっても、ピニオン46がラック6に圧接して走行体8が走行不可能な状態となるのを防止でき、走行体8をレール体5に沿って円滑に走行させることができ、接近離間装置24の駆動によって、溶接トーチ22は継手部1aから離間してエレクションピース60を回避しているので、溶接トーチ22がエレクションピース60に当たることはない。
【0041】
なお走行体8が鉄骨柱1Aの角部に到った場合、溶接トーチ22においては、旋回用モーター21を駆動することにより必要なだけ旋回台12を旋回軸13回りに旋回させることにより、溶接トーチ22の先端部が常に両鉄骨柱1A,1Bの角部に対して法線方向を向くようにして溶接するのが望ましい。
【0042】
また走行体8がレール体5に沿ってさらに走行して、鉄骨柱1Aの角部から直線部分に戻る場合は、ピニオン46はレール体5に沿って案内される位置保持ローラー57に移動部材50を介して取付けられているので、移動部材50が元の位置(前後の案内ローラー7間を結ぶ直線上)に戻り、ラック6がピニオン46に対して離反することなく、ラック6とピニオン46との距離が常に一定に保持されてラック6にピニオン46が噛合しながら走行体8が移動する。
【0043】
そして走行体8が角部から直線部分に戻った直後、エレクションピース60を両鉄骨柱1A,1Bに取付けた状態で、接近離間装置24、把持部材回動用モーター38を駆動して、溶接トーチ22を継手部1aに近付けてエレクションピース60の開口60aの他方から角部を溶接する。
【0044】
続いて接近離間装置24を駆動して溶接トーチ22をエレクションピース60から回避し、上記とは逆方向から同様の手順で角部の溶接を行うといった動作を複数回繰り返して角部の溶接を終了し、走行用モーター48を駆動して走行体8をレール体5に沿って走行させることにより、両鉄骨柱1A,1Bの他方向を対面溶接して第二工程を終了し、このようにして溶接作業が終了した後、エレクションピース60を両鉄骨柱1A,1Bから取外す。
【0045】
このように、本発明の実施例によれば、鉄骨柱1Aの側部および角部に沿ってレール体5を配置するとともにこのレール体5にラック6を設け、ラック6に噛合して回転するピニオン46を水平方向に移動させるとにより、両鉄骨柱1A,1Bの角部においてもピニオン46はラック6に常に噛合して、溶接トーチ22を有する走行体8をレール体5に沿って円滑に走行させることができる。
【0046】
また、走行体8が両鉄骨柱1A,1Bの角部に沿って走行できるとともに、接近離間装置24を駆動して、溶接トーチ22を継手部1aから離間することで両鉄骨柱1A,1Bの角部どうしに差渡したエレクションピース60を回避できるので、一方向の対面溶接が終了した後に走行体8をレール体5から取外す必要がないとともにエレクションピース60を取外す必要がなく、ほぼ連続して他方向の対面溶接を行うことができ、作業能率を向上させることができる。
【0047】
そして、走行体8をレール体5から取外す必要がないとともにエレクションピース60を取外す必要がないことから、両鉄骨柱1A,1Bの溶接作業の際に、作業者に対する依存度を軽減させるとができ、走行体8をレール体5から取外すことなく対面溶接を行うことにより、溶接の品質を向上させるとともに安定させることができる。
【0048】
さらに、溶接トーチ22を取付けた旋回台12の旋回中心軸13aが、走行体8の前後部に配置されてその上下部で保持する案内ローラー7の中心を通る鉛直線上に配置されているため、両鉄骨柱1A,1Bの角部の溶接に際し、溶接トーチ22の先端部を両鉄骨柱1A,1Bの角部に対して所定の溶接位置を保ちつつ、容易に法線方向を向くように制御することができる。
【0049】
なお上記実施例においては、走行体8を案内ローラー7を介してレール体5に取付け、この案内ローラー7によって走行体8を案内し、案内ローラー7間に配置した位置保持用ローラー57に移動部材50を取付けたが、これに限定されるものではなく、例えば、案内ローラー7および位置保持用ローラー57の代わりに、レール体5の案内面5aを摺動する摺動部材を走行体8に取付け、この摺動部材をレール体5の案内面5aに摺動させて、走行体8をレール体5に沿って走行させるようにしてもよく、この場合も上記実施例と同様の作用効果を奏し得る。
【0050】
また上記実施例では、両鉄骨柱1A,1Bを仮に保持するエレクションピース60においては、両鉄骨柱1A,1Bのそれぞれに、下部エレクションピース70Aと上部エレクションピース70Bを溶接し、両エレクションピース70A,70Bを、プライスプレート70Cによって固定したがこれに限定されるものではなく、図11〜図13のに示すようにして両鉄骨柱1A,1Bに設けてもよい。
【0051】
すなわち、図11の断面図に示すように、エレクションピース60を、一方の鉄骨柱1Aに予め溶接した下部エレクションピース70Aと、他方の鉄骨柱1Bに取付ける上部エレクションピース70Bとからなし、下部エレクションピース70Aに対して、図12の平面図および図13の断面図に示すように、二枚の側板を互いに連結して形成した接続治具71の側板下部を、横方向ルーズホール72およびピン73を介して接続する。
【0052】
この状態で、下部エレクションピース70Aの上面に、下部楔状台座74、上部楔状台座75およびこの上部楔状台座75の上面に形成した半円弧状突部を嵌合する半円弧状凹部を下面に形成したピース受け76をこの順序で載置する。
【0053】
次に、上部エレクションピース70Bを前記接続治具71の上端に形成した上方に開いたガイド部77に沿って落とし込み、ピース受け76に載置し、鉄骨柱1Bを接続治具71の側板上部に縦方向ルーズホール78およびピン79を介して接続する。
【0054】
そして鉄骨柱1Aと接続治具71を締結するために接続治具71に螺合したガタ取りボルト80を用い、上部エレクションピース70Bに対するあそび具合を確認しながら締め付けを行う。
【0055】
さらに両鉄骨柱1A,1Bの目違いを調節するために、接続治具71に螺合した水平位置調節ボルト81をねじ込むことにより、上部エレクションピース70Bを下部エレクションピース70Aに固定された接続治具71に対して相対的に水平方向に移動することによって鉄骨柱1Bの水平位置調節を行い、水平位置調節ボルト81を軽く締め付けておく。
【0056】
次に、接続治具71に螺合しその先端を下部楔状台座74の一端面に対接したレベル上げボルト82を、接続治具71に相対的に進退することにより、鉄骨柱1Bの四隅の高さを微調節し、鉄骨柱全体の鉛直性の確保を行う。
【0057】
この場合、両楔状台座74,75がその傾斜部分を対向させて重なっており、レベル上げボルト82で下部楔状台座74が押されることにより、上部楔状台座75およびピース受け76を介して上部エレクションピース70Bに揚力が伝達され、鉄骨柱1Bの建入れ調節が可能になる。この際、上部楔状台座75およびピース受け76間で半円弧状の支圧部分が形成され、ピース受け76はたえず上部エレクションピース70Bの下端に対して均等な状態で揚力を与えることができる。
【0058】
また下部楔状台座74のの他面側には、接続治具71に螺合したレベル下げボルト83の先端を対接し、鉄骨柱1Bを上げ過ぎた場合には、レベル下げボルト83を押し込むことによって所定高さまで戻すことができる。
【0059】
以上の操作を両鉄骨柱1A,1Bの四隅部において行うことにより、鉛直度調節を完了するので、この時点で上部エレクションピース70Bに対するガタ取りボルト84,85および水平位置調節ボルト81を締め付けて、再度他方の鉄骨柱1Bの建入れ精度を確認し、所定の許容範囲内であれば作業を完了する。
【0060】
上記のようにして両鉄骨柱1A,1Bを組立てることにより、無騒音で、正確な建入れ調節ができる。
【0061】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、本発明は、被溶接物の継手部どうしを突き合わせ、継手部をできるだけ閉鎖しないように被溶接物の角部どうしに、継手部を避ける開口を有した拘束治具を差渡して被溶接物を保持して第一工程とし、溶接トーチが角部に到ると拘束治具の開口の一方から角部を溶接し、接近離間装置を駆動して、溶接トーチを継手部に対して離間させることにより、溶接トーチを拘束治具から回避させた状態で、溶接トーチを取付けた走行体を被溶接物の角部に沿って走行させ、次に拘束治具の開口の他方から角部に溶接トーチを接近させて角部を溶接するようにして、被溶接物の継手部を溶接する第二工程よりなるので、従来、被溶接物の側面どうしに差渡して拘束治具を取付けていたことにより、継手部の側面を連続して溶接するためには、拘束治具を取外さなければならなかったのに対し、被溶接物の角部どうしにし差渡して拘束治具を取付けることにより、拘束治具を取外さなくても継手部の側面を連続して溶接することができるとともに、角部においても、拘束治具の開口を通して溶接することにより拘束治具を取外すことなく溶接でき、もって溶接作業の際の作業者への負担を軽減させるとができ、かつ作業能率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る鉄骨柱をエレクションピースで仮に保持した状態の平面図である。
【図2】同じく鉄骨柱をエレクションピースで仮に保持した状態の正面図である。
【図3】同じく溶接設備の一部拡大正面図である。
【図4】同じく走行装置部分の拡大断面図である。
【図5】同じく走行体部分の拡大断面図である。
【図6】同じく近接離間装置の拡大断面図である。
【図7】同じく溶接設備の全体構成を示す概略平面図である。
【図8】同じく使用状態を示す全体概略側面図である。
【図9】同じく溶接トーチの動きを示す概略図である。
【図10】同じく角部での溶接トーチの動きを示す平面図である。
【図11】他の実施例を示すエレクションピースの取付け構造を示す正面断面図である。
【図12】同じく平面図である。
【図13】同じく側面断面図である。
【図14】従来技術におけるエレクションピースの取付け位置を示す平面図である。
【符号の説明】
1A 鉄骨柱
1B 鉄骨柱
1a 継手部
5 レール体
5a 案内面
6 ラック
7 案内ローラー
8 走行体
12 旋回台
13 旋回軸
17 旋回手段
21 旋回用モーター
22 溶接トーチ
24 接近離間装置
26 第一アーム体
27 第二アーム体
28 第一回動手段
29 第二回動手段
45 走行装置
46 ピニオン
47 駆動ピニオン
48 走行用モーター
50 移動部材
51 案内手段
57 位置保持ローラー
60 エレクションピース

Claims (3)

  1. 角柱状の被溶接物の継手部どうしを突き合わせ、継手部を閉鎖しないようにその角部どうしに拘束治具を差渡して接合することにより被溶接物どうしを仮に保持する第一工程と、この第一工程に続いて、拘束治具を取外すことなく溶接トーチで継手部どうしを溶接する第二工程とからなることを特徴とする溶接方法。
  2. 角柱状の被溶接物の継手部どうしを突き合わせ、その角部どうしに継手部を避ける開口を有した拘束治具を差渡して被溶接物どうしを仮に保持し、溶接トーチを継手部に対して接近離間させる接近離間装置で溶接トーチを継手部に接近させるとともに、被溶接物の側面および角部に沿ったレール体に走行体を介して溶接トーチを走行させながら溶接トーチで継手部どうしを溶接し、溶接トーチが継手部の角部に到ったときに、溶接トーチを拘束治具の継手部側開口の一方から角部に接近させて溶接し、続いて溶接トーチを拘束治具から回避させて角部に沿って走行させた後、拘束治具の開口の他方から角部に溶接トーチを接近させることにより被溶接物の継手部どうしを溶接することを特徴とする溶接方法。
  3. 角柱状の被溶接物の継手部どうしを突き合わせてその角部どうしを、継手部を避ける開口を有した拘束治具で仮に保持した状態で溶接するための溶接設備であって、被溶接物の側面および角部に沿った水平面内にレール体が設けられ、該レール体に沿って走行自在な走行体が設けられ、該走行体に、被溶接物の継手部どうしを溶接するための溶接トーチが、これを継手部に対して接近離間させるための接近離間装置を介して取付けられたことを特徴とする溶接設備。
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