JP3675021B2 - コンバインの排穀装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンバインの排穀装置に関し、グレンタンクに収容された穀粒を排出する移送螺旋筒の旋回及び伸縮制御するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンバインの排穀装置として、グレンタンクに収容された穀粒を縦螺旋筒と、この上端に連設の横螺旋筒とによって排出方向を制御する形態のものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
グレンタンクに収容された穀粒を縦螺旋筒と、この上端に連設の横螺旋筒とによって排出方向を制御する形態では、この横螺旋筒の長さを伸縮して先端の排出口を排穀位置に伸ばしたり、収納位置に短縮する構成とすると、これら横螺旋筒の旋回と伸縮とが競合して、収納姿勢への短縮が収納位置への旋回よりも遅れると、この横螺旋筒の短縮ができ難いことがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、グレンタンク1から排出される穀粒を受けて揚穀する縦螺旋筒2と、縦螺旋筒2の上端に連設して伸縮自在でありかつ旋回自在の横螺旋筒3とを有し、該横螺旋筒3を縦螺旋筒2側の基部螺旋筒5と該基部螺旋筒5の先端側に嵌合して伸縮自在の伸縮螺旋筒6とから構成し、該伸縮螺旋筒6の基端部に設けた切欠部39に回転自在のロ−ラ38を設けて該伸縮螺旋筒6の端面40が該ロ−ラ38よりも基部側に位置するように構成して、該ロ−ラ38を基部螺旋筒5の下周面に摺接させることによって伸縮螺旋筒6の垂れ下がりを防止するものとし、前記横螺旋筒3内の移送螺旋18を、基部螺旋筒5内に軸装する基部螺旋23と伸縮螺旋筒6内に位置する伸縮螺旋24とから構成し、一定長さの複数の螺旋Sを螺旋軸25に嵌挿して前記伸縮螺旋24を形成するにあたり、前後方向の中央部の螺旋S4の重量を最も軽くすると共に該中央部の螺旋S4の前側および後側の螺旋Sを中央部の螺旋S4から離れた位置の螺旋Sほど順次重くし、前記横螺旋筒3の排穀位置からオーガ受4に受けさせる収納位置への戻り行程において、横螺旋筒3がオーガ受4位置へ旋回するまでに、横螺旋筒3の基部螺旋筒5に対して先端側の伸縮螺旋筒6を優先して短縮させるように構成したことを特徴とするコンバインの排穀装置の構成とする。
【0005】
【発明の効果】
コンバインの刈取作用時は、横螺旋筒3をオーガ受4に支持させて収納させておく。グレンタンク1に収容される穀粒が一杯になると、刈取を一旦停止して排穀作業を行う。この排穀ではオーガ受4の横螺旋筒3を上昇させて縦螺旋筒2の回りに排出位置方向へ旋回させる。又、この横螺旋筒3は基部螺旋筒5に対して伸縮螺旋筒6が伸出されて、先端の排出口を排出位置上に合せることができる。これによってこれら縦螺旋筒2及び横螺旋筒3内の移送螺旋を連動してグレンタンク1内の穀粒を目標位置へ排出するものである。
【0006】
この際、伸縮螺旋筒6の基端部の切欠部39に設けたロ−ラ38が基部螺旋筒5の下周面に摺接し、これによって伸縮螺旋筒6の垂れ下がりを防止することができる。
【0007】
また、伸縮螺旋24を形成するにあたり、前後方向の中央部の螺旋S4の重量を最も軽くすると共に該中央部の螺旋S4の前側および後側の螺旋Sを中央部の螺旋S4から離れた位置の螺旋Sほど順次重くすることによって、排穀時の伸縮螺旋24の螺旋軸25の振幅Cを小さくすることができる。
【0008】
横螺旋筒3を排穀位置からオーガ受4の収納位置へ戻すときは、伸出位置にあった伸縮螺旋筒6の短縮作動が、この横螺旋筒3のオーガ受4位置への旋回終了までの間に優先して行われるために、伸縮螺旋筒6がオーガ受4上に支持された状態で短縮作動されることがなく、正確で円滑な伸縮螺旋筒6の収納作動を行わせることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
コンバインは、自脱形態で、フィードチエンで穀稈を挾持搬送しながら穂部のみ脱穀室内へ供給して脱穀する脱穀装置7と、この脱穀装置7で脱穀された穀粒を収容するグレンタンク1とを、クローラ走行装置9を有する車台10上に配置し、脱穀装置7には前方に支架される刈取装置11が、引起刈取られる穀稈の搬送供給を受けるように設けられる。又、車台10の前部でグレンタンク1の前方には、エンジンカバー12、操縦席13、及び操縦台14等を設けている。
【0010】
グレンタンク1の底部には前後方向に沿う底樋15が設けられ、これに沿って移送螺旋16が設けられる。この底樋15の後端には上下方向の縦螺旋筒2が制御モータM1によって旋回駆動される構成で、内部には該移送螺旋16によって連動される移送螺旋17を有し、グレンタンク1内から移送される穀粒を受けて揚穀しうる。
【0011】
更に、この縦螺旋筒2の上部には、移送螺旋18を有した横螺旋筒3が上下回動自在にして連設され、該縦螺旋筒2から移送される穀粒を受けて先端の排出口19側へ移送しうる。この横螺旋筒3は油圧伸縮シリンダ、電動伸縮シリンダ20等によって上下回動される。
【0012】
前記横螺旋筒3は、縦螺旋筒2側における基部螺旋筒5と、この基部螺旋筒5の先端側に嵌合して伸縮自在の伸縮螺旋筒6とからなり、これら横螺旋筒3に沿う螺杆21を制御モータM2で正逆転駆動することによって、これに嵌合する螺子ボス22を一体とする伸縮螺旋筒6を筒軸方向へ伸縮移動することができる。
【0013】
横螺旋筒3内の移送螺旋18は、該基部螺旋筒5内に軸装する基部螺旋23と、伸縮螺旋筒6内に位置する伸縮螺旋24とからなり、伸縮螺旋24は、螺旋軸25の外周に一定単位長さにして嵌挿し、ばね26を介在させて軸方向へ拡張させている。この螺旋軸25は基部螺旋23側の螺旋軸27側に対してスプライン軸嵌合等によって伸縮自在に設けている。28は軸受メタルで、基部螺旋筒5の先端部に基部螺旋軸27の先端部を軸受するものである。
【0014】
オーガ受4は、前記横螺旋筒3のほぼ水平位置で操縦席13の脱穀装置7側に沿った姿勢を支持するように設けるもので、この上面に横螺旋筒3を支持して作動される自動停止スイッチ29が設けられている。
【0015】
前記横螺旋筒3の排穀位置又は収納位置への制御を行うコントローラCPUには、横螺旋筒3を排穀位置側へ旋回させる排穀モードスイッチ30と、排穀位置からオーガ受4に収納させる収納モードスイッチ31を設ける。各モータM1,M2や、シリンダ20等を手動操作スイッチで操作して、横螺旋筒3を排穀位置や収納位置に移動させる手動スイッチ32を設け、単にスイッチをONするだけで排穀モードスイッチ30や収納モードスイッチ31で選択された位置に自動的に作動する自動スイッチ33を設けている。34は該各スイッチ30,31,32,33等を配置する操作盤である。
【0016】
前記コントローラCPUにおいては、収納モードスイッチ30のONによって、モータM2を短縮作動させて伸縮螺旋筒6が基部螺旋筒5側へ移動されて、横螺旋筒3が最短になった状態で、モータM1が出力されて縦螺旋筒2及び横螺旋筒3を排穀位置から収納位置へ旋回するように構成している。横螺旋筒3がオーガ受4に受けられる自動停止スイッチ29によってシリンダ20の作動も停止される。
【0017】
又、この横螺旋筒3が前記オーガ受4上に旋回することによって、モータM2の出力で伸縮螺旋筒6を短縮作動させて、この短縮後にシリンダ20のソレノイド出力により下降させてオーガ受4上に受ける構成とするもよい。
【0018】
更には、前記モータM2による短縮作動の速度を高速に行わせて、旋回や下降作動よりも早いタイミングで短縮させるもよい。
図5において、上例と異なる点は、前記伸縮螺旋筒6を伸縮する螺杆21において、螺子ピッチを中央部に対してこの前端部Aと後端部Bとで小さく設定し、伸縮螺旋筒6を移動終端部で減速して、この移動終端部に設けられる停止スイッチ35,36の接当を緩衝させるものである。これら停止スイッチ35,36は螺子ボス22と対向して設けられ、螺子ボス22が停止スイッチ22を押すと、前記モータM2の伸出駆動、又は短縮駆動をOFFするものである。37は螺杆21上を覆うカバーである。
【0019】
図6において、上例と異なる点は、前記伸縮螺旋筒6の基端部に回転自在のベアリングローラ38を設けて、基部螺旋筒5の下周面に摺接させて、この伸縮螺旋筒6の垂れ下りを防止するものである。このローラ38は、伸縮螺旋筒6の基端部に切欠部39を設けて、この切欠部39に位置させることにより、伸縮螺旋筒6の先端面40をローラ38よりも基部側に位置させている。41は基部螺旋筒5の基端部に突設されるストッパーである。
【0020】
図7において、上例と異なる点は、前記伸縮螺旋24の構成を、前後方向の中央部の螺旋S4の重量を最も軽くして、これより前後方向に亘る螺旋S3→S2→S1,及びS5→S6→S7の順序で順次重くすることによって、排穀時の伸縮螺旋24の螺旋軸25の振幅Cを小さくすることができる。各螺旋S1〜S7の重量は螺旋翼部の肉厚を変えて設定している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンバインの側面図。
【図2】 排穀装置の制御ブロック図。
【図3】 横螺旋筒部の側面図。
【図4】 コンバインの一部の平面図。
【図5】 一部別実施例を示す横螺旋筒部の側面図と、その一部の断面図。
【図6】 一部別実施例を示す横螺旋筒部の側面図と、その正断面図。
【図7】 一部別実施例を示す横螺旋筒部の側面図と、その螺旋軸部の振動図。
【符号の説明】
1 グレンタンク
2 縦螺旋筒
3 横螺旋筒
4 オーガ受
5 基部螺旋筒
6 伸縮螺旋筒
18 移送螺旋
23 基部螺旋
24 伸縮螺旋
25 螺旋軸
38 ロ−ラ
39 切欠部
40 端面
振幅
螺旋
S4 中央部の螺旋

Claims (1)

  1. グレンタンク1から排出される穀粒を受けて揚穀する縦螺旋筒2と、縦螺旋筒2の上端に連設して伸縮自在でありかつ旋回自在の横螺旋筒3とを有し、該横螺旋筒3を縦螺旋筒2側の基部螺旋筒5と該基部螺旋筒5の先端側に嵌合して伸縮自在の伸縮螺旋筒6とから構成し、該伸縮螺旋筒6の基端部に設けた切欠部39に回転自在のロ−ラ38を設けて該伸縮螺旋筒6の端面40が該ロ−ラ38よりも基部側に位置するように構成して、該ロ−ラ38を基部螺旋筒5の下周面に摺接させることによって伸縮螺旋筒6の垂れ下がりを防止するものとし、前記横螺旋筒3内の移送螺旋18を、基部螺旋筒5内に軸装する基部螺旋23と伸縮螺旋筒6内に位置する伸縮螺旋24とから構成し、一定長さの複数の螺旋Sを螺旋軸25に嵌挿して前記伸縮螺旋24を形成するにあたり、前後方向の中央部の螺旋S4の重量を最も軽くすると共に該中央部の螺旋S4の前側および後側の螺旋Sを中央部の螺旋S4から離れた位置の螺旋Sほど順次重くし、前記横螺旋筒3の排穀位置からオーガ受4に受けさせる収納位置への戻り行程において、横螺旋筒3がオーガ受4位置へ旋回するまでに、横螺旋筒3の基部螺旋筒5に対して先端側の伸縮螺旋筒6を優先して短縮させるように構成したことを特徴とするコンバインの排穀装置。
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