JP3674271B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に係り、特に、内燃機関始動直後の排気ガス中に多く含まれている炭化水素(HC)の大気中への放出を防止するHC吸着剤を備えた排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の排気ガス浄化には、貴金属(白金、ロジウム等)またはその他の金属を担持した触媒が従来から使われている。このような触媒は排気ガス中の有害成分であるHC、CO、NOx等を酸化、あるいは還元させることによって浄化している。
【0003】
このうち、特に、HCの触媒による浄化は、排気ガス温度の影響が強く、一般に、350〜400°C以上の温度を必要とする。内燃機関(以下、エンジンとも言う)の始動直後では、排気ガス温度が低く、触媒が活性温度(350〜400℃以上)に達していないため、HCの浄化が良好に行なえない。さらにエンジンを始動した直後のような冷間時にはHC排出量が多くなり、一般に、排気ガス温度が低いときには、HCの大気中への放出量が増大してしまうと言った惧れがある。
【0004】
かかる惧れを解決するために、例えば、図14(A)に示すように、エンジンの排気通路に設けられている触媒の下流側において、排気ガスのメイン通路から分岐して再び合流するバイパス通路を設け、該バイパス通路にHC吸着剤と該HC吸着剤の下流側にヒータ付き触媒を介装すると共に、該バイパス通路の排気上流側分岐点に切替バルブを設け、前記HC吸着剤の上流側に設けられた排気温センサと、前記排気温センサが検出する排気ガスの温度に応じて前記切替バルブと前記ヒータ付き触媒のヒータを制御するようにしたものが提案されている(特開平6−66136号公報等参照)。
【0005】
上記のものでは、排気ガス温度が低く触媒の活性していない期間は、触媒下流の切替バルブにより排気ガスをHC吸着剤(以下、単に吸着剤とも言う)に流し、HCを吸着させることにより大気への放出を防ぐ。また、排気ガス温度が上昇し触媒が活性した後は、切替バルブにより排気ガスをメイン通路に流し、一方で、吸着剤からHCを脱離させ、下流のヒータ付き触媒(EHC)で浄化する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に、触媒にもHC吸着能力があるので、上記従来装置のように、前記吸着剤の下流側に設けたEHC(ヒータ付き触媒)の加熱を行うと、該EHCに吸着されていたHCが脱離されることとなる。
このため、上記従来装置にあっては、EHCの加熱に伴い該EHCから脱離したHCは、浄化されずに吸着剤からHCを脱離させるために導入した排気ガスとともに大気中に放出されてしまう惧れがある{図14(B)参照}。
【0007】
本発明は、このような従来の実情に鑑みなされたもので、HC吸着剤のHC脱離処理の際に、HC吸着剤下流触媒に吸着されているHCが脱離して大気中に放出されてしまわないようにした内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明では、図1に示すように、
エンジンの排気通路に介装されたメイン触媒と、
前記メイン触媒の排気下流側において、前記排気通路の排気上流側の分岐点で一旦分岐し、前記排気通路の排気下流側の合流点で再び合流するバイパス通路と、
前記排気上流側の分岐点に配設され、前記バイパス通路への排気の流入を制御するバイパス通路排気流入制御弁と、
前記バイパス通路に介装されたHC吸着剤と、
前記HC吸着剤の排気下流側において、前記バイパス通路に介装されたHC吸着剤下流触媒と、
前記HC吸着剤に吸着されているHCを脱離させるべく、前記バイパス通路排気流入制御弁を介して前記バイパス通路に排気の少なくとも一部を流入させる前に、加熱手段を介して前記HC吸着剤下流触媒を加熱して、当該HC吸着剤下流触媒が吸着しているHCを脱離させつつ、この脱離されたHCを当該HC吸着剤下流触媒で浄化させる触媒吸着HC処理手段と、
前記HC吸着剤下流触媒に酸素を供給する酸素供給手段と、
前記触媒吸着HC処理手段により、前記加熱手段を介して前記HC吸着剤下流触媒を加熱して、当該HC吸着剤下流触媒が吸着しているHCを脱離させつつ、この脱離されたHCを当該HC吸着剤下流触媒で浄化させる前又はその間に、前記酸素供給手段を介して前記HC吸着剤下流触媒の雰囲気を所定酸素濃度に制御するHC吸着剤下流触媒雰囲気制御手段と、を含んで構成するようにした。
【0009】
かかる構成とすれば、排気のメイン通路に介装された触媒が活性し、前記バイパス通路に排気の少なくとも一部を流入させてHC吸着剤のHC脱離処理を行う際には、該HC吸着剤のHC脱離処理を開始する(前記バイパス通路に排気の少なくとも一部を流入させる)前に、HC吸着剤下流触媒を加熱して、当該HC吸着剤下流触媒が吸着しているHCを脱離させつつ、該脱離されたHCを当該HC吸着剤下流触媒で浄化させるようにする。
【0010】
従って、HC吸着剤のHC脱離処理の開始に伴い、HC吸着剤下流触媒が昇温されてHCが脱離され、該HC吸着剤下流触媒から脱離したHCが、前記バイパス通路に流入された排気と共に大気中へ放出されてしまうと言った惧れを回避することが可能となる。
即ち、本発明によれば、HC吸着剤のHC脱離処理を開始するときには、HC吸着剤下流触媒にはHCが吸着されていないことになるので、前記HC吸着剤に吸着されているHCを脱離させるべく、前記バイパス通路に排気の少なくとも一部を流入させても、前記HC吸着剤下流触媒からHCが脱離することはないので、始動からHC吸着剤のHC脱離処理が完了するまでの間において、HCの大気中への放出を最小に抑制することが可能となる。
【0012】
また、HC吸着剤のHC脱離処理を開始する(前記バイパス通路に排気の少なくとも一部を流入させる)前に、HC吸着剤下流触媒を加熱して、当該HC吸着剤下流触媒が吸着しているHCを脱離させつつ、該脱離されたHCを当該HC吸着剤下流触媒で浄化させる場合に、酸素供給手段により雰囲気の酸素濃度を制御することにより当該HC吸着剤下流触媒でのHCの浄化作用を一層良好なものとすることができるので、始動からHC吸着剤のHC脱離処理が完了するまでの間において、HCの大気中への放出を一層抑制することが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、前記HC吸着剤下流触媒雰囲気制御手段を、前記HC吸着剤下流触媒が吸着しているHC量を推定する触媒HC吸着量推定手段の推定結果に基づいて、前記酸素供給手段の酸素供給量を制御する手段を含んで構成するようにした。
かかる構成とすれば、前記HC吸着剤下流触媒が吸着しているHC量を推定し、その推定結果に基づいて、前記酸素供給手段の酸素供給量を制御するので、HC吸着剤のHC脱離処理を開始する前に、HC吸着剤下流触媒を加熱して、当該HC吸着剤下流触媒が吸着しているHCを脱離させつつ、該脱離されたHCを当該HC吸着剤下流触媒で浄化させる際の該脱離・浄化作用を、より一層良好なものとすることができるので、始動からHC吸着剤のHC脱離処理が完了するまでの間において、HCの大気中への放出をより一層抑制することが可能となる。
【0014】
請求項3に記載の発明では、前記触媒吸着HC処理手段を、前記HC吸着剤下流触媒が吸着しているHC量を推定する触媒HC吸着量推定手段の推定結果に基づいて、前記加熱手段の加熱量を制御する手段を含んで構成するようにした。
かかる構成とすれば、前記HC吸着剤下流触媒が吸着しているHC量を推定し、その推定結果に基づいて、加熱手段の加熱量を制御するので、HC吸着剤のHC脱離処理を開始する前に、HC吸着剤下流触媒を加熱して、当該HC吸着剤下流触媒が吸着しているHCを脱離させつつ、該脱離されたHCを当該HC吸着剤下流触媒で浄化させる際の該脱離・浄化作用を、より一層良好なものとすることができるので、始動からHC吸着剤のHC脱離処理が完了するまでの間において、HCの大気中への放出をより一層抑制することが可能となる。
【0015】
請求項4に記載の発明では、前記触媒HC吸着量推定手段を、前記HC吸着剤に排気を流入させて排気中のHCを吸着させた時間に基づいて、前記HC吸着剤下流触媒が吸着しているHC量を推定する構成とした。
かかる構成とすれば、比較的簡単な構成で、前記触媒HC吸着量推定手段を実現することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明では、前記触媒HC吸着量推定手段を、前記HC吸着剤に排気を流入させて排気中のHCを吸着させた期間内に前記HC吸着剤に流入した総排気流量に基づいて、前記HC吸着剤下流触媒が吸着しているHC量を推定する構成とした。
かかる構成とすれば、HC吸着剤にHCを吸着させた期間内に前記HC吸着剤に導入された総排気流量に基づいて、前記HC吸着剤下流触媒のHC吸着量を推定するようにしたので、HC吸着剤にHCを吸着させた時間に基づいてHC吸着剤下流触媒のHC吸着量を推定するようにした請求項4に記載の発明に比べて、その推定精度を高めることができるので、HC吸着剤のHC脱離処理を開始する前に行なうHC吸着剤下流触媒のHC脱離処理(或いは浄化処理)を高精度なものとでき、延いては始動からHC吸着剤のHC脱離完了までにおけるHCの大気中への放出量をより一層低く抑えることが可能となる。
【0019】
請求項6に記載の発明では、図2に示すように、
エンジンの排気通路に介装されたメイン触媒と、
前記メイン触媒の排気下流側において、前記排気通路の排気上流側の分岐点で一旦分岐し、前記排気通路の排気下流側の合流点で再び合流するバイパス通路と、
前記排気上流側の分岐点に配設され、前記バイパス通路への排気の流入を制御するバイパス通路排気流入制御弁と、
前記バイパス通路に介装されたHC吸着剤と、
前記HC吸着剤の排気下流側において、前記バイパス通路に介装されたHC吸着剤下流触媒と、
前記HC吸着剤下流触媒の排気下流側で前記バイパス通路から分岐し、前記メイン触媒の排気上流側で前記排気通路に合流する連通路と、
前記バイパス通路の分岐点に配設され、前記連通路への排気の流入を制御する連通路排気流入制御弁と、
前記HC吸着剤に吸着されているHCを脱離させるべく、前記バイパス通路排気流入制御弁を介して前記バイパス通路に排気の少なくとも一部を流入させてからの経過時間に応じて、前記連通路排気流入制御弁を介して、当該バイパス通路に流入した排気を、前記連通路により前記メイン触媒の排気上流側へ流すように制御する連通路排気流入制御手段と、を含んで構成するようにした。
【0020】
かかる構成とすれば、HC吸着剤のHC脱離処理を開始してから所定期間は、前記連通路排気流入制御手段延いては前記連通路排気流入制御弁を介してバイパス通路内に流入した排気(HC吸着剤から脱離したHC及びHC吸着剤下流触媒から脱離したHCを含む)を、大気中へそのまま放出せず、前記連通路によりメイン触媒の上流側に還流させるようにしたので、HC吸着剤のHC脱離処理時におけるHC吸着剤下流触媒の昇温に伴ってHC吸着剤下流触媒からHCが脱離しても、これを、活性化状態にあるメイン触媒で酸化除去(浄化)させることができる。
【0021】
従って、従来装置のように、HC吸着剤のHC脱離処理時におけるHC吸着剤下流触媒の昇温に伴ってHC吸着剤下流触媒から脱離してくるHCが、浄化されずにHC吸着剤のHC脱離処理のためにバイパス通路に流入させた排気と伴に大気中に放出されてしまうと言った惧れを回避することができる。
即ち、本発明によっても、HC吸着剤のHC脱離処理の開始に伴い、HC吸着剤下流触媒が昇温されてHCが脱離され、該HC吸着剤下流触媒から脱離したHCが、前記バイパス通路に流入された排気と共に大気中へ放出されてしまうと言った惧れを回避することが可能となる。
請求項7に記載の発明では、前記HC吸着剤に吸着されているHCを脱離させるべく、前記バイパス通路排気流入制御弁を介して前記バイパス通路に排気の少なくとも一部を流入させる前に、前記HC吸着剤下流触媒を加熱して、この触媒が吸着しているHCを脱離させる加熱手段を更に含んで構成するようにした。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、HC吸着剤下流触媒にHCが吸着している場合において、HC吸着剤のHC脱離処理の前に、HC吸着剤下流触媒を加熱して、当該HC吸着剤下流触媒が吸着しているHCを脱離させつつ、該脱離されたHCを当該HC吸着剤下流触媒で処理(浄化)させるようにしたので、あるいは、HC吸着剤のHC脱離処理開始から所定時間、HC吸着剤やHC吸着剤下流触媒から脱離したHCをメイン触媒上流に流し、かかる脱離したHCをメイン触媒で処理(浄化)させるようにしたので、始動からHC吸着剤のHC脱離完了までの大気中へのHCの排出を最小に抑制できるという効果が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる一実施形態を、添付の図面に基づいて説明する。
まず、図3に基づいて、本発明にかかる第1の実施形態におけるシステム構成を説明する。
エンジン1の排気ガスのメイン通路(排気通路)2には、メイン触媒としての上流側触媒3および下流側触媒4が取り付けられている。下流側触媒4の下流側には、排気ガスのメイン通路2から分岐して再び合流するバイパス通路5が設けられている。
【0024】
バイパス通路5は電気加熱式の触媒(以下、EHCと言う)7が介装されると共に、その排気上流側にはHC吸着剤(吸着剤)6が介装されている。但し、EHC7における加熱手段は、電熱式ヒータ等の電気加熱式でなくてもよく、排気熱、バーナー等を利用して加熱するものでも良い。また、EHC7に用いる触媒は、三元触媒でも酸化触媒でも良い。該EHC7が備える触媒が、本発明にかかるHC吸着剤下流触媒に相当する。
【0025】
なお、バイパス通路5の前記吸着剤6の排気上流側には、EHC7に空気(酸素)を供給するためのエアポンプ9が接続されている。該エアポンプ9が、本発明にかかる酸素供給手段に相当する。
また、前記バイパス通路5と並行するメイン通路2’と、バイパス通路5の分岐点にはバイパスバルブ8が配設されている。バイパスバルブ8は図3に示す状態を閉とする。該バイパスバルブ8が、本発明にかかるバイパス通路排気流入制御弁に相当する。
【0026】
コントロールユニット10は、上流側触媒3および下流側触媒4(メイン触媒)の活性状態等に応じて、前記バイパスバルブ8、エアポンプ9、EHC7の加熱手段(電熱式ヒータ等)などを駆動制御することができるようになっている。ところで、前記吸着剤6に吸着されたHCの脱離処理は、前記バイパスバルブ8を所定角度開き、排気ガスの一部をバイパス通路5に流すことにより吸着剤6を温めることで達成される。
【0027】
ここで、本実施形態におけるコントロールユニット10が行なう制御について、図4に示すフローチャートに従って説明する。以下のルーチンで使用されるフラグFLGAP、FLGPHは、IGN.ON(イグニッションON)時に0にクリアされるものとする。なお、以下に説明するように、本発明にかかる触媒吸着HC処理手段、HC吸着剤下流触媒雰囲気制御手段、触媒HC吸着量推定手段としての機能は、該コントロールユニット10がソフトウェア的に備えるものである。
【0028】
まず、S1にて、吸着剤の脱離処理条件か否かを判断する。ここでは、本運転時に吸着剤6を使用したか、また使用した場合には既にHC脱離処理(以下、単に脱離処理とも言う)を終了したか等を判断し、脱離処理が必要な場合には、例えばエンジンの冷却水温などにより、メイン通路2に介装されている上流側触媒3および下流側触媒4(メイン触媒)が活性したか否かを判断し、活性していれば脱離処理条件成立とする。
【0029】
脱離処理条件でない場合には、そのままルーチンを終了する。
脱離処理条件である場合には、S2へ進み、該S2にて、エアポンプ9が駆動されていることを示すフラグFLGAPが1であるか否か、つまり現在エアポンプ9が駆動されているか否かを判断する。
FLGAP=1である場合には後述するS6へ進み、該S6でエアポンプ9の駆動時間が所定値に達したか否かを判断する。
【0030】
一方、FLGAP=0の場合にはS3へ進み、該S3にて、EHC7の加熱(プリヒート)が行われていることを示すフラグFLGPHが1であるか否か、つまり現在EHC7のプリヒートが行われているか否かを判断する。
FLGPH=1である場合には後述するS12へ進み、該S12でEHC7のプリヒート時間が所定値に達したか否かを判断する。
【0031】
S3でFLGPH=0の場合には、現在吸着剤6の脱離処理条件であるが、まだ、吸着剤6の脱離処理が開始されていない状態であるので、S4以降へ進み、吸着剤6の脱離処理を行なう前に、EHC(触媒)7に吸着されているHCの脱離処理を行う。
S4では、EHC7へのHC吸着量が多いほど、この吸着されたHCの処理に必要な空気(酸素)量も多くなるため、EHC7のHC吸着量推定値からエアポンプ駆動信号、つまりポンプ吐出流量を決定し、そのポンプ吐出流量を達成できるようにエアポンプ9の駆動を開始する。このとき、吸着剤6の脱離処理が開始されていない状態であるから、バイパスバルブ8は閉じられている。
【0032】
なお、EHC7のHC吸着量は、図5に示すルーチンにより求められる吸着剤6へ排気ガスを導入(HCを吸着)させた時間CNTRTRAPに基づき、図6に示す特性図を参照することで推定することができる。
また、エアポンプ駆動信号(ポンプ吐出流量)は、図7に示す特性図等に基づいて決定することができる。なお、本実施形態では、エアポンプ9の駆動時間を一定として、吐出量を変化させ、総空気供給量を制御しているが、吐出量を一定として駆軌時間を変化させる構成とすることもできる。
【0033】
なお、図5に示した吸着剤6へ排気ガスを流した時間CNTRTRAPを求めるルーチンは、一般的なカウンタであるため詳細な説明は省略するが、バイパスバルブ8を開とし、吸着剤6に排気ガスを流しHCを吸着させている期間(吸着中;S21で判断)、吸着時間カウンタCNTRTRAPをカウントアップ(S22で実行)して行くものである。
【0034】
次のS5では、フラグFLGAP=1とし、S6へ進む。
S6では、エアポンプ駆動時間は所定値に達したか、つまり、EHC7のHC脱離処理(或いはHC浄化処理)のための必要空気量を供給し終ったか否かを判断する。所定時間に達していない場合には、そのままルーチンを終了し、エアポンプ9の駆動を継続する。所定時間に達した場合には、S7へ進み、該S7にてエアポンプ9の駆動を停止し、S8で、エアポンプ9を駆動していないことを示すためフラグFLGAP=0とする。
【0035】
次のS9では、図5に示すルーチンおよび、図6から求められたEHC7のHC吸着量をもとに、図8に示す特性図からEHC7の加熱(プリヒート)時間を検索する。これは、プリヒート期間中にEHC7に吸着したHCを脱離させるとともに、既に供給した空気中の酸素によりEHC7から脱離したHCを酸化処理するためであり、EHC7へのHC吸着量が多ければ、それだけ加熱(プリヒート)時間も長くなる。
【0036】
次に、S10では、EHC7への通電を行いEHC7を加熱し、S11でEHC7を加熱していることを示すためフラグFLGPH=1とする。
プリヒート時のEHC7への供給電力は一定でも良いが、プリヒート時間に比例してEHC温度も上昇して行くため、触媒の劣化温度やEHC(ヒータ部等)の耐久温度に達する前にプリヒート時の供給電力を下げ、EHC温度をある一定値に保つよう制御することもできる。
【0037】
S12では、EHC7の加熱時間がS9にて求めた所定時間に達したかを判断し、達していない場合には、そのままルーチンを終了し、EHC7のプリヒート状態を保ち、EHC7に吸着されているHCの脱離処理を継続する。
一方、加熱時間が所定時間に達した場合には、S13に進み、吸着剤6に吸着されたHCの脱離処理を通常通りに行う。即ち、例えば、バイパスバルブ8を半開として排気ガスの一部をバイパス通路5へ流入させると共に、吸着剤6から脱離してくるHCを、EHC7で酸化除去するために必要な空気量(酸素量)をエアポンプ9で供給するような操作を行なうことになる。なお、この吸着剤6のHC脱離処理ルーチンについては、従来同様で良く、詳細な説明については省略する。
【0038】
このように、本実施形態によれば、吸着剤6のHC脱離処理を開始する前に、吸着剤6の下流側に配設されたEHC(触媒)7に吸着されているHCを脱離するようにしたので、従来装置のように、吸着剤のHC脱離処理時におけるEHC(ヒータ付き触媒)の加熱に伴ってEHCから脱離してくるHCが、浄化されずに吸着剤のHC脱離処理のために導入した排気ガスと伴に大気中に放出されてしまうと言った惧れを回避することができる。
【0039】
つまり、本実施形態では、吸着剤6のHC脱離処理を開始する前に、吸着剤6にHCを吸着させた時間をもとにEHC7のHC吸着量を推定し、その推定値に応じた空気(酸素)量を吸着剤6の下流触媒(EHC7)にエアポンプ9により供給しEHC7のプリヒートを行なうことにより、EHC7のプリヒートにともないEHC7から脱離してくるHCを雰囲気中の酸素(エアポンプ9により供給した酸素)によリEHC7で処理(酸化除去)させるようにしたので、従来装置のように、吸着剤のHC脱離処理時におけるEHCの加熱に伴ってEHCから脱離してくるHCが、浄化されずに大気中に放出されてしまうと言った惧れを回避することができる。
【0040】
即ち、本実施形態によれば、
内燃機関始動直後には排気ガス中に多く含まれているHCをHC吸着剤に吸着させることで、始動直後における大気中へのHCの放出を抑制でき、
その後において、排気温度が上昇すると共にメイン触媒が活性化して排気ガス中のHCを当該メイン触媒が良好に酸化除去(浄化)できるようになったら、HC吸着剤の下流側の触媒を加熱手段を介して昇温させ活性化させつつ吸着剤からHCを脱離させ、当該吸着剤から脱離したHCを、HC吸着剤の下流側の触媒で酸化除去することで大気中へのHCの放出を抑制でき、
更に、前記HC吸着剤の下流側の触媒(EHC)を加熱手段を介して昇温させ活性化させるときに当該HC吸着剤の下流側の触媒(EHC)から脱離してくるHCについても、良好に酸化除去(浄化)することができるので、
始動からHC吸着剤6のHC脱離完了までにおけるHCの大気中への放出量を極めて低く抑えることが可能となる。
【0041】
なお、当該第1の実施形態では、EHC7を加熱する前に、エアポンプ9により酸素を供給する構成として説明したが、例えばEHC7を加熱すると同時に、或いはEHC7を加熱している間、エアポンプ9により酸素を供給する構成とすることもできるものである。即ち、脱離要求や浄化要求(EHC7の雰囲気)に応じて、酸素をEHC7に供給する構成とすることができるものである。
【0042】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態におけるシステム構成は、図3で示した第1の実施形態のものと同様であるので、説明は省略する。
当該第2の実施形態は、第1の実施形態とは、EHCのHC吸着量を求める方法のみが異なり、第2の実施形態では、第1の実施形態における図6を用いてEHCのHC吸着量を求める方法を採用せず、吸着剤に排気ガス(HC)を吸着させている期間の総排気ガス量からEHCのHC吸着量を求めるようにしている。
【0043】
ここで、第2の実施形態における、吸着剤に排気ガス(HC)を吸着させている期間の総排気ガス量を求めるルーチンについて、図9のフローチャートを参照しつつ説明する。
エンジン回転数(Ne)と吸入負圧(Boost)の積{Ne*(Pa−Boost)}は吸入空気量に比例するため(Paは大気圧)、
S31で吸着剤6に排気ガス(HC)を吸着中か否かを判断し、
吸着中であれば、S32で、HC吸着中のエンジン回転数と吸入負圧の積を積算し、HC吸着中の総排気ガス量CNTRGASを求める。
【0044】
そして、このルーチンにより求められた吸着剤6に排気ガス(HC)を吸着させている期間における総排気ガス量CNTRGASをもとに、図10に示す特性図からEHCのHC吸着量を求める。
このように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができると共に、吸着剤6に排気ガス(HC)を吸着させた期間における総排気ガス量CNTRGASに基づいてEHCのHC吸着量を求めるようにしたので、吸着剤6に排気ガス(HC)を吸着させた時間に基づいてEHC7のHC吸着量を求めるようにした第1の実施形態に比べて、EHC7のHC吸着量の推定精度を高めることができるので、吸着剤6のHC脱離処理を開始する前に行なうEHC7のHCの脱離処理(或いは浄化処理)を高精度なものとでき、延いては始動からHC吸着剤6の脱離完了までにおけるHCの大気中への放出量をより一層低く抑えることが可能となる。
【0045】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態にかかるシステム構成は、図11に示すものであり、図3において示した第1、2の実施形態のものとは、一部異なる部分があるので、これについて説明する。
即ち、第3の実施形態では、図11に示すように、バイパス通路5上のEHC7の下流側において、バイパス通路5から分岐してメイン通路2の上流側触媒3の下流側かつ下流側触媒4の上流側に連通する連通路11が設けられており、バイパス通路5と連通路11の分岐点にはコントロールユニット10により駆動される連通路切替バルブ12が配設されている。連通路切替バルブ12は、図に示す状態を閉とする。なお、連通路11が本発明にかかる連通路に相当し、連通路切替バルブ12が本発明にかかる連通路排気流入制御弁に相当する。
【0046】
ここで、本発明にかかる連通路排気流入制御手段として機能することとなる本実施形態におけるコントロールユニット10が行なう制御について、図12に示すフローチャートに従って説明する。連通路切替バルブ12は、IGN.ON(イグニッションON)時は閉状態に初期化される。
まず、S41にて、吸着剤6の脱離処理条件か否かを判断する。これは、第1の実施形態における図3のフローチャートにおけるS1と同様である。脱離処理条件でない場合には、そのままルーチンを終了する。脱離処理条件である場合には、S42にて、EHC7を活性温度に昇温させるためのプリヒートを開始する。
【0047】
次に、S43にてプリヒートを開始してからの経過時間が所定値に達したかを判断し、所定時間に達していない場合にはそのままルーチンを終了し、プリヒートを維続する。所定時間に達している場合には、S44へ進む。なお、プリヒート時のEHC供給電力およびプリヒート時間は一定値でも良いが、第1の実施形態で説明したと同様に変化させてもよい。
【0048】
次のS44では、吸着剤6に吸着されているHCの脱離処理を行うため、バイパスバルブ8を所定角度開きバイパス通路5(吸着剤6)側に排気ガスの一部を流し吸着剤6を加熱するとともに、エアポンプ9を駆動しEHC7に処理用の空気(酸素)を供給する。
S45では、EHC7のプリヒート時の加熱に伴いEHC7から脱離したHCの全量を、連通路11を介してメイン通路2に介装されている下流側触媒4の上流側に流すために、連通路切替バルブ12を開とする。
【0049】
次のS46では、連通路切替バルブを開状態としてから、実験等により決定される所定時間経過したか否かを判断し、所定時間経過していない場合には連通路切替バルブ12を開状態のままルーチンを終了する。所定時間経過した場合には、EHC7から脱離したHCは全てメイン通路上の下流側触媒4の上流に流れたとして、S47へ進む。
【0050】
S47では、連通路切替バルブ12を閉とする。
そして、S48では、通常の吸着剤6の脱離処理と同様、吸着剤6の脱離処理の終了判断がなされるまで、吸着剤6の脱離処理を行なう。
このように、第3の実施形態によれば、吸着剤6のHC脱離処理とEHC7による酸化処理(S44)を開始してから所定期間は、連通路切替バルブ12を開として(S45)、バイパス通路5内に流入した排気ガス(EHC7から脱離したHCを含む)を、大気中へそのまま放出せず、再びメイン通路2上の下流側触媒4の上流側に還流させるようにしたので、吸着剤6のHC脱離処理時におけるEHC7の加熱に伴ってEHC7から脱離してくるHCを、活性化状態にある下流側触媒4で酸化除去(浄化)させることができる。
【0051】
従って、従来装置のように、吸着剤のHC脱離処理時におけるEHC(ヒータ付き触媒)の加熱に伴ってEHCから脱離してくるHCが、浄化されずに吸着剤のHC脱離処理のために導入した排気ガスと伴に大気中に放出されてしまうと言った惧れを回避することができる。
即ち、第3の実施形態によれば、
内燃機関始動直後には排気ガス中に多く含まれているHCをHC吸着剤に吸着させることで、始動直後における大気中へのHCの放出を抑制でき、
その後において、排気温度が上昇すると共にメイン触媒が活性化して排気ガス中のHCを当該メイン触媒が良好に酸化除去(浄化)できるようになったら、HC吸着剤からHCを脱離させると共に、
該HC吸着剤のHC脱離処理開始から所定期間、バイパス通路を流れる排気を、メイン触媒の上流部へ流すようにしたので、HC吸着剤やEHCから脱離してくるHCを、前記メイン触媒によって良好に酸化除去(浄化)することができるので、
始動からHC吸着剤のHC脱離完了までにおけるHCの大気中への放出量を極めて低く抑えることが可能となる。
【0052】
なお、第3の実施形態では、下流側触媒4の上流側で、上流側触媒3の下流側に、バイパス通路5に流入した排気を還流させる構成としたが、条件(排気圧力)等によっては、上流側触媒3の上流側に還流させる構成とすることも可能である。
また、上記第3の実施形態においては、HC吸着剤下流触媒としてEHC7を備え、電気加熱手段(ヒータ等)により、プリヒートする構成として説明したが、排気温度が高温で排気によりHC吸着剤下流触媒を昇温できる場合や、排気輻射熱等によりHC吸着剤下流触媒を昇温できる場合には、電気加熱手段(ヒータ等)によりプリヒートする構成(電気加熱手段や図12のフローチャートのS42、S43)を省略することができる。
【0053】
即ち、第3の実施形態に係る発明は、例えば、バイパス通路5に流入した排気ガスの熱でHC吸着剤下流触媒からHCが脱離しても、これを既に活性化している下流側触媒(メイン触媒)4の上流側に流入させ、このHC吸着剤下流触媒から脱離したHC(及びHC吸着剤6から脱離したHC)を下流側触媒4で浄化させることを、その本質とするものである。
【0054】
従って、第3の実施形態に係る発明は、図13のように構成することもできる。
即ち、HC吸着剤6の脱離時には、バイパスバルブ8を半開として、排気ガスの一部をバイパス通路5に流入させ、これに伴いEHC7から脱離するHC(及びHC吸着剤6から脱離するHC)を、バルブ13を介して、メイン触媒4に流入させ、該メイン触媒4にて浄化する構成とすることもできる。
【0055】
なお、上記各実施形態では、上流側触媒3と下流側触媒4を備える構成とした、排気流量が少ない場合等においては、上流側触媒3或いは下流側触媒4の何れか一方を備える構成とすることもできる。
そして、上記各実施形態では、エアポンプ9を設ける構成として説明したが、例えば、酸素が十分に存在する雰囲気下にあって、HC吸着剤の脱離やEHC7においてHCを脱離・酸化できる場合等には、エアポンプ9は省略することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の請求項1に記載の発明の構成を示すクレーム対応図。
【図2】 本発明の請求項8に記載の発明の構成を示すクレーム対応図。
【図3】 本発明の第1の実施形態にかかるシステム構成図。
【図4】 同上実施形態において行なわれる制御フローチャート。
【図5】 同上実施形態において行なわれるHC吸着剤の吸着時間を求めるフローチャート。
【図6】 同上実施形態において行なわれる吸着剤の吸着時間とEHC(HC吸着剤下流触媒)のHC吸着量との関係を示す図。
【図7】 EHC(HC吸着剤下流触媒)のHC吸着量とエアポンプ吐出量との関係を示す図。
【図8】 EHC(HC吸着剤下流触媒)のHC吸着量とEHCの加熱(プリヒート)時間との関係を示す図。
【図9】 本発明の第2の実施形態において行なわれるHC吸着期間中の総排気ガス量(総排気流量)を求めるフローチャート。
【図10】 HC吸着期間中の総排気ガス量とEHC(HC吸着剤下流触媒)のHC吸着量との関係を示す図
【図11】 本発明の第3実施形態におけるシステム構成図。
【図12】 同上実施形態において行なわれる制御フローチャート。
【図13】 同上実施形態における他のシステム構成例を示す図。
【図14】 (A)は、従来装置の構成を示す図。(B)は、従来装置において発生する惧れがある悪影響を説明する図。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
2、2’ 排気通路(メイン通路)
3 上流側触媒(メイン触媒)
4 下流側触媒(メイン触媒)
5 バイパス通路
6 HC吸着剤
7 EHC(加熱手段を備えた触媒;HC吸着剤下流触媒)
8 バイパスバルブ(バイパス通路排気流入制御弁)
9 エアポンプ(酸素供給手段)
10 コントロールユニット(マイクロコンピュータ)
11 連通路
12 連通路切替バルブ(連通路排気流入制御弁)
13 バルブ
Claims (7)
- 内燃機関の排気通路に介装されたメイン触媒と、
前記メイン触媒の排気下流側において、前記排気通路の排気上流側の分岐点で一旦分岐し、前記排気通路の排気下流側の合流点で再び合流するバイパス通路と、
前記排気上流側の分岐点に配設され、前記バイパス通路への排気の流入を制御するバイパス通路排気流入制御弁と、
前記バイパス通路に介装されたHC吸着剤と、
前記HC吸着剤の排気下流側において、前記バイパス通路に介装されたHC吸着剤下流触媒と、
前記HC吸着剤に吸着されているHCを脱離させるべく、前記バイパス通路排気流入制御弁を介して前記バイパス通路に排気の少なくとも一部を流入させる前に、加熱手段を介して前記HC吸着剤下流触媒を加熱して、当該HC吸着剤下流触媒が吸着しているHCを脱離させつつ、この脱離されたHCを当該HC吸着剤下流触媒で浄化させる触媒吸着HC処理手段と、
前記HC吸着剤下流触媒に酸素を供給する酸素供給手段と、
前記触媒吸着HC処理手段により、前記加熱手段を介して前記HC吸着剤下流触媒を加熱して、当該HC吸着剤下流触媒が吸着しているHCを脱離させつつ、この脱離されたHCを当該HC吸着剤下流触媒で浄化させる前又はその間に、前記酸素供給手段を介して前記HC吸着剤下流触媒の雰囲気を所定酸素濃度に制御するHC吸着剤下流触媒雰囲気制御手段と、を含んで構成される内燃機関の排気浄化装置。 - 前記HC吸着剤下流触媒雰囲気制御手段は、前記HC吸着剤下流触媒が吸着しているHC量を推定する触媒HC吸着量推定手段の推定結果に基づいて、前記酸素供給手段の酸素供給量を制御する手段を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記触媒吸着HC処理手段は、前記HC吸着剤下流触媒が吸着しているHC量を推定する触媒HC吸着量推定手段の推定結果に基づいて、前記加熱手段の加熱量を制御する手段を含んで構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記触媒HC吸着量推定手段は、前記HC吸着剤に排気を流入させて排気中のHCを吸着させた時間に基づいて、前記HC吸着剤下流触媒が吸着しているHC量を推定することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記触媒HC吸着量推定手段は、前記HC吸着剤に排気を流入させて排気中のHCを吸着させた期間内に前記HC吸着剤に流入した総排気流量に基づいて、前記HC吸着剤下流触媒が吸着しているHC量を推定することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 内燃機関の排気通路に介装されたメイン触媒と、
前記メイン触媒の排気下流側において、前記排気通路の排気上流側の分岐点で一旦分岐し、前記排気通路の排気下流側の合流点で再び合流するバイパス通路と、
前記排気上流側の分岐点に配設され、前記バイパス通路への排気の流入を制御するバイパス通路排気流入制御弁と、
前記バイパス通路に介装されたHC吸着剤と、
前記HC吸着剤の排気下流側において、前記バイパス通路に介装されたHC吸着剤下流触媒と、
前記HC吸着剤下流触媒の排気下流側で前記バイパス通路から分岐し、前記メイン触媒の排気上流側で前記排気通路に合流する連通路と、
前記バイパス通路の分岐点に配設され、前記連通路への排気の流入を制御する連通路排気流入制御弁と、
前記HC吸着剤に吸着されているHCを脱離させるべく、前記バイパス通路排気流入制御弁を介して前記バイパス通路に排気の少なくとも一部を流入させてからの経過時間に応じて、前記連通路排気流入制御弁を介して、当該バイパス通路に流入した排気を、前記連通路により前記メイン触媒の排気上流側へ流すように制御する連通路排気流入制御手段と、を含んで構成される内燃機関の排気浄化装置。 - 前記HC吸着剤に吸着されているHCを脱離させるべく、前記バイパス通路排気流入制御弁を介して前記バイパス通路に排気の少なくとも一部を流入させる前に、前記HC吸着剤下流触媒を加熱して、この触媒が吸着しているHCを脱離させる加熱手段を更に含んで構成される請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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