JP3674002B2 - ディスク再生装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カローセルプレーヤ等のディスク再生装置及びその制御方法に係り、詳しくは電源入開始時のトレー及びトラバースの位置初期化を能率的に行えるディスク再生装置及びその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カローセルプレーヤでは、トレー及びトラバースの位置を変更するためには、変更前の位置情報が必要であるので、プレーヤ電源が切から入へ切替えられた電源入開始時に、トレー及びトラバースの位置を所定位置に合わせる初期化が行われている。
【0003】
図4はカローセルプレーヤにおけるローディングモータの回転位置とメカセンサの出力等との関係を示す図である。ローディングモータは、正逆転自在であり、図示していない動力伝達装置を介してカローセルプレーヤのトレー及びトラバースを駆動することになっている。なお、ローディングモータの回転方向について、P1からP4へ向かう方向をアップ方向、また、P4からP1へ向かう方向をダウン方向と定義する。このトレーはプレーヤ本体から水平方向へ引出し及び格納自在になっており、鉛直線の周りに回転自在に、回転テーブル(図示せず)を組付けられている。該回転テーブルには、例えば5個のCD(コンパクトディスク)等のディスクが回転テーブルの回転軸線を中心とする円周に沿って等角度間隔で載置自在になっている。回転テーブルの各ディスク載置位置にはU字状の切欠きが形成されており、該U字状の切欠きは、回転テーブルへのディスクの載置を保証しつつ、ディスクへのローディングモータの圧着を保証できる寸法に設定されている。トラバースは、回転テーブルに対して垂直方向へ変位自在とされ、上側位置ではディスクに圧着し、下側位置ではディスクから離反する。トラバースの上側位置では、格納位置のトレーの回転テーブルにおいて最奥部にあるディスクは、その中央部をトラバースに圧着されて、回転テーブルから浮いた状態になり、回転テーブルは、ローディングモータの圧着中のディスクを残して、他のディスクを載置しつつ、トレーと共に移動する。トラバースの下側位置では、トラバースは、ディスクの圧着を解除して、該ディスクを回転テーブルへ戻し、回転テーブルから離反する。メカセンサは例えばフォトセンサから成り、該フォトセンサは、ローディングモータの動力伝達装置に装備されている所定ギヤの所定角度範囲に穿設された窓を介する通過光の有無を検出するものであり、ローディングモータの回転位置がP1−P2の範囲とP3−P4の範囲にあるときは、出力を1”にし、ローディングモータの回転位置がP2−P3の範囲にあるときは、出力を”0”にする。トレーは、ローディングモータの回転位置=P1及びP4のとき、プレーヤ本体から最大限、引出された位置としての全開となり、ローディングモータの回転位置がP2−P3の範囲にあるとき、プレーヤ本体に完全に格納される全閉となり、P1−P2の範囲にあるとき及びP3−P4の範囲にあるときは、全開と全閉との中間としての部分的な開状態にある。トラバースは、ローディングモータの回転位置がP1−P2の範囲にあるときは、下側位置に保持され、ローディングモータの回転位置がP3−P4の範囲にあるときは、上側位置に保持される。オープンスイッチは、メカセンサとは別にカローセルプレーヤに配備されたリミットスイッチの一種であり、ローディングモータの回転位置がP1及びP4であるとき、すなわちトレーが全開であるときのみ、トレーの所定部分に当接して、”1”を出力し、ローディングモータの回転位置がP1〜P4(両端のP1,P4は含まず。)の範囲であるとき、”0”を出力する。トラバースは、ローディングモータの回転位置がP2−P3の範囲あるとき、ローディングモータの回転に連動して、下側位置と上側位置との間で変位する。
【0004】
図5は従来のカローセルプレーヤにおける初期化プログラムのフローチャートである。初期化プログラムは、カローセルプレーヤが電源を切(オフ)から入(オン)へ切替えられると、速やかに実施される。S60では、メカセンサの出力に基づいてトラバースがアップ/ダウンの途中の範囲にあるか否か、すなわちローディングモータの回転位置が図4のP2−P3の範囲になっているか否かを判定し、該判定がYESであれば、S61へ進み、NOであれば、S65へ進む。S61では、ローディングモータをダウン方向へ回転させる。これにより、トラバースは、ダウン方向へ移動して、ディスクから離反し、メカセンサの出力が”0”から"1”へ切替わるや、すなわち図2のP2になるや、ローディングモータの回転は中止され、ローディングモータはP2に保持される。この状態は、S62に対応し、すなわち、S61の次にS62へ移行したことを意味し、トラバースはディスクから離反(=DOWN)しており、トレーは格納状態としての閉止位置(CLOSE)にある。S65では、オープンスイッチがオン及びオフのいずれになっているかを判定し、オンと判定されれば、S66へ進み、オフと判定されれば、S73へ進む。S66では、ローディングモータをアップ方向へ回転する。S67では、ローディングモータが回転しないまま所定時間が経過したか(=タイムアウトとなったか)否かを判定し、該判定がYESであれば、S68へ進み、NOであれば、S69へ進む。S68では、すなわちタイムアウトが起きたならば、それは、ローディングモータの回転位置がアップ方向限界としてのP4にあったためであると判断して、ローディングモータの回転位置はP4と判断し、トラバース及びトレーの初期位置について、トラバースは上側位置であり、トレーは開放状態にあるとする。S69では、すなわちタイムアウトが起きなかったならば、ローディングモータの回転位置はP1と判断し、トラバース及びトレーの初期位置について、トラバースは下側位置であり、トレーは開放状態にあるとする。S73は、S60及びS65の判定が共にNOであるとき、すなわち、メカセンサの出力からはローディングモータの回転位置はP1−P2又はP3−P4であると判断され、オープンスイッチの出力からはローディングモータの回転位置はP1及びP4のどちらでもないと判断されるときに実行される。S73では、ローディングモータをアップ方向へ回転させる。そして、その回転によりオープンスイッチがオフからオンへ切替われば、ローディングモータの回転位置はP4にあるとして、S68へ進み、切替わらなければ、S75へ進む。S75では、メカセンサのクローズセンサがオンかオフかを判定し、オンであれば、ローディングモータの回転位置はP2にあると判断して、S62へ進み、オフであれば、S78へ進む。クローズセンサとは、トレーの閉止中にオンとなるセンサであり、メカセンサとは逆の出力をもつものであり、通常は、メカセンサによって代替されるが、メカセンサとは別に設けられてもよい。S78では、すなわち、ローディングモータをアップ方向へ回転させたにもかかわらず、オープンスイッチがオンにならず、かつクローズセンサもオンにならないときとは、トレーに何か挟まったりしたか等の障害が生じたときであり、ローディングモータの回転を中止して、トレー及びトラバース等のメカは待機状態になる。S80では、メカの初期化を終了し、回転テーブルの初期化、すなわち回転テーブルを初期位置へ回転させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のカローセルプレーヤのメカの初期化では、ローディングモータの駆動によりトレーを変位させることが必須であり、トレーの変位に時間を要し、メカの初期化に要する時間か長くなっている。
【0006】
本発明の目的は、トレーを移動することなく、短時間でトレー及びトラバースの初期化を終了させることのできるディスク再生装置及びその制御方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明のディスク再生装置は次のものを有している。
・再生装置本体から引出された開放位置と再生装置本体へ格納された閉止位置とへ切替自在でありかつ複数枚のディスクを収納するトレー
・再生装置本体内の所定位置のディスクに接触する接触位置と該ディスクから離反する離反位置とへ切替自在でありディスクの再生時は接触位置に保持されるトラバース
・トレー及びトラバースを駆動してトレーは開放位置と閉止位置とへ、またトラバースは接触位置と離反位置とへそれぞれ切替える駆動手段
・トレー及びトラバースの位置を検出する検出手段
そして、このディスク再生装置によれば、ディスク再生装置の電源を入から切へ切替えるとき、検出手段により検出した切への切替え直前のトレー及びトラバースの位置に関する情報を不揮発性メモリに記憶しておき、ディスク再生装置の電源を切から入へ切替えたときのトレー及びトラバースの位置(以下、「初期位置」と言う。)は、不揮発性メモリから読出した情報から決定するようになっている。
【0008】
ディスク再生装置には例えばカローセルプレーヤが含まれる。ディスクとは、例えばCDである。ディスク再生装置の電源は、通常、ユーザがディスク再生装置のパワースイッチをオン、オフ操作することにより、入及び切へ切替えられるものである。ディスク再生装置がリモコンを装備している場合には、ディスク再生装置は、電源を切られていても、リモコンから制御信号を受信するために、リモコン信号受信のための別の電源を確保して、受信センサ等へ所定の電力を供給していることがある。ディスク再生装置のトレー及びトラバースを駆動手段により制御するためには、トレー及びトラバースの現在位置の把握が必要になる。したがって、ディスク再生装置の電源入の開始時も、以降のトレー及びトラバースの制御に備え、あらかじめ現在位置を把握しておく必要があり、その処理が初期化として行われる。
【0009】
ディスク再生装置の電源が切である期間では、トレー位置及びトラバース位置は、電源が切にされた時の位置に保持されているので、電源が切から入へ切替わった時点でのトレー位置及びトラバース位置は、不揮発性メモリに記憶してあるトレー位置及びトラバース位置に一致する。したがって、本発明では、ローディングモータを特に作動させなくても、電源が入になった時点でのトレー及びトラバースの初期位置を把握することができる。なお、「ローディングモータを特に作動させなくても」と言う意味は、従来の初期化では、必ず、ローディングモータを作動させていたのに対し、本発明では、不揮発性メモリから読出したトレー位置及びトラバース位置の全部の組合わせに対して、ローディングモータを作動させなくても、よいと言う意味であり、特定の組み合わせでは、ローディングモータを作動させても可とすると言う意味である。
【0010】
第2の発明のディスク再生装置によれば、第1の発明のディスク再生装置において、トレーは、トレー本体と、該トレー本体に回転自在に取り付けられ複数枚のディスクが回転軸線の周りの各位置に載置されるようになっている回転テーブルを有している。不揮発性メモリから読出した情報に基づくトラバースの初期位置が接触位置であるときは、トラバースが接触位置から離反位置へ切替えられるように、駆動手段を駆動させ、それから、回転テーブルの回転位置を初期化するようになっている。
【0011】
カローセルプレーヤ等のディスク再生装置では、ディスク再生装置の電源の切から入への切替え時に、回転テーブルの回転位置を所定位置にする、すなわち回転テーブル上の例えば1番のディスク載置部の所定の回転位置に来させるための回転テーブルの初期化を行う。回転テーブルの初期化を実施するには、回転テーブルは、トレーの閉止位置において回転する必要があるとともに、保管中の全部のディスクを回転テーブルに載せた状態で回転しなければならない。したがって、不揮発性メモリから読出した情報内容が、トラバースの接触位置を示すものであるときには、回転テーブルの初期化の前に、トラバースを離反位置へ切替える必要があり、駆動手段の駆動によりトラバースはその初期位置としての接触位置から離反位置へ切替えられ、その後、回転テーブルの初期化が、支障なく、実施される。
【0012】
第3の発明のディスク再生装置によれば、第2の発明のディスク再生装置において、駆動手段の回転をトレー及びトラバースの変位に変換する動力伝達装置は、駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲では、トレーは閉止位置で、トラバースは接触位置と離反位置との間の中間位置にある。駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲に対して第1の側では、トレーは開放位置で、トラバースは離反位置にある。駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲に対して第1の側とは反対側の第2の側では、トレーは開放位置で、トラバースは接触位置にあるように、設定される。不揮発性メモリから読出した情報に基づくトレーの初期位置が開放位置であるときは、駆動手段を駆動させることなく、直ちに回転テーブルの回転位置を初期化するようになっている。
【0013】
駆動手段の回転をトレー及びトラバースの変位に変換する動力伝達装置は、駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲では、トレーは閉止位置で、トラバースは接触位置と離反位置との間の中間位置にある。駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲に対して第1の側では、トレーは開放位置で、トラバースは離反位置にある。駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲に対して第1の側とは反対側の第2の側では、トレーは開放位置で、トラバースは接触位置にあるように、設定される場合に、不揮発性メモリより読出した情報によるとトレーの初期位置が開放位置であるとき(以下、「Aのとき」と言う。)、トレーは、トラバースから離れているので、トラバースにより回転を阻害されることはない。したがって、Aのときには、駆動手段を駆動することなく、すなわち、トレーを閉止位置へ切替えたり、トラバースを離反位置に切替えたりすることなく、ただちに、回転テーブルの初期化を行って、初期化処理を速やかに終了させることができる。
【0014】
第4の発明のディスク再生装置の制御方法によれば、ディスク再生装置は、再生装置本体から引出された開放位置と再生装置本体へ格納された閉止位置とへ切替自在でありかつ複数枚のディスクを収納するトレー、再生装置本体内の所定位置のディスクに接触する接触位置と該ディスクから離反する離反位置とへ切替自在でありディスクの再生時は接触位置に保持されるトラバース、トレー及びトラバースを駆動してトレーは開放位置と閉止位置とへ、またトラバースは接触位置と離反位置とへそれぞれ切替える駆動手段、並びにトレー及びトラバースの位置を検出する検出手段を有している。このディスク再生装置の制御装置において、ディスク再生装置の電源を入から切へ切替えるとき、検出手段により検出した切への切替え直前のトレー及びトラバースの位置に関する情報を不揮発性メモリに記憶しておき、ディスク再生装置の電源を切から入へ切替えたときのトレー及びトラバースの位置(以下、「初期位置」と言う。)は、不揮発性メモリから読出した情報から決定するようになっている。
【0015】
第5の発明のディスク再生装置の制御方法によれば、第4の発明のディスク再生装置の制御方法において、トレーは、トレー本体と、該トレー本体に回転自在に取り付けられ複数枚のディスクが回転軸線の周りの各位置に載置されるようになっている回転テーブルを有し、不揮発性メモリから読出した情報に基づくトラバースの初期位置が接触位置であるときは、トラバースが接触位置から離反位置へ切替えられるように、駆動手段を駆動させ、それから、回転テーブルの回転位置を初期化するようになっている。
【0016】
第6の発明のディスク再生装置の制御方法によれば、第5の発明のディスク再生装置の制御方法において、駆動手段の回転をトレー及びトラバースの変位に変換する動力伝達装置は、駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲では、トレーは閉止位置で、トラバースは接触位置と離反位置との間の中間位置にある。駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲に対して第1の側では、トレーは開放位置で、トラバースは離反位置にある。駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲に対して第1の側とは反対側の第2の側では、トレーは開放位置で、トラバースは接触位置にあるように、設定される。不揮発性メモリから読出した情報に基づくトレーの初期位置が開放位置であるときは、駆動手段を駆動させることなく、直ちに回転テーブルの回転位置を初期化するようになっている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1はカローセルプレーヤ10の主要部の概略ブロック図である。図4に関連して前述している説明と重複するが、カローセルプレーヤ10は、プレーヤ本体に対して水平方向へ変位してプレーヤ本体から引出し及びプレーヤ本体内へ格納されるトレー(図示せず)、及び該トレー上に鉛直方向の所定の回転軸線の周りに回転自在に支持され複数枚(例:5枚)のディスク(例:CD)を円周方向へ等角度間隔の配列で載置自在になっている回転テーブルを有している。回転テーブルは、各CD載置位置に半径方向外側へ開口しかつトラバースを通過させ得るU字形の切欠きをもっている。CDを再生するトラバースは、鉛直方向へ変位自在であり、上側位置では、トレーが閉止位置にあるときに奥の所定位置にあるCDに対してその中央部に圧着して、該CDを回転テーブルから浮かしつつ、回転させて、再生し、下側位置では、回転テーブルから離反するようになっている。メカ部11には、メカセンサ12、動力伝達装置を介してトレー及びトラバースを制御するローディングモータ13、並びに回転テーブルを回転させるロータリモータ14が装備される。メカセンサ12の出力とローディングモータ13の回転位置との関係は前述の図4で説明したとおりである。システムマイコン17は、メカセンサ12の検出値を入力され、ローディングモータ13及びロータリモータ14へ制御信号を出力する。不揮発性メモリ18は、EEPROM(ErectricallyErasable Programable Read Only−Memory:電気消去可能プログラムROM)から成り、システムマイコン17によりデータを書込み及び読出し自在であり、カローセルプレーヤ10の電源切時も、データを記憶保持可能になっている。
【0018】
図2はカローセルプレーヤ10の電源が切にされる直前に実施されるプログラムのフローチャートである。該プログラムは、ユーザ操作等によりカローセルプレーヤ10の電源を入から切へ切替えようとするとき、実行される。S30では、トラバースが上側位置(UP)及び下側位置(DOWN)のいずれにあるか、トレーがプレーヤ本体からの引出された状態としての開放状態(OPEN)及びプレーヤ本体へ格納された状態としての閉止状態(CLOSE)のいずれの状態にあるかをメカセンサ12の出力から検出して、それら情報を不揮発性メモリ18に書込む。また、システムマイコン17は、自らがトラバースを上下動させているので、トラバースが現在、上側位置及び下側位置のいずれにあるかを認知しており、この認知に基づいてトラバースが現在、上側位置及び下側位置のいずれにあるかを検出することができる。トレーが開放状態及び閉止状態のいずれであるかはメカセンサ12の出力から検出できる。S30の実施後に、S31が実施され、カローセルプレーヤ10の電源は切へ切替えられる。カローセルプレーヤ10の電源の切期間では、メカセンサ12は停止しているので、電源切の期間に、トレーやトラバースの位置が変化することはない。なお、カローセルプレーヤ10は、電源切の期間も、リモコンからの例えば電源入信号を受信して、それを実行するため、リモコンからのユーザ指示を受信するセンサ等は、所定の電源からの電力供給を維持されて、作動を継続する。
【0019】
図3はカローセルプレーヤ10の電源が切から入へ切替えられるのに伴い実施されるプログラムのフローチャートである。S40では、図2のS30において不揮発性メモリ18に記憶しておいたトレー及びトラバースの位置の情報が不揮発性メモリ18から読出される。これにより、システムマイコン17は、カローセルプレーヤ10の電源入開始時のトレー及びトラバースの現在位置を把握でき、以降のユーザ指示に対するトレー及びトラバースの位置制御では該把握位置に基づいてローディングモータ13を正しい回転方向へ回転駆動することができる。S41では、S40において読出した情報に基づいてトレーが開放状態(全開状態だけでなく、全開に至らない部分的な開放状態も含む。)にあるか否かを判定し、該判定がYESであれば、S49へ進み、NOであれば、S42へ進む。S41の判定がYESであるとき、S47へ進むことなく、直ちにS49へ進んで、回転テーブルを初期化する理由は、トレーが開放状態であれば、回転テーブルは、トラバースから離れていて、トラバースに阻害されることなく、回転が可能であり、すなわち、回転テーブルの初期化が可能であるからである。S42では、S40において読出した情報に基づいてトレーが閉止状態にあるか否かを判定し、該判定がYESであれば、S47へ進み、NOであれば、S43へ進む。S43は、S41及びS42の判定からはトレーが開放状態でも閉止状態でもないと言う矛盾した状況において実施されるものであり、このような状況は考えられず、したがって、ディスクが引っ掛かっている等、なんらかの支障が生じているものと判断し、メカ部11の作動は、中止され、待機状態にされる。S47では、トラバースが下側位置(DOWN)にあるか否かを判定し、該判定がYESであれば、S49へ進み、NOであれば、S48へ進む。S48では、トラバースが下側位置になるように、ローディングモータ13を回転させる。ローディングモータ13の作動によりトラバースが下側位置へ切替えられたか否かはメカセンサ12の出力が”0”から”1”に切替わったこと、すなわちローディングモータ13の回転位置がP2となったことから検出できる。カローセルプレーヤ10の電源入の開始時には、メカ部11の初期化と共に回転テーブルの初期化も必要となる。回転テーブルの初期化には、トレーへ収納中の全ディスクを回転テーブルに載せて、回転させて、収納番号1のディスク載置部が所定の回転位置になるように、回転テーブルを回転させる必要がある。したがって、トラバースがディスクを圧着中であれば、該ディスクの圧着を解除して、該ディスクを回転テーブルへ戻し、かつ回転テーブルから離反する必要がある。このために、S48が実施される。S49では、メカ部11の初期化は終了したと判断し、また、ロータリモータ14を作動させて、回転テーブル上の格納番号1のディスク載置部が所定回転位置となるようにする。回転テーブル上の格納番号1のディスク載置部が所定回転位置となったか否かは、図示していない回転センサにより検出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】カローセルプレーヤの主要部の概略ブロック図である。
【図2】カローセルプレーヤの電源が切にされる直前に実施されるプログラムのフローチャートである。
【図3】カローセルプレーヤの電源が切から入へ切替えられるのに伴い実施されるプログラムのフローチャートである。
【図4】カローセルプレーヤにおけるローディングモータの回転位置とメカセンサの出力等との関係を示す図である。
【図5】従来のカローセルプレーヤにおける初期化プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
10 カローセルプレーヤ(ディスク再生装置)
11 メカ部
13 ローディングモータ(駆動手段)
14 ロータリモータ
Claims (4)
- 再生装置本体から引出された開放位置と前記再生装置本体へ格納された閉止位置とへ切替自在でありかつ複数枚のディスクを収納するトレー、
前記再生装置本体内の所定位置のディスクに接触する接触位置と該ディスクから離反する離反位置とへ切替自在でありディスクの再生時は接触位置に保持されるトラバース、
前記トレー及び前記トラバースを駆動して前記トレーは開放位置と閉止位置とへ、また前記トラバースは接触位置と離反位置とへそれぞれ切替える駆動手段、
前記トレー及び前記トラバースの位置を検出する検出手段、
前記ディスク再生装置の電源を入から切へ切替えるとき、前記検出手段により検出した切への切替え直前の前記トレー及び前記トラバースの位置に関する情報を記憶する不揮発性メモリ、
前記ディスク再生装置の電源を切から入へ切替えたときの前記トレー及び前記トラバースの位置(以下、「初期位置」と言う。)を、前記不揮発性メモリから読出した前記情報から決定する決定手段、
を有し、
前記トレーは、トレー本体と、該トレー本体に回転自在に取り付けられ複数枚のディスクが回転軸線の周りの各位置に載置されるようになっている回転テーブルを有し、
前記駆動手段の回転を前記トレー及び前記トラバースの変位に変換する動力伝達装置は、
前記駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲では、前記トレーは閉止位置で、前記トラバースは接触位置と離反位置との間の中間位置にあり、
前記駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲に対して第1の側では、前記トレーは開放位置で、前記トラバースは離反位置にあり、
前記駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲に対して前記第1の側とは反対側の第2の側では、前記トレーは開放位置で、前記トラバースは接触位置にあるように、前記トレー及び前記トラバースを設定するものであり、
前記不揮発性メモリから読出した情報に基づく前記トレーの初期位置が開放位置であるときは、前記駆動手段を駆動させることなく、直ちに前記回転テーブルの回転位置を初期化するようになっていることを特徴とするディスク再生装置。 - 再生装置本体から引出された開放位置と前記再生装置本体へ格納された閉止位置とへ切替自在でありかつ複数枚のディスクを収納するトレー、
前記再生装置本体内の所定位置のディスクに接触する接触位置と該ディスクから離反する離反位置とへ切替自在でありディスクの再生時は接触位置に保持されるトラバース、
前記トレー及び前記トラバースを駆動して前記トレーは開放位置と閉止位置とへ、また前記トラバースは接触位置と離反位置とへそれぞれ切替える駆動手段、
前記トレー及び前記トラバースの位置を検出する検出手段、
前記ディスク再生装置の電源を入から切へ切替えるとき、前記検出手段により検出した切への切替え直前の前記トレー及び前記トラバースの位置に関する情報を記憶する不揮発性メモリ、
前記ディスク再生装置の電源を切から入へ切替えたときの前記トレー及び前記トラバースの位置(以下、「初期位置」と言う。)を、前記不揮発性メモリから読出した前記情報から決定する決定手段、
を有し、
前記トレーは、トレー本体と、該トレー本体に回転自在に取り付けられ複数枚のディスクが回転軸線の周りの各位置に載置されるようになっている回転テーブルを有し、
前記不揮発性メモリから読出した情報に基づく前記トラバースの初期位置が接触位置であるときは、前記トラバースが接触位置から離反位置へ切替えられるように、前記駆動手段を駆動させてから、前記回転テーブルの回転位置を初期化するようになっており、
前記駆動手段の回転を前記トレー及び前記トラバースの変位に変換する動力伝達装置は、
前記駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲では、前記トレーは閉止位置で、前記トラバースは接触位置と離反位置との間の中間位置にあり、
前記駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲に対して第1の側では、前記トレーは開放位置で、前記トラバースは離反位置にあり、
前記駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲に対して前記第1の側とは反対側の第2の側では、前記トレーは開放位置で、前記トラバースは接触位置にあるように、前記トレー及び前記トラバースを設定するものであり、
前記不揮発性メモリから読出した情報に基づく前記トレーの初期位置が開放位置であるときは、前記駆動手段を駆動させることなく、直ちに前記回転テーブルの回転位置を初期化するようになっていることを特徴とするディスク再生装置。 - ディスク再生装置が、
再生装置本体から引出された開放位置と前記再生装置本体へ格納された閉止位置とへ切替自在でありかつ複数枚のディスクを収納するトレー、
前記再生装置本体内の所定位置のディスクに接触する接触位置と該ディスクから離反する離反位置とへ切替自在でありディスクの再生時は接触位置に保持されるトラバース、
前記トレー及び前記トラバースを駆動して前記トレーは開放位置と閉止位置とへ、また前記トラバースは接触位置と離反位置とへそれぞれ切替える駆動手段、並びに
前記トレー及び前記トラバースの位置を検出する検出手段、
を有し、
前記トレーが、トレー本体と、該トレー本体に回転自在に取り付けられ複数枚のディスクが回転軸線の周りの各位置に載置されるようになっている回転テーブルを有し、
前記駆動手段の回転を前記トレー及び前記トラバースの変位に変換する動力伝達装置は、
前記駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲では、前記トレーは閉止位置で、前記トラバースは接触位置と離反位置との間の中間位置にあり、
前記駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲に対して第1の側では、前記トレーは開放位置で、前記トラバースは離反位置にあり、
前記駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲に対して前記第1の側とは反対側の第2の側では、前記トレーは開放位置で、前記トラバースは接触位置にあるように、前記トレー及び前記トラバースを設定するものであり、
前記ディスク再生装置の制御方法において、
前記ディスク再生装置の電源を入から切へ切替えるとき、前記検出手段により検出した切への切替え直前の前記トレー及び前記トラバースの位置に関する情報を不揮発性メモリに記憶し、
前記ディスク再生装置の電源を切から入へ切替えたときの前記トレー及び前記トラバースの位置(以下、「初期位置」と言う。)は、前記不揮発性メモリから読出した前記情報から決定し、
前記不揮発性メモリから読出した情報に基づく前記トレーの初期位置が開放位置であるときは、前記駆動手段を駆動させることなく、直ちに前記回転テーブルの回転位置を初期化することを特徴とするディスク再生装置の制御方法。 - ディスク再生装置が、
再生装置本体から引出された開放位置と前記再生装置本体へ格納された閉止位置とへ切替自在でありかつ複数枚のディスクを収納するトレー、
前記再生装置本体内の所定位置のディスクに接触する接触位置と該ディスクから離反する離反位置とへ切替自在でありディスクの再生時は接触位置に保持されるトラバース、
前記トレー及び前記トラバースを駆動して前記トレーは開放位置と閉止位置とへ、また前記トラバースは接触位置と離反位置とへそれぞれ切替える駆動手段、並びに
前記トレー及び前記トラバースの位置を検出する検出手段、
を有し、
前記トレーが、トレー本体と、該トレー本体に回転自在に取り付けられ複数枚のディスクが回転軸線の周りの各位置に載置されるようになっている回転テーブルを有し、
前記駆動手段の回転を前記トレー及び前記トラバースの変位に変換する動力伝達装置は、
前記駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲では、前記トレーは閉止位置で、前記トラバースは接触位置と離反位置との間の中間位置にあり、
前記駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲に対して第1の側では、前記トレーは開放位置で、前記トラバースは離反位置にあり、
前記駆動手段の回転範囲の中央の所定回転範囲に対して前記第1の側とは反対側の第2の側では、前記トレーは開放位置で、前記トラバースは接触位置にあるように、前記トレー及び前記トラバースを設定するものであり、
前記ディスク再生装置の制御方法において、
前記ディスク再生装置の電源を入から切へ切替えるとき、前記検出手段により検出した切への切替え直前の前記トレー及び前記トラバースの位置に関する情報を不揮発性メモリに記憶し、
前記不揮発性メモリから読出した情報に基づく前記トラバースの初期位置が接触位置であるときは、前記トラバースが接触位置から離反位置へ切替えられるように、前記駆動手段を駆動させてから、前記回転テーブルの回転位置を初期化し、
前記ディスク再生装置の電源を切から入へ切替えたときの前記トレー及び前記トラバースの位置(以下、「初期位置」と言う。)は、前記不揮発性メモリから読出した前記情報から決定し、
前記不揮発性メモリから読出した情報に基づく前記トレーの初期位置が開放位置であるときは、前記駆動手段を駆動させることなく、直ちに前記回転テーブルの回転位置を初期化することを特徴とするディスク再生装置の制御方法。
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