JP3673259B2 - 餅様食品素材の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業の属する技術分野】
本発明は、求肥のような餅様の食感等の物性を有する和風の食品素材の製造方法に関し、特に蒸練を必要とせず、単に焼成することのみによりこれらを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
食品の多様化に伴い、コンニャクゼリー、パイ生地に餡を入れたパイ饅頭、中華饅にピザのフィリングを入れたピザ饅やキムチをいれた中華饅頭など、それぞれの食品の本来の形からは考え難い、従来の固定観念にとらわれない新規な食品が開発されている。
餅は古来より親しまれている食品の一つであり、もち米の風味を澱粉で代替する場合も、前記従来の技術においては、加熱工程で澱粉の十分な糊化を達成するために蒸練という面倒な工程と、そのための特別な装置(蒸練機)と設備を必要とするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、従来の技術において求肥のような餅生地の製造にあたり必須とされていた蒸練を必要とせず、単に生地を焼成することのみにより求肥のような餅様の食感等の物性を有する和風の食品素材を製造する方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、その構成として以下の技術的手段を採用するものである。すなわち、本発明は、少なくとも、主成分とする加工澱粉に穀粉を加えた原料粉からなる原料の液状生地を作成し焼成することを特徴とする求肥様食品素材の製造方法を要旨としている。
【0005】
また、本発明は、上記の加工澱粉がタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉および米澱粉のうちから任意に選択された一種類のまたは二種類以上の加工澱粉とするものであり、その場合、本発明は、少なくとも、主成分とするタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉および米澱粉のうちから任意に選択された一種類のまたは二種類以上の加工澱粉に穀粉を加えた原料粉からなる原料の液状生地を作成し焼成することを特徴とする求肥様食品素材の製造方法である。
【0006】
また、本発明は、前記穀粉が糯米粉および/または粳米粉であり、その場合、本発明は、少なくとも、主成分とする加工澱粉、より具体的にはタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉および米澱粉のうちから任意に選択された一種類のまたは二種類以上の加工澱粉に、糯米粉および/または粳米粉を加えた原料粉からなる原料の液状生地を作成し焼成することを特徴とする求肥様食品素材の製造方法である。
【0007】
また、本発明は、穀粉を加工澱粉に対し1〜50%、好ましくは10〜30%加えたものであり、その場合、本発明は、少なくとも、主成分とする加工澱粉、より具体的にはタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉および米澱粉のうちから任意に選択された一種類のまたは二種類以上の加工澱粉に、穀粉、より好適には糯米粉および/または粳米粉を、加工澱粉に対し1〜50%、好ましくは10〜30%加えた原料粉からなる原料の液状生地を作成し焼成することを特徴とする求肥様食品素材の製造方法である。
【0008】
また、本発明は、上記の原料が糖類を加えたものであり、好ましくは加工澱粉に対し200〜350%加えたものであり、その場合、本発明は、少なくとも、主成分とする加工澱粉、より具体的にはタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉および米澱粉のうちから任意に選択された一種類のまたは二種類以上の加工澱粉に、穀粉、より好適には糯米粉および/または粳米粉を加え、好ましくは加工澱粉に対し1〜50%、より好ましくは10〜30%加え、さらに糖類を加えた、好ましくは加工澱粉に対し200〜350%加えた原料の液状生地を作成し焼成することを特徴とする求肥様食品素材の製造方法である。
【0009】
また、本発明は、水を加工澱粉に対し200〜400%使用して原料を液状生地にするというものであり、その場合、本発明は、少なくとも、主成分とする加工澱粉、より具体的にはタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉および米澱粉のうちから任意に選択された一種類のまたは二種類以上の加工澱粉に、穀粉、より好適には糯米粉および/または粳米粉を加えた、好ましくは加工澱粉に対し1〜50%、より好ましくは10〜30%加えた、必要に応じさらに糖類を加えた、好ましくは加工澱粉に対し200〜350%加えた原料の液状生地を、水を加工澱粉に対し200〜400%使用して作成し焼成することを特徴とする求肥様食品素材の製造方法である。
【0010】
また、本発明は、前記液状生地、好ましくは比重0.90〜1.50とした液状生地を薄く敷いてから、必要により凹状の焼成型に薄く敷いてから焼成するというものであり、その場合、本発明は、少なくとも、主成分とする加工澱粉、より具体的にはタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉および米澱粉のうちから任意に選択された一種類のまたは二種類以上の加工澱粉に、穀粉、より好適には糯米粉および/または粳米粉を加えた、好ましくは加工澱粉に対し1〜50%、より好ましくは10〜30%加えた、必要に応じさらに糖類を加えた、好ましくは加工澱粉に対し200〜350%加えた原料の液状生地を、好ましくは水を加工澱粉に対し200〜400%使用して作成し、該液状生地、好ましくは比重0.90〜1.50とした液状生地を薄く敷いてから、必要により凹状の焼成型に薄く敷いてから焼成することを特徴とする求肥様食品素材の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
1.本発明は、少なくとも加工澱粉を主成分とする原料粉および水からなる原料を混合して液状生地を作成し、該液状生地を焼成することからなる求肥様食品素材の製造方法に関する。
まず、求肥様食品素材の「液状生地」は、少なくとも加工澱粉を主成分とする原料粉および水を混合して作成するものであり、少なくとも該生地を焼成型等に入れて該焼成型等の底面を前後左右にわずかに傾斜すれば容易に下方に流れて焼成型等の底面を万遍なく覆う程度の流動性を有する性状の生地であればよい。これに対し、バタークリームやホイップクリームのようなクリーム状やペースト状の生地は液状生地とは言えない。
また、該液状生地の「原料」は、少なくとも加工澱粉を主成分とする原料粉、すなわち加工澱粉が2/3以上となる原料粉からなるものである。加工澱粉以外の原料粉としては、後述するとおり、糯米粉等の穀粉の使用が可能であり、かつ望ましい。
【0012】
次に、加工澱粉用の「澱粉」としては、具体的には、例えばタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、糯米澱粉および粳米澱粉が本発明の求肥様食品素材の適当な食感等の物性(柔らかさ、伸展性および弾力性等)を実現するために望ましい澱粉として挙げることができる。これ以外の小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、芋澱粉その他の澱粉は、これらのみを使用したとしても本発明の求肥様食品素材の適当な食感等の物性を実現することができないが、求肥様食品素材の物性を調整するため前記望ましい澱粉に加えて一部使用をすることも可能である。
【0013】
また、加工澱粉の「加工」方法としては、エーテル化、エステル化、架橋、エーテル化またはエステル化処理に架橋処理を組み合わせたもの、さらにこれらの処理にα化処理を組み合わせたものを採用することができる。
これら加工澱粉の中のエーテル化澱粉、エステル化澱粉は、澱粉にエーテル結合又はエステル結合で官能基を付加した澱粉で、具体的にはヒドロキシプロピル澱粉、カルボキシメチル澱粉、アセチル澱粉、リン酸澱粉、コハク酸澱粉、オクテニルコハク酸澱粉などが挙げられる。官能基を付加した程度は、一般に置換度(澱粉の無水グルコース残基当たりの官能基のモル数で表す)で表され、本発明では置換度0.02〜0.2のエーテル化澱粉、エステル化澱粉が好適に使用される。さらにはエーテル化架橋澱粉、エステル化架橋澱粉がより好適に使用される。
【0014】
さらに、液状生地を作成するための原料の「混合」は、原料を十分に撹拌して均一に混合することであり、パン生地を作成するときの「混捏」(延ばしたり、叩きつけたりする作用)や、従来の技術における餅生地を作成するときの蒸練における「練る」作用は、本発明の液状生地を作成するための混合とは相容れないものである。また、該本発明の「混合」は、極力、ホイップ等して液状生地に気泡が混在しないようにすることが望ましい。液状生地に気泡が混在すると、焼成後の求肥様食品素材が白濁して透明性に劣り、また内相に気泡が生じ、これにより表皮が凸凹し、さらに求肥様の食感等の物性が損なわれるおそれがある。
同様に、液体生地を作成するための原料としては、液卵、起泡剤等のように混合ホイップによって液状生地中に気泡が生成し易い原料を使用することは望ましくない。
【0015】
「焼成」は、液状生地が求肥様の食感等の物性を達成するまで、かつその表皮があまり硬くならないような、温度、時間等の条件で焼くことが望ましい。
かくして、少なくとも加工澱粉を主成分とする原料粉および水からなる原料を混合して液状生地を作成し、該液状生地を焼成することにより、求肥のような求肥様の食感等の物性(柔らかく、伸展性、粘着性および弾力性等)を有する本発明の求肥様食品素材を製造することができるようになる。
【0016】
2.また、本発明は、前記加工澱粉としてタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、米澱粉(糯米澱粉、粳米澱粉)のうちから任意に選択した一種類の澱粉または二種類以上の澱粉の組み合わせを使用することを望ましいとするものである。
これらの澱粉は、どれを選択して使用するか、どれとどれを組み合わせて使用するか、またはどれを主体として他のどれを組み合わせて使用するかにより焼成後の求肥様食品素材の食感等の物性に当然に影響を与える。例えば、加工澱粉としてのタピオカ澱粉は求肥様食品素材の求肥様の柔らかさ、伸展性(伸び)、粘着性および弾力性を達成するために最適であると言える。タピオカ澱粉のみを、またはそれを主体として使用すれば非常に柔らかく、伸展性、粘着性および弾力性の高い物性となる。
【0017】
これに対し、米澱粉、特に糯米澱粉のみを、またはそれを主体として使用すれば、短時間の焼成条件では液状生地の水分蒸発が遅いため比較的粘着性の高い物性となり、これに対し長時間の焼成条件では液状生地は比較的硬い物性となり、伸展性と粘着性の小さい物性となる。
しかし、これらの澱粉のうちいずれかの一種類を使用し、または二種類以上の組み合わせを使用することにより、本発明の求肥様食品素材の適当な食感等の物性を実現することができるようになる。
【0018】
3.また、本発明は、前記液状生地の原料粉として穀粉を加えることを望ましいとするものである。
「穀粉」は、例えば、米粉(糯米粉、粳米粉)、コーンフラワー、小麦粉、ライ麦粉、ソバ粉、大豆粉、その他の通常市販等されて一般的に流通している穀粉を使用することができる。その粒度は加工澱粉のそれと同様とすることが望ましい。
加工澱粉のみを使用して焼成した求肥様食品素材は、特に加工澱粉がタピオカ澱粉であるときには著しく、焼成後の求肥様食品素材の組織中に気泡が発生してその表面が凸凹となって滑らかさを欠くようになるため、外観が悪く、また口当たりがザラザラしたものとなるおそれがあるが、穀粉を加えることにより、この気泡の発生を防止することができるようにする。
また、加工澱粉としてタピオカ澱粉のみを使用すると、求肥様食品素材は過度に柔らかく、伸展性と粘着性の高い物性となり、特に焼成後の時間的経過によりこれらの性質が著しくなるため(このとき求肥様食品素材を両手に持って引っ張るとビョーンと伸び、また指にも付着する)加工適性に劣るとか、食べにくいとか、食感に餅生地とは異なる違和感を感じるとかが生じるおそれがある。そこでタピオカ澱粉に穀粉を組み合わせて使用し、穀粉が求肥様食品素材の物性を硬めに調整することにより、タピオカ澱粉に由来する過度の柔らかさ、伸展性と粘着性を緩和し、または抑制することができるようになる。
【0019】
4.この際、穀粉を加工澱粉に対し1〜50%加えることが望ましい。穀粉の添加量が少な過ぎると、焼成後の求肥様食品素材の組織中に気泡の発生を防止することができず、これに対し、穀粉の添加量が多過ぎると、焼成後の求肥様食品素材が硬くなり、好ましい求肥様の柔らかさ、伸展性、粘着性および弾力性を欠くようになる。従って、焼成後の求肥様食品素材の組織中に気泡の発生を防止しながら、その最適な求肥様の柔らかさ、伸展性、粘着性および弾力性を確実に達成するためには、穀粉を加工澱粉に対し1〜50%加えることが望ましい。さらには、穀粉を加工澱粉に対し10〜30%加えることがより一層望ましい。
そして、本発明の穀粉としては糯米粉をおよび/または粳米粉を使用することが前記穀粉を加える目的を確実に実現できるため望ましい。
【0020】
5.また、本発明は、前記液状生地の原料として糖類を加えることを望ましいとするものである。
本発明では、糖類は、焼成後の求肥様食品素材の求肥様の食感等の物性を維持しつつ、澱粉生地特有の澱粉臭を極力消すため、甘味を付与するため、および求肥様食品素材の粘度調整のために添加する。
ここで糖類としては、グラニュー糖、上白糖、転化糖等の各種砂糖類、ブドウ糖、果糖、異性化液糖、水飴、麦芽糖、乳糖、各種糖アルコール類、マルトース、トレハロース、アスパルテーム、各種オリゴ糖、蜂蜜、その他の糖類のうちから任意に選択される一種類の糖類または二種類以上の糖類の組み合わせを使用することができる。なお、求肥のような柔らかいもちもち感が損なわれないよう維持するには糖類の一部として水飴を使用することが一層望ましく、特に水飴を糖類中10〜40%使用することがより一層望ましい。
【0021】
6.この際、糖類を加工澱粉に対し200〜350%使用することが望ましい。糖類の添加量が少なすぎると、焼成後の求肥様食品素材の澱粉臭が強く残り、また甘味が不足し、粘着性が強くなる。これに対し、糖類の添加量が多過ぎると、焼成後の求肥様食品素材は甘味過多となり、表面に糖分が結晶化して表出し、あたかも砂糖を振りかけたような状態となるため、ザラザラした食感等の物性となる。従って、糖類は加工澱粉に対し200〜350%使用することが望ましい。
【0022】
7.また、本発明は、水を加工澱粉に対し200〜400%使用することを望ましいとするものである。本発明では、水の添加量は、糖類の添加量いかんに応じて可変的であり、糖類の添加量が少ないと水の添加量が多くなり、これに対し、糖類の添加量が多いと水の添加量が少なくなるという関係にある。従って、望ましい糖類の添加量が上述したとおりであることから、水は加工澱粉に対し200〜400%使用することが望ましいと言えよう。
かくして、求肥のような求肥様の食感等の物性(柔らかく、伸展性、粘着性および弾力性等)を有する本発明の求肥様食品素材を製造することができるようになる。
また、本発明では、求肥様食品素材の液状生地を作成するにあたり、油脂を添加すること、好ましくは液状油脂を添加することが望ましい。求肥様食品素材および液状生地は粘着性が強いため、焼成後に求肥様食品素材を伸ばして薄くしたり、付着させたりすることなく、コンベア、天板(展板)、焼成型等から剥離することは容易でない。しかし、液状生地に油脂、好ましくは液状油脂を添加することによりこの剥離が容易となる。
【0023】
油脂は、本発明の求肥様食品素材の求肥様の食感等の物性へ影響しない範囲で使用することができる。油脂としては、菜種油、大豆油、ひまわり油、コーン油、オリーブ油、サフラワー油、綿実油、米油など、食用の植物性油脂または動物性油脂があげられる。
油脂の添加量は、液状生地に対し0.50%以上添加することが望ましく、さらには0.75%以上添加することがより一層望ましい。これに対し、油脂の添加量の上限は焼成後の求肥様食品素材の求肥様の食感等の物性への影響を考慮して定めることになるが、1%以下添加することが望ましい。
また、本発明では、前記油脂の添加に加え、求肥様食品素材の液状生地を焼成するにあたり、シリコン加工を施したパーチ紙(シリコンパーチ)をシリコン加工を施した面を液状生地に接触する側として使用することが望ましい。これにより、液状生地に油脂を添加するだけのときよりもさらに一層剥離性を改善することができる。
また、本発明は、前記液状生地を薄く敷いて焼成することを望ましいとするものである。これにより、容易にかつ確実に本発明の目的とする求肥様食品素材を製造することができるようになる。
【0024】
8.また、本発明は、前記液状生地を作成し、該液状生地を薄く敷き、例えば該液状生地を凹状の焼成型に薄く敷き、その上に別に作成したスポンジケーキ生地を薄く載せて層状にし、同時に焼成することからなる、求肥様食品素材とスポンジケーキからなる菓子類の製造方法に関するものでもある。
「スポンジケーキ」とは、広く液卵の気泡性を利用するケーキ一般、すなわち液卵を含む、小麦粉、油脂、糖類、水等からなる原料を撹拌して泡立てることにより液卵が抱き込んだ無数の小さな気泡が焼成時の加熱によって膨張して、スポンジ状に膨張したケーキを意味する。また、広く化学膨張剤のガス発生を利用するケーキ一般、すなわち化学膨張剤を含む、小麦粉、油脂、糖類、水等からなる原料を撹拌した生地中の化学膨張剤が焼成時の加熱によるガス発生によって膨張して、スポンジ状に膨張したケーキをも意味する。さらに、これらの両者の性質を併せ持つケーキをも意味する。
【0025】
ここで求肥様食品素材の液状生地とスポンジケーキ生地とを使用する割合であるが、液状生地に対しスポンジケーキ生地を80〜120%使用することが望ましい。
スポンジケーキ生地が少な過ぎると、液状生地の上にスポンジケーキ生地を載せたときに、液状生地上にスポンジケーキ生地が万遍なく一様に広がらず、特に液状生地の周縁付近までスポンジケーキ生地が行き渡らないおそれがあるため、焼成後の製品が綺麗な二層状に焼き上がらないおそれがある。また、スポンジケーキの味、食感等に欠けるおそれがあるがため、両者のバランスを失するおそれがある。さらに、焼成後の製品のボリュームが劣るおそれがある。
これに対し、スポンジケーキ生地が多過ぎると、液状生地の上にスポンジケーキ生地を載せたときに、液状生地の所々で液状生地中にスポンジケーキ生地が陥没し、焼成後の製品では求肥様食品素材の表面にスポンジケーキが現れたり、染み出たりするおそれがある。また、スポンジケーキのボリュームが過多となり、また両者の味、食感等のバランスを失するおそれがある。
従って、液状生地に対しスポンジケーキ生地を80%〜120%使用することが望ましい。
【0026】
さらには、液状生地に対しスポンジケーキ生地を90%〜110%使用することがより一層望ましい。より確実に、液状生地上にスポンジケーキ生地が万遍なく一様に広がってその周縁まで行き渡り、求肥様食品素材の表面にスポンジケーキが現れたり、染み出たりすることがなく、焼成後の製品が綺麗な二層状に焼き上がり、両者のボリュームや味、食感等のバランスがとれている製品を容易に得ることができる。この目的を最も良好に確実に実現するためには、液状生地に対しスポンジケーキ生地を100%前後使用することである。
【0027】
9.また、本発明は、前記液状生地を作成しておいて、スポンジケーキ生地により太線で任意形状の輪郭を描き、またはスポンジケーキ生地により任意の間隔を設けてほぼ平行に二本の太線を連続して引き、該太線の内側に前記液状生地を薄く敷き、さらにその上にスポンジケーキ生地を薄く載せて層状にし、同時に焼成することからなる求肥様食品素材とスポンジケーキからなる菓子類の製造方法に関するものである。
この場合、凹状の焼成型を使用することなく任意形状の前記菓子類を製造することができ、特に後者では、求肥様食品素材の液状生地は幅広のシート状に連続して得られるため、その上に別に作成したスポンジケーキ生地を連続して薄く載せて、連続した層状にし同時に焼成したものは、適当な大きさにカットして、そのまま、あるいはさらに焼成したスポンジケーキ面に任意のトッピングをほどこし、例えば必要に応じてトッピングが内側になるように折り畳んでサンドケーキにしたり、巻き込み成形してロール状にしてロールケーキにすることができる。
【0028】
10.また、本発明は、前記求肥様食品素材の液状生地の比重を0.90〜1.50とすること、さらには1.00〜1.20とすることを望ましいとするものである。
【0029】
11.また、本発明は、前記スポンジケーキ生地の比重を0.55〜0.65とすることを望ましいとするものである。
スポンジケーキ生地の比重が軽過ぎる(例えば、0.4〜0.5)と、前記求肥様食品素材の液状生地との結着性(結合性)が悪くなり、これに対し、スポンジケーキ生地の比重が重過ぎる(0.7〜0.8)と、焼成後のスポンジケーキのいわゆる浮きが小さいため、クラムの気泡も小さくてソフト感に劣り、ボリュームも小さくなり易い。
また、スポンジケーキ生地の比重を0.55〜0.65とすることにより、スポンジケーキ生地を液状生地が薄く敷かれた焼成型へ充填したときに、充填箇所に留まって下の液状生地を陥没させたり、貫通したりすることなく、直ぐに焼成型内に万遍なく伸びていくように、スポンジケーキ生地に伸展性を付与することがより確実にできるようになる。
【0030】
【実施例】
本発明の詳細を実施例で説明する。本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0031】
実施例1
《原料》
▲1▼加工澱粉(エーテル化架橋タピオカ澱粉) 100.0(質量%)
▲2▼糯米粉 17.5
▲3▼上白糖 235.0
▲4▼水飴 70.0
▲5▼油脂(植物性サラダ油。液状) 6.0
▲6▼水 350.0
《工程》
(1)上記▲1▼ないし▲3▼をビーターで混合する(該混合物▲7▼)
(2)上記▲4▼および▲5▼を上記▲6▼に溶かす(該溶解物▲8▼)
(3)上記▲7▼及び▲8▼をビーターで混合する(ホイップしない)、液状生地(比重:1.00)ができあがる(該液状生地▲9▼)
(4)凹状焼成型に剥離性シリコンを塗布加工したグラシン紙を該シリコン面を上にして敷く。
(5)上記▲9▼(100g)を薄く敷く。
(6)焼成(180℃、約20分間)
《結果》
食感:香、味、柔らかなももちもち感があり求肥の食感が得られた。
また、求肥のような伸展性、粘着性および弾力性のある物性が得られた。特に加工澱粉の素材としてタピオカ澱粉を用いたのでこれらの性質が著しいものであった。
外観:白濁のない滑らかな表面を有していた。
【0032】
実施例2
《原料》
▲1▼加工澱粉(エーテル化架橋馬鈴薯澱粉) 100.0(質量%)
▲2▼糯米粉 20.0
▲3▼上白糖 200.0
▲4▼水飴 70.0
▲5▼油脂(植物性サラダ油。液状) 6.0
▲6▼水 350.0
《工程》
上記の実施例1とほぼ同様。
《結果》
食感:香、味、柔らかなももちもち感があり求肥の食感が得られた。求肥様の伸展性、粘着性及び弾力性が得られた。しかし、加工澱粉の素材として馬鈴薯澱粉を用いたのでタピオカ澱粉を使用したときと比較してこれらの性質は控え目であった。
外観:白濁のない滑らかな表面を有していた。
【0033】
実施例3
《原料》
▲1▼加工澱粉(エーテル化架橋糯米澱粉) 100.0(質量%)
▲2▼糯米粉 15.0
▲3▼上白糖 200.0
▲4▼水飴 70.0
▲5▼油脂(植物性サラダ油。液状) 6.0
▲6▼水 250.0
《工程》
上記の実施例1とほぼ同様(但し、焼成時間を調整)。
《結果》
食感:香、味、柔らかなももちもち感があり求肥の食感が得られた。
また、求肥のような進展性、粘着性および弾力性のある物性が得られた。但し、短時間の焼成条件では液状生地の水分蒸発が遅いため比較的粘着性の高い物性となり、これに対し長時間の焼成条件では液状生地は比較的硬い物性となり、伸展性と粘着性の小さい物性となる。
外観:白濁のない、滑らかな表面を有していた。
【0034】
実施例4
《原料》
▲1▼加工澱粉(エーテル化架橋粳米澱粉) 100.0(質量%)
▲2▼糯米粉 25.0
▲3▼上白糖 250.0
▲4▼水飴 70.0
▲5▼油脂(植物性サラダ油。液状) 6.0
▲6▼水 200.0
《工程》
上記の実施例1とほぼ同様。
《結果》
実施例2とほぼ同様。
【0035】
実施例5
前記実施例1の〈原料〉における糯米粉17.5%を粳米粉30%に代えてみたところ、ほぼ同様の結果となった。
【0036】
実施例6
《原料》
▲1▼加工澱粉(エーテル化架橋タピオカ澱粉) 100.0(質量%)
▲2▼糯米粉 20.0
▲3▼糖類(上白糖) 400.0
▲4▼水 150.0
《工程》
上記▲1▼ないし▲3▼をビーターで撹拌してから▲4▼と混合し(ホイップはしない)液状生地(比重1.2)を作成する。凹状焼成型に剥離性シリコンを塗布加工したグラシン紙を該シリコン面を上にして敷き、上記液状生地を薄く敷く。180℃で約20分間焼成する。
《結果》
食感:求肥のような香、味、もちもちとした食感が得られたが、甘味過多であり、ややざらざらとした口当たり、舌触りが生じてきた。また、求肥のような伸展性、粘着性および弾力性のある物性がえられたが、やや不十分であり、硬さも生じてきた。
外観:やや白濁感が生じ、ややざらざら感のある表面を有していた。
【0037】
実施例7
《原料》
▲1▼加工澱粉(エーテル化架橋タピオカ澱粉) 100.0(質量%)
▲2▼糯米粉 20.0
▲3▼糖類(上白糖) 150.0
▲4▼水 500.0
《工程》
前記実施例6と同様(但し、焼成時間を延長した)。
《結果》
食感:求肥のような香、味、もちもちとした食感が得られたが、やや甘味と香が不足し、やや澱粉臭も感じられ、また、べとつき感が生じてきた。また、求肥のような伸展性、粘着性および弾力性が得られたが、過度の粘着性が生じてきた。
外観:白濁のない、滑らかな表面を有していた。
その他:焼成に長時間を要した。
【0038】
実施例8(和洋折衷二層状菓子)
上記実施例1に従って求肥様食品素材のための液状生地(比重1.10)を作成する。これとは別に、以下のとおりスポンジケーキ生地(比重0.6)を作成する。
《原料》
▲1▼小麦粉(薄力粉) 100(質量%)
▲2▼糖類(上白糖) 80
▲3▼液卵(全卵) 180
▲4▼油脂 20
▲5▼乳化剤 5
▲6▼化学膨張剤 2
▲7▼香料・着色料 (微量)
▲8▼水 30
《工程》
平面円形状の凹状焼成型に剥離性シリコンを塗布したグラシン紙を該シリコン面を上にして敷く。上記液状生地(100g)を薄く敷いた後に、上記スポンジケーキ生地(100g)を薄く載せて層状にする(両生地の重量比は1:1)。該層状生地を同時に焼成(180℃、15分間)する。
焼成後の製品をグラシン紙と一緒に焼成型から取りだして、スポンジケーキ上にホイップクリームを絞り、ホイップクリーム側が内側になるように半分に折り込む。
《結果》
求肥様食品素材の液状生地上で万遍なく一様にスポンジ生地がその周縁まで広がり、焼成後には和風の食品素材とスポンジケーキとからなる二層状の和洋折衷の菓子が得られた。この菓子は求肥様食品素材の表面にスポンジケーキが現れたり、染み出たりすることなく、それぞれがほぼ一様な厚さの綺麗な二層状に焼き上げられたものであった。
また、この菓子は適度なボリュームがあり、その味、食感等も求肥様食品素材とスポンジケーキのバランスがとれた違和感のないものであった。
求肥様食品素材とスポンジケーキは二層状に一体になり結着性(結合性)も良好であった。求肥様食品素材部分は柔らかくもちもち感があり求肥の食感を有し、求肥のような伸展性、粘着性および弾力性を有する物性であり、外観は白濁のない滑らかな表面を有していた。
また、スポンジケーキはいわゆる浮きが良好であり、クラムの気泡が大きくてボリュームも適度にあり、ソフトな食感であった。
【0039】
実施例9
(和洋折衷二層状菓子)
上記実施例1にしたがって求肥様食品素材のための液状生地(比重1.10)を作成する。
これとは別に、以下のとおり常法に従いスポンジケーキ生地(比重0.6)を作成する。
《原料》
▲1▼小麦粉(薄力粉) 100(質量%)
▲2▼砂糖 150
▲3▼液卵 35
▲4▼油脂 10
▲5▼乳化剤 5
▲6▼化学膨張剤 3
▲7▼水 40
《工程》
バンドオーブンのコンベアー上に剥離性シリコンを塗布したグラシン紙を該シリコン塗布面を上にして連続して敷く。スポンジケーキ生地により太線で任意形状(例えば、円形、三角形、四角形、星形等)の輪郭を描き、太線輪郭部の内側に作成しておいた求肥様食品素材の液状生地を充填して薄く敷く。さらにその上に同じスポンジケーキ生地を薄く載せて層状にする。該枠付き層状生地を同時に焼成(160℃、20分間)。焼成後の製品をグラシン紙と一緒にコンベアから取り上げ、スポンジケーキ上に生クリームを絞り、その上に苺を載せた。
《結果》
こうして得られた求肥様食品素材とスポンジケーキからなる和洋折衷の菓子類は、求肥様食品素材とスポンジケーキの二層状であり、前者の外周縁には後者の太線状の枠が形成されており、求肥様食品素材上にスポンジケーキが万遍なく一様広がってその周縁にまで行き渡り、求肥様食品素材の表面にスポンジケーキが現れたり、染み出たりすることがなく、それぞれがほぼ一様な厚さの綺麗な二層状に焼き上げられたものであった。
また、焼成後の製品は適度なボリュームがあり、その味、食感等も求肥様食品素材とスポンジケーキのバランスがとれた違和感のないものであった。両者の結着性(結合性)も良好であった。
もちろん求肥様食品品素材は外観は白濁のない滑らかな表面を有しており、求肥のように柔らかなもちもちとした食感、求肥のように柔らかく、伸展性、粘着性および弾力性を有する物性であった。また、スポンジケーキはいわゆる浮きが良好であり、クラムの気泡が大きくてボリュームも適度にあり、ソフトな食感であった。
【0040】
実施例10
(和洋折衷二層状ロール菓子)
上記実施例9に従って求肥様食品素材の液状生地とスポンジケーキ生地をそれぞれ作成する。
バンドオーブンのコンベアー上に剥離性シリコンを塗布したグラシン紙を該シリコン塗布面を上にして連続して敷く。スポンジケーキ生地を任意の間隔を設けてほぼ平行に二本太線状に連続して吐出・供給しながら、同時に求肥様食品素材の液状生地を該二本の太線の内側に充填して薄く連続して敷いていく。さらにその上に同じスポンジケーキ生地を充填して薄く連続して載せて連続した層状にする。
該層状生地を同時に焼成する(160℃、20分間)。放冷後、均等間隔に幅方向に切断し、グラシン紙と一緒にコンベアーから取り上げ、スポンジケーキ上に生クリームを絞り、生クリームが内側になるようにロール状に巻き込み成形し、このようにして得られた求肥様食品素材とスポンジケーキからなる和洋折衷の菓子類は、あたかも従来のスポンジだけのロールケーキのスポンジ間に求肥様食品素材を薄く配したものであり、その性質は上記実施例9と同様であった。
【0041】
比較例1
上記の実施例1において加工澱粉としてエーテル化架橋タピオカ澱粉の代わりに、エーテル化架橋ワキシーコーンスターチ、エーテル化架橋小麦澱粉を使用して求肥様食品素材を製造した(その他の原料および工程は実施例1とほぼ同様)ところ、どちらもタピオカ澱粉のような求肥様の食感を得ることができなかった。
【0042】
参考例1
加工澱粉(エーテル化架橋タピオカ澱粉)、糖類(砂糖)および水の添加量をそれぞれ100%、50〜400%、100〜500%と変えて求肥様食品素材を製造した。その工程は実施例1とほぼ同様。
糖量が低い(50〜150)と、生地に甘味が不足し、澱粉臭が残り食感が悪い。また液状生地にするために多量の水分を必要とするため、粘着性が強くなる。糖量が高い(400)と、甘みが強く食感、表面の触感ともザラついた、また比重が1.3と重くなった。
従って、糖類は加工澱粉に対して200〜350%加えることが望ましい。
【0043】
参考例2
上記の実施例8において求肥様食品素材の液状生地(85g)に対しスポンジケーキ生地の質量を65〜105gと変えて求肥様食品素材を製造した。工程は実施例8とほぼ同様。求肥様食品素材生地に対するスポンジ生地の分割割合を検討した。
結果を表1に示す。スポンジ生地が少なすぎると求肥様生地上での広がりが悪く、きれいな2層焼きにならない(求肥様生地上で万遍なく一様にスポンジ生地が広がらずに、特にその周縁付近においてスポンジ生地が行き渡らないことがある。)。また、ボリュームに欠け食感も悪い(スポンジケーキの味、食感等に欠け、両者のバランスに欠ける。)。
スポンジ生地が多すぎるときれいな2層が形成されず(求肥様生地の所々でスポンジ生地が陥没するため、焼成後求肥からスポンジケーキが現れたり、染み出る。)、またボリューム過多であった。検討の結果求肥様生地とスポンジ生地の分割比は求肥:スポンジ=略0.9〜1.1が望ましく、さらには1:1近辺が最も望ましい。
【0044】
【表1】
【0045】
参考例3
2層焼きのためのスポンジ生地比重の検討
上記の実施例8においてスポンジケーキ生地の比重を0.4〜0.8と変えて求肥様食品素材とスポンジケーキからなる菓子類を製造した(その他の原料および工程は実施例8とほぼ同様)ところ、表2に示す結果となった。
生地比重が軽すぎる(0.4〜0.5)と、生地間の結着性が悪い。生地比重が重すぎる(0.7〜0.8)と、ボリューム不足で食感も悪く(浮きが小さくクラムの気泡も小さいためソフト感が劣る。)きれいな2層焼成ができなかった(求肥様生地の所々でスポンジ生地が陥没するため、焼成後求肥からスポンジケーキが現れたり、染み出る。)。そのためスポンジ生地の比重は0.55〜0.65が望ましく、さらには0.6程度が最適であった。
【0046】
【表2】
【0047】
参考例4
求肥様生地への油の添加
上記の実施例1において求肥様食品素材の液状生地に添加する油脂(液状油脂)の添加量を0、0.75%、1.50%と変えて求肥様食品素材を製造した(その他の原料および工程は実施例1とほぼ同様)ところ、表3に示す結果となった。
求肥様生地はもちもち感が強いため、油脂を添加しなければ、焼成に用いたパーチから、伸ばすことなく剥がすのが困難であった。そこで生地配合中に油を添加したところ、生地の剥がしやすさがアップした。
表3の(%)は焼成パーチからきれいに剥がれた数値を表している。
【0048】
【表3】
【0049】
参考例5
しかし、油の添加のみでは、きれいに剥がれる割合は80%(100個のうち約80個)程度であった。そのため、油の添加と同時に、焼成に用いるパーチ〔パーチ=パーチメント(一定の保形性を有する透明の樹脂フィルム)〕にシリコン加工を施したシリコンパーチを使用することとした。上記の実施例1において凹状焼成型に直接求肥様食品素材の液状生地を敷いたときと、凹状焼成型にシリン塗布加工を施したパーチメント紙を敷いてから求肥様食品素材の液状生地を敷いたときとを比較したところ、表4に示す結果となった。
その結果、焼成パーチからの剥がれは95%まで改善された。
【0050】
【表4】
【0051】
なお、上述した参考例はすべて本発明の範囲を限定する趣旨ではなく、むしろ本発明のより望ましい実施態様を示そうとするものであり、例えば、その結果が「×」であったとしても、それも望ましくはないが本発明の範囲に属すると解するものである。
【0052】
【発明の効果】
求肥のような餅様の食感等の物性を有する和風の食品素材の合理的な大量生産方法を提供することができる。
また、蒸練を必要とせず、餅様食品素材の生地とスポンジケーキ生地とを重ねて一緒に焼成することのみにより、該和風の餅様食品素材とスポンジケーキとからなる和洋折衷の菓子類を製造する方法を提供することができる。
Claims (12)
- 少なくとも、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、糯米澱粉、粳米澱粉のうちから任意に選択された一種類または二種類以上の加工澱粉を主成分とし、該加工澱粉に対して穀粉を1〜50%加えた原料粉からなる、液卵、起泡剤等のホイップによって液状生地中に気泡が生成し易いものは使用しない原料を、ホイップによって気泡が混在しないように混合して液状生地を作成し焼成することを特徴とする求肥様食品素材の製造方法。
- 主成分とする加工澱粉が、2/3以上となる原料粉である請求項1の求肥様食品素材の製造方法。
- 穀粉を加工澱粉に対し10〜30%加えたものである請求項1または2の求肥様食品素材の製造方法。
- 前記穀粉が糯米粉および/または粳米粉である請求項1ないし3のいずれかの求肥様食品素材の製造方法。
- 上記の原料が糖類を加えたものである請求項1ないし4のいずれかの求肥様食品素材の製造方法。
- 糖類を加工澱粉に対し200〜350%加えたものである請求項5の求肥様食品素材の製造方法。
- 糖類の一部として水飴を糖類中に10〜40%使用するものである請求項5または6の求肥様食品素材の製造方法。
- 水を加工澱粉に対し200〜400%使用して原料を液状生地にする請求項1ないし7のいずれかの求肥様食品素材の製造方法。
- 油脂を液状生地に対し0.50〜1%添加する請求項1ないし8のいずれかの求肥様食品素材の製造方法。
- 液状生地を焼成するにあたり、シリコン加工を施したパーチ紙またはグラシン紙をシリコン加工を施した面を液状生地に接触する側として使用する請求項9の求肥様食品素材の製造方法。
- 前記液状生地を薄く敷いてから焼成する請求項1ないし10のいずれかの求肥様食品素材の製造方法。
- 液状生地の比重を0.90〜1.50とする請求項1ないし11のいずれかの求肥様食品素材の製造方法。
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