JP3673048B2 - 実像式ファインダー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばカメラやスチルビデオカメラ等に用いられる、対物光学系により結像される物体の像を接眼光学系を介して観察を行う実像式ファインダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、写真用カメラやビデオカメラ等には、対物光学系により形成される物体像を接眼光学系を介して観察する実像式ファインダーが広く用いられている。特に、この実像式ファインダーに備えられる像正立手段には、ポロプリズムやダハ−ペンタプリズムが多く採用されている。
更に、最近ではファインダーの高変倍化やカメラ等の小型化が強く要求されており、従来の方式に加え、ファインダーユニットの小型化,高倍率化を目的とした実像式ファインダーの像正立手段に関する提案もいくつかなされている。
【0003】
そのうちの一つに、例えば特開平8−129203号公報に開示された実像式ファインダーがある。この実像式ファインダーは、対物レンズからの光束を平面反射部材により、瞳側に対し斜め方向、物体側に対し斜め方向の順に折り曲げた後、更にその光束をダハ反射面を用いて瞳側へ折り曲げて接眼レンズへ導くように構成されている。
このファインダーでは、光束を物体側に対し斜めの方向に反射する平面反射部材の法線を対物レンズの光軸に対し内向するように構成したことにより、ファインダーの全長を縮小することを可能にしている。
【0004】
一方、特開平8−179400号公報によっても実像式ファインダーの像正立手段に関する提案がなされている。この公報において開示されている実像式ファインダーの像正立手段は、物体側から順に配置されたダハプリズムと三角柱形状のプリズムとを組み合わせ、その三角柱形状プリズムの一部の面の全反射−透過特性を利用してこれらのプリズム中で2回の反射を行うようにしたものである。この像正立手段では、中間結像面から接眼レンズまでの光路長を短くすることができるため、接眼レンズの焦点距離を短くしてファインダー倍率を高くすることが可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平8−129203号公報に開示されたファインダーは、物体側から見て対物レンズに続いて配置されている反射面により、光束を一旦瞳側に対し斜めの方向に反射させるように構成されているため、対物レンズが物体側に突出してファインダーが光軸方向に大型化してしまうという欠点がある。
更に、このファインダーでは、対物レンズを経た光束を物体側に対し斜めの方向にある程度の角度をもたせて反射させなければならないため、自ずから前記対物レンズの光軸と垂直な方向の大きさが大きくなる傾向にある。よって、このファインダーにおいて、対物レンズの突出量を抑えようとしたり、有効光束径を大きく形成しようとする場合には、接眼側の光路長を長く形成しなければならず、限られたスペースに配置されるファインダーとしては不向きなものとなる。
【0006】
一方、特開平8−179400号公報に開示されたファインダーは、接眼系の構成は小型になる。しかし、物体側から見て対物レンズに続いて配置されている反射面にダハ面を使用しているので、ダハ面に続いて配置されるプリズムの特性から、ダハ面の対物レンズの光軸に対する偏心角がダハ−ペンタプリズムタイプとして構成した場合と比較して大きくなり易い。
具体的には、ダハ−ペンタプリズムタイプとして構成した場合にはダハ面により光束を物体側へ反射させ易くなるのに対し、特開平8−179400号公報に記載のファインダーではダハ面により光束を瞳側へ反射させ易い構成となっているため、光束を物体側へ反射させるように構成するとコンパクト性を欠くことになり、好ましくない。即ち、このファインダーは、ダハ−ペンタプリズムタイプとして構成した場合よりも対物系が物体側へ突出し易いという欠点を有していることになる。
【0007】
そこで、本発明は上記のような従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、プリズムやダハ反射面を光路中に適宜配置することにより対物光学系の倒立実像を正立正像に変換し、良好な観察が可能な小型,高性能の実像式ファインダーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による実像式ファインダーは、物体側から順に、対物レンズ群,該対物レンズ群からの光束を透過させるための入射面2Aと該入射面2Aに対して偏心した角度をもって配置された透過面2Bとを有し、反射面を持たない第1プリズム,及び該第1プリズムの入射面2Aにほぼ正対する位置にあり前記第1プリズムを透過した光束を前記物体側へ斜めに反射する反射面3Aと前記第1プリズムの透過面2Bとほぼ平行に微小間隔を有して配置され前記第1プリズムからの透過光を透過し前記反射面3Aからの光を全反射するように配置された面3Bと射出面3Cとを有する第2プリズムからなる対物光学系と、反射面として1つのみの反射面を有する接眼光学系と、が配置されて構成され、前記第2プリズムの反射面3Aはダハ面で構成され、前記接眼光学系の反射面は一平面で構成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明による実像式ファインダーは、前記対物レンズ群の光軸と、前記第1プリズム及び第2プリズムにより屈曲される前記対物レンズ群の光軸を含む平面上において、前記第1プリズムの透過面2Bの前記対物レンズ群の光軸に対する偏心角をα、前記対物レンズ群の光軸と前記第1プリズム及び第2プリズムにより屈曲され第2プリズムの射出面3Cより射出される前記対物レンズ群の光軸に等価な軸とのなす角をγ、前記接眼光学系の焦点距離をf e 、前記第1プリズムの材質の屈折率をn 1 、前記第2プリズムの材質の屈折率をn 2 、空気の屈折率をNAとしたとき、以下に示す条件式を満足するようにするのが好ましい。
α≦sin -1 (NA/n 1 )−tan -1 {2NA/(n 2 e )}
80°≦γ≦100°
0≦n 2 −n 1 <0.1
また、本発明による実像式ファインダーは、少なくとも前記第1プリズムの入射面2A又は前記第2プリズムの射出面3Cの何れか一方に、曲率が設けられているのが好ましい。
また、本発明による実像式ファインダーは、少なくとも前記第1プリズムの透過面2B又は前記第2プリズムの面3Bの何れか一方に、反射防止用のコーティングが施されているのが好ましい。
また、本発明による実像式ファインダーは、前記第1プリズム及び第2プリズムにおいて、透過,反射作用を目的とする面の有効部以外の部位又は透過,反射作用を目的としない面のうち、少なくともその一方の一部に有害光防止のための表面処理が施されているのが好ましい
また、本発明による実像式ファインダーは、前記第1プリズム又は第2プリズムのうち、少なくとも1つは樹脂材料により形成されているのが好ましい。
また、本発明による実像式ファインダーは、前記第1プリズムの透過面2B及びこれと微小間隔をもってほぼ平行に配置された第2プリズムの入射面3Aとの間の空気間隔dが、以下に示す条件式を満足しているのが好ましい。
0<d≦0.2mm
また、本発明による実像式ファインダーは、物体側から順に、対物レンズ群,該対物レンズ群からの光束を透過させるための入射面2Aと該入射面2Aに対して偏心した角度をもって配置された透過面2Bとを有し、反射面を持たない第1プリズム,及び該第1プリズムの入射面2Aにほぼ正対する位置にあり前記第1プリズムを透過した光束を前記物体側へ斜めに反射する反射面3Aと前記第1プリズムの透過面2Bとほぼ平行に微小間隔を有して配置され前記第1プリズムからの透過光を透過し前記反射面3Aからの光を全反射するように配置された面3Bと射出面3Cとを有する第2プリズムからなる対物光学系と、少なくとも1つの反射面を有する接眼光学系と、が配置されて構成され、前記対物レンズ群の光軸と、前記第1プリズム及び第2プリズムにより屈曲される前記対物レンズ群の光軸を含む平面上において、前記第1プリズムの透過面2Bの前記対物レンズ群の光軸に対する偏心角をα、前記対物レンズ群の光軸と前記第1プリズム及び第2プリズムにより屈曲され第2プリズムの射出面3Cより射出される前記対物レンズ群の光軸に等価な軸とのなす角をγ、前記接眼光学系の焦点距離をf e 、前記第1プリズムの材質の屈折率をn 1 、前記第2プリズムの材質の屈折率をn 2 、空気の屈折率をNAとしたとき、以下に示す条件式を満足するようにしていることを特徴とする。
α≦sin -1 (NA/n 1 )−tan -1 {2NA/(n 2 e )}
80°≦γ≦90°
0≦n 2 −n 1 <0.1
また、本発明による実像式ファインダーは、前記第2プリズムの反射面3Aは一平面で構成され、前記接眼光学系の反射面はダハ面で構成されていることを特徴とする請求項8に記載の実像式ファインダー。
また、本発明による実像式ファインダーは、前記第2プリズムの反射面3Aはダハ面で 構成され、前記接眼光学系の反射面は一平面で構成されているのが好ましい
また、本発明による実像式ファインダーは、少なくとも前記第1プリズムの入射面2A又は前記第2プリズムの射出面3Cの何れか一方に、曲率が設けられているのが好ましい
また、本発明による実像式ファインダーは、少なくとも前記第1プリズムの透過面2B又は前記第2プリズムの面3Bの何れか一方に、反射防止用のコーティングが施されているのが好ましい
また、本発明による実像式ファインダーは、前記第1プリズム及び第2プリズムにおいて、透過,反射作用を目的とする面の有効部以外の部位又は透過,反射作用を目的としない面のうち、少なくともその一方の一部に有害光防止のための表面処理が施されているのが好ましい。
また、本発明による実像式ファインダーは、前記第1プリズム又は第2プリズムのうち、少なくとも1つは樹脂材料により形成されているのが好ましい。
また、本発明による実像式ファインダーは、前記第1プリズムの透過面2B及びこれと微小間隔をもってほぼ平行に配置された第2プリズムの入射面3Aとの間の空気間隔dが、以下に示す条件式を満足しているのが好ましい。
0<d≦0.2mm
また、本発明による実像式ファインダーは、前記接眼光学系における反射面が、前記ダハ面のみであるのが好ましい。
また、本発明による実像式ファインダーは、前記接眼光学系における反射面が、前記一平面のみであるのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
まず、図1に基づき、本発明による実像式ファインダーの構成について説明する。図のように、本発明の実像式ファインダーは、図示しない物体側から順に、対物レンズ群1,第1プリズム2及び第2プリズム3からなる対物光学系4と、反射部材(反射面)5及び接眼レンズ群6からなる接眼光学系7と、が配置されて構成される。尚、8は中間結像面を示している。
【0011】
本発明の実像式ファインダーでは、前記物体からの光束は、対物レンズ群1を経て第1プリズム2の入射面2Aに入射した後、透過面2Bを透過する。透過面2Bを透過した光束は、透過面2Bとぼぼ平行に微小間隔を有して配置された第2プリズム3の面3Bに入射する。第2プリズム3へ入射した光束は、第1プリズム2の入射面2Aにほぼ正対して配置された第2プリズム3の反射面3Aにより前記物体側に対して斜めに反射され、再度第2プリズム3の面3Bに到達する。ここで、光束は全反射された後、第2プリズム3の射出面3Cから射出される。この射出面3Cから射出された光束は、射出面3Cより少し離れた位置にある中間結像面8において物体像を形成する。この像はその後反射部材5により反射され、接眼レンズ群6を介して正立した物体像として観察者の瞳へ導びかれる。
【0012】
ここで、第1プリズム2の透過面2Bは、対物レンズ群1と第2プリズム3の反射面3Aにより屈曲される対物レンズ群1の光軸を含む平面上で、対物レンズ群1の光軸に対し角度αだけ偏心している。又、第1プリズム2,第2プリズム3により屈曲され第2プリズム3の射出面3Cより射出される対物レンズ群1の光軸と等価な軸は、対物レンズ群1の光軸に対しγの角度をなしている。
【0013】
又、対物レンズ群1の光軸上を進行し第1プリズム2の入射面2Aを透過した光線がその透過面2Bで全反射されずに透過し得る条件は、
α<sin-1(NA/n1 ) ・・・・(1)
である。但し、NAは空気の屈折率、n1 は第1プリズム2の材質の屈折率を示している。
【0014】
しかしながら、図2は第1プリズム2及び第2プリズム3の断面の拡大図であるが、ここに示すように、有効光束は拡がり角を有するため、ある範囲の角度をもって第1プリズム2の入射面2Aに入射してくる。よって、前記条件式(1)を満足する入射光であっても、その有効光束の一部が第1プリズム2の反射面2Bで全反射を生じることになる。
ところで、対物レンズ群1の光軸の延長線上にある物体から対物光学系4に入射する光束の拡がり角δは、接眼光学系7の焦点距離をfe (単位はmm)、空気の屈折率をNA、第2プリズム3の材質の屈折率をn2 、瞳径φを4(mm)とすると、近似的に、
δ=tan-1{2NA/(n2 e )} ・・・・(2)
で表される。従って、この条件式(2)と前述の条件式(1)から、全ての有効光束が第1プリズム2の透過面2Bを透過するための条件は、少なくとも、
α≦sin-1(NA/n1 )−tan-1{2NA/(n2 e )}・・・・(3)
を満足する必要があることが分かる。
【0015】
ここで、第1プリズム2,第2プリズム3により屈曲された対物レンズ群1の光軸に等価な軸と対物レンズ群1の光軸とのなす角γは、ファインダーの対物レンズ群1の光軸に沿う方向の厚さに関係するパラメータである。従って、図3(a)に示すように、γの値が90°よりも小さいときは、接眼レンズ群6が物体側(図の左側)へ引き込まれるのでファインダーの対物レンズ群1の光軸に沿う方向への厚みは薄くなるが、対物レンズ群1のバックフォーカスを長く形成する必要がある。一方、同図(c)に示すように、γの値が90°よりも大きいときは、対物レンズ群1のバックフォーカスに必要な光路長を短く形成することができるが、ファインダーの対物レンズ群1の光軸に沿う方向のへの厚みが増す。
かかる点を踏まえ、コンパクトなファインダーを構成するためには、図3(b)に示すようにγ=90°となるようにγの値が設定されることが望ましいが、少なくともγの値が次式を満足していることが要求される。
80°≦γ≦100° ・・・・(4)
【0016】
又、本発明の実像式ファインダーでは、第1プリズム2は光線を透過し、第2プリズム3は光線を全反射するように構成される。ある媒質中を光が透過して他の媒質へ入射する場合の臨界角は、前記条件式(1)でも明らかなように、光が透過する媒質の屈折率が大きい程大きくなる。このため、第1プリズム2の材質の屈折率が大きくなると偏心角αが小さくなるため、γの値を90°に近い値に設定しようとする場合には、対物レンズ群1のバックフォーカスを相当長く形成することが必要になる。この場合には、第2プリズム3の材質の屈折率が大きい方が、光路長を長く形成できるため有利である。又、第1プリズム2の材質の屈折率が小さいときは偏心角αを大きく設定できるが、このとき第2プリズム3の面3Bで全反射を生じさせるためには、第1プリズム2の材質の屈折率は大きい方がよい。但し、第1プリズム2の材質の屈折率n1 と第2プリズム3の材質の屈折率n2 とが大きく異なると、光線がプリズムを通過する場所によって光路長が大幅に異なってくるために、ファインダーの性能上の問題が生じるので要注意である。
【0017】
かかる点を考慮して、第1プリズム2の材質の屈折率をn1 、第2プリズム3の材質の屈折率をn2 としたとき、
0≦n2 −n1 <0.1 ・・・・(5)
を満足していることが好ましい。
【0018】
更に、本発明の実像式ファインダーでは、第1プリズム2が入射光束を透過する作用を有しているのは前述の通りであるが、第1プリズム2の透過面2Bは対物レンズ群1の光軸に対して偏心しているために、入射光束の物体側への反射も生じることになる。この反射光がゴースト,フレア等の原因となり得る。又、本発明の実像式ファインダーでは、第1プリズム2の透過面2Bと第2プリズム3の面3Bとが微小な間隔をもってほぼ平行に配置されている。このため、透過面2Bと面3Bとの間でもゴーストを生じ易い。
そこで、このようなゴースト,フレアの発生を防止するためには、少なくとも第1プリズム2の透過面2B若しくは第2プリズム3の面3Bの何れか一方に反射防止用のコーティングを施すことが必要となる。特に、第1プリズム2の透過面2Bに反射防止用のコーティングを施せば有効である。
【0019】
又、本発明の実像式ファインダーでは、第1プリズム2の透過面2Bにおいて有効光束以外の光線が全反射を起こし有害光となる虞もある。これを防止するために、プリズムの有効部以外の部位の少なくとも一部に有害光発生防止のための表面処理、例えば砂ずりや墨塗り,コーティング,有害光除去のための突起や溝を設ける等の処置が施されることが好ましい。
【0020】
更に、本発明の実像式ファインダーの第1プリズム2及び第2プリズム3は形状が複雑であるため、成型性の容易さやコスト等を考慮して、樹脂材料で形成されることが好ましい。
【0021】
本発明の実像式ファインダーでは、第1プリズム2の透過面2B及び第2プリズム3の面3Bは対物レンズ群1の光軸に対し偏心しており、全反射を利用するために透過面2Bと面3Bとの間に空気間隔を形成している。この空気間隔が大きいとプリズムに入射する光線の角度や、光線がプリズムを通過する場所によって光路長が大きく異なってくる。このため、瞳位置での収差、特に非点収差等に関する影響が大きくなる。
そこで、これらの問題点及びプリズムの材質の温度,湿度差による影響や製造誤差等を考慮すると、前記空気間隔dは、
0<d≦0.2mm ・・・・(6)
であることが好ましい。
【0022】
以下、本発明の実施例を示す。
【0023】
第1実施例
図4は本実施例にかかる実像式ファインダーの概略構成を示す光軸に沿う断面図である。本実施例の実像式ファインダーは、図示しない物体側から順に、対物レンズ群1,第1プリズム2及び第2プリズム3からなる対物光学系4と、反射部材5及び接眼レンズ群6からなる接眼光学系7と、が配置されて構成される。尚、8は中間結像面を示している。
【0024】
本実施例の実像式ファインダーは、第2プリズム3の反射面3Aは平面で構成され、接眼光学系7を構成する反射部材5はダハミラーで構成されている。このため、プリズム部分を小さく構成することができる。更に、接眼光学系7はダハ−ペンタプリズムタイプ等に比べて必要な光路長を短く形成できるため、接眼光学系7の焦点距離を短くして、ファインダーの高倍率化が容易に達成できる。但し、本実施例の実像式ファインダーでは、接眼光学系7にダハ面を含んでいるため、ダハ面が接眼レンズ群6側にある程度突出することになる。
尚、対物レンズ群1の光軸方向の小型化を図るためには、角度γは90°よりもやや小さくなるように設定されることが好ましい。
【0025】
更に、本実施例の実像式ファインダーでは、対物レンズ群1を構成する各レンズ部材を光軸に沿う方向に移動させることにより、変倍が可能になる。第1プリズム2の入射面2Aに曲率を設けて収差補正を行うことも可能である。又、第2プリズム3の射出面3Cに曲率を設けることによって、第2プリズム3にコンデンサーレンズの作用を備えることができる。
尚、本実施例の実像式ファインダーにおいて、接眼光学系7内の反射部材5は樹脂材料やガラスにより形成されたダハプリズムを用いて構成することも可能である。
【0026】
以下、本実施例の実像式ファインダーにおいて規定される定数値を表1に示す。
Figure 0003673048
【0027】
第2実施例
図5は本実施例にかかる実像式ファインダーの概略構成を示す光軸に沿う断面図である。
本実施例の実像式ファインダーの構成も第1実施例のファインダーとほぼ同様であるが、第2プリズム3の反射面3Aはダハ面で構成され、接眼光学系7の反射部材5が1枚の平面であるミラーによって構成されている点が異なる。
【0028】
このように、本実施例の実像式ファインダーでは、対物光学系4にダハ面を含んでいるため、第1実施例のものと比べて対物光学系4に長いバックフォーカスが必要となり、対物光学系4のプリズム部(第1プリズム2及び第2プリズム3)が第1実施例のものよりも大型化する。しかしながら、対物光学系の各反射面での光束径の拡がりは、接眼光学系の反射部材での光束径の拡がりよりも一般的に小さいため、本実施例のファインダーにおけるダハ面は第1実施例のものよりも小さく構成することができる。
又、本実施例のファインダーのダハ面は、対物レンズ群1の光軸に対してほぼ垂直になるように配置されているため、ファインダー全体の対物レンズ群1の光軸に沿う方向への突出が抑制され、第1実施例のファインダーよりもファインダーの全長を短くすることが可能になる。
尚、本実施例の実像式ファインダーにおいても、反射部材5に代えて樹脂材料やガラスにより形成されたプリズムを用いることが可能である。
【0029】
更に、本実施例の実像式ファインダーにおいても、第1実施例のものと同様に、対物レンズ群1を構成する各レンズ部材を光軸に沿う方向に移動させることにより、変倍が可能になる。第1プリズム2の入射面2Aに曲率を設けて収差補正を行うことも可能である。又、第2プリズム3の射出面3Cに曲率を設けることによって、第2プリズム3にコンデンサーレンズの作用を備えることもできる。
【0030】
以下、本実施例の実像式ファインダーにおいて規定される定数値を表2に示す。
Figure 0003673048
【0031】
以上説明したように、本発明による実像式ファインダーは特許請求の範囲に記載された特徴と併せ、以下の(1)〜(6)に示すような特徴も備えている。
【0032】
(1)前記対物レンズ群の光軸と、前記第1プリズム及び第2プリズムにより屈曲される前記対物レンズ群の光軸を含む平面上において、前記第1プリズムの透過面2Bの前記対物レンズ群の光軸に対する偏心角をα、前記対物レンズ群の光軸と前記第1プリズム及び第2プリズムにより屈曲され第2プリズムの射出面3Cより射出される前記対物レンズ群の光軸に等価な軸とのなす角をγ、前記接眼光学系の焦点距離をfe 、前記第1プリズムの材質の屈折率をn1 、前記第2プリズムの材質の屈折率をn2 、空気の屈折率をNAとしたとき、以下に示す条件式を満足するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の実像式ファインダー。
α≦sin-1(NA/n1 )−tan-1{2NA/(n2 e )}
80°≦γ≦100°
0≦n2 −n1 <0.1
【0033】
(2)少なくとも前記第1プリズムの入射面2A又は前記第2プリズムの射出面3Cの何れか一方に、曲率が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の実像式ファインダー。
【0034】
(3)少なくとも前記第1プリズムの透過面2B又は前記第2プリズムの面3Bの何れか一方に、反射防止用のコーティングが施されていることを特徴とする請求項1に記載の実像式ファインダー。
【0035】
(4)前記第1プリズム及び第2プリズムにおいて、透過,反射作用を目的とする面の有効部以外の部位又は透過,反射作用を目的としない面のうち、少なくともその一方の一部に有害光防止のための表面処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載の実像式ファインダー。
【0036】
(5)前記第1プリズム又は第2プリズムのうち、少なくとも1つは樹脂材料により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の実像式ファインダー。
【0037】
(6)前記第1プリズムの透過面2B及びこれと微小間隔をもってほぼ平行に配置された第2プリズムの入射面3Aとの間の空気間隔dが、以下に示す条件式を満足していることを特徴とする請求項1に記載の実像像式ファインダー。
0<d≦0.2mm
【0038】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、特に対物光学系が小さく、小型で高性能な実像式ファインダーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実像式ファインダーの概略構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図2】第1プリズム2及び第2プリズム3の断面の拡大図である。
【図3】(a)〜(c)は第1プリズム2,第2プリズム3により屈曲された対物レンズ群1の光軸に等価な軸と対物レンズ群1の光軸とのなす角γの大きさと、本発明のファインダーの全長との関係を説明するための図である。
【図4】第1実施例にかかる実像式ファインダーの概略構成を示す光軸に沿う断面図てある。
【図5】第2実施例にかかる実像式ファインダーの概略構成を示す光軸に沿う断面図てある。
【符号の説明】
1 対物レンズ群
2 第1プリズム
2A 入射面
2B 透過面
3 第2プリズム
3A 反射面
3B 面
3C 射出面
4 対物光学系
5 反射部材
6 接眼レンズ群
7 接眼光学系
8 中間結像面

Claims (17)

  1. 物体側から順に、対物レンズ群,該対物レンズ群からの光束を透過させるための入射面2Aと該入射面2Aに対して偏心した角度をもって配置された透過面2Bとを有し、反射面を持たない第1プリズム,及び該第1プリズムの入射面2Aにほぼ正対する位置にあり前記第1プリズムを透過した光束を前記物体側へ斜めに反射する反射面3Aと前記第1プリズムの透過面2Bとほぼ平行に微小間隔を有して配置され前記第1プリズムからの透過光を透過し前記反射面3Aからの光を全反射するように配置された面3Bと射出面3Cとを有する第2プリズムからなる対物光学系と、反射面として1つのみの反射面を有する接眼光学系と、が配置されて構成され、
    前記第2プリズムの反射面3Aはダハ面で構成され、前記接眼光学系の反射面は一平面で構成されていることを特徴とする実像式ファインダー。
  2. 前記対物レンズ群の光軸と、前記第1プリズム及び第2プリズムにより屈曲される前記対物レンズ群の光軸を含む平面上において、前記第1プリズムの透過面2Bの前記対物レンズ群の光軸に対する偏心角をα、前記対物レンズ群の光軸と前記第1プリズム及び第2プリズムにより屈曲され第2プリズムの射出面3Cより射出される前記対物レンズ群の光軸に等価な軸とのなす角をγ、前記接眼光学系の焦点距離をf e 、前記第1プリズムの材質の屈折率をn 1 、前記第2プリズムの材質の屈折率をn 2 、空気の屈折率をNAとしたとき、以下に示す条件式を満足するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の実像式ファインダー。
    α≦sin -1 (NA/n 1 )−tan -1 {2NA/(n 2 e )}
    80°≦γ≦100°
    0≦n 2 −n 1 <0.1
  3. 少なくとも前記第1プリズムの入射面2A又は前記第2プリズムの射出面3Cの何れか一方に、曲率が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の実像式ファインダー。
  4. 少なくとも前記第1プリズムの透過面2B又は前記第2プリズムの面3Bの何れか一方に、反射防止用のコーティングが施されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか 1 に記載の実像式ファインダー。
  5. 前記第1プリズム及び第2プリズムにおいて、透過,反射作用を目的とする面の有効部以外の部位又は透過,反射作用を目的としない面のうち、少なくともその一方の一部に有害光防止のための表面処理が施されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか 1 に記載の実像式ファインダー。
  6. 前記第1プリズム又は第2プリズムのうち、少なくとも1つは樹脂材料により形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか 1 に記載の実像式ファインダー。
  7. 前記第1プリズムの透過面2B及びこれと微小間隔をもってほぼ平行に配置された第2プリズムの入射面3Aとの間の空気間隔dが、以下に示す条件式を満足していることを特徴とする請求項1ないし6の何れか 1 に記載の実像式ファインダー。
    0<d≦0.2mm
  8. 物体側から順に、対物レンズ群,該対物レンズ群からの光束を透過させるための入射面2Aと該入射面2Aに対して偏心した角度をもって配置された透過面2Bとを有し、反射面を持たない第1プリズム,及び該第1プリズムの入射面2Aにほぼ正対する位置にあり前記第1プリズムを透過した光束を前記物体側へ斜めに反射する反射面3Aと前記第1プリズムの透過面2Bとほぼ平行に微小間隔を有して配置され前記第1プリズムからの透過光を透過し前記反射面3Aからの光を全反射するように配置された面3Bと射出面3Cとを有する第2プリズムからなる対物光学系と、少なくとも1つの反射面を有する接眼光学系と、が配置されて構成され、
    前記対物レンズ群の光軸と、前記第1プリズム及び第2プリズムにより屈曲される前記対物レンズ群の光軸を含む平面上において、前記第1プリズムの透過面2Bの前記対物レンズ群の光軸に対する偏心角をα、前記対物レンズ群の光軸と前記第1プリズム及び第2プ リズムにより屈曲され第2プリズムの射出面3Cより射出される前記対物レンズ群の光軸に等価な軸とのなす角をγ、前記接眼光学系の焦点距離をf e 、前記第1プリズムの材質の屈折率をn 1 、前記第2プリズムの材質の屈折率をn 2 、空気の屈折率をNAとしたとき、以下に示す条件式を満足するようにしたことを特徴とする実像式ファインダー。
    α≦sin -1 (NA/n 1 )−tan -1 {2NA/(n 2 e )}
    80°≦γ≦90°
    0≦n 2 −n 1 <0.1
  9. 前記第2プリズムの反射面3Aは一平面で構成され、前記接眼光学系の反射面はダハ面で構成されていることを特徴とする請求項に記載の実像式ファインダー。
  10. 前記第2プリズムの反射面3Aはダハ面で構成され、前記接眼光学系の反射面は一平面で構成されていることを特徴とする請求項に記載の実像式ファインダー。
  11. 少なくとも前記第1プリズムの入射面2A又は前記第2プリズムの射出面3Cの何れか一方に、曲率が設けられていることを特徴とする請求項8乃至10の何れか1項に記載の実像式ファインダー。
  12. 少なくとも前記第1プリズムの透過面2B又は前記第2プリズムの面3Bの何れか一方に、反射防止用のコーティングが施されていることを特徴とする請求項8ないし11の何れか1項に記載の実像式ファインダー。
  13. 前記第1プリズム及び第2プリズムにおいて、透過,反射作用を目的とする面の有効部以外の部位又は透過,反射作用を目的としない面のうち、少なくともその一方の一部に有害光防止のための表面処理が施されていることを特徴とする請求項8乃至12の何れか1項に記載の実像式ファインダー。
  14. 前記第1プリズム又は第2プリズムのうち、少なくとも1つは樹脂材料により形成されていることを特徴とする請求項8乃至13の何れか1項に記載の実像式ファインダー。
  15. 前記第1プリズムの透過面2B及びこれと微小間隔をもってほぼ平行に配置された第2プリズムの入射面3Aとの間の空気間隔dが、以下に示す条件式を満足していることを特徴とする請求項8乃至14の何れか1項に記載の実像式ファインダー。
    0<d≦0.2mm
  16. 前記接眼光学系における反射面が、前記ダハ面のみであることを特徴とする請求項9に記載の実像式ファインダー。
  17. 前記接眼光学系における反射面が、前記一平面のみであることを特徴とする請求項10に記載の実像式ファインダー。
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