JP3672940B2 - 半導体記憶装置 - Google Patents

半導体記憶装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3672940B2
JP3672940B2 JP00021094A JP21094A JP3672940B2 JP 3672940 B2 JP3672940 B2 JP 3672940B2 JP 00021094 A JP00021094 A JP 00021094A JP 21094 A JP21094 A JP 21094A JP 3672940 B2 JP3672940 B2 JP 3672940B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cache
pair
circuit
data
sense
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP00021094A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07211061A (ja
Inventor
泰▲廣▼ 田中
哲也 田▲邉▼
聡 田野井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP00021094A priority Critical patent/JP3672940B2/ja
Priority to US08/365,970 priority patent/US5596521A/en
Priority to KR1019940040219A priority patent/KR100263868B1/ko
Priority to DE69520512T priority patent/DE69520512T2/de
Priority to EP95100064A priority patent/EP0662663B1/en
Publication of JPH07211061A publication Critical patent/JPH07211061A/ja
Priority to US08/739,970 priority patent/US5781466A/en
Priority to US09/003,736 priority patent/US6011709A/en
Priority to US09/458,894 priority patent/US6249450B1/en
Priority to US09/788,262 priority patent/US6320778B1/en
Priority to US09/933,998 priority patent/US6362989B2/en
Priority to US10/044,871 priority patent/US6522563B2/en
Priority to US10/044,776 priority patent/US6510070B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3672940B2 publication Critical patent/JP3672940B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Dram (AREA)
  • Memory System Of A Hierarchy Structure (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、センスアンプの入出力ノードであるセンスノード対上のデータを一時保持する記憶素子(これをキャッシュ用メモリセルといい、以下単にキャッシュ用セルという)を有するダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(以下、DRAMという)等の半導体記憶装置、特にその制御回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体記憶装置の1つである例えばDRAMは、交差配置された複数のワード線と複数のビット線対との各交差箇所に接続されたデータ格納用のメモリセルがマトリクス状に配列されたメモリセルアレイと、スイッチ手段を介して前記ビット線対に接続され、前記メモリからの読出しデータを検知、増幅するセンスアンプとを、備えている。この種のDRAMでは、ロウアドレス(行アドレス)によってワード線を選択し、それに接続されたメモリセルの保持データをビット線対上に読出す。ビット線対上の読出しデータは、スイッチ手段を介してセンスアンプで検知、増幅された後、カラムスイッチ回路を介してデータバスへ出力される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のDRAMでは、記憶容量の増大に伴い、メモリセルに対するデータの読み書きを行うアクセス速度が遅くなるという問題があった。そこで、本願出願人等は、先にDRAMの高速アクセスのために、次のような提案を行った。
この先の提案では、メモリセルの保持データを複数組保持するキャッシュ用セルを、センスアンプの入出力ノードであるセンスノードに接続している。この種のDRAMでは、複数のキャッシュ用セルを設けたので、スイッチ手段によって大容量のビット線対を切り離し、キャッシュ内容を素早くリコールできる。そのため、センスアンプをキャッシュとして用いるとき、リフレッシュ時に該センスアンプのデータをキャッシュ用セルに退避しておける。また、要求データがセンスアンプになく、キャッシュ用セルのいずれかにあるとき、該センスアンプのデータをメモリセルアレイに書き戻すと共に、スイッチ手段によってビット線対を切り離し、キャッシュ用セルのデータを素早くリコールして要求データを読出せるという効果がある。
【0004】
ところが、このような先の提案のDRAMにおいても、次のような技術的課題(1)〜(4)が残されている。
(1) メモリセルアレイのワード線を選択するロウアドレスに対応する該メモリセルアレイ内のメモリセルのデータへのアクセスを終えた後、該ロウアドレスの要求データを保持するキャッシュ用セルへのアクセス(即ち、キャッシュヒット)において、ビット線対とセンスアンプとの間に設けられたスイッチ手段をオフ状態にすると共に、センスアンプを非活性化する。その後、センスアンプの駆動ノードを一定電位にイコライズ(等化)すると同時にセンスノード対をイコライズする。このとき、センスアンプの駆動ノードが既に一定電位にイコライズされているため、センスノード対のイコライズ時間が長くなり、キャッシュアクセスの高速化が困難であった。
(2) いずれもキャッシュ用セルも要求されているデータ保持していない場合(即ち、キャッシュミスが生じた場合)、前記(1)の課題に加えて該キャッシュミス時のノイズ耐性が低下し、待機時(スタンバイ時)の消費電力が増加してキャッシュアクセス時の消費電力が増加する。
(3) DRAMがリフレッシュを行っている期間、キャッシュ用セルへのアクセスができない。
(4) メモリセルアレイへのデータの書き戻しが終了するまで、キャッシュ用セルのアクセスができない。特に、キャッシュ用セルに対してキャッシュミスが生じた場合、待ち時間が長い。即ち、キャッシュミスが生じた場合、まず、メモリセルアレイの先のアクセスにおいて活性化されているワード線を非活性化し、ビット線対をイコライズしてメモリセルアレイのプリチャージを行った後、新たに入力されたアドレスに対応したワード線を活性化して要求データの読出しを行う。このように、キャッシュミス時のアクセス時間が、メモリセルアレイのプリチャージ期間を含むために長くなる。
従って、技術的に未だ充分満足のゆく高速アクセス可能なDRAM等の半導体記憶装置を提供することが困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
記課題を解決するために、本発明のうちの第1の発明は、2つのビット線から構成されたビット線対と、各々が複数のアドレス情報のいずれかに基づいて駆動可能な複数の第1のワード線と、各々が前記ビット線対のビット線及び前記複数の第1のワード線のいずれかに接続された複数のメモリセルと、各々が転送信号に応答して活性化する転送ゲート回路を介して前記ビット線対のビット線のいずれかと電気的に接続される2つのセンスノードから構成されたセンスノード対に接続され、駆動状態において該センスノード対における電位差を増幅するセンスアンプとを有する半導体記憶装置において、前記複数のアドレス情報の任意のものに基づいて駆動可能な第2のワード線と、前記センスノード対のセンスノード及び前記第2のワード線に接続されたキャッシュ用セルと、各々が前記センスアンプに接続され、該センスアンプを駆動するのに必要な電圧がそれぞれ与えられる2つの駆動ノードから構成された駆動ノード対と、第1の制御信号に応答して、前記センスノード対の2つのセンスノードとイコライズノードとを電気的に接続する第1のイコライズ回路と、前記第1の制御信号より遅延した第2の制御信号に応答して、前記駆動ノード対に所定のイコライズ電圧を与える第2のイコライズ回路と、前記第2の制御信号に応答して、前記イコライズノードに所定のイコライズ電圧を与えるスイッチ回路と、を有している。
第2の発明は、2つのビット線から構成されたビット線対と、各々が複数のアドレス情報のいずれかに基づいて駆動可能な複数の第1のワード線と、各々が前記ビット線対のビット線及び前記複数の第1のワード線のいずれかに接続された複数のメモリセルと、各々が転送信号に応答して活性化する転送ゲート回路を介して前記ビット線対のビット線のいずれかと電気的に接続される2つのセンスノードから構成されたセンスノード対に接続され、駆動状態において該センスノード対における電位差を増幅するセンスアンプとを有する半導体記憶装置において、前記複数のアドレス情報の任意のものに基づいて駆動可能な第2のワード線と、前記センスノード対のセンスノード及び前記第2のワード線に接続されたキャ ッシュ用セルと、各々が前記センスアンプに接続され、該センスアンプを駆動するのに必要な電圧がそれぞれ与えられる2つの駆動ノードから構成された駆動ノード対と、第1の制御信号に応答して、前記センスノード対の2つのセンスノードとイコライズノードとを電気的に接続する第1のイコライズ回路と、第2の制御信号に応答して、前記駆動ノード対に所定のイコライズ電圧を与える第2のイコライズ回路と、前記第1の制御信号を遅延させた第3の制御信号に応答して、前記イコライズノードに所定のイコライズ電圧を与えるスイッチ回路と、前記第2のワード線を駆動するか否かを検出し、該検出結果としての検出信号を出力する第1の検出手段と、前記第1のワード線を駆動するか否かを検出し、該検出結果として前記第2の制御信号を出力する第2の検出手段と、前記検出信号と前記第2の制御信号とにより前記第1の制御信号を生成して出力する論理ゲートとを有する検出回路と、を有している。
【0006】
第3の発明は、2つのビット線から構成されたビット線対と、各々が複数のアドレス情報のいずれかに基づいて駆動可能な複数の第1のワード線と、各々が前記ビット線対のビット線及び前記複数の第1のワード線のいずれかに接続された複数のメモリセルと、各々が第1の転送信号に応答して活性化する第1の転送ゲート回路を介して前記ビット線対のビット線のいずれかと電気的に接続される2つのセンスノードから構成されたセンスノード対に接続され、駆動状態において該センスノード対における電位差を増幅するセンスアンプとを有する半導体記憶装置において、前記複数のアドレス情報の任意のものに基づいて駆動可能な第2のワード線と、2つの信号伝達線から構成された信号伝達線対と、前記信号伝達線対の信号伝達線及び前記第2のワード線に接続されたキャッシュ用セルと、第2の転送信号に応答して、前記センスノード対のセンスノードと前記信号伝達線対の信号伝達線とを電気的に接続する第2の転送ゲート回路と、第1の制御信号に応答して、前記センスノード対の2つのセンスノード間を電気的に短絡する第1のイコライズ回路と、データの転送に用いられる2つのデータ線からなるデータ線対と、第3の転送信号に応答して、前記信号伝達線対に伝達されたデータに応じた信号を前記データ線対へ転送する第3の転送ゲート回路と、を有している
第4の発明は、第3の発明において、前記半導体記憶装置は、各々が前記信号伝達線対の信号伝達線とゲート電極とが接続され、一方の電極に基準電圧が与えられた2つのMOSトランジスタから構成された増幅手段を有し、前記第3の転送ゲート回路は、前記第3の転送信号に応答して、前記増幅手段を構成する2つのMOSトランジスタの他方の電極と前記データ線対とを接続するものである。第5の発明は、第3又は第4の発明において、第2の制御信号に応答して、前記信号伝達線対の2つの信号伝達線間を電気的に短絡する第2のイコライズ回路を有している。
第6の発明は、第3〜第5の発明のいずれか1つにおいて、前記センスノード対に接続され、保持信号に応答して、前記センスノード対に伝達されているデータを保持するバッファ回路を有している。
【0007】
第7の発明は、第1又は第2の発明において、前記メモリセルは、第1の容量素子と、ゲート電極が前記第1のワード線に接続され、一方の電極が前記ビット線対のビット線に接続され、他方の電極が容量素子に接続されたMOSトランジスタとで構成されており、前記キャッシュ用セルは、第2の容量素子と、ゲート電極が前記第2のワード線に接続され、一方の電極が前記センスノード対のセンスノードに接続され、他方の電極が第2の容量素子に接続されたMOSトランジスタとで構成されている。
第8の発明は、第3〜第6の発明のいずれか1つにおいて、前記メモリセルは、第1の容量素子と、ゲート電極が前記第1のワード線に接続され、一方の電極が前記ビット線対のビット線に接続され、他方の電極が容量素子に接続されたMOSトランジスタとで構成されており、前記キャッシュ用セルは、第2の容量素子と、ゲート電極が前記第2のワード線に接続され、一方の電極が前記信号伝達線対の信号伝達線に接続され、他方の電極が第2の容量素子に接続されたMOSトランジスタとで構成されている。
第9の発明は、第6の発明において、前記半導体記憶装置は、リフレッシュサイクルを有するDRAMであり、前記リフレッシュサイクルに伴って実行される 、前記キャッシュ用セル又は前記キャッシュ用セルに対してデータの書き戻しを行うコピーバック動作を検出する検出手段を有し、該検出手段の検出結果と、前記センスアンプを駆動させるための駆動信号とに従って、前記第1の転送信号が制御される。
第10の発明は、第6の発明において、前記半導体記憶装置は、リフレッシュサイクルを有するDRAMであり、前記リフレッシュサイクル時にリフレッシュ用アドレス情報に対応するデータが、前記キャッシュ用セルに保持されているか否かを検出し、検出結果に応じたリフレッシュモードを指示するモード信号を出力するリフレッシュ制御回路を有している。
【0008】
第11の発明は、第10の発明において、前記リフレッシュ制御回路は、アドレス情報とリフレッシュ用アドレス情報とを選択的に出力する選択回路と、前記選択回路からの出力に応答して前記第2のワード線を駆動するよう制御する出力信号を発生するタグ回路(以下、TAG回路という)と、第1のリフレッシュモードに用いられる1つ以上のタイミング信号からなる第1の信号群と、第2のリフレッシュモードに用いられる1つ以上のタイミング信号からなる第2の信号群と、前記TAG回路からの前記出力信号と前記モード信号とにより前記第1あるいは前記第2の信号群を選択的に出力する切換回路と、を有している。
第12の発明は、第9の発明において、前記半導体記憶装置は、前記コピーバック動作時において、前記第1の転送信号及び前記第1のワード線の電圧を、前記第1の転送信号及び前記第1のワード線に対して該コピーバック動作時以外に設定される第1の電圧より高い第2の電圧にするものであって、前記検出手段の検出結果に応じて、前記第1の転送信号及び前記第1のワード線の電圧を選択的に前記第1あるいは前記第2の電圧にする電圧設定手段を有している。
第13の発明は、第3又は第4の発明において、前記第2の転送ゲート回路は、前記センスノード対の一方と前記信号伝達線対の一方の端部との間に接続され、ゲート電極に前記第2の転送信号が入力される第1のトランジスタと、前記センスノード対の他方と前記信号伝達線対の他方の端部との間に接続され、ゲート電極に前記第2の転送信号が入力される第2のトランジスタとで構成され、前記 キャッシュ用セルは前記データ線対の2つのデータ線に挾まれるように配置されている。
第14の発明は、第3又は第4の発明において、前記第2の転送ゲート回路は、前記センスノード対の一方と前記信号伝達線対の一方の端部との間に接続され、ゲート電極に前記第2の転送信号が入力される第1のトランジスタと、前記センスノード対の他方と前記信号伝達線対の他方の端部との間に接続され、ゲート電極に前記第2の転送信号が入力される第2のトランジスタとで構成され、前記データ線対の2つのデータ線は、前記端部近傍にて互いに隣接して延在している。
第15の発明は、第3、第4又は第8の発明のいずれか1つにおいて、前記メモリセルと同様の構成を有し、前記センスノード対と電気的に非接続なダミーセルを設けている。
【0009】
【作用】
第1及び第7の発明によれば、第1の制御信号に応答して第1のイコライズ回路により、2つのセンスノードとイコライズノードとが電気的に接続される。第1の制御信号より遅延した第2の制御信号に応答して第2のイコライズ回路により、駆動ノード対に所定のイコライズ電圧が与えられる。さらに、第2の制御信号に応答してスイッチ回路により、イコライズノードに所定のイコライズ電圧が与えられる。
第2の発明によれば、検出回路は、第1と第2のワード線とのどちらを駆動するかに応じて、第2の制御信号は第1の制御信号と独立して出力し、第1の制御信号は、第2の制御信号によりその出力が制御される。第1の制御信号に応答して第1のイコライズ回路により、2つのセンスノードとイコライズノードとが電気的に接続される。第2の制御信号に応答して第2のイコライズ回路により、駆動ノード対に所定のイコライズ電圧が与えられる。第1の制御信号より遅延した第3の制御信号に応答してスイッチ回路により、イコライズノードに所定のイコライズ電圧が与えられる。
第3、第8、第13、第14及び第15の発明によれば、第2の転送信号に応 答して第2の転送ゲート回路により、センスノード対と、キャッシュ用セルが接続された信号伝達線対とが、電気的に接続される。第3の転送信号に応答して第3の転送ゲート回路により、信号伝達線対のデータに応じた信号がデータ線対へ転送される。
【0010】
第4の発明によれば、信号伝達線対上の信号が増幅手段で増幅された後、第3の転送ゲート回路によってデータ線対へ送られる。
第5の発明によれば、第2の制御信号に応答して第2のイコライズ回路により、2つの信号伝達線間が電気的に短絡される。
第6の発明によれば、保持信号に応答してバッファ回路により、センスノード対に伝達されているデータが保持される。
第9の発明によれば、検出手段によってコピーバック動作が検出されると、この検出結果とセンスアンプ駆動用の駆動信号とに従って、第1の転送信号が制御され、第1の転送ゲート回路によってビット線対とセンスノード対とが接続される。
【0011】
第10の発明によれば、リフレッシュ制御回路により、リフレッシュサイクル時にリフレッシュ用アドレス情報に対応するデータがキャッシュ用セルに保持されているか否かが検出され、この検出結果に応じたリフレッシュモードが指示される。
第11の発明によれば、選択回路の出力によってTAG回路から出力信号が発生する。この出力信号とモード信号とにより、切換回路から第1又は第2の信号群が出力される。
第12の発明によれば、検出手段で検出されたコピーバック動作の検出結果に応じて、電圧設定手段により、第1の転送信号及び第2のワード線の電圧が選択的に第1あるいは第2の電圧に設定される。
【0012】
【実施例】
第1の実施例
図1は、本発明の第1の実施例を示す半導体記憶装置の一つであるDRAMの要部回路図である。
このDRAMは、データ格納用の側のメモリセルアレイ10L及び側のメモリセルアレイ10Rを有している。各メモリセルアレイ10L,10Rは、交差配置された複数の第1のワード線WLと複数の相補的なビット線対BLai/BLbi,…とを有し、それらの各交差箇所にデータ格納用のメモリセル11が接続されてマトリクス状に配列されている。各メモリセル11は、電荷転送用MOSトランジスタと電荷蓄積用の第1の容量素子(例えば、キャパシタ)とで構成されている。メモリセルアレイ10L,10Rのi行目のビット線対BLai/BLbiには、転送ゲート回路であるスイッチ手段20L,20Rを介して、センスアンプ30i の入出力ノードである相補的なセンスノード対Sai/Sbiが接続されている。
スイッチ手段20L,20Rは、転送信号用の制御線TGL,TGRでゲート制御される一対のNチャネル型MOSトランジスタ(以下、NMOSという)21,22でそれぞれ構成されている。センスアンプ30i は、交差接続されたPチャネル型MOSトランジスタ(以下、PMOSという)31,32及びNMOS33,34からなる差動形アンプで構成されている。差動形アンプの相補的なセンスアンプ駆動ノード対P1/N1のうち、一方の駆動ノードP1が、スイッチ35を介して電源電位VCCに接続されると共に、キャパシタ37を介して接地電位VSSに接続されている。他方の駆動ノードN1は、スイッチ36を介して接地電位VSSに接続されると共に、キャパシタ38を介して接地電位VSSに接続されている。
【0013】
センスノード対Sai/Sbiには、寄生容量Casi/Cbsiが存在する。このセンスノード対Sai/Sbiには、第1のイコライズ回路であるセンスノード等化回路40i が接続されている。さらに、センスアンプ駆動ノード対P1/N1には、それぞれ各行共通に第2のイコライズ回路であるセンスアンプ駆動ノード等化回路50が接続されている。センスノード等化回路40i は、直列に接続されたNMOS41,42で構成され、そのNMOS41,42のドレインがセンスノード対Sai/Sbiにそれぞれ接続され、さらにそのソース側のイコライズノードがスイッチ回路であるスイッチ43を介してイコライズ電圧(即ち、電源電位VCCと接地電位VSSの中間電位HVCCに接続されている。NMOS41,42のゲートは、共通の第1の制御信号用制御線EQSAによって制御されるようになっている。
センスアンプ駆動ノード等化回路50は、3つのNMOS51,52,53で構成されている。NMOS51,52のソースはイコライズ電圧である中間電位HVCCに接続され、そのNMOS51,53のドレインがセンスアンプ駆動ノードP1に接続され、さらにNMOS52のドレイン及びNMOS53のソースがセンスアンプ駆動ノードN1に接続されている。NMOS51,52,53のゲートは、共通接続されている。
制御線EQSAには、例えば偶数個のインバータからなる遅延回路60が接続され、その遅延回路60の第2の制御信号用出力制御線EQSLによってスイッチ43及びNMOS51,52,53のゲートが制御されるようになっている。この遅延回路60は、センスノード等化回路40i を制御する制御線EQSAの第1の制御信号によって駆動されてから、所定の時間経過後に第2の制御信号を制御線EQSLへ出力し、センスアンプ駆動ノード等化回路50を活性化し、センスアンプ駆動ノード対P1/N1を中間電位HVCCにイコライズする機能を有している。
【0014】
又、センスノード対Sai/Sbiには、データを一時保持するためのキャッシュ70が接続されている。キャッシュ70は、n個のキャッシュ用セル71i1,71i2,…,71inで構成されている。各キャッシュ用セル71i1,71i2,…,71inは、例えば、メモリセル11と同様に、電荷転送用のNMOS72と電荷蓄積用の第2の容量素子(例えば、キャパシタ73とでそれぞれ構成されている。
センスアンプ30i 、センスノード等化回路40i 、及びキャッシュ用セル71ij(j=1,2,3,…,n)は、列状に延設されている。j番目のキャッシュ用セル71ijの列を共通に制御する出力信号用の第2のワード線である制御線SWcjは、各キャッシュ用セル71ijの保持データに対応するアドレスを記憶をしているTAG回路801〜80nに接続され、該TAG回路801 〜80n の要求データの保持の有無の判定に従って制御されるようになっている。
なお、図1では、センスノード対Sai/Sbiが、右側のスイッチ手段20Rを介して右側のメモリセルアレイ10Rのビット線対BLai/BLbiに接続されているが、これらのスイッチ手段20R及びメモリセルアレイ10Rを省略してもよい。スイッチ手段20R及びメモリセルアレイ10Rを設けた場合、センスアンプ30i、センスノード等化回路40i、及びキャッシュ用セル71ij(j=1,2,3,…,n)が共用されるので、DRAMの占有面積を小さくできるという利点がある。
【0015】
図2は、図1のDRAMにおけるi行目の回路の概略の動作波形図であり、この図を参照しつつ図1のDRAMの動作を説明する。
図2において、アドレスADDのうちのXm0,Xci1,Xci2 ,…は図1のワード線WL(WLm0,…)を選択するためのロウアドレス、SWcj(SWc1,SWc2,…)はTAG回路801〜80nに接続された制御線、91〜93は図1の充放電経路である。
ロウアドレスXci1 の要求データを保持するキャッシュ用セル71i1へのアクセスを行う場合(キャッシュヒットの場合)、制御線TGL(TGR)を“L”に立ち下げてスイッチ手段20L(20R)をオフ状態にすると共に、センスアンプ30i 内のスイッチ35,36をオフ状態にする。この際、メモリセルアレイ10L(10R)内のロウアドレスXm0に対応するワード線WLm0を“L”に立ち下げ、ビット線対BLai/BLbiをイコライズしてプリチャージを行っている。次に、制御線EQSAを“H”に立ち上げ、センスノードSaiの寄生容量Casiに蓄積した電荷を図1に示す経路91でセンスノードSbiに充放電する。これにより、センスノードSaiのレベルが下がり、VCC−Vtp(但し、Vtp;PMOSの閾値)よりも下がると、センスアンプ30i 内のPMOS32がオンし、図1に示す経路92で充放電される。又、センスノードSbiがNMOSの閾値Vtnを越えると、センスアンプ30i 内のNMOS33がオンし、図1の経路93で充放電される。
【0016】
その後、制御線EQSAに接続された遅延回路60による所定時間経過後、その出力制御線EQSLが“H”になってセンスノード等化回路40i のスイッチ43がオンすると共に、センスアンプ駆動ノード等化回路50内のNMOS51,52,53オンし、センスノード対Sai/Sbiが中間電位HVCCにイコライズされると共に、センスアンプ駆動ノードP1,N1も中間電位HVCCにイコライズされる。このように、制御線EQSAによるセンスノード対Sai/Sbiのイコライズよりも、センスアンプ駆動ノードP1,N1のイコライズのタイミングを遅らせることにより、経路91の充放電から生じる経路92,93の充放電により、センスノード対Sai/Sbiのイコライズが加速され、次のキャッシュアクセスに高速に移ることが可能となる。
次に、ロウアドレスXci2 が入力されたときのキャッシュ用セル71i2へのアクセスの場合も、前記と同様に、センスノード対Sai/Sbiを高速にイコライズしてキャッシュ用セル71i2へのアクセスに移ることが可能である。
この第1の実施例のDRAMでは、遅延回路60を設け、センスノード等化回路40i を活性化した後に所定の遅延時間後、センスアンプ駆動ノード等化回路50を活性化するようにしたので、センスアンプ駆動ノードP1,N1が電源から切り離された後、該センスアンプ駆動ノードP1,N1に残る電荷を利用してセンスノード対Sai/Sbiのイコライズが加速される。従って、センスノード対Sai/Sbiのイコライズが高速に行われ、キャッシュ用セル71ijへの高速アクセスが可能となる。
【0017】
第2の実施例
図3は、本発明の第2の実施例を示すDRAMの要部回路図であり、第1の実施例を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
このDRAMでは、図1の遅延回路60の他に検出回路100を設け、センスノード等化回路40i を活性化する第1の制御信号用制御線EQSAとセンスアンプ駆動ノード等化回路50を活性化する第2の制御信号用制御線EQSLとを該検出回路100によって駆動するようになっている点のみが第1の実施例と異なっている。
図4は、図3中の検出回路100の構成例を示す回路図である。
この検出回路100は、入力側に制御信号Cd1が入力され出力側に検出信号用制御線EQSAMが接続された第1の検出手段101と、入力側に制御信号Cd2が入力され出力側に制御線EQSLが接続された第2の検出手段102と、入力側に制御線EQSAMとEQSLが接続され出力側に制御線EQSAが接続された論理ゲートであるORゲート103とで、構成されている。
第1の検出手段101は、制御信号Cd1により、メモリセル11へのアクセス又はキャッシュ用セル71(=71i1,71i2,…)へのアクセスが行われた後に該キャッシュ用セル71へのアクセスが行われる場合(これをヒットアクセスという)を検出する機能を有している。第2の検出手段102は、制御信号Cd2により、メモリセル11へのアクセス又はキャッシュ用セル71へのアクセスが行われた後に該メモリセル11へのアクセスが行われる場合(これをミスアクセスという)を検出して制御線EQSLを駆動する機能を有している。
この検出回路100では、ヒットアクセスの場合に制御線EQSAのみを駆動してセンスノード対Sai/Sbiのみをイコライズし、ミスアクセスの場合には制御線EQSA及びEQSLを供に活性化してセンスノード対Sai/Sbiとセンスアンプ駆動ノード対P1/N1を共にイコライズする回路である。そのため、ヒットアクセス時は次のキャッシュアクセスに素早く移ることができ、ミスアクセス時のノイズ耐性を確保することが可能となる。
【0018】
図5は、図3及び図4に示すDRAMにおけるi行目の回路のヒットアクセス時の概略の動作波形図であり、この図を参照しつつヒットアクセス時の動作を説明する。
まず、ロウアドレスXm0に対応するメモリセルアレイ10L(10R)内のメモリセル110のデータを読出した後、ロウアドレスXci1の要求データを保持するキャッシュ用セル71i1へアクセスする場合(ヒットアクセスの場合)、制御線TGL(TGR)を立ち下げてスイッチ手段20L(20R)をオフ状態にすると供にセンスアンプ30i 内のスイッチ35,36をオフ状態にしてセンスアンプ駆動ノードP1,N1を電源から切り離す。次に、検出回路100によって制御線EQSAを立ち上げ、第1の実施例と同様にセンスノード対Sai/Sbiを充放電し、センスアンプ30i 内のPMOS32及びNMOS33をオン状態にしてイコライズを加速する。
そして、制御線EQSAの信号を遅延回路60で遅延し、その出力の第3の制御信号によってセンスノード等化回路40i 内のスイッチ43をオン状態にし、イコライズノードに接続されたNMOS41,42を介してセンスノード対Sai/Sbiを中間電位HVCCにイコライズする。このとき、センスアンプ駆動ノードP1がHVCC+Vtpのレベルまで下がった後にセンスアンプ30i 内のPMOS32がオフし、センスアンプ駆動ノードN1がHVCC−Vtnのレベルまで上がったところで、センスアンプ30i 内のNMOS33がオフする。そのため、センスアンプ駆動ノードP1はHVCC+Vtpになり、センスアンプ駆動ノードN1がHVCC−Vtnになっている。
前記ヒットアクセスの場合は、センスアンプ駆動ノード対P1/N1がイコライズせず、センスノード対Sai/Sbiのイコライズが終了した時点で、TAG回路801 によって制御線SWc1を“H”にして要求データであるキャッシュ用セル71i1からの微小信号をセンスノード対Sai/Sbiに呼び出し、再びセンスアンプ30i 内のスイッチ35,36をオンし、該センスアンプ30i によってセンスノード対Sai/Sbiを増幅する。
【0019】
次に、他のキャッシュ用セル71i2へのヒットアクセスの場合も、前記キャッシュ用セル71i1へのアクセスと同様、センスアンプ駆動ノードP1とN1をイコライズしないまま、要求データの呼び出し動作に移る。
このようにヒットアクセスの場合は、スイッチ手段20L(20R)によってセンスノード対Sai/Sbiがビット線対BLai/BLbiと切り離されて寄生容量が小さい。そのため、キャッシュ用セル71の出力として充分大きな電位が得られ、センスアンプ駆動ノードP1とN1を中間電位HVCCにイコライズしなくても誤動作することがない。従って、センスアンプ駆動ノードP1とN1を中間電位HVCCにイコライズする必要がなく、高速に次のキャッシュアクセスに移ることが可能である。
【0020】
図6は、図3及び図4に示すDRAMにおけるi行目の回路のミスアクセス時の概略の動作波形図であり、この図を参照しつつミスアクセス時の動作を説明する。
まず、ロウアドレスXci3 の要求データを保持するキャッシュ用セル71i3列へのアクセスを終えた後、どのキャッシュ用セル71列も要求データを保持しないロウアドレスXm1が入力され、メモリセル111 列へアクセスする場合(ミスアクセスの場合)、TAG回路803 によって制御線SWc3を立ち下げ、センスアンプ30i 内のスイッチ35,36をオフ状態にしてセンスアンプ駆動ノードP1,N1を電源から切り離す。次に、検出回路100によって制御線EQSAを立ち上げて第1の実施例と同様にセンスノード対Sai/Sbiを充放電し、センスアンプ30i 内のPMOS32及びNMOS33をオン状態にしてイコライズを加速する。
そして、制御線EQSAの信号を遅延回路60によって遅延した後、センスノード等化回路40i 内のスイッチ43をオン状態にしてセンスノード対Sai/Sbiを中間電位HVCCにイコライズする。又、検出回路100によってミスアクセスであることを検出し、制御線EQSLを“H”に立ち上げてセンスアンプ駆動ノード等化回路50内のNMOS51,52,53をオンし、センスアンプ駆動ノードP1とN1を中間電位HVCCにイコライズする。
ミスアクセス(即ち、メモリセル11列へのアクセス)は、センスアンプ駆動ノードP1とN1のイコライズが終了してから、制御線TGL(TGR)を“H”に立ち上げ、予め要求データに対応するワード線WL1 を“H”に立ち上げ、ビット線対BLai/BLbiに出力しておいたメモリセル11列のデータをセンスアンプ30i 内のスイッチ35,36をオンして該センスアンプ30i によって増幅する。
【0021】
次に、メモリセル111 列へのアクセス後にロウアドレスXm2の入力による他のメモリセル112 列へのアクセス(即ち、ミスアクセス)の場合も、前記と同様にメモリセル111 列へのアクセスに先立つイコライズ動作と同様、センスノード対Sai/Sbiをイコライズし、センスアンプ駆動ノードP1N1を中間電位HVCCにイコライズした後にメモリセル112 列へのアクセスを行う。こうすることでミスアクセスの場合は、ノイズ耐性を確保できる。
さらに、DRAMのスタンバイ動作の場合においては、センスノード対Sai/Sbiとセンスアンプ駆動ノード対P1/N1をイコライズしておくよう制御して、リーク電流を防ぐことが可能である。
この第2の実施例では、ヒットアクセスであることを検出する第1の検出手段101とミスアクセスであることを検出する第2の検出手段102とORゲート103とで構成される検出回路100を設け、該ORゲート103の出力によってセンスノード等化回路40i を駆動し、該第2の検出手段102の出力によってセンスアンプ駆動ノード等化回路50を駆動するようにしている。そのため、キャッシュ用セル71へアクセスするときのみにセンスアンプ駆動ノード対P1/N1をイコライズせず、メモリセル11へアクセスするとき及びスタンバイ時にイコライズする。従って、第1の実施例の効果に加え、キャッシュ用セルアクセス時は消費電流を低減できる。さらに、メモリセル11へのアクセス時のノイズ耐性を確保し、スタンバイ時のリーク電流の増加を抑制できる。
【0022】
第3の実施例
図7は、本発明の第3の実施例を示すDRAMの要部回路図であり、第1の実施例を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
このDRAMでは、左側のメモリセルアレイ10Lのi行目のビット線対BLai/BLbi第1の転送ゲート回路であるスイッチ手段20Lを介して接続されるセンスアンプ30i と、該センスアンプ30i の入出力ノードである相補的なセンスノード対Sai/Sbiに接続されるカラムスイッチ回路200iとを備えて いる。センスアンプ30iは、図1と同様にMOSトランジスタ及びイコライズ 手段等で構成され、その相補的なセンスアンプ駆動ノード対P1/N1第1の制御信号であるセンスアンプ活性化信号によって活性化されるようになっている。このセンスアンプ活性化信号により制御される第1のイコライズ回路(例えば、NMOS)44がセンスノードSaiとSbiとの間に接続されている。
カラムスイッチ回路200i は、2つの信号伝達線からなる信号伝達線対である相補的なキャッシュデータ線対Iai/Ibiを有し、そのキャッシュデータ線対Iai/Ibi第2のワード線である制御線SWcj(j=1,2,3,…,n)との交差箇所には、1つあるいは複数のキャッシュ用セル210ij(j=1,2,3,…,n)が接続されている。制御線SWcjは、各キャッシュ用セル210ijの保持データに対応するロウアドレスXを記憶しているTAG回路80jに接続 され、該TAG回路80jによる要求データの保持の有無の判定に従って制御さ れるようになっている。キャッシュ用セル210ijは、スイッチ手段(例えば、電荷転送用のNMOS)211と記憶素子(例えば、第2の容量素子であるキャパシタ)212とでそれぞれ構成されている。なお、同一の制御線SWcjで制御されるキャッシュ用セル(例えば、210i1,210i2,…)を一括してキャッシュ列2101 ,…と称する。
キャッシュデータ線対Iai/Ibiの一方Iai、NMOS221及び222からなる増幅手段の該NMOS221のゲートに、他方IbiがNMOS222のゲートにそれぞれ接続されている。NMOS221,222のドレインがNMOS219及び220からなる第3の転送ゲート回路を介して、2つのデータ線からなるデータ線対であるリードデータ線対RDBa/RDBbにそれぞれ接続され、さらにそれらのNMOS221,222のソースが共通接続されると共に、基準電位(例えば、接地電位VSS)に接続されている。NMOS219,220のゲートは、第3の転送信号用リードカラム線RCLi に共通接続されている。
【0023】
センスノード対Sai/Sbiとキャッシュデータ線対Iai/Ibiとは、第2の転送信号用制御線SWa でゲート制御される第1のトランジスタであるNMOS223及び第2のトランジスタであるNMOS224からなる第2の転送ゲート回路を介してそれぞれ接続されている。さらに、キャッシュデータ線対Iai/Ibiは、ライトカラム線WCLi でゲート制御されるNMOS225,226を介して、データバスであるライトデータ線対WDBa/WDBbにそれぞれ接続されている。キャッシュデータ線対Iai/Ibi間は、第2の制御信号により制御される第2のイコライズ回路(例えば、スイッチ)227を介して相互に接続されている。
このようなカラムスイッチ回路200iは、センスアンプ30iと共に列状に配置され、さらにその各種制御線SWcj,SWa 等も列状に延設されている。なお、センスノード対Sai/Sbiは、図1と同様に右側に延設して右側のメモリセルアレイ10Rのビット線対BLai/BLbiとスイッチ手段20Rを介して接続してもよい。このようにすれば、センスアンプ30i 及びカラムスイッチ回路200i が左右のメモリセルアレイ10L,10Rで共用されるので、チップサイズを小さくできる。
図8及び図9は、図7に示すDRAMの概略の動作波形図であり、この図を参照しつつDRAMの(1)ロードサイクル、(2)ヒットサイクル、(3)ミスサイクル、及び(4)リフレッシュサイクル・ヒットサイクルの動作を説明する。
図8及び図9中のアドレスADDのうち、X0 ,X1 ,X2 ,…はワード線WL(=WL0 ,WL1 ,WL2 ,…)を選択するロウアドレス、Yi ,Y′i ,Y″i ,…はビット線対BLai/BLbiを選択するカラムアドレスである。DA1〜DA7はデータである。
【0024】
(1) ロードサイクル
アドレスADDのうちのロウアドレスX0 ,…で指定される要求データがいずれのキャッシュ列2101 ,…にもなく、かつ有効なデータを保持していないキャッシュ列(即ち、空きのキャッシュ列)2101 が存在する場合、要求データをメモリセルアレイ10Lより読出し、該キャッシュ列2101 にロードする。この場合、次のように制御される。
このロードサイクルでは、制御線SWc1が活性状態の“H”、スイッチ手段20Lがオン状態である。そして、入力されるアドレスADDのうちのロウアドレスX0 に対応するワード線WL0 を“H”に立ち上げ、ビット線対BLai/BLbi上にデータDA1による微小信号を得る。この微小信号は、活性化されたセンスアンプ30i によって増幅され、センスノード対Sai/Sbi及びキャッシュデータ線対Iai/Ibi上にデータDA1の信号が得られる。TAG回路801 によって制御線SWc1が“H”に立ち上がり、キャッシュ列2101 にデータDA1がロードされる。この結果、i行目のキャッシュ用セル210i1内の記憶素子212にデータDA1がロードされる。
【0025】
次に、カラムアドレスYi が入力されると、i行目のカラムスイッチ回路200i 内のNMOS211,222によってリードデータ線対RDBa/RDBb上にデータDA1が送出される。キャッシュデータ線対Iai/Ibi上の信号は、リードデータ線対RDBa/RDBbを駆動するNMOS221,222で増幅されるので、この時点でセンスアンプ30i による増幅が終了していなくても、誤動作のおそれはない。
カラムアドレスYi に対して書込みがあった場合、カラムスイッチ回路200i 内のNMOS225,226がオンし、ライトデータ線対WDBa/WDBb上のデータDA2がキャッシュデータ線対Iai/Ibiへ転送され、さらにキャッシュ列2101 内のキャッシュ用セル210i1とセンスノード対Sai/Sbiへ転送される。センスノード対Sai/Sbi上のデータDA2は、スイッチ手段20Lを介してビット線対BLai/BLbiに書き戻される。このとき、1度に再充放電されるビット線対BLai/BLbiは、カラムアドレスYi で選ばれた限られた組のものだけであるので、その再充放電に要する時間はロードサイクル初期におけるものより充分短い。この様な書込みによるビット線対BLai/BLbiの再充放電(コピーバック)が終了した時点で、ロウアドレスXの更新を含む次のアクセスサイクルへ移行することができる。
なお、図8では、説明の簡単化のために、i行目のビット線対BLai/BLbiへのアクセスが行われるカラムアドレスYi を仮定しているが、他のアドレスであってもよい。この場合、i行目の各回路の波形は変化しない。又、読出しと書込みの順番は、図示したものに限定されない。
【0026】
(2) ヒットサイクル
例えば、ロウアドレスX1 で指定される要求データがキャッシュ列2102 に保持されていると仮定する。この場合、スイッチ手段20Lをオフ状態にしてメモリセルアレイ10Lをセンスアンプ30i より切り離す。さらに、キャッシュ列2102 上のデータをキャッシュデータ線対Iai/Ibi上に転送し、それをセンスアンプ30i で増幅し(リコール)、リードデータ線対RDBa/RDBb及びライトデータ線対WDBa/WDBbとのデータ転送を行う。
このヒットサイクルでも、制御線SWa を“H”に活性しておく。そして、スイッチ手段20Lをオフし、ビット線対BLai/BLbiをセンスアンプ30i から切り離す。同時に、TAG回路801 によって制御線SWc1を“L”に立ち下げる。この結果、ビット線対BLai/BLbiとキャッシュ列2101 には、共に最新のデータDA2が保持される。
次に、スイッチ227及びセンスアンプ30i 内のイコライズ手段により、センスノード対Sai/Sbi及びキャッシュデータ線対Iai/Ibiをイコライズする。TAG回路802 により、ロウアドレスX1 の指定する要求データを保持するキャッシュ列2102 を判定し、その制御線SWc2を“H”に立ち上げる。この結果、i行目のキャッシュ用セル210i2内の記憶素子212のデータDA3が、キャッシュデータ線対Iai/Ibi及びセンスノード対Sai/Sbiに転送される。その後、キャッシュデータ線対Iai/Ibi及びセンスノード対Sai/Sbi上のデータDA3を、センスアンプ30i によって増幅する(これをリコールと称する)。これ以降、カラムアドレスYi で指定された行のキャッシュデータ線対Iai/Ibi上のデータに対し、カラムスイッチ回路200i を介してアクセスできる。
このように、ヒットサイクルにおいては、大きな寄生容量及び抵抗を有するメモリセルアレイ10Lのワード線WLやビット線対BLai/BLbiを介さずに、キャッシュ列2101 ,…から寄生容量の小さなキャッシュデータ線対Iai/Ibiに要求データをリコールして直接アクセスすることができるので、高速なアクセスが可能となる。
【0027】
一方、メモリセルアレイ10Lにおいて、スイッチ手段20Lをオフした後も、ビット線対BLai/BLbi上に前ロウアドレスX0 に対するデータDA2が保持されている。そして、前ロウアドレスX0 の指定するワードWL0 を“L”に立ち下げ、図示しないが、メモリセルアレイ10L内にデータDA2を保存した後、ビット線対BLai/BLbiをイコライズする(プリチャージ)。このように、ヒットサイクルにおいては、メモリセルアレイ10Lのプリチャージ動作とキャッシュ用セル210ijへのアクセスを並行して行える。
さらに、前記プリチャージ動作の後、スイッチ手段20Lをオンし、新しいロウアドレスX1 に対するワード線WL1 を“H”に立ち上げ、キャッシュデータ線対Iai/Ibi上の最新のデータDA4をメモリセルアレイ10Lに書き戻す(コピーバック)。なお、図8では、前記プリチャージ期間中に書込みがあっても、キャッシュデータ線対Iai/Ibi上のデータとキャッシュ列2102 内のキャッシュ用セル210i2のデータが、データDA3からデータDA4に更新されたものとした。
【0028】
(3) ミスサイクル
入力されるロウアドレスX2 で指定される要求データがいずれのキャッシュ列2101 ,…にも保持されておらず、空きのキャッシュ列がない場合、ミスサイクルとなる。この第3の実施例では、前述のごとくロウアドレス変更を含む各サイクル毎にコピーバックを行い、各キャッシュ列2101 ,…と対応するメモリセルアレイ10L内のデータとを同一化しているので、ミスサイクル開始時点ではコピーバックの必要がない。このミスサイクルにおいては、入力されるロウアドレスX2 で指定される要求データをメモリセルアレイ10Lから読出し、TAG回路80j で選ばれる所定のキャッシュ列210j (但し、j=1,2,…,n)のデータを捨てて新しいデータをロードする(データ・リプレース)。
この第3の実施例では、例えば、キャッシュ列2101 のデータをリプレースするものとして説明する。このミスサイクルでも、制御線SWa は“H”にしておく。そして、スイッチ手段20Lをオフし、TAG回路802 で制御線SWc2を“L”に立ち下げる。この結果、ビット線対BLai/BLbiとキャッシュ列2102 内のキャッシュ用セル210i2に前サイクルの最新のデータD4が残る。次に、センスノード対Sai/Sbi及びキャッシュデータ線対Iai/Ibi上をイコライズする。このイコライズ動作を継続した状態で、TAG回路801 で制御線SWc1を“H”に立ち上げる。すると、キャッシュ列2101 のデータが無効となるので、その上で、前記イコライズ動作を終了する。一方、メモリセルアレイ10Lにおいて、前サイクルのロウアドレスX1 に対応するワード線WL1 を“L”に立ち下げ、データDA4をメモリセルアレイ10Lに保存した後、ビット線対BLai/BLbiのイコライズ、即ち該メモリセルアレイ10Lのプリチャージを行う。
その後、スイッチ手段20Lをオンし、新しいロウアドレスX2 で指定されるワード線WL2 を“H”に立ち上げ、ビット線対BLai/BLbiに要求データDA5の微小信号を読出す。この微小信号は、センスアンプ30i で増幅される。その結果、センスノード対Sai/Sbi及びキャッシュデータ線対Iai/IbiへデータDA5が転送され、さらに該データDA5がキャッシュ列2101 内のキャッシュ用セル210i1に転送される。これ以降は、ヒットサイクルと同様に、直接キャッシュデータ線対Iai/Ibiをアクセスすることで、高速な応答が実現できる。なお、メモリセルアレイ10Lのビット線対BLai/BLbiの充放電が完了した後、ロウアドレス変更を含む新しいサイクルの開始ができるようになる。
【0029】
(4) リフレッシュサイクル及びヒットサイクル
DRAMのリフレッシュシ時においてキャッシュがヒットした場合、制御線SWa を“L”にしてスイッチ手段であるNMOS223,224をオフすることで、キャッシュデータ線対Iai/Ibiとセンスノード対Sai/Sbiを切り離す。そして、キャッシュデータ線対Iai/Ibi上の要求データを直接アクセスすると同時に、それと並行してメモリセルアレイ10L内の所定のメモリセル11のリフレッシュを行う。なお、ヒットしなかった場合、外部からのアクセスを遅延させて公知のリフレッシュ動作を行い、その終了後に、前記ミスサイクルと同様な動作を行う。ここでは、ロウアドレスX1 によってキャッシュ列2102 がヒットしたものとして以下説明する。
まず、スイッチ手段20Lをオフし、メモリセルアレイ10Lのプリチャージ動作を行う。即ち、前サイクルで選ばれたワード線WL2 を“L”に立ち下げた後、ビット線対BLai/BLbiをイコライズする。一方、TAG回路801 によって制御線SWc1を“L”に立ち下げる。この結果、キャッシュデータ線対Iai/Ibi上の最新データDA5がメモリセルアレイ10Lとキャッシュ列2101 内のキャッシュ用セル210i1に保存される。このプリチャージ動作と並行してセンスノード対Sai/Sbi及びキャッシュデータ線対Iai/Ibiをイコライズする。その後、新しいロウアドレスX1 によってヒットしたキャッシュ列2102 の制御線SWc2をTAG回路802 で“H”に立ち上げ、キャッシュ用セル210i2の保持データDA4をキャッシュデータ線対Iai/Ibiを介してセンスノード対Sai/Sbiに転送し、センスアンプ30i によってリコールする。
【0030】
次に、制御線SWa を“L”に立ち下げてセンスノード対Sai/Sbiとキャッシュデータ線対Iai/Ibiとを切り離す。その後、キャッシュデータ線対Iai/Ibiに対して直接アクセスすることで、キャッシュヒットと同様に、高速な応答が可能となる。一方、制御線SWa の“L”への立ち下げ後、センスノード対Sai/Sbiをイコライズし、スイッチ手段20Lをオン状態にする。そして、メモリセルアレイ10Lのプリチャージ終了後、リフレッシュすべきメモリセル11のワード線WL3 を“H”に立ち上げてリフレッシュ動作を始める。そして、リフレッシュされるメモリセル11のデータDA7をビット線対BLai/BLbi上に読出し、センスアンプ30i で増幅する。この増幅動作が終了した時点でワード線WL3 を“L”に立ち下げ、ビット線対BLai/BLbiをイコライズしてリフレッシュ動作を終了する。
この間、キャッシュデータ線対Iai/Ibiにはセンスアンプ30i が接続されていないので、図9のようにデータDA6が書込まれた場合、信号の増幅は不充分な状態になっており、またメモリセルアレイ10Lの対応するメモリセル11とも不一致となっている。但し、前述のように、キャッシュデータ線対Iai/Ibi上の信号は、カラムスイッチ回路200i 内のNMOS221,222で増幅されてリードデータ線対RDBa/RDBbに送出されるので、読出し上の問題はない。
そこで、リフレッシュ動作の過程で、センスアンプ30i によるビット線対BLai/BLbiの充放電(前記増幅動作)が終了した時点でスイッチ手段20Lをオフし、センスノード対Sai/Sbiをイコライズする。次いで制御線SWa を“H”に立ち上げ、今度はキャッシュデータ線対Iai/Ibi上の信号の増幅、即ちリコールを行う。さらに、リフレッシュ動作が終了した時点でスイッチ手段20Lをオンし、キャッシュデータ線対Iai/Ibi上の最新データDA6をメモリセルアレイ10Lのビット線対BLai/BLbiに転送する。そして、キャッシュ列2102 と対応するワード線WL1 を“H”に立ち上げてコピーバックを行う。このようにしてリフレッシュサイクルを終了する。
【0031】
以上のように、この第3の実施例では、次のような利点がある。
(a) スイッチ手段であるNMOS223,224をセンスノード対Sai/Sbiとキャッシュデータ線対Iai/Ibiとの間に設けたので、メモリセルアレイ10Lのリフレッシュ動作とキャッシュ列210j へのアクセスを同時並行に行うことができる。そのため、高速な応答が可能であり、平均データレートが向上する。
(b) キャッシュデータ線対Iai/Ibi上の信号を増幅してリードデータ線対RDBa /RDBb に転送するNMOS221,222を設けたので、前記リコール動作に先立ってキャッシュデータのアクセスが可能となり、高速な応答が行える。
(c) 各サイクルのメモリセルアレイ10Lのプリチャージに先立ってスイッチ手段20Lを“L”に立ち下げることで、該メモリセルアレイ10Lのプリチャージ動作とキャッシュデータ線対Iai/Ibiのリコール動作を同時平行に行っている。そのため、各サイクルの最小必要時間(ロウアドレスXの入力から次のロウアドレスXの受付け可能となるまで)を短縮できる。
【0032】
第4の実施例
図10は、本発明の第4の実施例を示すDRAMの要部回路図であり、第3の実施例を示す図7中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
このDRAMでは、第3の実施例のセンスノードSaiとSbiとの間に、バッファ回路であるライトバッファ300i を設けた点のみが異なっている。ライトバッファ300i は、センスノードSaiに接続された第1のスイッチ手段であるスイッチ301と、センスノードSbiに接続された第2のスイッチ手段であるスイッチ302と、該スイッチ301と302間に接続されたキャパシタ等の記憶素子303とで、構成されている。スイッチ301,302は、共通の保持信号用制御線SWb で制御される。この制御線SWb は、センスアンプ30i の列に沿って延設され、各行のライトバッファ300i を共通に制御する構成になっている。このような構成により、少ない寸法増加で、キャッシュ用セル210ijへのアクセスとコピーバックとが同時並行して実行できる。
【0033】
図11及び図12は、図10に示すDRAMにおけるi行目の回路の概略の動作波形図であり、この図を参照しつつDRAMの(1)ロードサイクル、(2)ヒットサイクル、(3)ミスサイクル、及び(4)リフレッシュサイクル・ヒットサイクルの動作について説明する。
(1) ロードサイクル
入力されるロウアドレスXで指定される要求データがいずれのキャッシュ列210j (j=1,2,3,…,n)にもなく、かつ空きのキャッシュ列がある場合、メモリセルアレイ10Lより要求データを読出して空きのキャッシュ列にロードする。
このロードサイクルでは、制御線SWb を“L”の非活性状態、制御線SWa を“H”の活性状態にしておく。スイッチ手段20Lをオンし、入力されるロウアドレスX0 で指定されるワード線WL0 を“H”に立ち上げ、要求データAD1をビット線対BLai/BLbi上に読み出す。読み出した微小信号をセンスアンプ30i で増幅する。このとき、特に限定されないが、スイッチ手段20Lをオフすれば、大きな寄生容量を有するビット線対BLai/BLbiがセンスノード対Sai/Sbiから切り離されるので、前記増幅動作を著しく高速化できる。その上、ビット線対BLai/BLbiに対する充放電電流を低減して動作電流を大幅に減少できると共に、後述するプリチャージ動作の高速化も可能となる。
スイッチ手段20Lをオフした後、ワード線WL0 を“L”に立ち下げ、ビット線対BLai/BLbiをイコライズする。即ち、プリチャージ動作を行う。このとき、スイッチ手段20Lの制御により、ビット線対BLai/BLbi上の電位差が小さいままであるので、このプリチャージ動作が速やかに終了する。この結果、データAD1はメモリセルアレイ10Lには保存されない。一方、読出されたデータAD1は、センスアンプ30i で増幅され、センスノード対Sai/Sbi及びキャッシュデータ線対Iai/Ibi上に生じる。
そこで、空きのキャッシュ列2101 の制御線SWc1を“H”に立ち上げ、キャッシュ用セル210i1にデータAD1をロードする。その後、第3の実施例と同様に、キャッシュデータ線対Iai/Ibi上のデータに直接アクセスすることで、高速な応答ができる。このキャッシュアクセスをキャッシュデータ線対Iai/Ibiの振幅が小さい時点から行えることも第3の実施例と同様である。
【0034】
一方、このロードサイクルにおいては、メモリセルアレイ10Lのプリチャージが高速に行える。そのため、プリチャージ終了後、ロウアドレスXの変更を含む次のアクセスサイクルを開始できる。その上、プリチャージを高速に行えるので、ビット線対BLai/BLbiの充放電まで次のサイクルを開始できない第3の実施例より、サイクル時間を短くできる。
このように、メモリアレイ10Lから、キャッシュ用セル210ijを含むカラムスイッチ回路200i へデータを転送する時に、該メモリアレイ10Lのビット線対BLai/BLbiの充放電を制限する制御を行うことで、消費電力を低減し、高速化をも図れる。
【0035】
(2) ヒットサイクル
入力されたロウアドレスXで指定される要求データがいずれかのキャッシュ列210j に保持されている場合、キャッシュデータ線対Iai/Ibi上の最新データを前サイクル時に活性化したキャッシュ列に保存し、新たに要求されたデータを該キャッシュ列よりキャッシュデータ線対Iai/Ibi上に転送する。
このヒットサイクルにおいても、制御線SWb は“L”の非活性状態、制御線SWa は“H”の活性状態である。スイッチ手段20Lはオフ状態である。活性化されたキャッシュ列2101 とは別のキャッシュ列2102 がヒットしたとすると、まず、旧キャッシュ列2101 に対応する制御線SWc1を“L”に立ち下げ、その時点でのキャッシュデータ線対Iai/Ibi上の最新データAD2(書込みによりデータAD1がデータAD2に更新されたと仮定した)をキャッシュ列2101 内のキャッシュ用セル210i1に保存する。センスノード対Sai/Sbi及びキャッシュデータ線対Iai/Ibiをイコライズした後、要求データAD3を保持するキャッシュ列2102 の制御線SWc2を立ち上げ、そのデータAD3をキャッシュデータ線対Iai/Ibiを介してセンスノード対Sai/Sbiに転送し、センスアンプ30i によりリコールする。その後、第3の実施例と同様に、直接キャッシュデータ線対Iai/Ibiへのアクセスを行い、高速応答が達成される。なお、この第4の実施例では、メモリセルアレイ10L側で何の動作も行う必要がない。そのため、動作消費電力が小さく、かつサイクル時間も短くできる。
(3) ミスサイクル
入力されるロウアドレスXで指定される要求データがいずれのキャッシュ列210j にもない場合、リプレースされる所定のキャッシュ列2101 の保持データをライトバッファ300i に退避させ、要求データをメモリセルアレイ10Lより読出して前記所定のキャッシュ列2101 にロードする。その後、ライトバッファ300i の保持データをメモリセルアレイ10Lにコピーバックする。 このミスサイクルの開始時点では、制御線SWa は“H”である。そして、前サイクルで活性化されたキャッシュ列2102 の制御線SWc2を立ち下げ、キャッシュデータ線対Iai/Ibi上の最新データAD4をキャッシュ列2102 内のキャッシュ用セル210i2に保存する。次に、制御線SWb を立ち上げると共に、センスノード対Sai/Sbi及びキャッシュデータ線対Iai/Ibiをイコライズする。この結果、ライトバッファ300i 内の記憶素子303の各ノードが中間電位HVCCとなる。その後、リプレースするキャッシュ列2101 の制御線SWc1を立ち上げ、その保持データAD2をセンスノード対Sai/Sbiに転送してセンスアンプ30i で増幅する(リコール動作)。
制御線SWb を立ち下げ、ライトバッファ300i 内にデータAD2を退避する。そして、センスノード対Sai/Sbi及びキャッシュデータ線対Iai/Ibiを再度イコライズする。一方、メモリセルアレイ10L側においては、このミスサイクル開始時点で既にプリチャージが終了しており、ロウアドレスX1 の入力直後にそれに対応するワード線WL1 を立ち上げ、ビット線対BLai/BLbi上に要求データAD5を読出すことができる。即ち、第3の実施例と比べてミス時のメモリセルアレイ10Lからの要求データの読出しをより速い時点で実行できる。
【0036】
ライトバッファ300i へのデータAD2の退避と、それに続くセンスノード対Sai/Sbi及びキャッシュデータ線対Iai/Ibiの再度のイコライズの終了後、スイッチ手段20Lをオンする。センスアンプ30i を活性化してメモリセルアレイ10Lからの読出しデータAD5を増幅する。このセンスアンプ増幅の開始直後に、スイッチ手段20Lをオフさせることで、ロードサイクルと同様に後に続く処理を高速化できる。
スイッチ手段20Lをオフさせてすぐにワード線WL1 の立ち下げとビット線対BLai/BLbiのイコライズ、即ちメモリセルアレイ10Lのプリチャージを行う。前述したように、このプリチャージを短時間に終了できる。その上、センスアンプ30i による増幅動作も高速となり、消費電力も小さくなる。センスアンプ30i の増幅動作により、センスノード対Sai/Sbiを介してキャッシュデータ線対Iai/Ibi及びキャッシュ列2101 内のキャッシュ用セル210i1に要求データAD5が得られる。その後、ヒットサイクルと同様、高速なアクセスが行える。この第4の実施例では、サイクル開始時点でメモリセルアレイ10Lのプリチャージが終了しているので、要求データAD5を第3の実施例よりも速くキャッシュデータ線対Iai/Ibi上に転送できる。
一方、要求データAD5の転送が終了すると、すぐに制御線SWa を立ち下げ、センスノード対Sai/Sbiをキャッシュデータ線対Iai/Ibiから切り離す。これにより、以下に説明するように、キャッシュへのアクセスとコピーバックを同時並行して行い、サイクル時間を短くできる。
【0037】
即ち、センスノード対Sai/Sbiをイコライズした後に、制御線SWb を立ち上げ、退避していたデータAD2をセンスノード対Sai/Sbiに転送し、センスアンプ30i で増幅する。スイッチ手段20Lをオン状態にして前記データAD2をビット線対BLai/BLbi上に転送し、続いてリプレース前のキャッシュ列2101 のデータと対応するロウアドレスX0 で指定されるワード線WL0 を立ち上げる。このようにして、ワード線WL0 に接続されたメモリセル11に対し、ロードサイクル時に失われたデータに加え最新の更新結果を含めたデータAD2が書き戻される。
ビット線対BLai/BLbiの充放電が完全に終了すると、スイッチ手段20Lがオフ状態となる。その後、メモリセルアレイ10L側では、ワード線WL0 を完全に立ち下げてから、ビット線対BLai/BLbiをイコライズしてコピーバック動作を完了する。一方、スイッチ手段20Lをオフした後、センスノード対Sai/Sbiをイコライズし、制御線SWa を立ち上げる。そして、センスアンプ30i によってキャッシュデータ線対Iai/Ibiの増幅を行う。この結果、制御線SWa が“L”の活性状態であるとき、書込みのあった行のキャッシュデータ線対Iai/Ibiの信号が増幅される。このようにしてミスサイクルが終了する。
(4) リフレッシュサイクル及びヒットサイクル
リフレッシュ時にキャッシュ列210j がヒットした場合、該キャッシュ列210j へのアクセスとリフレッシュを同時に行うことができる。図12のタイプ1の波形はこの動作を示している。タイプ2の波形については、次の第5の実施例に関するものなので後述する。なお、リフレッシュ時にキャッシュがミスした場合、公知のリフレッシュ動作を行い、続いて前記ミスサイクルと同一の動作を行う。ここでは、入力されたロウアドレスX1 に対してキャッシュ列2102 がヒットしたものとする。
このリフレッシュサイクル及びヒットサイクルでは、まず、制御線SWa と旧キャッシュ列2101 の制御線SWc1を立ち下げ、キャッシュデータ線対Iai/Ibiとセンスノード対Sai/Sbiをイコライズする。新しくヒットしたキャッシュ列2102 の制御線SWc2を立ち上げ、該キャッシュ列2102 内のデータAD4をキャッシュデータ線対Iai/Ibiに転送する。その後、ヒットサイクルと同様に、高速なアクセスができる。
【0038】
一方、メモリセルアレイ10Lにおいては、既にプリチャージが終了している。そのため、すぐにリフレッシュ対象のメモリセル11のワード線WL2 を立ち上げることができ、サイクル時間を短くできる。ワード線WL2 を立ち上げることで、ビット線対BLai/BLbi上にリフレッシュすべきデータAD11が読出される。センスノード対Sai/Sbiのイコライズ後、スイッチ手段20Lをオンしてビット線対BLai/BLbi上の信号を増幅する。ビット線対BLai/BLbiの充放電終了後は、スイッチ手段20Lをオフ状態にする。その後、第3の実施例と同様に、メモリセルアレイ10Lをプリチャージすると共に、センスアンプ30i によってキャッシュデータ線対Iai/Ibiの信号を増幅する。
【0039】
この第4の実施例では、ライトバッファ300i を設けて前記のような制御構成にしたので、第3の実施例に加えて次のような利点がある。
(a) ミスサイクル開始時点でメモリセルアレイ10Lがプリチャージ済みであると共に、該メモリセルアレイ10Lからの要求データの読出しを該メモリセルアレイ10Lへのコピーバックに先行できるので、高速なアクセスが可能となる。
(b) リフレッシドサイクルとヒットサイクルの開始時にも、メモリセルアレイ10Lのプリチャージが終了しているので、サイクル時間を短くできる。
(c) ヒットサイクルにおいても、メモリセルアレイ10L上の動作が不要であるので、サイクル時間が短く、しかも動作電流を低減できる。
(d) ロードサイクル及びミスサイクルの最初のスイッチ時にスイッチ手段20Lを、ビット線対BLai/BLbiの充放電の終了を待たずにオフ状態とすることで、サイクル時間を短くでき、消費電力を大幅に減らせる。
(e) 図13は、図10中のスイッチ手段20Lの制御回路の構成例を示す回路図である。
第1の転送ゲート回路であるスイッチ手段20Lを制御する制御線TGLに対して第1の転送信号である制御信号を供給する制御回路310には、駆動信号で あるセンスアンプ活性化信号SAEが入力される。制御回路310の出力信号と、センスアンプ活性化信号SAEがインバータ311で反転された信号とが、2入力ANDゲート312に入力される。制御回路310の出力信号とANDゲート312の出力信号とが、コピーバック動作検出手段320で切換え制御される切換え手段321を介して、制御線TGLへ供給される。
このように、スイッチ手段20Lの制御線TGLを、ANDゲート312の出力信号で駆動することで、前記の制御を容易かつ正確なタイミングで実行できる。
【0040】
第5の実施例
図14は、本発明の第5の実施例を示すもので、図10の第4の実施例のDRAMに設けられるリフレッシュ制御回路であるリフレッシュモード制御回路の概略の回路図である。
このリフレッシュモード制御回路は、外部入力されるロウアドレスXとリフレッシュアドレスXr のいずれか一方を切換え選択して図10のTAG回路801 〜80n に供給する選択回路(例えば、マルチプレクサ)410を備え、その出力側が該TAG回路801 〜80n の入力側に接続されている。各TAG回路801 〜80n の出力側に接続された出力信号用制御線SWc1〜SWcnには、図10には図示されていないが、タイミングパルスTPによってタイミング調整のためのゲート手段411が接続され、そのゲート手段411の出力が図10のカラムスイッチ回路200i 内のキャッシュ列2101 ,…に供給されるようになっている。
又、このリフレッシュモード制御回路には、DRAM全体を制御する中央処理装置(以下、CPUという)等で構成された中央制御回路420が設けられている。中央制御回路420内には、モード信号であるリフレッシュモード信号Rと第1の信号群である1のリフレッシュタイミング信号群RT1と第2の信号群である第2のリフレッシュタイミング信号群RT2とを発生するリフレッシュタイミング発生回路421が設けられている。この中央制御回路420の出力側とTAG回路801 〜80n の出力側には、ブロック制御手段430が接続されている。ブロック制御手段430は、TAG回路801 〜80n の出力側に接続された制御線SWc1〜SWcn出力信号からリフレッシュモード信号RMを生成するゲート手段431と、該リフレッシュモード信号RMによって第1又は第2のリフレッシュタイミング信号群RT1,RT2のいずれか一方を切換え選択してセンスアンプ30i 及びカラムスイッチ回路200i に対する各種の信号CSを生成するリフレッシュモード切換回路432とで、構成されている。このようなブロック制御手段430は、センスアンプ30i 及びカラムスイッチ回路200i 列毎に設けられている。
【0041】
次に、図12の動作波形図を参照しつつ、図14に示すリフレッシュモード制御回路の動作を説明する。
リフレッシュアドレスXr に対応するデータがいずれのキャッシュ用セル210ijにも保持されていない場合、リフレッシュモード信号Rが“0”のため、第4の実施例で説明したタイプ1のリフレッシュ動作が行われる。一方、リフレッシュアドレスXr に対応するデータを保持するキャッシュ列(例えば、2101 )が存在する場合、リフレッシュモード信号Rが“1”となり、以下に説明するタイプ2のリフレッシュ動作が行われる。
タイプ2のリフレッシュ動作では、リフレッシュ対象となるメモリセル11のワード線WL0 を立ち上げると共に、対応するキャッシュ列2101 の保持データAD6をセンスノード対Sai/Sbiに転送してセンスアンプ30i で増幅し、該キャッシュ列2101 のリフレッシュを行うと共に、スイッチ手段20Lをオンしてビット線対BLai/BLbiにも転送する。即ち、コピーバックを行う。これにより、次のような利点がある。
図10に示す第4の実施例では、キャッシュ用セル210ijにロードしたデータがメモリセルアレイ10L側で保存されず、キャッシュミスが生じるまで該キャッシュ用セル210ij側でのみ保持されている。そのため、キャッシュ用セル210ijをリフレッシュする必要がある。これに対し、この第5の実施例では、メモリセルアレイ10Lのリフレッシュサイクル時に、対応するキャッシュ用セル210ijのリフレッシュを行う。そのため、複数系列のリフレッシュ回路を設ける必要がなく、不必要にリフレッシュサイクルの頻度を増やす必要がない。又、同時にコピーバックを行うことで、次のような利点がある。
DRAMがスタンバイ状態に入った場合、リフレッシュが一巡した時点で全てコピーバックが行われる。その時点で、TAG回路801 〜80n をリセットすることで、全キャッシュが無効となる。一般に、スタンバイ状態においては、リフレッシュ間隔を長くとることが求められるが、この第5の実施例の構成により、特にキャッシュ用セル210ijについては長時間のリフレッシュ間隔に耐えるデバイス設計をとらなくてもよい。例えば、NMOSの基板ウエル電位を負に設定せず、0Vにし、その基板ウエルをセンスアンプ30i 等の他の素子と共用して寸法を小さくできる。その上、制御線SWc1〜SWcnの活性化電位を低減することにより、昇圧に要する電力を低減できる。
【0042】
第6の実施例
図15は、本発明の第6の実施例を示すもので、図10の第4の実施例のDRAMにおけるワード線WL及びスイッチ手段20Lの第1の転送信号用制御線TGLを駆動するドライバの構成例を示す回路図である。
この回路では、デコード信号あるいはスイッチ手段20Lの制御線TGLの活性化信号を入力する入力端子450と、コピーバックモード信号CBMを出力するコピーバック動作検出手段451とを備え、それらの出力側に2入力ANDゲート452,453が接続されている。ANDゲート452の出力側には、その出力信号IN1aを反転して反転信号IN1bを出力するインバータ454が接続されている。同様に、ANDゲート453の出力側にも、その出力信号IN2aを反転して反転信号IN2bを出力するインバータ455が接続されている。ANDゲート452,453及びインバータ454,455の出力側には、電圧設定手段である本実施例の3値出力回路で構成されるドライバが接続されている。
電圧設定手段であるドライバは、例えば信号IN1a,IN2a,IN1b,IN2bがそれぞれ“H”のときにオン状態となるスイッチ456,457,458,459を有している。スイッチ456は、ワード線WLあるいはスイッチ手段20Lの制御線TGLに接続される出力端子466と、第1の電圧である第1の基準電位V1との間に接続されている。スイッチ457は、第2の電圧である第2の基準電位V2と出力端子466との間に接続され、さらにスイッチ458,459が、出力端子466と接地電位VSSとの間に直列接続されている。
このドライバにおいて、第1の基準電位V1を例えばチップ内部電源電位VCCとし、第2の基準電位V2を電源電位VCCより高い昇圧電位に接続し、コピーバックを行うときにのみスイッチ457のみをオンし、それ以外の出力活性化時にはスイッチ456のみをオンするように制御する。このようにすれば、ワード線WLやスイッチ手段20Lの制御線TGLの活性化レベルが、必要なときのみ昇圧されるので、消費電力を小さくできる。
【0043】
第7の実施例
図16は、本発明の第7の実施例を示すもので、図7の第3の実施例あるいは図10の第4の実施例のDRAMの素子配置を示す要部構成図である。
このDRAMでは、キャッシュ用素子領域210に図7又は図10の複数のキャッシュ用セル210i1〜210inが形成されている。キャッシュ用セル210i1〜210in第3の転送信号用リードカラム線RCLi を接続するNMOS219R,219L,221,222、ライトカラム線WCLi を接続するNMOS225,226と、センスノード対Sai/Sbiを接続する第1のトランジスタであるNMOS223及び第2のトランジスタであるNMOS224からなる第2の転送ゲート回路とを図示するように配置している。
即ち、キャッシュ用セル210i1〜210inが接続される信号伝達線であるキャッシュデータ線Ibiデータ線であるリードデータ線RDBa を接続するNMOS219L,222、該キャッシュデータ線IbiとセンスノードSbiを接続するNMOS224、及び信号伝達線であるキャッシュデータ線Iaiとライトデータ線WDB a を接続するNMOS225を、キャッシュ用セル210i1〜210inの占有するキャッシュ用素子領域210の一方の端に配置する。さらに、キャッシュ用セル210i1〜210inが接続されるキャッシュデータ線Iaiデータ線であるリードデータ線RDBb を接続する219R,221、キャッシュデータ線IaiとセンスノードSaiを接続するNMOS223、及びキャッシュデータ線Ibiとライトデータ線WDBb を接続するNMOS226を、キャッシュ用素子領域210の反対の端に配置している。
このような配置構造にすることにより、素子の配列がキャッシュ用素子領域210の両端で対称となり、各素子の寸法にかかわらず、稠密な配置が可能となり、高集積化に適する。
【0044】
第8の実施例
図17は、本発明の第8の実施例を示すもので、図7の第3の実施例あるいは図10の第4の実施例のDRAMの素子配置を示す要部構成図である。
このDRAMでは、キャッシュ用素子領域210に、図7又は図10に示す複数のキャッシュ用セル210i1〜210inを形成している。そして、キャッシュ用セル210i1〜210inライトデータ線対WDB a /WDB b を接続するNMOS225,226と、センスノード対Sai/Sbiを接続する第1のトランジスタであるNMOS223及び第2のトランジスタであるNMOS224からなる第2の転送ゲート回路とを、図示するように幾何学的に配置している。
即ち、キャッシュ用セル210i1〜210inが接続される信号伝達線対であるキャシュデータ線対Iai/Ibiとライトデータ線対WDBa /WDBb を接続するNMOS225,226を、キャッシュ用セル210i1〜210inの占有するキャッシュ用素子領域210の一方の端に配置する。さらに、キャシュデータ線対Iai/Ibiとセンスノード対Sai/Sbiを接続するNMOS223,224を、キャッシュ用素子領域210の反対の端に配置している。
このような配置構造にすれば、スイッチ用素子の配列がキャッシュ用素子領域210の両端に分散され、該スイッチ用素子の寸法にかかわらず、稠密な配置が可能となり、高集積化に適する。さらに、データ線対であるリードデータ線対RDBa /RDBb 及びライトデータ線対WDBa /WDBb がそれぞれ近接して配置されるので、ノイズ耐性を確保することが可能である。
【0045】
第9の実施例
図18は本発明の第9の実施例を示すもので、図7の第3の実施例あるいは図10の第4の実施例のDRAMの要部構成図である。さらに、図19は図18中の回路部分600の部分詳細図である。この第9の実施例は、図7又は図10に示すDRAMにおけるキャッシュ用素子領域210の素子配置に関する実施例である。
図18に示すように、メモリセルアレイ10Lには複数のビット線対BLa /BLb が交互に配置され、該メモリセルアレイ10Lの両側に、スイッチ手段20L及びセンスアンプ30i で構成される回路領域501,502が形成されている。回路領域501におけるビット線4本分の間隔503に相当する回路部分600の詳細な回路構成が図19に示されている。
図19の回路部分600内には、センスノード対Sai/Sbi及びキャシュデータ線対Iai/Ibiが設けられ、該キャッシュデータ線対Iai/Ibiがスイッチ回路620を介してデータバスDBに接続されている。センスノードSaiとSbiとの間にはキャッシュ用素子領域210が形成され、そのキャッシュ用素子領域210内に複数のキャッシュ用セル210i1〜210in及びダミーセル610i1〜610inが設けられている。各キャッシュ用セル210i1〜210inは、スイッチ手段及び記憶素子で構成され、それらがキャッシュデータ線対Iai/Ibiに接続されている。センスノード対Sai/Sbi上には、複数のダミーセル610i1〜610inが配置されている。各ダミーセル610i1〜610inは、キャッシュ用セル210i1〜210inと同一の寸法及び形状のスイッチ手段と記憶素子で構成され、それらのスイッチ手段の端子が電気的にセンスノード対Sai/Sbi上に接続されない構造となっている。
例えば、各ダミーセル610i1〜610inにおけるスイッチ手段をMOSトランジスタで構成した場合、そのドレインを記憶素子に接続すると共に、ソース側上にはンタクト孔を開孔せずに隣接するダミーセルのMOSトランジスタのソースとのみ接続する。このような構造にすることにより、キャッシュ用セル210i1〜210inの構造及びピッチとメモリセルアレイ10Lのメモリセル11の構造及びピッチを同一にできる。そのため、このような微細な構造を製造する際の製造条件の設定が容易となり、製造上の歩留りを向上できる。
なお、本発明は上記実施例に限定されない。例えば、上記実施例ではDRAMについて説明したが、回路構成や素子の変更、あるいは電源の極性等を変更することにより、図示以外のDRAMの構成に変えたり、該DRAM以外の半導体記憶装置に適用する等、種々の変形が可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、第1の発明によれば、第1の制御信号にて、第1のイコライズ回路によりイコライズノードを介して2つのセンスノード間を電気的に短絡することができる。これにより、2つのセンスノード間をまず短絡させることで、駆動ノード対に残る電荷を利用したセンスノード間のイコライズを進めることができる。この後、第2の制御信号にて、第2のイコライズ回路及びスイッチ回路により、駆動ノード対の駆動ノードを所定のイコライズ電圧とすること及びイコライズノードに所定のイコライズ電圧を与えることによるセンスノード対の2つのセンスノードを所定のイコライズ電圧にする。このため、キャッシュ用セルのような負荷を有するセンスノード対と駆動ノード対とをイコライズするに際して、このイコライズ動作を高速かつ確実に実現することができる。
第2の発明によれば、例えば、キャッシュ用セルに対するアクセス、つまり、第2のワード線への駆動である場合には、第1の制御信号とは独立して第2の制御信号を出力することを確実に行えることで、センスノードに対するイコライズ動作を削減することができるので、動作の高速化及び消費電流の低減をより確実にすることができる。
第3及び第5の発明によれば、第2の転送ゲート回路によって、センスノード対と信号伝達線対とを電気的に切り離しておくことで、例えば、キャッシュ用セルから読出され、信号伝達線対に伝達されたデータを、ビット線対に接続されるメモリセルへのデータのアクセスにて使用されるセンスアンプを介することなく、第3の転送ゲート回路からデータ線対へ送ることができる。このため、データ線対への信号の転送と、センスノードのイコライズやビット線対のイコライズ等といった処理とを並行して実行でき、高速な応答が可能になる。
第4の発明によれば、増幅手段を設けたので、リコール動作に先立ってキャッシュ用セルのアクセスが可能となり、高速な応答が行える。
の発明によれば、バッファ回路を設けたので、キャッシュミス時において、メモリセルか信号伝達線対を介したデータのアクセスと、キャッシュ用セルからメモリセルへのデータのコピーバックとを同時並行して行え、高速な応答の可能な半導体記憶装置が得られる。しかも、バッファ回路及びキャッシュ用セルは各センスノード対毎に設けられているので、一度に転送できるデータ量を増大でき、極めて高いヒット率と高速性能を両立できる
【0047】
第7及び第の発明によれば、キャッシュ用セルをメモリセルと同様の構造にすることにより、チップサイズの小さな半導体記憶装置が得られる。
第9の発明によれば、コピーバック動作を検出する検出手段を設けたので、第1の転送ゲート回路の制御を容易かつ正確なタイミングで実行できる。
第10及び第11の発明によれば、リフレッシュ制御回路を設けたので、キャッシュ用セルとしてスタンバイ状態における長時間のリフレッシュ間隔(インターバル)に耐えるデバイスを用いる必要が必須でなくなる。従って、ウエハ分離に要する寸法増大を除去でき、しかも昇圧に要する消費電力を低減できる。
12の発明によれば、電圧設定手段を設けたので、コピーバック以下のメモリセルとキャッシュ用セルとの間のデータ転送時におけるワード線等の不要な昇圧動作を除去でき、消費電力を低減できる。
13の発明によれば、キャッシュ用セル及び第2の転送ゲート回路のレイアウトの対称性が向上するので、第1及び第2のトランジスタの寸法にかかわらず、より稠密なレイアウトが可能となる。
14の発明によれば、2つのデータ線が隣接して配置されるので、ノイズに強い半導体記憶装置が得られる。
第15の発明によれば、キャッシュ用セルの構造及びピッチとメモリセルの構造及びピッチを同一にできるので、その微細加工に要する製造条件の設定が容易となり、高い製造歩留りが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すDRAMの要部回路図である。
【図2】図1の動作波形図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示すDRAMの要部回路図である。
【図4】図3中の検出回路の構成例を示す回路図である。
【図5】図3のヒットアクセス時の動作波形図である。
【図6】図3のミスアクセス時の動作波形図である。
【図7】本発明の第3の実施例を示すDRAMの要部回路図である。
【図8】図7の動作波形図である。
【図9】図7の動作波形図である。
【図10】本発明の第4の実施例を示すDRAMの要部回路図である。
【図11】図10の動作波形図である。
【図12】図10の動作波形図である。
【図13】図10中のスイッチ手段の制御回路を示す回路図である。
【図14】本発明の第5の実施例を示すリフレッシュモード制御回路の回路図である。
【図15】本発明の第6の実施例を示すドライバの回路図である。
【図16】本発明の第7の実施例を示すDRAMの要部構成図である。
【図17】本発明の第8の実施例を示すDRAMの要部構成図である。
【図18】本発明の第9の実施例を示すDRAMの要部構成図である。
【図19】図18中の回路領域600の部分詳細図である。
【符号の説明】
10L,10R メモリセルアレイ
11 メモリセル
20L,20R スイッチ手段
30i センスアンプ
40i センスノード等化回路
50 センスアンプ駆動ノード等化回路
60 遅延回路
70 キャッシュ
71i1〜71in,71ij キャッシュ用セル
801 〜80n ,80j TAG回路
100 検出回路
101,102 第1,第2の検出手段
103 ORゲート
200i カラムスイッチ回路
210i1〜210in,210ij キャッシュ用セル
220〜226 NMOS
227 スイッチ
300i ライトバッファ
301,302,456〜459 スイッチ
303 記憶素子
310 制御回路
320 コピーバック動作検出手段
321 切換手段
410 選択手段
420 中央制御回路
421 リフレッシュタイミング発生回路
430 ブロック制御手段
431 ゲート手段
432 フレッシュモード切換回路
451 コピーバック動作検出手段
610i1〜610in ダミーセル

Claims (2)

  1. 2つのビット線から構成されたビット線対と、各々が複数のアドレス情報のいずれかに基づいて駆動可能な複数の第1のワード線と、各々が前記ビット線対のビット線及び前記複数の第1のワード線のいずれかに接続された複数のメモリセルと、各々が転送信号に応答して活性化する転送ゲート回路を介して前記ビット線対のビット線のいずれかと電気的に接続される2つのセンスノードから構成されたセンスノード対に接続され、電源との間に設けられたスイッチのオン動作によって、第1,第2の駆動ノードからなる駆動ノード対に動作電圧が供給され、該センスノード対における電位差を増幅するPチャネル型MOSトランジスタとNチャネル型MOSトランジスタの交差結合によって構成されるセンスアンプとを有する半導体記憶装置において、
    前記複数のアドレス情報の任意のものに基づいて駆動可能な第2のワード線と、
    前記センスノード対のセンスノード及び前記第2のワード線に接続されたキャッシュ用メモリセルと、
    前記スイッチをオフ状態として、前記駆動ノードに対して前記センスアンプを駆動するのに必要な電圧を与えることが抑制された後に、第1の制御信号に応答して、前記センスノード対の2つのセンスノードとイコライズノードとを電気的に接続して、前記センスノード間で充放電を行なう第1のイコライズ回路と、
    前記第1の制御信号を遅延回路により遅延させて得られる第2の制御信号に応答して、前記駆動ノード対に所定のプリチャージ電圧を与える第2のイコライズ回路と、
    前記第2の制御信号に応答して、前記イコライズノードに所定のプリチャージ電圧を与えるスイッチ回路とを有し、
    前記第 1 のイコライズ回路による充放電が進むに伴って、前記交差結合されたPチャネル型MOSトランジスタ及びNチャネル型MOSトランジスタを導通状態にして、前記駆動ノードと接地間に設けられたコンデンサの電荷を前記センスノードに与えるか、もしくは、前記センスノードの電荷を前記コンデンサに与えることにより、前記センスノード間のイコライズを加速させることを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 前記メモリセルは、第1の容量素子と、ゲート電極が前記第1のワード線に接続され、一方の電極が前記ビット線対のビット線に接続され、他方の電極が容量素子に接続されたMOSトランジスタとで構成されており、前記キャッシュ用メモリセルは、第2の容量素子と、ゲート電極が前記第2のワード線に接続され、一方の電極が前記センスノード対のセンスノードに接続され、他方の電極が第2の容量素子に接続されたMOSトランジスタとで構成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
JP00021094A 1994-01-06 1994-01-06 半導体記憶装置 Expired - Fee Related JP3672940B2 (ja)

Priority Applications (12)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00021094A JP3672940B2 (ja) 1994-01-06 1994-01-06 半導体記憶装置
US08/365,970 US5596521A (en) 1994-01-06 1994-12-29 Semiconductor memory with built-in cache
KR1019940040219A KR100263868B1 (ko) 1994-01-06 1994-12-30 반도체 기억장치
DE69520512T DE69520512T2 (de) 1994-01-06 1995-01-03 Halbleiterspeicher mit eingebautem Cachespeicher
EP95100064A EP0662663B1 (en) 1994-01-06 1995-01-03 Semiconductor memory with built-in cache
US08/739,970 US5781466A (en) 1994-01-06 1996-10-30 Semiconductor memory with built-in cache
US09/003,736 US6011709A (en) 1994-01-06 1998-01-17 Semiconductor memory with built-in cache
US09/458,894 US6249450B1 (en) 1994-01-06 1999-12-10 Semiconductor memory with built-in cache
US09/788,262 US6320778B1 (en) 1994-01-06 2001-02-16 Semiconductor memory with built-in cache
US09/933,998 US6362989B2 (en) 1994-01-06 2001-08-21 Semiconductor memory with built-in cache
US10/044,871 US6522563B2 (en) 1994-01-06 2002-01-10 Semiconductor memory with built-in cache
US10/044,776 US6510070B2 (en) 1994-01-06 2002-01-10 Semiconductor memory with built-in cache

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00021094A JP3672940B2 (ja) 1994-01-06 1994-01-06 半導体記憶装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004063728A Division JP3881664B2 (ja) 2004-03-08 2004-03-08 半導体記憶装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07211061A JPH07211061A (ja) 1995-08-11
JP3672940B2 true JP3672940B2 (ja) 2005-07-20

Family

ID=11467611

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00021094A Expired - Fee Related JP3672940B2 (ja) 1994-01-06 1994-01-06 半導体記憶装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3672940B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004103081A (ja) 2002-09-06 2004-04-02 Renesas Technology Corp 半導体記憶装置
JP2018073437A (ja) * 2016-10-24 2018-05-10 力晶科技股▲ふん▼有限公司 半導体記憶装置
US11360704B2 (en) 2018-12-21 2022-06-14 Micron Technology, Inc. Multiplexed signal development in a memory device

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07211061A (ja) 1995-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100263868B1 (ko) 반도체 기억장치
US6510070B2 (en) Semiconductor memory with built-in cache
US7907439B2 (en) Semiconductor memory device
KR19980080431A (ko) 선택적 프리차지 회로를 포함한 저전력 메모리
GB1565689A (en) Semiconductor memory arrangements
US5625602A (en) NAND-type dynamic RAM having temporary storage register and sense amplifier coupled to multi-open bit lines
US5295111A (en) Dynamic random access memory device with improved power supply system for speed-up of rewriting operation on data bits read-out from memory cells
JP3672940B2 (ja) 半導体記憶装置
US7215595B2 (en) Memory device and method using a sense amplifier as a cache
US6052323A (en) Memory circuit including reduced area sense amplifier circuitry
JP3881664B2 (ja) 半導体記憶装置
US5757707A (en) Semiconductor memory device
JP4342543B2 (ja) 半導体記憶装置
US7345927B2 (en) Semiconductor integrated circuit device
JP3231310B2 (ja) 半導体記憶装置
US6788591B1 (en) System and method for direct write to dynamic random access memory (DRAM) using PFET bit-switch
JP2740486B2 (ja) 半導体記憶装置
US20040240246A1 (en) Bi-directional read write data structure and method for memory
JP2951786B2 (ja) 半導体記憶装置
JP2755615B2 (ja) 半導体記憶装置
JPH07244986A (ja) 半導体記憶装置
JPH10228766A (ja) マイクロコンピュータ
JPH1131794A (ja) 半導体記憶装置
JPH08147975A (ja) 半導体メモリ回路
JPH03219494A (ja) 半導体記憶装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20000725

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040308

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041015

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050421

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees