JP3672444B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板処理装置に関し、より特定的には、半導体デバイス製造プロセス、液晶ディスプレイ製造プロセス、電子部品関連製造プロセス等において、シリコンウエハ、FPD(Flat Panel Display)用基板、フォトマスク用ガラス基板、電子部品等の各種基板に対して、薬液処理を実行する基板処理部を複数備えた基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、処理の対象となる基板を処理槽内に収納し、当該処理槽に各種薬液を供給して循環させることにより、当該基板に対して種々の薬液処理(洗浄処理、エッチング処理等)を施すような基板処理装置が知られている。通常、このような基板処理装置は、使用する薬液から生じるミストや揮発性のガス(以下、これらを不要気体と称す)が外部に漏れるのを防ぐために、密閉性のあるチャンバ内に収納されている。
【0003】
ところで、実際の処理工程では、1台の基板処理装置を単独で使用することは少なく、1台の基板処理装置を1つの基板処理部として複数の基板処理部を連接し、1台の基板処理装置として使用することが多い。これによって、複数の薬液処理を順次的かつ連続的に行うことが可能となる。また、各基板処理部のチャンバ内には、薬液から生じる不要気体が充満するため、これを排気する必要がある。基板処理装置で扱う薬液には、大別すると、酸性の薬液と、アルカリ性の薬液とがある。もし、酸性の薬液から生じる酸性の不要気体と、アルカリ性の薬液から生じるアルカリ性の不要気体とを、1本のダクトで排気しようとすると、酸とアルカリとが反応して塩を生じるため、酸性の不要気体とアルカリ性の不要気体は、別々のダクトで排気する必要がある。従来は、各基板処理部のチャンバに引き込み管を設け、この引き込み管を酸性用の排気ダクトまたはアルカリ性用の排気ダクトのいずれかに連通させるようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、複数の基板処理部を連接して構成される従来の基板処理装置では、各基板処理部毎に引き込み管を設けているため、システム全体のサイズが大型化するという問題点があった。また、最近、酸性の薬液およびアルカリ性の薬液の両方を扱うような複合タイプの基板処理部(以下、複合処理部と称す)を含む基板処理装置が実用化されている。このような複合処理部では、チャンバを、酸性用の排気ダクトまたはアルカリ性用の排気ダクトいずれかに、選択的に切り換えて連通させなければならないため、引き込み管に弁機構を設けており、これがシステムのコストを上昇させていた。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、排気機構の占有スペースが最小限ですむような基板処理システムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、上記のような目的を達成するために、以下に示すような特徴を有している。
【0007】
第1の発明は、酸性の薬液を扱う第1の処理部とアルカリ性の薬液を扱う第2の処理部とが連接された基板処理装置であって、
第1の処理部および第2の処理部に対して共通的かつ一体的に取り付けられ、その内部が酸性の不要気体を排気するための第1の排気部とアルカリ性の不要気体を排気するための第2の排気部との2層に分かれており、さらに第1の処理部との連結部では、第1の排気部が第1の処理部の内部と連通しており、第2の処理部との連結部では、第2の排気部が第2の処理部の内部と連通している排気ダクトを備え、第1の排気部と第2の排気部とは隣接した2層構造であり、第1の排気部は第1の処理部および第2の処理部に対して隣接しているとともに、第2の排気部は第1の処理部および第2の処理部に対して隣接している。
【0008】
上記のように、第1の発明によれば、排気ダクトが各処理部に対して共通的かつ一体的に取り付けられているため、各処理部毎に引き込み配管を設けて排気ダクトと接続する必要がなくなり、装置全体の構成が簡素化される。
【0009】
第2の発明は、酸性の薬液およびアルカリ性の薬液の両方を扱う複合処理部が複数連接された基板処理装置であって、
複数の複合処理部に対して共通的かつ一体的に取り付けられ、その内部が酸性の不要気体を排気するための第1の排気部とアルカリ性の不要気体を排気する為の第2の排気部との2層に分かれており、さらにそれぞれの複合処理部との連結部では、第1の排気部および第2の排気部が複合処理部の内部と連通している排気ダクトと、
排気ダクトとそれぞれの複合処理部との連結部に設けられ、第1の排気部に対する連通部と第2の排気部に対する連通部とを、選択的に切り替えて開放または閉塞させるための切り替え手段とを備えている。
【0010】
上記のように、第2の発明によれば、排気ダクトが各複合処理部に対して共通的かつ一体的に取り付けられているため、各複合処理部毎に引き込み配管を設けて排気ダクトと接続する必要がなくなり、装置全体の構成が簡素化される。また、排気ダクトと複合処理部との連結部では、第1の排気部に対する連通部と第2の排気部に対する連通部とを、選択的に切り換えて開放または閉塞させるような構造になっているため、従来のような複雑な弁機構を設ける必要がなくなり、装置コストが安くなる。
【0011】
第3の発明は、酸性の薬液またはアルカリ性の薬液のいずれかを扱うシンプル処理部と酸性の薬液およびアルカリ性の薬液の両方を扱う複合処理部とが連接された基板処理装置であって、
シンプル処理部および複合処理部に対して共通的かつ一体的に取り付けられ、その内部が酸性の不要気体を排気するための第1の排気部とアルカリ性の不要気体を排気するための第2の排気部との2層に分かれており、さらにシンプル処理部との連結部では、第1の排気部または第2の排気部がシンプル処理部の内部と連通しており、複合処理部との連結部では、第1の排気部および第2の排気部が複合処理部の内部と連通している排気ダクトと、
排気ダクトと複合処理部との連結部に設けられ、第1の排気部に対する連通部と第2の排気部に対する連通部とを、選択的に切り替えて開放または閉塞させるための切り替え手段とを備えている。
【0012】
上記のように、第3の発明によれば、排気ダクトが各処理部に対して共通的かつ一体的に取り付けられているため、各処理部毎に引き込み配管を設けて排気ダクトと接続する必要がなくなり、装置全体の構成が簡素化される。また、排気ダクトと複合処理部との連結部では、第1の排気部に対する連通部と第2の排気部に対する連通部とを、選択的に切り換えて開放または閉塞させるような構造になっているため、従来のような複雑な弁機構を設ける必要がなくなり、装置コストが安くなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置の外観斜視図である。図1において、本実施形態の基板処理装置は、連接された複数の基板処理部KS1〜KS5によって構成されている。ここでは、基板処理部KS1およびKS2が、例えば、硫酸、ふっ化水素酸、硝酸や塩酸および過酸化水素水の混合液(SC−2)などの酸性の薬液を扱うシンプルタイプの基板処理部(以下、シンプル処理部と称す)として、基板処理部KS3およびKS4が上記の酸性の薬液およびアンモニア水および過酸化水素水の混合液(SC−1)などのアルカリ性の薬液を扱う複合処理部として、基板処理部KS5が上記のアルカリ性の薬液を扱うシンプル処理部として示されている。なお、このような組合せは例示にすぎず、他の組合せも勿論可能である。また、連接される基板処理部の数も、図1の構成に限定されるものではない。
【0014】
さらに、各基板処理装置KS1〜KS5の側面には、排気ダクトHDが一体的に設けられる。この排気ダクトHDは、その内部が、酸性の不要気体を排気するための第1の排気部HD1と、アルカリ性の不要気体を排気するための第2の排気部HD2との2層構造になっている。なお、排気ダクトHDと各基板処理部KS1〜KS5との連結構造については、後述する。また、排気ダクトHDは、図示しない排気装置に接続されており、その内部が吸引されて負圧とされることにより、各基板処理部KS1〜KS5内の不要気体を強制排気する。
【0015】
図2は、図1に示す各基板処理部KS1〜KS5(図2では、基板処理部KSと表記する)の構成の一例を示す断面図である。図3は、チャンバ2内に収納される処理槽1の構成を示す一部破断斜視図である。以下、図2および図3を参照して、基板処理装置KSの構成について説明する。
【0016】
図2において、処理槽1は、チャンバ2内に収納されている。この処理槽1の内部には、複数枚の基板Wが互いに所定の間隔を開けて、かつ平行に配列されている。チャンバ2は、処理槽1を収納する本体21と、この本体21の上部に取り付けられる蓋22とから構成されている。蓋22を本体21に取り付けると、Oリング23の作用により、蓋22と本体21とが密着され、チャンバ2内は密閉状態となる。また、本体21内側の最上部近傍には、IPA(イソプロピルアルコール)蒸気及び窒素ガスの導入管24が2つ取り付けられている。この2つの導入管24は、処理槽1の内部に収納される基板Wの配列方向(すなわち、図2の紙面に対して垂直方向)に沿って延びており、当該導入管24の表面上には、IPA蒸気及び窒素ガスを吐出して基板Wに供給するための複数の吐出口(図示せず)が設けられている。また、導入管24の両端部は、本体21の側面を貫通して、外部に設けられるIPA蒸気の供給源(図示せず)と接続されている。
【0017】
次に、図2および図3を参照して、処理槽1の構成をより詳細に説明する。処理槽1の外壁は、外板101により規定され、ほぼ直方体の外形を有している。なお、処理槽1の上部は開口しており、その底部は中央部が下方に突出した逆屋根形状に形成されている。この逆屋根形状の稜線102は、基板Wの配列方向に沿って延びている。外板101の上部外周には、その周囲を取り囲むように、受け板103が設けられている。この受け板103は、外板101の上部周縁と協働して、処理槽1から溢れ出た液体(純水又は薬液)を受けるためのオーバーフロー溝104を形成する。処理槽1の前端近傍であって、受け板103の下部には、孔が開けられ、この孔にはオーバーフロー排液管105の一端が接続されている。オーバーフロー排液管105の他端は、図示しないが、チャンバ2の本体21の側面を貫通して外部へと導かれている。すなわち、オーバーフロー溝104に溢れ出た純水(または薬液)は、このオーバーフロー排液管105を介してチャンバ2の外部へと排出される。
【0018】
処理槽1の前端近傍であってその下部には、アップフロー管106が設けられる。このアップフロー管106の一端は、チャンバ2の本体21の側面を貫通して外部へと導かれ、純水および薬液の供給源に接続されている。アップフロー管106の他端は、処理槽1の前端部で左右に分岐し、処理槽1の左右両側部に設けられた注入内管107と接続されている。この注入内管107の外周を所定の間隔を開けて取り囲むように、注入外管108が設けられる。左右の注入外管108は、それぞれ基板Wの配列方向に沿って延びており、処理槽1の底部と左右側部との間を連結している。注入内管107の外周には、その軸方向に沿って複数の孔107aが所定間隔毎に形成されている。各孔107aは、処理槽1内の基板Wと反対の方向に向いて開口している。注入外管108の外周には、複数のスリット108aが所定の間隔毎に形成されている。各スリット108aは、処理槽内の基板Wの方向に向いて開口している。また、各スリット108aは、それぞれが各基板Wの間に位置するように配置されている。なお、左右の注入内管107および注入外管108は、処理槽1の後端近傍において、終端されている。
【0019】
外板101の左右側部であって、注入外管108の斜め上方には、槽内排液管109が設けられる。この槽内排液管109の一端は、外板101の左右側部に開けられた孔110と接続されている。また、左右の槽内排液管109は、処理槽1の前端近傍において統合され、その他端は、図示しないがチャンバ2の本体21の側面を貫通して外部へと導かれている。これによって、処理槽内の液体が槽内排液管109を介して外部へと排出される。
【0020】
以上説明したように、アップフロー管106、注入内管107、注入外管108および槽内排液管109は、処理槽1の下部に設けられている。したがって、処理槽1の上部には、空間を確保しやすくなる。本基板処理部KSでは、この空間を利用して複数の基板Wを処理槽1内に収納する。
【0021】
処理槽1の内部には、左右1対の基板支持部111が固定的に設けられる。これら基板支持部111の両端は、外板101の内壁の前端側面部分及び後端側面部分に固着されている。各基板支持部111には、所定間隔で複数の溝が形成されており、この溝に基板Wが差し込まれることにより、処理槽1内で基板Wが位置決めされて支持される。
【0022】
さらに、上記のような処理槽1に関連してリフタ4が設けられる。このリフタ4は、基板ガイド41と、この基板ガイド41を昇降させる昇降装置42と、これら昇降装置42および基板ガイド41を連結する連結板43とから構成される。基板ガイド41には、前述の基板支持部111に形成された溝と同様のピッチで複数の溝が形成されており、この溝に基板Wが差し込まれることにより、基板Wが支持される。
【0023】
シンプル処理部KS1、KS2、KS5については、基板に各薬液を循環供給可能な構成としても良い。この場合、上記の基板処理部KSのオーバーフロー排液管105の途中から分岐し、アップフロー管106に接続された戻り配管を設けて循環経路を形成すれば良い。そして、オーバーフロー排液管105と戻り配管との分岐個所にオーバーフロー排液管105中の薬液を減圧チャンバ2外へ排出するか、戻り配管の方向に流すかを切り替える切り替え弁を設けるとともに循環経路中に薬液を循環させるポンプを設ける構成とすれば良い。
また、シンプル処理部KS1、KS2、KS5については、処理レシピに応じて後述の準備工程、洗浄工程および排液/乾燥工程を実行しない場合があり、この場合においては、上記の基板処理部KSの構成から準備工程、洗浄工程および排液/乾燥工程にのみ必要な構成を省略しても良い。
【0024】
上記のような構成を有する基板処理部KSを複合処理部KS3(またはKS4)に適用した際の動作を次に説明する。まず、減圧チャンバ2の外部の純水供給源からアップフロー管106に純水が供給される。アップフロー管106は、供給された純水を、注入内管107へと導く。注入内管107内へと導かれた純水は、注入内管107に形成された各孔107aから、注入外管108の内部へと流出する。注入外管108内に流入した純水は、注入外管108に形成された各スリット108aから処理槽1内へと噴出し、処理槽1内に貯留されていく。やがて、純水は、処理槽1の上部から溢れ出し、オーバーフロー溝104内に流れ込み、そして、オーバーフロー排液管105を介して減圧チャンバ2の外部へと排出される。したがって、処理槽1内に予め存在する不要物は、純水と共に減圧チャンバ2の外部に排出される。これによって、処理槽1内は、以下に説明する基板処理の直前に清浄にされる。一定時間経過後、純水の供給は、処理槽1内を清浄な状態に保つことができる必要最小限の流量に絞られる。こうして、基板処理の準備工程は終了する。
【0025】
次に、減圧チャンバ2内には微量の窒素ガスその他の不活性ガスが導入されて、これによって、当該チャンバ2内がパージされる。また、純水の供給は、上述した必要最小限な流量から、処理に必要な流量に変更される。このような状況で、他工程の終了した基板Wが、基板処理部KSの上部まで搬送される。このとき、減圧チャンバ2の蓋22は開いており、基板ガイド41は昇降装置42によって減圧チャンバ2の上部まで持ち上げられている。次に、基板Wが基板ガイド41上に載置され、支持される。次に、リフタ4は、昇降装置42によって基板ガイド41を下降させる。基板ガイド41が処理槽1の内部の基板支持部111の固設位置よりも下方に下降すると、基板Wが基板ガイド41から基板支持部111へと受け渡され、基板支持部111によって基板Wが位置決められて支持される。これによって、各基板Wは、処理槽1内に収納される。その後、本体21に蓋22が自動的に被せられる。このとき、Oリング23の作用によって、減圧チャンバ2が密閉される。
【0026】
次に、アルカリ処理工程について説明する。このアルカリ処理工程の間中、減圧チャンバ2内には所定量の窒素ガスが導入管24から導入されており、これによって、当該チャンバ2内がパージされる。このような状況下で、減圧チャンバ2の外部の薬液供給源からアップフロー管106に流れている純水にアルカリ性の薬液(例えば、アンモニア水および過酸化水素水の混合液(SC−1))が供給される。アップフロー管106は、供給された薬液を、注入内管107へと導く。注入内管107内へと導かれた薬液は、注入内管107に形成された各孔107aから、注入外管108の内部へと流出し、さらに注入外管108に形成された各スリット108aを介して処理槽1内に噴出する。アップフロー管106には、外部の薬液供給源から一定時間継続的に薬液が供給されるため、処理槽1内における薬液の濃度は、徐々に高くなり、やがて一定濃度となる。その間、溢れ出した薬液は、オーバーフロー溝104内に流れ込み、オーバーフロー排液管105を介して減圧チャンバ2の外部へと排出される。これによって、基板Wは、常に新しい薬液に浸漬されることになる。そして、薬液供給源は、薬液処理工程の開始から一定時間経過すると、薬液の供給を停止し、アルカリ処理工程が終了する。
【0027】
次に、第1の洗浄工程について説明する。洗浄工程では、減圧チャンバ2の外部の純水供給源からアップフロー管106に純水が供給される。アップフロー管106は、供給された純水を、注入内管107へと導く。注入内管107内へと導かれた純水は、注入内管107に形成された各孔107aから、注入外管108の内部へと流出する。注入外管108内に流入した純水は、注入外管108に形成された各スリット108aから処理槽1内へと噴出する。ここで、各スリット108aは、処理槽内で配列された各基板Wの間に位置するように配置されているため、各スリット108aから噴出した純水は、各基板Wの間へと流れ込み、各基板Wの表面がまんべんなく洗浄される。また、純水の供給により処理槽1の上部から溢れ出した液体は、オーバーフロー溝104内に流れ込み、オーバーフロー排液管105を介して減圧チャンバ2の外部へと排出される。このとき、処理槽1内で各基板Wを浸漬していた薬液は、純水中に滞留せず、オーバーフロー水と共に外部へと排出される。アップフロー管106には、外部の純水供給源から継続的に純水が供給されるため、徐々に処理槽内の薬液の濃度が薄まり、やがて処理槽1内は純水のみに置換される。そして、処理槽1内の液体の比抵抗値が所定値(好ましくは純水の比抵抗値)になったことを比抵抗計(図示せず)が検出すると、純水の供給が停止され、洗浄工程が終了する。なお、本実施形態では、基板を洗浄するために純水が用いられているが、これに限られず、基板を洗浄できる性質を有していれば他の洗浄液(例えば、ふっ酸添加純水)を用いても良い。
【0028】
次に、酸処理工程を実行する。酸処理工程は、この工程で使用する薬液が、アルカリ性の薬液ではなく酸性の薬液(例えば、ふっ化水素酸)である点が異なるだけで、その他の動作は上述のアルカリ処理工程と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。そして、酸処理工程が終了した後、上述の第1の洗浄工程と同様の第2の洗浄工程が実行される。
【0029】
次に、排液/乾燥工程について説明する。上記第2の洗浄工程終了後には、処理槽1には純水が十分に貯留されている。そのため、排水/乾燥工程では、まず最初に、この純水の液面を微小量低下させるため、槽内排液管109から純水が微小量排出される。これは、IPA蒸気供給により純水の液面上で凝縮するIPAが、処理槽1の外部へと流出することを防止するためである。上述したような純水の液面を微小量低下させた後、図示しない外部のIPA供給源から導入管24にIPA蒸気が供給される。導入管24は、処理槽1の内部に貯留されている純水の液面に向けて、供給されたIPA蒸気を噴出する。その結果、IPA蒸気は、処理槽1内の純水液面上で凝縮する。
【0030】
一定時間経過後(凝縮したIPA層が一定の厚さになった後)、処理槽1内の純水が、槽内排液管109から排出される。この排出の間中、導入管24はIPA蒸気を供給し続けている。この排出によって純水の液面が降下するにつれて、当該各基板Wには純水液面上で凝縮したIPAが付着することとなる。その結果、各基板Wの表面上に付着している液滴は、凝縮したIPAに置換される。これによって、各基板Wの表面に液滴を残すことなく、当該各基板Wは十分に乾燥する。そして、純水液面レベルが十分に低下し、かつ各基板Wと基板支持部111との間に残留する純水をも十分に乾燥させると、IPA蒸気の供給が停止される。なお、本実施形態では、基板を乾燥させるためにIPAが用いられているが、これに限られず、水溶性でかつ基板上に残る水滴の表面張力を低下させる性質を有していれば、IPA蒸気に代えて他の有機溶剤の蒸気を用いても良い。
【0031】
IPA蒸気の供給停止後、減圧チャンバ2内は所定量の窒素ガスによりパージされる。同時に、減圧チャンバ2内は減圧される。その結果、IPAの沸点が低下するので、減圧チャンバ2内に残留するIPAは容易に蒸発し、各基板Wの表面は短時間で乾燥する。一定時間経過後(減圧チャンバ2内の不必要なIPAを減圧によって乾燥させた後)、減圧が終了する。この減圧終了後、再度窒素ガスによるパージを実行して、減圧チャンバ2の内部を大気圧まで戻す。こうして、排液/乾燥工程が終了する。
【0032】
また、基板処理部KSをシンプル処理部KS1(またはKS2)に適用する場合は、上述のアルカリ処理工程は実行せず、少なくとも酸処理工程を実行すれば良い。上述の準備工程、洗浄工程、排液/乾燥工程は省略しても良い。
同様に基板処理部KSをシンプル処理部KS5に適用する場合は、上述の酸処理工程は実行せず、少なくともアルカリ処理工程を実行すれば良い。上述の準備工程、洗浄工程、排液/乾燥工程は省略しても良い。
シンプル処理部KS1、KS2、KS5において、上述のように基板処理部KSに循環経路等を設ける構成とした場合は、この構成に応じた動作とすれば良い。
【0033】
なお、以上説明した基板処理部KSの構成および動作は一例にすぎず、基板に薬液を供給して何らかの薬液処理を行うものであれば、他の構成の基板処理部を用いても良い。例えば、枚葉の基板を回転させつつ酸性の薬液またはアルカリ性の薬液を供給する基板処理部を用いても良い。
【0034】
図4は、酸性の薬液を扱う基板処理部KS1(または、KS2)と排気ダクトHDとの連結構造を示す断面図である。図示のごとく、排気ダクトHDは、基板処理部KS1のチャンバ2の側面(図2におけるチャンバ2の背面)に一体的に固着されている。そして、排気ダクトHDの内部は、酸性の不要気体を排気するための第1の排気部HD1と、アルカリ性の不要気体を排気するための第2の排気部HD2との2層構造になっている。チャンバ2の側面において、第1の排気部HD1と対向する部分には、開口51aが形成されている。従って、基板処理部KS1の内部に充満した酸性の不要気体は、開口51aを介して、排気ダクトHD内の第1の排気部HD1へと流入し排気される。
【0035】
図5および図6は、酸性およびアルカリ性の薬液を扱う基板処理部KS3(またはKS4)と排気ダクトHDとの連結構造を示す断面図である。なお、図5は、基板処理部KS3が酸性の薬液を扱うときの連結状態を示しており、図6は、基板処理部KS3がアルカリ性の薬液を扱うときの連結状態を示している。図示のごとく、基板処理部KS3のチャンバ2の側面(図2におけるチャンバ2の背面)において、第1の排気部HD1と対向する部分には開口53aが形成され、第2の排気部HD2と対向する部分には開口53bが形成されている。排気ダクトHDの外底部には、ピストン昇降装置61が設けられている。このピストン昇降装置61は、その内部に挿入されたピストン62を、電磁力や空気圧等によって昇降させる。ピストン62は、排気ダクトHDの底面を貫通しており、第1の排気部HD1内で昇降動作を行う。また、基板処理部KS3の内部には、チャンバ2の内壁と当接する状態で、昇降隔壁板7が設けられている。この昇降隔壁板7は、開口53bを介して第2の排気部HD2内へと延びる係止板71を有しており、この係止板71の先端がピストン62によって係止されることにより、昇降隔壁板7がピストン62によって支持される。
【0036】
まず、図5を参照して、基板処理部KS3が上述の酸処理工程において酸性の薬液を扱うときの、基板処理部KS3と排気ダクトHDとの連結状態を説明する。この場合、ピストン62は、ピストン昇降装置61によって上昇され、上死点の位置にある。応じて、昇降隔壁板7も上死点の位置にあり、開口53aを開放し、開口53bを閉塞している。その結果、基板処理部KS3内の不要気体は、開口53aを介して、排気ダクトHD内の第1の排気部HD1へと流入し排気される。
【0037】
次に、図6を参照して、基板処理部KS3が上述のアルカリ処理工程においてアルカリ性の薬液を扱うときの、基板処理部KS3と排気ダクトHDとの連結状態を説明する。この場合、ピストン62は、ピストン昇降装置61によって下降され、下死点の位置にある。応じて、昇降隔壁板7も下死点の位置にあり、開口53aを閉塞し、開口53bを開放している。その結果、基板処理部KS3内の不要気体は、開口53bを介して、排気ダクトHD内の第2の排気部HD2へと流入し排気される。
【0038】
上記のように、酸性およびアルカリ性の薬液を扱う複合処理部KS3においては、扱う薬液の性質に応じて、不要気体の排気経路を第1または第2の排気部HD1またはHD2へと選択的に切り換えることができる。
【0039】
図7は、アルカリ性の薬液を扱う基板処理装置KS5と排気ダクトHDとの連結構造を示す断面図である。図示のごとく、基板処理部KS4のチャンバ2の側面(図2におけるチャンバ2の背面)において、第2の排気部HD2と対向する部分には、開口54bが形成されている。従って、基板処理部KS4の内部に充満したアルカリ性の不要気体は、開口54bを介して、排気ダクトHD内の第2の排気部HD2へと流入し排気される。
【0040】
なお、シンプル処理部KS1、KS2、KS5に上述の洗浄工程を実行するための洗浄処理部が隣接して配置される場合がある。この洗浄処理部は、例えばシンプル処理部KS1で酸性の薬液によって上述の酸処理工程が実行された基板を純水で洗浄処理するものである。
この洗浄処理部と排気ダクトHDとの連結構造は、隣接する基板処理部、すなわち洗浄処理工程の前処理工程に応じて決定される。例えば、シンプル処理部KS1に隣接する洗浄処理部では、前処理工程として酸性の薬液による酸処理工程が実行されているので、洗浄処理部に搬入された基板には酸性の薬液が付着している。その結果、洗浄処理部の内部は酸性の不要気体が充満する。したがって、この洗浄処理部と排気ダクトとの連結構造は、図5に図示されるように洗浄処理部の内部と排気部HD1とが連通する構造とすれば良い。
同様に、例えば、シンプル処理部KS5に隣接する洗浄処理部では、前処理工程としてアルカリ性の薬液にアルカリ処理工程が実行されているので、この洗浄処理部と排気ダクトとの連結構造は、図7に図示されるように洗浄処理部の内部と排気部HD2とが連通する構造とすれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の外観斜視図である。
【図2】図1に示す各基板処理部の構成の一例を示す断面図である。
【図3】チャンバ2内に収納される処理槽1の構成を示す一部破断斜視図である。
【図4】酸性の薬液を扱うシンプル処理部KS1(または、KS2)と排気ダクトHDとの連結構造を示す断面図である。
【図5】酸性およびアルカリ性の薬液を扱う複合処理部KS3(または、KS4)と排気ダクトHDとの連結構造を示す断面図であり、特に、複合処理部KS3が酸性の薬液を扱うときの連結状態を示す図である。
【図6】酸性およびアルカリ性の薬液を扱う複合処理部KS3(または、KS4)と排気ダクトHDとの連結構造を示す断面図であり、特に、複合処理部KS3がアルカリ性の薬液を扱うときの連結状態を示す図である。
【図7】アルカリ性の薬液を扱うシンプル処理部KS5と排気ダクトHDとの連結構造を示す断面図である。
【符号の説明】
KS1〜KS5…基板処理部
HD…排気ダクト
HD1…第1の排気部
HD2…第2の排気部
1…処理槽
2…チャンバ
61…ピストン昇降装置
62…ピストン
7…昇降隔壁板
71…係止板
Claims (3)
- 酸性の薬液を扱う第1の処理部とアルカリ性の薬液を扱う第2の処理部とが連接された基板処理装置であって、
第1の処理部および第2の処理部に対して共通的かつ一体的に取り付けられ、その内部が酸性の不要気体を排気するための第1の排気部とアルカリ性の不要気体を排気するための第2の排気部との2層に分かれており、さらに第1の処理部との連結部では、第1の排気部が第1の処理部の内部と連通しており、第2の処理部との連結部では、第2の排気部が第2の処理部の内部と連通している排気ダクトを備え、
前記第1の排気部と前記第2の排気部とは隣接した2層構造であり、前記第1の排気部は前記第1の処理部および前記第2の処理部に対して隣接しているとともに、前記第2の排気部は前記第1の処理部および前記第2の処理部に対して隣接している、基板処理装置。 - 酸性の薬液およびアルカリ性の薬液の両方を扱う複合処理部が複数連接された基板処理装置であって、
複数の複合処理部に対して共通的かつ一体的に取り付けられ、その内部が酸性の不要気体を排気するための第1の排気部とアルカリ性の不要気体を排気するための第2の排気部との2層に分かれており、さらにそれぞれの複合処理部との連結部では、第1の排気部および第2の排気部が複合処理部の内部と連通している排気ダクトと、
前記排気ダクトとそれぞれの複合処理部との連結部に設けられ、第1の排気部に対する連通部と第2の排気部に対する連通部とを、選択的に切り替えて開放または閉塞させるための切り替え手段とを備える、基板処理装置。 - 酸性の薬液またはアルカリ性の薬液のいずれかを扱うシンプル処理部と酸性の薬液およびアルカリ性の薬液の両方を扱う複合処理部とが連接された基板処理装置であって、
シンプル処理部および複合処理部に対して共通的かつ一体的に取り付けられ、その内部が酸性の不要気体を排気するための第1の排気部とアルカリ性の不要気体を排気するための第2の排気部との2層に分かれており、さらに前記シンプル処理部との連結部では、第1の排気部または第2の排気部がシンプル処理部の内部と連通しており、前記複合処理部との連結部では、第1の排気部および第2の排気部が複合処理部の内部と連通している排気ダクトと、
前記排気ダクトと前記複合処理部との連結部に設けられ、第1の排気部に対する連通部と第2の排気部に対する連通部とを、選択的に切り替えて開放または閉塞させるための切り替え手段とを備える、基板処理装置。
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