JP3672213B2 - フイルムホルダ及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不用意な引き蓋の引き抜きを防止したフイルムホルダ及びその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
120タイプや220タイプのブローニーフイルム(以下写真用ロールフイルムという)を用いる中判カメラは、フイルムホルダがカメラ本体と着脱自在になっているものが多い。これは、中判カメラユーザーの多くがプロやハイアマチュアであり、撮影途中でカラーとモノクロとを撮り分けたり、また同じカラーでもリバーサルフイルムとネガカラーフイルムとを交互に撮ったり、また予めフイルム装填された別のフイルムホルダを用意しておいて素早くフイルム交換する等に有利であるからである。
【0003】
このようなカメラを使用するには、まず引き蓋を差してホルダ本体の前面に設けられた露光用開口を閉じた状態でホルダ本体内に写真用ロールフイルムを装填する。次に、フイルム装填が終わったフイルムホルダをカメラ本体に装着した後、引き蓋を引き抜く。被写体に応じてシャッタ速度や絞りを決め、フレーミングを行ってから、レリーズ操作を行う。撮影途中でフイルムホルダを交換する場合には、ホルダ本体に引き蓋を差し込んでから、カメラ本体から取り外し、別のフイルムホルダをカメラ本体に装着する。
【0004】
このような引き蓋の抜き差しを伴う操作は、慣れを要する面倒なものであるから、不慣れな初心者が間違えてカメラ本体から外れている状態で引き蓋を引き抜かないように、一般に引き蓋とホルダ本体との間にロック機構が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなロック機構が設けられているにもかかわらず、間違えてロック機構を解除して引き蓋を引き抜く場合があり、問題となっていた。
【0006】
本発明は、不用意な引き蓋の引き抜きを防止したフイルムホルダ及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のフイルムホルダは、内部に写真フイルムを装填し、カメラ本体に着脱自在に取り付けられるホルダ本体と、このホルダ本体のカメラ本体に取り付けられる面に設けられ、前記写真フイルムに露光を与える露光用開口と、前記ホルダ本体に抜き差しされ、前記露光用開口を開閉する引き蓋とからなるフイルムホルダにおいて、前記ホルダ本体がカメラ本体から外されているか否かを検知する着脱検知手段と、引き蓋が露光用開口を閉じる所定の閉じ位置から一定量以上引き出されたことを検知する引き蓋検出手段と、写真フイルムがホルダ本体内に撮影可能に装填されているか否かを検知するフイルム検知手段と、前記着脱検知手段,引き蓋検知手段及びフイルム検知手段からの各検知信号を受けて写真フイルムが撮影可能に装填されているにもかかわらずホルダ本体がカメラ本体から外されかつ引き蓋が一定量以上引き出された時に所定の警告手段を起動して警告を発する制御手段とを備えたものである。また、前記警告手段は、音を発生させるものである。また、前記警告手段は、光を発するものである。
【0008】
また、本発明のフイルムホルダの制御方法は、内部に写真フイルムを装填し、カメラ本体に着脱自在に取り付けられるホルダ本体と、このホルダ本体に抜き差しされ、前記カメラ本体に取り付けられる面に設けられた露光用開口を開閉する引き蓋とからなるフイルムホルダの制御方法において、前記引き蓋の有無を検知し、引き蓋がある状態からない状態に変化した場合にはカメラ本体との接続状態を検知し、カメラ本体から外れている場合には写真フイルムが撮影可能に装填されているか否かを検知し、写真フイルムが撮影可能に装填されている場合には警告を発するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のフイルムホルダ1は、図2に示すように、カメラ2のカメラ本体3の後部に着脱自在に取り付けられる。フイルムホルダ1は、裏紙付きの写真フイルム4をロール状に巻き付けた写真用ロールフイルム5が中枠を介して装填されるホルダ本体6と、このホルダ本体6に抜き差しされ、ホルダ本体6の前面に形成された露光用開口7を開閉する引き蓋8とからなる。なお、符号8aは引き蓋8の把手部である。また、フイルムホルダ1の上面には、コマ番号を初めとする各種のデータを表示する液晶表示板9や各種操作を行う複数個のボタン10等が配置されている。
【0010】
ホルダ本体6と引き蓋8との間には、図示しないロック機構が設けられており、フイルムホルダ1をカメラ本体3から外した状態では、ロック機構の解除操作を行わないかぎり、引き蓋8をホルダ本体6から抜き差しできないようになっている。
【0011】
フイルムホルダ1の電気的な構成を示す図3において、ホルダ本体6に内蔵された回路基板にはフイルムホルダ全体の制御を行うCPU20が取り付けられており、これに、前記液晶表示板9の他、カメラ本体3との着脱状態を検知する着脱検知手段としての着脱検知センサ21と、引き蓋8が露光用開口7を閉じる所定の閉位置から一定量以上引き出されたことを検知する引き蓋検出手段としての引き蓋検知センサ22と、前記複数個のボタン10の各下に設けられたスイッチ群であるSW23と、これを背後から照明するバックライトの駆動制御を行うバックライト駆動回路24と、フイルム給送路に設けられたフォトセンサ25からの信号に基づいてパスターのバーコードからフイルム感度や製品名等のフイルム情報を読み取るバーコード読取回路26と、フイルム給送量を検出して1コマ送り制御に用いるエンコーダ等からなるフイルム給送量検出回路27と、給送モータの駆動制御を行う給送モータ駆動回路28と、各種のデータを写真フイルム4の縁に写し込むデータ写し込み制御回路29と、詳しくは後述する引き蓋の不用意な引き抜き時や撮影可能な枚数が最後の1枚になったとき等に警告用のブザーを鳴らすブザー回路30と、各種表示用のデータテーブルや種々のシーケンスプログラムを記憶したEEPROM31と、裏蓋6aの開閉状態を検知する裏蓋検知センサ32と、カメラ本体3にフイルムホルダ1を装着した際にカメラ本体3のCPUにCPU30を連結するインターフェース33とが接続されている。
【0012】
なお、前記着脱検知センサ21は、例えばホルダ本体6の前面に投,受光を設けた反射型フォトセンサである。また、引き蓋検知センサ22は、図2に示すように、例えば閉位置にある引き蓋8の先端部近傍に設けられた反射型センサであり、引き蓋8がロック状態における遊び量(例えば1mm程度)を超えた抜き差しを検知する。引き蓋検知センサ22からの出力信号が、例えば「1」→「0」と変化したときには、CPU20は引き蓋8が「有り」→「無し」に変位した(引き抜かれた)と判断し、また「0」→「1」と変化したときには、引き蓋8が「無し」→「有り」に変位した(挿入された)と判断する。また、前記パスターとは、写真フイルムの一方の端を遮光紙に接合している接合テープである。
【0013】
このように構成されたフイルムホルダ1の作用を説明する。まず、引き蓋8がホルダ本体6の側面に設けられたスリットから奥まで差し込まれ、露光用開口7が光密に閉じられていることを確認してから、カメラ本体3からフイルムホルダ1を外す。裏蓋6aを開けてホルダ本体6から中枠を取り出し、この中枠に遮光紙をΩ状にセットしてから、中枠を元に戻して裏蓋を閉じる。
【0014】
この後、ボタン10の中の1stフレームセット(FFS)ボタンを押すと、フイルム給送が開始される。パスターが中枠に設けられたフォトセンサ25の位置に達すると、パスターのバーコードがバーコード読取回路26によって読み取られ、この読取信号がCPU30に送出される。これと同時に、フォトセンサ25がパスターを検出した時点からの規定量送り制御が行われ、写真フイルム4の第1コマ目が露光用開口7に相対する露光位置にセットされる。
【0015】
CPU30は、バーコード読取回路34からの読取信号に基づいてフイルム感度データ等のフイルム情報を検出した後、露光制御で用いるフイルム感度データ等を設定するとともに、フイルム感度等を液晶表示板9に表示する。
【0016】
フイルム装填が終わったフイルムホルダ1をカメラ本体3の後端部に装着してから、フイルムホルダ1の引き蓋を抜き取り、フレーミング等を決めてからレリーズ操作すれば、第1コマ目の写真フイルム4に被写体画像が露光される。この後、1コマ給送が行われて第2コマ目の写真フイルム4が露光位置に自動セットされ、以下同様に撮影を行うことができる。
【0017】
内部に装填した写真フイルム4の全コマを撮影し終わる前にフイルムホルダ1を交換(途中交換)する場合には、引き蓋8をホルダ本体6に差し込んで露光用開口7を閉じてから、フイルムホルダ1をカメラ本体3から取り外す。この状態では、引き蓋8とホルダ本体6との間にはロックがかかっており、引き蓋8を不用意に引き抜くことができないようになっている。しかしながら、何らかの理由で内部の写真フイルム4が詰まった場合等の緊急時に対応できるように、ロック機構の解除を行うためのボタンが用意されている。このボタンは、比較的簡単に操作できるようになっているため、初心者等が誤ってロック機構を解除して引き蓋8を引き抜く場合もあり得る。
【0018】
図1に示すように、引き蓋8がロック状態における遊び量を超えて引き抜かれた場合には、これを引き蓋検知センサ22が検知してこの検知信号をCPU20に送出する。これを受け取ると、CPU20はホルダ本体6がカメラ本体3から外れているか否かを着脱検知センサ21からの検知信号で判定し、外れている場合には、フイルムカウンタが「0」か、「E」かを調べる。フイルムカウンタが「0」であれば、まだフイルム装填されていない状態であり、フイルムカウンタが「E」であれば、写真フイルム4の全撮影が終了して巻き取られている状態であるから問題はない。フイルムカウンタが「0」,「E」のいずれでもない場合には、写真フイルム4が撮影可能な状態で装填されているので、ブザー回路30を作動させて警告音を発する。
【0019】
フイルムホルダ1がカメラ本体3に装着されている場合には、裏蓋検知センサ32からの検知信号によって裏蓋6aの開閉状態を検知する。裏蓋6aが開いている場合には、フイルム装填操作中と判断される。また、裏蓋6aが閉じている場合には、CPU20はフイルムカウンタが「0」か否かを確認する。
【0020】
フイルムカウンタが「0」である場合は、写真用ロールフイルム5が未装填であるか、またはまだ1stフレームセットボタンを押してない状態である。いずれにしても撮影が不可能な状態であるからCPU20はインターフェース33を介してカメラ本体3と交信し、シャッタボタンをロックする等の撮影禁止処理を行った後、電源電圧を測定してこれが規定電圧以上であるか否かを判定する。
【0021】
電源電圧が規定電圧以上である場合には、FFS処理を行い、電源電圧が規定電圧以上でない場合には、CPU20は撮影許可信号をカメラ本体3に送出する。撮影許可が出てもフイルム巻上げ駆動用に電源電圧が足りないが、カメラ本体3からインターフェース33を介してホルダ本体6に電源が供給される。また、FFS処理がなされた後、この処理が正常に終了したか否かが判定され、正常である場合にはCPU20は撮影許可信号をカメラ本体3に送出し、正常でない場合には、写真用ロールフイルム5が未装填であると判定される。
【0022】
引き蓋検知センサ22からの検知信号が「0」→「1」に変化して引き蓋8がホルダ本体6に差し込まれたことをCPU20が検知した場合には、ブザーを鳴らして警告中であるか否かを調べる。警告中であれば、すでに露光用開口7が閉じられているから、CPU20はブザー回路の駆動を停止して警告を中止する。また、警告中でない場合には、CPU20はフイルムホルダ1がカメラ本体3に装着されているか否かを検知して、装着されていれば、撮影許可をカメラ本体3に送出し、装着されていなければ、単にフイルムホルダ1がカメラ本体3から外されている状態で、特に異常ではないと判断する。
【0023】
撮影が進み、撮影可能なコマ数が最後の1コマとなったときには、ブザー回路38が作動してブザーを鳴らし、ユーザに注意を促す。最後の1コマを撮影し終わると、自動巻取りが行われ、ユーザは直ちにフイルムホルダ1の蓋を開けて撮影済みの写真用ロールフイルム5を回収することができる。
【0024】
以上説明した実施形態では、警告を発する手段としてブザー回路を用いたが、本発明はこれに限定されることなく、例えばランプの点滅発光による光によって警告を発するようにしてもよい。また、音と光の両方によって警告してもよい。また、フイルムホルダがカメラ本体に装着されているか否かを検知する着脱検知手段として反射型フォトセンサを用いたが、本発明にこれに限定されることなく、例えばマイクロスイッチでもよい。この場合には、例えばマイクロスイッチの可動部をホルダ本体の前面の一部に突出させ、フイルムホルダをカメラ本体に装着した際に、マイクロスイッチの可動部が押されてマイクロスイッチがオンされるようにする。
【0025】
また、上記実施形態は本発明を中判カメラに適用した例であったが、本発明はこれに限定されることなく、カメラ本体と着脱可能なフイルムホルダを有するカメラであれば、135タイプやアドバンストフォトシステム等のカメラにも適用できる。
【0026】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のフイルムホルダ及びその制御方法によれば、写真フイルムが撮影可能に装填されているにもかかわらずホルダ本体がカメラ本体から外されかつ引き蓋が一定量以上引き出された時に警告を発するようにしたので、不用意な引き蓋の引き抜きを防止することができる。また、前記警告を音によって行うと、ユーザーの注意を確実に促すことができる。また、前記警告を光によって行うと、静かな場所でも他に迷惑をかけることなくユーザーの注意を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る引き蓋処理のシーケンスを示すフローチャートである。
【図2】引き蓋をホルダ本体6に差し込んだ状態のフイルムホルダを示す説明図である。
【図3】フイルムホルダの電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 フイルムホルダ
2 カメラ
3 カメラ本体
4 写真フイルム
5 写真用ロールフイルム
6 ホルダ本体
6a 裏蓋
7 露光用開口
8 引き蓋
20 CPU
21 着脱検知センサ
22 引き蓋検知センサ
23 裏蓋検知センサ
30 ブザー回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、不用意な引き蓋の引き抜きを防止したフイルムホルダ及びその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
120タイプや220タイプのブローニーフイルム(以下写真用ロールフイルムという)を用いる中判カメラは、フイルムホルダがカメラ本体と着脱自在になっているものが多い。これは、中判カメラユーザーの多くがプロやハイアマチュアであり、撮影途中でカラーとモノクロとを撮り分けたり、また同じカラーでもリバーサルフイルムとネガカラーフイルムとを交互に撮ったり、また予めフイルム装填された別のフイルムホルダを用意しておいて素早くフイルム交換する等に有利であるからである。
【0003】
このようなカメラを使用するには、まず引き蓋を差してホルダ本体の前面に設けられた露光用開口を閉じた状態でホルダ本体内に写真用ロールフイルムを装填する。次に、フイルム装填が終わったフイルムホルダをカメラ本体に装着した後、引き蓋を引き抜く。被写体に応じてシャッタ速度や絞りを決め、フレーミングを行ってから、レリーズ操作を行う。撮影途中でフイルムホルダを交換する場合には、ホルダ本体に引き蓋を差し込んでから、カメラ本体から取り外し、別のフイルムホルダをカメラ本体に装着する。
【0004】
このような引き蓋の抜き差しを伴う操作は、慣れを要する面倒なものであるから、不慣れな初心者が間違えてカメラ本体から外れている状態で引き蓋を引き抜かないように、一般に引き蓋とホルダ本体との間にロック機構が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなロック機構が設けられているにもかかわらず、間違えてロック機構を解除して引き蓋を引き抜く場合があり、問題となっていた。
【0006】
本発明は、不用意な引き蓋の引き抜きを防止したフイルムホルダ及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のフイルムホルダは、内部に写真フイルムを装填し、カメラ本体に着脱自在に取り付けられるホルダ本体と、このホルダ本体のカメラ本体に取り付けられる面に設けられ、前記写真フイルムに露光を与える露光用開口と、前記ホルダ本体に抜き差しされ、前記露光用開口を開閉する引き蓋とからなるフイルムホルダにおいて、前記ホルダ本体がカメラ本体から外されているか否かを検知する着脱検知手段と、引き蓋が露光用開口を閉じる所定の閉じ位置から一定量以上引き出されたことを検知する引き蓋検出手段と、写真フイルムがホルダ本体内に撮影可能に装填されているか否かを検知するフイルム検知手段と、前記着脱検知手段,引き蓋検知手段及びフイルム検知手段からの各検知信号を受けて写真フイルムが撮影可能に装填されているにもかかわらずホルダ本体がカメラ本体から外されかつ引き蓋が一定量以上引き出された時に所定の警告手段を起動して警告を発する制御手段とを備えたものである。また、前記警告手段は、音を発生させるものである。また、前記警告手段は、光を発するものである。
【0008】
また、本発明のフイルムホルダの制御方法は、内部に写真フイルムを装填し、カメラ本体に着脱自在に取り付けられるホルダ本体と、このホルダ本体に抜き差しされ、前記カメラ本体に取り付けられる面に設けられた露光用開口を開閉する引き蓋とからなるフイルムホルダの制御方法において、前記引き蓋の有無を検知し、引き蓋がある状態からない状態に変化した場合にはカメラ本体との接続状態を検知し、カメラ本体から外れている場合には写真フイルムが撮影可能に装填されているか否かを検知し、写真フイルムが撮影可能に装填されている場合には警告を発するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のフイルムホルダ1は、図2に示すように、カメラ2のカメラ本体3の後部に着脱自在に取り付けられる。フイルムホルダ1は、裏紙付きの写真フイルム4をロール状に巻き付けた写真用ロールフイルム5が中枠を介して装填されるホルダ本体6と、このホルダ本体6に抜き差しされ、ホルダ本体6の前面に形成された露光用開口7を開閉する引き蓋8とからなる。なお、符号8aは引き蓋8の把手部である。また、フイルムホルダ1の上面には、コマ番号を初めとする各種のデータを表示する液晶表示板9や各種操作を行う複数個のボタン10等が配置されている。
【0010】
ホルダ本体6と引き蓋8との間には、図示しないロック機構が設けられており、フイルムホルダ1をカメラ本体3から外した状態では、ロック機構の解除操作を行わないかぎり、引き蓋8をホルダ本体6から抜き差しできないようになっている。
【0011】
フイルムホルダ1の電気的な構成を示す図3において、ホルダ本体6に内蔵された回路基板にはフイルムホルダ全体の制御を行うCPU20が取り付けられており、これに、前記液晶表示板9の他、カメラ本体3との着脱状態を検知する着脱検知手段としての着脱検知センサ21と、引き蓋8が露光用開口7を閉じる所定の閉位置から一定量以上引き出されたことを検知する引き蓋検出手段としての引き蓋検知センサ22と、前記複数個のボタン10の各下に設けられたスイッチ群であるSW23と、これを背後から照明するバックライトの駆動制御を行うバックライト駆動回路24と、フイルム給送路に設けられたフォトセンサ25からの信号に基づいてパスターのバーコードからフイルム感度や製品名等のフイルム情報を読み取るバーコード読取回路26と、フイルム給送量を検出して1コマ送り制御に用いるエンコーダ等からなるフイルム給送量検出回路27と、給送モータの駆動制御を行う給送モータ駆動回路28と、各種のデータを写真フイルム4の縁に写し込むデータ写し込み制御回路29と、詳しくは後述する引き蓋の不用意な引き抜き時や撮影可能な枚数が最後の1枚になったとき等に警告用のブザーを鳴らすブザー回路30と、各種表示用のデータテーブルや種々のシーケンスプログラムを記憶したEEPROM31と、裏蓋6aの開閉状態を検知する裏蓋検知センサ32と、カメラ本体3にフイルムホルダ1を装着した際にカメラ本体3のCPUにCPU30を連結するインターフェース33とが接続されている。
【0012】
なお、前記着脱検知センサ21は、例えばホルダ本体6の前面に投,受光を設けた反射型フォトセンサである。また、引き蓋検知センサ22は、図2に示すように、例えば閉位置にある引き蓋8の先端部近傍に設けられた反射型センサであり、引き蓋8がロック状態における遊び量(例えば1mm程度)を超えた抜き差しを検知する。引き蓋検知センサ22からの出力信号が、例えば「1」→「0」と変化したときには、CPU20は引き蓋8が「有り」→「無し」に変位した(引き抜かれた)と判断し、また「0」→「1」と変化したときには、引き蓋8が「無し」→「有り」に変位した(挿入された)と判断する。また、前記パスターとは、写真フイルムの一方の端を遮光紙に接合している接合テープである。
【0013】
このように構成されたフイルムホルダ1の作用を説明する。まず、引き蓋8がホルダ本体6の側面に設けられたスリットから奥まで差し込まれ、露光用開口7が光密に閉じられていることを確認してから、カメラ本体3からフイルムホルダ1を外す。裏蓋6aを開けてホルダ本体6から中枠を取り出し、この中枠に遮光紙をΩ状にセットしてから、中枠を元に戻して裏蓋を閉じる。
【0014】
この後、ボタン10の中の1stフレームセット(FFS)ボタンを押すと、フイルム給送が開始される。パスターが中枠に設けられたフォトセンサ25の位置に達すると、パスターのバーコードがバーコード読取回路26によって読み取られ、この読取信号がCPU30に送出される。これと同時に、フォトセンサ25がパスターを検出した時点からの規定量送り制御が行われ、写真フイルム4の第1コマ目が露光用開口7に相対する露光位置にセットされる。
【0015】
CPU30は、バーコード読取回路34からの読取信号に基づいてフイルム感度データ等のフイルム情報を検出した後、露光制御で用いるフイルム感度データ等を設定するとともに、フイルム感度等を液晶表示板9に表示する。
【0016】
フイルム装填が終わったフイルムホルダ1をカメラ本体3の後端部に装着してから、フイルムホルダ1の引き蓋を抜き取り、フレーミング等を決めてからレリーズ操作すれば、第1コマ目の写真フイルム4に被写体画像が露光される。この後、1コマ給送が行われて第2コマ目の写真フイルム4が露光位置に自動セットされ、以下同様に撮影を行うことができる。
【0017】
内部に装填した写真フイルム4の全コマを撮影し終わる前にフイルムホルダ1を交換(途中交換)する場合には、引き蓋8をホルダ本体6に差し込んで露光用開口7を閉じてから、フイルムホルダ1をカメラ本体3から取り外す。この状態では、引き蓋8とホルダ本体6との間にはロックがかかっており、引き蓋8を不用意に引き抜くことができないようになっている。しかしながら、何らかの理由で内部の写真フイルム4が詰まった場合等の緊急時に対応できるように、ロック機構の解除を行うためのボタンが用意されている。このボタンは、比較的簡単に操作できるようになっているため、初心者等が誤ってロック機構を解除して引き蓋8を引き抜く場合もあり得る。
【0018】
図1に示すように、引き蓋8がロック状態における遊び量を超えて引き抜かれた場合には、これを引き蓋検知センサ22が検知してこの検知信号をCPU20に送出する。これを受け取ると、CPU20はホルダ本体6がカメラ本体3から外れているか否かを着脱検知センサ21からの検知信号で判定し、外れている場合には、フイルムカウンタが「0」か、「E」かを調べる。フイルムカウンタが「0」であれば、まだフイルム装填されていない状態であり、フイルムカウンタが「E」であれば、写真フイルム4の全撮影が終了して巻き取られている状態であるから問題はない。フイルムカウンタが「0」,「E」のいずれでもない場合には、写真フイルム4が撮影可能な状態で装填されているので、ブザー回路30を作動させて警告音を発する。
【0019】
フイルムホルダ1がカメラ本体3に装着されている場合には、裏蓋検知センサ32からの検知信号によって裏蓋6aの開閉状態を検知する。裏蓋6aが開いている場合には、フイルム装填操作中と判断される。また、裏蓋6aが閉じている場合には、CPU20はフイルムカウンタが「0」か否かを確認する。
【0020】
フイルムカウンタが「0」である場合は、写真用ロールフイルム5が未装填であるか、またはまだ1stフレームセットボタンを押してない状態である。いずれにしても撮影が不可能な状態であるからCPU20はインターフェース33を介してカメラ本体3と交信し、シャッタボタンをロックする等の撮影禁止処理を行った後、電源電圧を測定してこれが規定電圧以上であるか否かを判定する。
【0021】
電源電圧が規定電圧以上である場合には、FFS処理を行い、電源電圧が規定電圧以上でない場合には、CPU20は撮影許可信号をカメラ本体3に送出する。撮影許可が出てもフイルム巻上げ駆動用に電源電圧が足りないが、カメラ本体3からインターフェース33を介してホルダ本体6に電源が供給される。また、FFS処理がなされた後、この処理が正常に終了したか否かが判定され、正常である場合にはCPU20は撮影許可信号をカメラ本体3に送出し、正常でない場合には、写真用ロールフイルム5が未装填であると判定される。
【0022】
引き蓋検知センサ22からの検知信号が「0」→「1」に変化して引き蓋8がホルダ本体6に差し込まれたことをCPU20が検知した場合には、ブザーを鳴らして警告中であるか否かを調べる。警告中であれば、すでに露光用開口7が閉じられているから、CPU20はブザー回路の駆動を停止して警告を中止する。また、警告中でない場合には、CPU20はフイルムホルダ1がカメラ本体3に装着されているか否かを検知して、装着されていれば、撮影許可をカメラ本体3に送出し、装着されていなければ、単にフイルムホルダ1がカメラ本体3から外されている状態で、特に異常ではないと判断する。
【0023】
撮影が進み、撮影可能なコマ数が最後の1コマとなったときには、ブザー回路38が作動してブザーを鳴らし、ユーザに注意を促す。最後の1コマを撮影し終わると、自動巻取りが行われ、ユーザは直ちにフイルムホルダ1の蓋を開けて撮影済みの写真用ロールフイルム5を回収することができる。
【0024】
以上説明した実施形態では、警告を発する手段としてブザー回路を用いたが、本発明はこれに限定されることなく、例えばランプの点滅発光による光によって警告を発するようにしてもよい。また、音と光の両方によって警告してもよい。また、フイルムホルダがカメラ本体に装着されているか否かを検知する着脱検知手段として反射型フォトセンサを用いたが、本発明にこれに限定されることなく、例えばマイクロスイッチでもよい。この場合には、例えばマイクロスイッチの可動部をホルダ本体の前面の一部に突出させ、フイルムホルダをカメラ本体に装着した際に、マイクロスイッチの可動部が押されてマイクロスイッチがオンされるようにする。
【0025】
また、上記実施形態は本発明を中判カメラに適用した例であったが、本発明はこれに限定されることなく、カメラ本体と着脱可能なフイルムホルダを有するカメラであれば、135タイプやアドバンストフォトシステム等のカメラにも適用できる。
【0026】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のフイルムホルダ及びその制御方法によれば、写真フイルムが撮影可能に装填されているにもかかわらずホルダ本体がカメラ本体から外されかつ引き蓋が一定量以上引き出された時に警告を発するようにしたので、不用意な引き蓋の引き抜きを防止することができる。また、前記警告を音によって行うと、ユーザーの注意を確実に促すことができる。また、前記警告を光によって行うと、静かな場所でも他に迷惑をかけることなくユーザーの注意を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る引き蓋処理のシーケンスを示すフローチャートである。
【図2】引き蓋をホルダ本体6に差し込んだ状態のフイルムホルダを示す説明図である。
【図3】フイルムホルダの電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 フイルムホルダ
2 カメラ
3 カメラ本体
4 写真フイルム
5 写真用ロールフイルム
6 ホルダ本体
6a 裏蓋
7 露光用開口
8 引き蓋
20 CPU
21 着脱検知センサ
22 引き蓋検知センサ
23 裏蓋検知センサ
30 ブザー回路
Claims (4)
- 内部に写真フイルムを装填し、カメラ本体に着脱自在に取り付けられるホルダ本体と、このホルダ本体のカメラ本体に取り付けられる面に設けられ、前記写真フイルムに露光を与える露光用開口と、前記ホルダ本体に抜き差しされ、前記露光用開口を開閉する引き蓋とからなるフイルムホルダにおいて、
前記ホルダ本体がカメラ本体から外されているか否かを検知する着脱検知手段と、引き蓋が露光用開口を閉じる所定の閉じ位置から一定量以上引き出されたことを検知する引き蓋検出手段と、写真フイルムがホルダ本体内に撮影可能に装填されているか否かを検知するフイルム検知手段と、前記着脱検知手段,引き蓋検知手段及びフイルム検知手段からの各検知信号を受けて写真フイルムが撮影可能に装填されているにもかかわらずホルダ本体がカメラ本体から外されかつ引き蓋が一定量以上引き出された時に所定の警告手段を起動して警告を発する制御手段とを備えたことを特徴とするフイルムホルダ。 - 前記警告手段は、音を発生させるものであることを特徴とする請求項1記載のフイルムホルダ。
- 前記警告手段は、光を発するものであることを特徴とする請求項1記載のフイルムホルダ。
- 内部に写真フイルムを装填し、カメラ本体に着脱自在に取り付けられるホルダ本体と、このホルダ本体に抜き差しされ、前記カメラ本体に取り付けられる面に設けられた露光用開口を開閉する引き蓋とからなるフイルムホルダの制御方法において、
前記引き蓋の有無を検知し、引き蓋がある状態からない状態に変化した場合にはカメラ本体との接続状態を検知し、カメラ本体から外れている場合には写真フイルムが撮影可能に装填されているか否かを検知し、写真フイルムが撮影可能に装填されている場合には警告を発するフイルムホルダの制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02609998A JP3672213B2 (ja) | 1998-02-06 | 1998-02-06 | フイルムホルダ及びその制御方法 |
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JP02609998A JP3672213B2 (ja) | 1998-02-06 | 1998-02-06 | フイルムホルダ及びその制御方法 |
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-
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- 1998-02-06 JP JP02609998A patent/JP3672213B2/ja not_active Expired - Fee Related
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