JP3671895B2 - ガラス製建材および壁構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス製の建材に関し、特に、建築物の外壁や内装壁、間仕切り壁等に使用して最適なガラス製の建材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビルのような建築物における外壁は、コンクリートやアルミ建材を使用して構築しているものであるが、自然光を屋内に採り入れることができず、また、デザイン的にも優れたものではなかった。そこで、近年、コンクリートやアルミ建材の壁材に変えてガラス製建材を使用して建物の外壁を構築することが行われている。更に、ガラス製建材は、外壁だけではなく内装壁や間仕切り壁等の他の壁構造材としても使用されている。
【0003】
図3は、従来の壁構造材として使用されているガラス製建材の一例を示すものである。この建材aは、採光可能で不透視な長形ガラス板bの長さ方向両側を同じ方向へ直角状に折り曲げて連結片cとしたものであり、全体として偏平なU字型の溝形状としてある。
【0004】
このような建材aは、図4に示すように、縦長に立設したものを横方向へ順次連設し、この連設した建材aは上下および左右を枠体d、eによって固定し壁構造を構築する。通常は、図5に示すように、建材aの平面部fを屋外に向け、連結片cを突設した側を屋内に向けて設置し、隣設する建材a間にはシリコーン樹脂やその他の材質からなる充填材gを埋め込み、または、嵌め込んで緩衝材とするとともに雨仕舞い処理をしてある。
【0005】
横方向へは空間の許容範囲で多数枚の建材aを連設することができ、また、上下方向へ平面垂直状に多数積層することも可能である。従って、建物の一部、例えば、コンクリート壁の一部に建材aを使用して外壁兼窓を構築することができ、また、建物の周囲全面を建材aによって覆って外壁を構築することが可能である。しかも、平面壁だけではなく各種の曲線形状の壁構築も可能であり、全体として機能、デザイン性に優れた特徴を有している。しかも、構築作業が容易であり、経済的なメリットが期待できる利点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記するガラス製建材aで構築した外壁は、風圧試験の結果、平面部f側は風圧(正圧)をかけた時、反対側に大きな負圧が生ずるという問題が生じた。即ち、強い風圧によっては平面部fに撓みや割れ、ひび割れ等を生じる危険性を有していた。逆に、連結片cを有する側は風圧に対して強度を有しているので、こちら側を屋外に向けて外壁を構築することも可能であるが、全体の外観デザインが損なわれるものであった。
【0007】
そこで、図6に示すように、立設した建材aの平面部fを屋外に向けて横方向に連設して図5の場合と同じく外壁面a1を形成するとともに、屋内側にも同じ建材aを平面部fが屋内を向くようにして連接した内壁面a2を形成する。そして、外壁面a1と内壁面a2とは、内外に隣設する建材aの連結片c相互が掛止状態で重なり合うようにして配設し、二重構造の外壁を構築していた。
【0008】
このようにすれば風圧に対して全体を強化することができるが、同じ建材aからなる壁構造を屋外側と屋内側に設置し、両者を向き合わせて連結しなければならないので、構築作業が複雑化し、かつ、壁の全体重量が重くなるという問題を有していた。
【0009】
本発明は、上記するガラス製建材aを使用して構築した壁構造の問題点に鑑み、外壁面を構成するガラス製建材内に他のガラス製建材を嵌め込むことにより、風圧に耐えて堅牢性を有し、しかも、構築作業が容易なガラス製建材を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記する目的を達成するために本発明ガラス製建材は、長形ガラス板4の長さ方向両側を同じ方向へ直角状に折り曲げて連結片5を形成した主建材2と、長形ガラス板6の長さ方向両側を同じ方向へ直角状に折り曲げて連結片7を形成した補助建材3とからなり、補助建材3は主建材2内に設置可能な大きさとするとともに主建材2と補助建材3との間には充填材12を埋め込み、主建材2の内面に接する補助建材3の連結片7先端部には緩衝材13を嵌め込んだものである。
【0011】
また、本発明壁構造は、長形ガラス板4の長さ方向両側を同じ方向へ直角状に折り曲げて連結片5を形成した主建材2と、長形ガラス板6の長さ方向両側を同じ方向へ直角状に折り曲げて連結片7を形成した主建材2内に設置可能な大きさを有する補助建材3とからなり、主建材2と補助建材3との間には充填材12を埋め込むとともに主建材2の内面に接する補助建材3の連結片7先端部には緩衝材13を嵌め込んで形成した建材1を縦長に設置するとともに横方向に連設して上下、左右を枠体10、11により連結、固定したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従って、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係るガラス製建材の一実施形態を示すものである。この建材1は、主建材2と補助建材3とからなっている。主建材2は、長形なガラス板4の長さ方向両側を同じ方向へ直角状に折り曲げて連結片5を形成したものであり、また、補助建材3は、長形なガラス板6の長さ方向両側を同じ方向へ直角状に折り曲げて連結片7を形成したものである。
【0013】
主建材2および補助建材3はともに従来の建材と同じ形状であるが、補助建材3は主建材2内に入り得る大きさとなっている。即ち、主建材2と補助建材3の全体の長さは同じであるが、補助建材3の両連結片7の外側巾間隔は、主建材2の両連結片5の内側の巾間隔よりも小さくしてあるので、補助建材3は主建材2内に設置可能となっている。
【0014】
尚、図示において補助建材3の連結片7の突出長さは、主建材2の連結片5の突出長さよりも小さくして補助建材3全体が主建材2内に入るようにしてあるが、連結片5と連結片7の突出長さを同じとし、補助建材3の平面部8が連結片5よりも外側に位置するようにしてもよい。
【0015】
本発明ガラス製建材1は上記の構成であり、例えば、建物の外壁を構築する場合には、建物の壁構築箇所において、図2に示すように、主建材2の平面部9を屋外に向けて各建材1を縦方向に立設するとともに横方向へ順次連設し、従来と同じく、建材1の上下および左右を枠体10、11によって連結、固定すればよい。
【0016】
そして、隣接する主建材2間および主建材2と補助建材3との間には、シリコーン樹脂やその他の材質からなる充填材12を埋め込み、または、嵌め込んでおく。また、主建材2の内面に接する補助建材3の連結片7の先端部にはゴムのような緩衝材13を嵌め込んでおく。
【0017】
上記によって建物の外壁が構築されるが、主建材2は補助建材3によって内側から補強されているので、風圧に対して堅牢性を有している。
本発明建材1の用途は外壁に限定されるものではなく屋内の内装壁や仕切り壁、間仕切り壁等としても使用できるものである。尚、上記の説明では主建材2の平面部9を屋外に向けて外壁を構築した場合であるが、補助建材3の平面部8を屋外に向けて壁を構築してもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上、説明した本発明によれば、ガラス製建材1を構成する主建材2の内側には、主建材2よりも小型の補助建材3を設置して主建材2を内側から補強するようにしているので、この建材1により建物の外壁を構築した際、主建材2の平面部9を屋外に向けた時に受ける風圧に対して主建材2の内側に負圧が生ずることはなく、主建材2の平面部9は補助建材3によって強化されているので撓みや割れ、ひび割れ等を生ずることはない。
【0019】
補助建材3は主建材2内に位置しているので、壁の厚さは主建材1のみで構築した場合と同じであり、補助建材3は主建材2よりも小型であるから、主建材2と補助建材3とで壁を構築しても全体重量が特に重くなるものではなく、強度を有する壁の構築が可能である。
建材1は二重構造であっても採光は可能であり、しかも不透視であるから建物の外壁や内装壁、仕切り壁、間仕切り壁等の壁構造材として最適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ガラス製建材の一部を拡大して示す斜視図である。
【図2】本発明ガラス製建材を使用して壁を構築した状態の要部を平面から見た断面図である。
【図3】従来のガラス製建材の斜視図である。
【図4】従来のガラス製建材を使用して構築した壁の正面図である。
【図5】従来のガラス製建材を使用して構築した壁の要部を平面から見た断面図である。
【図6】従来のガラス製建材を使用して構築した他の例を示す壁の要部を平面から見た断面図である。
【符号の説明】
1 建材
2 主建材
3 補助建材
4 ガラス板
5 連結片
6 ガラス板
7 連結片
8 平面部
9 平面部
10 枠体
11 枠体
12 充填材・緩衝材
13 緩衝材
Claims (2)
- 長形ガラス板4の長さ方向両側を同じ方向へ直角状に折り曲げて連結片5を形成した主建材2と、長形ガラス板6の長さ方向両側を同じ方向へ直角状に折り曲げて連結片7を形成した補助建材3とからなり、補助建材3は主建材2内に設置可能な大きさとするとともに主建材2と補助建材3との間には充填材12を埋め込み、主建材2の内面に接する補助建材3の連結片7先端部には緩衝材13を嵌め込んだことを特徴とするガラス製建材。
- 長形ガラス板4の長さ方向両側を同じ方向へ直角状に折り曲げて連結片5を形成した主建材2と、長形ガラス板6の長さ方向両側を同じ方向へ直角状に折り曲げて連結片7を形成した主建材2内に設置可能な大きさを有する補助建材3とからなり、主建材2と補助建材3との間には充填材12を埋め込むとともに主建材2の内面に接する補助建材3の連結片7先端部には緩衝材13を嵌め込んで形成した建材1を縦長に設置するとともに横方向に連設して上下、左右を枠体10、11により連結、固定したことを特徴とする壁構造。
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JP2003147882A JP2003147882A (ja) | 2003-05-21 |
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-
2001
- 2001-11-09 JP JP2001343947A patent/JP3671895B2/ja not_active Expired - Lifetime
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