JP3671872B2 - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、未凝固部を含む鋳片をバルジングさせた後、内部が凝固完了するまでの間でバルジングさせた鋳片を圧下する鋼の連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼の連続鋳造法によって得られる鋳片の厚さ中心部には、中心偏析と呼ばれる内部欠陥が発生しやすい。この中心偏析は、鋳片の最終凝固部近傍にC、S、P、Mnなどの偏析成分が濃化して現れるものであり、製品である厚板の靱性の低下や、厚板から曲げ加工後溶接して製造される大径鋼管の水素誘起割れを引き起こす原因となる。
【0003】
凝固が進み、凝固組織の一つであるデンドライト樹間に偏析成分が濃化し、この偏析成分の濃化した溶鋼(以下、単に濃化溶鋼と記す場合がある)が、凝固時の鋳片の収縮またはバルジングと呼ばれる鋳片のふくれなどにより、デンドライト樹間より流出し、最終凝固部の凝固完了点に向かって流動し、そのまま凝固して成分濃化帯を形成する。この成分濃化帯が中心偏析である。
【0004】
そこで、中心偏析の防止対策として、デンドライト樹間に残った濃化溶鋼の移動を防止することと、これら濃化溶鋼の局所的な集積を防ぐことが効果的であり、特開平9−57410号公報および特開平9−206903号公報には、未凝固部を含む鋳片をバルジングさせ、最終凝固部の鋳造方向の上流側で、バルジング量相当分を圧下ロール対を用いて圧下する方法が提案されている。これらの方法によれば、凝固が完了した鋳片の両端短辺部を圧下することがなく、ロールによる圧下力が、鋳片の圧下にのみ働くので、中心偏析の改善が期待できる。
【0005】
しかし、上記の特開平9−57410号公報および特開平9−206903号公報で提案された方法でも、鋳片の圧下条件等によっては中心偏析が発生する場合がある。そのため、鋳片の鋳造方向の全長、全幅にわたって、さらに安定して中心偏析の改善効果が得られる技術が必要とされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、鋳片の鋳造方向の全長、全幅にわたって中心偏析の少ない鋳片を、安定して確実に得ることができる鋼の連続鋳造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、横断面形状が長方形で、鋳型出口における厚さが150〜370mmの鋳片を鋳造するに際し、未凝固部を含む鋳片をバルジングさせた後、内部が凝固完了するまでの間でバルジングさせた鋳片を複数対の圧下ロール対により圧下する連続鋳造方法であって、鋳片を圧下する工程を、鋳造方向の上流側から第1の圧下工程と第2の圧下工程とに分け、第1の圧下工程においては、その圧下領域は第2の圧下工程の圧下領域の最上流の位置から上流側に最長で6mまでの範囲内の領域とし、その圧下領域内に配置した2対以上の圧下ロール対を用いて鋳片を圧下するに際し、圧下勾配は鋳造方向の1m長さ当たり1.5〜5mmとし、第2の圧下工程においては、その圧下領域は鋳片の厚さ中心部の固相率fsが0.20〜0.95の範囲内の領域とし、その圧下領域内に配置した1対または2対以上の圧下ロール対を用いて鋳片を圧下するに際し、各圧下ロール対の各圧下量は15mm以上とし、かつ、圧下勾配は鋳造方向の1m長さ当たり40mm以上とし、これら第1および第2の圧下工程における鋳片の合計の圧下量を、バルジングさせた厚さ相当量以下とする鋼の連続鋳造方法にある。
【0008】
第1の圧下工程における圧下領域に関し、本発明で規定する「その圧下領域は第2の圧下工程の圧下領域の最上流の位置から上流側に最長で6mまでの範囲内の領域」とは、第2の圧下工程の圧下領域の最上流の位置から、たとえば、その上流側の2mまでの間の領域、またはその上流側の4mまでの間の領域などであって、その上流側の最長6mまでの間の領域を意味する。
【0009】
第1の圧下工程における圧下勾配に関し、本発明で規定する「その圧下領域内に配置した2対以上の圧下ロール対を用いて鋳片を圧下するに際し、圧下勾配は鋳造方向の1m長さ当たり1.5〜5mmとする」とは、第1の圧下工程における最上流の圧下ロール対のロール軸心と、最下流の圧下ロール対のロール軸心との間の距離における鋳片の平均の圧下勾配が、鋳造方向の1m長さ当たり1.5〜5mmの範囲内であることを意味する。第1の圧下工程における圧下量は、第1の圧下工程の鋳造方向の長さに依存する。
【0010】
第2の圧下工程における圧下勾配に関し、本発明で規定する「圧下領域内に配置した1対または2対以上の圧下ロール対を用いて鋳片を圧下するに際し、圧下勾配は鋳造方向の1m長さ当たり40mm以上とする」とは、第1の圧下工程における最下流の圧下ロール対のロール軸心と、この第2の圧下工程における最下流の圧下ロール対のロール軸心との間の距離における鋳片の平均の圧下勾配が、鋳造方向の1m長さ当たり40mm以上であることを意味する。第2の圧下工程における圧下ロール対が1対の場合には、第1の圧下工程における最下流の圧下ロール対のロール軸心と、この第2の圧下工程における圧下ロール対のロール軸心との間の距離における鋳片の圧下勾配が、鋳造方向の1m長さ当たり40mm以上であることを意味する。
【0011】
本発明で規定する「鋳片の合計の圧下量を、バルジングさせた厚さ相当量以下とする」とは、未凝固部を含む鋳片をバルジングさせると、鋳片の幅中央部が最も厚さが厚くなるが、この幅中央部がバルジングしたときの厚さから鋳片の両側短辺部の厚さを引いた厚さ以下の圧下量で圧下することを意味する。
【0012】
未凝固部を含む鋳片をバルジングさせ、最終凝固部の鋳造方向の上流側で、バルジング量相当分を単に圧下する方法では、鋳片の鋳造方向の全長、全幅にわたって、安定して中心偏析の少ない鋳片を得ることが困難であるのは、鋳片の圧下によって、鋳片の全幅で均一に、かつ、圧下位置よりも十分に上流側に、偏析成分の濃化した溶鋼が排出されないからである。つまり、圧下により排出された濃化溶鋼が、鋳片の幅方向の位置によっては、圧下位置の前方近傍に止まり、そのまま凝固するので、鋳片の幅方向において部分的に中心偏析が発生する。圧下により排出された濃化溶鋼が、鋳片の幅方向の位置によっては、圧下位置の前方近傍に止まる理由を、以下に説明する。
【0013】
図2は、湾曲型または垂直曲げ型の連続鋳造機を用いて、従来技術により、鋳片をバルジングさせた後に圧下した場合の鋳片内部の状況を示す模式図である。図2(a)は、圧下直前の最終凝固部近傍における鋳片内部の状況を示し、また図2(b)は、圧下直後の鋳片内部の状況を模式的に示す。最終凝固部近傍における濃化溶鋼は、鋳片の圧下により鋳造方向の上流側に排出される。排出された濃化溶鋼の比重は、母溶鋼の比重より小さいので、これら濃化溶鋼10は鋳片の天側に集積しやすい。その際、鋳片の地側に分岐柱状晶11が堆積していると、排出された濃化溶鋼の流路が塞がれるので、さらに、濃化溶鋼が鋳片の天側に集積しやすくなる。また、図2(a)に模式的に示すように、最終凝固部近傍における未凝固部の厚さは、もともと鋳片の幅方向で不均一であることが多い。鋳片の冷却が幅方向で不均一になりやすいからである。したがって、濃化溶鋼が集積した厚さが、鋳片の幅方向で不均一になる。ここで、図中の符号3は、未凝固部と凝固殻とからなる鋳片を、符号4は、凝固完了した鋳片を、また符号12は、部分的に発生した中心偏析を、破線は鋳片厚さの1/2の中心線を示す。
【0014】
このように、圧下直前の最終凝固部近傍は、図2(a)で示すように、その下流側で鋳片が圧下されることにより排出された濃化溶鋼が鋳片の天側に集積し、かつ、その集積した厚さが鋳片の幅方向で不均一になりやすい。図2(a)に示す状態の鋳片を圧下すると、固相率の低い鋳片の厚さ中心部近傍の濃化溶鋼は、上流側に比較的容易に排出されるが、固相率の高い鋳片の天側近傍に部分的に厚く集積した濃化溶鋼は、流動しにくく、したがって、上流側に排出されずに、そのまま凝固し、図2(b)に示すように、鋳片の幅方向で厚さ中心部近傍に、部分的に中心偏析が発生する。
【0015】
そこで、本発明者らは、適正な鋳片の圧下条件を検討し、実験を行った結果、つぎの知見を得て、本発明に到った。すなわち、未凝固部を含む鋳片をバルジングさせた後、内部が凝固完了するまでの間で鋳片を圧下する際に、圧下工程を前段の第1の圧下工程と後段の第2の圧下工程とに分割し、第1の圧下工程では、鋳片を圧下する鋳造方向の圧下領域を適正な範囲で長くし、かつ、圧下勾配を比較的緩い勾配とすること、さらに、第2の圧下工程では、最終凝固部近傍の位置を、未凝固部の溶鋼が凝固したときに発生する収縮および既に凝固完了した鋳片の部分が温度の低下とともに発生する収縮の合計に相当する鋳片の厚さよりも大きな圧下量および適正に大きな圧下勾配で圧下することが効果的であることがわかった。
【0016】
すなわち、このように圧下工程を分割することにより、第1の圧下工程では、第1の圧下工程において形成される濃化溶鋼と、第2の圧下工程で排出されてきた濃化溶鋼とを併せて、鋳片の幅方向で均一に、第1の圧下領域よりも上流側に排出できるのである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の方法は、湾曲型連続鋳造機または垂直曲げ型連続鋳造機を用いる場合に適用するのに好適な方法であるが、垂直型連続鋳造機を用いる場合にも適用することができる。
【0018】
図1は、本発明の方法を実施する場合の連続鋳造装置の例を示す模式図である。図を簡略にするために、垂直型連続鋳造機を用いる場合の例を示す。浸潰ノズル9を経て鋳型1内に供給された溶鋼13は、鋳型内で凝固し、凝固殻2aを形成する。その凝固殻は、鋳型から引き抜かれた後、冷却水によって冷却され、その厚さが増す。未凝固部2bと凝固殻とからなる鋳片3および内部まで凝固完了した鋳片4は、ガイドロール対5および圧下ロール対6、7を経て、ピンチロール8により引き抜かれる。
【0019】
鋳型出側以降から、後述する第1の圧下工程用として配置された圧下ロール対6のうちの最上流の圧下ロール対直前までの間において、ガイドロール対5の鋳片の厚さ方向の間隔を引き抜き方向に段階的に厚くすることにより、未凝固部を含む鋳片をバルジングさせる。図1中に、この領域をバルジングゾーンと記す。また、このバルジングゾーンの直後から、内部が凝固完了するまでの間でバルジングさせた鋳片を複数対の圧下ロール対により圧下する。その際、圧下する領域は、図1中に示すように、鋳造方向の上流側から第1の圧下工程の領域と第2の圧下工程の領域とからなる。
【0020】
本発明が対象とする鋳片は、横断面形状が長方形で、鋳型出口における厚さが150〜370mmの鋳片とする。このような鋳片が中心偏析が問題となる厚板などの製品鋼材の熱間圧延用素材として、一般的に用いられるからである。
【0021】
本発明の方法では、未凝固部を含む鋳片をバルジングさせた後、内部が凝固完了するまでの間でバルジングさせた鋳片を複数対の圧下ロール対により圧下する。バルジングさせる際、前述のとおり、鋳片の幅中央部が最も厚さが厚くなる。バルジングした後の幅中央部の厚さから鋳片の両側短辺部の厚さを引いた厚さをバルジング厚さとすると、バルジング厚さは、鋳片の厚さおよび後述する圧下ロール対の数、中心偏析の発生の抑制効果の事前試験結果などにより決めればよく、およそ20〜80mmが望ましい。
【0022】
鋳片を圧下する際、後述する第1および第2の圧下工程における鋳片の合計の圧下量を、バルジングさせた厚さ相当量以下とする。鋳片の両端短辺部を圧下することがないので、鋳片の幅方向で厚さ中心部を、ほぼ均一に、かつ効果的に圧下できるためである。鋳片の両側短辺部を圧下できる圧下ロール対を、連続鋳造機内に配置するのは、通常、困難である。また、バルジング量以下の圧下量で圧下する場合に、バルジングさせた厚さ相当の50%以上の厚さを圧下するのが望ましい。50%未満では、圧下量が少なく、鋳片の幅方向で部分的に中心偏析が発生する場合がある。
【0023】
本発明の方法では、鋳片を圧下する工程を、鋳造方向の上流側から第1の圧下工程と第2の圧下工程とに分け、第1の圧下工程においては、その圧下領域は第2の圧下工程の圧下領域の最上流の位置から上流側に最長で6mまでの範囲内の領域とし、その圧下領域内に配置した2対以上の圧下ロール対を用いて鋳片を圧下するに際し、圧下勾配は鋳造方向の1m長さ当たり1.5〜5mmとする。
第1の圧下ロール対を、第2の圧下工程の圧下領域の最上流の位置から上流側に6mを超える位置にまで配置しても、濃化溶鋼を上流側に排出させる効果は少ない。また、第1の圧下工程として配置する圧下ロール対のうちの最上流の圧下ロール対の位置と、第2の圧下工程の圧下領域の最上流の位置との間の距離は1m以上とするのが望ましい。この距離が1m未満では、第1の圧下工程の圧下領域が短く、濃化溶鋼を上流側に排出する効果が少ない。また、圧下勾配が鋳造方向の1m長さ当たり1.5mm未満でも、濃化溶鋼を上流側に排出する効果が少なく、圧下勾配が鋳造方向の1m長さ当たり5mmを超えると、鋳片内部に割れが発生する。さらに、第1の圧下工程では、上記圧下領域において、1.3〜10.0mm/分の圧下速度で圧下するのが望ましい。より圧下効果が大きい。
【0024】
第2の圧下工程の圧下領域は鋳片の厚さ中心部の固相率fsが0.20〜0.95の範囲内の領域とし、その圧下領域内に配置した1対または2対以上の圧下ロール対を用いて鋳片を圧下するに際し、各圧下ロール対の各圧下量は15mm以上とし、かつ、圧下勾配は鋳造方向の1m長さ当たり40mm以上とする。
【0025】
第2の圧下工程の圧下領域において、鋳片の厚さ中心部の固相率fsが0.20未満では、鋳片を圧下する効果が小さく、圧下後に濃化溶鋼が集積しやすく、また、固相率fsが0.95を超えると、濃化溶鋼の流動性が悪く、上流側への排出が困難である。また、1対または2対以上の圧下ロール対を用いて鋳片を圧下するに際し、各圧下ロール対の各圧下量が15mm未満では、濃化溶鋼を上流側に排出する効果が少ない。さらに、圧下勾配が鋳造方向の1m長さ当たり40mm未満では、濃化溶鋼を上流側に排出する効果が少ない。圧下勾配の上限は100mmが望ましい。100mmを超えると、鋳片内部に割れが発生する。また、第2の圧下工程では、上記圧下領域において、20.0mm/分以上の圧下速度で圧下するのが望ましい。より圧下効果が大きいからである。
【0026】
図1中には示していないが、鋳型内の溶鋼の吐出流の流速を減じるための電磁ブレーキを、また、未凝固部の溶鋼を攪拌するための電磁撹拌装置をそれぞれ配置することができる。その際、電磁ブレーキおよび電磁撹拌装置は、通常用いられている装置でよい。
【0027】
電磁ブレーキを用いると、最終凝固部の幅方向での形状が均一、すなわち、未凝固部先端の形状が平坦になりやすいので、圧下ロール対による鋳片の厚さ中心部の圧下効果がより大きくなる。また、電磁撹拌装置を用いると、未凝固部の溶鋼が撹拌され、凝固組織が等軸晶となりやすい。等軸晶化することにより、鋳片の圧下の際に、濃化溶鋼の排出が起こりやすくなる。電磁撹拌を加える場合、鋳片の大きさにもよるが、周波数は1.0〜3.0Hz 程度、電流値は400〜900A程度とするのがよい。
【0028】
その他、凝固組織を等軸晶化する方法として、ガイドロール対または圧下ロール対を介して、鋳片の未凝固部に超音波を印加する方法でもよいし、操業面からの簡便性を配慮して、低温鋳造、鋳型内の溶鋼中への鋼線添加などの方法でもよい。
【0029】
【実施例】
図1に示す装置構成で、垂直曲げ型の連続鋳造装置を用いて、通常の厚板用に用いられるC含有率が0.15〜0.20質量%の中炭素鋼の鋳造試験を行った。鋳片サイズは、厚さ240mm、幅2300mmとし、鋳造速度1.2m/分で鋳造した。タンデイッシュ内の溶鋼の過熱度は通常の20〜40℃とし、鋳片の二次冷却の比水量は1.3〜1.9リットル/kg−鋼の範囲とし、1ヒート約250tの溶鋼を連続して3ヒート鋳造した。
【0030】
圧下前のバルジング量は30mmで一定とし、第1の圧下工程の領域に配置する圧下ロール対は、ロール直径が250mmで、6対の圧下ロール対を鋳造方向の長さ1.5mにわたって連続して配置した。最上流に配置された第1の圧下工程における圧下ロール対の軸心と、後述する第2の圧下工程における圧下ロール対の軸心との距離は、1.875mとした。第2の圧下工程の領域に配置する圧下ロール対は、ロール直径が450mmの1対の圧下ロール対を、鋳型内のメニスカスから20mの位置に配置した。上記第2の圧下工程における圧下ロール対の配置位置は、上記の鋳造条件では鋳片の厚さ中心部の固相率が0.3〜0.4である位置に相当する。
【0031】
未凝固部の溶鋼を攪拌するための電磁撹拌装置を、メニスカスから9.3mの位置に設置した。未凝固部の溶鋼を電磁撹拌する際、周波数は1.0〜2.0Hz、電流値は900A程度とした。なお、吐出流の速度制御のための電磁ブレーキは配置しなかった。
【0032】
各試験において、鋳造方向に長さ300mmの鋳片の横断面サンプルを、鋳込み長さの10m毎に9個採取した。このサンプルを硝酸でマクロエッチすることにより、鋳片の幅方向で中心偏析の最も悪い位置を特定し、その部分から、直径3mmのドリル刃により切り削を採取して、成分Cを分析した。そのC値をレードル値のC含有率C0 で除した比、C/C0 の値で中心偏析を評価した。
【0033】
また、得られた鋳片を、熱間圧延により厚さ32mmの厚鋼板とし、その厚鋼板からJIS Z 2201で規定される1A号試験片を採取して引張試験を行い、得られた絞り値により、鋳片の中心偏析が厚鋼板に及ぼす影響を評価した。表1に、試験条件と試験結果を示す。
【0034】
【表1】
本発明例の試験No.1およびNo.2では、鋳片の二次冷却の比水量を1.9リットル/kg−鋼または1.8リットル/kg−鋼とし、第1の圧下工程における圧下量は5mmまたは7mmで、圧下勾配は3.3mm/mまたは4.7mm/mとした。また、第2の圧下工程における圧下量は19mmまたは23mm、圧下勾配は50.7mm/mまたは61.3mm/mとした。合計の圧下量は24mmまたは30mmである。これらの第1の圧下工程の圧下勾配、および第2の圧下工程の圧下領域の鋳片の厚さ中心部の固相率、圧下量および圧下勾配は、それぞれ本発明で規定する条件の範囲内である。これら試験No.1およびNo.2では、圧下後の鋳片の中心偏析は、比、C/C0 の値が1.10または1.05であり、中心偏析は極わずかな発生程度であり、品質の良好な鋳片が得られた。また、厚鋼板の引張試験における絞り値は75.2%または78.6%であり、良好な値で、鋳片における良好な中心偏析の状況を反映している結果であった。
【0035】
比較例の試験No.3では、二次冷却の比水量を1.9リットル/kg−鋼とし、第1の圧下工程における圧下量は5mmで、圧下勾配は3.3mm/mとした。また、第2の圧下工程における圧下量は10mm、圧下勾配は26.7mm/mとした。合計の圧下量は15mmである。第2の圧下工程の圧下量が、本発明で規定する条件を外れている。この試験No.3では、圧下後の鋳片の中心偏析は、比、C/C0 の値が1.20であり、中心偏析が発生した。また、厚鋼板の引張試験における絞り値は、65.1%であり、低い絞り値であった。
【0036】
比較例の試験No.4では、二次冷却の比水量を1.9リットル/kg−鋼とし、第1の圧下工程における鋳片の圧下は行わなかった。第2の圧下工程における圧下量は20mm、圧下勾配は53.3mm/mとした。第1の圧下工程における圧下を行っていないことが、本発明で規定する条件を外れている。この試験No.4では、圧下後の鋳片の中心偏析は、比、C/C0 の値が1.35で、著しい中心偏析が発生した。また、厚鋼板の引張試験における絞り値は55.1%と悪かった。鋳片における中心偏析が厚鋼板の絞り値に影響を与えた。
【0037】
比較例の試験No.5では、二次冷却の比水量を1.9リットル/kg−鋼とし、第1の圧下工程における圧下量は1.5mmで、圧下勾配は1.0mm/mとした。また、第2の圧下工程における圧下量は20mm、圧下勾配は53.3mm/mとした。合計の圧下量は21.5mmである。第1の圧下工程の圧下勾配が、本発明で規定する条件を外れて小さい値である。この試験No.5では、圧下後の鋳片の中心偏析は、比、C/C0 の値が1.25で、中心偏析が発生した。また、厚鋼板の引張試験における絞り値は59.7%と悪かった。
【0038】
【発明の効果】
本発明の方法の適用により、鋳片の鋳造方向の全長、全幅にわたって、さらに安定して中心偏析の少ない鋳片を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する場合の連続鋳造装置の例を示す模式図である。
【図2】湾曲型または垂直曲げ型の連続鋳造機を用いて、従来技術により、鋳片をバルジングさせた後に圧下した場合の鋳片内部の状況を示す模式図である。
【符号の説明】
1:鋳型 2a:凝固殻 2b:未凝固部
3:未凝固部と凝固殻とからなる鋳片 4:凝固完了した鋳片
5:ガイドロール対
6:第1の圧下工程における圧下ロール対
7:第2の圧下工程における圧下ロール対
8:ピンチロール 9:浸潰ノズル
10:濃化溶鋼 11:分岐柱状晶
12:部分的に発生した中心偏析 13:溶鋼
Claims (1)
- 横断面形状が長方形で、鋳型出口における厚さが150mm〜370mmの鋳片を鋳造するに際し、未凝固部を含む鋳片をバルジングさせた後、内部が凝固完了するまでの間でバルジングさせた鋳片を複数対の圧下ロール対により圧下する連続鋳造方法であって、鋳片を圧下する工程を、鋳造方向の上流側から第1の圧下工程と第2の圧下工程とに分け、第1の圧下工程においては、その圧下領域は第2の圧下工程の圧下領域の最上流の位置から上流側に最長で6mまでの範囲内の領域とし、その圧下領域内に配置した2対以上の圧下ロール対を用いて鋳片を圧下するに際し、圧下勾配は鋳造方向の1m長さ当たり1.5mm〜5mmとし、第2の圧下工程においては、その圧下領域は鋳片の厚さ中心部の固相率fsが0.20〜0.95の範囲内の領域とし、その圧下領域内に配置した1対または2対以上の圧下ロール対を用いて鋳片を圧下するに際し、各圧下ロール対の各圧下量は15mm以上とし、かつ、圧下勾配は鋳造方向の1m長さ当たり40mm以上とし、これら第1および第2の圧下工程における鋳片の合計の圧下量を、バルジングさせた厚さ相当量以下とすることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
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