JP3351375B2 - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中心偏析や厚み中
心部近傍のV偏析の少ない鋳片を得ることができる連続
鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造法によって得られる鋼の鋳片の
厚み中心部近傍には、中心偏析やV偏析と呼ばれる内部
欠陥が発生する場合がある。中心偏析は鋳片の最終凝固
部にC、S、P、Mnなどの偏析成分が濃化して現れる
もので、V偏析は鋳片の最終凝固部近傍に、これらの偏
析成分がV字状に濃化するものである。
【0003】鋳片のこれら偏析は、製品である厚板の靱
性の低下や、厚板から曲げ加工後溶接して製造される大
径鋼管の水素誘起割れの原因となることが知られてい
る。
【0004】これらの偏析の生成機構は、次のように考
えられている。凝固が進むにつれて、凝固組織であるデ
ンドライト樹間に偏析成分が濃化する。この偏析成分の
濃化した溶鋼が、凝固時の鋳片の収縮またはバルジング
と呼ばれる鋳片のふくれなどにより、デンドライト樹間
より流出する。流出した偏析成分の濃化した溶鋼は、最
終凝固部の凝固完了点に向かって流動し、そのまま凝固
して偏析成分の濃化帯が形成される。これらの濃化帯が
中心偏析またはV偏析である。
【0005】これらの偏析の防止対策として、デンドラ
イト樹間に残った偏析成分の濃化した溶鋼の移動を防止
することと、偏析成分の濃化した溶鋼の局所的な集積を
防ぐことが効果的であり、次のような方法が提案されて
いる。
【0006】その1つに、圧下ロール群による鋳片の軽
圧下法があるが、凝固収縮量を若干上回る程度の軽圧下
では、偏析の改善効果に限界がある。
【0007】効果的にこれらの鋳片の偏析を改善するた
めに、圧下ロール対で大きな圧下を鋳片に加える方法が
あるが、凝固が完了した鋳片の幅方向両端の短辺部も圧
下することになるので、大きな圧下力が必要である。大
きな圧下力をかけるため、圧下ロール対を支える支持枠
に撓みが発生し、充分な圧下効果が得られない場合があ
る。また、圧下ロールが曲がったり、折損したり等の設
備上の事故により、操業が困難になる場合がある。
【0008】特開平7−210382号公報では、鋳片
の厚み中心部の固相率が0.1以下の位置で鋳片をバル
ジングさせ、幅方向中央部の鋳片の厚みを鋳型で生じる
短辺部の鋳片の厚みより20〜100mm厚くした後、
凝固完了点直前に少なくとも1つの圧下ロール対によ
り、1つの圧下ロール対当たりの圧下量を20mm以上
とする条件で、バルジング量相当分の厚みを圧下する方
法が提案されている。
【0009】しかし、この方法では、鋳片の幅方向中央
部の偏析は改善されても、両側の短辺部近傍の偏析が改
善されない場合がある。その理由を以下に説明する。
【0010】厚板や大径鋼管の素材を鋳造するスラブ連
続鋳造では、近年の高生産性の要求から、鋳造速度を従
来よりも速くするようになってきた。この場合、鋳型内
に溶鋼を供給する浸漬ノズルには、一般的に2つの吐出
孔を有する浸漬ノズルが用いられる。この2つの吐出孔
からの溶鋼の吐出流の方向は、通常、鋳型の両側の短辺
部に向かう方向である。このような浸漬ノズルを用いて
鋳造速度を速くする場合には、両側の短辺部近傍の凝固
殻の厚みが幅方向中央部の凝固殻に比べて薄くなりやす
い。温度の高い溶鋼の吐出流が、常に、鋳型内の両側の
短辺部近傍に供給されるので、短辺部近傍の凝固殻の凝
固の進行が遅れるためである。
【0011】この鋳型内の短辺部近傍の凝固殻の凝固の
遅れは、鋳片の圧下を行う位置、すなわち、最終凝固部
近傍まで続いている。そのため、圧下時の両側の短辺部
近傍の未凝固部の厚みは、幅方向中央部の未凝固部の厚
みに較べ厚くなっている。このような状態の鋳片の未凝
固部を圧下した場合には、鋳片の幅方向中央部の偏析成
分の濃化した溶鋼は、鋳造方向の上流側に排出される以
外に、この両側の短辺部近傍の凝固遅れ部にも流入す
る。図を用いて以下に説明する。
【0012】図3は、このような状態の鋳片を、通常用
いられるロール表面形状がフラットな圧下ロール対4−
2を用いて圧下したときの鋳片の内部を模式的に示す図
である。図3に示すように、表面形状がフラットな圧下
ロール対4−2を用いて圧下すると、鋳片の幅方向中央
部の偏析成分の濃化した溶鋼は、鋳造方向の上流側に排
出される以外に、図中に溶鋼の流れを矢印で示すよう
に、両側の短辺部近傍の未凝固部2cにも流入しやすく
なる。そのために、両側の短辺部近傍の偏析は改善され
にくくなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、厚板や大径
鋼管の素材を鋳造するスラブ連続鋳造において、鋳片の
全幅にわたり中心偏析や厚み中心部近傍のV偏析の少な
い鋳片を得ることができる連続鋳造方法を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記の
(1)および(2)に示す連続鋳造方法にある。
【0015】(1)未凝固部を含む鋳片を10mm以上
バルジングさせた後、凝固完了までの間で、ロールの胴
部中央部からロール端部に向かって常にロール径が大き
くなり、ロール胴部の中央部のロール径の方がロール端
部のロール径よりロール胴部単位長さ当たりのロール径
の差で0.9〜10.9mm/m小さい凹形の圧下ロー
ル対により、バルジング相当量またはそれ以下の厚みを
圧下する鋼の連続鋳造方法。
【0016】(2)胴部中央部のロール径の方がロール
端部のロール径よりロール胴部単位長さ当たりのロール
径の差で1.8〜7.3mm/m小さい圧下ロール対を
用いて圧下する上記(1)に記載の鋼の連続鋳造方法。
【0017】本発明者らは、鋳片の両側の短辺部近傍に
発生する中心偏析やV偏析などの問題を、次に記すよう
な方法で解決した。すなわち、(a)鋳片をいったんバ
ルジングさせた後、凝固完了までの間で、ロール胴部の
中央部のロール径の方がロール端部のロール径より小さ
い凹形の圧下ロール対により、鋳片を圧下する。このよ
うな圧下により、両側の短辺部近傍の方が、幅中央部よ
りも鋳片の厚みが薄くなる。そのため、鋳片の幅方向中
央部の未凝固部に存在していた偏析成分の濃化した溶鋼
は、両側の短辺部近傍の未凝固部に流入しにくくなる。
したがって、鋳片の全幅にわたって偏析が改善される。
【0018】以下に、さらに詳しく本発明の方法を説明
する。本発明の方法では、鋳片をいったんバルジングさ
せるが、鋳片の両側の端部はすでに凝固完了しておりバ
ルジングしない。したがって、鋳片の幅方向中央部のバ
ルジング量が最も大きい。本発明の方法で規定するバル
ジング量とは、鋳片の幅方向中央部のバルジング量を意
味する。鋳片の圧下量についても、鋳片の幅方向中央部
の圧下量を意味する。
【0019】さらに、本発明の方法では、鋳片をいった
んバルジングさせた後、凝固完了するまでにバルジング
相当量またはそれ以下の厚みを圧下する。バルジング相
当量の範囲内で圧下するということは、バルジングしな
い鋳片の両側の端部の厚みより薄くはしないことを意味
する。このような圧下では、圧下ロール対が凝固完了し
た鋳片の両側の端部を圧下することがないため、小さな
圧下力で効果的な圧下を行なうことができる。
【0020】本発明の方法に用いる圧下ロール対の上下
のロールには、ロール胴部の中央部のロール径の方がロ
ール端部のロール径より小さいロール、すなわち、胴部
の長手方向に凹形(つづみ形)のロールを用いる。
【0021】図2は、本発明の方法で規定する圧下ロー
ル対4−1を用いて未凝固部を含む鋳片の位置を圧下し
たときの鋳片の内部を模式的に示す図である。図2に示
すように、両側の短辺部近傍の未凝固部2cの厚みは、
幅方向中央部の未凝固部2bの厚みと同じ程度になるよ
うに圧下される。すなわち、両側の短辺部近傍の方が、
より大きく圧下されて、幅方向中央部よりも鋳片の厚み
が薄くなる。そのため、鋳片の幅方向中央部の未凝固部
2bに存在していた偏析成分の濃化した溶鋼は、両側の
短辺部近傍の未凝固部2cに流入しにくくなる。したが
って、幅方向中央部および両側の短辺部近傍の未凝固部
に存在する偏析成分の濃化した溶鋼は、全て鋳造方向の
上流側に排出されるようになる。したがって、鋳片の全
幅にわたって偏析が改善される。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の方法を実施する
場合の連続鋳造機を概念的に示す図である。浸漬ノズル
7を経て鋳型1内に注入された溶鋼6は鋳型内壁で凝固
して、凝固殻2aが生成する。凝固殻2aは鋳型1から
引き抜かれた後、その下方のノズル群(図示していな
い)から噴射される冷却水により冷却されて、その厚み
が増していく。鋳型1から引き抜かれた凝固殻2aは、
ガイドロール3および圧下ロール対4を経てピンチロー
ル5により引き抜かれる。ガイドロール3を有するバル
ジングゾーン内で、鋳片の厚みを鋳造方向8に向けて段
階的に増加させ、バルジングを起こさせる。その後、圧
下ロール対4により、未凝固部2bを含む鋳片2を圧下
する。
【0023】本発明の方法では、いったんバルジングさ
せる場合のバルジング量は、鋳片の幅方向中央部で10
mm以上とする。バルジング量が10mm未満では、そ
の後の圧下による鋳片の偏析改善効果が小さい。バルジ
ング量の上限はスラブのサイズ、とくに厚みによって定
まる。ただし、厚板や大径鋼管の素材を鋳造するスラブ
連続鋳造では、通常、鋳片の厚みは200〜350mm
程度であることから、バルジング量の上限は、50mm
程度が望ましい。50mmを超えてバルジングさせる場
合には、バルジングゾーンが長くなったり、圧下ロール
対の装置が大型になったりして、設備費が高くなる。し
たがって、バルジング量は10mm以上とし、上限は5
0mm程度が望ましい。
【0024】本発明の方法では、いったん鋳片をバルジ
ングさせた後、凝固完了までの間で、バルジングによる
厚みの増加のない鋳片の両側の端部を圧下することのな
い範囲で、バルジング部をバルジング相当量またはそれ
以下の厚みを圧下する。これにより、少ない圧下力で、
効果的に圧下できる。圧下量の下限はバルジング量の厚
みの50%とするのが望ましい。バルジング量の50%
未満で圧下すると、圧下力が鋳片の厚み中心部に作用し
にくく、偏析の改善効果が小さい。
【0025】本発明の方法に用いる圧下ロール対の上下
のロールには、図2に示すように、胴部中央部のロール
径Dcの方が、ロール端部のロール径Deより小さいロ
ールを用いる。ロールの胴部中央部からロール端部まで
のロール径は、直線的に大きくしてもよく、また、曲線
的に大きくしてもよい。ロールの胴部中央部からロール
端部に向かって、常に、ロール径が大きくなっていれば
よい。
【0026】ロール胴部中央部のロール径ロール端部
のロール径よりロール胴部単位長さ当たりのロール径の
差で0.9〜10.9mm/m小さくするのがよい。ロ
ールの胴部単位長さ当たりのロール径の差が10.9m
m/mを超えると、鋳片の幅方向中央部の圧下量が小さ
くなるので、圧下の際に幅方向中央部の未凝固部の偏析
成分の濃化した溶鋼を鋳造方向の上流側に効果的に排出
できない。このときには、鋳片の幅方向中央部に偏析が
発生しやすくなる。また、ロール胴部単位長さ当たりの
ロール径の差が0.9mm/m未満の場合には、鋳片の
圧下による偏析改善の効果が少なくなる。したがって、
ロール胴部単位長さ当たりのロール径の差は0.9〜1
0.9mm/mとするのがよい。
【0027】なお、図1では垂直型連続鋳造機を示して
いるが、湾曲型連続鋳造機などにも本発明の方法を適用
できる。
【0028】
【実施例】図1に示す装置構成のスラブ連続鋳造機を用
いて鋳造試験を実施した。鋳片の幅は1800mmで一
定とし、厚みは200、250、300mmの3種類と
した。C含有率が0.15〜0.20重量%の厚板用鋼
を鋳造した。鋳造速度は0.6〜1.0m/分、鋳片の
二次冷却比水量は1〜2リットル/kg−鋼とした。
【0029】圧下ロール対の上下のロールには、ロール
胴部の長さが2200mm、ロールの胴部中央部の直径
が210mm、また、ロール端部の直径をロールの胴部
中央部の直径より0〜15mmの範囲で大きくしたロー
ルを用いた。ロール形状は、胴部中央部からロール端部
まで、直線的に直径が大きくなる形状とした。圧下反力
が圧下ロール対当たり最大で100tとなるように油圧
力を設定した。
【0030】鋳片のバルジング量は、鋳片の幅方向中央
部で9〜35mmとし、バルジング相当量またはそれ以
下の厚みで鋳片の未凝固部が存在する位置を圧下した。
鋳片の厚みに応じて鋳造速度を変化させ、鋳片の厚み中
心部の固相率が0.7となる時期に圧下を開始するよう
にした。なお、鋳片の厚み中心部の固相率は、一次元非
定常伝熱解析により、計算で求めた。バルジング量およ
び圧下量は、ロール間隔の測定値より求めた。各試験に
おいて、定常の鋳造状態に相当する鋳片の部分から、鋳
造方向の長さ4mの鋳片サンプルを採取した。これらの
鋳片サンプルから、長さ1mピッチの位置で、全幅で厚
み(鋳造方向の長さ)30mmの横断面サンプル合計5
枚を切り出した。これらの横断面サンプルを用いて、ま
ず、サルファプリントを行い、偏析の有無を確認した。
次に、これらの横断面サンプルの鋳片の幅方向に100
mm間隔で、鋳片の厚み中心部から、直径2mmのドリ
ル刃により切り削を採取して、Cを分析した。鋳片の幅
方向の位置ごとのCの分析値CをレードルC分析値C0
で除した中心偏析度C/C0 (−)を求め、鋳片の幅方
向での中心偏析の分布を調査した。
【0031】図4は、鋳片の幅中央部および両側の短辺
部近傍にそれぞれ中心偏析が存在する場合のCの中心偏
析度C/C0 (−)の鋳片の幅方向での分布を模式的に
示す図である。ここで、幅中央部のCの中心偏析度をR
0(−)、両側の短辺部近傍のCの中心偏析度の大きい
方の中心偏析度をR1(−)として、各試験での鋳片の
R0およびR1を調査し、偏析の発生状況および分布状
況を評価した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表1】
【0034】本発明例の試験No.1〜No.11で
は、圧下前の鋳片の厚みを200、250、300mm
とし、本発明で規定する条件の範囲内のバルジング量1
0〜30mmで鋳片をバルジングさせ、ロール端部の直
径がロールの胴部中央部の直径よりも、ロール胴部単位
長さ当たりのロール直径の差で0.9〜10.9mm/
大きい圧下ロール対を用いて、バルジング相当量また
はそれ以下の厚みを圧下した。
【0035】このとき、ロール端部の直径がロールの胴
部中央部の直径よりも、ロール胴部単位長さ当たりのロ
ール直径の差で望ましい範囲の1.8〜7.3mm/m
大きい圧下ロール対を用いた試験No.1〜No.7で
は、幅方向中央部の中心偏析度R0(−)と短辺部近傍
の中心偏析度R1(−)との差は、0.01〜0.02
であった。また、幅方向中央部の中心偏析度R0(−)
の値は0.98〜1.04で、短辺部近傍の中心偏析度
R1(−)の値も0.99〜1.05であった。このよ
うに、鋳片の全幅にわたって、中心偏析が発生しておら
ず、偏析状況の良好な鋳片が得られた。
【0036】また、ロール端部の直径がロールの胴部中
央部の直径よりも、ロール胴部単位長さ当たりのロール
直径の差で望ましい範囲外の0.9mm/mだけ大きい
圧下ロール対を用いた試験No.8およびNo.11で
は、幅方向中央部の中心偏析度R0(−)の値は1.0
4〜1.06であったが、短辺部近傍の中心偏析度R1
(−)の値が、ともに1.09であり、やや短辺部近傍
に中心偏析が見られた。
【0037】また、ロール端部の直径がロールの胴部中
央部の直径よりも、ロール胴部単位長さ当たりのロール
直径の差で望ましい範囲外の8.2〜10.9mm/m
だけ大きい圧下ロール対を用いた試験No.9およびN
o.10では、短辺部近傍の中心偏析度R1(−)の値
は、1.02〜1.03であったが、幅方向中央部の中
心偏析度R0(−)の値が1.06〜1.09であり、
やや幅方向中央部に中心偏析が見られた。
【0038】比較例の試験No.12では、圧下前の鋳
片の厚みが200mmで、また、比較例の試験No.1
4では、圧下前の鋳片の厚みが300mmで、それぞ
れ、本発明の方法で規定するロール端部の直径とロール
の胴部中央部の直径との差の下限を外して、表面形状が
フラットな圧下ロール対を用いて試験した。バルジング
量は、それぞれ30mmおよび35mmとし、また、圧
下量は、30mmおよび35mmとし、本発明の方法で
規定する条件の範囲内であった。
【0039】このとき、鋳片の短辺部近傍の中心偏析度
R1(−)の値が1.51〜1.52と大きく、鋳片の
短辺部近傍に著しい中心偏析が発生した。表面形状がフ
ラットな圧下ロール対を用いたためである。鋳片の幅方
向中央部の中心偏析の状況は、試験No.12で軽微な
中心偏析が見られたが、試験No.14では中心偏析は
発生しなかった。
【0040】比較例の試験No.13では、圧下前の鋳
片の厚みが200mmで、ロール端部の直径とロールの
胴部中央部の直径との差を、本発明の方法で規定する条
件の範囲内の6mmとし、ただし、バルジング量が9m
mで、本発明の方法で規定する条件の範囲の下限外で試
験した。
【0041】このとき、鋳片の幅方向中央部の中心偏析
度R0(−)の値は1.46で、幅方向中央部に著しい
中心偏析が発生するとともに、鋳片の短辺部近傍の中心
偏析度R1(−)の値は1.22で、短辺部近傍にも著
しい中心偏析が発生した。バルジング量が少ないため
に、中心偏析の改善効果が少なかった。
【0042】
【発明の効果】本発明の方法の適用により、鋳片の全幅
にわたり中心偏析やV偏析の発生の少ない鋳片を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する場合の連続鋳造機を概
念的に示す図である。
【図2】本発明の方法の圧下ロール対を用いて鋳片を圧
下する場合の鋳片の内部を模式的に示す図である。
【図3】表面形状がフラットな通常のロールを用いて鋳
片を圧下する場合の鋳片の内部を模式的に示す図であ
る。
【図4】鋳片の幅方向でのCの中心偏析度の分布を模式
的に示す図である。
【符号の説明】
1:鋳型 2:鋳片 2a:凝固殻 2b:幅方向中央部の未凝固部 2c:両側の短辺部近傍の未凝固部 3:ガイドロール 4−1:本発明の方法で規定する圧下ロール対 4−2:表面形状がフラットな圧下ロール対 5:ピンチロール 6:溶鋼 7:浸漬ノズル 8:鋳造方向 Dc:ロール胴部中央部のロール径 De:ロール端部のロール径
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/128 B22D 11/16 B22D 11/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未凝固部を含む鋳片を10mm以上バルジ
    ングさせた後、凝固完了までの間で、ロールの胴部中央
    部からロール端部に向かって常にロール径が大きくな
    り、ロール胴部の中央部のロール径の方がロール端部の
    ロール径よりロール胴部単位長さ(m)当たり0.9〜
    10.9mmの割合で小さい凹形の圧下ロール対によ
    り、バルジング相当量またはそれ以下の厚みを圧下する
    ことを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】胴部中央部のロール径の方がロール端部の
    ロール径よりロール胴部単位長さ(m)当たり1.8〜
    7.3mmの割合で小さい圧下ロール対を用いて圧下す
    ることを特徴とする請求項1に記載の鋼の連続鋳造方
    法。
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