JP3360618B2 - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中心偏析の少ない
鋼の連続鋳造鋳片の連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造法によって得られる鋳片の
厚み中心部には、中心偏析と呼ばれる内部欠陥が発生す
る場合がある。この欠陥は、鋳片の最終凝固部にC、
S、P、Mnなどの偏析成分が濃化して現れるものであ
る。この鋳片の欠陥が、製品である厚板の靱性の低下
や、厚板から曲げ加工後溶接して製造される大径鋼管の
水素誘起割れを引き起こす原因となることが知られてい
る。
【0003】この中心偏析の生成機構は、次のように考
えられている。凝固が進み、凝固組織の一つであるデン
ドライト樹間に偏析成分が濃化し、この濃化溶鋼が、凝
固時の鋳片の収縮またはバルジングと呼ばれる鋳片のふ
くれなどにより、デンドライト樹間より流出し、最終凝
固部の凝固完了点に向かって流動し、そのまま凝固して
濃化帯を形成する。そのために、中心偏析が発生する。
【0004】中心偏析の防止対策として、デンドライト
樹間に残った濃化溶鋼の移動を防止することと、濃化溶
鋼の局所的な集積を防ぐことが有効であり、次のような
方法が提案されている。
【0005】その一つに、圧下ロール群による軽圧下法
があるが、凝固収縮量を若干上回る程度の軽圧下では、
偏析改善効果に限界がある。
【0006】効果的にこれらの偏析を改善するために、
圧下ロールで大きな圧下を加える方法があるが、凝固が
完了した鋳片の幅方向の両端短辺部も圧下することにな
るので、大きな圧下力が必要である。大きな圧下力をか
けるため、圧下ロールを支える支持枠に撓みが発生し、
充分な圧下効果が得られない場合がある。また、圧下ロ
ールが曲がったり、折損したり等の設備上の事故によ
り、操業が困難になる場合がある。
【0007】特開平9−57410号公報および特開平
9−206903号公報では、未凝固部を含む鋳片をバ
ルジングさせ、最終凝固部の鋳造方向の上流側で、前記
バルジング量相当分を圧下する方法が提案されている。
この方法によれば、凝固が完了した鋳片の両端短辺部を
圧下することがなく、圧下ロールによる圧下力が、鋳片
の圧下にのみ働くので、一定の圧下効果が期待できる。
【0008】しかし、上記の特開平9−57410号公
報および特開平9−206903号公報の方法でも、鋳
造方向の全長、鋳片の全幅にわたって中心偏析を安定し
て軽減することが困難な場合がある。その理由は、次の
とおりである。未凝固部を含む鋳片の圧下効果は、まさ
に鋳片の最終凝固部を圧下することにより得られる。し
かし、最終凝固部の鋳片の鋳造方向での位置は操業中に
変化する。また、未凝固部先端の形状が平坦でなくなる
ことが多い。一方、圧下ロールによる鋳片の圧下の場合
には、鋳造方向に直角な線状での圧下となる。したがっ
て、圧下ロールで適正な位置である最終凝固部を圧下す
ることが困難な場合がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鋳片の全幅
および全長にわたって、中心偏析の少ない鋼の連続鋳造
片の連続鋳造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
続鋳造鋳片の連続鋳造方法にある。
【0011】凝固部を含む鋳片をバルジングさせた
後、凝固完了までの間で前記バルジングさせた鋳片厚み
相当分またはそれ以下の厚みを、一対以上の圧下ロール
により圧下する方法において、浸漬ノズルの吐出孔から
鋳型内に流れ出る溶鋼に電磁力を付与して、その吐出流
の流速を減じるとともに、下記(A)式で表される未凝
固部圧下率Lfが0.8以上2.0以下を満足する条件
で圧下し、鋳片の厚み中心部に、鋳片の幅の75%以上
にわたり負偏析部が存在する鋼の連続鋳造鋳片を得る
片の連続鋳造方法。
【0012】Lf=D1/D2・・・(A)ここで、D
1:未凝固部圧下量(mm)D2:圧下開始時の固相率
0.8以下の未凝固部の厚み(mm)本発明の厚み中心
部に負偏析部が存在する連続鋳造鋳片に関して、以下に
説明する。負偏析とは、たとえば鋳片の厚み中心部のC
含有率(重量%)Cを、レードルのC分析値C で除
した比C/C の値が、1未満であることである。負
偏析の値の下限は、鋼や分析する元素によって変化する
が、Cの場合で、おおよそ0.8程度である。負偏析の
鋳片の部分では、C、Si、Mnなどの偏析しやすい成
分の含有率が、レードルでの各成分の含有率よりも小さ
くなっている。
【0013】本発明の方法により得られる負偏析部を有
する鋳片を素材として製造される厚板では、厚板の引張
強度などの機械的性質は、通常の製品の場合と変わらな
い。一般に、負偏析部を有する鋳片を素材としたる厚板
では、引張強度が厚板の位置でばらつくこと、また引張
強度が低下することが懸念される。しかし、本発明の
法により得られる鋳片では、厚み中心部の負偏析部が鋳
片の全幅に対して75%以上とすることにより、厚板の
位置でのばらつきをなくしている。さらに、鋳片の厚み
に対し負偏析部の厚みを好ましくは30%以下とするこ
とにより、引張強度の低下を防止することができる。
【0014】本発明の方法では、バルジングさせた後
に、最終凝固部でバルジング相当分、またはそれ以下の
厚みを圧下するので、鋳片の幅方向の両端短辺部を圧下
することがない。したがって、圧下ロールによる鋳片の
圧下によって、鋳片の厚み中心部を効率よく圧下でき
る。すなわち、厚み中心部を効率よく圧下することによ
り、最終凝固部にある濃化溶鋼を効果的に鋳造方向の上
流側に排出でき、そのため負偏析部を生成することがで
きる。
【0015】このとき、浸漬ノズルの吐出孔から鋳型内
に流れ出る溶鋼に電磁力を付与し、かつ上述の(A)式
で表される未凝固部圧下率Lfを適正な範囲で大きな
値、すなわち未凝固部の厚みに対して大きな圧下量で鋳
片を圧下する。このような方法により、厚み中心部に負
偏析部を安定して生成させることができる。
【0016】吐出流に電磁力を付与しない場合には、高
温の溶鋼の吐出流が鋳片の幅方向の両端近傍に集まりや
すく、鋳片の両端の2カ所の未凝固部分の温度が高くな
る傾向がある。そのため、最終凝固部の先端の形状が鋳
片の幅方向の両端近傍の2カ所で鋳造方向に凸になり、
平坦でなくなる。これに対して、溶鋼の吐出流に電磁力
を付与し、吐出流の流速を遅くすることにより、未凝固
部先端の形状に対する高温の溶鋼の影響を抑制できる。
そのため、未凝固部先端の形状を平坦にすることができ
る。すなわち、溶鋼の吐出流の流速を減じた場合には、
鋳型の場所による溶鋼流速の差が減じ、溶鋼の温度が均
一化する。
【0017】電磁力の付与により未凝固部先端の形状が
より平坦な状態になった鋳片を、上述の(A)式で定義
される未凝固部圧下率Lfが0.8以上となる条件で圧
下すること、すなわち未凝固部分の厚みの80%以上を
圧下することにより、最終凝固部の濃化溶鋼を鋳造方向
の上流側に、速い速度で排出することができる。このた
め、圧下により圧着される鋳片の厚み方向の両側の凝固
界面に、濃化溶鋼が捕捉されることがなくなり、負偏析
部が安定して生成する。
【0018】なお、上述の(A)式において、圧下開始
時の鋳片の未凝固部の厚みを、鋳片内部の厚み方向の両
側の固相率0.8の凝固界面の間の厚みとする。その理
由は、固相率0.8の凝固界面に作用する力が、この界
面より外側の凝固した部分に伝達されるからである。こ
の固相率0.8の凝固界面は、凝固伝熱解析による方法
などで算出可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の連続鋳造方法を
説明するための模式図である。浸漬ノズル8から鋳型1
内に流れ出る溶鋼の吐出流には、その流速を減じるよう
に、電磁撹拌装置9により電磁力を付与する。鋳片2a
は、鋳型1から引き抜かれた後、スプレー水により冷却
されて、凝固殻の厚みが増していく。さらに鋳片2a
は、ガイドロール3および圧下ロール5を経てピンチロ
ール6により引き抜かれる。電磁撹拌装置4は、後述す
るように未凝固部2bに撹拌を与えて凝固組織を等軸晶
化させるための装置であり、用いるのが望ましい。
【0020】ガイドロール3の鋳片厚み方向の間隔は、
鋳型出側以降から圧下ロール直前までの間(以下、バル
ジングゾーンと記す)において、引き抜き方向に段階的
に増加するように配置する。その後の複数の圧下ロール
の間(以下、圧下ゾーンと記す)で、バルジング量相当
分またはそれ以下の厚みを圧下する。バルジング量以下
の厚みを圧下する場合の下限は、バルジング量の50%
が望ましい。50%未満の場合には、圧下量が少なくて
負偏析部を安定して生成できない。
【0021】本発明の方法により得られる連続鋳造鋳片
は、鋳片の全幅の75%以上の幅の厚み中心部が負偏析
部である鋳片とする。負偏析部である鋳片の幅が75%
未満の場合には、この鋳片を素材として圧延した厚板の
引張強度が位置により不均一となり、さらに厚板の平坦
度不良が発生する場合がある。したがって、75%以上
とした。
【0022】圧下ロールによる鋳片の圧下に際し、鋳片
の幅方向の両端短辺部を圧下することは、一般的に困難
であり、この圧下されない鋳片の部分には、負偏析部は
生成しない。したがって、鋳片の幅と厚さとの関係によ
って変わるが、負偏析部を有する鋳片の幅の上限は95
%程度となる。
【0023】負偏析部の厚みは、圧下後の鋳片の厚みに
対して、30%以下とするのが望ましい。30%を超え
ると、この鋳片を素材とする厚板では、引張強度が低下
する場合がある。負偏析部の厚みの下限は、安定して負
偏析部を生成させるために、鋳片の厚みに対して5%以
上が望ましい。
【0024】最終凝固部近傍の未凝固圧厚みD2に対し
てD1を0.8以上の条件とする理由は、前述のとおり
である。Lfが0.8未満では、圧下量が少なく、濃化
溶鋼の排出量および排出速度が十分でなく、負偏析部が
安定して得られない。また、2.0を超えると、鋳片の
引き抜きが困難となることがある。したがって、Lfの
値は、0.8〜2.0とする。
【0025】圧下ロールは一対の圧下ロールを1台とす
れば、1台で圧下するのが望ましいが、2台以上でも構
わない。複数対の圧下ロールで圧下する場合は、それぞ
れの対の圧下ロールごとに、上述の(A)式で表される
未凝固部圧下率Lfが0.8〜2.0となる条件で圧下
する。
【0026】図1に示したように、圧下ゾーンの手前の
バルジングゾーン内に備えた電磁撹拌装置4により、未
凝固部2bに撹拌を加えて等軸晶を生成させ、圧下する
ことが望ましい。その理由は、電磁撹拌を加えない場
合、鋳片の中心部の凝固組織は柱状晶組織になりやす
く、この柱状晶組織を圧下しても、濃化溶鋼の排出が起
こりにくいからである。電磁撹拌を加える場合、たとえ
ば周波数は1.0〜3.0Hz 、電流値は400〜90
0A程度とするのがよい。
【0027】等軸晶組織を生成させる方法は、ガイドロ
ール3または圧下ロール5を介して鋳片の未凝固部に超
音波を印加する方法でもよいし、そのほか、操業面から
の簡便性や効果を配慮した低温鋳造や鋳型内への鋼線添
加などの方法であってもよい。
【0028】図1の模式図では、垂直型連続鋳造機を示
しているが、湾曲型連続鋳造機などにも本発明の方法を
適用できる。
【0029】
【実施例】図1の模式図に示す装置構成のスラブ連続鋳
造装置を用いて溶鋼の鋳造試験を行った。表1に、試験
条件と試験結果を示す。
【0030】
【表1】
【0031】鋳片サイズは、いずれも厚み230mm、
幅2000mmとし、用いた鋼は、C含有率0.15〜
0.20重量%の厚板用鋼とした。圧下前のバルジング
量は20mmおよび60mmとし、直径400mmの圧
下ロール1台でバルジング相当量またはそれ以下の量を
圧下した。
【0032】本発明例の試験の場合には、吐出流の流速
を減ずるために2孔を有する浸漬ノズルの吐出孔の下方
に電磁ブレーキ装置を設置した。また、本発明例および
比較例の試験には、凝固組織を等軸晶とするために、バ
ルジングゾーン内には電磁撹拌装置を設置した。
【0033】鋳造方向で長さ1mの鋳片横断面サンプル
を採取した。このサンプルのマクロ組織を調査し、負偏
析部の幅、厚みを求めた。また、サンプルの鋳片幅方向
に100mm間隔で、鋳片の厚み中心部から、直径3m
mのドリル刃により切り削を採取してCを分析した。そ
のC値をレードル値Cで除した比C/Cで中心偏析
を評価した。
【0034】また、得られた鋳片を素材として厚み20
mmの厚板に圧延し、圧延板の平坦度不良率および引張
強度を調査した。引張強度は、厚板の幅中央部の位置を
調査した。
【0035】本発明例の試験No.1は、バルジング厚
み20mmとし、鋳造速度を1.1m/分とすることに
より、圧下開始時の未凝固部分の厚みD2を20.5m
mとし、D1が20mmである圧下を行った。D1/D
2の値は0.98となり、本発明で規定する範囲内の値
であった。本発明例の試験No.2は、鋳造速度を1.
0m/分とすることにより、D1/D2の値を本発明で
規定する範囲の1.33で試験した。
【0036】鋳片の全幅に対して、試験No.1では7
5%、試験No.2では80%の幅の部分が負偏析部に
なった。これら試験での負偏析部の厚みの割合は、5〜
10%であった。これらの鋳片を素材とする厚板の平坦
度不良率は、いずれの場合も0.1%と低い値で良好な
結果であった。また、これらの厚板の引張強度は520
〜525MPaで、目標の500MPa以上を達成して
良好な結果であった。
【0037】本発明例の試験No.3では、バルジング
厚み60mmとし、圧下開始時の未凝固部の厚みD2を
55.0mmとして、D1が60mmの圧下を行った。
試験No.1やNo.2よりもバルジング量および圧下
量が大きかったので、負偏析部の幅の割合は83%であ
った。負偏析の厚みの割合は8%であった。この鋳片を
素材とした厚板に、平坦度不良は発生せず、良好な結果
となった。また、厚板の引張強度は、532MPaと目
標値以上となり、良好な結果であった。
【0038】本発明例の試験No.4では、バルジング
厚み60mmとし、圧下開始時の未凝固部の厚みD2を
55.0mmとして、D1が55mmで、バルジング量
以下の圧下を行った。負偏析部の幅の割合は、鋳片幅の
78%で、負偏析の厚みの割合は7%であった。この鋳
片を素材とした厚板の平坦度不良は0.1%と低い値
で、良好な結果となった。また、厚板の引張強度は、5
25MPaと目標値以上となり、良好な結果であった。
【0039】比較例の試験No.5および試験No.6
では、バルジング厚み20mmとし、D1が20mmの
圧下を行った。鋳造速度を1.4〜1.5m/分とする
ことにより、圧下開始時の未凝固部の厚みD2を28.
0〜30.0mmとした。D1/D2の値は0.67〜
0.71であり、本発明で規定する範囲の下限を外れた
値であった。
【0040】試験No.5の鋳片には、負偏析部が生成
しなかった。試験No.6の鋳片には鋳片幅の45%に
負偏析部が生成し、負偏析部の厚みの割合は5%であっ
た。いずれの試験でも、鋳型内の電磁ブレーキ装置を用
いず、またD1/D2が、本発明で規定する範囲の下限
より小さい値であったため、鋳片には負偏析部が生成し
なかったか、生成しても鋳片の全幅、全厚に対する割合
が少なかった。この鋳片を素材とした厚板の引張強度は
530〜543MPaで問題なかったが、平坦度不良率
は、6.6〜9.0%で悪かった。
【0041】比較例の試験No.7では、鋳造速度を
1.2m/分とすることにより、圧下開始時の未凝固部
の厚みD2を23.5mmとした。D1/D2の値は
0.85となって、本発明で規定する範囲内の値であっ
た。しかし、浸漬ノズルからの吐出流に電磁力による制
動を加えなかったため、鋳片の負偏析部は、鋳片の幅の
73%の割合にすぎなかった。負偏析部の厚みの割合は
6%であった。この鋳片を素材とした厚板の引張強度は
530MPaで問題なかったが、平坦度不良率は5.5
%で悪かった。
【0042】比較例の試験No.8では、バルジング厚
み60mmとし、圧下開始時の凝固部の厚みD2を5
5.0mmとして、D1が29mmの圧下を行った。未
凝固部の厚みに対して圧下量が少ないことと、浸漬ノズ
ルからの溶鋼の吐出流に電磁力による制動を加えなかっ
たため、鋳片の負偏析部は、鋳片の幅の50%の割合に
すぎなかった。また、負偏析部の厚みの割合は5%であ
った。この鋳片を素材とした厚板の引張強度は、535
MPaと目標値以上であったが、平坦度不良は6.2%
で悪かった。
【0043】図2は、鋳片の幅方向におけるCの中心偏
析C/Cを示す図で、また図3は、鋳片の長さ方向
(鋳造方向)における鋳片の幅中央部でのCの中心偏C
/Cを示す図である。本発明例の試験No.2および
比較例の試験No.6の鋳片の中心偏析の調査結果を代
表例として示す。これらの図から分かるように、本発明
例の試験結果では、鋳片の全幅および鋳造方向の長手方
向の全長にわたって、厚み中心部が負偏析部である鋳片
が安定して得られた。
【0044】
【発明の効果】本発明の連続鋳造方法により、鋳片の全
幅の75%以上にわたって厚み中心部が負偏析部であ
り、中心偏析が改善された鋳片が得られる。また、鋳
の全長および全幅にわたって中心偏析が改善された鋳
を得ることが可能である。さらに、本発明の方法により
得られた鋳片を素材として製造される厚鋼板の機械的性
質も良好であり、本発明の方法は工業的な利用価値が高
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続鋳造方法を説明するための模式図
である。
【図2】鋳片の幅方向におけるCの中心偏析C/C
示す図である。
【図3】鋳片の長さ方向(鋳造方向)における鋳片の幅
中央部でのCの中心偏析C/Cを示す図である。
【符号の説明】
1:鋳型 2a:鋳片 2b:未凝固部 3:ガイドロール 4:電磁撹拌装置 5:圧下ロール 6:ピンチロール 7:溶鋼 8:浸漬ノズル 9:電磁ブレーキ装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/20 B22D 11/128 350 B22D 11/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未凝固部を含む鋳片をバルジングさせた
    後、凝固完了までの間で前記バルジングさせた鋳片厚み
    相当分またはそれ以下の厚みを、一対以上の圧下ロール
    により圧下する方法において、浸漬ノズルの吐出孔から
    鋳型内に流れ出る溶鋼に電磁力を付与して、その吐出流
    の流速を減じるとともに、下記(A)式で表される未凝
    固部圧下率Lfが0.8以上2.0以下を満足する条件
    で圧下し、鋳片の厚み中心部に、鋳片の幅の75%以上
    にわたり負偏析部が存在する鋳片を得ることを特徴とす
    る鋳片の連続鋳造方法。Lf=D1/D2・・・(A) ここで、D1:未凝固部圧下量(mm) D2:圧下開始時の固相率0.8以下の未凝固部の厚み
    (mm)
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