JP3671249B2 - 繊維クッション体の成形方法及びそれに用いられる熱風成形型 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用座席や事務用椅子、あるいはヘッドレストやアームレスト等の緩衝ないしはクッション材として有用な繊維クッション体の成形方法及びそれに用いられる熱風成形型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4(a),(b)はこの種の繊維クッション体例及びその成形に使用された熱風成形型を示している。この繊維クッション体50は、座席を構成するシートバック用のものであり、メイン部50aの両側に位置する上下部50b,50cが立ち上がり、メイン部50aの内側にフレームが配置される設計である。原料の繊維系原材料は高融点素材に低融点素材を混合したものである。低融点素材は、例えば、リサイクル性に優れた熱可塑性のものであり、繊維間ないしは繊維同士のバインダーとして機能する。
【0003】
成形型の基本構造は、上下型61,62の型締め状態で形成される成形部63に加熱送風手段を介して熱風を通過しながら熱処理する構成である。上下型61,62は、成形部63を区画形成している気体透過性の成形部分61A,62Aと、成形部分61A,62Aの外側にそれぞれ設けられている空洞部64,65とを有し、上型61が下型62内に収容された状態で型締めされる。なお、成形部63は繊維クッション体50に対応した空間をなしている。そして、下型62には、前記加熱送風手段を介して圧送されてくる熱風を空洞部65内に導入する入口66が設けられている。上型61には、空洞部65から成形部63を通って空洞部64内に達した熱風を排気する出口67が設けられている。この出口67から排気された熱風は、前記加熱送風手段に導かれ再び定温度に加温されて入口66へ送られ循環される。
【0004】
繊維クッション体50を成形する場合は、下型62の成形部分62A内に繊維系原材料を配置した後、上型61を下型62に収容するように移動して繊維系原材料の圧縮を伴って型締めする。その状態から、成形部63内の繊維系原材料は、前記した熱風が空洞部65から成形部63を介して空洞部64へ所定時間通過されるのに伴って低融点素材を溶融して繊維間ないしは繊維同士を結合し、更に熱処理後に冷却されると成形部63に応じた形状に保形される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した成形方法では、繊維系原材料として、例えば、開繊されて綿状のものを適宜な大きさに切り込んで、計量された必要量を下型62の成形部分62A内に配置して、型締めにより圧縮した状態から熱処理するものである。この成形の特長は、加熱不足や過剰が部分的に起こると品質に直結することから、成形部63内にセットされている繊維系原材料の内部から表面まで均一に熱処理されることを前提としている。このため、設計段階では、熱風が型内に均等に流れるよう型形態等に細心の注意がなされると共に、加熱送風手段の加熱能率や送風圧等にも配慮されている。ところが、実際上は、熱風の上流である成形部分62A側に比べて下流となる成形部分63A側や両側部が低くなったり、成形部63の中心部が相対的に高くなり、温度差が生じ易い。これは、繊維系原材料の内部に熱が吸収されたりこもるためであると推察される。
【0006】
このように、成形部63の温度差が大きくなると、成形の進行度合いが不均一になるばかりでなく、過剰な溶融により繊維の劣化が部分的に進行したり、逆に溶融不足により表面繊維が部分的にぼそぼその状態となり、クッション構造体としての品質を維持できなくなる。そこで、成形時の熱風温度設定としては、低融点素材の融点以上で、高融点素材の融点以下の範囲において、成形部63のうち熱効率が最も低くなる箇所が充足されるよう設計される。このため、成形時間は自ずと長くなり成形効率が悪くなる。成形効率を上げるためその設定温度よりも高くすると、成形部63の中心温度等が高くなり過ぎて、繊維が劣化し、クッション特性的に問題となる。
【0007】
なお、この種の繊維クッション体50は、例えば、座席組立体として組み立てられた段階を想定すると分かるように、背面や裏面側にフレームの芯材等を配置してそれで保持されることから、そのような芯材側との接触面等はむしろ表面的に硬くなっている方が好ましいという場合もある。
【0008】
本発明は以上のような背景に鑑みなされたものである。その第1の目的は、熱風による加熱作用に加え成形部の表面側の温度を相対的に高くすることにより、全体がより均一に加熱処理されると共に、成形効率を向上できる繊維クッション体の成形方法及びそれに用いられる熱風成形型を実現することにある。第2の目的は、繊維クッション体の内部の繊維を劣化させずに、表面側の必要部を相対的により溶融して硬くすることができるようにすることにある。更に他の目的は、以下に説明する内容の中で順次明らかにして行く。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明方法は、図1から図3に例示される如く、上下型2,3が気体透過性の成形部分2A,3A及び成形部分2A,3Aの外側に設けられた空洞部5,6とをそれぞれ有する熱風成形型1を用いて、下型3内に保形用低融点素材と高融点素材の混合された繊維系原材料を配置し、上下型2,3を型締めした後、上下型2,3の一方の空洞部から上下型2,3で形成される成形部4内を通じて他方の空洞部へ熱風を通過しつつ、前記繊維系原材料を加熱成形する繊維クッション体の成形方法において、上下型2,3を型締めした状態で形成される成形部4に対応して設けられたヒータ手段10を有し、成形部4内の繊維系原材料の表面側を前記熱風による加熱に加えヒータ手段10により更に高い温度で加熱処理するよう構成したものである。
【0010】
また、本発明の成形型構造は、上下型2,3が気体透過性の成形部分2A,3Aと成形部分2A,3Aの外側に設けられた空洞部5,6とをそれぞれ備え、下型2内に低融点素材と高融点素材の混合された繊維系原材料を配置し、上下型2,3を型締めした状態で、加熱送風手段14により下型3の空洞部3Aから上下型2,3で形成される成形部4内を通じ上型2側の空洞部2Aへ熱風を通過しつつ前記繊維系原材料を熱成形可能な繊維クッション体用の熱風成形型1において、上下型2,3のうち少なくとも一方が、前記成形部分の外面に設けられて前記熱風温度よりも高温に加熱可能なヒータ手段10を有し、前記熱風による加熱成形時にヒータ手段10により前記成形部分を高温に加熱可能にした構成である。
【0011】
以上の本発明構造は、熱風成形において、成形部4の内部を温度差を極力形成しない手法として、従来の熱風による加温作用に加えて、成形過程にある必要部の表面をヒータ手段10により更に高い温度で加温させることにより、成形部分2A,3Aの間に生じる温度差を緩和し、より均一に加熱処理できるようにしたものである。したがって、この構造のヒータ手段10は、型構造において、例えば、熱風による加熱が不足し易くなる部位や、過剰の溶融により表面部分を特に硬くしたいような部位に対応させて設けることになる。この場合、この種の成形型は、通常、熱伝導性の良好なアルミダイキャスト等の金属材が使用されている。このため、ヒータ手段10の熱は、上下型2,3の成形部分2A,3Aの外側((空洞部5,6側の面)や外側面にヒータ手段10を設置しても、その設置部から成形部分2A,3Aの内面に効率よく、かつ面的に広がりを持って伝達されるので、熱風による成形部表面の加熱不足を補ったり、成形部表面側の溶融を相対的により促進する上で好適なものとなる。また、型構造的には、従来構造に対し、上下型2,3の的位置に公知の電熱式等のヒータ手段を付設するだけなので、型構造的に大きな変更を必要とせず、経費増も少なく実施することができる。
【0012】
本発明の繊維系原材料としては、例えば、ポリエステル系等の低融点素材(樹脂や繊維系素材)と、反発性・圧縮耐久性に優れたポリエステル系ポリマー等の高融点繊維とを混合したものである。要は、低融点素材だけを溶融可能な温度にて熱処理して、その低融点素材をバインダーとして繊維間ないしは繊維同士を結合し、成形型の成形部形状に対応した成形体形状に保形できるものであればよい。低融点素材と高融点繊維は、融点差が大きいほど成形効率的に好ましいが、通常、40度以上であればクッション物性的に充足される。混合形態的には、低融点素材と高融点繊維とを所定の混率で混綿するが、この場合、熱接着性を持つ捲縮繊維等の芯鞘型や偏芯鞘型を用いることが優クッション構造体を得る上で好ましい。型詰め形態としては、例えば、低融点素材と高融点繊維とを混綿した後、カード等により開繊されたウェブを適宜な大きさに切り込んだもの、又は混綿した後、カーディング作用を与えると共に所定の厚さに重ねてウェブ積層体を形成しそれを適宜な大きさに切り込んだもの等が用いられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる形態は、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を制約するものではない。
【0014】
図1は本発明を適用した熱風成形型を使用状態で示し、図2はその熱風成形型の要部の概略構成断面図であり、図3はその熱風成形型を用いて成形された繊維クッション体30を示している。
この熱風成形型1は、上型2と下型3からなり、上型2が下型3内に収容されるよう移動されて型締めする構造であり、又、型締め状態で形成される成形部4に対応して設けられたヒータ手段10と加熱送風手段14等を備えている。
【0015】
上下型2,3は、成形部4を区画形成している気体透過性の成形部分2A,3Aと、空洞部5,6とを共に有している。このうち、下型3は、上開口した容器状をなし、略全外面が断熱材Kにより覆われている。成形部分3Aは、下型3の両側部3cの間に横たわった状態で、下型3の内部空間を上下に分離するよう設けられている。この成形部分3Aの板構成はパンチングメタル板部の気体透過性に形成されている。符号3aはその多数設けられた透孔である。成形部分3Aの下部側には、下型3の内底面3bとの間に空洞部6が設けられている。空洞部6には一側部3cに設けられた入口7から熱風が導入される。
【0016】
上型2は、概略二重蓋形状をなし、成形部分2Aが上部2bに対し突設されている両側部2cに一体化した状態で設けられている。上部2bには略中央部に出口8が設けられている。両側部2cの下部側は、右側が繊維クッション体30の部分30bの厚さ相当分だけ内側に位置した状態で下設され、右側が繊維クッション体30の部分30cの厚さ相当分だけ内側に位置した状態で下設されている。そして、両側部2cのうち、下型3との間で成形部4を形成する部分は、成形部分2Aと同様に気体透過性つまりパンチング板部にて形成されている。符号2aはその多数設けられた透孔である。空洞部5は成形部分2Aの外側に位置し、上部2b及び両側部2cにて区画形成されている。そして、この上型2は、型締め状態で下型3の上開口を着脱自在に密閉可能であると共に、空洞部5から出口8を通じて熱風を排出可能となっている。出口8から排気された熱風は、後述する加熱送風手段14に導かれ再び定温度に加温されて入口7へ送られ循環される。
【0017】
また、前記した下型3の両側部3cの外面と、上型2の成形部分2Aの外面にはヒータ手段10が固定した状態に設けられている。このヒータ手段10は、発熱体を帯状に形成している電熱ヒータであり、外部電源9にリード線9a等を介して接続されている。ヒータ構造的には電熱でなくともよいが、加熱能力的には成形温度(例えば、200度)よりも数十度以上、高く加温できるものが必須となる。より好ましくは温度設定ができる構造のものである。設置位置的には次のように設計されている。下型3の場合は、図1の如く上下型2,3の型締め状態で形成される成形部4に対応し、かつ成形品である図3における繊維クッション体30の部分30b,30cの外面に対応して設けられている。したがって、両側部3cに設けられたヒータ手段10は発熱体の幅寸法が異なっており、部分30bに対応した図1の左側のヒータ手段10aの方が部分30cに対応した右側のヒータ手段10bよりも広くなっている。これに対し、上型2の場合は、成形部分2Aの外面つまり空洞部5内に位置して、5個のヒータ手段10c,10d,,10e,10f,10eが所定間隔を保って設けられている。これは繊維クッション体30の部分30bと部分30cとの間つまりSバネ付きフレームが配置される側に対応している。このようなヒータ手段10は設置位置的に制約されるものではないが、成形部分2A,3Aの透孔2a,3aを塞いだり、通風性を損なわないよう取り付けられる。
【0018】
加熱送風手段14は、従来と同じ構造であり、成形温度まで加熱する不図示の加熱機構と、ファン機構15等からなり、熱風を配管16aを通じて入口8から空洞部6へ圧送するものである。通常は、出口8に対し配管16bを介して接続されており、出口8から排気された熱風を再び加熱機構により定温度まで加温して、それをファン機構15及び配管16aを通じて入口7に循環する方式となっている。再循環に際し、熱風から不純物を除く濾過部材等を有している。また、加熱機構を停止させると常温の冷風を循環できることは勿論である。
【0019】
次に、以上の熱風成形型を用いる場合の成形方法の要領を概説する。なお、使用される繊維系原材料は、例えば、低融点繊維素材と高融点繊維素材とを混綿したものである。型詰め形態としては、混綿した状態から、所定厚さのウェブ積層体に重ねたものを、適当な大きさにカットして断片状にしたもの、又は、混綿されて開繊された綿状ウェブを適当な大きさのシート状にカットしたものである。ここでは前者の例で説明する。
【0020】
型セット作業では、先ず、上型2を移動機構等にて取り除いた状態から、成形部分3A上に上記した断片体の定量を投入する。その後、上型2を型締めする。この操作では、上型2が下型3の上部内に移動しつつ所定の押圧力を伴って配置される。この最終操作では、図示を省略しているが、上部2bと対応する下型2の部分とが着脱可能に固定される。これにより、熱風成形型1内には、上下型2,3によって繊維クッション体30に相当する隙間を持つ成形部4が形成され、かつ、その成形部4内に上記した繊維系原材料である断片体等が型締め力に応じ圧縮された状態でセットされる。
【0021】
以上の型締め状態から、加熱送風手段14が作動される。加熱機構が作動されると、ファン機構15はその加熱された気体を入口7から空洞部6内に圧送する。空洞部6に圧送された熱風は、所定圧に達すると、成形部4内に透孔3aを通じて侵入する。成形部24に侵入した熱風は、繊維系原材料(断片体等)内に上に向けて上昇しつつ、透孔2aを通って空洞部25まで達した後、出口10から排気され、従来と同様に再循環される。また、この形態では、加熱送風手段14の作動と同時に外部電源9がオンされる。すると、各ヒータ手段10は発熱し対応設置部を加熱する。このヒータ手段10の加温は、熱風による成形温度よりも数十度高く設定され、本例の如く、熱風が200度の場合にそれよりも20〜30度高く設定される。なお、ヒータ手段10の加熱作用は加熱送風手段14の作動と同時に開始しせず、加熱送風手段14の作動後に開始したり、逆に定時間経過後に開始するようにしてもよい。
【0022】
以上の熱処理が所定時間行われると、繊維系原材料を構成している低融点素材が次第に溶融して繊維間ないしは繊維同士を結合し、成形部4に応じた一体ものの繊維クッション体30が成形される。その後、加熱機構の作動と外部電源9を停止し、ファン機構15を介して常温の冷風を同様に循環して、繊維クッション体30を冷却する。これにより、繊維クッション体30はその形状が保形されるので、上型2を脱型して、取り出される。
【0023】
図3はこのようにして成形した繊維クッション体30である。輪郭的には図4(a)と同様であるが、外観的には各ヒータ手段10と対応している表面部分つまり、繊維クッション体30の部分30b及び部分30cの外面と、部分30bから部分30cまでの内側(図3で上側)の外面が他の表面よりも皮膜状になっており、その皮膜Fにより硬く保形されている。この皮膜Fは表面繊維の溶融度合が進行し樹脂化されつつ形成されたものである。前記したヒータ手段10の温度設定の範囲において、厚さ的には1mm以下であり、内部まで溶融度合が進行して硬くなるようなことはなかった。むしろ、各種の試験からは、メインの熱風加熱に加えて以上したヒータ手段10により補足的に加熱することにより、例えば、繊維クッション体がその肉厚寸法的に大きくなる場合や複雑な形状となる場合に、全体をより均一に加熱処理し易くなること、メインの熱風の加熱温度を高めにして成形効率を上げることも可能になること、等が確認されている。そして、このようなヒータ手段10を組み込む方式は、例えば、成形部分3A側にもヒータ手段10を設けて前述の皮膜Fを繊維クッション体の全表面に形成したり、繊維クッション体の両側サポート部に対応してヒータ手段10を設けてその両サポート部を他の部分より硬くする等、繊維クッション体の具体的な仕様に応じて種々展開可能にするものである。
【0024】
なお、以上の形態は本発明の基本例であり、例えば、上下型2,3や加熱送風手段14並びにヒータ手段10の具体的構造等については量産規模等に応じて、公知の技術を適用して変形されるものである。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、この種の熱風成形において、成形部内に生じる温度差をヒータ手段にて緩和したり、必要部を熱風温度より更に高い温度で加温することができる。これによって、本発明は、多少なりとも熱風温度を高くして成形時間を短縮したり、更には表面を特に硬くしたいような部位に対応させてヒータ手段を設けて、例えば、繊維クッション体の内部の繊維を劣化させずに、必要表面部を相対的により溶融して硬くすることもができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱風成形型例を示す概略構成断面図である。
【図2】上記熱風成形型の要部の構成を示す図である。
【図3】上記熱風成形型を使用して成形された繊維クッション体の概略断面図である。
【図4】繊維クッション体例とその成形用熱風成形型例を示す図である。
【符号の説明】
1…熱風成形型、2…上型、2A…上型の部成形部分
3…上型、3A…上型の成形部分、4…成形部
5,6…空洞部、9…外部電源、10…ヒータ手段
10a〜10e…ヒータ手段、14…加熱送風手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用座席や事務用椅子、あるいはヘッドレストやアームレスト等の緩衝ないしはクッション材として有用な繊維クッション体の成形方法及びそれに用いられる熱風成形型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4(a),(b)はこの種の繊維クッション体例及びその成形に使用された熱風成形型を示している。この繊維クッション体50は、座席を構成するシートバック用のものであり、メイン部50aの両側に位置する上下部50b,50cが立ち上がり、メイン部50aの内側にフレームが配置される設計である。原料の繊維系原材料は高融点素材に低融点素材を混合したものである。低融点素材は、例えば、リサイクル性に優れた熱可塑性のものであり、繊維間ないしは繊維同士のバインダーとして機能する。
【0003】
成形型の基本構造は、上下型61,62の型締め状態で形成される成形部63に加熱送風手段を介して熱風を通過しながら熱処理する構成である。上下型61,62は、成形部63を区画形成している気体透過性の成形部分61A,62Aと、成形部分61A,62Aの外側にそれぞれ設けられている空洞部64,65とを有し、上型61が下型62内に収容された状態で型締めされる。なお、成形部63は繊維クッション体50に対応した空間をなしている。そして、下型62には、前記加熱送風手段を介して圧送されてくる熱風を空洞部65内に導入する入口66が設けられている。上型61には、空洞部65から成形部63を通って空洞部64内に達した熱風を排気する出口67が設けられている。この出口67から排気された熱風は、前記加熱送風手段に導かれ再び定温度に加温されて入口66へ送られ循環される。
【0004】
繊維クッション体50を成形する場合は、下型62の成形部分62A内に繊維系原材料を配置した後、上型61を下型62に収容するように移動して繊維系原材料の圧縮を伴って型締めする。その状態から、成形部63内の繊維系原材料は、前記した熱風が空洞部65から成形部63を介して空洞部64へ所定時間通過されるのに伴って低融点素材を溶融して繊維間ないしは繊維同士を結合し、更に熱処理後に冷却されると成形部63に応じた形状に保形される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した成形方法では、繊維系原材料として、例えば、開繊されて綿状のものを適宜な大きさに切り込んで、計量された必要量を下型62の成形部分62A内に配置して、型締めにより圧縮した状態から熱処理するものである。この成形の特長は、加熱不足や過剰が部分的に起こると品質に直結することから、成形部63内にセットされている繊維系原材料の内部から表面まで均一に熱処理されることを前提としている。このため、設計段階では、熱風が型内に均等に流れるよう型形態等に細心の注意がなされると共に、加熱送風手段の加熱能率や送風圧等にも配慮されている。ところが、実際上は、熱風の上流である成形部分62A側に比べて下流となる成形部分63A側や両側部が低くなったり、成形部63の中心部が相対的に高くなり、温度差が生じ易い。これは、繊維系原材料の内部に熱が吸収されたりこもるためであると推察される。
【0006】
このように、成形部63の温度差が大きくなると、成形の進行度合いが不均一になるばかりでなく、過剰な溶融により繊維の劣化が部分的に進行したり、逆に溶融不足により表面繊維が部分的にぼそぼその状態となり、クッション構造体としての品質を維持できなくなる。そこで、成形時の熱風温度設定としては、低融点素材の融点以上で、高融点素材の融点以下の範囲において、成形部63のうち熱効率が最も低くなる箇所が充足されるよう設計される。このため、成形時間は自ずと長くなり成形効率が悪くなる。成形効率を上げるためその設定温度よりも高くすると、成形部63の中心温度等が高くなり過ぎて、繊維が劣化し、クッション特性的に問題となる。
【0007】
なお、この種の繊維クッション体50は、例えば、座席組立体として組み立てられた段階を想定すると分かるように、背面や裏面側にフレームの芯材等を配置してそれで保持されることから、そのような芯材側との接触面等はむしろ表面的に硬くなっている方が好ましいという場合もある。
【0008】
本発明は以上のような背景に鑑みなされたものである。その第1の目的は、熱風による加熱作用に加え成形部の表面側の温度を相対的に高くすることにより、全体がより均一に加熱処理されると共に、成形効率を向上できる繊維クッション体の成形方法及びそれに用いられる熱風成形型を実現することにある。第2の目的は、繊維クッション体の内部の繊維を劣化させずに、表面側の必要部を相対的により溶融して硬くすることができるようにすることにある。更に他の目的は、以下に説明する内容の中で順次明らかにして行く。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明方法は、図1から図3に例示される如く、上下型2,3が気体透過性の成形部分2A,3A及び成形部分2A,3Aの外側に設けられた空洞部5,6とをそれぞれ有する熱風成形型1を用いて、下型3内に保形用低融点素材と高融点素材の混合された繊維系原材料を配置し、上下型2,3を型締めした後、上下型2,3の一方の空洞部から上下型2,3で形成される成形部4内を通じて他方の空洞部へ熱風を通過しつつ、前記繊維系原材料を加熱成形する繊維クッション体の成形方法において、上下型2,3を型締めした状態で形成される成形部4に対応して設けられたヒータ手段10を有し、成形部4内の繊維系原材料の表面側を前記熱風による加熱に加えヒータ手段10により更に高い温度で加熱処理するよう構成したものである。
【0010】
また、本発明の成形型構造は、上下型2,3が気体透過性の成形部分2A,3Aと成形部分2A,3Aの外側に設けられた空洞部5,6とをそれぞれ備え、下型2内に低融点素材と高融点素材の混合された繊維系原材料を配置し、上下型2,3を型締めした状態で、加熱送風手段14により下型3の空洞部3Aから上下型2,3で形成される成形部4内を通じ上型2側の空洞部2Aへ熱風を通過しつつ前記繊維系原材料を熱成形可能な繊維クッション体用の熱風成形型1において、上下型2,3のうち少なくとも一方が、前記成形部分の外面に設けられて前記熱風温度よりも高温に加熱可能なヒータ手段10を有し、前記熱風による加熱成形時にヒータ手段10により前記成形部分を高温に加熱可能にした構成である。
【0011】
以上の本発明構造は、熱風成形において、成形部4の内部を温度差を極力形成しない手法として、従来の熱風による加温作用に加えて、成形過程にある必要部の表面をヒータ手段10により更に高い温度で加温させることにより、成形部分2A,3Aの間に生じる温度差を緩和し、より均一に加熱処理できるようにしたものである。したがって、この構造のヒータ手段10は、型構造において、例えば、熱風による加熱が不足し易くなる部位や、過剰の溶融により表面部分を特に硬くしたいような部位に対応させて設けることになる。この場合、この種の成形型は、通常、熱伝導性の良好なアルミダイキャスト等の金属材が使用されている。このため、ヒータ手段10の熱は、上下型2,3の成形部分2A,3Aの外側((空洞部5,6側の面)や外側面にヒータ手段10を設置しても、その設置部から成形部分2A,3Aの内面に効率よく、かつ面的に広がりを持って伝達されるので、熱風による成形部表面の加熱不足を補ったり、成形部表面側の溶融を相対的により促進する上で好適なものとなる。また、型構造的には、従来構造に対し、上下型2,3の的位置に公知の電熱式等のヒータ手段を付設するだけなので、型構造的に大きな変更を必要とせず、経費増も少なく実施することができる。
【0012】
本発明の繊維系原材料としては、例えば、ポリエステル系等の低融点素材(樹脂や繊維系素材)と、反発性・圧縮耐久性に優れたポリエステル系ポリマー等の高融点繊維とを混合したものである。要は、低融点素材だけを溶融可能な温度にて熱処理して、その低融点素材をバインダーとして繊維間ないしは繊維同士を結合し、成形型の成形部形状に対応した成形体形状に保形できるものであればよい。低融点素材と高融点繊維は、融点差が大きいほど成形効率的に好ましいが、通常、40度以上であればクッション物性的に充足される。混合形態的には、低融点素材と高融点繊維とを所定の混率で混綿するが、この場合、熱接着性を持つ捲縮繊維等の芯鞘型や偏芯鞘型を用いることが優クッション構造体を得る上で好ましい。型詰め形態としては、例えば、低融点素材と高融点繊維とを混綿した後、カード等により開繊されたウェブを適宜な大きさに切り込んだもの、又は混綿した後、カーディング作用を与えると共に所定の厚さに重ねてウェブ積層体を形成しそれを適宜な大きさに切り込んだもの等が用いられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる形態は、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を制約するものではない。
【0014】
図1は本発明を適用した熱風成形型を使用状態で示し、図2はその熱風成形型の要部の概略構成断面図であり、図3はその熱風成形型を用いて成形された繊維クッション体30を示している。
この熱風成形型1は、上型2と下型3からなり、上型2が下型3内に収容されるよう移動されて型締めする構造であり、又、型締め状態で形成される成形部4に対応して設けられたヒータ手段10と加熱送風手段14等を備えている。
【0015】
上下型2,3は、成形部4を区画形成している気体透過性の成形部分2A,3Aと、空洞部5,6とを共に有している。このうち、下型3は、上開口した容器状をなし、略全外面が断熱材Kにより覆われている。成形部分3Aは、下型3の両側部3cの間に横たわった状態で、下型3の内部空間を上下に分離するよう設けられている。この成形部分3Aの板構成はパンチングメタル板部の気体透過性に形成されている。符号3aはその多数設けられた透孔である。成形部分3Aの下部側には、下型3の内底面3bとの間に空洞部6が設けられている。空洞部6には一側部3cに設けられた入口7から熱風が導入される。
【0016】
上型2は、概略二重蓋形状をなし、成形部分2Aが上部2bに対し突設されている両側部2cに一体化した状態で設けられている。上部2bには略中央部に出口8が設けられている。両側部2cの下部側は、右側が繊維クッション体30の部分30bの厚さ相当分だけ内側に位置した状態で下設され、右側が繊維クッション体30の部分30cの厚さ相当分だけ内側に位置した状態で下設されている。そして、両側部2cのうち、下型3との間で成形部4を形成する部分は、成形部分2Aと同様に気体透過性つまりパンチング板部にて形成されている。符号2aはその多数設けられた透孔である。空洞部5は成形部分2Aの外側に位置し、上部2b及び両側部2cにて区画形成されている。そして、この上型2は、型締め状態で下型3の上開口を着脱自在に密閉可能であると共に、空洞部5から出口8を通じて熱風を排出可能となっている。出口8から排気された熱風は、後述する加熱送風手段14に導かれ再び定温度に加温されて入口7へ送られ循環される。
【0017】
また、前記した下型3の両側部3cの外面と、上型2の成形部分2Aの外面にはヒータ手段10が固定した状態に設けられている。このヒータ手段10は、発熱体を帯状に形成している電熱ヒータであり、外部電源9にリード線9a等を介して接続されている。ヒータ構造的には電熱でなくともよいが、加熱能力的には成形温度(例えば、200度)よりも数十度以上、高く加温できるものが必須となる。より好ましくは温度設定ができる構造のものである。設置位置的には次のように設計されている。下型3の場合は、図1の如く上下型2,3の型締め状態で形成される成形部4に対応し、かつ成形品である図3における繊維クッション体30の部分30b,30cの外面に対応して設けられている。したがって、両側部3cに設けられたヒータ手段10は発熱体の幅寸法が異なっており、部分30bに対応した図1の左側のヒータ手段10aの方が部分30cに対応した右側のヒータ手段10bよりも広くなっている。これに対し、上型2の場合は、成形部分2Aの外面つまり空洞部5内に位置して、5個のヒータ手段10c,10d,,10e,10f,10eが所定間隔を保って設けられている。これは繊維クッション体30の部分30bと部分30cとの間つまりSバネ付きフレームが配置される側に対応している。このようなヒータ手段10は設置位置的に制約されるものではないが、成形部分2A,3Aの透孔2a,3aを塞いだり、通風性を損なわないよう取り付けられる。
【0018】
加熱送風手段14は、従来と同じ構造であり、成形温度まで加熱する不図示の加熱機構と、ファン機構15等からなり、熱風を配管16aを通じて入口8から空洞部6へ圧送するものである。通常は、出口8に対し配管16bを介して接続されており、出口8から排気された熱風を再び加熱機構により定温度まで加温して、それをファン機構15及び配管16aを通じて入口7に循環する方式となっている。再循環に際し、熱風から不純物を除く濾過部材等を有している。また、加熱機構を停止させると常温の冷風を循環できることは勿論である。
【0019】
次に、以上の熱風成形型を用いる場合の成形方法の要領を概説する。なお、使用される繊維系原材料は、例えば、低融点繊維素材と高融点繊維素材とを混綿したものである。型詰め形態としては、混綿した状態から、所定厚さのウェブ積層体に重ねたものを、適当な大きさにカットして断片状にしたもの、又は、混綿されて開繊された綿状ウェブを適当な大きさのシート状にカットしたものである。ここでは前者の例で説明する。
【0020】
型セット作業では、先ず、上型2を移動機構等にて取り除いた状態から、成形部分3A上に上記した断片体の定量を投入する。その後、上型2を型締めする。この操作では、上型2が下型3の上部内に移動しつつ所定の押圧力を伴って配置される。この最終操作では、図示を省略しているが、上部2bと対応する下型2の部分とが着脱可能に固定される。これにより、熱風成形型1内には、上下型2,3によって繊維クッション体30に相当する隙間を持つ成形部4が形成され、かつ、その成形部4内に上記した繊維系原材料である断片体等が型締め力に応じ圧縮された状態でセットされる。
【0021】
以上の型締め状態から、加熱送風手段14が作動される。加熱機構が作動されると、ファン機構15はその加熱された気体を入口7から空洞部6内に圧送する。空洞部6に圧送された熱風は、所定圧に達すると、成形部4内に透孔3aを通じて侵入する。成形部24に侵入した熱風は、繊維系原材料(断片体等)内に上に向けて上昇しつつ、透孔2aを通って空洞部25まで達した後、出口10から排気され、従来と同様に再循環される。また、この形態では、加熱送風手段14の作動と同時に外部電源9がオンされる。すると、各ヒータ手段10は発熱し対応設置部を加熱する。このヒータ手段10の加温は、熱風による成形温度よりも数十度高く設定され、本例の如く、熱風が200度の場合にそれよりも20〜30度高く設定される。なお、ヒータ手段10の加熱作用は加熱送風手段14の作動と同時に開始しせず、加熱送風手段14の作動後に開始したり、逆に定時間経過後に開始するようにしてもよい。
【0022】
以上の熱処理が所定時間行われると、繊維系原材料を構成している低融点素材が次第に溶融して繊維間ないしは繊維同士を結合し、成形部4に応じた一体ものの繊維クッション体30が成形される。その後、加熱機構の作動と外部電源9を停止し、ファン機構15を介して常温の冷風を同様に循環して、繊維クッション体30を冷却する。これにより、繊維クッション体30はその形状が保形されるので、上型2を脱型して、取り出される。
【0023】
図3はこのようにして成形した繊維クッション体30である。輪郭的には図4(a)と同様であるが、外観的には各ヒータ手段10と対応している表面部分つまり、繊維クッション体30の部分30b及び部分30cの外面と、部分30bから部分30cまでの内側(図3で上側)の外面が他の表面よりも皮膜状になっており、その皮膜Fにより硬く保形されている。この皮膜Fは表面繊維の溶融度合が進行し樹脂化されつつ形成されたものである。前記したヒータ手段10の温度設定の範囲において、厚さ的には1mm以下であり、内部まで溶融度合が進行して硬くなるようなことはなかった。むしろ、各種の試験からは、メインの熱風加熱に加えて以上したヒータ手段10により補足的に加熱することにより、例えば、繊維クッション体がその肉厚寸法的に大きくなる場合や複雑な形状となる場合に、全体をより均一に加熱処理し易くなること、メインの熱風の加熱温度を高めにして成形効率を上げることも可能になること、等が確認されている。そして、このようなヒータ手段10を組み込む方式は、例えば、成形部分3A側にもヒータ手段10を設けて前述の皮膜Fを繊維クッション体の全表面に形成したり、繊維クッション体の両側サポート部に対応してヒータ手段10を設けてその両サポート部を他の部分より硬くする等、繊維クッション体の具体的な仕様に応じて種々展開可能にするものである。
【0024】
なお、以上の形態は本発明の基本例であり、例えば、上下型2,3や加熱送風手段14並びにヒータ手段10の具体的構造等については量産規模等に応じて、公知の技術を適用して変形されるものである。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、この種の熱風成形において、成形部内に生じる温度差をヒータ手段にて緩和したり、必要部を熱風温度より更に高い温度で加温することができる。これによって、本発明は、多少なりとも熱風温度を高くして成形時間を短縮したり、更には表面を特に硬くしたいような部位に対応させてヒータ手段を設けて、例えば、繊維クッション体の内部の繊維を劣化させずに、必要表面部を相対的により溶融して硬くすることもができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱風成形型例を示す概略構成断面図である。
【図2】上記熱風成形型の要部の構成を示す図である。
【図3】上記熱風成形型を使用して成形された繊維クッション体の概略断面図である。
【図4】繊維クッション体例とその成形用熱風成形型例を示す図である。
【符号の説明】
1…熱風成形型、2…上型、2A…上型の部成形部分
3…上型、3A…上型の成形部分、4…成形部
5,6…空洞部、9…外部電源、10…ヒータ手段
10a〜10e…ヒータ手段、14…加熱送風手段
Claims (2)
- 上下型が気体透過性の成形部分及び前記各成形部分の外側に設けられている空洞部をそれぞれ有する熱風成形型を用いて、前記下型内に保形用低融点素材と高融点素材の混合された繊維系原材料を配置し、前記上下型を型締めした後、前記上下型の一方の空洞部から上下型で形成される成形部内を通じて他方の空洞部へ熱風を通過しつつ、前記繊維系原材料を加熱成形する繊維クッション体の成形方法において、
前記上下型を型締めした状態で形成される前記成形部に対応して設けられたヒータ手段を有し、前記成形部内の繊維系原材料の表面側を前記熱風による加熱に加え前記ヒータ手段により更に高い温度で加熱処理する、ことを特徴とする繊維クッション体の成形方法。 - 上下型が気体透過性の成形部分と前記各成形部分の外側に設けられた空洞部とをそれぞれ備え、前記下型内に低融点素材と高融点素材の混合された繊維系原材料を配置し、前記上下型を型締めした状態で、加熱送風手段により前記下型の空洞部から上下型で形成される成形部内を通じ前記上側の空洞部へ熱風を通過しつつ前記繊維系原材料を熱成形可能な繊維クッション体用の熱風成形型において、
前記上下型のうち少なくとも一方が、前記成形部分の外面に設けられて前記熱風温度よりも高温に加熱可能なヒータ手段を有し、前記熱風による加熱成形時に前記ヒータ手段により前記成形部分をより高温に加熱可能にした、ことを特徴とする繊維クッション体用の熱風成形型。
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