JPH11131397A - 繊維クッション体の成形方法及びそれに用いられる熱風成形型 - Google Patents

繊維クッション体の成形方法及びそれに用いられる熱風成形型

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JPH11131397A
JPH11131397A JP29475697A JP29475697A JPH11131397A JP H11131397 A JPH11131397 A JP H11131397A JP 29475697 A JP29475697 A JP 29475697A JP 29475697 A JP29475697 A JP 29475697A JP H11131397 A JPH11131397 A JP H11131397A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱風による加熱作用に加え成形部の表面側の
温度を相対的に高くすることにより、全体がより均一に
加熱処理されると共に、成形効率を向上できるようにし
た繊維クッション体の成形方法及び熱風成形型を実現す
る。 【解決手段】 上下型2,3が気体透過性の成形部分2
A,3A及び成形部分2A,3Aの外側に設けられた空
洞部5,6とをそれぞれ有する熱風成形型1を用いて、
下型3内に保形用低融点素材と高融点素材の混合された
繊維系原材料を配置し、上下型2,3を型締めした後、
上下型2,3の一方の空洞部から成形部4内を通じて他
方の空洞部へ熱風を通過しつつ、前記繊維系原材料を加
熱成形する繊維クッション体の成形方法において、成形
部4に対応して設けられたヒータ手段10を有し、成形
部4内の繊維系原材料の表面側を前記熱風による加熱に
加えヒータ手段10により更に高い温度で加熱処理する
よう構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用座席や事務
用椅子、あるいはヘッドレストやアームレスト等の緩衝
ないしはクッション材として有用な繊維クッション体の
成形方法及びそれに用いられる熱風成形型に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図4(a),(b)はこの種の繊維クッ
ション体例及びその成形に使用された熱風成形型を示し
ている。この繊維クッション体50は、座席を構成する
シートバック用のものであり、メイン部50aの両側に
位置する上下部50b,50cが立ち上がり、メイン部
50aの内側にフレームが配置される設計である。原料
の繊維系原材料は高融点素材に低融点素材を混合したも
のである。低融点素材は、例えば、リサイクル性に優れ
た熱可塑性のものであり、繊維間ないしは繊維同士のバ
インダーとして機能する。
【0003】成形型の基本構造は、上下型61,62の
型締め状態で形成される成形部63に加熱送風手段を介
して熱風を通過しながら熱処理する構成である。上下型
61,62は、成形部63を区画形成している気体透過
性の成形部分61A,62Aと、成形部分61A,62
Aの外側にそれぞれ設けられている空洞部64,65と
を有し、上型61が下型62内に収容された状態で型締
めされる。なお、成形部63は繊維クッション体50に
対応した空間をなしている。そして、下型62には、前
記加熱送風手段を介して圧送されてくる熱風を空洞部6
5内に導入する入口66が設けられている。上型61に
は、空洞部65から成形部63を通って空洞部64内に
達した熱風を排気する出口67が設けられている。この
出口67から排気された熱風は、前記加熱送風手段に導
かれ再び定温度に加温されて入口66へ送られ循環され
る。
【0004】繊維クッション体50を成形する場合は、
下型62の成形部分62A内に繊維系原材料を配置した
後、上型61を下型62に収容するように移動して繊維
系原材料の圧縮を伴って型締めする。その状態から、成
形部63内の繊維系原材料は、前記した熱風が空洞部6
5から成形部63を介して空洞部64へ所定時間通過さ
れるのに伴って低融点素材を溶融して繊維間ないしは繊
維同士を結合し、更に熱処理後に冷却されると成形部6
3に応じた形状に保形される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した成形方法で
は、繊維系原材料として、例えば、開繊されて綿状のも
のを適宜な大きさに切り込んで、計量された必要量を下
型62の成形部分62A内に配置して、型締めにより圧
縮した状態から熱処理するものである。この成形の特長
は、加熱不足や過剰が部分的に起こると品質に直結する
ことから、成形部63内にセットされている繊維系原材
料の内部から表面まで均一に熱処理されることを前提と
している。このため、設計段階では、熱風が型内に均等
に流れるよう型形態等に細心の注意がなされると共に、
加熱送風手段の加熱能率や送風圧等にも配慮されてい
る。ところが、実際上は、熱風の上流である成形部分6
2A側に比べて下流となる成形部分63A側や両側部が
低くなったり、成形部63の中心部が相対的に高くな
り、温度差が生じ易い。これは、繊維系原材料の内部に
熱が吸収されたりこもるためであると推察される。
【0006】このように、成形部63の温度差が大きく
なると、成形の進行度合いが不均一になるばかりでな
く、過剰な溶融により繊維の劣化が部分的に進行した
り、逆に溶融不足により表面繊維が部分的にぼそぼその
状態となり、クッション構造体としての品質を維持でき
なくなる。そこで、成形時の熱風温度設定としては、低
融点素材の融点以上で、高融点素材の融点以下の範囲に
おいて、成形部63のうち熱効率が最も低くなる箇所が
充足されるよう設計される。このため、成形時間は自ず
と長くなり成形効率が悪くなる。成形効率を上げるため
その設定温度よりも高くすると、成形部63の中心温度
等が高くなり過ぎて、繊維が劣化し、クッション特性的
に問題となる。
【0007】なお、この種の繊維クッション体50は、
例えば、座席組立体として組み立てられた段階を想定す
ると分かるように、背面や裏面側にフレームの芯材等を
配置してそれで保持されることから、そのような芯材側
との接触面等はむしろ表面的に硬くなっている方が好ま
しいという場合もある。
【0008】本発明は以上のような背景に鑑みなされた
ものである。その第1の目的は、熱風による加熱作用に
加え成形部の表面側の温度を相対的に高くすることによ
り、全体がより均一に加熱処理されると共に、成形効率
を向上できる繊維クッション体の成形方法及びそれに用
いられる熱風成形型を実現することにある。第2の目的
は、繊維クッション体の内部の繊維を劣化させずに、表
面側の必要部を相対的により溶融して硬くすることがで
きるようにすることにある。更に他の目的は、以下に説
明する内容の中で順次明らかにして行く。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明方法は、図1から図3に例示される如く、上下型
2,3が気体透過性の成形部分2A,3A及び成形部分
2A,3Aの外側に設けられた空洞部5,6とをそれぞ
れ有する熱風成形型1を用いて、下型3内に保形用低融
点素材と高融点素材の混合された繊維系原材料を配置
し、上下型2,3を型締めした後、上下型2,3の一方
の空洞部から上下型2,3で形成される成形部4内を通
じて他方の空洞部へ熱風を通過しつつ、前記繊維系原材
料を加熱成形する繊維クッション体の成形方法におい
て、上下型2,3を型締めした状態で形成される成形部
4に対応して設けられたヒータ手段10を有し、成形部
4内の繊維系原材料の表面側を前記熱風による加熱に加
えヒータ手段10により更に高い温度で加熱処理するよ
う構成したものである。
【0010】また、本発明の成形型構造は、上下型2,
3が気体透過性の成形部分2A,3Aと成形部分2A,
3Aの外側に設けられた空洞部5,6とをそれぞれ備
え、下型2内に低融点素材と高融点素材の混合された繊
維系原材料を配置し、上下型2,3を型締めした状態
で、加熱送風手段14により下型3の空洞部3Aから上
下型2,3で形成される成形部4内を通じ上型2側の空
洞部2Aへ熱風を通過しつつ前記繊維系原材料を熱成形
可能な繊維クッション体用の熱風成形型1において、上
下型2,3のうち少なくとも一方が、前記成形部分の外
面に設けられて前記熱風温度よりも高温に加熱可能なヒ
ータ手段10を有し、前記熱風による加熱成形時にヒー
タ手段10により前記成形部分を高温に加熱可能にした
構成である。
【0011】以上の本発明構造は、熱風成形において、
成形部4の内部を温度差を極力形成しない手法として、
従来の熱風による加温作用に加えて、成形過程にある必
要部の表面をヒータ手段10により更に高い温度で加温
させることにより、成形部分2A,3Aの間に生じる温
度差を緩和し、より均一に加熱処理できるようにしたも
のである。したがって、この構造のヒータ手段10は、
型構造において、例えば、熱風による加熱が不足し易く
なる部位や、過剰の溶融により表面部分を特に硬くした
いような部位に対応させて設けることになる。この場
合、この種の成形型は、通常、熱伝導性の良好なアルミ
ダイキャスト等の金属材が使用されている。このため、
ヒータ手段10の熱は、上下型2,3の成形部分2A,
3Aの外側((空洞部5,6側の面)や外側面にヒータ
手段10を設置しても、その設置部から成形部分2A,
3Aの内面に効率よく、かつ面的に広がりを持って伝達
されるので、熱風による成形部表面の加熱不足を補った
り、成形部表面側の溶融を相対的により促進する上で好
適なものとなる。また、型構造的には、従来構造に対
し、上下型2,3の的位置に公知の電熱式等のヒータ手
段を付設するだけなので、型構造的に大きな変更を必要
とせず、経費増も少なく実施することができる。
【0012】本発明の繊維系原材料としては、例えば、
ポリエステル系等の低融点素材(樹脂や繊維系素材)
と、反発性・圧縮耐久性に優れたポリエステル系ポリマ
ー等の高融点繊維とを混合したものである。要は、低融
点素材だけを溶融可能な温度にて熱処理して、その低融
点素材をバインダーとして繊維間ないしは繊維同士を結
合し、成形型の成形部形状に対応した成形体形状に保形
できるものであればよい。低融点素材と高融点繊維は、
融点差が大きいほど成形効率的に好ましいが、通常、4
0度以上であればクッション物性的に充足される。混合
形態的には、低融点素材と高融点繊維とを所定の混率で
混綿するが、この場合、熱接着性を持つ捲縮繊維等の芯
鞘型や偏芯鞘型を用いることが優クッション構造体を得
る上で好ましい。型詰め形態としては、例えば、低融点
素材と高融点繊維とを混綿した後、カード等により開繊
されたウェブを適宜な大きさに切り込んだもの、又は混
綿した後、カーディング作用を与えると共に所定の厚さ
に重ねてウェブ積層体を形成しそれを適宜な大きさに切
り込んだもの等が用いられる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な形態を添付
図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる形
態は、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、
本発明の範囲を制約するものではない。
【0014】図1は本発明を適用した熱風成形型を使用
状態で示し、図2はその熱風成形型の要部の概略構成断
面図であり、図3はその熱風成形型を用いて成形された
繊維クッション体30を示している。この熱風成形型1
は、上型2と下型3からなり、上型2が下型3内に収容
されるよう移動されて型締めする構造であり、又、型締
め状態で形成される成形部4に対応して設けられたヒー
タ手段10と加熱送風手段14等を備えている。
【0015】上下型2,3は、成形部4を区画形成して
いる気体透過性の成形部分2A,3Aと、空洞部5,6
とを共に有している。このうち、下型3は、上開口した
容器状をなし、略全外面が断熱材Kにより覆われてい
る。成形部分3Aは、下型3の両側部3cの間に横たわ
った状態で、下型3の内部空間を上下に分離するよう設
けられている。この成形部分3Aの板構成はパンチング
メタル板部の気体透過性に形成されている。符号3aは
その多数設けられた透孔である。成形部分3Aの下部側
には、下型3の内底面3bとの間に空洞部6が設けられ
ている。空洞部6には一側部3cに設けられた入口7か
ら熱風が導入される。
【0016】上型2は、概略二重蓋形状をなし、成形部
分2Aが上部2bに対し突設されている両側部2cに一
体化した状態で設けられている。上部2bには略中央部
に出口8が設けられている。両側部2cの下部側は、右
側が繊維クッション体30の部分30bの厚さ相当分だ
け内側に位置した状態で下設され、右側が繊維クッショ
ン体30の部分30cの厚さ相当分だけ内側に位置した
状態で下設されている。そして、両側部2cのうち、下
型3との間で成形部4を形成する部分は、成形部分2A
と同様に気体透過性つまりパンチング板部にて形成され
ている。符号2aはその多数設けられた透孔である。空
洞部5は成形部分2Aの外側に位置し、上部2b及び両
側部2cにて区画形成されている。そして、この上型2
は、型締め状態で下型3の上開口を着脱自在に密閉可能
であると共に、空洞部5から出口8を通じて熱風を排出
可能となっている。出口8から排気された熱風は、後述
する加熱送風手段14に導かれ再び定温度に加温されて
入口7へ送られ循環される。
【0017】また、前記した下型3の両側部3cの外面
と、上型2の成形部分2Aの外面にはヒータ手段10が
固定した状態に設けられている。このヒータ手段10
は、発熱体を帯状に形成している電熱ヒータであり、外
部電源9にリード線9a等を介して接続されている。ヒ
ータ構造的には電熱でなくともよいが、加熱能力的には
成形温度(例えば、200度)よりも数十度以上、高く
加温できるものが必須となる。より好ましくは温度設定
ができる構造のものである。設置位置的には次のように
設計されている。下型3の場合は、図1の如く上下型
2,3の型締め状態で形成される成形部4に対応し、か
つ成形品である図3における繊維クッション体30の部
分30b,30cの外面に対応して設けられている。し
たがって、両側部3cに設けられたヒータ手段10は発
熱体の幅寸法が異なっており、部分30bに対応した図
1の左側のヒータ手段10aの方が部分30cに対応し
た右側のヒータ手段10bよりも広くなっている。これ
に対し、上型2の場合は、成形部分2Aの外面つまり空
洞部5内に位置して、5個のヒータ手段10c,10
d,,10e,10f,10eが所定間隔を保って設け
られている。これは繊維クッション体30の部分30b
と部分30cとの間つまりSバネ付きフレームが配置さ
れる側に対応している。このようなヒータ手段10は設
置位置的に制約されるものではないが、成形部分2A,
3Aの透孔2a,3aを塞いだり、通風性を損なわない
よう取り付けられる。
【0018】加熱送風手段14は、従来と同じ構造であ
り、成形温度まで加熱する不図示の加熱機構と、ファン
機構15等からなり、熱風を配管16aを通じて入口8
から空洞部6へ圧送するものである。通常は、出口8に
対し配管16bを介して接続されており、出口8から排
気された熱風を再び加熱機構により定温度まで加温し
て、それをファン機構15及び配管16aを通じて入口
7に循環する方式となっている。再循環に際し、熱風か
ら不純物を除く濾過部材等を有している。また、加熱機
構を停止させると常温の冷風を循環できることは勿論で
ある。
【0019】次に、以上の熱風成形型を用いる場合の成
形方法の要領を概説する。なお、使用される繊維系原材
料は、例えば、低融点繊維素材と高融点繊維素材とを混
綿したものである。型詰め形態としては、混綿した状態
から、所定厚さのウェブ積層体に重ねたものを、適当な
大きさにカットして断片状にしたもの、又は、混綿され
て開繊された綿状ウェブを適当な大きさのシート状にカ
ットしたものである。ここでは前者の例で説明する。
【0020】型セット作業では、先ず、上型2を移動機
構等にて取り除いた状態から、成形部分3A上に上記し
た断片体の定量を投入する。その後、上型2を型締めす
る。この操作では、上型2が下型3の上部内に移動しつ
つ所定の押圧力を伴って配置される。この最終操作で
は、図示を省略しているが、上部2bと対応する下型2
の部分とが着脱可能に固定される。これにより、熱風成
形型1内には、上下型2,3によって繊維クッション体
30に相当する隙間を持つ成形部4が形成され、かつ、
その成形部4内に上記した繊維系原材料である断片体等
が型締め力に応じ圧縮された状態でセットされる。
【0021】以上の型締め状態から、加熱送風手段14
が作動される。加熱機構が作動されると、ファン機構1
5はその加熱された気体を入口7から空洞部6内に圧送
する。空洞部6に圧送された熱風は、所定圧に達する
と、成形部4内に透孔3aを通じて侵入する。成形部2
4に侵入した熱風は、繊維系原材料(断片体等)内に上
に向けて上昇しつつ、透孔2aを通って空洞部25まで
達した後、出口10から排気され、従来と同様に再循環
される。また、この形態では、加熱送風手段14の作動
と同時に外部電源9がオンされる。すると、各ヒータ手
段10は発熱し対応設置部を加熱する。このヒータ手段
10の加温は、熱風による成形温度よりも数十度高く設
定され、本例の如く、熱風が200度の場合にそれより
も20〜30度高く設定される。なお、ヒータ手段10
の加熱作用は加熱送風手段14の作動と同時に開始しせ
ず、加熱送風手段14の作動後に開始したり、逆に定時
間経過後に開始するようにしてもよい。
【0022】以上の熱処理が所定時間行われると、繊維
系原材料を構成している低融点素材が次第に溶融して繊
維間ないしは繊維同士を結合し、成形部4に応じた一体
ものの繊維クッション体30が成形される。その後、加
熱機構の作動と外部電源9を停止し、ファン機構15を
介して常温の冷風を同様に循環して、繊維クッション体
30を冷却する。これにより、繊維クッション体30は
その形状が保形されるので、上型2を脱型して、取り出
される。
【0023】図3はこのようにして成形した繊維クッシ
ョン体30である。輪郭的には図4(a)と同様である
が、外観的には各ヒータ手段10と対応している表面部
分つまり、繊維クッション体30の部分30b及び部分
30cの外面と、部分30bから部分30cまでの内側
(図3で上側)の外面が他の表面よりも皮膜状になって
おり、その皮膜Fにより硬く保形されている。この皮膜
Fは表面繊維の溶融度合が進行し樹脂化されつつ形成さ
れたものである。前記したヒータ手段10の温度設定の
範囲において、厚さ的には1mm以下であり、内部まで
溶融度合が進行して硬くなるようなことはなかった。む
しろ、各種の試験からは、メインの熱風加熱に加えて以
上したヒータ手段10により補足的に加熱することによ
り、例えば、繊維クッション体がその肉厚寸法的に大き
くなる場合や複雑な形状となる場合に、全体をより均一
に加熱処理し易くなること、メインの熱風の加熱温度を
高めにして成形効率を上げることも可能になること、等
が確認されている。そして、このようなヒータ手段10
を組み込む方式は、例えば、成形部分3A側にもヒータ
手段10を設けて前述の皮膜Fを繊維クッション体の全
表面に形成したり、繊維クッション体の両側サポート部
に対応してヒータ手段10を設けてその両サポート部を
他の部分より硬くする等、繊維クッション体の具体的な
仕様に応じて種々展開可能にするものである。
【0024】なお、以上の形態は本発明の基本例であ
り、例えば、上下型2,3や加熱送風手段14並びにヒ
ータ手段10の具体的構造等については量産規模等に応
じて、公知の技術を適用して変形されるものである。
【0025】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
この種の熱風成形において、成形部内に生じる温度差を
ヒータ手段にて緩和したり、必要部を熱風温度より更に
高い温度で加温することができる。これによって、本発
明は、多少なりとも熱風温度を高くして成形時間を短縮
したり、更には表面を特に硬くしたいような部位に対応
させてヒータ手段を設けて、例えば、繊維クッション体
の内部の繊維を劣化させずに、必要表面部を相対的によ
り溶融して硬くすることもができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱風成形型例を示す概略構成断面
図である。
【図2】上記熱風成形型の要部の構成を示す図である。
【図3】上記熱風成形型を使用して成形された繊維クッ
ション体の概略断面図である。
【図4】繊維クッション体例とその成形用熱風成形型例
を示す図である。
【符号の説明】
1…熱風成形型、2…上型、2A…上型の部成形部分 3…上型、3A…上型の成形部分、4…成形部 5,6…空洞部、9…外部電源、10…ヒータ手段 10a〜10e…ヒータ手段、14…加熱送風手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下型が気体透過性の成形部分及び前記
    各成形部分の外側に設けられている空洞部をそれぞれ有
    する熱風成形型を用いて、前記下型内に保形用低融点素
    材と高融点素材の混合された繊維系原材料を配置し、前
    記上下型を型締めした後、前記上下型の一方の空洞部か
    ら上下型で形成される成形部内を通じて他方の空洞部へ
    熱風を通過しつつ、前記繊維系原材料を加熱成形する繊
    維クッション体の成形方法において、 前記上下型を型締めした状態で形成される前記成形部に
    対応して設けられたヒータ手段を有し、前記成形部内の
    繊維系原材料の表面側を前記熱風による加熱に加え前記
    ヒータ手段により更に高い温度で加熱処理する、ことを
    特徴とする繊維クッション体の成形方法。
  2. 【請求項2】 上下型が気体透過性の成形部分と前記各
    成形部分の外側に設けられた空洞部とをそれぞれ備え、
    前記下型内に低融点素材と高融点素材の混合された繊維
    系原材料を配置し、前記上下型を型締めした状態で、加
    熱送風手段により前記下型の空洞部から上下型で形成さ
    れる成形部内を通じ前記上側の空洞部へ熱風を通過しつ
    つ前記繊維系原材料を熱成形可能な繊維クッション体用
    の熱風成形型において、 前記上下型のうち少なくとも一方が、前記成形部分の外
    面に設けられて前記熱風温度よりも高温に加熱可能なヒ
    ータ手段を有し、前記熱風による加熱成形時に前記ヒー
    タ手段により前記成形部分をより高温に加熱可能にし
    た、ことを特徴とする繊維クッション体用の熱風成形
    型。
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