JP3670993B2 - 強化プラスチック管内面の凹凸形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、強化プラスチック管の内面に凹凸を形成してその粗度係数を高める方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
多くの給排水管に使用されている強化プラスチック管には、不織布などの基布に樹脂を含浸させた保護層の上に、樹脂含浸の周方向及び軸方向の繊維層を必要段設け、さらにその上(外面)に保護層を設けたもの(FRP管)や、そのFRP管に樹脂モルタル層を介設したもの、すなわち、図4乃至図6に示すように、保護層上に繊維層を形成し、その上に樹脂モルタル層2、樹脂層を形成し、さらに保護層を設けたもの(FRPM管)などがある。以下、同図に示すように、内側の保護層と繊維層を内面強化プラスチック層3、外側の保護層と繊維層を外面強化プラスチック層1とし、その間を樹脂モルタル層2とする。
【0003】
この強化プラスチック管Pは、フィラメントワインディング法(FW法)や遠心成形法などにより成形され、このうち、FW法がよく用いられている。このFW法で形成された強化プラスチック管Pは、流水側である内面が芯型に接した状態で成形されるため、芯型の表面と同じ程度の高平滑性の内表面を有し粗度係数が比較的小さい。このため、強化プラスチック管Pの粗度係数は0.010であるが、コンクリート管や鋳鉄管の粗度係数は0.013、陶管は0.014、コンクリートフリュームは0.014〜0.015、暗渠は0.015である。
【0004】
このように、強化プラスチック管Pは、その内面の粗度係数が小さいため、他の材質の管に比べて管内を流れる流体の流速が大きくなり、勾配が大きい場合、管路の途中に多くの階段接合や減勢工などを設けなくてはならない。
【0005】
このため、強化プラスチック管Pの内面に凹凸を形成して、その内面の粗度係数を大きくするようにしている。その凹凸の形成手段として、特開平5−278125号公報には、図4に示すように、管内面に無機質細粒体4の一部を露出させて凹凸を形成する手段が、特公平6−39132号公報には、図5(a)に示すように、管成形時、その内周面に凹凸5aを有するクロステープ5などをセロハンテープ6を介して芯型7に巻き付け、成形した後に、同図(b)に示すように、そのクロステープ5等を取り除いて内周面に凹凸8を設ける手段、及び、図6に示すように、管内面に砂状体9を接着剤9aを介し付着させて凹凸を形成する手段が、それぞれ開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の公報記載技術においては、凹凸面の無機質細粒体4が芯型7に直接に触れるため、その芯型7を傷つける恐れがあり、含浸させる樹脂の量によって、無機質細粒体4の露出度合いが決定され、全く露出しない場合、すなわち、凹凸が形成されない場合もある。
【0007】
また、後者の公報記載技術の場合、管成形後にクロステープ5等を取り除くため、そのクロステープ5等を破棄しなくてはならず、さらに、管成形時の樹脂の巻き付け度合いにより、クロステープ5の凹凸5aを内周面に容易に転写できない場合もある。砂状体9を付着させるものにあっては、管成形後のため、管全長に亘って均一に付着せず、また、その付着度合いも不均一となる。
【0008】
この発明は、管内面に均一かつ確実に凹凸を形成するようにすることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、この発明は、成形材料を巻回移動させる芯型外周面に直接に凹凸を形成することとしたのである。芯型外周面に直接に凹凸を形成すれば、芯型を傷つける恐れもなく、その芯型に成形材料が巻回されるため、凹凸の転写も確実かつ均一になされる。また、クロステープなどの破棄の必要もない。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態としては、芯型をその周方向に回転し、その芯型外周面に成形材料を巻回しつつ、軸方向に移動させて強化プラスチック管を製造するに際し、前記芯型をその外周面に凹凸が形成されたものとして、前記成形材料の巻回移動時に前記凹凸を成形材料の巻回層内面に転写するようにしたのである。
【0011】
強化プラスチック管の製造方法は、FW法を採用するが、その芯型は、ドロストホルム式成形機のように、その芯型の一部をなすスチールベルトを移動させるものに採用し得る。
【0012】
芯型外周面の凹凸の形成には、公知の種々の手段が考えられ、例えば、研削、プラズマ溶射、圧延、ブラスト処理などを採用する。その凹凸の段差は、強化プラスチック管内面に転写される凹凸が0.05乃至0.5mm程度、好ましくは、0.1乃至0.2mmとなるようにするとよい。この段差であると、コンクリート管と同程度の粗度係数を得ることができる。
【0013】
【実施例】
一実施例を図1及び図2に示し、この実施例の強化プラスチック管Pの成形機は、ドロストホルム式であり、装置本体11の回転軸12に水平に延びた円筒状金型13が固定され、この金型13外周面にスチールベルト14がらせん状に巻回されながら移動する。このスチールベルト14と金型13で芯型が構成される。
【0014】
スチールベルト14は、金型13の先端から離れた後、その中心軸上を貫通し、その後端から導出されて金型13の前端外周に巻き込まれるエンドレスのものであり、このスチールベルト14の金型13外周面の巻回移動によって後述の成形材料が円筒状に成形されながら金型13上を前方に向かって移動する。このスチールベルト14はショアー硬さ(Hs):56で、その表面(成形材料との接触面)は、アルミナから成るブラスト材により、エア圧力(HPa):0.3でブラスト処理された平均粗さRz(μm):45.1となっている。因みに、そのブラスト処理後のスチールベルト14の最大歪みは0.8/180mmであった。
【0015】
金型13には、まず、離型シート15が巻き込まれ、その上に、成形材料である樹脂16、ガラスなどの強化繊維17、樹脂モルタル18、樹脂16、強化繊維17が順々に送り込まれて筒状に成形された後、硬化炉19に入り、硬化されて強化プラスチック管Pが製造される。
【0016】
その強化プラスチック管Pの内面は、図2に示すように、スチールベルト14の凹凸面が転写された凹凸50を有するものとなり、所要の粗度係数を有するものとなった。
【0017】
上記ブラスト材としては、スチール製などの種々の周知のものを採用できる。また、スチールベルト14表面の凹凸形成手段としては、図3(a)に示す、研削などの機械加工による溝21、同図(b)に示す、プラズマ溶射による凹凸22、同図(c)に示す、圧延ロールによる凹凸23などの形成が考えられる。溝21は、直線状に限らず、格子状、編目状などと任意である。
【0018】
なお、この発明は、上述のFRPM管にかぎらず、FRP管でも採用し得ることは勿論である。
【0019】
【発明の効果】
この発明は、芯型外周面の凹凸により、強化プラスチック管内面全域に凹凸を均一かつ容易に形成可能であり、この強化プラスチック管を用いることにより粗度係数を大きくでき、管内を流れる流体の流速を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の概略図
【図2】この発明に係る強化プラスチック管の要部断面図
【図3】芯型外周面の凹凸形成手段の各例図
【図4】従来の強化プラスチック管の要部断面図
【図5】従来の強化プラスチック管の製造方法説明用要部断面図
【図6】従来の強化プラスチック管の要部断面図
【符号の説明】
P 強化プラスチック管
1 外面強化プラスチック層
2 樹脂モルタル層
3 内面強化プラスチック層
13 金型
14 スチールベルト
15 離型シート
16 樹脂
17 強化繊維
18 樹脂モルタル
21、22、23 芯型外周面上の凹凸
50 強化プラスチック管内面の凹凸
Claims (1)
- 水平に延びた円筒状金型13の前端外周面にスチールベルト14をらせん状に巻回させながら前記金型13の軸方向に移動させて前記芯型を構成するとともに、前記スチールベルト14を前記金型13の先端から前記前端に戻るエンドレスなものとし、前記芯型をその周方向に回転し、その芯型のスチールベルト14外周面に成形材料16、17、18を巻回しつつ、前記スチールベルト14とともに軸方向に移動させて強化プラスチック管Pを製造するに際し、
上記スチールベルト14はその外周面に凹凸21、22、23が形成されたものとして、上記成形材料の巻回移動時に前記凹凸を成形材料の巻回層内面に転写し、かつ、前記凹凸は、前記成形材料の巻回層内面に転写される凹凸の段差が、コンクリート管と同程度の粗度係数を得る0.05乃至0.5mmとなるようにしたことを特徴とする強化プラスチック管内面の凹凸形成方法。
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