JP3670589B2 - バルブ開閉制御方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルブ開閉制御装置に係わり、特に、自動車のスロットルバルブに好適な、高精度なバルブ開閉制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車においては、排気ガスの清浄化や燃費向上化を図るため、スロットルバルブとアクセルバルブとを機械的には連結せず、バルブアクチュエータにより、アクセルの踏み角に応じてスロットルバルブをコントロールする方向にある。スロットルバルブの制御は、ガソリンエンジンの心臓部を制御することであり、特に、安全性が重要である。また、スロットルバルブ制御は、ギアの自動変速等にまで利用されることから高速の応答が要求される。そのほか、アクセルを踏まないアイドルスピードコントロール(ISC制御)等を行うために、高精度のバルブ開度制御が必要である。
【0003】
このスロットルバルブ制御装置の従来例としては、特開昭63−208632号公報に記載された、スロットルバルブをギアを介してアクチュエータで制御する「スロットル弁制御装置」がある。このスロットル弁制御装置においては、バルブに閉方向の力を与えるリターンスプリングが設けられている。そして、アクチュエータの故障時等において、上記リターンスプリングによって、スロットルバルブが全開となることが防止される。
【0004】
また、特開平2−95734号公報には、「スロットル開度制御装置」が記載されている。このスロットル開度制御装置は、スロットルバルブがアイドル開度に近づいたとき、スロットルバルブの回動速度が低速の回動速度に切り換えられ、スロットル開度の測定精度を向上しようとするものである。
【0005】
また、特開平5−79356号公報には、「内燃機関のスロットル開度制御装置」が記載されている。このスロットル開度制御装置においては、スロットルバルブの開度を調整するステッピングモータの1ステップ毎の励磁更新直前に、スロットルバルブの開度が検出される。そして、その検出値に基づいて、スロットルバルブが所定開度位置に、あるか否かが判断される。これにより、ステッピングモータの1ステップ応答時のダンピングによる基準制御位置の誤検出を防止し、スロットルバルブ開度の正確な制御を実行しようとするものである。
【0006】
また、特開平2−119640号公報には、「エンジン吸気絞り弁の制御方法」が記載されている。この絞り弁の制御方法においては、絞り弁を駆動するモータは、互いに反対方向に分極処理された多数の圧電片が交互に配置された圧電体と、弾性体と、可動子とから構成される。そして、この圧電体に2種類の高周波電圧が供給され、弾性体に進行波を発生させて、可動子が移動される。この可動子の移動によって、絞り弁が移動される。これにより、駆動音が少なく、小型軽量な弁駆動用モータを実現しようとするものである。
なお、バルブの開度を調整するバルブアクチェータとしては、種々のタイプがあるが、直流電動機が最も一般的な制御モータとして考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記バルブの開度は、ギアあるいはリターンスプリング等の存在によって、ヒステリシスの傾向を有している。さらに、バルブアクチュエータとして、直流電動機を使用すると、ブラシの摩擦にもヒステリシスがある。これによって、バルブ開度の設定精度が低下され、極端な場合には、不安定な現象となってエンジン回転数の乱れを招く場合が予想される。
【0008】
また、バルブ開度センサとして接触式のセンサ(例えばポテンショメータ)を使用する場合には、位置決め時に停止する迄の回転方向によって、ブラシの傾きが変わるというヒステリシスを有している。このため、正確なバルブ開度を検出することができず、バルブ開度設定精度(バルブ位置精度)の低下原因となっていた。
【0009】
バルブアクチュエータとして、上記特開平5−79356号公報に記載されたステッピングモータや、特開平2−119640号公報に記載されたモータを使用した場合においても、バルブのリターンスプリングや、バルブ開度センサによるヒステリシスが存在するため、バルブ開度設定精度は低いものであった。
【0010】
本発明の目的は、簡単な構成でありながら、バルブ開度設定精度を向上したバルブ開閉制御方法及び装置を実現することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、次のように構成される。
(1)流体の流量を調整するバルブの開度を、バルブアクチュエータにより制御するバルブ開閉制御方法であって、バルブ開度指令値に対応するバルブアクチュエータの指令駆動信号に脈動信号を加算し、上記脈動信号が加算された駆動信号を上記バルブアクチュエータに供給する上記制御方法において、上記バルブ開度指令がランプ信号として与えられたときにおける、上記バルブの現在位置と上記バルブ開度指令値との偏差が小であるに従って大とする脈動を上記指令駆動信号に付加する
【0012】
(2)好ましくは、上記(1)において、上記バルブは、自動車のスロットルバルブである。
【0013】
(3)また、好ましくは、上記(2)において、上記所定の脈動信号は、自動車のアイドリング運転のバルブ開度制御時に、上記指令駆動信号に加算される。
【0014】
(4)モータで開閉駆動されるバルブと、このバルブの開度を検出する接触式の開度センサとを備えるバルブ開閉制御装置において、上記バルブ開度指令が与えられたときにおける、上記バルブの現在位置と上記バルブ開度指令値との偏差が小であるに従って大とする脈動を上記モータの駆動信号に付加し、上記センサの接触部が上記脈動信号によって微小振動される。
【0015】
(5)好ましくは、上記(4)において、上記脈動信号によって上記開度センサの接触部が両方向に微小振動される。
【0016】
(6)また、好ましくは、上記(5)において、上記両方向の微小振動の中心位置で開度検出が行われる。
【0017】
バルブやバルブアクチュエータ等には、ヒステリシストルクが存在するため、従来技術においては、バルブは、目標開度を大きくオーバーシュートしてしまう。次に、バルブは、大きくオーバーシュートした開度から、目標開度に、再び移動される。そして、バルブは、目標開度をアンダーシュートする。このようにして、バルブは、静止摩擦トルクの範囲のなかで静止する。このような動作を繰返すと、バルブ開度制御は不安定となってしまう。
【0018】
本発明においては、バルブ開度指令値に対応するバルブアクチュエータの指令駆動信号に脈動信号が加算される。バルブアクチュエータは、脈動信号が加算された駆動信号によって、微小なヒステリシス曲線を描きながら、バルブを開度指令値が示す角度まで移動させる。これにより、上記ヒステリシストルクが補償され、高精度の位置設定が実行される。
【0019】
また、バルブの開度を検出する開度センサを備え、この開度センサが接触型である場合、このセンサの接触部分が、上記脈動信号によって、両方向に微小振動され、この振動中心位置で開度検出が行われる。これによって、開度センサのヒステリシス特性が補償され、高精度の位置検出が行われる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例であるバルブ開閉制御装置の概略回路図であり、図2は、上記一実施例の概略構成図である。なお、この一実施例は、本発明を、自動車用の電子スロットルシステムに適用した場合の例である。
【0021】
図2において、スロットルボディ1には空気流量を制御するためのスロットルバルブ2と、このスロットルバルブ2のシャフトの一方端に配置され、スロットルバルブ2を閉方向に付勢するバネMBとが備えられている。また、スロットルバルブ2のシャフトの他方端には、ギアG3が取り付けられている。そして、直流モータDCMのシャフトからの動力が、ギアG1、ギアG2及びギアG3を介して、スロットルバルブ2のシャフトに伝達される。
【0022】
ギアG1は、クラッチ板KLとスライドベアリングSBとともに、直流モータDCMのシャフト上に配置され、直流モータDCMの軸方向に、スライド可能な構造となっている。また、クラッチ板KLとクラッチ板KMとの間にはバネBNが配置され、クラッチ板KMとクラッチ板KLとを引き離すように作用している。直流モータDCMは、ブラシやコミュテータが配置される整流部KBと、鉄心に巻かれた回転子コイルRKを有するロータRTと、クラッチ板KMと、このクラッチ板KMの上部まで延長された固定子磁極SPとを備えている。
【0023】
小形の直流モータは、界磁に永久磁石を用いたものが多い。これは外部に界磁をコントロールする制御回路が省略でき、構造を簡単にすることができるからである。図2に示した例においては、固定子磁極SPは永久磁石を使用するが、永久磁石ではなく、固定子コイルが巻回され形成される磁極を使用することも可能である。
【0024】
スロットルバルブ2のギアG3側には、スロットルバルブ2の開度を測定するスロットルバルブ開度センサ103が、配置されている。開度センサ103には価格的な面でブラシ式のポテンショメータが使用されることが多い。
【0025】
次に、図1において、直流電源VからH型の電機子電流制御回路ACCを介して直流モータMに電力が供給される。電機子電流制御回路ACCにおいては、直列接続されたトランジスタTR1及びTR2と、直列接続されたトランジスタTR3及びTR4とが並列に接続されている。トランジスタTR1とTR2との接続点と、トランジスタTR3とTR4との接続点とがモータDCMに接続される。
マイクロコンピュータ等の演算器で構成された位置制御回路APRには、自動車の上位の制御装置より位置指令(バルブ開度指令)PSが供給される。また、位置制御回路APRには、開度センサ103によって検出されたバルブの開度を示す現在位置Pfも供給される。位置制御回路APRは、供給された位置指令PSと現在位置Pfとの偏差を算出し、モータDCMを駆動すべき電流値信号Ioを加算器ADに供給する。
【0026】
加算器ADには、正負に交番する脈動電流指令信号Imも供給されており、上記電流値信号Ioと脈動電流指令信号Imとが加算される。この脈動電流指令信号Imは、位置指令Psの発生タイミングと同期し、この位置指令Psの発生周期を半周期とする周波数を有する矩形波となっている。例えば、位置指令Psの発生周期が1msであれば、脈動電流指令信号Imの周波数は、500Hzとなる。
【0027】
加算期ADにて加算された電流値信号Ioと脈動電流指令信号Imとは、電流指令信号Icとして、電流制御回路ACRに供給される。電流制御回路ACRには、電流検出器SHにより検出されたモータ電流検出信号Isも供給される。そして、電流制御回路ACRにおいて、電流指令信号Icと電流検出信号Isとが比較され、信号IcとIsとの偏差に応じた信号が、ドライブ回路DVに供給される。そして、このドライブ回路DVから電機子電流制御回路ACCのトランジスタTR1、TR2、TR3、TR4のベースに駆動制御信号が供給され、モータDCMへの供給電流が制御される。これにより、モータDCMが駆動し、スロットルバルブ2の開度が制御される。
【0028】
さて、バルブ開閉制御装置においては、バネMB、ギアG1、ギアG2、ギアG3及び直流モータDCM、バルブのベアリンブ等の摺動部でヒステリシスを有するトルクが発生する。また、直流モータDCMの整流部KBで、ブラシと整流子との間に静止摩擦が発生する。
【0029】
スロットルバルブ2の開度制御は、自動車の走行中における開度制御と、アイドル運転時の開度制御とがある。走行中における開度制御の精度は、±0.5度程度で充分である。一方、アイドル運転時の開度制御は、±0.05度以下の精度が要求される。このような高精度の開度制御が要求されるアイドル運転時に、上述のようなヒステリシストルク、静止摩擦トルク等があると、従来においては、高精度の制御が困難となり、不安定な現象、例えばエンジン回転数の乱れを引き起こしていた。
【0030】
一般に、バルブ開度制御を比例積分制御で行った場合、積分項のゲインが小さいと、ヒステリシストルク、静止摩擦トルクによりバルブは移動できず、積分項が蓄積されるまで停止状態となる。そして、積分項が蓄積され、移動可能となると、位置指令Psと現在位置Pfとの偏差を無くすように、バルブの移動が開始される。ところが、上述のように、ヒステリシストルクが存在するため、バルブは、目標開度を大きくオーバーシュートしてしまう。次に、バルブは、大きくオーバーシュートした開度から、目標開度に、再び移動される。そして、バルブは、目標開度をアンダーシュートする。このようにして、バルブは、静止摩擦トルクの範囲のなかで静止する。このような動作を繰返すと、バルブ開度制御は不安定となってしまう。
【0031】
本発明の一実施例においては、上述したように、位置制御回路APRから出力される電流値信号Ioに脈動電流指令Imが加算される。この脈動電流指令Imの最大値にトルク定数を乗じたものが、上記ヒステリシストルク、静止摩擦トルク以上であれば、ヒステリシストルク、静止摩擦トルク等に打ち勝って常に移動可能な状態となり微小な位置指令が入っても充分追随することが可能である。そして、電流値信号Ioに脈動電流指令Imが加算されることにより、バルブ2は、大きくオーバーシュートしたり、アンダーシュートすることなく、目標開度に設定される。つまり、モータDCMは、脈動電流指令Imによって、微小なヒステリシス曲線を描きながら、目標位置に移動する。これにより、上記ヒステリシストルクが補償される。また、開度センサ103のブラシは、上記脈動電流指令Imによって、両方向に微小振動され、この振動中心位置で開度検出が行われる。これによって、開度センサのヒステリシス特性も補償され、高精度の位置検出が行われる。
【0032】
図3は、本発明の一実施例におけるバルブ位置指令(バルブ開度指令)PCと、脈動電流Iと、バルブの現在位置(現在開度)PPとを示す図であり、横軸は時間であり、縦軸は位置(開度)及び電流である。また、図4は、脈動電流を加算しない場合の、バルブ位置指令PCと、指令電流Iと、現在位置(現在開度)PPとを示す図であり、図3と同様に、横軸は時間であり、縦軸は位置(開度)及び電流である。これら図3及び図4においては、位置指令PCをランプ状とした場合の例である。
【0033】
図3の例においては、位置指令PCに対して、現在位置PPは、若干の遅れを伴って、良好に追随している(制御が線形化されている)ことが、容易に理解できる。
これに対して、図4の例においては、位置指令PCに対して、現在位置PPは時点t0からt1付近まで、微小にしか変化しない。そして、時点t1付近となると、現在位置PPは、急激に変化する(この場合、図4においては、現在位置PPは、位置指令PCをオーバーシュートしていないが、オーバーシュートしてしまうこともある)。これに対応して、電流Iも変化される。また、現在位置PPは、時点t1からt2付近まで、微小変化し、時点t2以上となって、大きく変化していく。
【0034】
このように、脈動電流を加算しない図4の特性に比較し、図3に示した、指令電流に脈動電流を加算し、バルブアクチェータに供給する特性は、位置指令PCに対して、現在位置PPは、安定して良好に追従している。
【0035】
以上のように、本発明の一実施例のバルブ開閉制御装置によれば、脈動電流指令Imを加算した電流指令Icを、直流モータDCMへの電流指令としたので、直流モータDCM、バルブ2のベアリング、ギア、バネMB等のヒステリシストルクを補償して、簡単な構成でありながら、バルブ開度設定精度を向上したバルブ開閉制御装置を実現することができる。
【0036】
また、開度センサ103として、接触式のセンサ、例えば、ポテンショメータを使用した場合でも、ブラシの傾きによる位置検出誤差が補償され、位置検出が高精度となる。これにより、高精度のバルブ開度検出が可能であり、かつ、高精度のバルブ開度設定が可能なバルブ開閉制御装置を実現することができる。
【0037】
なお、脈動電流Imは、位置指令Psの発生タイミングに同期して、一定電流を正負に交番させ、矩形波を生成できる生成部(図1には示さず)により発生される。
【0038】
上述した図1のバルブ開閉制御装置に対応するバルブ開閉制御方法の一実施例としては、次の例がある。
まず、第1のステップにおいて、バルブの現在の開度を検出する。次に、第2のステップにおいて、検出されたバルブ開度と、バルブ開度指令値とを比較して、バルブアクチュエータへの駆動信号を算出する。そして、第3のステップにおいて、算出された駆動信号に、正負に交番し、かつ、駆動信号の発生タイミングに同期する周期を有する所定の脈動信号を加算する。
【0039】
次に、第4のステップにおいて、バルブアクチュエータに供給されている現駆動信号と、上記脈動信号が加算された駆動信号とを比較する。続いて、第5のステップにおいて、第4のステップで比較された結果に基づいて、バルブアクチェータの駆動信号が上記脈動信号が加算された駆動信号となるように制御する。この第5のステップが終了すると、第1のステップに戻り、バルブ開度の制御が実行される。
【0040】
以上説明した、バルブ開閉制御方法によれば、バルブアクチュエータやバルブ開度検出器のヒステリシス特性を補償して、簡単な構成でありながら、バルブ開度設定精度を向上したバルブ開閉制御方法を実現することができる。
【0041】
図5は、本発明の他の実施例におけるバルブ開閉制御装置の概略回路図であり、図1の例と同様に、自動車用の電子スロットルシステムに本発明を適用した場合の例である。したがって、バルブ開閉制御装置の概略構成図は、図2の例と同等となるので、図示は省略する。
【0042】
図5の例と、図1の例との異なるところは、脈動電流指令Imの大きさが、現在位置Pfと位置指令値Psとの差に応じて変化されることであり、現在位置Pfと位置指令Psとの偏差が小となるに従って、バルブの開度検出及び制御を高精度化する。つまり、現在位置Pfと位置指令値Psとの偏差が小となるに従って、脈動電流の大きさ(振幅値)を大とする。
【0043】
さて、図5において、脈動電流値算出部PCAには、位置指令値Psと現在位置Pfとが供給される。脈動電流値算出部PCAは、位置指令値Psと現在位置Pfとの偏差を算出し、この偏差の絶対値に反比例する脈動電流値Iaを算出する。そして、算出された脈動電流値Iaは、乗算回路MTPに供給される。
【0044】
また、基準脈動電流発生部RPCは、正負に交番する基準脈動電流Imoを発生する。この基準脈動電流Imoは、位置指令Psの発生タイミングと同期し、この位置指令Psの発生周期を半周期とする周波数を有する矩形波である。発生された基準脈動電流Imoは、乗算回路MTPに供給され、脈動電流値Iaと乗算される。そして、振幅値が脈動電流値Iaであり、位置指令Psの発生周期を半周期とする周波数を有する脈動電流Imが、乗算回路MTPから加算器ADに供給される。加算器ADにより、脈動電流Imと電流値信号Ioとが加算され、電流指令Icとして、電流制御回路ACRに供給される。その後の動作は、図1の例と同等である。
なお、基準脈動電流発生部RPCと、脈動電流値算出部PCAと、乗算回路MTPとから脈動電流変更が構成される。
【0045】
以上のように、本発明の他の実施例であるバルブ開閉制御装置によれば、図1の例と同様な効果が得られる他、位置指令Psと現在位置Pfとの偏差が小となるに従って、脈動電流Imの振幅値が大となるように構成したので、構成簡単であり、かつ、省電力化が図られた、高精度なバルブ開度設定が可能なバルブ開閉制御装置を実現することができる。
【0046】
なお、脈動電流の振幅値は、バルブの現在位置に対応して、変化するように構成することもできる。つまり、例えば、バルブがアイドリング時の開度に近づくに従って、脈動電流の振幅値を大とすることも可能である。
また、脈動電流の振幅値は、バルブの移動速度が小となるに従って、大となるように構成することも可能である。つまり、バルブの移動速度が小となるに従って、指令位置に近づいたと判断できるからである。この移動速度は、現在位置の変化速度から算出できる。
【0047】
また、バルブアクチュエータの負荷の大きさに従って、脈動電流の振幅値を変化させるように構成することもできる。例えば、負荷が小となるに従って、脈動電流の振幅値が大となるように構成する事も可能である。アクチェータの負荷の検出は、例えば、モータDCMに通電されている電流値から算出することができる。
【0048】
上述した図5のバルブ開閉制御装置に対応するバルブ開閉制御方法の他の実施例としては、次の例がある。
まず、第1のステップにおいて、バルブの現在の開度を検出する。次に、第2のステップにおいて、検出されたバルブ開度と、バルブ開度指令値とを比較して、バルブアクチュエータへの駆動信号を算出する。そして、第3のステップにおいて、バルブの現在の開度とバルブ開度指令値との偏差が小となるに従って、そ振幅値が大となり、正負に交番し、かつ、駆動信号の発生タイミングに同期する周期を有する所定の脈動信号を、算出された駆動信号に加算する。
【0049】
次に、第4のステップにおいて、バルブアクチュエータに供給されている現駆動信号と、上記脈動信号が加算された駆動信号とを比較する。続いて、第5のステップにおいて、第4のステップで比較された結果に基づいて、バルブアクチェータの駆動信号が上記脈動信号が加算された駆動信号となるように制御する。この第5のステップが終了すると、第1のステップに戻り、バルブ開度の制御が実行される。
【0050】
以上説明した、バルブ開閉制御方法の他の実施例によれば、バルブアクチュエータやバルブ開度検出器のヒステリシス特性を補償して、簡単な構成でありながら、バルブ開度設定精度を向上したバルブ開閉制御方法を実現することができる。さらに、このバルブ開閉制御方法の他の実施例によれば、構成簡単であり、かつ、省電力化が図られた、高精度なバルブ開度設定が可能なバルブ開閉制御方法を実現することができる。
【0051】
なお、バルブ開閉制御方法の他の実施例においては、図5の例と同様に、バルブの現在位置、移動速度又はバルブアクチュエータの負荷の大きさに対応して、変化するように構成することもできる。
【0052】
また、電流指令信号への脈動電流の加算は、自動車のアイドリング制御時にのみ、実行するように構成することもできる。
また、脈動電流の脈動周期は、位置指令の発生タイミングの周期の2倍以上を半周期とすることもできる。さらに、脈動電流は、位置指令の発生タイミングに、非同期であってもよい。
【0053】
また、脈動電流は、矩形波のみならず、サイン波又は鋸歯状波であってもよい。
【0054】
また、スロットルバルブを閉方向に付勢するバネは、機械的なバネ又は電磁バネであってもよい。
【0055】
また、開度センサは、非接触式のものでもよい。
また、バルブアクチュエータは、ステッピングモータを用いたものでも、本発明は適用可能である。
【0056】
また、上述した例においては、指令信号Io、Ic、Im等が電流信号となっているが、電圧信号であってもよい。
さらに、上述した例は、自動車用の電子スロットルシステムに適用した場合の例であるが、流体の流量を調整するバルブの開度を、バルブアクチェータにより制御する他の装置にも本発明は適用可能である。
【0057】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているため、次のような効果がある。
バルブアクチュエータは、脈動信号が加算された駆動信号によって、微小なヒステリシス曲線を描きながら、バルブを開度指令値が示す角度まで移動させる。これにより、上記ヒステリシストルクが補償され、高精度の位置設定が実行される。したがって、簡単な構成でありながら、バルブ開度設定精度を向上したバルブ開閉制御方法及び装置を実現することができる。
【0058】
また、バルブの開度を検出する開度センサが接触型である場合、このセンサの接触部分が、上記脈動信号によって、両方向に微小振動され、この振動中心位置で開度検出が行われる。これによって、開度センサのヒステリシス特性が補償され、高精度の位置検出が行われる。したがって、簡単な構成でありながら、バルブ開度検出精度及び設定精度を向上したバルブ開閉制御方法及び装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルブ開閉制御装置の一実施例の概略回路図である。
【図2】本発明の一実施例の全体概略構成図である。
【図3】本発明の一実施例における位置指令PCと、現在位置PPとの対応関係を示すグラフである。
【図4】従来例における位置指令PCと、現在位置PPとの対応関係を示すグラフである。
【図5】本発明のバルブ開閉制御装置の他の実施例の概略回路図である。
【符号の説明】
1 スロットルボディ
2 スロットルバルブ
103 開度センサ
ACC 電機子電流制御回路
ACR 電流制御回路
AD 加算器
APR 位置制御回路
DV ドライブ回路
BN バネ
DCM 直流モータ
G1、G2、G3 ギア
KB 整流部
KL、KM クラッチ板
MTP 乗算回路
MB バネ
PCA 脈動電流値算出部
RK 回転子コイル
RPC 基準脈動電流発生部
RT ロータ
SP 固定子磁極
SB スライドベアリング
SH 電流検出器
V 電源

Claims (6)

  1. 流体の流量を調整するバルブの開度を、バルブアクチュエータにより制御するバルブ開閉制御方法であって、バルブ開度指令値に対応するバルブアクチュエータの指令駆動信号に脈動信号を加算し、上記脈動信号が加算された駆動信号を上記バルブアクチュエータに供給する上記制御方法において、
    上記バルブ開度指令がランプ信号として与えられたときにおける、上記バルブの現在位置と上記バルブ開度指令値との偏差が小であるに従って大とする脈動を上記指令駆動信号に付加することを特徴とするバルブ開閉制御方法。
  2. 請求項1記載のバルブ開閉制御方法において、上記バルブは、自動車のスロットルバルブであることを特徴とするバルブ開閉制御方法。
  3. 請求項2記載のバルブ開閉制御方法において、上記所定の脈動信号は、自動車のアイドリング運転のバルブ開度制御時に、上記指令駆動信号に加算されることを特徴とするバルブ開閉制御方法。
  4. モータで開閉駆動されるバルブと、このバルブの開度を検出する接触式の開度センサとを備えるバルブ開閉制御装置において、
    上記バルブ開度指令が与えられたときにおける、上記バルブの現在位置と上記バルブ開度指令値との偏差が小であるに従って大とする脈動を上記モータの駆動信号に付加し、上記センサの接触部が上記脈動信号によって微小振動されることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
  5. 請求項4記載のバルブ開閉制御装置において、上記脈動信号によって上記開度センサの接触部が両方向に微小振動されることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
  6. 請求項5記載のバルブ開閉制御装置において、上記両方向の微小振動の中心位置で開度検出が行われることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
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