JP2019205323A - モータ制御装置及びモータ制御方法 - Google Patents

モータ制御装置及びモータ制御方法 Download PDF

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周 中川
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Minoru Akita
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Tomoya Tanaka
智也 田中
斉 石川
Sai Ishikawa
斉 石川
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Hiroyuki Yamauchi
裕之 山内
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Abstract

【課題】 モータのグリスの粘度をより適切に測定する技術を提案する。【解決手段】 モータを制御するモータ制御装置であって、前記モータに電流を流すことによって前記モータのロータを第1基準位置まで回転させて停止させるとともに、前記ロータが回転を開始してから前記ロータの振動が減衰するまでの第1振動減衰時間を検出する第1振動減衰時間検出部を有する。第1振動減衰時間は、グリスの粘度に対して高い相関を有するので、グリスの粘度を推定できる。【選択図】図6

Description

本明細書に開示の技術は、モータ制御装置に関する。
モータの軸受けには、潤滑剤としてグリスが用いられる。グリスの粘度は、グリスの温度によって変化する。グリスの粘度によって、モータの特性が変化する。特許文献1には、車両用のモータ制御装置が開示されている。このモータ制御装置は、モータを駆動させる前に外気温を検出し、検出した外気温に基づいてモータの通電時間を変更する。グリスの粘度が外気温に対して相関を有するので、外気温に基づいてモータの通電時間を変更することで、モータをより好適に制御することができる、と特許文献1では説明されている。
特開2016−203726号公報
モータが停止している状態において、グリスの粘度と外気温との相関は、モータが停止してからの経過時間によって変化する。モータが長時間動作していない状態では、モータの温度(すなわち、グリスの温度)は外気温に近い温度となるため、グリスの粘度は外気温に対して比較的高い相関を有する。他方、モータが停止してからあまり時間が経過していない状態では、モータが外気温よりも高温であるため、グリスの粘度は外気温に対してほとんど相関を有さない。したがって、特許文献1の技術では、グリスの粘度に対して適切にモータを制御することは困難である。モータの内部に温度センサを設け、グリスの温度を直接測定することも考えられる。しかしながら、軸受けに温度センサを設けることは困難である。
したがって、本明細書では、モータのグリスの粘度をより適切に測定する技術を提案する。
本明細書が開示するモータ制御装置は、モータを制御する。このモータ制御装置は、前記モータに電流を流すことによって前記モータのロータを第1基準位置まで回転させて停止させるとともに、前記ロータが回転を開始してから前記ロータの振動が減衰するまでの第1振動減衰時間を検出する第1振動減衰時間検出部を有する。
このモータ制御装置は、モータに電流を流すことによって、ロータを第1基準位置まで回転させて停止させる。すなわち、モータに電流を流すことによって磁界を生じさせ、その磁界によってロータを第1基準位置まで回転させて停止させる。このとき、以下のようロータが運動する。まず、ロータは、磁界によって引き寄せられることによって、初期位置から第1基準位置に向かう方向(以下、順方向という)に回転する。第1基準位置に達したロータは、慣性によって第1基準位置を通り過ぎる。順方向に回転して第1基準位置を通り過ぎたロータは、磁界によって引き寄せられることによって、逆方向に回転する。逆方向に回転して第1基準位置まで達したロータは、慣性によって第1基準位置を通り過ぎる。逆方向に回転して第1基準位置を通り過ぎたロータは、磁界によって引き寄せられることによって、順方向に回転する。このように、ロータは、第1基準位置を中心に、振り子状に順方向回転と逆方向回転を繰り返す。すなわち、ロータが振動する。ロータが順方向回転と逆方向回転を繰り返す間に、ロータの振動は減衰する。ロータが振動を停止すると、ロータは第1基準位置で停止する。このとき、ロータの軸受けに塗布されているグリスの粘度が高ければ、グリスがロータの回転を妨げるので、ロータの振動は短時間で減衰する。他方、グリスの粘度が低ければ、ロータの振動が減衰するまでに要する時間は長時間となる。すなわち、ロータが回転を開始してからロータの振動が減衰するまでの時間は、グリスの粘度に対して高い相関を有する。このモータ制御装置は、ロータが回転を開始してからロータの振動が減衰するまでの第1振動減衰時間を検出するので、グリスの粘度を正確に測定することができる。
前記モータ制御装置は、前記第1振動減衰時間検出部の動作前に、前記モータに電流を流すことによって前記ロータを前記第1基準位置とは異なる第2基準位置まで回転させる回転実行部をさらに有していてもよい。この場合、前記第1振動減衰時間検出部が、前記ロータを前記第2基準位置から前記第1基準位置まで回転させることができる。
この構成によれば、第1振動減衰時間検出部の動作開始時におけるロータの初期位置が第2基準位置となる。これにより、第1振動減衰時間検出部の動作中における第1基準位置までの移動距離を略一定の距離とすることができるので、より正確にグリスの粘度を測定することができる。
前記モータが複数のステータコイルを有していてもよい。この場合、前記第1振動減衰時間検出部が、前記複数のステータコイルの少なくとも1つに電流を流してもよい。
前記第1振動減衰時間検出部が、前記複数のステータコイルのいずれか1つに流れる電流に基づいて前記第1振動減衰時間を検出してもよい。
ロータが振動すると、ロータとステータコイルの間の電磁誘導によって、ステータコイルに振動電流(大きさが周期的に変化する電流)が流れる。ロータの振動の減衰に伴って、振動電流も減衰する。したがって、ステータコイルの電流に基づいて第1振動減衰時間を正確に検出することができる。
前記モータ制御装置は、前記第1振動減衰時間検出部の動作後に前記モータを駆動する駆動部をさらに有していてもよい。なお、モータを駆動するとは、ロータを連続回転させることを意味する。
前記駆動部が、前記第1振動減衰時間が短いほど前記モータの起動トルクを大きくしてもよい。
なお、「起動トルク」は、モータの駆動を開始するときに、ロータに与えるトルクを意味する。グリスの粘度が高い場合には、起動トルクが小さいと、モータの駆動を適切に開始することができない。他方、グリスの粘度が低い場合には、起動トルクが必要以上に大きいと、消費電力が無駄に大きくなる。第1振動減衰時間が短いほどモータの起動トルクを大きくすることで、グリスの粘度に適した起動トルクでモータの駆動を開始することができる。
前記モータ制御装置においては、外部からの駆動指令を受信するよりも前に前記第1振動減衰時間検出部が動作し、前記駆動指令を受信した後に前記駆動部が動作してもよい。
この構成によれば、駆動指令を受信してから短時間でモータを駆動することができる。
前記モータ制御装置が、前記第1振動減衰時間が第1基準値よりも短い場合に、前記駆動部が動作するよりも前に、前記モータを加熱する予熱動作を実行する予熱動作実行部をさらに有していてもよい。
この構成によれば、グリスの粘度が高い場合に、モータの駆動よりも前に、モータを加熱することができる。したがって、グリスの粘度が低下した状態で、モータの駆動を開始することができる。また、最初からグリスの粘度が低い場合には、予熱動作を実行しないので、消費電力を抑えることができる。
前記予熱動作実行部が、前記ロータを回転させる第1予熱ステップを実行してもよい。一例では、前記第1予熱ステップでは、前記ロータを往復寸動させてもよい。
ロータを回転させることで、モータの温度が上昇するとともに、グリスが撹拌される。したがって、グリスの粘度を低下させることができる。
前記予熱動作実行部が、前記第1予熱ステップと、前記モータに電流を流すことによって前記ロータを第3基準位置まで回転させて停止させるとともに、前記ロータが回転を開始してから前記ロータの振動が減衰するまでの第2振動減衰時間を検出する第2予熱ステップを、前記第2振動減衰時間が第2基準値よりも長くなるまで繰り返し実行してもよい。
この構成によれば、第2予熱ステップでグリスの粘度を測定することができる。第2振動減衰時間が第2基準値よりも長くなるまで第1予熱ステップと第2予熱ステップを繰り返し実行することで、グリスの粘度を必要な値まで確実に低下させることができる。
前記モータ制御装置が、前記第1振動減衰時間に基づいて前記モータのグリスの粘度を推定する粘度推定部をさらに有していてもよい。
パージポンプの断面図。 パージシステムを示すブロック図。 ロータとステータの断面図。 実施例1のモータ制御装置が実行する処理を示すフローチャート。 ロータの基準位置Aの説明図。 ロータの振動の説明図。 ステータコイルの電流波形を示すグラフ。 グリスの粘度と振動減衰時間Δt1の関係を示すグラフ。 ステータコイルの電流波形を示すグラフ。 振動減衰時間Δt1と必要な起動トルクとの関係を示すグラフ。 実施例2のモータ制御装置が実行する処理を示すフローチャート。 実施例3のモータ制御装置が実行する処理を示すフローチャート。
図1に示すパージポンプ10は、自動車等の車両に設けられる。パージポンプ10は、燃料タンク90(図2参照)内で燃料から発生する蒸発燃料をエンジンへ送り込むことで、車両の外部に蒸発燃料が排出されることを防止する。パージポンプ10は、ケーシング12、ロータ14、シャフト16、ステータ18、インペラ20等を備えている。ロータ14は、シャフト16に固定されている。ロータ14は、永久磁石を備えている。ケーシング12は、ロータ収容室12aとインペラ収容室12bを備えている。ロータ14は、ロータ収容室12a内に配置されている。ケーシング12内に、2つのベアリング20a、20bが配置されている。シャフト16は、ベアリング20a、20bによって回転可能に支持されている。ベアリング20a、20bには、グリスが塗布されている。グリスによって、ベアリング20a、20bにおける摩擦が低減されている。ステータ18は、ケーシング12内に配置されている。ステータ18は、ロータ14の外周部に配置されている。ロータ14、シャフト16、及び、ステータ18によって、モータ22が構成されている。インペラ20は、インペラ収容室12b内に配置されている。インペラ20は、シャフト16に接続されている。モータ22が駆動してロータ14及びシャフト16が回転すると、インペラ20も回転する。インペラ20が連続回転することで、吸入口12cからインペラ収容室12b内にガスが吸引される。インペラ収容室12b内に吸引されたガスは、図示しない排出口から排出される。
(パージシステムの構成)
図2は、パージポンプ10を備えるパージシステム70を示している。パージシステム70は、エンジン84に蒸発燃料を供給するパージ通路74を有している。パージシステム70は、エンジン84に空気を供給する吸気通路72に接続されている。吸気通路72の上流端は、車両外部の大気に開放されている。吸気通路72には、エアクリーナ76、エアフローメータ78、スロットルバルブ80、インテークマニホールド82が設けられている。エアクリーナ76は、フィルタによって吸気通路72に吸入される空気から異物を除去する。エアフローメータ78は、吸気通路72を流れる空気の流量を検出する。スロットルバルブ80は、アクセルペダルの操作に応じて開閉するバルブであり、吸気通路72を流れる空気の流量を調節する。インテークマニホールド82は、エンジン84の各気筒に空気を分配する通路である。パージ通路74の上流端は、車両外部の大気に開放されている。パージ通路74の下流端は、エアフローメータ78とスロットルバルブ80の間で吸気通路72に接続されている。なお、パージ通路74の下流端が、スロットルバルブ80よりも下流側の吸気通路72に接続されていてもよい。パージ通路74には、キャニスタ86、パージポンプ10、制御弁88が設置されている。キャニスタ86には、燃料タンク90が接続されている。燃料タンク90は、図示しない燃料通路でエンジン84に燃料を供給する。燃料タンク90は、キャニスタ86を介して大気に開放されている。キャニスタ86は、燃料タンク90内で生じる蒸発燃料を吸着して、蒸発燃料が車両の外部に排出されることを防止する。パージポンプ10は、パージ通路74内のガスを下流側へ送る。パージポンプ10が動作すると、キャニスタ86を空気が通過し、キャニスタ86から蒸発燃料が離脱する。離脱した蒸発燃料は、空気と共にエンジン84へ送られる。パージポンプ10には、モータ制御装置30が電気的に接続されている。モータ制御装置30は、パージポンプ10(すなわち、モータ22)を制御する。制御弁88は、開閉することによってパージ通路74を流れるガスの流量を制御する。
図3に示すように、ステータ18は、ロータ14の周囲に配置されたステータコイルU、V、W、X、Y、Zを有している。各ステータコイルU、V、W、X、Y、Zは、モータ制御装置30に接続されている。モータ制御装置30は、各ステータコイルU、V、W、X、Y、Zに流す電流を制御することによって、モータ22を制御する。モータ制御装置30は、インバータを内蔵しており、ステータコイルU、V、W、X、Y、Zに三相交流電流を流すことができる。モータ制御装置30がステータコイルU、V、W、X、Y、Zに三相交流電流を流すと、ロータ14が軸周りに連続回転する。また、モータ制御装置30は、ステータコイルU、V、W、X、Y、Zに、一定方向に電流を流すこともできる。
(モータ制御装置が実行する処理)
モータ制御装置30には、車両に搭載された図示しない制御回路からモータの駆動指令が入力される。モータの駆動指令は、パージポンプ10の動作が必要なときに入力される。図4は、モータの駆動指令を受信した時に、モータ制御装置30が実行する動作を示している。
駆動指令を受信すると、モータ制御装置30は、ステップS2において、駆動指令に含まれるモータの回転数(rpm)の指令値を特定する。
次に、ステップS4において、モータ制御装置30は、ロータ14を図5に示す基準位置Aまで回転させる。より詳細には、ステップS4では、モータ制御装置30は、ステータコイルU、V、W、X、Y、Zに、一定方向に電流を流す。なお、ここでは、各ステータコイルU、V、W、X、Y、Zに10%のデューティ比で高電位を印加する。この場合、各ステータコイルU、V、W、X、Y、Zに流れる電流の大きさは多少変動するがその振幅は小さい。したがって、各ステータコイルU、V、W、X、Y、Zに流れる電流は、ほぼ直流電流となる。ここでは、図5に示す磁界B1を発生させる。磁界B1は、ステータコイルU、Xの軸方向に沿っており、ステータコイルX側がS極となる向きの磁界である。磁界B1が発生すると、ロータ14のN極がステータコイルXに引き寄せられ、ロータ14が回転する。このとき、ロータ14は、ステータコイルXを中心に振動するが、振動はやがて減衰する。なお、ロータ14の振動については、ステップS6の説明の中で詳細に説明する。振動が減衰してロータ14が停止すると、図5に示すように、ロータ14は、N極がステータコイルXと対向する位置(基準位置A)で停止する。
ロータ14が図5に示す基準位置Aで停止したら、モータ制御装置30は、ステップS6を実行する。ステップS6では、モータ制御装置30は、ロータ14を図6(f)に示す基準位置Bまで回転させる。より詳細には、ロータ14は、以下のように基準位置Bまで回転する。ステップS6では、モータ制御装置30は、ステータコイルU、V、W、X、Y、Zに、一定方向に電流を流す。なお、ここでは、各ステータコイルU、V、W、X、Y、Zに10%のデューティ比で高電位を印加する。この場合、各ステータコイルU、V、W、X、Y、Zに流れる電流の大きさは多少変動するがその振幅は小さい。したがって、各ステータコイルU、V、W、X、Y、Zに流れる電流は、ほぼ直流電流となる。ここでは、図6(a)に示す磁界B2を発生させる。磁界B2は、ステータコイルW、Zの軸方向に沿っており、ステータコイルZ側がS極となる向きの磁界である。すると、図6(a)の矢印100に示すように、ロータ14のN極がステータコイルZに引き寄せられる。このため、図6(a)の位置から図6(b)の位置までロータ14が回転する。以下では、矢印100の回転方向を順方向といい、その反対方向を逆方向という。図6(b)に示す位置までロータ14が回転した段階では、ロータ14は順方向に回転速度を有している。このため、ロータ14は、矢印102に示すように、図6(b)の位置からさらに順方向に回転する。ロータ14が図6(b)の位置を通り過ぎると、磁界B2がロータ14の順方向の回転を止める方向に作用するので、ロータ14の回転速度が低下する。したがって、ロータ14は、図6(c)に示す位置まで回転した段階で回転速度がゼロとなる。図6(c)に示す状態において、矢印104に示すように、磁界B2によってロータ14のN極がステータコイルZに引き寄せられる。したがって、図6(c)に示す位置から、ロータ14は逆方向に回転する。逆方向に回転したロータ14は、図6(d)に示すように、N極がステータコイルZと対向する位置まで回転する。図6(d)に示す位置までロータ14が回転した段階では、ロータ14は逆方向に回転速度を有している。このため、矢印106に示すように、ロータ14は、図6(d)の位置からさらに逆方向に回転する。ロータ14が図6(d)の位置を通り過ぎると、磁界B2がロータ14の逆方向の回転を止める方向に作用するので、ロータ14の回転速度が低下する。したがって、ロータ14は、図6(e)に示す位置まで回転した段階で回転速度がゼロとなる。図6(e)に示す状態において、矢印108に示すように、磁界B2によってロータ14のN極がステータコイルZに引き寄せられる。したがって、図6(e)に示す位置から、ロータ14は順方向に回転する。その後、ロータ14は、図6(a)〜図6(e)と略同様にして、順方向回転と逆方向回転を交互に繰り返す。すなわち、ロータ14が振動する。ロータ14が順方向回転と逆方向回転を交互に繰り返す間に、ベアリング20a、20bにおける摩擦等によってロータ14の回転エネルギーが徐々に減少する。このため、ロータ14の回転角度(振動の振幅)は徐々に小さくなっていく。すなわち、ロータ14の振動が減衰する。ロータ14の振動が完全に減衰すると、ロータ14は、図6(f)に示す基準位置Bで停止する。
モータ制御装置30は、ステップS6の間に、ステータコイルU、V、W、X、Y、Zの少なくとも1つに流れる電流を検出することで、ロータ14の動きを検出する。なお、ステータコイルU、V、W、X、Y、Zのいずれの電流でもロータ14の動きを検出できるので、以下では、ステータコイルWの電流からロータ14の動きを検出する場合を例として説明する。図7は、ステップS6においてステータコイルWに流れる電流を検出した結果を表している。図7(a)は、モータ22の温度が25℃のとき(すなわち、グリスの粘度が高いとき)の検出結果を示している。図7(b)は、モータ22の温度が50℃のとき(すなわち、グリスの粘度が中程度のとき)の検出結果を示している。図7(c)は、モータ22の温度が130℃のとき(すなわち、グリスの粘度が低いとき)の検出結果を示している。ステップS6においてロータ14が振動すると、ロータ14のS極とステータコイルWの間の距離が変化する。その結果、ロータ14のS極とステータコイルWの間で電磁誘導が生じ、ステータコイルWに誘導電流が流れる。ロータ14が振動するので、誘導電流もロータ14の振動と同じ周期で増減を繰り返す。したがって、図7に示すように、ステータコイルWに流れる電流が振動する。言い換えると、ステータコイルWの電流が振動していることは、ロータ14が振動していることを意味する。図7のタイミングt1は、ステータコイルWの電流が振動を開始したタイミングであり、ロータ14が振動を開始したタイミング(基準位置Aから動き始めたタイミング)を表す。ロータ14の振動が減衰するにしたがって、ステータコイルWの電流の振動も減衰する。図7のタイミングt2は、ステータコイルWの電流の振動が停止したタイミングであり、ロータ14の振動が停止したタイミング(基準位置Bに停止したタイミング)を表す。タイミングt1からタイミングt2までの時間は、ロータ14が振動を開始してからその振動が停止するまでの時間(以下、振動減衰時間Δt1という)である。ロータ14の振動の減衰率は、ベアリング20a、20bに塗布されているグリスの粘度によって変化する。グリスの粘度が高いとロータ14の振動が減衰し易く、グリスの粘度が低いとロータ14の振動が減衰し難い。したがって、図7(a)〜(c)に示すように、モータ22の温度が高いほど(すなわち、グリスの粘度が低いほど)、振動減衰時間Δt1が長くなる。図8は、グリスの粘度と振動減衰時間Δt1の関係を示している。このように、振動減衰時間Δt1は、グリスの粘度に対して高い相関を有する。
モータ制御装置30は、ステップS6において、ステータコイルWの電流に基づいて、振動減衰時間Δt1を検出する。例えば、図7(a)の例では、振動減衰時間Δt1として0.93secを検出する。なお、図7(a)〜(c)では、ステータコイルWの電流の振動が完全に停止するまでの時間を振動減衰時間Δt1として検出しているが、ステータコイルWの電流の振動が所定値(例えば、初期の振幅の10%)まで減衰するまでの時間を振動減衰時間Δt1として検出してもよい。
また、図7は、ステータコイルU、V、W、X、Y、Zに印加する電圧のデューティ比が10%の場合を示しているが、このデューティ比を他の値としてもよい。デューティ比を高くするほど、ロータ14に大きいトルクが加わるので、ロータ14の振動が大きくなる。例えば、図9(a)〜(c)は、ステータコイルU、V、W、X、Y、Zに印加する電圧のデューティ比を15%として、振動減衰時間Δt1を測定した結果を示している。図9(a)〜(c)と図7(a)〜(c)を比較することで明らかなように、デューティ比を大きくした方が、振動電流の振幅が大きくなり、振動減衰時間Δt1が長くなる。振動減衰時間Δt1を適切に測定できるように、ステータコイルU、V、W、X、Y、Zに印加する電圧のデューティ比を調節することができる。
ステップS6が終了したら、モータ制御装置30は、ステップS8〜S12を実行する。ステップS8では、モータ制御装置30は、起動トルクを算出する。ステップS10では、モータ制御装置30は、算出した起動トルクでロータ14にトルクを加え、ロータ14の連続回転を開始する。ステップS12では、モータ制御装置30は、ロータ14を高速で連続回転させる。以下、ステップS8〜S12について説明する。
ステップS8では、モータ制御装置30は、ステップS6で測定した振動減衰時間Δt1に基づいて、ロータ14の連続回転を開始するときの起動トルクを算出する。グリスの粘度が高いほど、必要な起動トルクは大きい。ロータ14に与える起動トルクが必要な起動トルクに満たないと、ロータ14の回転を開始できなかったり、ロータ14の回転速度が目標回転速度に達しない等の問題が生じる。したがって、ステップS8では、必要な起動トルクを算出する。上述したように、振動減衰時間Δt1が短いほど、グリスの粘度は高い。また、グリスの粘度が高いほど、必要な起動トルクは大きい。したがって、図10に示すように、振動減衰時間Δt1が短いほど、必要な起動トルクは大きい。ステップS8では、モータ制御装置30は、振動減衰時間Δt1が短いほど大きい起動トルクを算出する。
ステップS10、S12では、モータ制御装置30は、モータ22を駆動する。すなわち、モータ制御装置30は、ロータ14を連続回転させる。モータ制御装置30は、ステップS10において高トルクでロータ14の連続回転を開始し、ステップS12において高速でロータ14を連続回転させる。
ステップS10では、モータ制御装置30は、ステップS8で算出した起動トルクでロータ14の連続回転を開始する。より詳細には、ステップS8で算出した起動トルクが得られるようにステータコイルU、V、W、X、Y、Zに印加する電圧のデューティ比を調節する。ステップS8でグリスの粘度に応じて適切な起動トルクが算出されているので、ステップS10ではロータ14に与える起動トルクが過小となることがない。したがって、ロータ14の連続回転を適切に開始することができる。また、ロータ14に与える起動トルクが過大となることがないので、無駄な電力消費を防止することができる。
ステップS12では、モータ制御装置30は、ロータ14を高速で連続回転させる。モータ制御装置30は、ステップS2で受信した回転数で、ロータ14を連続回転させる。その結果、パージポンプ10は、エンジン84へ蒸発燃料を供給する。
以上に説明したように、実施例1のモータ制御装置30によれば、グリスの粘度を測定することができる。この方法によれば、従来よりも正確にグリスの粘度を測定することができる。また、グリスの粘度を測定するための専用の温度センサが不要となるので、モータ22を小型化することができる。
また、実施例1のモータ制御装置30は、ステータコイルの電流に基づいて振動減衰時間Δt1を検出する。このため、ロータ14の回転角度を測定するための専用の装置(例えば、ホール素子やロータリーエンコーダ)を設けることなく、振動減衰時間Δt1を検出することができる。このため、モータ22を大型化することなく、振動減衰時間Δt1を検出することができる。なお、他の実施例においては、ホール素子やロータリーエンコーダによって、振動減衰時間を検出してもよい。
また、実施例1のモータ制御装置30は、ステップS4でロータ14を基準位置Aに停止させた後に、ステップS6で振動減衰時間Δt1の測定を開始する。ステップS6におけるロータ14の初期位置が固定されるので、初期位置のばらつきによる振動減衰時間Δt1の測定精度の低下を防止することができる。したがって、より正確に振動減衰時間Δt1(すなわち、グリスの粘度)を測定することができる。
なお、実施例1では、モータ制御装置30は、モータの駆動指令を受信してから、ステップS4〜S8を実行した。しかしながら、ステップS4〜S6またはステップS4〜S8をモータの駆動指令を受信するよりも前に行ってもよい。すなわち、モータの駆動指令を受信するよりも前にグリスの粘度を測定しておき、モータの駆動指令を受信した後にグリスの粘度に適した起動トルクでロータ14の連続回転を開始してもよい。この構成によれば、モータの駆動指令を受信してからより短時間でモータ22を駆動することができる。
(実施例2)
次に、実施例2のモータ制御装置30について説明する。実施例2でも、パージポンプ10とパージシステム70の構成は、図1、2と同じである。実施例2では、モータ制御装置30が実行する処理が、実施例1とは異なる。図11は、実施例2のモータ制御装置30が実行する処理を示している。図11に示すように、実施例2のモータ制御装置30は、駆動指令の受信(ステップS30)よりも前にステップS22〜S28を実行する。例えば、イグニッションオンの時、車両のドアを閉めた時、給油口の蓋を開閉した時、または、ドライバがシートに着席した時等に、ステップS22〜S28が実行される。
実施例2のステップS22、S24は、実施例1のステップS4、S6と同じである。ステップS22、S24において、振動減衰時間Δt1が検出される。
ステップS24の後に、モータ制御装置30は、ステップS24で検出された振動減衰時間Δt1が、第1基準値よりも短いか否かを判定する(ステップS26)。すなわち、ステップS26では、モータ制御装置30は、グリスの粘度が所定値よりも高いか否かを判定する。振動減衰時間Δt1が第1基準値よりも短い(すなわち、グリスの粘度が所定値よりも高い)場合には、モータ制御装置30は、ステップS28において、予熱動作を実行する。
ステップS28では、モータ制御装置30は、ロータ14を、往復寸動させる。すなわち、モータ制御装置30は、まず、ロータ14を、第1の位置へ回転させる。次に、モータ制御装置30は、ロータ14を第2の位置へ回転させる。次に、モータ制御装置30は、ロータ14を、再度、第1の位置へ回転させる。このように、予熱動作では、モータ制御装置30は、第1の位置への回転と、第2の位置への回転を、複数回繰り返す。すなわち、予熱動作では、モータ制御装置30は、ロータ14を第1の位置と第2の位置の間で複数回往復させる。第1の位置、第2の位置は、上述した基準位置A、基準位置Bであってもよい。また、ロータ14の第1の位置への回転、及び、ロータ14の第2の位置への回転は、実施例1のステップS4、S6と同様の方法(ステータコイルへ一定のデューティ比で電圧を印加する方法)で行ってもよいし、他の方法で行ってもよい。
ステップS28でロータ14を往復寸動させると、モータ22への通電によってモータ22が発熱する。このため、グリスの温度が上昇し、グリスの粘度が低下する。また、ステップS28では、ロータ14が往復寸動することで、各ベアリング20a、20bにおいてグリスが撹拌される。これによっても、グリスの粘度が低下する。モータ制御装置30は、予熱動作を一定時間実行すると、ステップS28を終了する。ステップS28が終了すると、モータ制御装置30は、外部からの駆動指令の入力待ちの状態となる。
他方、振動減衰時間Δt1が第1基準値よりも長い(すなわち、グリスの粘度が所定値よりも低い)場合には、モータ制御装置30は、予熱動作(ステップS28)を行わずに、外部からの駆動指令の入力待ちの状態となる。
ステップS30において、モータ制御装置30は、駆動指令を受信する。すると、モータ制御装置30は、ステップS32、S34を実行する。ステップS32では、モータ制御装置30は、回転数の指令値を特定する。ステップS34では、モータ制御装置30は、回転数の指令値に従ってロータ14を連続回転させる。ステップS28の予熱動作においてグリスの粘度が低下しているので、ステップS34では好適にロータ14の連続回転を開始することができる。
以上に説明したように、実施例2では、モータ制御装置30は、振動減衰時間Δt1が第1基準値よりも短い場合(すなわち、グリスの粘度が所定値よりも高い場合)には、予熱動作(ステップS28)を行ってグリスの粘度を下げる。したがって、ステップS34で好適にロータ14の連続回転を開始することができる。また、振動減衰時間Δt1が第1基準値よりも長い場合(すなわち、グリスの粘度が所定値よりも低い場合)には、予熱動作(ステップS28)を行わない。これによって、電力消費が抑制される。
なお、上述した予熱動作(ステップS28)では、ロータ14を往復寸動させた。しかしながら、ロータ14を一方向(例えば、順方向)に回転させることで、予熱動作を行ってもよい。また、モータ22に加熱手段(例えば、PTCヒータ)を設け、予熱動作においては加熱手段によってグリスを加熱してもよい。また、予熱動作において、エンジンの冷却水によってモータ22を加熱してもよい。
(実施例3)
次に、実施例3のモータ制御装置30について説明する。図12は、実施例3のモータ制御装置30が実行する処理を示している。図12の処理は、図11の処理に対して、ステップS40〜S44を追加したものである。実施例3のモータ制御装置30のその他の構成は、実施例2のモータ制御装置30と同じである。
実施例3のモータ制御装置30は、ステップS28で予熱動作を実行した後に、ステップS40〜S44を実行する。ステップS40〜S42では、ステップS22〜S24と同様にして、振動減衰時間Δt2を検出する。次に、ステップS44において、モータ制御装置30は、検出した振動減衰時間Δt2が第2基準値よりも短いか否かを判定する。すなわち、モータ制御装置30は、ステップS28の予熱動作を実行した後におけるグリスの粘度が所定値よりも高いか否かを判定する。振動減衰時間Δt2が第2基準値よりも短い場合(すなわち、グリスの粘度が所定値よりも高い場合)には、モータ制御装置30は、ステップS40〜S44を再度実行する。すなわち、モータ制御装置30は、振動減衰時間Δt2が第2基準値よりも長くなるまで(グリスの粘度が所定値よりも低くなるまで)、ステップS40〜S44を繰り返し実行する。したがって、グリスの粘度が所定値よりも低くなった段階で、ステップS30〜S34を実行することができる。
なお、実施例3では、ステップS40、S42において、ステップS22、S24と同様に、基準位置Aから基準位置Bへロータ14を回転させて振動減衰時間Δt2を検出した。しかしながら、ステップS40、S42で用いる基準位置が、基準位置A、Bとは異なる位置であってもよい。また、ステップS44で用いる第2基準値は、ステップS26で用いる第1基準値と同じ値であってもよいし、第1基準値と異なる値であってもよい。
なお、上述した実施例1〜3では、パージポンプのモータの制御について説明したが、他のモータに本明細書に開示の技術が適用されてもよい。また、上述した実施例1〜3では、ロータが永久磁石を有し、ステータコイルに三相交流電流を流すタイプのモータについて説明したが、他のタイプのモータに本明細書に開示の技術が適用されてもよい。すなわち、モータは、インナーロータ式に限らず、アウターローター式やアキシャルギャップ式でもよい。また、モータ制御装置30は、振動減衰時間Δt1に基づいて、グリスの粘度の推定値を算出してもよい。
上述した実施例の各構成要素と、請求項の各構成要素との関係について、以下に説明する。実施例の基準位置Bは、請求項の第1基準位置の一例である。実施例の振動減衰時間Δt1は、請求項の第1振動減衰時間の一例である。実施例のステップS6、ステップS24は、請求項の第1振動減衰時間検出部の動作及び第1振動減衰時間検出ステップの一例である。実施例の基準位置Aは、請求項の第2基準位置の一例である。実施例のステップS4、S22は、請求項の回転実行部の動作及び回転実行ステップの一例である。実施例のステップS10〜S12、S34は、請求項の駆動部の動作及び駆動ステップの一例である。実施例の振動減衰時間Δt2は、請求項の第2振動減衰時間の一例である。実施例のステップS42は、請求項の第2予熱ステップの一例である。
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
10 :パージポンプ
12 :ケーシング
14 :ロータ
16 :シャフト
18 :ステータ
20 :インペラ
20a :ベアリング
20b :ベアリング
22 :モータ
30 :モータ制御装置
72 :吸気通路
74 :パージ通路
76 :エアクリーナ
78 :エアフローメータ
80 :スロットルバルブ
82 :インテークマニホールド
84 :エンジン
86 :キャニスタ
90 :燃料タンク

Claims (24)

  1. モータを制御するモータ制御装置であって、
    前記モータに電流を流すことによって前記モータのロータを第1基準位置まで回転させて停止させるとともに、前記ロータが回転を開始してから前記ロータの振動が減衰するまでの第1振動減衰時間を検出する第1振動減衰時間検出部、
    を有するモータ制御装置。
  2. 請求項1のモータ制御装置であって、
    前記第1振動減衰時間検出部の動作前に、前記モータに電流を流すことによって前記ロータを前記第1基準位置とは異なる第2基準位置まで回転させる回転実行部をさらに有し、
    前記第1振動減衰時間検出部が、前記ロータを前記第2基準位置から前記第1基準位置まで回転させる、
    モータ制御装置。
  3. 請求項1または2のモータ制御装置であって、
    前記モータが複数のステータコイルを有し、
    前記第1振動減衰時間検出部が、前記複数のステータコイルの少なくとも1つに電流を流す、
    モータ制御装置。
  4. 請求項3のモータ制御装置であって、
    前記第1振動減衰時間検出部が、前記複数のステータコイルのいずれか1つに流れる電流に基づいて前記第1振動減衰時間を検出するモータ制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項のモータ制御装置であって、
    前記第1振動減衰時間検出部の動作後に前記モータを駆動する駆動部をさらに有するモータ制御装置。
  6. 請求項5のモータ制御装置であって、
    前記駆動部が、前記第1振動減衰時間が短いほど前記モータの起動トルクを大きくする、モータ制御装置。
  7. 請求項5または6のモータ制御装置であって、
    外部からの駆動指令を受信するよりも前に前記第1振動減衰時間検出部が動作し、
    前記駆動指令を受信した後に前記駆動部が動作する、
    モータ制御装置。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項のモータ制御装置であって、
    前記第1振動減衰時間が第1基準値よりも短い場合に、前記駆動部が動作するよりも前に、前記モータを加熱する予熱動作を実行する予熱動作実行部をさらに有するモータ制御装置。
  9. 請求項8のモータ制御装置であって、
    前記予熱動作実行部が、前記ロータを回転させる第1予熱ステップを実行するモータ制御装置。
  10. 請求項9のモータ制御装置であって、
    前記第1予熱ステップでは、前記ロータを往復寸動させるモータ制御装置。
  11. 請求項9または10のモータ制御装置であって、
    前記予熱動作実行部が、
    前記第1予熱ステップと、
    前記モータに電流を流すことによって前記ロータを第3基準位置まで回転させて停止させるとともに、前記ロータが回転を開始してから前記ロータの振動が減衰するまでの第2振動減衰時間を検出する第2予熱ステップ、
    を、前記第2振動減衰時間が第2基準値よりも長くなるまで繰り返し実行する、
    モータ制御装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項のモータ制御装置であって、
    前記第1振動減衰時間に基づいて前記モータのグリスの粘度を推定する粘度推定部をさらに有するモータ制御装置。
  13. モータを制御するモータ制御方法であって、
    前記モータに電流を流すことによって前記モータのロータを第1基準位置まで回転させて停止させるとともに、前記ロータが回転を開始してから前記ロータの振動が減衰するまでの第1振動減衰時間を検出する第1振動減衰時間検出ステップ、
    を有するモータ制御方法。
  14. 請求項13のモータ制御方法であって、
    前記第1振動減衰時間検出ステップよりも前に、前記モータに電流を流すことによって前記ロータを前記第1基準位置とは異なる第2基準位置まで回転させる回転実行ステップを有し、
    前記第1振動減衰時間検出ステップでは、前記ロータを前記第2基準位置から前記第1基準位置まで回転させる、
    モータ制御方法。
  15. 請求項13または14のモータ制御方法であって、
    前記モータが複数のステータコイルを有し、
    前記第1振動減衰時間検出ステップでは、前記複数のステータコイルの少なくとも1つに電流を流す、
    モータ制御方法。
  16. 請求項15のモータ制御方法であって、
    前記第1振動減衰時間検出ステップでは、前記複数のステータコイルのいずれか1つに流れる電流に基づいて前記第1振動減衰時間を検出するモータ制御方法。
  17. 請求項13〜16のいずれか一項のモータ制御方法であって、
    前記第1振動減衰時間検出ステップを実行した後に前記モータを駆動する駆動ステップをさらに有するモータ制御方法。
  18. 請求項17のモータ制御方法であって、
    前記駆動ステップでは、前記第1振動減衰時間が短いほど前記モータの起動トルクを大きくする、モータ制御方法。
  19. 請求項17または18のモータ制御方法であって、
    外部からの駆動指令を受信するよりも前に前記第1振動減衰時間検出ステップを実行し、
    前記駆動指令を受信した後に前記駆動ステップを実行する、
    モータ制御方法。
  20. 請求項17〜19のいずれか一項のモータ制御方法であって、
    前記第1振動減衰時間が第1基準値よりも短い場合に、前記駆動ステップよりも前に、前記モータを加熱する予熱動作を実行する予熱動作実行ステップをさらに有するモータ制御方法。
  21. 請求項20のモータ制御方法であって、
    前記予熱動作実行ステップが、前記ロータを回転させる第1予熱ステップを実行するモータ制御方法。
  22. 請求項21のモータ制御方法であって、
    前記第1予熱ステップでは、前記ロータを往復寸動させるモータ制御方法。
  23. 請求項21または22のモータ制御方法であって、
    前記予熱動作実行ステップでは、
    前記第1予熱ステップと、
    前記モータに電流を流すことによって前記ロータを第3基準位置まで回転させて停止させるとともに、前記ロータが回転を開始してから前記ロータの振動が減衰するまでの第2振動減衰時間を検出する第2予熱ステップ、
    を、前記第2振動減衰時間が第2基準値よりも長くなるまで繰り返し実行する、
    モータ制御方法。
  24. 請求項13〜23のいずれか一項のモータ制御方法であって、
    前記第1振動減衰時間に基づいて前記モータのグリスの粘度を推定する粘度推定ステップをさらに有するモータ制御方法。
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