JP3670089B2 - 自動ステアリング制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般道路や高速道路において、ドライバーの運転をアシストし、車両を所要の走行経路に沿って走行させるように自動操舵を行う自動ステアリング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、道路の車両を走行させるべき走行経路に沿って磁気ネイル等の経路マーカを配列しておくと共に、その経路マーカを検出するマーカセンサを車両に設け、走行時にマーカセンサによる経路マーカの検出出力に基づき車両の時々刻々の現在位置における走行経路との位置関係(車両の走行経路に対する横ずれ量等)を把握しつつ、車両を走行経路に沿って走行させるように車両の自動操舵を行って自動走行を行うシステムが提案されている。
【0003】
この場合、従来のシステムでは、車両の操舵制御量(ステアリングの操舵角の値)をδ、現在の走行位置における車両の走行経路からの横方向のずれ量をεy 、車両の現在の車速をVとした場合、次式により操舵制御量δを決定し、その決定した制御量δに従ってステアリング操作をアクチュエータにより行うようにしていた。
【0004】
δ=P(V)・εy +I(V)・∫εy dt
ここで、P(V)・εy は比例積分制御の比例項を示し、係数P(V)は、車速Vに応じてあらかじめ定めた関数値である。また、I(V)・∫εy dtは積分項を示す、係数I(V)は、車速Vに応じてあらかじめ定めた関数値である。
【0005】
このような操舵制御によって、車両の走行経路からの横方向のずれ量εy が解消するようにステアリング操舵がなされる。
【0006】
しかしながら、このような制御手法では、車両の現在の車速Vや、走行経路に対する現在の横ずれ量εy によってのみ、車両の操舵量を決定するため、その誤差が蓄積し易く、所要の走行経路から車両が逸脱したり、走行経路に対して車両が大きく蛇行する等の不都合を生じやすい。特に、60km/h以上、望ましくは100km/h以上の高速で車両を走行させようとした場合に、カーブの入口付近では、車両を走行経路に沿わせるための車両の操舵制御の追従性が低下し、所要の走行経路に車両を的確に沿わせることが困難となるばかりか、隣の車線に車両がはみ出してしまうというような事態も生じる虞れがある。また、カーブの入口付近では、車両の走行経路に対する横ずれ量εy が急激に大きくなるため、操舵制御量が急変し、ステアリング操作の急変を生じる虞れもある。
【0007】
このような不都合を解決するため、CCDカメラを車両に搭載して車両の前方の道路形状(道路の曲がり具合等)を認識し、その認識した道路形状に合わせた操舵制御を行って、高速での自動走行を可能としようとするシステムが提案されている。
【0008】
しかしながら、この手法では、操舵制御を的確に行うためには、CCDカメラにより、いかに正確に車両前方の道路形状を認識できるかに依存するものの、雨や雪等の悪天候の下では、CCDカメラの撮像能力は著しく低下し、これに伴って、車両前方の道路形状を正しく認識することが困難となる。従って、雨や雪等の悪天候の下では、的確な操舵制御を行うことが困難となる。
【0009】
この場合、悪天候においても、前方の道路形状を精度よく認識するために赤外線カメラを用いることが考えられるが、赤外線カメラは一般に高価であると共に、システムが大がかりなものとなりやすく、このような赤外線カメラシステムを車両に備えることは適切でない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑み、天候条件や道路形状等によらずに車両の高速走行を可能としつつ車両を所要の走行経路に確実且つ的確に沿わせつつ自動走行を行うことができる自動ステアリング制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明の第1の態様は、あらかじめ経路マーカが付設された所定の走行経路に沿って車両が走行するよう該車両の自動操舵を行う自動ステアリング制御装置において、前記走行経路の地図データを保持する手段と、車両に備えたマーカセンサにより前記経路マーカを検出し、その検出出力に基づき車両の現在の走行位置における前記走行経路との位置関係を逐次求める手段と、少なくとも該車両の前記走行経路との時々刻々の位置関係及び前記地図データとに基づき該地図データ上における車両の走行位置を逐次把握する手段と、前記地図データ上における走行経路の各所の曲率情報を車両外部に設けられた走行情報提供設備との通信により取得する手段と、該走行情報提供設備から与えられる走行経路の曲率情報に基づき、前記把握した車両の現在の走行位置の前方における走行経路の曲率情報を取得する手段と、車両の現在の走行位置から現在の走行状態で走行した場合における所定時間後の車両の進行方位と、該所定時間後の車両の走行位置に対応する走行経路上の地点における該走行経路の方位との偏差角度を予見角度として求める手段と、少なくとも前記取得した車両の前方の走行経路の曲率情報と、車両の現在の車速と、車両の前記走行経路との現在の位置関係と、前記予見角度とに基づき車両の操舵制御量を決定する手段とを備え、前記車両の走行経路との位置関係は、車両の中心部の走行経路に対する横方向偏差と、車両の進行方向の走行経路に対する方位角偏差とを含み、前記操舵制御量を決定する手段は、車両の前方の走行経路の曲率情報と、車両の現在の車速と、車両の現在の横方向偏差と、車両の現在の方位角偏差とに基づいて、前記横方向偏差と前記方位角偏差とを減少させるように前記操舵制御量を決定するとともに、前記車両の現在の車速と前記予見角度とに基づいて、前記予見角度を減少させるように前記操舵制御量を決定することを特徴とする。
【0012】
かかる本発明の第1の態様によれば、前記マーカセンサによる前記経路マーカの検出出力により得られる車両の走行経路に対する時々刻々の位置関係のデータを用いて、車両で保持した地図データ上における車両の現在の走行位置を逐次把握する。このとき、前記車両の走行経路に対する位置関係は、車両の中心部の走行経路に対する横方向偏差と、車両の進行方向の走行経路に対する方位角偏差とを含む。また、前記走行情報提供設備から、前記走行経路の各所の曲率情報が通信により車両側に与えられる。そして、この与えられた曲率情報に基づいて、前記把握した車両の現在の走行位置の前方における走行経路の曲率情報を取得する。さらに、車両の現在の走行位置から現在の走行状態で走行した場合における所定時間後の車両の進行方位と、該所定時間後の車両の走行位置に対応する走行経路上の地点における該走行経路の方位との偏差角度を予見角度として求める。そして、前記取得した曲率情報と、車両の現在の車速と、車両の現在の横方向偏差と、車両の現在の方位角偏差とに基づいて、前記横方向偏差と前記方位角偏差とを減少させるように車両の操舵制御量を決定するとともに、前記車両の現在の車速と前記予見角度とに基づいて、前記予見角度を減少させるように前記操舵制御量を決定する。これにより、車両の現在の車速や車両の走行経路との現在の位置関係のみならず、車両前方の走行経路の曲率(曲がり具合)を考慮した車両の操舵制御が行われることとなる。
【0013】
この場合、この操舵制御に際して必要な車両の走行経路との現在の位置関係は、車両の走行位置における前記マーカセンサによる経路マーカの検出出力に基づいて求められるので、比較的精度よく車両の走行経路との位置関係を求めることが可能であり、さらに、この位置関係の時々刻々のデータと車両に保持した走行経路の地図データとを用いて、車両の走行位置も比較的精度よく把握することが可能となる。また、車両前方の曲率情報は、走行情報提供設備との通信によって得られるものであるため、天候条件等の影響を受けずに精度のよい曲率情報を取得することが可能となる。
【0014】
従って、本発明の第1の態様によれば、天候条件や道路形状等によらずに車両の高速走行を可能としつつ車両を所要の走行経路に確実且つ的確に沿わせつつ自動走行を行うことが可能となる
さらに、所定時間後の将来的な車両の進行方位と走行経路の方位との偏差角度を予見角度として予測し、車両の操舵制御量を決定する際に、前記予見角度を前もって減少させるように、前記予見角度を加味することで、より円滑に走行経路に沿った車両の走行を行うことが可能となる。
【0015】
尚、前記走行情報提供設備は、例えば前記走行経路に沿って道路に設置された漏洩同軸ケーブルである。
【0016】
また、本発明の第2の態様は、前記の目的を達成するために、あらかじめ経路マーカが付設された所定の走行経路に沿って車両が走行するよう該車両の自動操舵を行う自動ステアリング制御装置において、前記走行経路の地図データを保持する手段と、車両に備えたマーカセンサにより前記経路マーカを検出し、その検出出力に基づき車両の現在の走行位置における前記走行経路との位置関係を逐次求める手段と、少なくとも該車両の前記走行経路との時々刻々の位置関係及び前記地図データとに基づき該地図データ上における車両の走行位置を逐次把握する手段と、その把握した車両の現在の走行位置の前方における走行経路の曲率情報を前記地図データから取得する手段と、車両の現在の走行位置から現在の走行状態で走行した場合における所定時間後の車両の進行方位と、該所定時間後の車両の走行位置に対応する走行経路上の地点における該走行経路の方位との偏差角度を予見角度として求める手段と、少なくとも前記取得した車両の前方の走行経路の曲率情報と、車両の現在の車速と、車両の前記走行経路との現在の位置関係と、前記予見角度とに基づき車両の操舵制御量を決定する手段とを備え、前記車両の走行経路との位置関係は、車両の中心部の走行経路に対する横方向偏差と、車両の進行方向の走行経路に対する方位角偏差とを含み、前記操舵制御量を決定する手段は、車両の前方の走行経路の曲率情報と、車両の現在の車速と、車両の現在の横方向偏差と、車両の現在の方位角偏差とに基づいて、前記横方向偏差と前記方位角偏差とを減少させるように前記操舵制御量を決定するとともに、前記車両の現在の車速と前記予見角度とに基づいて、前記予見角度を減少させるように前記操舵制御量を決定することを特徴とする。
【0017】
かかる本発明の第2の態様によれば、前記第1の態様と全く同様に、前記マーカセンサによる前記経路マーカの検出出力により得られる車両の走行経路に対する時々刻々の位置関係のデータを用いて、車両に保持した地図データ上で、車両の現在の走行位置が逐次把握される。このとき、前記車両の走行経路に対する位置関係は、車両の中心部の走行経路に対する横方向偏差と、車両の進行方向の走行経路に対する方位角偏差とを含む。そして、その把握した車両の現在の走行位置の前方における走行経路の曲率情報を前記地図データから取得する。さらに、車両の現在の走行位置から現在の走行状態で走行した場合における所定時間後の車両の進行方位と、該所定時間後の車両の走行位置に対応する走行経路上の地点における該走行経路の方位との偏差角度を予見角度として求める。そして、前記取得した曲率情報と、車両の現在の車速と、車両の現在の横方向偏差と、車両の現在の方位角偏差とに基づいて、前記横方向偏差と前記方位角偏差とを減少させるように車両の操舵制御量を決定するとともに、前記車両の現在の車速と前記予見角度とに基づいて、前記予見角度を減少させるように前記操舵制御量を決定する。これにより、車両の現在の車速や車両の走行経路との現在の位置関係のみならず、車両前方の走行経路の曲率(曲がり具合)を考慮した車両の操舵制御が行われることとなる。
【0018】
この場合、第1の態様と同様に、この操舵制御に際して必要な車両の走行経路との現在の位置関係は、車両の走行位置における前記マーカセンサによる経路マーカの検出出力に基づいて求められるので、比較的精度よく車両の走行経路との位置関係を求めることが可能であり、さらに、この位置関係の時々刻々のデータと車両に保持した走行経路の地図データとを用いて、車両の走行位置も比較的精度よく把握することが可能となる。また、車両前方の曲率情報は、車両に保持した地図データに基づいて得られるものであるため、天候条件等の影響を受けずに精度のよい曲率情報を取得することが可能となる。
【0019】
従って、本発明の第2の態様によっても、天候条件や道路形状等によらずに車両の高速走行を可能としつつ車両を所要の走行経路に確実且つ的確に沿わせつつ自動走行を行うことが可能となる
さらに、第1の態様と同様に、所定時間後の将来的な車両の進行方位と走行経路の方位との偏差角度を予見角度として予測し、車両の操舵制御量を決定する際に、前記予見角度を前もって減少させるように、前記予見角度を加味することで、より円滑に走行経路に沿った車両の走行を行うことが可能となる。
【0020】
かかる本発明の第1及び第2の態様では、前記経路マーカは前記走行経路に沿って間隔を存して道路に配列された磁気発生源であり、前記マーカセンサは磁気センサであることが好ましい。このようにすることで、磁気発生源の検出を天候条件のみならず、道路の汚れ等の影響も受けずに行うことが可能となり、ひいては、車両の走行経路に対する位置関係をより確実に把握することが可能となる。
【0022】
また、前記車両の走行位置を把握する手段は、より具体的には、車両の車速及びヨーレートに基づき車両の走行軌跡を逐次求める手段を含み、その求めた走行軌跡と、前記車両の前記走行経路との時々刻々の位置関係と、該走行経路の前記地図データとから該地図データ上における車両の現在の走行位置を把握する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
【0026】
本実施形態における操舵制御アルゴリズムは、複数の車両が適正な車間距離を保持しつつ追従走行を行う所謂プラトーン走行において、各車両の操舵制御を行う場合のみならず、さらには、一台の車両が単独で走行する場合の操舵制御にも用いることができるものである。
【0027】
図1は本実施形態における車両の走行状態を示している。
【0028】
本実施形態の走行システムでは、同図に示すように、道路の車両Aを走行させるべき経路としてあらかじめ定められた所要の走行経路B上において、経路マーカとしての磁気ネイルCが等間隔で埋め込まれて配列され、また、路側には走行情報提供設備としての漏洩同軸ケーブルD(LCXケーブル)が設置されている。この漏洩同軸ケーブルDは、走行経路B上を走行する車両Aに、例えば走行経路Bの各所における曲率情報や路面状態情報、速度指令情報等を送信する。また、車両Aには、その前部及び後部の下面部に、それぞれその下方に位置した磁気ネイルCの磁気を検出する磁気センサ1,1が備えられている。車両Aは、これらの磁気センサ1,1の検出データや漏洩同軸ケーブルDから与えられる情報等に基づいて、車両Aの車速制御や操舵制御を行いつつ走行経路Bに沿って自動走行する。尚、各磁気センサ1は、その下方に磁気ネイルCが位置したとき、車両Aの車幅方向の中心線Xに対する該磁気ネイルCの車幅方向での変位量df ,dr に応じた信号、換言すれば、車両Aの前部及び後部のそれぞれの箇所での走行経路Bに対する車両Aの横方向の変位量df ,dr に応じた信号を出力する。
【0029】
上記のような走行経路B上を走行する車両Aは、その走行を行うために図2のブロック図に示すシステム構成を具備している。
【0030】
すなわち、車両Aは、前記磁気センサ1,1の他、LCXケーブルDから送信される走行経路Bの曲率情報等を受信するLCX情報受信機2と、車両Aに生じたヨーレートを検出するヨーレートセンサ3と、車両Aの進行方向の加速度を検出する加速度センサ4と、車両Aの車速や走行距離を検出するための車輪回転速度センサ5と具備する。
【0031】
また、車両Aは、自車の走行軌跡や走行経路Bに対する位置関係を逐一計算して、後述の地図データ上における自車の走行位置を求めるナビゲーション装置6と、自車の制御計画を演算する制御計画処理装置7と、LCX情報送受信機2を介したLCXケーブルDとの通信や、走行経路B上を走行する車両間での各車両の走行状態を示す情報の通信を制御する通信制御装置8と、ナビゲーション装置6の出力データ等に基づき自車のステアリングの操舵制御量を演算する横方向制御装置9と、横方向制御装置9が演算した操舵制御量に従って車両の操舵を行う電子制御パワーステアリング・アクチュエータ10とを具備する。尚、制御計画処理装置7は、走行経路B上における自車の車速計画を作成する車速計画装置11と、この作成された車速計画等に従って自車の速度制御量を演算する車速制御装置12とを具備し、車速制御装置12は、演算した速度制御量により、ブレーキ制御アクチュエータ13やスロットル制御アクチュエータ14を制御する。また、ナビゲーション装置6、通信制御装置8、横方向制御装置9、車速計画装置11、及び車速制御装置12は、いずれも各々に演算処理装置(CPU)を具備し、適宜、相互にデータの授受がなされるようになっている。
【0032】
次に、本発明の実施形態をより具体的に説明する前に、図2のシステム構成を有する車両Aの操舵制御アルゴリズムの参考例(本発明の実施形態に関連した参考例)を図3乃至図6を参照して説明する。図3は操舵制御のフローチャート、図4乃至図6は動作説明図を示している。図4においては、aは時刻t=0(今現在)における車両Aの実際の走行位置、bは現在の走行状態で走行した場合にあらかじめ定めた予見時間Tpre (1.3秒)後に到達すると推定される車両Aの走行位置、cは走行経路B上における予見時間Tpre (1.3秒)後の車両Aの予定走行位置、a’は今現在の車両Aの実際の進行方向、a''はa’との平行線、b’は予見時間Tpre (1.3秒)の車両Aの推定位置bにおける予想進行方向、b''はb’との平行線である。さらに、c’は予見時間Tpre 後の走行経路B上の予定走行位置cにおける進行方向(予定走行位置cにおける走行経路Bの接線)、c''はc’との平行線である。また、Rnは例えば0.8〜1.2秒の範囲で定められた所定時間T(例えば1秒)後の車両Aの走行位置における走行経路Bの旋回半径(曲率の逆数)、Rn+1 は予見時間Tpre 後の走行経路B上の予定走行位置cにおける走行経路Bの旋回半径(曲率の逆数)である。またεy は車両Aの中心部の走行経路Bに対する横方向の変位量(横方向偏差)、θは車両Aの現在位置において車両Aの進行方向と走行経路Bとのなす角度誤差(方位角偏差)である。尚、参考例では、前記予見時間Tpre や、その予見時間Tpre 後の走行経路Bの旋回半径Rn+1 は使用せず、これらは、後述の実施形態において使用するものである。
【0033】
図3を参照して本参考例では、時刻t=0における車両Aの現在位置では、まず、ステップ1において、前記通信制御装置8により、LCXケーブルDからLCX情報送受信機2を介して車両Aの前方を含む走行経路Bの所要の区間の各所における曲率情報を受信して、それを図示しないメモリに記憶保持する。
【0034】
ステップ2においては、車両Aの前後の各磁気センサ1により検出される該磁気センサ1の下方に位置した磁気ネイルCの検出データをメモリに記憶保持する。この検出データは、各磁気センサ1の箇所における車両Aの走行経路Bに対する横方向の変位量を示すデータであり、前記ナビゲーション装置6に与えられる。
【0035】
ステップ3においては、ナビゲーション装置6が、ステップ2において取り込まれた車両Aの前後の両磁気センサ1,1の検出データから、車両Aの中心部の走行経路Bに対する横方向の変位量εy と、車両Aの進行方向と走行経路Bとのなす角度誤差θ(図1及び図4参照)とを求める。これらの変位量εy や角度誤差θは、各磁気センサ1,1の箇所における車両Aの走行経路Bに対する横方向の変位量df ,dr (各磁気センサ1,1の検出データ。図1参照)から、磁気センサ1,1の間隔、該磁気センサ1,1と車両中心部との位置関係等に応じた幾何学的な所定の演算により算出される。
【0036】
具体的には、例えば図1を参照して、車両Aの進行方向に向かって車両中心線Xよりの左側を各磁気センサ1,1により検出される変位量df ,dr の正方向、車両中心線Xよりも右側を負方向としたとき、図1の状態では、df >0、dr <0で、このとき、角度誤差θは磁気センサ1,1の間隔をLとすると、次式により算出される。
【0037】
θ=tan-1[(df −dr )/L]
また、車両Aの中心部(本参考例では、磁気センサ1,1の間の中央点)の変位量εy は、次式により算出される。
【0038】
εy =(df +dr )/2
ステップ4では、前記車輪回転速度センサ5の出力により、現在の車速が制御計画処理装置7により演算され、その演算された車速と、ヨーレートセンサ3により検出された車両Aのヨーレートとがナビゲーション装置6に取り込まれてメモリに記憶保持される。
【0039】
ステップ5では、ナビゲーション装置6において、ステップ4で取り込まれた車両Aの車速とヨーレートとを用いて自車の走行軌跡が算出され、さらにステップ3で求められた車両Aの中心部の変位量εy に基づき、自車の走行軌跡に対する走行経路Bの位置関係が算出される。
【0040】
さらに詳細には、図5を参照して、本参考例では、例えば車両Aの自動走行を開始したスタート地点を基準としてx−y座標(x軸:スタート地点における車幅方向、y軸:スタート地点における車長方向)が設定され、そのスタート地点から検出されたヨーレートが前記ステップ4で取り込まれる毎に積分していくことで、このx−y座標における車両Aの進行方位角θx (車両の進行方向とx軸とのなす角度)を逐一算出する。尚、この進行方位角θx を算出するに際しては、車両Aの操舵量が比較的大きい場合に生じる所謂、横滑り角(車両の実際の進行方向と車両の前後方向とのなす角度)を加味してもよい。
【0041】
そして、この進行方位角θx と、ステップ4でヨーレートと共に取り込まれた車速Vとから次の積分演算を行っていくことで、x−y座標における車両Aの座標成分(xt ,yt )を逐一算出し、それにより、図5に示すような自車の走行軌跡Kを求める。
【0042】
xt =∫V・cosθx dt
yt =∫V・sinθx dt
さらに、ステップ3で取り込まれた車両Aの中心部の変位量εy により、走行軌跡K上の各車両位置(xt ,yt )に対応する走行経路Bの座標成分(xb ,yb )を走行軌跡Kの算出と並行して逐一求め、それにより、x−y座標における走行経路Bの位置を求める。この場合、走行経路Bの座標成分(xb ,yb )は、走行軌跡K上の各車両位置(xt ,yt )から車幅方向に変位量εy だけずらした点の座標成分である。
【0043】
次いで、ステップ6では、ナビゲーション装置6においてあらかじめCD−ROM等の電子地図媒体に保持された走行経路Bの地図データ(磁気ネイルCの点列データ)と、ステップ5で前述の如くx−y座標で求められた車両Aの走行軌跡K及び走行経路Bとを照合してマップマッチングを行うことにより、地図データ上での車両Aの現在の走行位置を求める。
【0044】
さらに詳細には、図6を参照して、上記地図データは、例えば地図上の特定の地点(例えば走行経路Bの開始地点)、あるいは特定の経度・緯度の値を有する地点を基準とした設定されたX−Y座標における走行経路Bの位置データ(磁気ネイルCの点列の位置データ)として表されている。そして、この地図データの走行経路Bとx−y座標で求められた走行経路Bとが一致するようにして、x−y座標で求められた走行軌跡Kを地図データのX−Y座標に座標変換し、これにより地図データ上における(X−Y座標における)車両Aの現在位置(Xt ,Yt )を特定する。
【0045】
尚、上記のような地図データは、例えば走行経路Bの所定の区域毎に、LCXケーブルDとの通信により該LCXケーブルDから受け取って、適宜の記憶装置に保持しておくようにしてもよい。
【0046】
ステップ7では、ナビゲーション装置6により、上記のように地図データ上で特定された車両Aの現在位置(Xt ,Yt )に基づいて、その前方の走行経路Bの地図データを例えば現在位置から前方500mまでの範囲で切り出し、それをメモリに保持する。
【0047】
ステップ8では、車両Aの現在位置(Xt ,Yt )と、前記ステップ1においてLCXケーブルDとの通信により取得した走行経路Bの各所における曲率情報とを基に、車両Aが現在の走行状態で走行した場合に前記所定時間T秒(例えば1秒)後に到達すると予測される地点に対応した箇所(現在位置に対応する走行経路B上の地点からV・Tの距離だけ走行経路B上を前方に進行した地点)での走行経路Bの曲率1/Rn(図4参照)を特定する。
【0048】
ステップ9では、ナビゲーション装置6は、前記ステップ3で求めた車両中心部の横方向の変位量εy と角度誤差θとの二つの値をそれぞれ前回値と比較し、それぞれの前回値との差が所定のしきい値を越えているか否かを判断する。そして、所定のしきい値を越えている場合には、ステップ3で求めた現在の変位量εy と角度誤差θとの値をそれぞれ前回値に対してあらかじめ設定された範囲内に収まるように強制的に変更する(ステップ9a)。
【0049】
このような処理を行うのは次の理由による。すなわち、変位量εy と角度誤差θとの大きな変化が生じた場合に、ステップ3で求められた変位量εy と角度誤差θとの値をそのまま使用して後述の如く車両Aの操舵制御量を求めて操舵を行うと、車両Aの挙動が急変して車両Aの乗り心地を著しく損なう虞れがある。そこで、ステップ9、9aの処理を行うことで、操舵制御を行うために必要な変位量εy と角度誤差θとの値の変化量を制限することで、上記のような不都合を回避する。
【0050】
ステップ10は本参考例では省略される。
【0051】
ステップ11では、前記横方向制御装置9により、操舵制御量(ステアリングの操舵角値) δを、前記ステップ3で求められた現在の車両Aの走行経路Bに対する変位量εy 及び角度誤差θ(但し、ステップ9aを経た場合には、前述の通り制限された変位量及び角度誤差)と、現在の車速Vと、ステップ8で得られた所定時間T後の走行経路Bの曲率1/Rnとを用いて下記の式(2)により求める。そして、横方向制御装置9は、求めた操舵制御量(ステアリングの操舵角値) δで車両Aのステアリング操作を行うべく、前記電子制御パワーステアリングアクチュエータ10に命令を送り、該アクチュエータ10により実際に車両Aのステアリングを操作する(ステップ12)。
【0052】
δ=P(V,1/Rn)・εy +I(V,1/Rn)∫εy dt+P’(V,1/Rn)・θ ……(1)
ここで、式(1)において、P(V,1/Rn)は車速Vと曲率1/Rnのあらかじめ定められた関数で、車速Vが大きくなる程、P(V,1/Rn)の値が減少し、曲率1/Rnが大きくなる程、P(V,1/Rn)の値が大きくなるように設定されている。具体的には、例えばP(V,1/Rn)は、車速V及び曲率1/Rnを用いた次式により設定することで、上記のようなP(V,1/Rn)の傾向が得られるようになっている。
【0053】
P(V,1/Rn)=P0 ・(V0 /V)・[1+(1/Rn)・k]
但し、上式において、P0 、kは実験的に定められた定数であり、V0 は、本参考例では60km/h(=16.6m/s)の車速を標準車速として、V0=16.6とされている。
【0054】
また、式(1)において、I(V,1/Rn)は車速Vと曲率1/Rnのあらかじめ定められた関数で、車速Vが大きくなる程、I(V,1/Rn)の値が減少し、曲率1/Rnが大きくなる程、I(V,1/Rn)の値が大きくなるように設定されている。具体的には、例えばI(V,1/Rn)は、車速V及び曲率1/Rnを用いた次式により設定することで、上記のようなI(V,1/Rn)の傾向が得られるようになっている。
【0055】
I(V,1/Rn)=I0(1/Rn) ・(V0 /V)
但し、上式において、I0(1/Rn) は、曲率1/Rnから、あらかじめ定められたデータテーブルによって求められる値であり、このデータテーブルでは、曲率1/Rnが大きい程、I0(1/Rn) の値が大きくなり、逆に曲率1/Rnが小さい程、I0(1/Rn) の値が小さくなる(約0になる)ように設定されている。
【0056】
また、式(1)において、P’(V,1/Rn)は車速Vと曲率1/Rnのあらかじめ定められた関数で、車速Vが大きくなる程、P’(V,1/Rn)の値が減少し、曲率1/Rnが大きくなる程、P’(V,1/Rn)の値が大きくなるように設定されている。具体的には、例えばP’(V,1/Rn)は、P(V,1/Rn)と同様の次式により設定することで、上記のようなP’(V,1/Rn)の傾向が得られるようになっている。
【0057】
P(V,1/Rn)=P0 ’・(V0 /V)・[1+(1/Rn)・k’]
但し、上式において、P0 ’、k’は実験的に定められた定数である。
【0058】
このような式(1)により求めた操舵制御量δ(操舵角値)によりステアリング操作を行うことにより、車両Aは、走行経路Bの直線部はもちろん、カーブにおいても円滑且つ安定に走行経路Bに沿って走行する。
【0059】
すなわち、操舵制御量δを求める式(1)の右辺のP(V,1/Rn)・εy 、I(V,1/Rn)∫εy dtは、それぞれ変位量εy の比例項、積分項であり、基本的には、変位量εy を減少させて車両Aを走行経路B上に追従させる機能を有し、これにより車両Aはその中心部が走行経路B上に変位するように操舵される。この場合、車速Vが比較的大きい状態で、車両Aを走行経路B上に急激に変位させるようにすると、大きな横方向加速度が生じるが、比例項の係数P(V,1/Rn)や積分項の係数I(V,1/Rn)は、それぞれ前述のように車速Vが大きい程、小さくなるので、車両Aの急激な変位が抑制され、円滑に走行経路B上に車両Aを変位させることができる。
【0060】
また、車両Aの前方の曲率1/Rnが大きくなると、係数P(V,1/Rn)や係数I(V,1/Rn)が大きくなるため、カーブでの走行経路Bへの車両Aの追従性が高まり、車両Aがカーブで外側にはみ出してしまうような事態が回避される。
【0061】
さらに、走行経路Bの直線部(曲率1/Rnが約0の箇所)では、積分項の値が大きいと、車両Aの走行位置が走行経路Bに対して振動を生じやすいが、係数I(V,1/Rn)は十分に小さなものとなるため、積分項の値も十分に小さなものとなり、車両Aの走行経路B上への追従性が安定する。
【0062】
また、式(1)の右辺のP’(V,1/Rn)・θは、角度誤差θの比例項であり、基本的には、角度誤差θを減少させて、車両Aの進行方向を走行経路Bの方向に向かわせる機能を有する。この場合、車速Vが比較的大きい状態では、係数P’(V,1/Rn)が小さくなるので、車両Aの過大な進行方向の変化が抑制され、車両Aの進行方向の走行経路Bへの追従が安定して円滑に行われる。
【0063】
さらに走行経路Bの曲率1/Rnの大きなカーブでは、係数P’(V,1/Rn)が大きくなるので、車両Aの進行方向の走行経路Bへの追従性が高まり、該走行経路Bに沿うようにして円滑にカーブを曲がることができる。
【0064】
このように本参考例の操舵制御によれば、車両Aの現在の車速Vや走行経路Bに対する変位量εy だけでなく、車両前方の走行経路Bの曲率1/Rnや車両Aの進行方向の走行経路Bに対する角度誤差θを考慮して操舵制御量δを決定し、そのδにより車両Aを操舵制御することで、走行経路Bの直線部はもちろん、カーブにおいても円滑且つ安定に走行経路Bに追従して走行することができる。
【0065】
そして、この場合、操舵制御量δを決定する上で必要な変位量εy 及び角度誤差θは、磁気センサ1,1による磁気ネイルCの磁気的な検出に基づいて求められ、また、車両前方の走行経路Bの曲率1/Rnは、LCXケーブルDとの通信によって得らるので、それらの変位量εy 、角度誤差θ、曲率1/Rnのデータを天候条件等によらずに精度良く取得することができる。従って、それらのデータを用いて求めた操舵制御量δによって車両Aの操舵を行うことで、天候条件等によらずに的確に車両Aを走行経路Bに沿わせて走行することができる。
【0066】
次に、図2のシステム構成を有する車両Aの操舵制御アルゴリズムの実施形態を図3及び図4を参照して説明する。
【0067】
本実施形態では、図3のステップ1からステップ9,9aまでの処理が前記参考例と全く同様に行われるので、これらの処理の説明は省略する。
【0068】
尚、この場合、ステップ8では、LCXケーブルDから与えられた曲率情報を基に、車両の現在位置における走行経路Bの曲率と、車両Aが現在の走行状態で走行した場合に前記予見時間Tpre (1.3秒)後に到達すると予測される地点に対応した箇所(現在位置に対応する走行経路B上の地点からV・Tpre の距離だけ走行経路B上を前方に進行した地点)での走行経路Bの曲率1/Rn+1 (図4参照)を特定する。
【0069】
本実施形態では、ステップ10において、ナビゲーション装置6が、車両Aの現在位置(図4のa地点)から現在の走行状態で走行した場合に前記予見時間Tpre (1.3秒)後に車両Aが到達すると予想される地点(図4のb地点)における車両Aの進行方向(図4のb’線の方向)と、車両Aを現在の走行状態で現在位置から走行経路B上を走行させた場合に、予見時間Tpre 後に到達すべき走行経路B上の位置(車両Aの現在位置に対応する走行経路B上の地点から、前方にV・Tpre の距離だけ離間した地点。図4のc地点)における走行経路Bの方向(図4のc’線の方向)とのなす角度を予見角度θpre として求める。具体的には、図4を参照して、車両Aの進行方向を、現在の進行方向から、予見時間Tpre 後の地点cにおける走行経路Bの方向に変化させるのに要する車両Aの旋回角度(図4のa’線とc’線とのなす角度)を目標旋回角度θtar としたとき、予見角度θpre は、次式により算出する。
【0070】
θpre =θtar −(γ・Tpre )
ここで、γは前記ステップ4で得られた車両Aの現在のヨーレートであり、(γ・Tpre )の項は、車両Aが現在のヨーレートで走行した場合に、予見時間Tpre の期間で車両Aの進行方向が現在の進行方向から変化する角度(図4のa''線とb’線とのなす角度)を示している。
【0071】
また、上式中の目標旋回角度θtar は、例えば次のように求められる。すなわち、前記ステップ7で得られた車両Aの前方の走行経路Bの地図データを、車両Aの現在位置における進行方向(図4のa’線)を例えばy軸、車幅方向をx軸とした座標上に変換する。すなわち、走行経路Bの地図データを車両aを基準とした座標系で表す。そして、その座標上において、車両Aの現在位置に対応する走行経路B上の地点から、前方に走行経路Bに沿ってV・Tpre の距離だけ離間した地点cを求め、その地点cにおける走行経路Bのy軸(車両Aの進行方向)に対する方位角を走行経路Bの座標データにより求めることで、目標旋回角度θtar が得られる。
【0072】
尚、本実施形態では予見時間Tpre を実験的データに基づいて1.3秒に設定したが、車両の種類や性能等によって適切に設定することが好ましい。
【0073】
このようにして求めた予見角度θpre を用いて、本実施形態ではステップ11において、次式(2)により操舵制御量δを求め、さらに、ステップ12において、求めた操舵制御量δに従ってステアリングの操作を行う。
【0074】
δ=P(V,1/R0 )・εy +P’(V,1/R0 )・θ+C(V)・θpre +a・(1/Rn+1 )+b・γ……(2)
ここで、Vは現在の車速、1/R0 は現在位置における走行経路Bの曲率、1/Rn+1 は、予見時間Tpre 後における走行経路Bの曲率であり、P(V,1/R0 )及びP’(V,1/R0 )は、それぞれ、前記式(1)のP(V,1/Rn )及びP’(V,1/Rn )と同様にして、車速V及び現在位置の曲率1/R0 に応じて定められた関数である。
【0075】
また、C(V)は、車速Vが大きくなる程、値が小さくなるように定められた関数で、例えばC(V)=V0 /V(但し、V0 は式(1)と同様)とされている。また、aは、実験的に定めた正の定数、bは実験的に定めた負の定数である。このような式(2)により求めた操舵制御量δ(操舵角値)によりステアリング操作を行うことにより、車両Aは、前記参考例と同様に、走行経路Bの直線部はもちろん、カーブにおいても円滑且つ安定に走行経路Bに沿って走行する。
【0076】
すなわち、式(2)の右辺のP(V,1/R0 )・εy 、P’(V,1/R0 )・θはそれぞれ変位量εy 及び角度誤差θの比例項(フィードバック制御項)で、前記式(1)の比例項と同様の機能を有し、それぞれ基本的には、変位量εy 及び角度誤差θを減少させるように機能する。この場合、車速Vが大きい程、P(V,1/R0 )、P’(V,1/R0 )の値が小さくなるので、高速走行中の横方向の安定性が高まる。また、車両Aの現在位置における曲率1/R0 が大きくなる程、P(V,1/R0 )、P’(V,1/R0 )の値が大きくなるので、カーブにおける車両Aの走行経路Bに対する位置や方向の追従性が高まる。
【0077】
また、式(2)のC(V)・θpre は、予見時間Tpre 後の予見角度θpre 、すなわち、将来的に予測される車両Aの進行方向と走行経路Bの方向との角度誤差に基づくフィードフォワード制御項で、車両Aのカーブでの走行経路Bに対する追従性をより一層向上させると共に、車両Aの挙動も安定させるという機能を有する。すなわち、将来的に予測される角度誤差を前もって吸収するように機能する。
【0078】
また、式(2)のa・(1/Rn+1 )は、車両Aの前方の曲率1/Rn+1 のカーブを曲がるために必要な基本的な操舵角を規定するフィードフォワード制御項である。
【0079】
また、式(2)のb・γは、ヨーレートγのフィードバック制御項で、過大なヨーレートが発生するのを抑制する機能を有する。
【0080】
これにより、本実施形態によれば、車両Aの現在の車速Vや走行経路Bに対する変位量εy だけでなく、車両前方の走行経路Bの曲率1/Rn+1 や車両Aの将来的に予測される走行経路Bに対する角度誤差、ヨーレートγ等を考慮して操舵制御量δを決定し、そのδにより車両Aを操舵制御することで、走行経路Bの直線部はもちろん、カーブにおいても円滑且つ安定に走行経路Bに追従して走行することができる。
【0081】
そして、この場合、操舵制御量δを決定する上で必要な変位量εy 及び角度誤差θは、磁気センサ1,1による磁気ネイルCの磁気的な検出に基づいて求められ、また、車両前方の走行経路Bの曲率1/Rn+1 及び車両Aの現在位置における走行経路Bの曲率1/R0 は、LCXケーブルDとの通信によって得らるので、それらのデータを天候条件等によらずに精度良く取得することができる。従って、それらのデータを用いて求めた操舵制御量δによって車両Aの操舵を行うことで、天候条件等によらずに的確に車両Aを走行経路Bに沿わせて走行することができる。
【0082】
図7に本実施形態による操舵制御を用いた自動走行車を50km/hの車速で半径140Rのカーブを実際に走行させた場合に、車両の中心部と所要の走行経路との間に生じた変位量εy の測定データを示す。同図に見られるように、所要の走行経路と車両の実際の走行経路との偏差は十分に小さく(最大で15cm程度)、しかもその大きさも平坦に抑えられている。このことから、本実施形態のステアリンング制御を行うことで、カーブにおいても車両を円滑且つ安定に所要の走行経路に追従させて走行させることができることが判る。
【0083】
ところで、以上説明したステアリング制御の実施形態では、操舵制御量δを求めるための走行経路Bの曲率をLCXケーブルDとの通信によって得られた曲率情報に基づき特定したが(本発明の第1の態様に対応する)、LCXケーブルDの曲率情報を用いずに車両Aに備えた前記地図データ(図6参照)を用いて、操舵制御量δを求めるための走行経路Bの曲率を求めることも可能である(これは本発明の第2の態様に対応する)。
【0084】
すなわち、前記地図データの走行経路Bはその各所の地図データ上における位置が判っているので、その位置データを用いることで、数学的な演算により走行経路Bの各所の曲率を求めることができる。例えば、図6のX−Y座標系において、走行経路Bを表す関数をY=F(X)とし、dY/dX =F’、d2Y/dX2 =F''と定義したとき、走行経路Bの各所における曲率1/Rは数学的に、次式により求められる。
【0085】
1/R=F''/[1+(F’)2 3/2
従って、操舵制御量δを求めるための走行経路Bの曲率を、地図データから直接的に求めることができる。
【0086】
そこで、この場合には、前記実施形態において、図3のステップ1の処理を省略し、ステップ8において、ステップ7で切り出した地図データを基に、操舵制御量δを求めるための走行経路Bの曲率を上記のような演算によって求めて特定する。
【0087】
このようにした場合でも、操舵制御量δを求めるための走行経路Bの曲率は、地図データを用いることで、天候条件等によらずに精度よく求めることができるので、前述のようにLCXケーブルDの曲率情報を用いた場合と同様の作用効果を奏する。
【0088】
尚、以上説明した実施形態では、経路マーカとして磁気ネイルDを用いたものを示したが、経路マーカとして例えば白線等の色覚的なものを使用し、それを車両側に備えた光学的センサにより検出するようにすることも可能である。
【0089】
また、前述の実施形態では、走行情報提供設備としてLCXケーブルを用いたが、例えば道路に沿って間隔を存して設置した通信施設等を用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における車両の走行形態を示す説明図。
【図2】図1の車両のシステム構成図。
【図3】図1の車両の操舵制御を説明するためのフローチャート。
【図4】図1の車両の操舵制御を説明するための説明図。
【図5】図1の車両の操舵制御を説明するための説明図。
【図6】図1の車両の操舵制御に用いる地図データを示す説明図。
【図7】実施形態における実験結果を示す線図。
【符号の説明】
A…車両、B…走行経路、C…磁気ネイル(経路マーカ)、D…漏洩同軸ケーブル(走行情報提供設備)、1…磁気センサ(マーカセンサ)、2…LCX情報受信機、3…ヨーレートセンサ、5…車輪回転速度センサ、6…ナビゲーション装置、8…通信制御装置、9…横方向制御装置、10…電子制御パワーステアリングアクチュエータ。

Claims (5)

  1. あらかじめ経路マーカが付設された所定の走行経路に沿って車両が走行するよう該車両の自動操舵を行う自動ステアリング制御装置において、前記走行経路の地図データを保持する手段と、車両に備えたマーカセンサにより前記経路マーカを検出し、その検出出力に基づき車両の現在の走行位置における前記走行経路との位置関係を逐次求める手段と、少なくとも該車両の前記走行経路との時々刻々の位置関係及び前記地図データとに基づき該地図データ上における車両の走行位置を逐次把握する手段と、前記地図データ上における走行経路の各所の曲率情報を車両外部に設けられた走行情報提供設備との通信により取得する手段と、該走行情報提供設備から与えられる走行経路の曲率情報に基づき、前記把握した車両の現在の走行位置の前方における走行経路の曲率情報を取得する手段と、車両の現在の走行位置から現在の走行状態で走行した場合における所定時間後の車両の進行方位と、該所定時間後の車両の走行位置に対応する走行経路上の地点における該走行経路の方位との偏差角度を予見角度として求める手段と、少なくとも前記取得した車両の前方の走行経路の曲率情報と、車両の現在の車速と、車両の前記走行経路との現在の位置関係と、前記予見角度とに基づき車両の操舵制御量を決定する手段とを備え
    前記車両の走行経路との位置関係は、車両の中心部の走行経路に対する横方向偏差と、車両の進行方向の走行経路に対する方位角偏差とを含み、前記操舵制御量を決定する手段は、車両の前方の走行経路の曲率情報と、車両の現在の車速と、車両の現在の横方向偏差と、車両の現在の方位角偏差とに基づいて、前記横方向偏差と前記方位角偏差とを減少させるように前記操舵制御量を決定するとともに、前記車両の現在の車速と前記予見角度とに基づいて、前記予見角度を減少させるように前記操舵制御量を決定することを特徴とする自動ステアリング制御装置。
  2. 前記走行情報提供設備は、前記走行経路に沿って道路に設置された漏洩同軸ケーブルであることを特徴とする請求項1記載の自動ステアリング制御装置。
  3. あらかじめ経路マーカが付設された所定の走行経路に沿って車両が走行するよう該車両の自動操舵を行う自動ステアリング制御装置において、前記走行経路の地図データを保持する手段と、車両に備えたマーカセンサにより前記経路マーカを検出し、その検出出力に基づき車両の現在の走行位置における前記走行経路との位置関係を逐次求める手段と、少なくとも該車両の前記走行経路との時々刻々の位置関係及び前記地図データとに基づき該地図データ上における車両の走行位置を逐次把握する手段と、その把握した車両の現在の走行位置の前方における走行経路の曲率情報を前記地図データから取得する手段と、車両の現在の走行位置から現在の走行状態で走行した場合における所定時間後の車両の進行方位と、該所定時間後の車両の走行位置に対応する走行経路上の地点における該走行経路の方位との偏差角度を予見角度として求める手段と、少なくとも前記取得した車両の前方の走行経路の曲率情報と、車両の現在の車速と、車両の前記走行経路との現在の位置関係と、前記予見角度とに基づき車両の操舵制御量を決定する手段とを備え
    前記車両の走行経路との位置関係は、車両の中心部の走行経路に対する横方向偏差と、車両の進行方向の走行経路に対する方位角偏差とを含み、前記操舵制御量を決定する手段は、車両の前方の走行経路の曲率情報と、車両の現在の車速と、車両の現在の横方向偏差と、車両の現在の方位角偏差とに基づいて、前記横方向偏差と前記方位角偏差とを減少させるように前記操舵制御量を決定するとともに、前記車両の現在の車速と前記予見角度とに基づいて、前記予見角度を減少させるように前記操舵制御量を決定することを特徴とする自動ステアリング制御装置。
  4. 前記経路マーカは前記走行経路に沿って間隔を存して道路に配列された磁気発生源であり、前記マーカセンサは磁気センサであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自動ステアリング制御装置。
  5. 前記車両の走行位置を把握する手段は、車両の車速及びヨーレートに基づき車両の走行軌跡を逐次求める手段を含み、その求めた走行軌跡と、前記車両の前記走行経路との時々刻々の位置関係と、該走行経路の前記地図データとから該地図データ上における車両の現在の走行位置を把握することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の自動ステアリング制御装置。
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