JP3669290B2 - 定圧給水制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一定時間で複数のポンプのモータを切替ながら一定圧力で水を供給することができる定圧給水制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、給水ポンプから吐出される水流に圧力変化が起きたときにモータを切替る定圧給水制御装置としては、以下のようなものが知られている。
(1)第1の従来の定圧給水制御装置では、インバータにより駆動されるモータを固定にし、他のモータを商用電源で駆動し、商用電源により駆動されるモータのみを増減する「インバータモータ固定方式」と、インバータにより駆動されるモータおよび、商用電源により駆動されるモータをそれぞれ任意に切替る「インバータモータ循環方式」が知られている。
【0003】
どちらの方式も、モータ全体の寿命を考慮し、圧力変化時のモータの増加時には、これまで最も駆動時間が少なく現在停止状態にあるモータを選択して駆動させ、一方、モータの減少時には、これまで最も駆動時間の長いモータを切り離すという方法がとられていた。
(2)第2の従来の定圧給水制御装置では、予め決められた台数のモータを全て結線しておき、全モータを使用して圧力一定制御を行うという方法がとられていた。
(3)第3の従来の定圧給水制御装置では、圧力指令は通常ボリウム等のアナログ指令で設定されていた。また、モータの切替判定時間は固定されていた。
【0004】
(4)第4の従来の定圧給水制御装置では、インバータは周波数と電圧を可変してモータを駆動するため、モータを駆動するための指令値は周波数を用いていた。
(5)第5の従来の定圧給水制御装置では、給水システムを制御するためのインバータは、外部制御盤からの運転信号により制御されており、この運転信号には1度押したら元に戻るワンショットのスイッチが多く用いられてる。このスイッチからのワンショット信号がONからOFFに変化したとしても、インバータは、ONのエッジを検出し、運転状態を継続するホールド機能を有している。
【0005】
(6)第6の従来の定圧給水制御装置では、圧力要求が非常に少ない状態では、インバータにより駆動されるモータのみが低周波数での運転を行うのが一般的であるが、圧力を零にできないため、インバータにより駆動されるモータは、最低周波数で運転するのが一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の定圧給水制御装置にあっては、以下のような問題があった。
(1)第1の従来の定圧給水制御装置では、圧力変化の少ない状態では、商用電源により駆動されるモータやインバータにより駆動されるモータの増減が不要な状態があり、この状態が長く継続する場合は、駆動状態にあるモータと停止状態にあるモータのそれぞれの運転時間は、極端な寿命差が生じるといった問題があった。
また、同じ運転時間でも、商用電源による駆動に比べ、インバータからの高圧サージ等に影響されることが多い駆動モータの方が劣化し易いといった問題があった。
(2)第2の従来の定圧給水制御装置では、モータ故障時等にメンテナンスを行う場合、システム全体を一旦停止してモータへの電源供給を遮断してから修理を行うことになるので、メンテナンスの間、定圧給水ができなくなるといった問題があった。
【0007】
(3)第3の従来の定圧給水制御装置では、モータの切替判定時間が圧力指令に連動しないため、圧力状態に応じて容易に給水システムの切替時間を変更することができなかった。
(4)第4の従来の定圧給水制御装置では、モータの周波数と負荷側の圧力の単位(量)が異なり、圧力設定時には圧力を周波数に換算する必要がある。実圧力の表示に関しても、同様に、周波数表示から圧力表示に読み替える必要があり、敏速な操作の妨げになるといった問題があった。
【0008】
(5)第5の従来の定圧給水制御装置では、定圧給水制御時にインバータモータが循環し、あるモータから他のモータに駆動が移る際、停止状態にあるモータにインバータから直入れ起動を行うと、インバータが過電流トリップしてしまう。
そこで、この現象を回避するため、切替時にインバータを一旦フリーランさせて停止(ゲートOFF)状態とし、モータ切替後に再度インバータの運転を開始するようにした。
しかしながら、インバータは一度停止状態になるため、スイッチからのワンショット信号の入力時は、上述したホールド機能が解除され、運転信号が無くなったものとなり、インバータの再起動ができない状態になるといった問題があった。
(6)第6の従来の定圧給水制御装置では、インバータにより駆動されるモータが最低周波数で運転される状態ではインバータやモータの能力に余力があるため、無駄な電力を消費していることになるといった問題があった。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、モータの駆動時間を均一化して全体の寿命を伸ばすことができ、システムの故障時やメンテナンス時に制御を継続することができ、圧力が頻繁に変化する昼と、圧力が安定する夜で容易にシステムの動作を変更することができ、圧力の直接量の設定と表示機能を搭載し、圧力の設定と調整を容易にすることができ、一度運転スイッチをオン操作しただけでインバータにより駆動されるモータの増減時にも、モータを切り替えた後にインバータを再起動して、給水システムの運転を継続することができ、補助ポンプにより給水システムの運転を継続することができ、省エネルギー効果を得ることができ、深夜等の負荷が小さい状況から負荷が大きくなった状況でも、給水ポンプにより給水システムの運転を継続することができる定圧給水制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するために、給水ポンプを駆動するための複数のモータと、給水ポンプから吐出される水流の圧力を検出する圧力検出手段と、交流電力を出力するインバータと、前記モータ毎に供給する電力を商用電源またはインバータの出力に切替る切替手段と、前記圧力検出手段からの圧力検出値と予め設定された圧力指令値により吐出水流の圧力が一定になるようにインバータを制御してモータを駆動するとともに、圧力が所定範囲から外れる場合に商用電源から駆動するモータを増減するように前記切替手段を制御する制御手段と、インバータにより駆動されているモータの駆動時間が所定時間だけ連続したかどうかを判断する駆動時間判断手段を備え、前記制御手段は、前記駆動時間判断手段によりインバータにより駆動されているモータの当該インバータによる継続駆動時間が所定時間に達したと判断した場合には、当該インバータにより駆動されているモータを停止すると共にそれまで停止状態にあった他のモータのうちの1台をインバータから駆動するように前記切替手段を制御することを要旨とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するために、前記モータ毎に装置から切り離した無効状態または装置へ投入した有効状態を選択するためのスイッチを備え、前記制御手段は、前記切替手段を制御して、前記スイッチを投入するモータより番号が大きい商用電源により作動中のモータがある場合、当該スイッチを投入するモータを作動させ、モータ番号が最も大きい商用電源により作動中のモータを停止させ、前記スイッチを投入するモータより番号が大きい商用電源により作動中のモータがない場合、当該モータを停止状態にして前記スイッチを投入して有効状態にするように制御することを要旨とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するため、入力された複数の圧力指令値を記憶する圧力指令値記憶手段と、圧力指令値記憶手段に記憶されている複数の圧力指令値のうちの所望の1つを指定するための操作指示を入力する圧力指令値指示手段とを備え、前記制御手段は、前記圧力指令値記憶手段からの圧力指令値に応じて、吐出水流の圧力が一定になるようにインバータを制御してモータを駆動するとともに、圧力が所定範囲から外れる場合に商用電源から駆動するモータを増減するように切替手段を制御することを要旨とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、上記課題を解決するため、前記制御手段は、前記インバータの周波数が上限値に制限されている場合には、前記商用電源から供給するモータを増設するように前記切替手段を制御し、前記インバータの周波数が下限値に制限されている場合には、前記商用電源から供給するモータを減設するように前記切替手段を制御することを要旨とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、上記課題を解決するため、入力された複数の切替時間を記憶する切替時間記憶手段と、切替時間記憶手段に記憶されている複数の切替時間のうちの所望の1つを前記圧力検出手段からの検出値に応じて選択する切替時間選択手段とを備え、前記制御手段は、切替時間選択手段により選択された切替時間に従って、前記切替手段を制御することを要旨とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、上記課題を解決するために、入力された圧力指令値を記憶する圧力指令値記憶手段と、前記圧力検出手段により検出された給水ポンプから吐出される水流の圧力検出値、または、前記圧力指令値記憶手段に記憶された圧力指令値を表示する圧力表示手段とを備えたことを要旨とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、上記課題を解決するために、操作に応じて運転の開始を示すワンショットの運転信号を出力する運転スイッチと、前記運転スイッチから運転信号が入力された場合に、運転を継続することを表す運転継続信号を出力する運転継続判定手段とを備え、前記制御手段は、前記運転継続判定手段から運転継続信号が入力されている間に、前記駆動時間判断手段によりインバータにより駆動されているモータの駆動時間が所定時間だけ連続した場合には、前記インバータにより駆動されているモータを停止し、当該モータとは別のモータをインバータから駆動するように前記切替手段を制御することを要旨とする。
【0017】
請求項8記載の発明は、上記課題を解決するため、前記給水ポンプとは別に給水を補助する補助ポンプを駆動するためのモータと、前記補助ポンプを駆動するためのモータに商用電源を供給するように切替る第2の切替手段とを備え、前記制御手段は、前記インバータにより駆動されるモータのみが運転状態にある場合に、前記インバータの出力周波数が所定の下限周波数まで低下して所定時間を経過したときには、前記インバータにより駆動されているモータを停止し、前記補助ポンプを駆動するためのモータに商用電源を供給するように前記第2の切替手段を制御することを要旨とする。
【0018】
請求項9記載の発明は、上記課題を解決するため、前記制御手段は、前記圧力検出手段からの検出値と圧力指令値との関係が所定の条件を満たす場合には、前記インバータにより駆動されているモータの運転を開始し、前記補助ポンプを駆動するためのモータへの商用電源の供給を停止するように前記第2の切替手段を制御することを要旨とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る定圧給水制御装置が適用可能な給水システムの構成を示す図である。
【0020】
図1に示すように、定圧給水制御装置11には、オペレータによる操作を入力するとともに制御状態を表示する操作表示パネル13と、給水パイプ15上に設けられたポンプ1〜3を駆動するためのモータM1〜M3に供給する電力を商用電源17またはINV出力19に切替る切替部21と、給水パイプ15上に設けられ給水ポンプから吐出される水流の圧力を検出する圧力センサ23が接続されている。
【0021】
インバータモータ固定方式の場合には、インバータにより駆動されるモータはM1固定で、M2〜M3が商用電源17により駆動されるモータとなる。また、MSは補助ポンプを示す。圧力増加時は、M2〜M3が徐々に駆動していき、圧力減少時には、逆に図3に示すOFFの順番に従って商用電源により駆動されるモータが減少していく。深夜時等の最も圧力が少ない状況の場合には、インバータにより駆動されるモータも停止し、補助ポンプMSが駆動する。
【0022】
一方、インバータモータ循環方式の場合には、インバータにより駆動されるモータは、M1〜M3を循環し、それ以外のモータが商用電源により駆動されるモータとなる。圧力増加時は、インバータ駆動モータは、現在停止している番号の大きなモータに駆動が切り替わり、インバータで駆動していたモータは商用に切り替わる動作で増加していく。また、圧力減少時は商用電源により駆動されるモータの中で最も駆動時間の多いものから順次切り離して各モータの運転時間を均一にする。深夜時等の最も圧力が少ない場合には、インバータモータ固定方式と同様に、インバータモータも停止し、補助ポンプMSが駆動する。
【0023】
次に、図2を参照して、操作表示パネル13のキー内容や表示内容について説明する。
図2に示すように、操作表示パネル13には、「0」〜「9」の数字を表すテンキーや、「.」小数点キーや、「ENTER」キー、運転指令を表す「DRIVE」キーや、停止指令を表す「STOP」キーや、プログラムを表す「PROG」キーや、クリアを表す「CLEAR」キーや、ページ捲りの方向を表す「△」キーや「▽」キー等のオペレータによる操作を入力するキーが設けられている。また、操作表示パネル13には、5桁の7セグメントLEDが設けられており、この7セグメントLEDにより表示されている数値が、制御中を表す「Ctrl」か、圧力値の単位を表す「MPa」か、電圧を表す「V」か、負荷率を表す「%」か、回転数を表す「rpm」か、電流を表す「A」か、周波数を表す「Hz」かをLEDを点灯して表示する。
【0024】
次に、図1を参照して、操作表示パネル13の機能ブロックについて説明する。
操作表示パネル13には、図2を参照して説明したように、キーやLEDなどのハードウエアの他、操作表示パネル13の全体を制御するためのコントロール部(図示しない)が設けられており、この内部には、操作表示機能を提供するための制御プログラムや制御データを記憶するROM、オペレータにより入力された設定データを記憶する電源バックアップされたRAM、ROMから制御プログラムを読み出して操作表示に関する機能処理を実行するCPUが設けられ、以下の機能ブロックを提供している。
【0025】
図2において、ドライブSW31は、上述した「DRIVE」キーによる運転指示を圧力指令切替部61に出力する。圧力指令部33は、テンキーより入力された例えば2種類の圧力指令値を圧力指令1,2として記憶するとともに、負荷状態検出部55からの例えば2種類(重/軽)の圧力指令切替信号、または、テンキーから入力された2種類(重/軽)のうちの一方を表す圧力指令切替信号に応じて圧力指令1,2を圧力指令切替部61に出力する。
【0026】
圧力表示器35は、圧力指令値や実際の圧力値を上述した7セグメントLEDに表示するとともに、上述した圧力値の単位を表す「MPa」のLEDを点灯する。切替判定時間選択信号37は、負荷状態検出部55からの例えば2種類(重/軽)の圧力指令切替信号を切替判定決定部85に出力する。
【0027】
モータ選択SW39は、7つまでのモータ番号に対して、ON状態のときにシステムに投入すべきモータであることを示す信号を出力し、OFF状態のときにシステムから切り離すべきモータであることを示す信号をモータ選択判定部87に出力する。
【0028】
定時切替時間設定部41は、上述したテンキーにより設定された定時切替時間を定時切替判定部81に出力する。運転ホールド指令部43は、上述した「DRIVE」キーが1度押されたときにワンショットの運転ホールド信号を運転ホールド判定部93に出力し、運転中に「STOP」キーが1度押されたときにワンショットの運転停止信号を運転ホールド判定部93に出力する。
固定/循環モード設定部45は、テンキーや「ENTER」キーの組み合わせ操作により指定された0〜14の運転モードのうちの1つをPWMインバータ77に出力する。
【0029】
次に、図1を参照して、定圧給水制御装置11の機能ブロックについて説明する。
定圧給水制御装置11には、装置全体を制御するための制御プログラムや制御データを記憶するROM、制御データを記憶する電源バックアップされたRAM、ROMから制御プログラムを読み出して後述する機能処理を実行するCPUが設けられている。
【0030】
電流・電圧/圧力変換部51は、圧力センサ23により検出された給水パイプ15内の電流値・電圧値で表される水圧をMPa単位で表される圧力値に変換してフィルタ部53に出力する。フィルタ部53は、電流・電圧/圧力変換部51から出力された圧力値に対して高域周波数のノイズ成分を除去して低域周波数成分の圧力検出値を出力する。
【0031】
負荷状態検出部55は、給水パイプ15上に設けられ給水ポンプから吐出される水流の圧力状態が、予め設定しておいた基準値を超えているかどうかにより、給水パイプ15の下流での負荷状態が重負荷状態か軽負荷状態かを検出する。
【0032】
圧力指令切替部61は、ドライブSW31から運転指示が入力されて運転を開始する場合に、圧力指令部33から入力された2種類の圧力指令1,2のうちの一方を、圧力指令切替信号(重/軽)に応じて選択して圧力勾配作成部63に出力する。なお、圧力制御中に、圧力指令切替信号により圧力指令2が指定された場合には指令圧力2が圧力勾配作成部63に出力される。
【0033】
圧力勾配作成部63は、圧力指令切替部61から入力された重負荷状態または軽負荷状態に対応する圧力指令値に応じて圧力値の加減速勾配を算出して圧力リミッタ部65に出力する。圧力リミッタ部65は、圧力勾配作成部63から入力した圧力値の加減速勾配に対して上限圧力値に関する制限を加えた圧力指令値を減算器67に出力する。
【0034】
減算器67は、圧力リミッタ部65から入力された圧力指令値と、フィルタ部53から入力された圧力検出値に基づいて、圧力指令値から圧力検出値を減算した圧力偏差をPID演算部69に出力する。PID演算部69は、減算器67から入力された圧力偏差が小さくなるようなPID出力(=出力周波数)を生成して周波数リミッタ部71に出力する。
【0035】
周波数リミッタ部71は、PID演算部69から入力されたPID出力(=出力周波数)が下限周波数または上限周波数に到達した場合に下限到達フラグまたは上限到達フラグをモータ増減判定部82に出力するとともに、PID出力の変動範囲を下限周波数から上限周波数の範囲に制限してゲートON/OFF判定スイッチ部73とPWMインバータ77に出力する。
【0036】
ゲートON/OFF判定スイッチ部73は、周波数リミッタ部71により変動範囲を制限されたPID出力(=出力周波数)に応じて、例えばU相,V相,W相のそれぞれのゲートのON/OFFタイミングを判定して各相毎にPWM制御信号を生成してPWMインバータ77に出力する。
【0037】
整流器75は、商用電源を整流平滑して直流電圧に変換してPWMインバータ77に出力する。PWMインバータ77は、内部に複数のスイッチング素子を有し、このスイッチング素子をゲートON/OFF判定スイッチ部73から入力された例えばU相,V相,W相のそれぞれのPWM制御信号に応じてON・OFF制御することで、整流器75からの直流電圧を三相交流電圧に変換するものであり、このスイッチング素子の駆動制御により切替部21を介して接続されているモータの周波数と出力トルク等の制御を行い、その結果、水流の圧力を調整することができる。
【0038】
切替積算タイマ79は、ポンプに設けられたモータ毎に切替後の経過時間の積算値を計時しており、操作表示パネル13の操作に応じてモータ毎の積算時間を表示することができる。なお、切替積算タイマ79は、操作表示パネル13からのリセット操作に応じて強制的に積算時間をクリアすることができる。
【0039】
定時切替判定部81は、定時切替時間設定部41から設定された場合、切替積算タイマ79から各モータの積算時間を読み出し、設定した定時切替時間が経過したかどうかを判断する。
モータ増減判定部82は、周波数リミッタ部71から上限到達フラグまたは下限到達フラグが出力されているかどうかを判定して駆動モータを増加または減少するための制御信号を駆動リレー選択部83に出力する。
【0040】
駆動リレー選択部83は、モータ増減判定部82からの制御信号、切替判定決定部85からの制御信号、定時切替判定部81からの制御信号、モータ選択判定部87からの制御信号に基づいて、リレー駆動部91に設けられたリレーRY1〜RY7をオンオフ制御する。また、駆動リレー選択部83は、周波数リミッタ部71から出力された上限到達フラグまたは下限到達フラグに応じてモータ増加・減少動作信号を圧力勾配作成部63に出力する。
【0041】
切替判定決定部85は、予め2種類の切替判定時間を記憶しており、切替判定時間選択信号37からの2種類(重/軽)の圧力指令切替信号に応じて、1つの切替判定時間を決定して駆動リレー部83に出力する。
モータ選択判定部87は、モータ選択SW39からモータ選択信号を読み込み、モータ選択信号のON/OFF状態を駆動リレー選択部83へ出力する。
【0042】
補助ポンプ駆動判定部89は、PWMインバータ77により駆動されるモータのみが運転中で、圧力指令値が圧力検出値よりも小さい状態が続いてPID出力が減少し、周波数リミッタ部71からの下限到達フラグが予め設定しておいた時間継続し、圧力指令値と圧力検出値の圧力偏差が予め設定された値以上の場合には、補助ポンプMSへの切替動作をことと判定し、補助ポンプ駆動信号をリレー駆動部91に出力する。
【0043】
リレー駆動部91は、駆動リレー選択部83または補助ポンプ駆動判定部89からの駆動信号に応じて、PWMインバータ77または商用電源17と、ポンプ1〜3,補助ポンプMSとの間に設けられた接点MC1〜MC7に対応するリレーRY1〜RY7をオンオフ制御する。
運転ホールド判定部93は、運転ホールド指令部43からワンショットの運転信号が入力された場合には、運転ホールド信号を継続してPWMインバータ77に出力する。なお、運転中に操作表示パネル13に示す「STOP」キーが押された場合には、運転ホールド指令部43からワンショットの運転停止指令が入力され、運転ホールド信号が解除される。
【0044】
次に、図3に示す運転モード一覧表を参照して、定圧給水システムの運転モードの違いを説明する。なお、本実施の形態では、この運転モード一覧表に示す機能を全て組み込んでおり、ポンプは運転モード一覧表に示す台数を用いて説明することとする。
定圧給水制御では、インバータにより駆動されるモータを固定にし、他のモータを商用電源により駆動し、商用電源により駆動されるモータのみを増減する「インバータモータ固定方式」と、インバータにより駆動されるモータおよび、商用電源により駆動されるモータはそれぞれ任意に駆動モータを切替る「インバータモータ循環方式」がある。
【0045】
また、深夜等の圧力が非常に小さい場合に、商用電源17に用いる極小容量のモータを補助ポンプMSとして用いる。また、モータの駆動時間を均一化するために、圧力減少時に駆動モータを切り離す順番として、
新しい順=最後に増加投入されたモータから切り離す。
古い順 =最も長く駆動しているモータから切り離す。
また、システム停止の方法として、全てのモータを停止するのか、あるいは、インバータにより駆動されるモータのみを停止するのかを選択できる。
【0046】
さらに、図3に示す運転モード一覧表の各項目について詳細に説明する。
まず、インバータ駆動方式選択の項目では、インバータで駆動させるモータ(ポンプ)が固定(1台)なのか、あるいは補助ポンプMSを除くすべてのモータ(ポンプ)をインバータで駆動させるのかを選択する。
補助ポンプMS(モータ)の有無の項目では、主ポンプとは別に小容量のモータ(ポンプ)が設置されており、夜間等の水使用量が極めて少なくなるときに商用電源を用いて駆動するために使用するかどうかを選択する。なお、補助ポンプMSは、インバータによる駆動は行わないこととする。
【0047】
OFFの順番の項目では、モータ(ポンプ)をOFFさせるときに、先にONしたモータ(運転時間の長いモータ)からOFFしていきモータ(ポンプ)の使用頻度を均等になるようにするか、最後にONしたモータ(ポンプ)をOFFさせるかを選択する。前者は、主にモータの各容量が等しい場合に、後者はモータの容量に差がある場合に選択する。
【0048】
なお、インバータ駆動方式選択の項目でモータ循環を選択した場合、この設定は無効となり自動的にONされた古いモータの順にOFFすることとする。
停止方法の項目では、インバータに停止指令が与えられたときに、インバータ駆動以外の商用電源(AC)により駆動しているモータ(ポンプ)を停止させるか、そのまま運転を継続するかを選択する。
【0049】
次に、図4に示すフローチャートを参照して、定圧給水制御装置の動作を詳細に説明する。
オペレータにより定圧給水制御装置11に電源が投入された場合、定圧給水制御装置11の内部に設けられたCPUがリセットされ、以下の制御プログラムがROMから順次CPUに読み込まれてシステム全体が制御される。
また、オペレータは、電源の投入後に操作表示パネル13に対して、固定/循環モード、圧力指令1,2、モータ選択SWなどの初期設定操作を行ったこととする。なお、上述した初期設定操作は、操作表示パネル13に設けられた電源バックアップされたRAMに記憶されるので、以後、電源をオフした場合でも、操作内容はこのRAMに記憶されている。
【0050】
まず、ステップS5では、定圧給水制御装置11は、操作表示パネル13に設けられた固定/循環モード設定部45よりオペレータが設定した運転モードをRAMに読み込む。
そして、ステップS10では、圧力指令切替部61は、操作表示パネル13に設けられた圧力指令部33から入力された2種類の圧力指令1,2のうちの一方を、圧力指令切替信号(重/軽)に応じて選択して圧力指令値として決定し、圧力勾配作成部63に出力する。
【0051】
ステップS20では、運転開始条件として、図5に示すタイミングt1において、ドライブSW31から運転信号が入力して、周波数指令が始動周波数または運転開始周波数(1〜10Hz)以上になったときに運転動作に移る。この運転開始条件が成り立った後は、周波数指令方式、圧力指令方式ともにPWMインバータ77の出力周波数は始動周波数から加速時間に従った勾配で下限周波数まで加速を行う。そして、出力周波数が下限周波数に到達した場合には、PID制御を開始する。
【0052】
例えば、すくいあげ始動に設定されている場合には、検出された周波数が出力周波数となり、下限周波数までの加速が始まる。検出された周波数が下限周波数以上のとき、その周波数を出力後に直ちにPID制御に移行する。
なお、給水システムを制御するインバータは、通常、周波数や回転数で運転状態を設定するが、本システムの定圧給水制御装置11は、圧力の単位で指令を設定する。ステップS30では、圧力リミッタ部65により制限を加えた圧力指令値を圧力表示器35の7セグメントLEDに表示するとともに、上述した圧力値の単位を表す「MPa」のLEDを点灯する。また、フィルタ部53から出力される圧力センサ23の圧力検出値を圧力表示器35に表示する。圧力表示器35には圧力指令値や圧力検出値をMPa単位で表示することができるので、圧力設定とその調整が直接的に行うことができ、給水圧力の操作が容易になる。
【0053】
ステップS40では、入力された圧力指令を圧力指令(MPa)に変換し、加減速勾配を算出し、圧力リミッタにより制限して減算器67に出力する。
一方、圧力センサ23からフィードバックされたセンサ信号(4〜20mA)を電流・電圧/圧力変換部51により圧力値に換算し、フィルタ部53(MPa)から出力された圧力値を減算器67に与え、両者の圧力偏差を求めてPID演算部69によりPID出力(=出力周波数)を算出し、さらに、周波数リミッタ部71により制限された出力周波数をゲートON/OFF判定スイッチ部73へ出力する。このとき、PWMインバータ77が動作(運転)していた圧力指令値(または周波数指令)がフィードバックされた圧力検出値よりも大きい状態が続くとPID出力(=出力周波数)が増加し、周波数リミッタ部71により設定されている上限周波数まで到達する。
【0054】
そこで、ステップS50では、PID出力(=出力周波数)が増加し、上限周波数まで到達した状態が指定された時間まで続き、圧力指令値とフィードバックされた圧力検出値の圧力偏差が設定された上限周波数に制限されている場合には、周波数リミッタ部71から上限到達フラグが出力されるので、モータ増減判定部82は、上限到達フラグがある場合にステップS60に進み、駆動モータを増加するように制御する。
【0055】
すなわち、ステップS60では、固定モードでは、PWMインバータ77の動作内容として、出力周波数を減速時間Tdに従った勾配で下限周波数まで減速する。リレー駆動部91は、次に商用電源17により駆動すべきモータに対応するリレーをONにする。なお、このモータは、商用電源17により駆動中で最も数字の大きなモータの次に数字の大きいモータを指し、一台も商用電源17により駆動していない場合は最も数字の小さいモータを指す。
【0056】
ここで、図5に示すタイミングチャートを参照して、循環モード時のモータ増加動作(ステップS60)について説明する。
図5に示すタイミングt1において、運転ホールド指令部43からワンショットの運転信号が入力された場合には、運転ホールド判定部93は、運転ホールド信号(ON)を継続してPWMインバータ77に出力している。
そして、上述したように、タイミングt1〜t2の間でPWMインバータ77によりモータM1が駆動される。
【0057】
循環モードでは、タイミングt2で、PWMインバータ77の動作内容として、PWMインバータ77に設けられたスイッチング素子のゲートをOFFを行い、予め設定しておいた電磁接触器切替時間(Tmc)後に、タイミングt3で、ゲートをONして始動周波数から加速勾配に従って加速する。
PID演算部71の出力周波数が下限周波数に到達した場合には、通常のPID制御に切り替る。リレー駆動部91は、タイミングt2で、PWMインバータ77と接続されているリレーをOFFし、電磁接触器切替時間(Tmc)後に、タイミングt3で、今までPWMインバータ77により駆動していたモータ(M1)を商用電源17に接続するようにリレーをONする。
【0058】
また同時に、タイミングt3で、次にPWMインバータ77により駆動させるモータの番号(M2)に対応するリレー(MC4)をONにする。なお、このモータは、PWMインバータ77により駆動中のモータの次に数字の大きいモータを指す。
なお、電磁接触器切替時間(Tmc)は、リレーMC1〜MC7のON/OFF制御時に接点状態が完全に切り替わるのに必要とする開閉遅延時間であり、例えば0.1秒から2秒程度の時間を設定する必要がある。
【0059】
ステップS70では、ステップS50においてモータ増加条件が成立していないので、モータ減少条件が成立しているかどうかを判断する。すなわち、周波数リミッタ部71から下限到達フラグが出力され、下限周波数まで出力周波数が到達したかどうかによって条件の成立を判断する。そして、モータ減少条件が成立している場合には、ステップS80に進む。
【0060】
駆動モータ減少時に、PWMインバータ77が運転していて圧力指令値(または周波数指令)が圧力センサ23からフィードバックされた圧力検出値よりも小さい状態が続くとPID出力が減少し下限周波数まで低下する。この状態が下限リミッタ継続時間TLで指定された時間まで続き、圧力指令値と圧力検出値の圧力偏差がモータ切替時許容偏差で設定された値以上であれば駆動モータを減少するように制御する。
【0061】
ステップS80では、モータ減少条件が成立しているので、PWMインバータ77の動作内容として、出力周波数を直入れ時加速時間Taに従った勾配で上限周波数まで加速する。上限周波数に到達後、通常のPID制御に戻る。
このとき、リレー駆動部91の動作内容としては、次にOFFすべき商用電源17により駆動中のモータに対応するリレーをOFFする。なお、商用電源17により駆動中の一番数字の大きなモータ、又は一番長く運転しているモータをOFFすることとする。
【0062】
一方、ステップS70においてモータ減少条件が成立していない場合には、ステップS85に進み、モータ選択判定部87は、モータ選択SW39からモータ選択信号を読み込む。
そして、ステップS90では、モータ選択信号がONかどうかを判断し、ONの場合にはステップS95に進み、選択された番号のモータを給水システムに投入する。
一方、ステップS90において、モータ選択信号がONではない場合に、ステップS100に進み、モータ選択信号がOFFかどうかを判断し、OFFの場合には、ステップS105に進み、選択された番号のモータを給水システムから切り離す。
【0063】
ここで、上述したステップS90,S95,S100,S105での詳細な動作を説明する。
モータの選択は、運転中でも可能にしておき、設定パラメータの変更によるか、外部信号によるか、または通信等によるかを選択できるように、操作表示パネル13から設定可能なパラメータで選択できるようにする。
外部信号を選択要素にした場合、モータ選択SW39からのモータ選択信号となる。モータ選択信号の論理は、ショート時にモータ選択とし、オープン時にモータ未選択とする。ただし、モータ1(M1)は、駆動モータ固定方式の場合は、外部信号の設定の状態に関わらず、常に選択(モータ有効)されているとみなす。
【0064】
ここで、図3に示す運転モード一覧表を参照して、モータ有効・無効(システム投入/切り離し)の動作について詳しく説明する。
(1)商用電源17により駆動されるモータの有効・無効
(A)固定方式
外部信号でモータ無効に選択(切り離し)された場合、選択されたモータを“モータ無効”とし、PWMインバータ77とモータを接続するためのリレーをOFFし、システムから切り離す。
また、外部信号によりモータ有効に選択(投入)された場合、選択されたモータを“モータ有効”としシステムに追加する。また、OFFの順番が古い順(先ON先OFF)の場合には、待機状態として投入する。
【0065】
OFFの順番が新しい順(先ON後OFF)の場合には、新しく有効にされるモータ(n番モータ)が、現在、商用電源17により駆動(ONしている)されるモータ番号の最も大きいもの(m番モータ)に比べ、番号が小さい場合は、新しく有効にされるモータ(n番モータ)をONし、現在、商用電源17により駆動(ONしている)されているモータ番号の最も大きいもの(m番モータ)をOFFする。
新しく有効にされるモータ(n番モータ)が、現在、商用電源17により駆動(ONしている)されているモータ番号の最も大きいもの(m番モータ)に比べ、その番号が大きい場合は、新しく有効にされるモータ(n番モータ)をOFFする。なお、このように有効にするが、商用電源17により駆動されるモータはOFF状態で投入する。
【0066】
以上の点をまとめると、
投入するモータより番号が大きい商用電源17により駆動されるモータがONしている場合、投入するモータをONし、モータ番号が最も大きい商用電源17により駆動されるモータをOFFする。
また、投入するモータより番号が大きいONしている商用電源17により駆動されるモータがない場合、このモータをOFFで投入する。そして、投入するモータを有効にするが、商用電源17により駆動されるモータはOFFする。
【0067】
システムに投入するポンプ(n番モータ)と現在ONしている一番大きいモータ(m番モータ)が、n>mの時にn番モータをOFFで投入する。一方、n<mの時にm番モータをOFFし、n番モータをONで投入する。
この動作は、複数のモータが外部信号で同時に選択される場合があるが、このときは選択された全てのモータに対し若い順に判定し、上記動作を繰り返し行うこととする。上述した動作後は、通常の増加減少動作を行う。
【0068】
ここで、図6を参照して、モータOFFの順番が新しい順(先ON後OFF)の場合での動作例を示す。
例1は、モータM1がインバータ動作(INV)しており、モータM7が停止状態(STOP)、モータM3,M5が商用電源17(COM)で運転中にモータM4が“モータ有効”に選択された場合である。
例2は、モータM1がインバータ動作(INV)しており、モータM3,M5が商用電源17(COM)で運転中にモータM2,M6が“モータ有効”に選択された場合である。
【0069】
例3は、モータM1がインバータ動作(INV)しており、モータM3,M5,M6,M7が商用電源17(COM)で運転中にモータM4が“モータ有効”に選択された場合である。
例4は、モータM1がインバータ動作(INV)しており、モータM5,M6が停止状態(STOP)、モータM3が商用電源17(COM)で運転中にモータM4,M7が“モータ有効”に選択された場合である。
【0070】
(B)循環方式
“外部信号”で“モータ無効”に選択(切り離し)された場合、選択されたモータを“モータ無効”とし、リレー駆動部91によりリレーをOFFし、システムから切り離す。
また、“外部信号”で“モータ有効”に選択(投入)された場合、固定方式における「先ON先OFF」と同様に、待機状態として投入する。そして、上述した動作後は、通常の増加減少動作を行う。
【0071】
(2)PWMインバータ77により駆動されるモータの有効・無効
(A)固定方式
“外部信号”で“モータ無効”に選択(切り離し)された場合、選択内容に無関係に常に“モータ有効”とし、給水システムからそのモータの切り離しができないようにする。
【0072】
(B)循環方式
“外部信号”でPWMインバータ77により駆動中のモータを“モータ無効”に選択(切り離し)された場合、理論上の次のモータが商用電源により運転中の場合は、そのモータのリレーをリレー駆動部91によりOFFし、商用電源17により駆動されるモータをフリーランさせる。そして、PWMインバータ77の出力周波数をロック(状態保持)するように制御する。さらに、60秒経過後に、フリーランを停止し、PWMインバータ77により駆動されているモータを切り離(OFF)し、“モータ無効”とし、通常のモータ増加動作における“理論上の次のモータ”をPWMインバータ77が駆動するモータとして有効にする。ただし、まだ強制加速は行わず、フリーランの停止状態を継続する。なお、リレー駆動部91は、PWMインバータ77が動作できるようにONしておく。
【0073】
この後、通常のモータ増加動作と同様に、強制加速動作を行い圧力一定のPID制御へ移行する。
また、“切替待機中”とし、この60秒間は、操作表示パネル13の7セグメントLEDに切替予報を表示する。そして、切替動作が終了したらこの表示を消灯する。
なお、“切替待機中”は定圧給水制御装置11の出力端子(図示しない)に“切替待機中信号”を出力し、外部周辺装置とのインターフェイスに利用することができる。
【0074】
また、“切替待機中”に、次に切替が予定されているモータがさらに無効に選択された場合、切替待機を即始めからやり直す。上述した動作を始めからやり直し、再度60秒切替待機後にモータを切替る。この間、PWMインバータ77は始めに周波数のロック状態を保持する。リレー駆動部91によるリレーの切替は、最終的に切替時間が終了した時点とする。例えば、切替待機中に1回予約したPWMインバータ77により駆動するモータが無効にされた場合、これまでの経過時間+60秒後にリレー切替動作を行う。
【0075】
また、“切替待機中”に他の商用電源17により駆動されるモータが有効・無効に設定された場合は、循環方式の商用電源17により駆動されるモータの有効・無効動作に従うこととする。
“外部信号”で“モータ有効”に選択(投入)された場合、選択されたモータを“モータ有効”とし、リレー駆動部91によりリレーをONし、システムに投入する。
【0076】
(3)警告表示
システムに有効のモータが1台しかない場合、このモータはPWMインバータ77駆動しているが、そのモータを無効にする操作を行っても、切替後のモータがないので、切替動作を行わず、操作表示パネルに警告表示を報知する。この警告表示は、PWMインバータ77により駆動するモータを無効にしている間表示する。
【0077】
また、PWMインバータ77の運転中に、PWMインバータ77により駆動されるモータを無効にした場合、警告表示を行い、この切替操作を無効とする。さらに、電源投入時に、全モータが無効状態の場合、警告表示を行い、運転不可とする。このようにして、誤設定・誤選択によるシステムの異常を防止することができる。
【0078】
(4)PWMインバータ77により駆動されるモータが無効の場合
定圧給水制御装置11は強制的に停止(フリーラン)し、運転指令を受けないようにする。ドライブSW31からの運転指令がON状態のままPWMインバータ77により駆動すべきモータが無効から有効に変更した場合、即座に運転を行わず、モータ選択SW39を一旦OFF操作にした後に、次のON操作で動作を開始する。
【0079】
(5)定圧給水制御装置11が停止中のモータ有効・無効操作
定圧給水制御装置11が、運転中はPWMインバータ77により駆動されるモータの切り離しは無効とし、停止中は切り離し有効とする。
PWMインバータ77により駆動されるモータの切り離しは、PWMインバータ77の運転中、または、運転待機中、または、切替待機中は操作表示パネル13に警告表示を報知し、切り離し操作を無効とする。
【0080】
定圧給水制御装置11の停止中は、操作表示パネル13に警告表示を報知するが、システム内のモータに対する設備変更やメンテナンスを考慮して切り離しは有効とする。
PWMインバータ77により駆動されるモータが接続されてない場合、給水システムを正常に動作できないため、操作表示パネル13に警告表示を報知し、定圧給水制御装置11への運転指令を無効とする。
【0081】
図4に戻り、ステップS110では、補助ポンプ駆動判定部89は、PWMインバータ77によるモータの駆動から補助ポンプMSへの切替動作条件が成立しているかどうかを判断する。
すなわち、PWMインバータ77により駆動されるモータのみが運転中で、圧力指令値(または周波数指令)がフィードバックされる圧力検出値よりも小さい状態が続くとPID出力が減少し、PWMインバータ77からの出力周波数は下限周波数まで低下する。補助ポンプ駆動判定部89は、周波数リミッタ部71からの下限到達フラグが予め設定しておいた時間継続し、圧力指令値とフィードバックされる圧力検出値の圧力偏差が予め設定された値以上と判定した場合にはステップS120に進み、以下のような補助ポンプMSへの切替動作を行う。
【0082】
ステップS120では、PWMインバータ77に設けられたスイッチング素子のゲートをOFFし、PWMインバータ77は、運転指令は入っているがゲート制御信号を出力していない運転待機状態となる。リレー駆動部91に対しては、補助ポンプのモータMSを駆動するためのリレーMC7をONして商用電源17をモータMSに供給し、ステップS150に進む。
【0083】
なお、補助ポンプのモータMSの駆動運転からPWMインバータ77によるモータの駆動運転に切替る時の動作としては、補助ポンプのモータMSのみが商用電源17により駆動している場合に、圧力指令値に相当する周波数指令とフィードバックされる圧力検出値に相当する周波数フィードバック値の関係が、周波数指令F*、周波数フィードバック値Ff、補助ポンプ切換比率k(≧1)(kは操作表示パネル13から容易に可変設定できることとする)とすると、
【数1】
k・F*≧Ff …(1)
(1)式を満足し、
この状態が予め設定しておいた時間継続した場合、以下のような動作を行なう。まず、PWMインバータ77に設けられたスイッチング素子のゲートをONして出力周波数を始動周波数から予め設定された勾配で下限周波数まで加速する。そして、出力周波数が下限周波数に到達した後に、通常のPID制御に戻る。リレー駆動部91の動作内容としては、PWMインバータ77からの出力周波数が下限周波数に到達した場合、補助ポンプを駆動するためのリレーMC7をOFFする。
【0084】
一方、ステップS130では、補助ポンプMSへの切替動作条件が成立していないので、定時切替動作条件が成立しているかどうかを判断する。
すなわち、各ポンプの運転時間を均一化するため、循環方式のみで動作する機能で、定時切替時間が操作表示パネル13の定時切替時間設定部41から設定された場合、切替積算タイマ79から各モータの積算時間を読み出し、定時切替判定部81は設定した定時切替時間が経過したかどうかを判断する。
【0085】
ここで、設定した定時切替時間が経過した場合には、ステップS140に進み、定時切替判定部81は駆動リレー選択部83に切替信号を出力し、その後、次のPWMインバータ77により駆動されるモータ(通常のモータ増加動作と同様)に切替る。さらに、この切替前に商用電源17と接続されているモータが動作している場合は、商用電源17により駆動されている一番古いモータを切り離す。
【0086】
なお、PWMインバータ77により駆動されるモータのみが駆動している場合や、増加時に空きのモータがない場合や、モータ選択SW39により選択されているモータが1台の場合は、商用電源17により駆動される一番古いモータを切り離さないこととする。また、PWMインバータ77により駆動されるモータのみが駆動されている場合は、増加動作時に商用電源17により駆動されるモータを増加させないこととする。なお、選択可能なモータが1台しかない場合は、本動作は行わないこととする。
【0087】
ここで、ステップS140における定時切替動作時について説明する。
予め設定された定時切替動作条件が成立し、PWMインバータ77により駆動されるモータが運転状態になった時に、当該モータに対する積算値の計時を切替積算タイマ79が開始する。通常は、積算値が定時ポンプ切替時間で指定した時間になる前に、モータの増加・減少動作が発生するが、定時ポンプ切替時間で設定された時間を経過してもモータの増加・減少動作がない場合、切替積算タイマ79が設定時間になったら、予め設定された切替時間だけ切替信号を出力した後、通常の循環モードでの強制的なモータ増加動作を行う。
【0088】
この場合、商用電源17により駆動されるモータは、通常同様に増加駆動させる。ただし、商用電源17により駆動されるモータが1台増加してしまうので、商用電源17により駆動されている一番古いモータを切り離す。
【0089】
なお、切替直前にPWMインバータ77により駆動されるモータのみが駆動している場合には、定時切換の増加動作では、商用電源17により駆動されるモータは増加させない。また、商用電源17により駆動される一番古いモータの切り離しもしない。
【0090】
また、次に切替るモータが既にONしていて切り替われない場合や、モータが1台しか使用(設定または選択)されていない場合は、定時切替によるモータ増加動作ができないため、商用電源17により駆動される一番古いモータを切り離すことはしない。さらに、切替積算タイマ79の積算値は、通常のモータ増加・減少時および、定時切替時にクリアされる。また、定時切替時は、商用電源17により駆動されるモータのみ切替え、商用電源17により駆動されるモータは増加しないこととする。
【0091】
定時切替動作では、停電前の定圧給水制御装置11の駆動情報を電源バックアップされたRAMに記憶しておく。従って、復電したときにこのRAMから停電前の駆動状態を読み出して同じ状態から継続運転を再開することが可能である。
【0092】
図7は、定時切替動作例を示しており、循環方式では、モータM1〜M4を全てPWMインバータ77または商用電源17を用いて駆動し、補助ポンプMSは用いない構成である。
図7に示す表の1行目では、モータM1をPWMインバータ77により駆動し、モータM2〜M4が停止状態の場合、定時切替時間になると、モータM1が停止し、モータM2へPWMインバータ77による駆動が移ることを表している。また、4行目では、全てのモータが駆動しているため、定時切換は行わないこととする。
【0093】
そして、ステップS150では、運転指令がONかどうかを判断する。すなわち、運転ホールド指令部43からワンショットの運転信号が運転ホールド判定部93に入力された場合には、運転ホールド信号を継続してPWMインバータ77に出力しているので、運転を継続する。運転ホールド信号がON状態の場合には、運転を継続するため、ステップS30に戻り、上述した処理を繰り返す。
一方、運転中にSTOP信号(操作表示パネル13に設けられた「STOP」キーからの信号)が入力されて運転ホールド信号がOFF状態になった場合や停電時の場合には、運転を停止するため、ステップS160へ進む。
【0094】
ステップS160では、停電時及び停止時動作として、以下の停止動作を行う。
停止動作として、減速停止動作の場合、停止指令が入力されると、指令周波数(圧力指令)は減速勾配(5〜30秒程度の第1減速時間または圧力減速勾配)に従って0となり、PID出力も0に向かって徐々に減少するように制御する。PID演算部69の出力周波数が下限周波数以下になった場合、PWMインバータ77に設けられたスイッチング素子のゲートをオフし、PWMインバータ77の動作を停止する。
【0095】
即時停止動作の場合、停止指令が入力されると、PWMインバータ77に設けられたスイッチング素子のゲートを即座にオフし、PWMインバータ77に接続されているモータはフリーランして停止する。
固定/循環モード設定部45よりオペレータが設定した運転モードが1,3,5,7,9,11,13となっている場合は、PWMインバータ77に設けられたスイッチング素子のゲートをオフすると同時に、リレー駆動部91により制御されるリレーRY2〜7は全てOFFに設定する。
【0096】
固定/循環モード設定部45よりオペレータが設定した運転モードが2,4,6,8,10,12,14となっている場合は、リレー駆動部91により制御されるリレー信号は変化せず、商用電源17により駆動中のモータはそのまま運転を継続する。
固定/循環モード設定部45よりオペレータが設定した運転モードが5〜8,11〜14となっている場合に、補助ポンプMSのみが駆動中のときに停止させるときには、操作表示パネル13を用いて停止するように操作する。
【0097】
以下、本実施の形態における効果を説明する。
(1)PWMインバータ77により駆動されているモータの駆動時間が所定時間だけ連続した場合には、停止状態にあるモータをPWMインバータ77から駆動するようにリレーを制御するとともに、PWMインバータ77により駆動されているモータを停止するように制御することで、個々のモータにおけるPWMインバータ77による駆動運転時間を均一化することができ、給水システムの寿命を伸ばすことができる。
【0098】
(2)モータ毎に装置への切り離しまたは投入を選択するためのスイッチを備え、このスイッチによる選択に応じてモータ毎に装置への切り離しまたは投入を行うように制御することで、給水システムの故障時やメンテナンス時に、給水システムの制御を継続することができ、同時に、給水システムから切り離したモータのメンテナンスなどを行うことができる。
【0099】
(3)入力された複数の圧力指令値を記憶し、記憶されている複数の圧力指令値のうちの所望の1つを指定するための操作指示を入力しておき、指定された圧力指令値に応じて、圧力一定になるようにPWMインバータ77をPID制御してモータを駆動するとともに、圧力が所定範囲から外れる場合に商用電源により駆動されるモータを増減するように制御することで、圧力が頻繁に変化するような状況時と、圧力が安定する状況時とに応じて容易に給水システムの動作を変更することができる。
【0100】
(4)PWMインバータ77の周波数が上限値に制限されている場合には、商用電源から供給するモータを増設するように制御し、インバータの周波数が下限値に制限されている場合には、商用電源から供給するモータを減設するように制御することで、水圧の変化に応じて最適なモータの台数で給水システムを運転することができる。
【0101】
(5)入力された複数の切替時間のうちの所望の1つを圧力の検出値に応じて選択しておき、選択された切替時間に従って、モータ毎に供給する電力を商用電源またはインバータに切替るように制御することで、圧力が頻繁に変化するような状況時と、圧力が安定する状況時とに応じて容易に給水システムの切替時間を変更することができる。
【0102】
(6)入力された圧力指令値を記憶しておき、検出された給水ポンプから吐出される水流の圧力検出値、または、記憶された圧力指令値を表示することで、圧力を直接的に設定して表示することができ、かつ、検出された圧力を直接的に表示することができるので、給水システムの圧力の設定と調整を容易に行うことができる。
【0103】
(7)オペレータによる操作に応じて運転スイッチから運転信号が入力された場合に、運転を継続することとを表す運転継続信号を出力するようにしておき、この運転継続信号が入力されている間に、インバータにより駆動されているモータの駆動時間が所定時間だけ連続した場合には、インバータにより駆動されているモータを停止し、当該モータとは別のモータをインバータから駆動するように制御することで、一度運転スイッチをオン操作しただけで、インバータにより駆動されるモータの増減時にも、モータを切り替えた後にインバータを再起動して、給水システムの運転を継続することができる。
【0104】
(8)インバータにより駆動されるモータのみが運転状態にある場合に、インバータの出力周波数が所定の下限周波数まで低下して所定時間を経過したときには、インバータにより駆動されているモータを停止し、補助ポンプを駆動するためのモータに商用電源を供給するように制御することで、負荷の小さい深夜等でも、極小容量の商用電源によりモータを駆動させて補助ポンプにより給水システムの運転を継続することができ、省エネルギー効果を得ることができる。
【0105】
(9)圧力の検出値と圧力指令値との関係が所定の条件を満たす場合には、インバータにより駆動されているモータの運転を開始し、補助ポンプを駆動するためのモータへの商用電源の供給を停止するように制御することで、深夜等の負荷が小さい状況から負荷が大きくなった状況でも、給水ポンプにより給水システムの運転を継続することができる。
【0106】
(変形例)
本発明に係る定圧給水制御装置は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、例えば次の変形例が可能なものである。
(1)給水システムに対応する駆動モータの切り離し、投入の選択は、操作表示パネル13からのSWによる選択以外に、通信手段を介在した外部からの選択、パーソナルコンピュータなどからの外部信号による選択でも良い。
【0107】
(2)圧力指令切替部61により切替られる圧力指令は、2種類とは限らず、複数設定しておいて、これらを切替て用いても良い。
(3)切替判定決定部85により切替られる切替判定時間は、2種類とは限らず、複数設定しておいて、これらを切替て用いても良い。
【0108】
(4)操作表示パネル13により設定されるパラメータは、通信手段を介在した外部からの設定、パーソナルコンピュータなどからの外部信号による設定でも良い。
(5)ポンプに設けられたモータの電源切替用リレーは、半導体スイッチ等の接点素子を用いても良い。
【0109】
(6)上述した実個々のモータにおけるPWMインバータ77による駆動運転時間を均一化することができる本実施の形態では、ポンプ台数を固定した場合について説明したが、ポンプ台数に制約を設けることなく、増設可能である。
(7)上述した実施の形態では、給水システムについて説明したが、水に代わって、粒体、気体、物体等の圧力または流量等の一定制御に応用可能であり、その場合、ポンプ以外の負荷を想定することができる。
【0110】
【発明の効果】
一般にインバータからの高圧サージ等に影響されることが多い駆動モータの方が劣化し易いが、本発明によれば、インバータによる駆動が一定時間継続したときにインバータにより駆動されているモータを他の停止状態のモータに切替ることにより、個々のモータにおけるPWMインバータによる駆動運転時間を均一化することができ、給水システムの寿命を伸ばすことができる。
【0111】
また、本発明によれば、モータ毎に装置への切り離しまたは投入を選択するためのスイッチを備え、このスイッチによる選択に応じてモータ毎に装置から切り離した無効状態または装置へ投入した有効状態とを切替るように制御することで、給水システムの故障時やメンテナンス時に、給水システムの制御を継続することができ、同時に、給水システムから切り離したモータのメンテナンスなどを行うことができる。
【0112】
さらに、圧力が頻繁に変化するような状況時と、圧力が安定する状況時とに応じて容易に給水システムの動作を変更することができる。
【0113】
また、水圧の変化に応じて最適なモータの台数で給水システムを運転することができる。
【0114】
また、圧力が頻繁に変化するような状況時と、圧力が安定する状況時とに応じて容易に給水システムの切替時間を変更することができる。
【0115】
また、圧力を直接的に設定して表示することができ、かつ、検出された圧力を直接的に表示することができるので、給水システムの圧力の設定と調整を容易に行うことができる。
【0116】
また、一度運転スイッチをオン操作しただけで、インバータにより駆動されるモータの増減時にも、モータを切り替えた後にインバータを再起動して、給水システムの運転を継続することができる。
【0117】
また、負荷の小さい深夜等でも、極小容量の商用電源によりモータを駆動させて補助ポンプにより給水システムの運転を継続することができ、省エネルギー効果を得ることができる。
【0118】
また、深夜等の負荷が小さい状況から負荷が大きくなった状況でも、給水ポンプにより給水システムの運転を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る定圧給水制御装置が適用可能な給水システムの構成を示す図である。
【図2】操作表示パネル13のキー内容や表示内容を示す図である。
【図3】運転モード一覧表を示す図である。
【図4】定圧給水制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】循環モード時のモータの制御状態を表すタイミングチャートである。
【図6】選択されたポンプを切替る動作例を示す表である。
【図7】定時切替動作例を示す表である。
【符号の説明】
11 定圧給水制御装置
13 操作表示パネル
15 給水パイプ
17 商用電源
21 切替部
23 圧力センサ
31 ドライブSW
33 圧力指令部
35 圧力表示器
37 切替判定時間選択信号
39 モータ選択SW
41 定時切替時間設定部
43 運転ホールド指令部
45 固定/循環モード設定部
51 電流・電圧/圧力変換部
53 フィルタ部
55 負荷状態検出部
61 圧力指令切替部
63 圧力勾配作成部
65 圧力リミッタ部
67 減算器
69 PID演算部
71 周波数リミッタ部
73 ゲートON/OFF判定スイッチ部
75 整流器
77 PWMインバータ
79 切替積算タイマ
81 定時切替判定部
82 モータ増減判定部
83 駆動リレー選択部
85 切替判定決定部
87 モータ選択判定部
89 補助ポンプ駆動判定部
81 リレー駆動部
93 運転ホールド判定部

Claims (9)

  1. 給水ポンプを駆動するための複数のモータと、
    給水ポンプから吐出される水流の圧力を検出する圧力検出手段と、
    交流電力を出力するインバータと、
    前記モータ毎に供給する電力を商用電源またはインバータの出力に切替る切替手段と、
    前記圧力検出手段からの圧力検出値と予め設定された圧力指令値により吐出水流の圧力が一定になるようにインバータを制御してモータを駆動するとともに、圧力が所定範囲から外れる場合に商用電源から駆動するモータを増減するように前記切替手段を制御する制御手段と、
    インバータにより駆動されているモータの駆動時間が所定時間だけ連続したかどうかを判断する駆動時間判断手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記駆動時間判断手段によりインバータにより駆動されているモータの当該インバータによる継続駆動時間が所定時間に達したと判断した場合には、当該インバータにより駆動されているモータを停止すると共にそれまで停止状態にあった他のモータのうちの1台をインバータから駆動するように前記切替手段を制御することを特徴とする定圧給水制御装置。
  2. 前記モータ毎に装置から切り離した無効状態または装置へ投入した有効状態を選択するためのスイッチを備え、
    前記制御手段は、前記切替手段を制御して、前記スイッチを投入するモータより番号が大きい商用電源により作動中のモータがある場合、当該スイッチを投入するモータを作動させ、モータ番号が最も大きい商用電源により作動中のモータを停止させ、前記スイッチを投入するモータより番号が大きい商用電源により作動中のモータがない場合、当該モータを停止状態にして前記スイッチを投入して有効状態にするように制御することを特徴とする請求項1に記載の定圧給水制御装置。
  3. 入力された複数の圧力指令値を記憶する圧力指令値記憶手段と、
    圧力指令値記憶手段に記憶されている複数の圧力指令値のうちの所望の1つを指定するための操作指示を入力する圧力指令値指示手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記圧力指令値記憶手段からの圧力指令値に応じて、吐出水流の圧力が一定になるようにインバータを制御してモータを駆動するとともに、圧力が所定範囲から外れる場合に商用電源から駆動するモータを増減するように切替手段を制御することを特徴とする請求項1記載の定圧給水制御装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記インバータの周波数が上限値に制限されている場合には、前記商用電源から供給するモータを増設するように前記切替手段を制御し、前記インバータの周波数が下限値に制限されている場合には、前記商用電源から供給するモータを減設するように前記切替手段を制御することを特徴とする請求項3記載の定圧給水制御装置。
  5. 入力された複数の切替時間を記憶する切替時間記憶手段と、
    切替時間記憶手段に記憶されている複数の切替時間のうちの所望の1つを前記圧力検出手段からの検出値に応じて選択する切替時間選択手段とを備え、
    前記制御手段は、
    切替時間選択手段により選択された切替時間に従って、前記切替手段を制御することを特徴とする請求項4記載の定圧給水制御装置。
  6. 入力された圧力指令値を記憶する圧力指令値記憶手段と、
    前記圧力検出手段により検出された給水ポンプから吐出される水流の圧力検出値、または、前記圧力指令値記憶手段に記憶された圧力指令値を表示する圧力表示手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の定圧給水制御装置。
  7. 操作に応じて運転の開始を示すワンショットの運転信号を出力する運転スイッチと、
    前記運転スイッチから運転信号が入力された場合に、運転を継続することを表す運転継続信号を出力する運転継続判定手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記運転継続判定手段から運転継続信号が入力されている間に、前記駆動時間判断手段によりインバータにより駆動されているモータの駆動時間が所定時間だけ連続した場合には、前記インバータにより駆動されているモータを停止し、当該モータとは別のモータをインバータから駆動するように前記切替手段を制御することを特徴とする請求項1記載の定圧給水制御装置。
  8. 前記給水ポンプとは別に給水を補助する補助ポンプを駆動するためのモータと、
    前記補助ポンプを駆動するためのモータに商用電源を供給するように切替る第2の切替手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記インバータにより駆動されるモータのみが運転状態にある場合に、前記インバータの出力周波数が所定の下限周波数まで低下して所定時間を経過したときには、前記インバータにより駆動されているモータを停止し、前記補助ポンプを駆動するためのモータに商用電源を供給するように前記第2の切替手段を制御することを特徴とする請求項1記載の定圧給水制御装置。
  9. 前記制御手段は、
    前記圧力検出手段からの検出値と圧力指令値との関係が所定の条件を満たす場合には、前記インバータにより駆動されているモータの運転を開始し、前記補助ポンプを駆動するためのモータへの商用電源の供給を停止するように前記第2の切替手段を制御することを特徴とする請求項8記載の定圧給水制御装置。
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