JP5129354B2 - 給水装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転機械装置に係り、特にポンプをインバータ制御して集合住宅などに給水を行う給水装置などの回転機械装置に関するものである。
例えば、給水装置などの回転機械装置においては、商用交流電源の周波数および電圧を任意の周波数および電圧に変換するインバータを用いることにより、ポンプを可変速運転することが広く行われている。インバータは、ポンプを駆動するモータの回転速度を任意に変えられるため、ポンプの負荷に対応した最適な回転速度で運転することが可能となり、定格速度で運転する場合に比較して省エネルギー化を図ることができる。
このようなインバータには、電流や周波数、インバータに関する情報を表示するための液晶ディスプレイや7セグメント表示器などからなる表示部と、インバータの設定(例えば加速時間や減速時間等の設定)や表示部に表示する内容を変更する(切り替える)ボタンなどの操作部とが設けられる。複数のポンプを複数のインバータを用いて制御する場合には、このような表示部および操作部がインバータごとに設けられる。また、インバータを制御する制御部が設けられる場合には、この制御部にも表示部と操作部が設けられる。
このように、従来の給水装置において複数のインバータを用いる場合には、インバータの数に制御基板の数を加えた分だけの表示部および操作部が設けられていた。このように、従来の給水装置などの回転機械装置においては、多くの表示部が必要となり、これらの表示部がコストの上昇を招いていた。また、多くの表示部が別々に存在していたため、操作者が表示内容を理解することが容易ではなかった。
また、任意のポンプやインバータを手動で強制停止したり、運転停止にしたりする場合に、制御部に接続された操作部および表示部を使って操作するのでは、対象とするポンプやインバータの指定などの操作が煩雑になる。また、ポンプごとにインターロック機構を設けることで操作を容易にすることができるが、部品が増えるので結果的にコストアップにつながってしまう。
また、従来、インバータにはインバータ自身が必要とする電源を設け、制御部には制御部自身が必要とする電源を設けていた。したがって、インバータ用の電源と制御部用の電源とそれぞれの電源開発が必要となり、これがコストアップの要因となっていた。また、これらの電源はスペースを必要とするため、電源を搭載する分だけインバータおよび制御部の基板の大きさが大きくならざるを得なかった。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、構成要素を必要最小限にして製造コストを低減することができる給水装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、複数のポンプと、対応するポンプの回転周波数を可変制御する複数のインバータと、上記複数のインバータを制御する制御部とを備えた給水装置が提供される。上記インバータは、該インバータに電力を供給するとともに上記制御部に電力を供給する電源部を備えている。
このように、インバータの電源部から制御部に電力を供給することによって、制御部用の直流電源を別途設ける必要がなくなる。したがって、装置の製造コストを低減することができ、制御部の大きさも小さくすることができる。また、安定した電源の開発には相当の時間および費用がかかるが、上記態様によれば、インバータに搭載する電源部の開発だけでよいので、装置のコストダウンを図ることができる。また、制御部は、複数のインバータの電源部から電力の供給を受けているので、例えば、あるインバータの漏電遮断器が動作しても、他のインバータについて漏電遮断器が動作していなければ、該他のインバータの電源部から制御部に電力を供給することができる。このように、制御部への電源の供給を安定化することができる。
本発明の一参考例によれば、回転機械と、上記回転機械の回転周波数を可変制御するインバータと、上記インバータを制御する制御部とを備えた回転機械装置が提供される。上記制御部は、上記インバータに関する情報を表示する表示部を備えている。
本参考例によれば、従来インバータに設けられていた表示部をなくすことができ、必要最小限の構成のインバータとすることができる。インバータを制御する制御部に表示部を集約して設けているので、表示部の数を最小限にして、回転機械装置を安価に製造することができる。また、表示部の数が少ないので、操作者が容易に表示内容を理解することができ、操作性を向上させることができる。
上記インバータは、該インバータの設定を行うために必要最小限の操作部を備えていることが好ましい。このように、インバータの設定を行うために必要最小限の操作部をインバータに残しておけば、インバータの数が増減しても、制御部の操作部の構成を変更する必要がない。
本発明の他の参考例によれば、複数のポンプと、対応するポンプの回転周波数を可変制御する複数のインバータと、上記複数のインバータを制御する制御部とを備えた給水装置が提供される。上記複数のインバータは、上記対応するポンプの自動運転・停止・試験運転といったポンプの運転状態の切替を行う運転切替スイッチを備えている。
このように、自動運転・停止・試験運転といったポンプの運転状態の切替を行う運転切替スイッチが操作部として各インバータに設けられているので、任意のポンプを強制的に停止や運転させたい場合に、容易にその目的を達成することができる。
本発明のさらに他の参考例によれば、複数のポンプと、対応するポンプの回転周波数を可変制御する複数のインバータと、上記複数のインバータを制御する制御部とを備えた給水装置が提供される。上記複数のインバータは、点灯および消灯により上記対応するポンプの運転状態を示すランプを備えている。
このように、点灯および消灯により対応するポンプの運転状態を示すランプが各インバータに設けられているので、ポンプの運転状態を表示するために複雑で高価な液晶ディスプレイや7セグメント表示器を設ける必要がなくなり、給水装置のコストを低減することができる。
上述したように、本発明によれば、給水装置をはじめとする回転機械装置の構成要素を必要最小限にして製造コストを低減することができる。
本発明の第1の実施形態における給水装置を示す概略図である。 図1のインバータを示す概略図である。 図1の制御部を示す概略図である。 図2のインバータと図3の制御基板との間の電源系統を示す概略図である。 本発明の第2の実施形態における給水装置のインバータを示す概略図である。 本発明の第2の実施形態における給水装置の制御部を示す概略図である。 本発明の第3の実施形態における給水装置を示す概略図である。
以下、本発明に係る回転機械装置の実施形態について図1から図7を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、回転機械装置として給水装置を用いた例について説明する。また、図1から図7において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態における給水装置1を示す概略図である。図1に示すように、給水装置1は、2つの受水槽2と、配管10を介して各受水槽2に接続される2つのポンプ3と、ポンプ3を駆動するモータ4と、モータ4の回転周波数を制御するインバータ5と、インバータ5をはじめとする各種機器を制御する制御部6とを備えている。
各受水槽2には、電極棒12aにより受水槽2の水位を検知する水位検知器12が設けられている。本実施形態における水位検知器12は、4つの液面レベル(満水、減水、復帰、渇水)を検知する。各受水槽2には、水道本管(図示せず)に接続された給水管14から電磁弁16を介して水道水が導入されるようになっている。水位検知器12により受水槽2の水位が検知され、水位の増減に応じて制御部6により電磁弁16が開閉される。このような構成により、受水槽2に水道水がいったん貯水され、この貯水された水がポンプ3により住宅等の末端の需要先に供給されるようになっている。
各ポンプ3の吐出側には、配管18および吐出管20が接続されており、ポンプ3により受水槽2内の水道水が住宅等の末端の需要先に供給されるようになっている。配管18にはチェッキ弁22およびフロースイッチ24がそれぞれ設けられており、フロースイッチ24の出力は各インバータ5に入力される。なお、チェッキ弁22はポンプ3が停止した場合に吐出側から吸込側に水が逆流することを防止するための逆流防止弁であり、フロースイッチ24は配管18内の水量が少なくなったことを検出するためのものである。
吐出管20には、ポンプ3の吐出圧力を検出する圧力センサ26が設置されており、この圧力センサ26の出力信号は制御部6に入力されている。また、吐出管20には圧力タンク28が接続されており、フロースイッチ24により水量が少なくなったことが検出された場合には、ポンプ3の締切運転を防止するために、圧力タンク28に蓄圧してからポンプ3の運転を停止することができる。
この給水装置1においては、フロースイッチ24や圧力センサ26などの出力信号に基づいて、ポンプ3の回転速度(回転周波数)がインバータ5を用いて可変速制御される。一般的には、圧力センサ26により検出された圧力信号が設定された目標圧力と一致するようにポンプ3の回転速度を制御してポンプ3の吐出圧力が一定になるように制御する吐出圧力一定制御や、ポンプ3の吐出圧力の目標値を適切に変化させることにより末端の需要先における供給水圧を一定に制御する推定末端圧力一定制御などが行われる。これらの制御によれば、その時々の需要水量に見合った回転速度でポンプ3が駆動されるので、省エネルギーを達成することができる。
また、フロースイッチ24がONになると、水の使用のない、水量が少ない状態と判断され、ポンプ3の運転が停止される。吐出圧力の低下などにより水の使用が検知されると、ポンプが再起動される。水量の少ないときにポンプ3を停止する場合には、一度ポンプ3を加速して、圧力タンク28に蓄圧してからポンプ3を停止する蓄圧運転を行ってもよい。
本実施形態の給水装置1は、複数のポンプを備えているので、追加解列を伴う複数台運転を行ったり、運転中に特定のポンプ3やインバータ5の異常が検知された場合に、他の正常なポンプ3やインバータ5に運転を切り替えて給水を継続することができる。
図2は、図1のインバータ5を示す概略図である。図2に示すように、インバータ5は、主基板50と、インバータ5の設定(例えば加速時間や減速時間等の設定)などを行う操作パネル52と、各種信号の入出力を行うI/O基板(入出力基板)54とを備えている。
主基板50は、漏電遮断器(Earth Leakage Circuit Breaker:ELB)56を介して入力された交流電力を整流する整流器500と、整流器500によって整流された電力を所望の周波数の交流電力に変換するスイッチング素子(電力部)501と、制御部6や他のインバータ5とシリアル通信ケーブル30を介して情報の授受を行う通信部(シリアルポート)502と、各種のプログラムを記憶したメモリ(ROMや書換え可能な不揮発性記憶素子であるフラッシュメモリ等)503と、メモリ503に記憶されたプログラムに基づいて演算制御動作を行うCPU504とを備えている。
主基板50は、漏電遮断器56を介して入力される電力を整流器500で直流電力に変換し、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのスイッチング素子501を駆動して所望の周波数の交流電力(制御部6から通信部502を介して送られる情報に応じた周波数の電力)に変換して、ポンプ3を駆動するモータ4にこの電力を供給する。
メモリ503には、スイッチング素子501の制御や通信部502を介した情報の授受、I/O基板54や操作パネル52との情報の授受を行うためのプログラムや、各種のインバータ制御および運転制御プログラムが記憶されている。これらのプログラムは、CPU504によって実行される。なお、メモリ503とCPU504とは同一の半導体チップ上に搭載されたものであってもよい。メモリ503やCPU504などは直流電力で駆動されるため、インバータ5の主基板50には、直流電力を主基板50に供給する電源部505が設けられている。この電源部505は、トランスや整流器、コンデンサなどにより構成される。なお、この電源部505は操作パネル52やI/O基板54にも電力を供給するようになっている。
I/O基板54は、インバータ5の使用用途により自由に改変可能な各種の入力端子および出力端子を備えている。図2に示すI/O基板54では、各ポンプ3に設けられポンプ3の温度を検知するサーミスタからの信号が入力されるアナログ入力端子540と、インバータ5の1次側に設けられた漏電遮断器56のトリップ信号やポンプ3の吐出側に設けられたフロースイッチ24のON/OFF信号が入力されるデジタル入力端子541と、ポンプ3が運転中であるかどうか(ポンプの発停)を示すON/OFF信号である運転信号やポンプ3やインバータ5などの故障を知らせる故障信号を装置外部に出力するためのデジタル出力端子542とが設けられている。
また、I/O基板54にはディップスイッチ543が設けられており、このディップスイッチ543は複数のインバータを有する給水装置におけるインバータ番号(ポンプ番号)の設定などに用いられる。
このように、I/O基板54は、サーミスタや漏電遮断器56、フロースイッチ24などといった、ポンプの系列ごとに必要とされる信号(ポンプに依存する入力信号)の入力端子を備えており、同様に、運転や故障といった、ポンプの系列ごとに必要とされる信号(ポンプに依存する出力信号)の出力端子も備えている。したがって、従来のように制御部6にこれらの入出力端子を設ける必要がなくなり、ポンプの台数が増えた場合にも、これらの信号の入出力用に別途基板を用意する必要がなくなる。
I/O基板54と主基板50とは、インタフェイス544,506を介して互いに接続されている。I/O基板54の入力端子540,541から入力された信号は、主基板50のメモリ503に記憶されたプログラムに従って、通信部502から制御部6に送信される。また、制御部6や主基板50のCPU504の判断に基づいて故障信号がインタフェイス506,544を介して出力端子542から外部に出力される。
図2に示すように、操作パネル52は、インバータ5により駆動されるポンプ3の運転状態、すなわち試験・停止・自動運転を選択する運転切替スイッチ(操作部)520と、運転・故障を示すランプ521と、インバータ5の設定等を行うのに最低限必要な数の操作ボタン(操作部)522とを備えている。この操作パネル52は、従来のインバータの操作パネルとは異なり、インバータ5に関する情報を表示するための液晶ディスプレイや7セグメント表示器などからなる表示部を備えていない。
操作パネル52は、インタフェイス523,545を介してI/O基板54に接続されている。運転切替スイッチ520を切り替えることにより、ポンプ3の運転状態を切り替えることができ、操作ボタン522を操作することによりインバータ5の設定(例えば加速時間や減速時間等の設定)や表示部に表示する内容を変更する(切り替える)ことができるようになっている。なお、本実施形態においては、操作パネル52を主基板50と別に形成し、インタフェイス523,545を介して操作パネル52をI/O基板54に接続しているが、操作パネル52をI/O基板54と一体に形成してもよい。
操作パネル52の運転切替スイッチ520を「自動」にすると、制御部6からの指令に従ってポンプ3が可変速制御される。運転切替スイッチ520を「停止」にすると、インバータ5は制御部6の指令にかかわらずポンプ3の駆動を停止する。また、運転切替スイッチ520を「試験」にすると、インバータ5、モータ4、およびポンプ3を手動で試験運転(試運転)することができる。給水装置1においては、装置の据付時やポンプ3やモータ4のメンテナンスを行った際などに、該当するポンプ3の試験運転を行う。この試験運転では、装置が動くかどうか、あるいはポンプの回転方向が正しいかどうかなどがチェックされる。
このような運転切替スイッチ520が、各インバータ5に設けられているので、任意のポンプを強制的に停止や運転させたい場合に、容易にその目的を達成することができる。なお、インバータ5は、運転切替スイッチ520が「停止」または「試験」に切り替えられると、停止状態または試験状態に切り替えられたことを制御部6に伝達し、制御部6はこれを考慮した制御を行うことができる。
図3は、図1の制御部6を示す概略図である。図3に示すように、制御部6は、信号の入出力および装置の制御を行う制御基板60と、各種設定を行う操作パネル62とを備えている。
制御基板60は、インバータ5の通信部502と接続される通信部(シリアルポート)600と、各種のプログラムを記憶したメモリ(ROMや書換え可能な不揮発性記憶素子であるフラッシュメモリ等)601と、メモリ601に記憶されたプログラムに基づいて演算制御動作を行うCPU602とを備えている。通信部600を介してポンプ3の発停や回転周波数、インバータ5のトリップ等の情報の授受が行われる。なお、メモリ601とCPU602とは同一の半導体チップ上に搭載されたものであってもよい。
また、制御基板60は、受水槽2の液面に関する信号(水位検知器12の出力信号)等が入力される入力端子603と、圧力センサ26からの出力信号が入力される入力端子604と、電磁弁16への出力信号を出力するための出力端子605と、受水槽2の状態(満水・減水・渇水・故障など)を外部に出力するための出力端子606とを備えている。このように、入力端子603,604にはポンプに依存しない入力信号が入力され、出力端子605,606からはポンプに依存しない出力信号が出力される。また、制御基板60はディップスイッチ607を備えている。
このように、制御基板60には、受水槽2の液面に関する信号、吐出圧力や流入圧力など、ポンプごとに設ける必要のない入出力端子(ポンプに依存しない入出力端子)は設けられているが、上述したように、ポンプ系列ごとに必要な入出力端子(ポンプに依存する入出力端子)については、インバータ5のI/O基板54に設けられているので、制御基板60から入出力端子が減って小型化することができる。これに伴い、コストダウンを見込める。
制御基板60は、メモリ601に記憶された制御プログラムを実行して、操作パネル62で設定された条件や各種センサからの信号に基づいて、各ポンプ3の発停(運転台数)および運転周波数を決定し、インバータ5にそれらを送信してポンプ3の回転周波数制御を行う。また、制御基板60は、各種センサからの信号やインバータ5からのトリップ信号により、ポンプ3の運転を停止する、あるいは他のポンプ3に運転を切り替えるなどの制御を行う。
ここで、装置の据付時、ポンプ3やモータ4のメンテナンス時には、ポンプ3の試験運転(試運転)が行われる。この試験運転は、インバータ5の操作パネル52の運転切替スイッチ520を手動で「試験」に切り替えることにより行われる。試験運転時のモータ4の回転周波数は、操作パネル52の操作ボタン(上下ボタン)522により任意の回転周波数に変更することができるようになっている。しかしながら、高い周波数で試験運転を行うと、水の使用がない場合などに給水装置1の2次側の配管内の圧力が大きく上昇してしまい、配管継手からの漏れなどの問題を生じてしまう。
このような問題を避けるため、試験運転時はインバータ5の最高運転周波数を通常運転時より低くなるように制御している。具体的には、インバータ5の設定において、試験運転時の最高運転周波数自体を設定する、あるいは試験運転時の最高運転周波数を通常運転時の最高運転周波数に対する比率として設定できるようになっている。これにより、給水装置1の2次側の配管内の圧力が過度に上昇することを防止することができる。
また、各インバータ5においては自由に試験運転を行うことができるようになっている。すなわち、他のポンプが自動運転中に、任意の他のポンプを試験運転することができる。この場合、試験運転中のポンプによって加圧された分は、圧力センサ26に検出されるため、試験運転中のポンプの回転速度(回転周波数)が非常に大きくない限り、通常の圧力制御を行っていればよい。しかしながら、そのような回転速度を超えて手動で回転速度を上昇させてしまった場合には、吐出圧力は他のポンプを停止しても目標圧力以上になってしまう。したがって、制御基板60は、試験運転状態のインバータ5に対して、吐出圧力が目標圧力以上に上昇してしまうような場合に、回転速度をそれ以上上昇しないように制御する、あるいは回転速度を低下させるよう制御することができる。すなわち、ポンプ3の試験運転時には吐出圧力が一定以上の圧力に上がらないように、自動的にポンプ3の運転周波数に制限をかけることにより、安全かつ簡単にポンプ3の試験運転を行うことができるようになる。
制御基板60のメモリ601やCPU602は、インバータ5の主基板50の電源部505から直流電力の供給を受けて駆動するようになっている。図4は、インバータ5と制御基板60との間の電源系統を示す概略図である。
インバータ5の主基板50の電源部505の容量は、インバータ5の駆動に必要な電力と制御基板60の駆動に必要な電力とを合わせた電力を基準に設計されている。図2および図4に示すように、主基板50は電源部505に接続された電源端子507を備えており、この電源端子507は、制御部6の制御基板60に設けられた電源端子608に接続されている。このように、インバータ5の主基板50の電源部505は、制御部6の制御基板60に駆動電力(+5V、+12V、+24V等の直流電力)を供給できるようになっている。
このように、インバータ5から制御部6の制御基板60用の電力を供給することによって、制御基板60用の直流電源を別途設ける必要がなくなる。したがって、給水装置の製造コストを低減することができ、制御基板60の大きさも小さくすることができる。また、安定した電源の開発には相当の時間および費用がかかるが、本実施形態によれば、インバータに搭載する電源部の開発だけでよいので、装置のコストダウンを図ることができる。
本実施形態においては、図4に示すように、各インバータ5の電源端子507は直接制御基板60の電源端子608に接続されている。このため、インバータ5の電源部505には、あるインバータの電力が他のインバータに逆流しないように、ダイオード等による逆流防止機構(図示せず)が設けられている。
また、本実施形態においては、複数のインバータ5から制御部6の制御基板60に電力を供給できるようになっている。すなわち、制御基板60には複数のインバータ5の電源部505が並列に接続されているので、仮に、あるインバータが漏電遮断器56のトリップなどにより電力を供給することができなくなっても、他のインバータにより十分な電力を制御基板60に供給することができる。このように、本実施形態における構成は、制御基板60の動作を正常に継続し、給水装置1の運転が停止してしまうことを防止するというバックアップ機能を有し、制御部6への電源の供給を安定化することができる。また、インバータを増設する場合においても、既設のインバータと同形式のインバータを増設するだけでよいので、インバータの数の増減が容易になる。
なお、電源の数を減らすという意味では、図示はしないが、制御基板60に電源部を設け、この電源部から各インバータ5に直流電力を供給するようにしてもよい。あるいは、インバータ5や制御基板60とは別に電源部を設けて、この電源部からインバータ5と制御基板60に直流電力を供給するようにしてもよい。このような場合は、電源部が正常に動作しなかったときに装置が停止してしまうこととなるので、上述したバックアップ機能を実現することができない。また、インバータの増設を考慮した場合、容量に余裕を持たせた電源部を用いるか、もしくはインバータの増設に合わせて電源部を増設する必要が生ずる。
図3に示すように、制御部6の操作パネル62は、装置の状態を示すランプ620と、給水装置1の目標圧力等の運転条件を設定する操作ボタン622と、装置に関する情報を表示するための液晶ディスプレイや7セグメント表示器などからなる表示部624とを備えている。操作ボタン622により、運転モードの選択や運転条件の設定を行う。また、表示部624には、運転中の装置のパラメータなどが表示される。
上述したように、各インバータ5の操作パネル52には、従来のインバータの操作パネルとは異なり表示部が設けられていない。電流や運転周波数などのインバータ5に関する情報は、制御部6の操作パネル62に設けられた表示部624に表示されるようになっている。すなわち、インバータ5の操作パネル52の操作ボタン522を押すと、制御部6の操作パネル62上の表示部624にインバータ5に関する情報が表示されるようになっている。この場合において、操作ボタン522のうち、いずれか1つのボタンを押せば表示部624を切り替えるようにしてもよいし、あるいは、操作ボタン522に表示切替用のボタンを設けてもよい。
このように、本実施形態によれば、インバータ5に液晶等の表示部を設ける必要がないため、装置のコストダウンを図ることができる。また、制御部6に表示部を集約して設けているので、操作者は容易に表示内容を理解することができ、操作性を向上させることができる。
一方、インバータ5の操作パネル52には、必要最小限の操作ボタン522は残してあるため、インバータ5の操作パネル52における操作により表示を切り替えることができる。したがって、制御部6の操作パネル62における操作により表示を切り替える場合に比べて、表示の切替作業が簡便になり、ポンプ3およびインバータ5の増減があった場合にも、制御部6の操作パネル62の表示部624の構造を変更する必要がない。なお、表示のための操作が多少煩雑になってもよい場合には、制御部6の操作パネル62における操作により表示を切り替えて各インバータ5の情報を表示することとしてもよい。
制御部6の操作パネル62は、上述したインバータ5に関する情報を表示する機能に加えて、操作ボタン622の操作により、給水装置1の運転中の吐出圧力や流入圧力等を選択的に表示させることができる機能を有している。また、操作ボタン622の操作により、給水装置1の目標圧力等の運転条件を設定することができる。また、この操作パネル62は警報ブザーを備えており、警報が出されたときは、表示部624に警報内容が表示されるようになっている。
図5は、本発明の第2の実施形態における給水装置のインバータ5aを示す概略図である。図2に示すインバータ5には、インバータ5の設定などを行う操作パネル52が設けられていたが、本実施形態におけるインバータ5aには操作パネルは設けられていない。その代わりに、I/O基板54aには、点灯および消灯により対応するポンプの運転状態を示すランプ546が設けられている。図5に示す例では、このようなランプ546として、運転、停止、故障、試験、自動を示すランプが設けられている。このようなランプ546を用いることで、ポンプの運転状態を表示するために複雑で高価な液晶ディスプレイや7セグメント表示器を設ける必要がなくなり、給水装置のコストを低減することができる。
図6は、本実施形態における制御部6aを示す概略図である。図6に示す操作パネル62aは、図3に示す操作パネル62の操作ボタン622と表示部624に加えて、設定するポンプを選択するボタン625と、選択されたポンプ3の運転状態、すなわち試験・自動運転・運転・停止を選択する運転切替ボタン626とを備えている。すなわち、第1の実施形態のインバータ5の操作パネル52の機能が制御部6aの操作パネル62aに付加されている。
なお、制御部6aの制御基板60aには、給水装置の外部から強制的に運転を停止させるなどの指示を行うためのシステムインターロック端子609が設けられている。例えば、給水装置から隔離された場所に遠隔表示装置を設置し、この遠隔表示装置で運転状態を確認する場合において、外部から装置を停止させるときなどにこのシステムインターロック端子609が用いられる。
図7は、本発明の第3の実施形態における給水装置101を示す概略図である。図7に示す給水装置101は、ポンプ3を水道本管102に直結して水道本管102の圧力を利用して給水を行う直結タイプの給水装置である。この給水装置101においては、水道本管102の水圧を検知するための吸込側圧力センサ103が吸込配管104に設けられており、この出力は制御部6に入力される。また、吸込配管104には、逆流防止装置105が設けられている。
上述した実施形態においては、給水装置にインバータ5を適用した例について説明したが、これに限られるものではない。インバータ5の操作パネル52とI/O基板54とを適切なものに変更し、メモリ503内のプログラムを書き換えるだけで、上記インバータ5を給水装置以外の種々の装置に適用することができる。したがって、インバータ5の主基板50のハードウェアの構成を変更することなく、種々の装置に本発明を適用できるため、装置のコストダウンを図ることができる。
また、DCブラシレスモータを駆動する電源の周波数を制御するための機器は一般にドライバと呼ばれることも多いが、交流電源を整流してスイッチング素子により所望の周波数の電力とする点で、ドライバも誘導電動機を駆動するためのインバータと同一である。したがって、上述した構成のインバータを用いてDCブラシレスモータを駆動してもよい。なお、DCブラシレスモータを使用する場合には、モータの回転信号や電流信号をインバータ5のI/O基板54に入力してもよい。
受水槽2、ポンプ3、モータ4、インバータ5、制御部6、制御基板60などの数は、図示のものに限られるものではないことは言うまでもない。また、インバータ5の通信部502と制御基板60の通信部600との間の通信はシリアル通信だけではなく、無線で行うこともできる。また、上述の実施形態においては、給水装置を例に説明したが、本発明は給水装置に限られるものではない。例えば、回転速度制御の必要なファンや圧縮機などの回転機械装置に用いられるインバータに適用することが可能である。すなわち、ポンプをファンや圧縮機にして、圧力センサを温度センサ等の装置の負荷を検出する装置に変更することにより、ファンや圧縮機を用いた種々の装置に適用することができる。
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
1,101 給水装置
2 受水槽
3 ポンプ
4 モータ
5,5a インバータ
6,6a 制御部
10 配管
12 水位検知器
14 給水管
16 電磁弁
18 配管
20 吐出管
22 チェッキ弁
24 フロースイッチ
26,103 圧力センサ
28 圧力タンク
30 シリアル通信ケーブル
50 主基板
52,62,62a 操作パネル
54,54a I/O基板(入出力基板)
56 漏電遮断器
60 制御基板
102 水道本管
104 吸込配管
105 逆流防止装置
500 整流器
501 スイッチング素子(電力部)
502,600 通信部
503,601 メモリ
504,602 CPU
505 電源部
506,523,544,545 インタフェイス
507,608 電源端子
520 運転切替スイッチ
521,546,620 ランプ
522,622,625,626 操作ボタン
540,541,603,604 入力端子
542,605,606 出力端子
543,607 ディップスイッチ
609 システムインターロック
624 表示部

Claims (2)

  1. 複数のポンプと、
    対応するポンプの回転周波数を可変制御する複数のインバータと、
    前記複数のインバータを制御する制御部と、
    を備え、
    前記インバータは、該インバータに電力を供給するとともに前記制御部に電力を供給する電源部を備えたことを特徴とする給水装置。
  2. 前記制御部には、前記複数のインバータに備えられた複数の前記電源部が並列に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の給水装置。
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