JP2023134982A - 給水装置、および給水装置の運転方法 - Google Patents

給水装置、および給水装置の運転方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023134982000001
【課題】極力断水を回避することができる給水装置を提供する。
【解決手段】給水装置1は、少なくとも1つのポンプ3と、対応するポンプ3の回転周波数を可変制御する少なくとも1つのインバータ5と、少なくとも1つのインバータ5を単独で制御可能であり、かつ互いに通信可能に接続される主制御基板60aおよびバックアップ制御基板60bと、を備える。主制御基板60aおよび/またはバックアップ制御基板60bは、少なくとも1つのインバータ5の制御を主制御基板60aからバックアップ制御基板60bに切り替えるためのバックアップ条件が成立するか否かを監視する。バックアップ制御基板60bは、成立したバックアップ条件に応じて、少なくとも1つのポンプ3の運転状態情報を主制御基板60aからバックアップ制御基板60bに引き継ぐか否かを決定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、給水装置、および給水装置の運転方法に関するものである。
給水装置は、集合住宅やビルなどの建物に設置され、各給水端(例えば、蛇口)へ水を供給する装置として用いられている。給水装置では、商用交流電源の周波数および電圧を任意の周波数および電圧に変換するインバータを用いることにより、ポンプを可変速運転することが広く行われている。このような給水装置においては、複数のポンプのそれぞれを制御する複数のインバータが設けられる場合があり、これらポンプおよびインバータは制御部によって制御される。複数のポンプおよび複数のインバータを用いた給水装置では、あるポンプ・モータが故障(漏電、過電流、欠相など)したときに、自動的に他のポンプ・モータに切り替え、建物への断水を回避することができるようになっている。
また、ポンプおよびインバータの動作を制御する制御基板についても、運転中の制御基板が何らかの不具合によって正常に動作しなくなった場合に備えてバックアップ用の制御基板を備えた給水装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。このような給水装置によれば、制御基板の異常などのバックアップ条件が成立した際に、ポンプおよびインバータの動作の制御を、運転中の制御基板から待機中のバックアップ用の制御基板へ切り替えることにより、断水を回避することができる。
特開2005-351267号公報
従来の給水装置では、運転中の制御基板からバックアップ用の制御基板にインバータの制御を切り替える際に、一旦、ポンプおよびインバータを停止させ、短時間が経過した後でバックアップ用の制御基板を用いてポンプおよびインバータを再運転している。この理由は、制御基板の異常などのバックアップ条件が成立した直後にポンプをそのまま運転すると、思わぬ不具合が給水装置に発生するおそれがあり、そのため、安全に給水装置を再始動させるための遅延時間を、ポンプおよびインバータに対して設けたからである。したがって、従来は、運転中の制御基板からバックアップ用の制御基板にポンプおよびインバータの運転・制御を切り替える際に、わずかな時間ではあるものの建物への給水が停止してしまう。
一方で、給水装置の使用者および利用者(以下、単に「使用者」と称する)は、建物への給水の停止(すなわち、断水)をできる限り回避したいと望む傾向にある。そのため、たとえわずかな時間であっても断水を回避して、建物に水を供給可能な状態を維持して欲しいと望む使用者は少なくない。
そこで、本発明は、極力断水を回避することができる給水装置、および給水装置の運転方法を提供することを目的とする。
一態様では、少なくとも1つのポンプと、対応する前記ポンプの回転周波数を可変制御する少なくとも1つのインバータと、前記少なくとも1つのインバータを単独で制御可能であり、かつ互いに通信可能に接続される主制御基板およびバックアップ制御基板と、を備え、前記主制御基板および/または前記バックアップ制御基板は、前記少なくとも1つのインバータの制御を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に切り替えるためのバックアップ条件が成立するか否かを監視し、前記バックアップ制御基板は、成立した前記バックアップ条件に応じて、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐか否かを決定する、給水装置が提供される。
一態様では、前記給水装置は、前記主制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第1圧力センサと、前記バックアップ制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第2圧力センサと、をさらに備え、前記バックアップ条件は、前記第1圧力センサの異常および/または故障を含んでおり、前記主制御基板および/または前記バックアップ制御基板が前記第1圧力センサの異常および/または故障を検出したとき、前記バックアップ制御基板は、前記第2圧力センサの測定値に応じて、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐか否かを決定する。
一態様では、前記バックアップ制御基板は、前記第2圧力センサの測定値が予め定められた許容範囲内であるときに、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐ。
一態様では、前記給水装置は、前記主制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第1圧力センサと、前記バックアップ制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第2圧力センサと、をさらに備え、前記バックアップ条件は、前記第1圧力センサの異常および/または故障を含んでおり、前記主制御基板および/または前記バックアップ制御基板が前記第1圧力センサの異常および/または故障を検出したとき、前記バックアップ制御基板は、前記少なくとも1つのポンプを停止させる。
一態様では、前記バックアップ条件は、前記主制御基板と前記バックアップ制御基板との間の通信異常、および前記主制御基板と前記少なくとも1つのインバータとの間の通信異常を含み、前記主制御基板および/または前記バックアップ制御基板が前記主制御基板と前記バックアップ制御基板との間の通信異常、または前記主制御基板と前記少なくとも1つのインバータとの間の通信異常を検出したとき、前記バックアップ制御基板は、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐ。
一態様では、前記バックアップ条件は、前記主制御基板の演算処理部の異常を含み、前記主制御基板および/または前記バックアップ制御基板が前記主制御基板の演算処理部の異常を検出したとき、前記バックアップ制御基板は、前記少なくとも1つのポンプを停止させる。
一態様では、少なくとも1つのポンプと、対応する前記ポンプの回転周波数を可変制御する少なくとも1つのインバータと、前記少なくとも1つのインバータを単独で制御可能であり、かつ互いに通信可能に接続される主制御基板およびバックアップ制御基板と、前記主制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第1圧力センサと、前記バックアップ制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第2圧力センサと、を備え、前記主制御基板および/または前記バックアップ制御基板は、前記少なくとも1つのインバータの制御を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に切り替えるためのバックアップ条件が成立するか否かを監視し、前記バックアップ条件が成立した場合、前記バックアップ制御基板は、前記第2圧力センサの測定値に応じて、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐか否かを決定する、給水装置が提供される。
一態様では、少なくとも1つのポンプと、対応する前記ポンプの回転周波数を可変制御する少なくとも1つのインバータと、前記少なくとも1つのインバータを単独で制御可能であり、かつ互いに通信可能に接続される主制御基板およびバックアップ制御基板と、を備えた給水装置の運転方法であって、前記少なくとも1つのインバータの制御を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に切り替えるためのバックアップ条件が成立するか否かを監視し、成立した前記バックアップ条件に応じて、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐか否かを決定する、給水装置の運転方法が提供される。
一態様では、前記給水装置は、前記主制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第1圧力センサと、前記バックアップ制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第2圧力センサと、をさらに備えており、前記バックアップ条件は、前記第1圧力センサの異常および/または故障を含んでおり、前記第1圧力センサの異常および/または故障を検出したとき、前記第2圧力センサの測定値に応じて、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐか否かを決定する。
一態様では、前記少なくとも1つのポンプは末端圧力推定制御で運転され、前記第2圧力センサの測定値が予め定められた許容範囲内であるときに、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐ。
一態様では、前記給水装置は、前記主制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第1圧力センサと、前記バックアップ制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第2圧力センサと、をさらに備えており、前記バックアップ条件は、前記第1圧力センサの異常および/または故障を含んでおり、前記第1圧力センサの異常および/または故障を検出したとき、前記バックアップ制御基板は、前記少なくとも1つのポンプを停止させる。
一態様では、前記バックアップ条件は、前記主制御基板と前記バックアップ制御基板との間の通信異常、および前記主制御基板と前記少なくとも1つのインバータとの間の通信異常を含み、前記主制御基板と前記バックアップ制御基板との間の通信異常、または前記主制御基板と前記少なくとも1つのインバータとの間の通信異常を検出したとき、前記バックアップ制御基板は、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐ。
一態様では、前記バックアップ条件は、前記主制御基板の演算処理部の異常を含み、前記主制御基板の演算処理部の異常を検出したとき、前記バックアップ制御基板は、前記少なくとも1つのポンプを停止させる。
一態様では、少なくとも1つのポンプと、対応する前記ポンプの回転周波数を可変制御する少なくとも1つのインバータと、前記少なくとも1つのインバータを単独で制御可能であり、かつ互いに通信可能に接続される主制御基板およびバックアップ制御基板と、前記主制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第1圧力センサと、前記バックアップ制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第2圧力センサと、を備えた給水装置の運転方法であって、前記少なくとも1つのインバータの制御を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に切り替えるためのバックアップ条件が成立するか否かを監視し、前記バックアップ条件が成立した場合、前記第2圧力センサの測定値に応じて、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐか否かを決定する、給水装置の運転方法が提供される。
本発明によれば、成立したバックアップ条件次第で、主制御基板が制御していた各ポンプの運転状態情報をバックアップ制御基板が引き継ぐ。すなわち、成立したバックアップ条件次第では、各ポンプの運転が事前の状態で継続され、停止する時間が発生しない。その結果、建物への断水を極力回避することができる。
図1は、一実施形態に係る給水装置を示す概略図である。 図2は、他の実施形態に係る給水装置を示す概略図である。 図3は、図2に示すインバータの一例を示す概略図である。 図4は、図2に示す制御部の一例を示す概略図である。 図5は、2つの制御基板と、複数のインバータとの関係を示すブロック図である。 図6は、バックアップ制御基板の一例を示す概略図である。 図7は、一実施形態に係る給水装置の運転方法を説明するためのフローチャートである。 図8は、他の実施形態に係る給水装置の運転方法を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図1~図8において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態における給水装置を示す概略図である。図1に示すように、給水装置は、配管10を介して受水槽2に接続される3つのポンプ3と、ポンプ3を駆動する3つのモータ4と、モータ4に可変周波数の電圧を印加する3つのインバータ5と、インバータ5をはじめとする各種機器を制御する制御部6とを備えている。
受水槽2内には、受水槽2の水位を検出する水位検出器12が配置されている。水位検出器12は複数の電極棒12aを備えており、複数の液面レベル(満水、減水、復帰、渇水を含む)を検出することが可能となっている。受水槽2には、水道本管(図示せず)に接続された給水管14から電磁弁16を介して水道水が導入されるようになっている。水位検出器12により受水槽2の水位が検出され、水位の増減に応じて制御部6により電磁弁16が開閉される。このような構成により、水道水は受水槽2にいったん貯水され、この貯水された水がポンプ3により住宅等の建物内の末端の需要先に供給される。
ポンプ3の吐出口には吐出管18がそれぞれ接続されており、これら吐出管18は集合管20に接続されている。水道水は集合管20を通って受水槽2内の末端の需要先に供給される。各吐出管18にはチェッキ弁22およびフロースイッチ24が設けられている。チェッキ弁22はポンプ3が停止した場合に吐出側から吸込側に水が逆流することを防止するための逆流防止弁であり、フロースイッチ24は吐出管18内の水量が少なくなったことを検出するための少水量検出器である。フロースイッチ24の出力信号(少水量検出信号)は制御部6に入力される
集合管20には、ポンプ3の吐出側圧力を検出する圧力センサ26,27が設置されている。これら圧力センサ26,27は互いに近接して配置されており、集合管20の同じ箇所に配置されている。圧力センサ26,27の出力信号は制御部6に入力されるようになっている。圧力センサ26,27は、制御部6に設けられた後述する2つの制御基板(主制御基板とバックアップ制御基板)にそれぞれ接続される。さらに、集合管20には圧力タンク28が接続されており、フロースイッチ24によって水量が少なくなったことが検出されると、ポンプ3の締切運転を防止するために、ポンプ3は圧力タンク28に蓄圧してからその運転を停止するようになっている。また、図示しないが、それぞれのポンプ3には、ポンプ3の温度を測定するサーミスタが取り付けられている。各サーミスタの出力信号(ポンプ温度を示す信号)は、制御部6に送信されるようになっている。
インバータ5は、それぞれ図示しない漏電遮断器(Earth Leakage Circuit Breaker:ELB)を介して電源(商用電源)に接続されており、この電源から漏電遮断器を通じて交流電圧がそれぞれのインバータ5に供給されるようになっている。各インバータ5は、入力された交流電圧を直流電圧に変換し、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのスイッチング素子を駆動して所望の周波数の交流電圧(制御部6から送られる情報に応じた周波数の電圧)に変換して、モータ4にこの電圧を印加し、モータ4を駆動する。漏電遮断器は、図示しない信号線を介して制御部6に接続されており、漏洩遮断器の動作(すなわち、電力供給の遮断)を示す信号が制御部6に送られるようになっている。
ポンプ3のON/OFFおよびポンプ3の回転速度(回転周波数)は、フロースイッチ24や圧力センサ26(または圧力センサ27)などの各種センサの出力信号に基づいて、インバータ5を用いて可変速制御される。一般的には、圧力センサ26(または圧力センサ27)により検出された吐出圧力が設定された目標圧力と一致するようにポンプ3の回転速度を制御してポンプ3の吐出圧力が一定になるように制御する吐出圧力一定制御や、ポンプ3の吐出圧力の目標値を適切に変化させることにより末端の需要先における供給水圧を一定に制御する推定末端圧力一定制御などが行われる。これらの制御によれば、その時々の需要水量に見合った回転速度でポンプ3が駆動されるので、省エネルギーを達成することができる。
フロースイッチ24がONになると、水の使用のない、すなわち水量が少ない状態と判断され、ポンプ3の運転が停止される。圧力センサ26(または圧力センサ27)によって測定される吐出圧力の低下から水の使用が検出されると、ポンプ3が再起動される。水量の少ないときにポンプ3を停止する場合には、一旦ポンプ3を加速して、圧力タンク28に蓄圧してからポンプ3を停止する蓄圧運転が行われる。
制御部6は、インバータ5の制御を行う2つの制御基板60a,60bと、各種設定および表示を行う操作表示器70a,70bと、制御基板60a,60bに電源を供給する電源基板80a,80bと、を備えている。電源基板80aおよび操作表示器70aは制御基板60aに接続され、電源基板80bおよび操作表示器70bは制御基板60bに接続されている。電源基板80a,80bは互いに同一の構成を有しており、操作表示器70a,70bも互いに同一の構成を有している。本実施形態では、電源基板80a,80bは制御基板60a,60bとは別に設けられているが、これらの電源基板80a,80bをそれぞれ制御基板60a,60bと一体に設けてもよい。制御基板60aは、水位検出器12、圧力センサ(第1圧力センサ)26、フロースイッチ24、サーミスタ、および漏電遮断器に接続され、同様に、制御基板60bは、水位検出器12、圧力センサ(第2圧力センサ)27、フロースイッチ24、サーミスタ、および漏電遮断器に接続されている。
水位検出器12、圧力センサ26,27、フロースイッチ24、およびサーミスタは、ポンプ3の運転制御に必要な物理量を検出する物理量検出器である。以下、これらを総称して、物理量検出器と呼ぶことがある。制御基板60a,60bは、これら物理量検出器から送られてくる物理量信号に基づいて、ポンプ3の運転を制御する。例えば、制御基板60aは、圧力センサ26から送られてくる吐出圧力の測定値に基づいて、ポンプ3の回転速度を制御する。さらに、制御基板60aは、水位検出器12から送られてくる水位信号が渇水を示している場合には、ポンプ3の運転を停止させる。
制御基板60a,60bは同一の構成を有するので、以下制御基板60aについて説明する。制御基板60aは、インバータ5と接続される通信部(シリアルポート)61と、各種のプログラムを記憶した記憶部(ROMや書換え可能な不揮発性記憶素子であるフラッシュ記憶部等)62と、記憶部62に記憶されたプログラムに基づいて演算制御動作を行う演算処理部(CPU)63とを備えている。通信部61を介してポンプ3のON/OFFや回転速度、インバータ5のトリップ等の情報の授受が行われる。記憶部62と演算処理部63とは同一の半導体チップ上に搭載されたものであってもよい。なお、制御基板60a,60bはシリアル通信を使用してインバータ5を制御することなく、アナログ信号を使用してインバータ5を制御してもよい。
また、制御基板60aは、水位検出器12、圧力センサ26、フロースイッチ24、サーミスタ、および漏電遮断器の出力信号が入力される入力端子と、外部に信号を出力する出力端子とを備えた入出力部(例えば、入出力基板)65を有している。入力端子に入力される信号としては、受水槽2の水位信号、吐出側圧力信号、少水量検出信号、ポンプ3の温度信号、および漏電発生信号などである。出力端子から出力される信号としては、受水槽2の状態(満水・減水・渇水・故障など)を示す信号、故障または異常を知らせる信号、および電磁弁16を操作するための信号が挙げられる。
制御基板60aは電源基板(電源部)80aに接続されている。制御基板60aの記憶部62や演算処理部63は、電源基板80aから直流電力の供給を受けて駆動するようになっている。演算処理部63は、記憶部62に格納されている制御プログラムを実行して、操作表示器70aで設定された条件や物理量検出器からの信号に基づいて、各ポンプ3のON/OFF(運転台数)および運転速度を決定し、インバータ5に指令を送信してポンプ3の回転速度制御を行う。さらに、演算処理部63は、物理量検出器からの信号やインバータ5からのトリップ信号により、ポンプ3の運転を停止する、あるいは他のポンプ3に運転を切り替えるなどの制御を行う。
図2は、他の実施形態に係る給水装置を示す概略図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図1に示す実施形態の構成と同様であるため、その重複する説明を省略する。
図2に示す給水装置1は、2つの受水槽2と、配管10を介して各受水槽2に連結される複数の(図2では、2つの)ポンプ3と、各ポンプ3を駆動する複数の(図2では、2つの)モータ4と、各モータ4の回転周波数を制御する複数の(図2では、2つの)インバータ5と、インバータ5をはじめとする各種機器を制御する制御部6とを備えている。
本実施形態でも、吐出管20には、ポンプ3の吐出圧力を検出する2つの圧力センサ26(第1圧力センサ)および圧力センサ(第2圧力センサ)27が設置されており、これら圧力センサ26,27の出力信号は制御部6に入力されている。圧力センサ26,27は、制御部6に設けられた後述する2つの制御基板(主制御基板とバックアップ制御基板)にそれぞれ接続される。本実施形態でも、フロースイッチ24、および圧力センサ26(または27)などの各種センサの出力信号に基づいて、ポンプ3のON/OFFおよび回転速度(回転周波数)がインバータ5を用いて制御される。
図1に示す実施形態では、給水装置1は、3つのポンプ3と3つのインバータ5とを有している。図2に示す実施形態では、給水装置1は、2つのポンプ3と2つのインバータ5とを有している。しかしながら、各ポンプ3の回転を各インバータ5が制御する限り、ポンプ3とインバータ5の数は、この例に限定されない。例えば、給水装置1は、一組のポンプ3とインバータ5を有していてもよいし、4組以上のポンプ3とインバータ5を有していてもよい。さらに、図1に示す実施形態では、給水装置1は、1つの受水槽2を有しており、図2に示す実施形態では、給水装置1は、2つの受水槽2を有している。しかしながら、受水槽2の数もこれらの例に限定されない。例えば、給水装置1は、3つ以上の受水槽2を有していてもよい。あるいは、受水槽2を省略してもよい。この場合、給水装置1は、図示しない水道本管に直接に連結される。
図1および図2に示す給水装置1は、複数のポンプ3を備えているので、追加解列を伴う複数台運転を行ったり、運転中に特定のポンプ3やインバータ5の異常が検知された場合に、他の正常なポンプ3やインバータ5に運転を切り替えて給水を継続したりすることができる。
図3は、図2に示すインバータ5の一例を示す概略図である。図3に示すインバータ5は、主基板50と、インバータ5の設定(例えば加速時間や減速時間等の設定)などを行う操作パネル52と、各種信号の入出力を行うI/O基板(入出力基板)54とを備えている。
主基板50は、漏電遮断器(Earth Leakage Circuit Breaker:ELB)56を介して入力された交流電力を整流する整流器500と、整流器500によって整流された電力を所望の周波数の交流電力に変換するスイッチング素子(電力部)501と、制御部6や他のインバータ5とシリアル通信ケーブル30を介して情報の授受を行う通信部(シリアルポート)502と、各種プログラムを記憶した記憶部(ROMや書換え可能な不揮発性記憶素子であるフラッシュ記憶部など)503と、記憶部503に記憶されたプログラムに基づいて演算制御動作を行う演算処理部(CPU)504と、を備えている。
主基板50は、漏電遮断器56を介して入力される電力を整流器500で直流電力に変換し、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのスイッチング素子501を駆動して所望の周波数の交流電力(制御部6から通信部502を介して送られる情報に応じた周波数の電力)に変換して、ポンプ3を駆動するモータ4にこの電力を供給する。
記憶部503には、スイッチング素子501の制御や通信部502を介した情報の授受、およびI/O基板54や操作パネル52との情報の授受を行うためのプログラム、並びに各種のインバータ制御および運転制御プログラムが記憶されている。これらのプログラムは、演算処理部504によって実行される。なお、記憶部503と演算処理部504とは同一の半導体チップ上に搭載されたものであってもよい。記憶部503や演算処理部504などは直流電力で駆動されるため、インバータ5の主基板50には、直流電力を主基板50に供給する電源部505が設けられている。なお、この電源部505は、操作パネル52やI/O基板54にも電力を供給するようになっていてもよい。
I/O基板54は、インバータ5の使用用途により自由に改変可能な各種の入力端子および出力端子を備えている。例えば、I/O基板54は、各ポンプ3に設けられ、ポンプ3の温度を検知するサーミスタ(図示せず)などからの信号が入力されるアナログ入力端子540と、インバータ5の1次側に設けられた漏電遮断器56のトリップ信号、およびポンプ3の吐出側に設けられたフロースイッチ24のON/OFF信号などが入力されるデジタル入力端子541と、ポンプ3が運転中であるか否か(ポンプ3のON/OFF信号)を示す運転信号、およびポンプ3、インバータ5などの構成機器の故障を知らせる故障信号を装置外部に出力するためのデジタル出力端子542と、を有している。
このように、I/O基板54は、サーミスタや漏電遮断器56、フロースイッチ24などといった、ポンプ系列ごとに必要とされる信号(ポンプ3に依存する入力信号)の入力端子を備えており、同様に、給水装置1に設けられた構成機器の運転や故障といった、ポンプ系列ごとに必要とされる信号(ポンプ3に依存する出力信号)の出力端子も備えている。したがって、制御部6にこれらの入出力端子を設ける必要がなくなり、ポンプ3の数が増えた場合にも、これらの信号の入出力用に別途基板を用意する必要がない。
I/O基板54と主基板50とは、インタフェイス544,506を介して互いに接続されている。I/O基板54の入力端子540,541から入力された信号は、主基板50の記憶部503に記憶されたプログラムに従って、通信部502から制御部6に送信される。また、制御部6や主基板50の演算処理部504の判断に基づいて故障信号がインタフェイス506,544を介して出力端子542から外部に出力される。
図4は、図2に示す制御部の一例を示す概略図である。図4に示すように、制御部6は、信号の入出力および各ポンプ系列の制御を行う2つの制御基板60a,60bと、各種設定を行う操作パネル602と、を備えている。制御部6は、制御基板60a,60bのそれぞれに接続された2つの操作パネル602を有していてもよいし、制御基板60a,60bで共通の操作パネル602を有していてもよい。本実施形態でも、制御基板60a,60bは同一の構成を有するので、以下では、制御基板60aについて説明する。
制御基板60aは、インバータ5の通信部502と接続される通信部(シリアルポート)600と、各種のプログラムを記憶した記憶部(ROMや書換え可能な不揮発性記憶素子であるフラッシュ記憶部等)62と、記憶部62に記憶されたプログラムに基づいて演算制御動作を行う演算処理部(CPU)63と、を備えている。通信部600を介して、ポンプ3のON/OFFおよび回転周波数などの運転情報、並びにインバータ5のトリップなどの異常・故障情報の授受が制御部6の制御基板60aとインバータ5との間で行われる。なお、記憶部62と演算処理部602とは同一の半導体チップ上に搭載されたものであってもよい。
また、制御基板60aは、受水槽2の液面に関する信号(水位検出器12の出力信号)などが入力される入力端子603と、圧力センサ26からの出力信号が入力される入力端子604と、電磁弁16への出力信号を出力するための出力端子605と、受水槽2の状態(満水・減水・渇水・故障など)を外部に出力するための出力端子606と、を備えている。
本実施形態では、制御基板60aには、受水槽2の液面に関する信号、吐出圧力や流入圧力など、ポンプ系列ごとに設ける必要のない入出力端子(ポンプ3に依存しない入出力端子)は設けられているが、上述したように、ポンプ系列ごとに必要な入出力端子(ポンプ3に依存する入出力端子)については、インバータ5のI/O基板54に設けられている。その結果、制御基板60aから入出力端子が減って小型化することができる。これに伴い、コストダウンが見込まれる。
制御基板60aは、記憶部62に記憶された制御プログラムを実行して、操作パネル602で設定された条件や各種センサからの信号に基づいて、各ポンプ3のON/OFF(運転台数)および運転周波数を決定し、さらに、インバータ5にそれらの情報を含む運転情報を送信してポンプ3の回転周波数制御を行うように構成されている。また、制御基板60aは、各種センサからの信号やインバータ5からのトリップ信号などにより、ポンプ3の運転を停止する、あるいは他のポンプ3に運転を切り替えるなどの制御を行ように構成されている。
図4に示す制御基板60a,60bの記憶部62や演算処理部602は、インバータ5の主基板50の電源部505から電源端子507(図3参照)を介して直流電力の供給を受けて駆動するようになっている。このように、インバータ5から制御部6の制御基板60a,60b用の電力を供給することによって、制御基板60a,60b用の直流電源を別途設ける必要がなくなる。したがって、給水装置の製造コストを低減することができ、制御基板60a,60bの大きさも小さくすることができる。
一実施形態では、図1に示すように、制御部6が有する電源基板80a,80bから制御基板60a,60bに直流電力を供給してもよい。あるいは、制御基板60a,60bに、商業電源が接続される電源回路(図示せず)を設け、該電源回路を介して直流電力を作り出してもよい。
図5は、2つの制御基板と、複数のインバータとの関係を示すブロック図である。上述したように、2つの制御基板60a,60bは同一の構成を有しており、互いにシリアル通信などの通信手段によって接続され、相互に通信監視されている。制御基板60a,60bのそれぞれは、単独ですべてのインバータ5を制御することができるように構成されている。したがって、たとえ一方の制御基板60a(または60b)に異常(CPU異常、通信異常、システム異常など)が発生しても、もう一方の待機中の制御基板60b(または60a)がインバータ5をバックアップ制御することで、給水装置の最大水量で運転を継続することができ、断水を回避することができる。なお、このバックアップ制御が起動したときは、制御基板60aおよび/または60bは、出力端子606を介して給水装置1の外部に異常発生信号と、バックアップ開始信号と、を出力する。バックアップ開始信号は、バックアップ制御が開始されたことを示す信号である。
制御基板60aと制御基板60bのどちらを優先させて使用するかは、任意に設定することができる。以下では、説明の便宜上、制御基板60aを、各ポンプ3および各インバータ5の動作を主として(または、優先して)制御する「主制御基板60a」と称することがあり、制御基板60bを、「バックアップ制御基板60b」と称することがある。バックアップ制御基板60bは、主制御基板60aに異常が発生するなどしてバックアップ条件が成立した際に、ポンプ3およびインバータ5の動作制御をバックアップするための制御基板として機能する。
一実施形態では、ポンプ3およびインバータ5の動作を主として(または、優先して)制御する主制御基板を、制御基板60aと制御基板60bとの間で必要に応じて切り替えてもよい。例えば、給水装置1の駆動プログラムのアップデートが必要になった場合に、待機中のバックアップ制御基板60b(または60a)の記憶部62に新規のプログラムを導入し、その後、制御基板60b(または60a)を主制御基板に切り替え、先ほどまで使用していた制御基板60a(または60b)をバックアップ可能な待機状態にする。さらに、待機状態の制御基板60a(または60b)のプログラムも書き換えて、制御基板60a,60bの両方の起動プログラムをアップデートすることができる。これら操作により、給水装置1の運転を停止することなく、プログラムを新規のものに書き換えることが可能となる。
上述した実施形態では、制御基板60aと制御基板60bとを同一の構成とした例について説明したが、主制御基板60aとバックアップ制御基板60bは、ポンプ3とインバータ5の制御に必要な最低限の構成を有していれば、必ずしも同一の構成を有する必要はない。例えば、図6に示すように、バックアップ制御基板60bの構成を、ポンプ3とインバータ5の制御に必要な最低限の構成を有するように簡略化してもよい。図6は、バックアップ制御基板の一例を示す概略図である。このように構成により、給水装置1全体のコストを低減することができる。
次に、主制御基板60aからバックアップ制御基板60bに各ポンプ3および各インバータ5の制御を切り替えるバックアップ動作を含む給水装置1の運転方法について説明する。
図7は、一実施形態に係る給水装置の運転方法を説明するためのフローチャートである。図7に示すように、給水装置1を始動すると、主制御基板60aは、該主制御基板60aに接続される圧力センサ(第1圧力センサ)26の測定値およびフロースイッチ24の出力などの各種センサの出力信号に基づいて各ポンプ3を運転する(S101)。より具体的には、主制御基板60aは、各種センサの出力信号に基づいて各インバータ5を制御し、上記した吐出圧力一定制御、または推定末端圧力一定制御で各ポンプ3を運転する。この状態で、主制御基板60aは、各インバータ5の制御を主制御基板60aからバックアップ制御基板60bに切り替えるためのバックアップ条件が成立するか否かを監視する(S102)。一実施形態では、バックアップ条件が成立するか否かの監視は、主制御基板60aと通信可能に接続されるバックアップ制御基板60bによって行われてもよいし、主制御基板60aとバックアップ制御基板60bの両方によって行われてもよい。
バックアップ条件は、各インバータ5の制御を主制御基板60aからバックアップ制御基板60bに切り替えるべき給水装置1の異常に対応しており、主制御基板60aの記憶部62に予め記憶されている。バックアップ条件は、主制御基板60aの演算処理部(CPU)602の異常、主制御基板60aと各インバータ5との間の通信異常、主制御基板60aとバックアップ制御基板60bとの間の通信異常、および主制御基板60aに接続された圧力センサ26の異常(または故障)を少なくとも含んでいる。一実施形態では、バックアップ条件は、ポンプ3の温度を検知するサーミスタ(図示せず)、および給水装置への水の流入圧力を測定する圧力センサ(図示せず)などのいくつかの構成要素の異常(または故障)を含んでいてもよい。
バックアップ条件が成立しなければ(S102のNO)、主制御基板60aは、各インバータ5を継続して制御して、各ポンプ3を運転する。バックアップ条件のうちの1つでも成立する(S102のYES)と、主制御基板60aは、各インバータ5の制御を主制御基板60aからバックアップ制御基板60bに切り替える(S103)。これと同時に、バックアップ制御基板60bは、成立したバックアップ条件に応じて、各ポンプ3の運転状態情報を主制御基板60aからバックアップ制御基板60bに引き継ぐか否かを決定する(S104)。各ポンプ3の運転状態情報は、主制御基板60aが各インバータ5を介して各ポンプ3に発していたON/OFF状態および回転周波数を少なくとも含む情報である。
バックアップ制御基板60bは、各ポンプ3の運転状態情報を引き継ぐことが可能なバックアップ条件と、各ポンプ3の運転状態情報を引き継ぐことができないバックアップ条件と、を予め記憶している。各ポンプ3の運転状態情報を引き継ぐことが可能なバックアップ条件は、例えば、各ポンプ3を事前の運転状態で運転しても給水装置1に不具合が発生しないと予想されるバックアップ条件であり、全てのバックアップ条件の中から予め選択される。
例えば、バックアップ条件のうち、主制御基板60aと各インバータ5との間の通信異常、および主制御基板60aとバックアップ制御基板60bとの間の通信異常は、単なる通信異常であるため、主制御基板60a(特に、主制御基板60aの演算処理部63,602)と、圧力センサ26とは正常な状態にあると考えられる。すなわち、各ポンプ3の運転状態は正常であると考えられる。したがって、これら通信異常のような各ポンプ3の運転状態が正常であると考えられるバックアップ条件が成立したときは、バックアップ制御基板60bは、主制御基板60aが各インバータ5を介して制御していた各ポンプ3の運転状態情報を引き継ぎ、各ポンプ3の運転を停止させずに継続する(S105)。
一方で、主制御基板60aの異常(特に、主制御基板60aの演算処理部63,602の異常)は、各インバータ5に送信された指令値などが異常であるおそれがあり、その結果、各ポンプ3の運転状態が正常な状態から逸脱しているおそれがある。そのため、主制御基板60aの異常のような各ポンプ3の運転状態が正常な状態から逸脱しているおそれがあるバックアップ条件が成立した場合は、バックアップ制御基板60bは、各ポンプ3の運転状態情報を主制御基板60aから引き継がずに、一旦、全てのポンプ3を停止させる(S106)。この動作によって、給水装置1に思わぬ不具合が発生することが防止される。その後、バックアップ制御基板60bは、圧力センサ27の測定値およびフロースイッチ24の出力に基づいて各インバータ5を制御し、上記した吐出圧力一定制御、または推定末端圧力一定制御で各ポンプ3を再運転する(S107)。
バックアップ条件が成立したときに、全てのフロースイッチ24がONである場合、建物で水が使用されていないか、またはほとんど使用されていない状態であると考えられる。この場合は、バックアップ制御基板60bは、一旦、全てのポンプ3を停止させてもよい(S106)。その後、バックアップ制御基板60bは、上記した吐出圧力一定制御、または推定末端圧力一定制御で各ポンプ3を再運転する(S107)。
バックアップ条件のうちの圧力センサ26の異常が成立した場合、主制御基板60aは、誤った吐出圧力情報に基づいて各インバータ5を制御していたおそれがある。そのため、本実施形態では、バックアップ条件のうちの圧力センサ26の異常が成立した場合、バックアップ制御基板60bは、一旦、全てのポンプ3を停止させる(S106)。
一実施形態では、バックアップ条件のうちの圧力センサ26の異常が成立した場合、バックアップ制御基板60bは、圧力センサ27の測定値に応じて、各ポンプ3の運転状態情報を主制御基板60aからバックアップ制御基板60bに引き継ぐか否かを決定してもよい。この理由は、バックアップ制御基板60bに接続される圧力センサ(第2圧力センサ)27の測定値が給水装置1を運転可能な許容範囲内にあれば、バックアップ制御基板60bが各ポンプ3の運転状態情報を主制御基板60aから引き継いた状態で各インバータ5の制御を開始しても、給水装置1に思わぬ不具合が生じないと考えられるからである。
給水装置1を運転可能な圧力センサ27の測定値の許容範囲は、バックアップ制御基板60bの記憶部62に予め記憶されている。給水装置1を運転可能な圧力センサ27の測定値の許容範囲は、例えば、実験などで予め決定しておくことができる。あるいは、給水装置1を運転可能な圧力センサ27の測定値の許容範囲は、給水装置1の性能、建物の性能、およびこれらを連結する配管の性能などに基づいて使用者と相談して決定してもよい。あるいは、給水装置1を運転可能な圧力センサ27の測定値の許容範囲は、給水装置1のポンプ3を選定する際に利用されたポンプ選定図に記載の圧力範囲であってもよい。給水装置1のポンプ3を選定する際には、客先から要求された全揚程と給水量に基づいて、ポンプ選定図から最適なポンプを選択している。圧力センサ27の測定値がこのポンプ選定図に記載のポンプの圧力範囲内であれば、バックアップ制御基板60bが各ポンプ3の運転状態情報を主制御基板60aから引き継いた状態で各インバータ5の制御を開始しても、給水装置1を支障なく運転できる。
主制御基板60aおよびバックアップ制御基板60bが推定末端圧力制御で各インバータ5の動作を制御する場合、主制御基板60aおよびバックアップ制御基板60bは、吐出圧力の最大値と最小値を予め記憶している。そこで、給水装置1を運転可能な圧力センサ27の測定値の許容範囲の上限および下限をこの吐出圧力の最大値および最小値に設定してもよい。この場合、バックアップ制御基板60bは、圧力センサ27の測定値が吐出圧力の最大値および最小値によって定まる許容範囲内にある場合に、各ポンプ3の運転状態情報を主制御基板60aに引き継いた状態で、各インバータ5の制御を開始する(S105)。一方で、圧力センサ27の測定値が吐出圧力の最大値および最小値によって定まる許容範囲から逸脱している場合は、バックアップ制御基板60bは、各ポンプ3の運転状態情報を主制御基板60aから引き継がずに、一旦、全てのポンプ3を停止させる(S106)。
一実施形態では、主制御基板60aおよびバックアップ制御基板60bが推定末端圧力制御で各インバータ5の動作を制御する場合、給水装置1を運転可能な圧力センサ27の測定値の許容範囲を、推定末端圧力制御における目標圧力範囲としてもよい。目標圧力範囲は、最大水量(定格水量)でポンプ3を運転したときの目標吐出圧力と、最小水量でポンプ3を運転したときのときの目標吐出圧力とで定まる圧力範囲である。
なお、S102でバックアップ条件が成立し、バックアップ制御基板60bが起動する(S103)と、その旨を示す警報が給水装置1から発せられる。これにより、警報を受けた作業者によって、バックアップ条件を解消させるためのメンテナンスおよび/または修理が給水装置1に対して行われる(S108)。
このように、本実施形態によれば、成立したバックアップ条件次第で、主制御基板60aが制御していた各ポンプ3の運転状態情報をバックアップ制御基板60bが引き継いで、各インバータ5の制御を行う。すなわち、成立したバックアップ条件次第では、各ポンプ3の運転が事前の状態で継続され、各ポンプ3の運転が停止しない。その結果、建物への断水を極力回避することができる。
図8は、他の実施形態に係る給水装置の運転方法を説明するためのフローチャートである。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同様であるため、その重複する説明を省略する。
本実施形態では、S103で、各インバータ5の制御が主制御基板60aからバックアップ制御基板60bに切り替わると、バックアップ制御基板60bは、圧力センサ(第2圧力センサ)27の測定値に応じて、各ポンプ3の運転状態情報を主制御基板60aからバックアップ制御基板60bに引き継ぐか否かを決定する。すなわち、バックアップ制御基板60bは、成立したバックアップ条件に拘わらずに、圧力センサ27の測定値に基づいて、各ポンプ3の運転状態情報を主制御基板60aからバックアップ制御基板60bに引き継げるか否かを決定する(S104)。
上述したように、圧力センサ27の測定値が給水装置1を運転可能な許容範囲内にあれば、バックアップ制御基板60bが各ポンプ3の運転状態情報を主制御基板60aに引き継いだ状態で各インバータ5の制御を開始しても、給水装置1に思わぬ不具合が生じないと考えられる。そのため、本実施形態では、バックアップ条件が成立した場合(S103のYES)、バックアップ制御基板60bは、圧力センサ(第2圧力センサ)27の測定値が予め定められた許容範囲内であるか否かを確認する(S104)。
圧力センサ27の測定値が許容範囲内であれば(S104のYES)、バックアップ制御基板60bは、主制御基板60aが各インバータ5を介して制御していた各ポンプ3の運転状態情報を引き継ぎ、各ポンプ3の運転を継続する(S105)。一方で、圧力センサ27の測定値が許容範囲から逸脱していれば(S104のNO)、バックアップ制御基板60bは、一旦、全てのポンプ3を停止させる(S106)。
このような制御によれば、バックアップ条件に拘わらずに、各ポンプ3の運転を極力継続することが可能である。その結果、建物への断水を極力回避することができる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 給水装置
2 受水槽
3 ポンプ
4 モータ
5 インバータ
6 制御部
12 水位検出器
24 フロースイッチ
26,27 圧力センサ
28 圧力タンク
30 通信ケーブル
60a 主制御基板
60b バックアップ制御基板
62 記憶部
63 演算処理部(CPU)
502,600 通信部
503 記憶部
504 演算処理部(CPU)

Claims (14)

  1. 少なくとも1つのポンプと、
    対応する前記ポンプの回転周波数を可変制御する少なくとも1つのインバータと、
    前記少なくとも1つのインバータを単独で制御可能であり、かつ互いに通信可能に接続される主制御基板およびバックアップ制御基板と、を備え、
    前記主制御基板および/または前記バックアップ制御基板は、前記少なくとも1つのインバータの制御を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に切り替えるためのバックアップ条件が成立するか否かを監視し、
    前記バックアップ制御基板は、成立した前記バックアップ条件に応じて、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐか否かを決定する、給水装置。
  2. 前記主制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第1圧力センサと、
    前記バックアップ制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第2圧力センサと、をさらに備え、
    前記バックアップ条件は、前記第1圧力センサの異常および/または故障を含んでおり、
    前記主制御基板および/または前記バックアップ制御基板が前記第1圧力センサの異常および/または故障を検出したとき、前記バックアップ制御基板は、前記第2圧力センサの測定値に応じて、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐか否かを決定する、請求項1に記載の給水装置。
  3. 前記バックアップ制御基板は、前記第2圧力センサの測定値が予め定められた許容範囲内であるときに、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐ、請求項2に記載の給水装置。
  4. 前記主制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第1圧力センサと、
    前記バックアップ制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第2圧力センサと、をさらに備え、
    前記バックアップ条件は、前記第1圧力センサの異常および/または故障を含んでおり、
    前記主制御基板および/または前記バックアップ制御基板が前記第1圧力センサの異常および/または故障を検出したとき、前記バックアップ制御基板は、前記少なくとも1つのポンプを停止させる、請求項1に記載の給水装置。
  5. 前記バックアップ条件は、前記主制御基板と前記バックアップ制御基板との間の通信異常、および前記主制御基板と前記少なくとも1つのインバータとの間の通信異常を含み、
    前記主制御基板および/または前記バックアップ制御基板が前記主制御基板と前記バックアップ制御基板との間の通信異常、または前記主制御基板と前記少なくとも1つのインバータとの間の通信異常を検出したとき、前記バックアップ制御基板は、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐ、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の給水装置。
  6. 前記バックアップ条件は、前記主制御基板の演算処理部の異常を含み、
    前記主制御基板および/または前記バックアップ制御基板が前記主制御基板の演算処理部の異常を検出したとき、前記バックアップ制御基板は、前記少なくとも1つのポンプを停止させる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の給水装置。
  7. 少なくとも1つのポンプと、
    対応する前記ポンプの回転周波数を可変制御する少なくとも1つのインバータと、
    前記少なくとも1つのインバータを単独で制御可能であり、かつ互いに通信可能に接続される主制御基板およびバックアップ制御基板と、
    前記主制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第1圧力センサと、
    前記バックアップ制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第2圧力センサと、を備え、
    前記主制御基板および/または前記バックアップ制御基板は、前記少なくとも1つのインバータの制御を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に切り替えるためのバックアップ条件が成立するか否かを監視し、
    前記バックアップ条件が成立した場合、前記バックアップ制御基板は、前記第2圧力センサの測定値に応じて、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐか否かを決定する、給水装置。
  8. 少なくとも1つのポンプと、対応する前記ポンプの回転周波数を可変制御する少なくとも1つのインバータと、前記少なくとも1つのインバータを単独で制御可能であり、かつ互いに通信可能に接続される主制御基板およびバックアップ制御基板と、を備えた給水装置の運転方法であって、
    前記少なくとも1つのインバータの制御を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に切り替えるためのバックアップ条件が成立するか否かを監視し、
    成立した前記バックアップ条件に応じて、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐか否かを決定する、給水装置の運転方法。
  9. 前記給水装置は、前記主制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第1圧力センサと、前記バックアップ制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第2圧力センサと、をさらに備えており、
    前記バックアップ条件は、前記第1圧力センサの異常および/または故障を含んでおり、
    前記第1圧力センサの異常および/または故障を検出したとき、前記第2圧力センサの測定値に応じて、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐか否かを決定する、請求項8に記載の給水装置の運転方法。
  10. 前記少なくとも1つのポンプは末端圧力推定制御で運転され、
    前記第2圧力センサの測定値が予め定められた許容範囲内であるときに、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐ、請求項9に記載の給水装置の運転方法。
  11. 前記給水装置は、前記主制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第1圧力センサと、前記バックアップ制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第2圧力センサと、をさらに備えており、
    前記バックアップ条件は、前記第1圧力センサの異常および/または故障を含んでおり、
    前記第1圧力センサの異常および/または故障を検出したとき、前記バックアップ制御基板は、前記少なくとも1つのポンプを停止させる、請求項8に記載の給水装置の運転方法。
  12. 前記バックアップ条件は、前記主制御基板と前記バックアップ制御基板との間の通信異常、および前記主制御基板と前記少なくとも1つのインバータとの間の通信異常を含み、
    前記主制御基板と前記バックアップ制御基板との間の通信異常、または前記主制御基板と前記少なくとも1つのインバータとの間の通信異常を検出したとき、前記バックアップ制御基板は、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐ、請求項8乃至11のいずれか一項に記載の給水装置の運転方法。
  13. 前記バックアップ条件は、前記主制御基板の演算処理部の異常を含み、
    前記主制御基板の演算処理部の異常を検出したとき、前記バックアップ制御基板は、前記少なくとも1つのポンプを停止させる、請求項8乃至12のいずれか一項に記載の給水装置の運転方法。
  14. 少なくとも1つのポンプと、対応する前記ポンプの回転周波数を可変制御する少なくとも1つのインバータと、前記少なくとも1つのインバータを単独で制御可能であり、かつ互いに通信可能に接続される主制御基板およびバックアップ制御基板と、前記主制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第1圧力センサと、前記バックアップ制御基板に接続され、前記少なくとも1つのポンプの吐出圧力を測定する第2圧力センサと、を備えた給水装置の運転方法であって、
    前記少なくとも1つのインバータの制御を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に切り替えるためのバックアップ条件が成立するか否かを監視し、
    前記バックアップ条件が成立した場合、前記第2圧力センサの測定値に応じて、前記少なくとも1つのポンプの運転状態情報を前記主制御基板から前記バックアップ制御基板に引き継ぐか否かを決定する、給水装置の運転方法。
JP2022039966A 2022-03-15 2022-03-15 給水装置、および給水装置の運転方法 Pending JP2023134982A (ja)

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