JP2010285862A - 増圧給水システム - Google Patents

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Abstract

【課題】低層階用の給水装置と高層階用の給水装置との間にある給水栓からの空気の吸い込みを防止する増圧給水システムを提供する。
【解決手段】増圧給水システムは、水道管2に連結される低層階用の第1の給水装置BP1と、第1の給水装置BP1に直列に連結され、第1の給水装置BP1よりも高い位置に配置される高層階用の第2の給水装置BP2とを備える。第1の給水装置BP1および第2の給水装置BP2はそれぞれポンプと、ポンプの運転を制御する制御盤とを有する。制御盤はそれぞれ通信機能を有し、該通信機能を介して運転情報を通信する。第2の給水装置BP2のポンプを始動させるときは、第1の給水装置BP1ポンプを先に始動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、オフィスビルやマンションなどの建物に水を供給するための増圧給水システムに関するものである。
オフィスビルやマンションなどの建物に水(水道水)を供給するための装置として給水装置が広く使用されている。この給水装置は、一般に、水を圧送するための遠心ポンプと、この遠心ポンプを駆動するためのモータと、このモータの運転を制御する制御盤とを備えている。遠心ポンプの吸込口は水道管に接続され、水道管により導入された水は遠心ポンプにより昇圧された後、建物内部に設けられた配水管を介して各給水栓に供給される。このような水道管に直結された給水装置は、一般に、直結式給水装置と呼ばれている。
最近では、高層建築物への給水に直結式給水装置を用いた増圧給水システムが使用されつつある。この増圧給水システムは、低層階用の第1の給水装置と、高層階用の第2の給水装置とを備えており、これらは直列に連結されている。第1の給水装置の吸込口は水道管に直結されており、建物の低層階には、この第1の給水装置によって水が供給される。一方、第2の給水装置は建物の中間層階に配置され、第1の給水装置から供給された水を増圧して高層階に供給する。
2つの給水装置を持つ増圧給水システムにおいては、それぞれが独立して運転されるため、次のような問題が起こりうる。すなわち、第1の給水装置が停止している状態で第2の給水装置が運転されると、第1の給水装置と第2の給水装置とを連結する配水管に負圧が形成されることがある。この状態で、配水管に連通する給水栓が開かれると、その給水栓から空気が吸い込まれてしまう。
特開2008−223269号公報 特開2008−240276号公報 特開平7−331711号公報
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、低層階用の給水装置と高層階用の給水装置との間にある給水栓からの空気の吸い込みを防止する増圧給水システムを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、建物に給水する増圧給水システムであって、水道管に連結される低層階用の第1の給水装置と、前記第1の給水装置に直列に連結され、前記第1の給水装置よりも高い位置に配置される高層階用の第2の給水装置とを備え、前記第1の給水装置は、第1のポンプと、該第1のポンプを駆動する第1の駆動源と、前記第1のポンプの運転を制御する第1の制御部とを有し、前記第2の給水装置は、第2のポンプと、該第2のポンプを駆動する第2の駆動源と、前記第2のポンプの運転を制御する第2の制御部とを有し、前記第1の制御部および前記第2の制御部はそれぞれ通信機能を有し、前記第1の制御部と前記第2の制御部は、前記通信機能を介して運転情報を通信するように構成され、前記第2のポンプを始動させるときは、前記第1のポンプを先に始動させることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記第2のポンプが運転している間、前記第1の制御部は前記第1のポンプの運転を維持させることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記運転情報には、前記第1の給水装置および前記第2の給水装置の故障情報が含まれ、前記第1の給水装置が故障したときは、前記第2の制御部は前記第2のポンプを停止させることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記第2のポンプを停止させた後に前記第1のポンプを停止させることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記第1の制御部は、前記第1のポンプの吐出側圧力が第1の始動圧力に達したとき、および前記第2のポンプの吐出側圧力が第2の始動圧力に達したときに、前記第1のポンプを始動させ、前記第2の制御部は、前記第2のポンプの吐出側圧力が第3の始動圧力に達したときに前記第2のポンプを始動させ、前記第2の始動圧力は、前記第3の始動圧力よりも高く設定されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記運転情報には、前記第1の給水装置および前記第2の給水装置の故障情報が含まれ、前記第2の給水装置が故障したときは、前記第1の給水装置の給水圧力を増加させることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記第2の給水装置は、前記第2のポンプの上流側に配置された吸込側圧力センサをさらに有し、前記第1の制御部は、前記吸込側圧力センサの測定値が所定の目標値を維持するように前記第1のポンプの運転を制御することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記第1の給水装置は、前記第1のポンプの吐出側に圧力センサを持たないことを特徴とする。
本発明の他の態様は、建物に給水する増圧給水システムであって、水道管に連結される低層階用の第1の給水装置と、前記第1の給水装置に直列に連結され、前記第1の給水装置よりも高い位置に配置される高層階用の第2の給水装置と、前記第2の給水装置の運転状態と、前記第2の給水装置の吸込側圧力及び吐出側圧力とを前記第1の給水装置に送信する通信装置とを備え、前記第1の給水装置は、第1のポンプと、該第1のポンプを駆動する第1の駆動源と、前記第1のポンプの運転を制御する第1の制御部とを有し、前記第2の給水装置は、第2のポンプと、該第2のポンプを駆動する第2の駆動源と、前記第2のポンプの運転を制御する第2の制御部とを有し、前記第2のポンプを始動させるときは、前記第1のポンプを先に始動させることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記第1のポンプの吐出側圧力が第1の始動圧力に達したとき、または前記第2のポンプの吸込側圧力が第2の始動圧力に達したとき、または前記第2のポンプの吐出側圧力が第3の始動圧力に達したときに、前記第1の制御部は前記第1のポンプを始動させ、前記第2の制御部は、前記第2のポンプの吐出側圧力が第4の始動圧力に達したときに前記第2のポンプを始動させ、前記第3の始動圧力は、前記第4の始動圧力よりも高く設定されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記第1のポンプを停止させるときは、前記第2のポンプを先に停止させることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記第2のポンプの上流側には吸込側圧力センサが設けられ、前記第1の制御部は、前記吸込側圧力センサの測定値が所定の目標値を維持するように前記第1のポンプの運転を制御することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記第1のポンプの下流側には吐出側圧力センサが設けられ、前記第1の制御部は、前記吸込側圧力センサが故障したときに、前記吐出側圧力センサの測定値に基づいて推定末端圧力一定制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、第1の給水装置と第2の給水装置との間で運転情報が伝送されるので、第1の給水装置と第2の給水装置との連携運転が可能となる。これにより、これら第2の給水装置の単独運転が防止され、低層階での空気の吸い込みを防止することができる。
本発明の第1の実施形態に係る増圧給水システムを示す模式図である。 第1の給水装置を示す模式図である。 第2の給水装置を示す模式図である。 第2の給水装置の他の構成例を示す模式図である。 複数のポンプを備えた第1の給水装置を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る増圧給水システムを示す模式図である。 図6に示す増圧給水システムの詳細な構成を示す図である。 図6に示す増圧給水システムの具体例を示す図である。 ポンプの運転特性曲線図である。 推定末端圧力一定制御の一例を説明するためのポンプの運転特性曲線図である。 推定末端圧力一定制御の他の例を説明するためのポンプの運転特性曲線図である。
以下、本発明の実施形態に係る増圧給水システムについて図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る増圧給水システムを示す模式図である。この増圧給水システムは、高層建築物(例えば、16階以上の建物)に使用される直結式の増圧給水システムである。図1に示すように、この増圧給水システムは、水道管2に連結された第1の給水装置BP1と、第1の給水装置BP1に直列に連結された第2の給水装置BP2とを有している。第1の給水装置BP1は、グランドレベルまたは地下に設置されており、第2の給水装置BP2は、建物1の中間層階に設置されている。
第1の給水装置BP1の吸込口は、導入管5を介して水道管2に接続されている。第1の給水装置BP1の吐出口と第2の給水装置BP2の吸込口とは第1の配水管7によって連結されており、この第1の配水管7は、建物1の低層階の各給水栓9に枝管12を介して連通している。第2の給水装置BP2の吐出口には、第2の配水管15が接続されており、この第2の配水管15は、建物1の高層階の各給水栓10に枝管13を介して連通している。第1の給水装置BP1は、水道管2からの水を増圧して建物1の低層階の各給水栓9に水を供給し、第2の給水装置BP2は、第1の給水装置BP1から移送された水を増圧して建物1の高層階の各給水栓10に水を供給するようになっている。
図2は、第1の給水装置BP1を示す模式図である。図2に示すように、第1の給水装置BP1は、導入管5を介して水道管2に連結されるポンプP1と、このポンプP1を駆動する駆動源としてのモータM1と、モータM1の回転速度を増減するインバータINV1と、ポンプP1の吐出側に配置された逆止弁CV1と、逆止弁CV1の吐出側に配置されたフロースイッチSW1、圧力センサPS1、および圧力タンクPT1とを備えている。これら構成要素は、キャビネットCB1内に収容されている。
逆止弁CV1は、ポンプP1の吐出口に接続された吐出管L1に設けられており、ポンプP1が停止したときの水の逆流を防止するための弁である。フロースイッチSW1は吐出管L1を流れる水の流量が所定の値にまで低下したことを検知する流量検知器である。圧力センサPS1は、吐出側圧力(すなわち、第1の給水装置BP1に加わる背圧)を測定するための水圧測定器である。圧力タンクPT1は、ポンプP1が停止している間の吐出側圧力を保持するための圧力保持器である。吐出管L1は第1の配水管7に接続されている。
ポンプP1の吸込口には減圧式逆流防止器20が接続されている。この減圧式逆流防止器20は、水道管2への水の逆流を確実に防止するために設置することが義務付けられているものである。なお、減圧式逆流防止器とは、逃し弁が配置された中間室を2つの逆止弁が挟むように配置された構成を有する逆流防止器である。
第1の給水装置BP1は、給水動作を制御する制御盤(コントローラ)CN1をさらに備えており、インバータINV1、フロースイッチSW1、圧力センサPS1は、制御盤CN1に信号線を介して接続されている。フロースイッチSW1により水の流量が所定の値にまで低下したことが検知されると、制御盤CN1はポンプP1の運転速度を一時的に上げるようインバータINV1に指令を出し、圧力タンクPT1に蓄圧してからポンプP1の運転を停止させるようになっている。一方、吐出側圧力(吐出管L1内の水圧)が所定の値まで低下すると、制御盤CN1はポンプP1の運転を開始するようインバータINV1に指令を出す。
この第1の給水装置BP1においては、フロースイッチSW1や圧力センサPS1の出力信号に基づいて、ポンプP1の運転速度(回転速度)がインバータINV1によって可変速制御される。一般的には、圧力センサPS1により測定された圧力信号が設定された目標圧力と一致するようにポンプP1の運転速度を制御してポンプP1の吐出圧力が一定になるように制御する吐出圧力一定制御や、ポンプP1の吐出圧力の目標値を適切に変化させることにより末端の給水栓における供給水圧を一定に制御する推定末端圧力一定制御などが行われる。これらの制御によれば、その時々の需要水量に見合った回転速度でポンプP1が駆動されるので、省エネルギーを達成することができる。
図3は、第2の給水装置BP2を示す模式図である。第2の給水装置BP2の基本的な構成および動作は、上述した第1の給水装置BP1と同様であり、同一の構成要素には対応する符号が付されている。この第2の給水装置BP2は、減圧式逆流防止器を備えていない点で第1の給水装置BP1と相違する。これは、水道管2に直結されていない第2の給水装置BP2には、減圧式逆流防止器を設けることは義務付けられていないからである。
第1の給水装置BP1の制御盤CN1および第2の給水装置BP2の制御盤CN2は、それぞれ通信機能を有している。これらの制御盤CN1,CN2は、RS−232などのインターフェイス(シリアルポート)を有しており、通信線25を介して互いに接続されている。制御盤CN1,CN2は、この通信線25を通じて双方向のシリアル通信が可能となっている。なお、シリアル通信に代えて、接点信号(電気的なON/OFF信号)を用いる通信を用いてもよい。ポンプP1,P2の運転状態(運転または停止)、ポンプP1,P2の回転速度、圧力センサPS1,PS2の測定値(吐出側圧力)、給水装置BP1,BP2の故障情報、ポンプP1,P2に対する運転指令を含む運転情報は、制御盤CN1と制御盤CN2との間で双方向に伝送される。このような通信機能は、第1の給水装置BP1と第2の給水装置BP2の連携運転を可能とする。なお、通信線25を用いた有線方式に代えて、通信線を用いない無線方式を採用してもよい。
第1の給水装置BP1のポンプP1と第2の給水装置BP2のポンプP2がいずれも停止している状態から、ポンプP2のみが始動すると、第1の配水管7内に負圧が形成されることがある。この状態で低層階の給水栓9が開かれると、その給水栓9から空気が吸い込まれるおそれがある。そこで、このような空気の吸い込みを防止するために、必ずポンプP1を始動させてからポンプP2を始動させる。すなわち、ポンプP2の吐出側圧力が所定の始動圧力にまで低下すると、制御盤CN2は、制御盤CN1にポンプP1を始動するように指令を発する。制御盤CN1は指令を受けてポンプP1を始動し、制御盤CN2にポンプP1が始動されたことを示す信号を送る。そして、制御盤CN2はこの信号を受けてポンプP2を始動させる。
ポンプP2が運転している間は、ポンプP1の運転が維持される。さらに、ポンプP1とポンプP2の両方が運転している状態から給水動作を停止させるときは、ポンプP2を停止させた後に、ポンプP1が停止される。これらの連携動作は、制御盤CN1,CN2間で伝達される運転情報に基づいて行われる。このような連携動作により、ポンプP2が運転しているときは常にポンプP1が運転していることになり、第1の配水管7内に負圧が形成されることが防止される。
第1の給水装置BP1が故障したときに、第2の給水装置BP2のポンプP2のみが運転されると、上述した空気吸い込みの問題が起こりうる。そこで、第1の給水装置BP1が故障したときは、制御盤CN1はその故障情報を制御盤CN2に送信し、制御盤CN2はポンプP2の運転を停止させる。この場合、仮に高層階で水が使用されていても、ポンプP2は強制的に停止される。
第2の給水装置BP2が故障すると、高層階では断水が起こる。第1の給水装置BP1の給水能力に余裕がある場合は、第1の給水装置BP1の給水圧力を最大値に引き上げることが好ましい。すなわち、第2の給水装置BP2が故障したときは、制御盤CN2はその故障情報を制御盤CN1に送信し、制御盤CN1はポンプP1をその最大給水能力で運転させる。第1の給水装置BP1によって高層階のすべての給水栓10に水を供給できるとは限らないが、第1の給水装置BP1は少なくとも高層階の一部に水を供給することはできるので、高層階全体での断水を避けることができる。
ポンプP1,P2は、吐出側圧力が所定の値にまで低下したときに始動される。したがって、制御盤CN1,CN2には、ポンプP1,P2を始動させるトリガーとなる始動圧力S1,S3がそれぞれ設定されている。さらに、制御盤CN1には、ポンプP1を始動させるための第2の始動圧力S2が設定されている。この第2の始動圧力S2は第2の給水装置BP2の圧力センサPS2の測定値に基づく始動発令のための第2のしきい値である。一方、第1の始動圧力S1は圧力センサPS1の測定値に基づく始動発令のための第1のしきい値である。第2の始動圧力S2は、ポンプP2の始動圧力S3よりも大きく設定されている(S2>S3)。これは、上述したように、ポンプP2が始動される前にポンプP1を始動させるためである。
制御盤CN1は、圧力センサPS1および圧力センサPS2の両方の測定値を監視し、圧力センサPS1の測定値が第1の始動圧力S1にまで低下したとき、および圧力センサPS2の第2の始動圧力S2にまで低下したときの2つのトリガーに基づきポンプP1を始動させる。ポンプP2の吐出側圧力が低下すると、圧力センサPS2は、始動圧力S3よりも先に始動圧力S2を検出する。制御盤CN1は、通信線25を通じて送られてくる圧力センサPS2の測定値(すなわち、ポンプP2の吐出側圧力)が始動圧力S2に達したときに、ポンプP1を始動させる。このような連携動作により、ポンプP1は、常にポンプP2よりも先に始動される。
ポンプP1が停止している状態で、低層階で水が使用されると、ポンプP1の吐出側圧力が低下する。そして、この吐出側圧力が始動圧力S1にまで低下すると、ポンプP1が始動される。このように、ポンプP1は、2つの圧力センサPS1,PS2の測定値に基づいて始動される。
図4は、第2の給水装置BP2の他の構成例を示す模式図である。図4に示すように、ポンプP2の上流側には、ポンプP2の吸込側圧力を測定する圧力センサ(吸込側圧力センサ)30が設置されている。第2の給水装置BP2のその他の構成は、図3に示す構成と同様である。圧力センサ30は、制御盤CN2に信号線を介して接続されている。圧力センサ30の測定値(すなわち、吸込側圧力)は、運転情報として通信線25を介して第1の給水装置BP1に送られる。
第1の給水装置BP1の制御盤CN1は、第2の給水装置BP2から送られてくる圧力センサ30の測定値に基づき、低層階の給水栓9の給水圧力(末端圧力)が所定の目標値となるようにフィードバック制御する。具体的には、制御盤CN1は、圧力センサ30の測定値が所定の目標値を維持するようにポンプP1の運転を制御する。低層階の末端圧力は、第2の給水装置BP2の吸込側圧力に実質的に等しいので、圧力センサ30の測定値は低層階の給水栓9の給水圧力(末端圧力)を示していると考えることができる。したがって、圧力センサ30の測定値から、低層階の実際の末端圧力を監視することができる。
このような運転制御方法によれば、実際の末端圧力に基づいてポンプP1の運転が制御されるので、配水管内の摩擦抵抗に起因する圧力降下の影響を受けない末端圧力一定制御が実現される。したがって、所望の末端圧力での給水が可能となる。なお、第2の給水装置BP2の圧力センサ30は、第1の給水装置BP1の圧力センサPS1の代用として用いることができるので、圧力センサPS1は省略することができる。
上述した第1の給水装置BP1および第2の給水装置BP2は、いずれも1台のポンプのみを有しているが、図5に示すように複数のポンプを有してもよい。図5は、複数のポンプを備えた第1の給水装置BP1を示す模式図である。図示しないが、第2の給水装置BP2も、同様の配置に従って複数のポンプを備えることができる。複数のポンプを備えることにより、追加解列を伴う複数台運転を行ったり、運転中にあるポンプやインバータの異常が検知された場合に、他の正常なポンプやインバータに運転を切り替えて給水を継続することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る増圧給水システムについて説明する。なお、以下の説明において、上述した第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を引用し、第1の実施形態と同一の動作についての説明は省略する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る増圧給水システムを示す模式図である。上述した第1の実施形態では、給水装置BP1,BP2のそれぞれの制御盤CN1,CN2の間で通信が直接行われるが、第2の実施形態では、第2の給水装置BP2に通信盤(通信装置)30が接続されており、この通信盤30を介して給水装置BP1,BP2の間で通信が行われる。
図7は、図6に示す増圧給水システムの詳細な構成を示す図である。本実施形態における給水装置BP1,BP2は、それぞれ複数の(図7では2台の)ポンプを有しているが、図2および図3に示すような1台のポンプを有する給水装置も本発明に係る増圧給水システムに使用することができる。低層階用の第1の給水装置BP1と高層階用の第2の給水装置BP2の基本的構成は同一である。
図7に示すように、第1の給水装置BP1において、ポンプP1の上流側には減圧式逆流防止器20が接続されており、この減圧式逆流防止器20の上流側には吸込側圧力センサPS11(以下、単に圧力センサPS11という)が設けられている。この圧力センサPS11は第1の給水装置BP1の吸込側圧力を測定するセンサである。圧力センサPS11は制御盤CN1に接続されており、制御盤CN1は圧力センサPS11の測定値に基づいて第1の給水装置BP1の吸込側圧力を監視している。
第1の給水装置BP1が運転中に、何らかの原因で水道管2の圧力が低下すると、水道管2に負圧が形成されるおそれがある。そこで、水道管2に負圧が形成されないようにするために、第1の給水装置BP1の吸込側圧力、すなわち圧力センサPS11の測定値が所定のしきい値にまで低下したときは、制御盤CN1はポンプP1の運転を停止させるようになっている。
同様に、第2の給水装置BP2にも、吸込側圧力センサPS21(以下、単に圧力センサPS21という)が設けられている。この圧力センサPS21は減圧式逆流防止器20の上流側に配置され、第2の給水装置BP2の吸込側圧力を測定する。圧力センサPS21は制御盤CN2に接続されており、制御盤CN2は圧力センサPS21の測定値に基づいて第2の給水装置BP2の吸込側圧力を監視している。
圧力センサPS21を設ける理由は、圧力センサPS11を設ける理由と基本的に同様である。すなわち、給水装置BP1,BP2のいずれもが運転しているときに、故障などの理由により第1の給水装置BP1の吐き出し圧力が大きく低下すると、配水管7に負圧が形成されるおそれがある。そこで、第2の給水装置BP2の吸込側圧力、すなわち圧力センサPS21の測定値が所定のしきい値にまで低下したときは、制御盤CN2はポンプP2の運転を停止させる。
第1の給水装置BP1に設けられている吐出側圧力センサPS12(以下、単に圧力センサPS12という)および第2の給水装置BP2に設けられている吐出側圧力センサPS22(以下、単に圧力センサPS22という)は、第1の実施形態における圧力センサPS1,PS2にそれぞれ対応するものである。
第1の給水装置BP1および第2の給水装置BP2の基本的構成は同一であるため、高層階用の第2の給水装置BP2も減圧式逆流防止器20を有している。上述したように、第2の給水装置BP2に減圧式逆流防止器を設けることは必要とされていないが、次のような理由から第2の給水装置BP2にも減圧式逆流防止器を設けることが好ましい。第2の給水装置BP2のポンプP2が停止しているとき、高層階の配水管15内の水頭圧は第2の給水装置BP2の逆止弁CV2によって受け止められる。ところが、この逆止弁CV2が故障すると、高層階の配水管15の上端から低層階の配水管7の下端までの高さ分の水頭圧が第1の給水装置BP1に作用することになる。第1の給水装置BP1がその水頭圧を受け止めるのに十分な耐圧性能を有していない場合は、第1の給水装置BP1が故障または破損してしまう。そこで、このような2次的な故障、破損を防止するために、第2の給水装置BP2にも、図7に示すように、減圧式逆流防止器20を設けることが好ましい。
ポンプP2の上流側には、吸込側圧力センサPS5(以下、単に圧力センサPS5という)がさらに設けられており、ポンプP2の下流側には、吐出側圧力センサPS6(以下、単に圧力センサPS6という)がさらに設けられている。圧力センサPS5は、圧力センサPS21の上流側に配置され、これらは実質的に同じ高さに位置している。したがって、圧力センサPS5の測定値と圧力センサPS21の測定値とは実質的に同じ値を示す。圧力センサPS6は、圧力センサPS22および圧力タンクPT2の下流側に配置され、圧力センサPS6と圧力センサPS22とは実質的に同じ高さに位置している。したがって、圧力センサPS6の測定値と圧力センサPS22の測定値とは実質的に同じ値を示す。
圧力センサPS5および圧力センサPS6は通信盤30に接続されており、圧力センサPS5,PS6の測定値は通信盤30に送信されるようになっている。この通信盤30は、第2の給水装置BP2に隣接して配置されている。通信盤30は、第1の給水装置BP1の制御盤CN1と第2の給水装置BP2の制御盤CN2とに接続されている。この通信盤30は、第1の給水装置BP1と第2の給水装置BP2との間で連携した運転制御を可能とする通信装置であり、第1の給水装置BP1と第2の給水装置BP2とは通信盤30を介して運転情報を送受信する。
一般的に、給水装置の制御盤には、装置外部との単純なオンオフ信号の入出力を行うための端子を備えている。そして、多くの装置が、ポンプの運転を行っているかどうかを出力する運転状態出力端子と、ポンプの運転を外部から強制的に停止するためのインターロック信号を入力するためのインターロック信号入力端子とを備えている。本実施形態の給水装置BP1、BP2の制御盤CN1、CN2にも、この入出力端子が備えられており、通信盤30は、制御盤CN2の入出力端子、具体的には、運転信号出力端子とインターロック信号入力端子に接続されている。このような構成により、制御盤CN2からは、通信盤30を介してポンプP2の運転信号(ポンプP2が運転しているかまたは停止しているかの運転状態を示す信号)が制御盤CN1に送信される。また、制御盤CN1からは、通信盤30を介して制御盤CN2にインターロック信号を送信することができる。さらに、圧力センサPS5,PS6の測定値、すなわちポンプP2若しくは給水装置BP2の吸込側圧力および吐出側圧力は、通信盤30を介して第1の給水装置BP1の制御盤CN1に送信されるようになっている。
第1の給水装置BP1と第2の給水装置BP2は、通信盤30を介して互いに連携して運転される。より具体的には、高層階用のポンプP2が始動される前に、低層階用のポンプP1が始動され、ポンプP2が停止される前に、ポンプP1が停止される。このような連携運転により、低層階の配水管7に負圧が形成されることが防止される。以下、本実施形態における第1の給水装置BP1と第2の給水装置BP2の運転方法について詳細に説明する。
ポンプP1は、必ずポンプP2よりも先に始動される。このようなポンプP1,P2の始動順序を確立するために、制御盤CN1は3つの圧力センサPS12,PS5,PS6の測定値に基づいてポンプP1を始動させる。制御盤CN1には、ポンプP1を始動させるトリガーとなる始動圧力S10,S11,S12が記憶されている。これらの始動圧力は、圧力センサPS12,PS5,PS6の測定値に対してそれぞれ設定されたしきい値である。すなわち、制御盤CN1は、圧力センサPS12によって測定されたポンプP1の吐出側圧力、圧力センサPS5によって測定されたポンプP2の吸込側圧力、および圧力センサPS6によって測定されたポンプP2の吐出側圧力のいずれかがその対応する始動圧力に達したときに、ポンプP1を始動させる。
制御盤CN2には、ポンプP2を始動させるトリガーとなる始動圧力S13が記憶されている。この始動圧力S13は、圧力センサPS22の測定値に対して設定されたしきい値である。すなわち、制御盤CN2は、圧力センサPS22によって測定されたポンプP2の吐出側圧力が始動圧力S13に達したときに、ポンプP2を始動させる。この始動圧力S13は、上記始動圧力S12よりも小さく設定される(S12>S13)。これは、ポンプP2が始動される前にポンプP1を始動させるためである。
ポンプP1の上記始動条件の具体例について、図8を参照して説明する。なお、以下の説明では、圧力[Pa]は揚程[m]として表されている。図8に示すように、第1の給水装置BP1から第2の給水装置BP2までの高さH1は45m、第2の給水装置BP2から最も高い給水栓10(高層階での給水末端)までの高さH2は55mである。第1の給水装置BP1の目標吐出圧力(目標揚程、後述する第1の給水装置BP1の推定末端圧力一定制御を行う場合の目標圧力Pb)は、高さH1よりも大きい70mに設定されており、これは、第1の給水装置BP1の目標末端圧力(第2の給水装置BP2の吸込側における目標圧力、20mに設定されている)と高さH1とを考慮して設定された値になっている。第2の給水装置BP2の目標吐出圧力(目標揚程)は、高さH2よりも大きい70mに設定されている。
この例において、ポンプP1の3つの始動圧力、すなわち第1の始動圧力S10,第2の始動圧力S11,第3の始動圧力S12は、それぞれ70m,20m,70mに設定されている。また、ポンプP2の始動圧力S13は、始動圧力S12よりもやや小さい68mに設定されている。
次に、上述の条件の下でのポンプP1,P2の始動動作について説明する。ポンプP1,P2の両方が停止している場合に低層階で水が使用されると、ポンプP1の吐出側圧力およびポンプP2の吸込側圧力が低下する。制御盤CN1は、ポンプP1の吐出側圧力(すなわち、圧力センサPS12の測定値)が70m(始動圧力S10)まで低下したとき、またはポンプP2の吸込側圧力(すなわち、圧力センサPS5の測定値)が20m(始動圧力S11)まで低下したときに、ポンプP1を始動させる。
ポンプP1,P2の両方が停止している場合に高層階で水が使用されると、ポンプP2の吐出側圧力が低下する。ポンプP2の吐出側圧力は圧力センサPS22,PS6によって測定されている。これらの圧力センサの測定値は実質的に同じであるが、上述したように、圧力センサPS6の測定値は第1の給水装置BP1の制御盤CN1によって監視され、圧力センサPS22の測定値は第2の給水装置BP2の制御盤CN2によって監視される。ポンプP2の吐出側圧力が70m(始動圧力S12)まで低下したとき、すなわち圧力センサPS6の測定値が70mにまで低下したとき、制御盤CN1はポンプP1を始動させる。その後、ポンプP2の吐出側圧力が68m(始動圧力S13)まで低下したとき、すなわち圧力センサPS22の測定値が68mにまで低下したとき、制御盤CN2はポンプP2を始動させる。
ポンプP1の始動圧力S12(70m)は、ポンプP2の始動圧力S13(68m)よりも高く設定されているので、ポンプP2の吐出側圧力は、ポンプP2の始動圧力S13(68m)よりも先にポンプP1の始動圧力S12(70m)に達する。したがって、高層階のみで水が使用されている場合であっても、ポンプP1がポンプP2よりも先に始動される。このような通信盤30を介した第1の給水装置BP1と第2の給水装置BP2との連携動作により、低層階での配水管7に負圧が形成されることが防止される。
低層階および高層階の両方で水が使用された場合は、上述の始動動作に従って、ポンプP1,P2がこの順に始動される。なお、第1の給水装置BP1が故障した場合など、第2の給水装置BP2を始動させるべきでないときには、制御盤CN1から通信盤30を介して制御盤CN2にインターロック信号が送信される。この場合は、上述した始動条件が満たされた場合であっても、ポンプP2は始動されない。
次に、ポンプP1,P2の停止動作について説明する。低層階および高層階の両方で水が使用されている場合において、高層階での水の使用が停止されると、ポンプP2の吐出流量が低下する。フロースイッチSW2は、この吐出流量が所定の値(少水量停止のための設定値)にまで低下したことを検知すると、その検知信号を制御盤CN2に送る。制御盤CN2はこの検知信号を受け、インバータINV2に指令を出してポンプP2の回転速度を一時的に増加させて圧力タンクPT2に始動圧力S12(70m)よりも高い圧力まで蓄圧し、その後ポンプP2を停止させる。
低層階および高層階の両方で水が使用されている場合において、低層階での水の使用が停止されると、ポンプP1の吐出流量が低下する。この場合、ポンプP1の吐出流量が少水量停止のための設定値にまで低下しても、制御盤CN1はポンプP1の運転を停止させない。これは、ポンプP2の運転が継続されているからである。ポンプP2の運転信号は、通信盤30を介して制御盤CN2から制御盤CN1に送信されており、制御盤CN1は、ポンプP2が運転しているときは、ポンプP1を停止させない。このような通信盤30を介した第1の給水装置BP1と第2の給水装置BP2との連携動作により、低層階での配水管7に負圧が形成されることが防止される。
低層階での水の使用が停止された後に高層階での水の使用が停止されると、上述した動作に従って制御盤CN2はポンプP2を停止させる。その後、ポンプP1の吐出流量が低下して所定の値(少水量停止のための設定値)に達すると、フロースイッチSW1はその検出信号を制御盤CN1に送信する。制御盤CN1は、ポンプP2が停止していることを条件として、ポンプP1を停止させる。ポンプP1を停止させる直前に、制御盤CN1は、インバータINV1に指令を発してポンプP1の回転速度を一時的に上げ、ポンプP1の吐出側圧力が始動圧力S10よりも高い所定の停止圧力以上に達し、且つ、ポンプP2の吸込側圧力が始動圧力S11よりも高い所定の停止圧力以上に達するまで昇圧して、圧力タンクPT1に蓄圧する。
このように、本実施形態においても、通信盤30を介した通信により、ポンプP1,ポンプP2の順で始動され、ポンプP2,ポンプP1の順で停止される。したがって、ポンプP2が運転しているときは、常にポンプP1が運転していることになり、低層階での配水管7での負圧の形成を防止することができる。なお、3段以上の給水装置を直列に繋げた場合も、同様に、階層の低い順からポンプが始動され、階層の高い順からポンプが停止される。
以上の通り、ポンプP1,P2の始動と停止について詳しく説明したが、第2の実施形態における2つの圧力センサPS21,PS5を第1の実施形態におけるポンプP2の吸込側に配置される圧力センサ30(図4参照)に、第2の実施形態における2つの圧力センサPS22,PS6を第1の実施形態におけるポンプP2の吐出側に配置される圧力センサPS2に当てはめれば、第2の実施形態における増圧給水システムでの始動と停止の動作は第1の実施形態でも同様となる。
ポンプP1の運転中、第1の給水装置BP1の制御盤CN1は、通信盤30から送られてくる圧力センサPS5の測定値に基づき、低層階の給水栓9の給水圧力(低層階での末端圧力)が所定の目標値となるようにフィードバック制御する。具体的には、制御盤CN1は、圧力センサPS5の測定値が所定の目標値を維持するようにポンプP1の運転を制御する。圧力センサPS5が故障した場合には、制御盤CN1は、圧力センサPS12の測定値に基づいて推定末端圧力一定制御を行う。圧力センサPS5の故障は、その出力値が所定時間の間に全く変化しない等の条件により制御盤CN1によって検知することが可能である。
ここで、推定末端圧力一定制御について、図9の運転特性曲線図を参照して説明する。図9において、横軸は水量すなわち流量であり、縦軸はヘッドすなわち揚程(以下適宜「圧力」ともいう)であり、曲線NxはポンプP1の回転速度を一定としたときの運転特性を示す。抵抗曲線Rは、ポンプP1から給水末端(給水栓9)までの使用水量に応じた管路抵抗である。推定末端圧力一定制御においては、使用水量に応じた(抵抗曲線Rで示される)管路抵抗を考慮して、ポンプP1の回転速度が制御される。すなわち、ポンプP1の吐出し圧力が抵抗曲線Rに沿って変化するように圧力センサPS12の測定値に基づいてポンプP1の回転速度が制御される。したがって、水量が少ないときは、管路抵抗が少ないので、その分ポンプP1の必要動力が低くなり、省エネルギー運転が実現される。
図9の例では、ポンプP1の回転速度は、Na(最大水量時に目標推定末端圧力(図8の例でいえば20m)を達成するための回転速度)とNb(水量0のとき上記目標推定末端圧力を達成するための回転速度)との間で制御される。例えば、流量Q1では、ポンプP1は回転速度Ncで運転される。図9のPaは、最大水量時に目標推定末端圧力を達成するために必要なポンプP1の吐出側圧力であり、Pbは、水量0時に目標推定末端圧力を達成するために必要なポンプP1の吐出側圧力である。
圧力センサPS12の測定値に基づいて推定末端圧力一定制御を行っている場合、圧力センサPS5を使用した末端圧力一定制御に較べると、第2の給水装置BP2の吸込側圧力の確実性が低く、推定した圧力よりも低くなっている可能性がある。また、推定末端圧力一定制御では、通常、ポンプP1の回転速度から水量Qを推定するため、末端圧力一定制御に較べて、水の使用量の急変動に対する追従性が悪くなる傾向がある。したがって、特に低層階での水使用量が少ないときに高層階での水の使用量が急に増大した場合など、第2の給水装置BP2の吸込側圧力が著しく低下して、配水管7に負圧が形成されるおそれがある。これに対しては以下のように対応することができる。
第1の給水装置BP1と第2の給水装置BP2との間の管路抵抗を考慮して設定される最大水量時のポンプP1の吐出側必要圧力Paと、Paから管路抵抗分を差し引いたPb(水量0時のポンプP1の吐出側必要圧力)について、Paの値はそのままとして、Pbをより高い圧力Pb’(水量0時に推定末端圧力が目標推定末端圧力となるときに必要なポンプP1の吐出側必要圧力より高い圧力)に設定し、図10に示すように、管路抵抗Rに代えて新たな曲線R’を設定する。これにより、第1の給水装置BP1が水量が少水量に近いところで運転されていても第1の給水装置BP1の吐き出し圧力に余裕ができるため、高層階での水使用の急増に対応できる。更に、図11に示すように、Pbをより高い圧力Pb”に設定し、Pa=Pb”としてもよい。この場合は、推定末端圧力一定制御ではなく、吐出圧力一定制御となる。つまり、低層階の給水装置BP1では吐出圧力一定制御を行うことにより、水使用の急増に対する給水装置BP2の吸込側圧力の低下を防ぐことができる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。
1 建物
2 水道管
5 導入管
7 第1の配水管
9,10 給水栓
12,13 枝管
15 第2の配水管
20 減圧式逆流防止器
25 通信線
30 通信盤
BP1,BP2 給水装置
M1,M2 モータ
INV1,INV2 インバータ
CV1,CV2 逆止弁
SW1,SW2 フロースイッチ
PS1,PS2,30,PS11,PS12,PS21,PS22,PS5,PS6 圧力センサ
PT1,PT2 圧力タンク
CN1,CN2 制御盤
CB1,CB2 キャビネット
L1,L2 吐出管

Claims (13)

  1. 建物に給水する増圧給水システムであって、
    水道管に連結される低層階用の第1の給水装置と、
    前記第1の給水装置に直列に連結され、前記第1の給水装置よりも高い位置に配置される高層階用の第2の給水装置とを備え、
    前記第1の給水装置は、第1のポンプと、該第1のポンプを駆動する第1の駆動源と、前記第1のポンプの運転を制御する第1の制御部とを有し、
    前記第2の給水装置は、第2のポンプと、該第2のポンプを駆動する第2の駆動源と、前記第2のポンプの運転を制御する第2の制御部とを有し、
    前記第1の制御部および前記第2の制御部はそれぞれ通信機能を有し、
    前記第1の制御部と前記第2の制御部は、前記通信機能を介して運転情報を通信するように構成され、
    前記第2のポンプを始動させるときは、前記第1のポンプを先に始動させることを特徴とする増圧給水システム。
  2. 前記第2のポンプが運転している間、前記第1の制御部は前記第1のポンプの運転を維持させることを特徴とする請求項1に記載の増圧給水システム。
  3. 前記運転情報には、前記第1の給水装置および前記第2の給水装置の故障情報が含まれ、
    前記第1の給水装置が故障したときは、前記第2の制御部は前記第2のポンプを停止させることを特徴とする請求項1に記載の増圧給水システム。
  4. 前記第2のポンプを停止させた後に前記第1のポンプを停止させることを特徴とする請求項1に記載の増圧給水システム。
  5. 前記第1の制御部は、前記第1のポンプの吐出側圧力が第1の始動圧力に達したとき、および前記第2のポンプの吐出側圧力が第2の始動圧力に達したときに、前記第1のポンプを始動させ、
    前記第2の制御部は、前記第2のポンプの吐出側圧力が第3の始動圧力に達したときに前記第2のポンプを始動させ、
    前記第2の始動圧力は、前記第3の始動圧力よりも高く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の増圧給水システム。
  6. 前記運転情報には、前記第1の給水装置および前記第2の給水装置の故障情報が含まれ、
    前記第2の給水装置が故障したときは、前記第1の給水装置の給水圧力を増加させることを特徴とする請求項1に記載の増圧給水システム。
  7. 前記第2の給水装置は、前記第2のポンプの上流側に配置された吸込側圧力センサをさらに有し、
    前記第1の制御部は、前記吸込側圧力センサの測定値が所定の目標値を維持するように前記第1のポンプの運転を制御することを特徴とする請求項1に記載の増圧給水システム。
  8. 前記第1の給水装置は、前記第1のポンプの吐出側に圧力センサを持たないことを特徴とする請求項7に記載の増圧給水システム。
  9. 建物に給水する増圧給水システムであって、
    水道管に連結される低層階用の第1の給水装置と、
    前記第1の給水装置に直列に連結され、前記第1の給水装置よりも高い位置に配置される高層階用の第2の給水装置と、
    前記第2の給水装置の運転状態と、前記第2の給水装置の吸込側圧力及び吐出側圧力とを前記第1の給水装置に送信する通信装置とを備え、
    前記第1の給水装置は、第1のポンプと、該第1のポンプを駆動する第1の駆動源と、前記第1のポンプの運転を制御する第1の制御部とを有し、
    前記第2の給水装置は、第2のポンプと、該第2のポンプを駆動する第2の駆動源と、前記第2のポンプの運転を制御する第2の制御部とを有し、
    前記第2のポンプを始動させるときは、前記第1のポンプを先に始動させることを特徴とする増圧給水システム。
  10. 前記第1のポンプの吐出側圧力が第1の始動圧力に達したとき、または
    前記第2のポンプの吸込側圧力が第2の始動圧力に達したとき、または
    前記第2のポンプの吐出側圧力が第3の始動圧力に達したときに、前記第1の制御部は前記第1のポンプを始動させ、
    前記第2の制御部は、前記第2のポンプの吐出側圧力が第4の始動圧力に達したときに前記第2のポンプを始動させ、
    前記第3の始動圧力は、前記第4の始動圧力よりも高く設定されていることを特徴とする請求項9に記載の増圧給水システム。
  11. 前記第1のポンプを停止させるときは、前記第2のポンプを先に停止させることを特徴とする請求項9に記載の増圧給水システム。
  12. 前記第2のポンプの上流側には吸込側圧力センサが設けられ、
    前記第1の制御部は、前記吸込側圧力センサの測定値が所定の目標値を維持するように前記第1のポンプの運転を制御することを特徴とする請求項9に記載の増圧給水システム。
  13. 前記第1のポンプの下流側には吐出側圧力センサが設けられ、
    前記第1の制御部は、前記吸込側圧力センサが故障したときに、前記吐出側圧力センサの測定値に基づいて推定末端圧力一定制御を行うことを特徴とする請求項12に記載の増圧給水システム。
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