JP3669250B2 - 膜形成用組成物の製造方法およびそれにより得られる膜形成用組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は組成物中に含有されているナトリウム、鉄などの金属が特定の濾材により除去することを特徴とする膜形成用組成物の製造方法およびそれにより得られる膜形成用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
膜形成用組成物はエレクトロニクス分野で例えばLSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAMなどの半導体素子用層間絶縁膜やエッチングストッパー膜、半導体素子の表面コート膜などの保護膜、多層レジストを用いた半導体作製工程の中間層、多層配線基板の層間絶縁膜、液晶表示素子用の保護膜や絶縁膜など多くの用途があるが、これらのエレクトロニクス分野のデバイスにおいてはその構造が近年益々微細化し、電気特性の高性能化のために使用される素材中の金属不純物の含有量を著しく低く抑制することが求められている。
従って、膜形成用組成物をエレクトロニクス分野の素材として使用する場合にも金属不純物が極く少量に抑制されていることが重要である。
【0003】
従来知られている硬化性組成物中の金属不純物を除去、低減する方法として、イオン交換樹脂に金属イオンを吸着させる方法がある。
しかし、イオン交換樹脂は粒状のものが多いため取り扱いにくく、しかも金属イオンを吸着させた後、アルカリ性(または酸性)の溶液による逆再生処理、水洗および酸性(またはアルカリ性)の溶液による再生処理と、多くの処理段階が必要であるという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、膜形成用組成物中の金属を高効率で低減させる製造方法およびそれにより得られる膜形成用組成物膜を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記のような従来の技術の問題点を解決すべく研究を行った結果、芳香族ポリマーを含有する溶液を特定の濾材処理することによって、上記の目的を達成することができ、本発明を完成させた。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、芳香族ポリアリーレンおよび芳香族ポリアリーレンエーテルもしくはいずれか一方を含有する溶液、もしくは芳香族ポリアリーレンまたは芳香族ポリアリーレンエーテルを製造する際に使用する化合物を含有する溶液をゼータ電位が作用する濾材により処理することを特徴とする膜形成用組成物の製造方法に関するものである。
次に、本発明は、上記製造方法によって得られる膜形成用組成物に関する。
【0007】
[機能性濾材]
本発明の方法に使用されるゼータ電位が作用する濾材(以下「機能性濾材」という)としては、濾過される濾液にゼータ電位が作用するものが選ばれる。
このような機能性濾材としては、通常の濾材、例えば木綿、パルプ、セルロース、ポリエステル、ケイソウ土、パーライト、活性炭、ゼオライト等にカチオン電荷調節剤が添加されたものが挙げられる。これらの中で好ましいものは、木綿、セルロース、ポリエステル、活性炭、およびゼオライトからなる濾材である。上記カチオン電荷調節剤により濾材にカチオン電荷が付与され、濾過過程で該濾材を通過する前記濾液の荷電している物質、即ち金属成分、との間でゼータ電位が生じる。
カチオン電荷調節剤としては、米国特許第2802820号公報に記載されているジシアンジアミド、モノエタノールアミンおよびホルムアルデヒドの反応物、米国特許第2839506号公報に記載されているアミノトリアジン樹脂、米国特許第4007113号公報に記載されているメラミン−ホルムアルデヒドカチオン樹脂、特公昭36−20045号公報に記載されているN、N’−ジエタノールピペラジン、メラミン、ホルマリンおよびグリセリンフタル酸エステルを反応させた樹脂、特公昭63−17486号公報に記載されているポリアミドポリアミンエピクロロヒドリンカチオン樹脂等が挙げられ、中でもポリアミドポリアミンエピクロロヒドリンカチオン樹脂が安定したカチオン電荷を与えるので好ましい。
【0008】
上記の特公昭63−17486号公報には、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリンカチオン樹脂をカチオン電荷調節剤として用い、セルロース、ケイソウ土、パーライトを機能性濾材化した濾材からなるフィルタの製造方法が記載されている。
本発明で使用される機能性濾材の厚さは10cm以下であることが好ましく、0.01〜10cmであることがより好ましい。
【0009】
本発明で使用される機能性濾材の好ましい一形態として、イオン交換体およびキレート形成体もしくはとともに用いることが挙げられる。
ここで、イオン交換体およびキレート形成体は、重合体、例えばスチレン系重合体、アクリル系重合体、メタクリル系重合体、ビニルアルコール系重合体、ポリエステル、セルロース等にイオン交換機能ないしキレート形成機能を持つ官能基が導入されたものである。
これらのイオン交換体またはキレート形成体の形態は特に限定されず、粒状、繊維状あるいは多孔性の膜状(以下、単に「膜状」と示す)等いかなる形状でも良いが、通常、粒状で使用される。
【0010】
より具体的には、イオン交換体としては、強酸性カチオン交換体、弱酸性カチオン交換体、強塩基性アニオン交換体、あるいは弱塩基性アニオン交換体からなる粒状、繊維状あるいは膜状の物が用いられる。
ここで、強酸性カチオン交換体としては、例えばジビニルベンゼンで架橋したスチレン重合体をスルホン化したものやメタクリル系重合体をカルボン化したものが挙げられ、弱酸性カチオン交換体としては、例えばジビニルベンゼンで架橋したアクリル酸、メタクリル酸の共重合体が例示される。また、強塩基性アニオン交換体としては、例えばジビニルベンゼンで架橋したスチレン重合体をアミノメチル化した後、4級化したものが挙げられ、弱塩基性アニオン交換体としては、例えばジビニルベンゼンで架橋したスチレン重合体をアミノメチル化したもの、あるいはジビニルベンゼンで架橋したアミノメチル基を有するアクリルアミド重合体等が示される。
【0011】
キレート形成体としては、例えばジビニルベンゼンで架橋したスチレン重合体にイミノジ酢酸型構造を有する基が導入された樹脂、あるいはジビニルベンゼンで架橋したスチレン重合体にポリアミン構造を有する基が導入された樹脂等の粒状、繊維状あるいは膜状の物が挙げられる。これら種々のイオン交換体あるいはキレート形成体は1種類だけでなく、2種類以上が同一の機能性濾材に含まれていても良い。
上記のイオン交換体およびキレート形成体は一緒に機能性濾材を形成するが、そのとき前記の機能性濾材と一様に混合した状態でもよいし、イオン交換体およびキレート形成体の層と機能性濾材層とが隣接した形で配置ないしは接合されていてもよいし、さらにはこのように配置もしくは接合された二層がその境界において部分的に混合した状態であってもよい。
【0012】
上記の機能性濾材の、あるいは機能性濾材により形成される孔径は、通常、0.05〜10.0μmであり、好ましくは0.1〜1.0μmである。機能性濾材では、通液したときに発生する電位差によって液中に存在している荷電した粒子が機能性濾材に吸着されるので、機能性濾材の孔径に比べて小さい金属不純物も機能性濾材に捕捉される。微量金属のある部分は、ミクロゲル等の微粒子の状態で存在しているので、ゼータ電位を生じるフィルターによって捕捉される。一方、イオン交換体やキレート形成体は主として液中の遊離のイオンを捕集する。その結果、本発明の方法によって存在形態の異なる種々の金属を幅広く除去することができる。したがって、イオン交換体および/キレート形成体を併用することによって硬化性組成物およびその原料に含まれる金属分をより効率よく低減することができる。
【0013】
本発明方法に用いられる機能性濾材としては、市販されているものを広く用いることができ、例えばイオン交換樹脂あるいはキレート樹脂を含み、かつゼータ電位を生じる濾材としては、キュノ株式会社のゼータプラスSHシリーズ(商品名)、またイオン交換樹脂あるいはキレート樹脂を含まず、ゼータ電位を生じる濾材としては、同社のゼータプラスGNシリーズおよびLAシリーズが好ましく用いられる。
【0014】
[膜形成用組成物]
本発明の組成物は、芳香族ポリアリーレンおよび/または芳香族ポリアリーレンエーテルを含有する溶液である。
芳香族ポリアリーレン、芳香族ポリアリーレンエーテルとしては、例えば下記一般式(1)〜(2)で表される化合物を挙げることができる。
【0015】
一般式(1)
【化1】
【0016】
一般式(2)
【化2】
(R7〜R11はそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基、フェニル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜20のアルコキシル基、またはハロゲン原子、Xは−CQQ’−(ここでQ、Q’は同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、水素原子、ハロゲン原子またはアリール基を示す)に示す基、およびフルオレニレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Yは−O−、−CO−、−COO−、−CONH−、−S−、−SO2−およびフェニレン基の群から選ばれた少なくとも1種であり、aは0または1を示し、b〜fは0〜4の整数を示し、gは5〜100モル%、hは0〜95モル%、iは0〜95モル%(ただし、g+h+i=100モル%)、jは0〜100モル%、kは0〜100モル%(ただし、j+k=100モル%)
【0017】
また、上記芳香族ポリアリーレン、芳香族ポリアリーレンエーテルを溶解させる溶剤としては、例えばn−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、i−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒;
メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾールなどのモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール系溶媒;
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョンなどのケトン系溶媒;
エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどのエステル系溶媒;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドンなどの含窒素系溶媒;
硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトンなどの含硫黄系溶媒などを挙げることができる。
これらの溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
その他の添加剤
本発明で得られる膜形成用組成物には、さらにコロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー、界面活性剤、シランカップリング剤、ラジカル発生剤、トリアゼン化合物、エチニル化合物などの成分を添加してもよい。
コロイド状シリカとは、例えば、高純度の無水ケイ酸を前記親水性有機溶媒に分散した分散液であり、通常、平均粒径が5〜30mμ、好ましくは10〜20mμ、固形分濃度が10〜40重量%程度のものである。このような、コロイド状シリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製、メタノールシリカゾルおよびイソプロパノールシリカゾル;触媒化成工業(株)製、オスカルなどが挙げられる。
コロイド状アルミナとしては、日産化学工業(株)製のアルミナゾル520、同100、同200;川研ファインケミカル(株)製のアルミナクリアーゾル、アルミナゾル10、同132などが挙げられる。
有機ポリマーとしては、例えば、糖鎖構造を有する化合物、ビニルアミド系重合体、(メタ)アクリル系重合体、芳香族ビニル化合物、デンドリマー、ポリイミド,ポリアミック酸、ポリアリーレン、ポリアミド、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、フッ素系重合体、ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物などを挙げることができる。
【0019】
ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物としては、ポリメチレンオキサイド構造、ポリエチレンオキサイド構造、ポリプロピレンオキサイド構造、ポリテトラメチレンオキサイド構造、ポリブチレンオキシド構造などが挙げられる。具体的には、ポリオキシメチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエテチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型化合物、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩などのエーテルエステル型化合物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエーテルエステル型化合物などを挙げることができる。
ポリオキシチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーとしては下記のようなブロック構造を有する化合物が挙げられる。
−(X)l−(Y)m−
−(X)l−(Y)m−(X)n-
(式中、Xは−CH2CH2O−で表される基を、Yは−CH2CH(CH3)O−で表される基を示し、lは1〜90、mは10〜99、nは0〜90の数を示す)
【0020】
これらの中で、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、などのエーテル型化合物をより好ましい例として挙げることができる。
これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
【0021】
界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、さらには、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤などを挙げることができ、好ましくはフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤を挙げることができる。
【0022】
フッ素系界面活性剤としては、例えば1,1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロデカン、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]-N,N‘−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、パーフルオロアルキルスルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル−N−エチルスルホニルグリシン塩、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキルエチルリン酸エステル等の末端、主鎖および側鎖の少なくとも何れかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物からなるフッ素系界面活性剤を挙げることができる。
また、市販品としてはメガファックF142D、同F172、同F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、エフトップEF301、同303、同352(新秋田化成(株)製)、フロラードFC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、BM−1000、BM−1100(裕商(株)製)、NBX−15((株)ネオス)などの名称で市販されているフッ素系界面活性剤を挙げることができる。これらの中でも、上記メガファックF172,BM−1000,BM−1100,NBX−15が特に好ましい。
【0023】
シリコーン系界面活性剤としては、例えばSH7PA、SH21PA、SH30PA、ST94PA(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製などを用いることが出来る。これらの中でも、上記SH28PA、SH30PAが特に好ましい。
界面活性剤の使用量は、(A)成分100重量部に対して通常0.00001〜1重量部である。
これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
【0024】
シランカップリング剤としては、例えば3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノグリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
【0025】
ラジカル発生剤としては、例えばイソブチリルパーオキサイド、α、α’ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−nプロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、ジメトキブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、スクシニックパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、m−トルオイルアンドベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ヘキシルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジベンジル、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、α,α‘−ジメトキシ−α,α’−ジフェニルビベンジル、α,α‘−ジフェニル−α−メトキシビベンジル、α,α‘−ジフェニル−α,α’−ジメトキシビベンジル、α,α‘−ジメトキシ−α,α’−ジメチルビベンジル、α,α‘−ジメトキシビベンジル、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニル−n−ヘキサン、2,2,3,3−テトラフェニルコハク酸ニトリルなどを挙げることができる。
これらは、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0026】
トリアゼン化合物としては、例えば、1,2−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)ベンゼン、1,3−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)ベンゼン、1,4−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)ベンゼン、ビス(3,3−ジメチルトリアゼニルフェニル)エーテル、ビス(3,3−ジメチルトリアゼニルフェニル)メタン、ビス(3,3−ジメチルトリアゼニルフェニル)スルホン、ビス(3,3−ジメチルトリアゼニルフェニル)スルフィド、2,2−ビス〔4−(3,3−ジメチルトリアゼニルフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(3,3−ジメチルトリアゼニルフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,3,5−トリス(3,3−ジメチルトリアゼニル)ベンゼン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[3−メチル−4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[3−フェニル−4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[3−プロペニル−4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[3−フルオロ−4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[3,5−ジフルオロ−4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[3−トリフルオロメチル−4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレンなどが挙げられる。
これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
【0027】
エチニル化合物としては、例えば1,4−ジエチニルベンゼン、1,3−ジエチニルベンゼン、1,2−ジエチニルベンゼン、1,3,5−トリエチニルベンゼン、1,2−4−トリエチニルベンゼン、1,4−ビス(フェニルエチニル)ベンゼン、1,3−4−ビス(フェニルエチニル)ベンゼン、1,2−4−ビス(フェニルエチニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(フェニルエチニル)ベンゼン、1,2−4−トリス(フェニルエチニル)ベンゼン、4,4’−ジエチニルジフェニルエーテル、3,4’−ジエチニルジフェニルエーテル、3,3’−ジエチニルジフェニルエーテル、4,4’−ビス(フェニルエチニル)ジフェニルエーテル、3,4’− ビス(フェニルエチニル)ジフェニルエーテル、3,3’− ビス(フェニルエチニル)ジフェニルエーテル、1,3,4’−トリエチニルジフェニルエーテル、1,3,4’−トリス(フェニルエチニル)ジフェニルエーテルなどを挙げることができる。
これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
本発明の膜形成用組成物の全固形分濃度は、好ましくは、2〜30重量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。組成物の全固形分濃度が2〜30重量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、保存安定性もより優れるものである。
【0028】
本発明においては、芳香族ポリアリーレンおよび芳香族ポリアリーレンエーテルを含有する溶液、もしくは芳香族ポリアリーレンまたは芳香族ポリアリーレンエーテルを製造する際に使用する化合物を含有する溶液を機能性濾材に通液させることにより金属を除去できる。
なお、芳香族ポリアリーレンおよび芳香族ポリアリーレンエーテルを含有する溶液には前記各種添加剤などが添加されていてもよい。
また、芳香族ポリアリーレンまたは芳香族ポリアリーレンエーテルを製造する際に使用する化合物とは、それぞれのポリマーを合成するためのモノマー化合物、溶液、触媒などを示す。
本発明においては、これらの重合体または化合物は溶剤に溶解された処理液の状態で機能性濾材に通液される。
処理液の固形分濃度は、通常、0.5〜80重量%の範囲が好ましい。
機能性櫨材に通液させるときの通液速度は、金属の分離効率にほとんど影響はなく、0.0001〜100kg/(m2・min)の範囲が好ましい。
機能性濾材を通液させるときの温度は、高過ぎると機能性濾材の溶出、劣化、溶媒の分解などがあるため、処理液に悪い影響を与え、また、温度が低すぎると、処理液中の固形分濃度が高くなるため、通液が非常に困難になる。そのため、温度範囲は0〜80℃、好ましくは10〜50℃が範囲として適当である。
【0029】
本発明の組成物を、シリコンウエハ、SiO2ウエハ、SiNウエハなどの基材に塗布する際には、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー法などの塗装手段が用いられる。
この際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜1.5μm程度、2回塗りでは厚さ0.1〜3μm程度の塗膜を形成することができる。その後、常温で乾燥するか、あるいは80〜600℃程度の温度で、通常、5〜240分程度加熱して乾燥することにより形成することができる。
この際の加熱方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することが出来、加熱雰囲気としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下などで行うことができる。
また、電子線や紫外線を照射することによっても塗膜を形成させることができる。
【0030】
このようにして得られる膜形成用組成物は、組成物中の金属含有量が少なく、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAMなどの半導体素子用層間絶縁膜やエッチングストッパー膜やCMPストッパー膜、半導体素子の表面コート膜などの保護膜、多層レジストを用いた半導体作製工程の中間層や反射防止膜、多層配線基板の層間絶縁膜、液晶表示素子用の保護膜や絶縁膜などの用途に有用である。
【0031】
【実施例】
本発明をさらに詳細に説明するために、以下に実施例と比較例を示すが、本発明はこれら実施例と比較例によって特に限定されるものではない。尚、以下に記されている割合とパーセントは重量基準である。
【0032】
重量平均分子量(Mw)
下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した。
試料:テトラヒドロフランを溶媒として使用し、加水分解縮合物1gを、100ccのテトラヒドロフランに溶解して調製した。
標準ポリスチレン:米国プレッシャーケミカル社製の標準ポリスチレンを使用した。
装置:米国ウオーターズ社製の高温高速ゲル浸透クロマトグラム(モデル150−C ALC/GPC)
カラム:昭和電工(株)製のSHODEX A−80M(長さ50cm)
測定温度:40℃
流速:1cc/分
【0033】
比誘電率
8インチシリコンウエハ上に、スピンコート法を用いて膜形成用組成物を塗布し、ホットプレート上で80℃で2分間、180℃で2分間基板を乾燥し、さらに420℃の窒素雰囲気のオーブン中で18分間基板を焼成した。得られた基板上にアルミニウムを蒸着し、比誘電率評価用基板を作製した。比誘電率は、横川・ヒューレットパッカード(株)製のHP16451B電極およびHP4284AプレシジョンLCRメーター用いて、10kHzにおける容量値から算出した。
【0034】
リーク電流
8インチシリコンウエハ上に、スピンコート法を用いて膜形成用組成物を塗布し、ホットプレート上で80℃で2分間、180℃で2分間基板を乾燥し、さらに420℃の窒素雰囲気のオーブン中で18分間基板を焼成した。得られた基板上にアルミニウムを蒸着し、リーク電流評価用基板を作製した。リーク電流は、Keithley(株)製の6517Aを使用し、塗膜に0.2MV/cmの電圧を印可した際の電流値を測定した。下記基準で塗膜のリーク電流を評価した。
○;リーク電流が1×10-10A未満
×;リーク電流が1×10-10A以上
【0035】
絶縁破壊電圧
8インチシリコンウエハ上に、スピンコート法を用いて膜形成用組成物を塗布し、ホットプレート上で80℃で2分間、180℃で2分間基板を乾燥し、さらに420℃の窒素雰囲気のオーブン中で18分間基板を焼成した。得られた基板上にアルミニウムを蒸着し、絶縁破壊電圧評価用基板を作製した。絶縁破壊電圧は、Keithley(株)製の6517Aを使用し、塗膜に0〜10MV/cmの電圧を印可した際の電流値から判断した。下記基準で塗膜の絶縁破壊電圧を評価した。
○;絶縁破壊電圧が3.5MV/cm以上
×;絶縁破壊電圧が3.5MV/cm未満
【0036】
溶液中の金属含有量
溶液を原子吸光分析法を用いて測定した。
【0037】
合成例1
三つ口フラスコに、ヨウ化ナトリウム7.5g、無水塩化ニッケル1.3g、トリフェニルホスフィン15.7g、酢酸により活性化させた亜鉛粉末19.6g、および9,9−ビス(メチルスルフォニロキシ)フルオレン16.7gを加え、24時間、真空下で乾燥した後、三つ口フラスコ内をアルゴンガスで充填した。次いで、乾燥N,N−ジメチルアセトアミド50ml、乾燥テトラヒドロフラン50ml、および2,4−ジクロロトルエン10.8gを添加し、70℃アルゴン気流下で攪拌したところ、反応液が褐色となった。そのまま、70℃で20時間反応させた後、反応液を36%塩酸400mlおよびメタノール1600ml混合液中に注ぎ、沈殿物を回収した。
得られた沈殿物を、クロロホルム中に加えて懸濁させ、2規定塩酸水溶液で抽出を行った後、クロロホルム層をメタノールに注ぎ、沈殿物を回収、乾燥したところ、重量平均分子量10300の白色粉末状の重合体▲1▼を得た。
【0038】
合成例2
窒素導入管、ディーンスターク、冷却管を取り付けた1Lの三口フラスコに、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン26.48g、9,9−ビス(4−ヒドロー3−メチルキシフェニル)フルオレン28.35g、無水炭酸カリウム45.60g、ジメチルアセトアミド500mL、トルエン150mLをくわえ、窒素雰囲気下140℃で3時間加熱を行った。塩形成時に生成する水および過剰のトルエンを除去した後、反応溶液を室温まで冷却した。その後この反応液に4,4‘−ジフルオロベンゾフェノン32.73gを添加し、165℃で10時間反応させた。冷却後、反応液を10%HCl含有メタノール5Lに投じ再沈殿を行った。この沈殿物を濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空オーブンにて予備乾燥した。テトラヒドロフランにこの沈殿物を再溶解させ、不溶部を除去した後、メタノールに再沈殿させた。この再沈殿操作をもう一度繰り返すことによりポリマーを精製し、乾燥は真空オーブン中80℃で12時間行った。重量平均分子量150000のの白色粉末状の重合体▲2▼を得た。
【0039】
実施例1
合成例1で得られた重合体▲1▼20gをシクロヘキサノン180gに溶解した。この溶液をカチオン電荷調節剤中にイオン交換体として、ジビニルベンゼンで架橋したポリスチレンのスルホン化物からなるカチオン交換樹脂を含む機能性濾材、キュノ(株)製ゼータプラスSHフィルター(材質:セルロース、ケイソウ土およびパーライトを含む。カチオン電荷調節剤:ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂。直径47mm、厚さ3mmの円形状)に20℃で、0.45kg/(m2・min)の流速で通液させた。
処理前と処理後の組成物の金属濃度を原子吸光分析計で測定した結果を表1に示す。また、処理後の溶液を用いて塗膜を作製したところ、比誘電率は2.83、リーク電流は0.6×10-10A、絶縁破壊電圧は3.9MV/cmと良好な電気特性を示した。
【0040】
実施例2
合成例2で得られた重合体▲2▼を用いたこと以外は実施例1と同様にして、溶液および塗膜の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0041】
実施例3
実施例1において、市販のポリアリーレンエーテル溶液商品名SiLK I(Dow Chemical社製)を使用したこと以外は実施例1と同様にして溶液および塗膜の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0042】
実施例4
実施例1において、市販のポリアリーレンエーテル溶液商品名FLARE2.0(Honeywell社製)を使用したこと以外は実施例1と同様にして溶液および塗膜の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
比較例1
実施例1において、処理前の溶液を用いて塗膜を形成したこと以外は実施例1と同様にして塗膜の評価を行った。
塗膜の比誘電率は2.89と低い比誘電率を示したが、塗膜のリーク電流は6.2×10-10A、塗膜の絶縁破壊電圧は3.2MV/cmと、塗膜の電気特性に劣るものであった。
【0045】
比較例2
実施例2において、処理前の溶液を用いて塗膜を形成したこと以外は実施例1と同様にして塗膜の評価を行った。
塗膜の比誘電率は2.98と低い比誘電率を示したが、塗膜のリーク電流は9.4×10-10A、塗膜の絶縁破壊電圧は3.1MV/cmと、塗膜の電気特性に劣るものであった。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、芳香族ポリアリーレンおよび芳香族ポリアリーレンエーテルもしくはいずれか一方を含有する溶液をゼータ電位が作用する濾材により処理することによって、塗膜の電気特性に優れた膜形成用組成物を提供することができる。
Claims (4)
- 芳香族ポリアリーレンおよび芳香族ポリアリーレンエーテルもしくはいずれか一方を含有する溶液をゼータ電位が作用する濾材により処理することを特徴とする膜形成用組成物の製造方法。
- ゼータ電位が作用する濾材が、イオン交換体およびキレート形成体もしくはいずれか一方とともに用いられることを特徴とする請求項1記載の膜形成用組成物の製造方法。
- 請求項1記載の製造方法で得られる膜形成用組成物。
- 組成物中に含まれるナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、鉄、銅の総量が20ppb以下であることを特徴とする請求項3記載の膜形成用組成物。
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