JP3669236B2 - 車両用ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回生協調ブレーキ制御システム等に適用され、実際のブレーキ液圧を目標ブレーキ液圧に一致させるフィードバック制御により液圧制動力を制御する車両用ブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のブレーキ制御装置としては、例えば、特開平9−254752号公報に記載の技術が知られている。
この公報には、ブレーキ操作部材操作量からドライバーの減速度要求量を算出し、実際の車両減速度がこれに一致するようにブレーキ油圧指令値を決定し、さらに、実際に計測されたブレーキ油圧が指令値に一致するようにフィードバック制御演算手段を用いて、油圧制御用電磁バルブの電流指令値を決定するブレーキ制御装置が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ブレーキ制御装置にあっては、ブレーキ油圧指令値が上限値または下限値に溜まった場合、ブレーキ油圧と指令値にわずかな偏差が残ると、フィードバック制御演算手段が有する積分特性のために、増圧方向または減圧方向に不要に溜まってしまう。これにより、ブレーキ油圧指令値が上限値から減圧、または下限値から増圧に変化した際に、フィードバック制御演算手段が積算してバルブ電流指令値の不要に溜まった値をキャンセルするまで、ブレーキ油圧が指令値に全く追従しないという問題があった。
【0004】
すなわち、図8の破線に示すように、t4の時点でブレーキ油圧指令値が下限値から増圧に変化しても、図8のt4以降に示すように、電流指令値が減圧方向にとどまり、図8の実線で示す実際のホイールシリンダ圧の増圧が遅れる。
また、図8の破線に示すように、t6の時点でブレーキ油圧指令値が上限値から減圧に変化しても、図8のt6以降に示すように、電流指令値が増圧方向にとどまり、図8の実線で示す実際のホイールシリンダ圧の減圧が遅れる。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、ブレーキ油圧指令値が上限値から減圧、または、下限値から増圧に変化した際、ブレーキ油圧指令値に対し応答良く追従するブレーキ油圧を得ることができるフィードバック制御による車両用ブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決手段は、下記の通りである。
【0007】
請求項1記載の車両用ブレーキ制御装置では、ブレーキ油圧指令値を演算するブレーキ油圧指令値演算手段と、
ホイールシリンダに供給されるブレーキ油圧を計測するブレーキ油圧計測手段と、
実際値である前記ブレーキ油圧計測値が目標値である前記ブレーキ油圧指令値と一致するようにフィードバック制御により制御指令値を演算する油圧フィードバック制御演算手段と、
前記油圧フィードバック制御演算手段により演算された制御指令値に基づき決定された電流指令値を油圧制御電磁弁へ出力する油圧制御電磁弁用電流制御手段と、
を備えた車両用ブレーキ制御装置において、
前記ブレーキ油圧検出手段により検出された実ブレーキ油圧に基づき、前記ブレーキ油圧指令値演算手段により演算されたブレーキ油圧指令値の上限値と下限値を設定する上下限値設定手段と、
前記ブレーキ油圧指令値が前記上下限値設定手段により設定された上限値に所定時間とどまった後、下方向に所定量変化したとき、前記油圧フィードバック制御演算手段の内部変数を初期化し、同様に前記ブレーキ油圧指令値が前記上下限値設定手段により設定された下限値に所定時間とどまった後、上方向に所定量変化したとき、前記油圧フィードバック制御演算手段の内部変数を初期化する初期化手段と、
を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の車両用ブレーキ制御装置では、請求項1に記載の車両用ブレーキ制御装置において、
前記上下限値設定手段を、液圧源油圧にローパスフィルタ処理をした値を上限値とし、また、ドライバがブレーキ操作をする前のホイールシリンダ圧にローパスフィルタ処理をした値を下限値とする手段としたことを特徴とする。
【0009】
【発明の作用および効果】
請求項1記載の発明では、ブレーキ油圧指令値演算手段において、ブレーキ油圧指令値が演算され、ブレーキ油圧計測手段において、ホイールシリンダに供給されるブレーキ油圧が計測され、油圧フィードバック制御演算手段において、実際値であるブレーキ油圧計測値が目標値であるブレーキ油圧指令値と一致するようにフィードバック制御により制御指令値が演算され、油圧制御電磁弁用電流制御手段において、油圧フィードバック制御演算手段により演算された制御指令値に基づき決定された電流指令値が油圧制御電磁弁へ出力される。
そして、上記油圧フィードバック制御では、上下限値設定手段において、ブレーキ油圧指令値演算手段により演算されたブレーキ油圧指令値の上限値と下限値が設定され、初期化手段において、ブレーキ油圧指令値が上下限値設定手段により設定された上限値に所定時間とどまった後、下方向に所定量変化したとき、油圧フィードバック制御演算手段の内部変数が初期化される。同様に、ブレーキ油圧指令値が上下限値設定手段により設定された下限値に所定時間とどまった後、上方向に所定量変化したとき、油圧フィードバック制御演算手段の内部変数が初期化される。
よって、ブレーキ油圧指令値が上限値から減圧に変化する際、または、ブレーキ油圧指令値が下限値から増圧に変化する際、油圧フィードバック制御演算手段の内部変数が初期化されるので、油圧フィードバック制御演算手段の有する積分特性により、バルブ電流指令値の不要に溜まった値がキャンセルされるまで減圧変化または増圧変化を待つことなく、ブレーキ油圧を指令値に対し応答良く追従させることができる。
【0010】
請求項2記載の発明では、上下限値設定手段において、液圧源油圧にローパスフィルタ処理をした値が上限値とされ、また、ドライバがブレーキ操作をする前のホイールシリンダ圧にローパスフィルタ処理をした値が下限値とされる。
よって、車両が走行している場所の高度差によって、大気圧のレベルが変化した場合においても、ドライバがブレーキ操作をする前のブレーキ油圧にローパスフィルタ処理をした値を下限値とするので、油圧フィードバック制御演算手段がバルブ電流指令値を減圧方向に無駄にとどめていくことがないために、電磁バルブの消費電流を節約することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
【0012】
実施の形態1は請求項1及び請求項2に記載の発明に対応する車両用ブレーキ制御装置である。
【0013】
まず、構成を説明する。
図1は実施の形態1における車両用ブレーキ制御装置の要部を示す概念図で、aはブレーキ油圧指令値演算手段、bはブレーキ油圧計測手段、cは油圧フィードバック制御演算手段、dは油圧制御電磁弁用電流制御手段、eは上下限値設定手段、fは初期化手段であり、ブレーキ油圧指令値が上下限値設定手段eにより設定された上限値に所定時間とどまった後、下方向に所定量変化したときには、油圧フィードバック制御演算手段cの内部変数が初期化手段fにより初期化され、同様に、ブレーキ油圧指令値が上下限値設定手段eにより設定された下限値に所定時間とどまった後、上方向に所定量変化したときには、油圧フィードバック制御演算手段cの内部変数が初期化手段fにより初期化される。
【0014】
図2は実施の形態1の車両用ブレーキ制御装置を示す全体図で、1はドライバが操作するブレーキペダルであり、油圧ブースタ2及びマスタシリンダ3に連結する。油圧ブースタ2は、ポンプ18によってアキュムレータ19に蓄積された高圧(圧力スイッチ21によりシーケンス制御されている)を用いて、ブレーキ圧力を倍力してマスタシリンダ3に供給する。また、この高圧は、油圧フィードバック制御の元圧としても利用される。
【0015】
油経路切り替え用電磁バルブ4,5は同期して制御される。図は非通電時の状態であり、マスタシリンダの油がそのままホイールシリンダ7に供給される(通常モード)。通電時には、マスタシリンダ3は、ストロークシミュレータ6(ホイールシリンダと同等の油負荷)に連結され、通常モードと同じブレーキペダルフィーリングを確保する。同時に、油圧制御用電磁バルブ10,11にホイールシリンダ7が連結され、マスタシリンダ3とは遮断される。
【0016】
10は増圧用電磁バルブ(比例流量型)であり、上記高圧ラインとホイールシリンダ7の間に位置して、ホイールシリンダ7に流入する油量を調節する。
11は減圧用電磁バルブ(比例流量型)であり、ホイールシリンダ7とリザーバ(低圧)の間に位置して、ホイールシリンダ7から流出する油量を調節する。これら一組の電磁バルブ10,11を用いて、ホイールシリンダ7の油圧が制御される。
【0017】
8はマスタシリンダ圧力(ドライバの制動要求量)を計測する圧力センサ、9はホイールシリンダ圧力(フィードバック制御用)を計測する圧力センサである。20は油圧ブースタ2からの油圧フィードバック制御の元圧力を計測する圧力センサである。
【0018】
12はブレーキ制御コントローラであり、CPU、ROM、RAM、デジタルポート、A/Dポート、各種タイマ機能を内蔵するワンチップマイコン(あるいは同機能を実現する複数チップ)、各アクチュエータ駆動用回路、高速通信用回路等によって構成される。図1の各機能を、このブレーキ制御コントローラ12が果たす。なお、ホイールシリンダ7の一輪分に関して構成を示しているが、他の3輪も同様であり記載を省略している。
【0019】
15は減速機構を介して車両駆動輪16に連結された交流同期モータであり、駆動トルク制御や、回生ブレーキ制御による車両運動エネルギのバッテリ17への回収を行うものである。
【0020】
14は交流電流制御回路(パワーヘッド)であり、直流のバッテリ17と交流同期モータ15の間に位置して、モータ制御コントローラ13からの3相PWM信号に基づいて、交流電流と直流電流の変換を行う。
【0021】
13のモータ制御コントローラは、ブレーキ制御コントローラ12から、通信によって受信した回生ブレーキトルク指令値に基づいて、回生ブレーキトルクを制御する。また、駆動時にはモータ15による駆動力トルク制御を行う。さらに、バッテリ17の充電状態、温度等で決まる最大許容回生トルク値を算出して、通信を介してブレーキ制御コントローラ12へ送信する。
【0022】
次に、作用を説明する。
[ブレーキ制御動作]
図3及び図4はブレーキ制御コントローラ12のマイコンが行う制御動作を示し、同図のルーチンは一定周期(例えば5msec)毎に実施される。
【0023】
ステップS10では、マイコン内蔵のA/D変換器を用いて、マスタシリンダ圧センサ8とホイールシリンダ圧センサ9と元圧センサ20の信号を計測し、所定の物理単位に変換して、マスタシリンダ圧Pmc,ホイールシリンダ圧Pwc,ライン圧Plineを算出する。
【0024】
ステップS20では、モータ制御コントローラ13との間の高速通信受信バッファから、最大許容回生モータトルクTmmaxを読み込む。
【0025】
ステップS30では、マスタシリンダ圧Pmcと、予めROMに記憶した車両諸元定数K1を用いて、ドライバ制動トルク要求値Tbdemを下記式から算出する。Tbdem=Pmc×定数K1
定数K1=ブレーキパッド面積×ブレーキロータ有効半径×ブレーキ摩擦係数
【0026】
ステップS40では、回生協調ブレーキ制御を行うか否かを判定する。下記の条件が成立する場合は、ステップS50へ進み、成立しない場合にはステップS150へ進む。
(判定条件)マスタシリンダ圧Pmc≧定数K2、かつ、最大許容回生モータトルクTmmax≧定数K3
【0027】
ステップS50では、ドライバ制動トルク要求値Tbdemを、油圧ブレーキトルク指令値Tbcomと回生モータトルク指令値Tmcomに配分演算する。
Tbdem≧Tmmaxの場合
Tbcom=Tbdem−Tmmax,Tmcom=Tmmax
Tbdem<Tmmaxの場合
Tbcom=0,Tmcom=Tbdem
さらに、油圧ブレーキトルク指令値Tbcomと車両諸元定数K1を用いて、ブレーキ油圧指令値Pcomを算出する。
Pcom=Tbcom÷定数K1
定数K1=ブレーキパッド面積×ブレーキロータ有効半径×ブレーキ摩擦係数
【0028】
ステップS52では、ライン圧Plineに1Hzのローパスフィルタ処理を施しブレーキ油圧指令値の上限値Pcom_upとする。
【0029】
ステップS54では、ドライバがブレーキ操作をしているか否かを判定する。Pmc>所定値の場合、ステップS58へ進み、そうでない場合、ステップS56へ進む。
【0030】
ステップS56では、大気圧としてドライバがブレーキ操作をしていない場合のホイールシリンダ圧Pwcに1Hzのローパスフィルタ処理を施し、ブレーキ油圧指令値の下限値Pcom_downとする。
【0031】
ステップS58では、ブレーキ油圧指令値Pcomに上限値処理を施す。Pcom>Pcom_upの場合、ステップS60へ進み、そうでない場合、ステップS66へ進む。
【0032】
ステップS60では、Pcom=Pcom_upとして、カウンタCNT1をインクリメントする。
【0033】
ステップS62では、ブレーキ油圧指令値Pcomに下限値処理を施す。Pcom<Pcom_downの場合、ステップS64へ進み、そうでない場合、ステップS66へ進む。
【0034】
ステップS64では、Pcom=Pcom_downとして、カウンタCNT2をインクリメントする。
【0035】
ステップS66では、ブレーキ油圧指令値Pcomが上限値に所定時間とどまった後、下方向に所定量変化したかを判断する。CNT1>所定時間かつPcom+所定量<Pcom_upの場合、ステップS68へ進み、そうでない場合、ステップS70へ進む。
【0036】
ステップS68では、油圧フィードバック補償器の内部変数を初期化するために初期化フラグFRESET=1とする。
【0037】
ステップS70では、ブレーキ油圧指令値Pcomが下限値に所定時間とどまった後、上方向に所定量変化したかを判断する。CNT2>所定時間かつPcom>=Pcom_down+所定量の場合、ステップS72へ進み、そうでない場合、ステップS80へ進む。
【0038】
ステップS72では、油圧フィードバック補償器の内部変数を初期化するために、初期化フラグFRESET=1とする。
【0039】
以下のステップS80〜ステップS100では、図5に示すような公知の「二自由度制御構造」と「μシンセシス」を用いた油圧制御補償器の演算を行う。
【0040】
ステップS80では、初期化フラグを判定する。FRESET=1の場合、ステップS82へ進み、FRESET=0の場合、ステップS84へ進む。
【0041】
ステップS82では、油圧フィードバック補償器の内部変数と、初期化フラグとカウンタを初期化する。
Xr(k)=0,Xf(k)=0,Xμ(k)=0,
FRESET=0,CNT1=0,CNT2=0
【0042】
ステップS84では、目標ホイールシリンダ圧Pcomを入力として規範モデルホイールシリンダ圧Prefの演算を行う。(1)式は離散時間系状態方程式であり、(k+1)は1サンプル周期後の値を示す。Xr(k)は変数ベクトル、Ar,Br,Cr,Drは予めROMに記憶した定数行列を示す。
Xr(k+1)=Ar・Xr(k)+Br・Pcom(k)・・・・(1)
Pref(k)=Cr・Xr(k)+Dr・Pcom(k)
【0043】
ステップS90では、目標ホイールシリンダ圧Pcomを入力としてフィードフォワード補償器(=規範モデル/プラントモデル)の演算を行う。
Xf(k+1)=Af・Xf(k)+Bf・Pcom(k)・・・・(2)
Icom_ff(k)=Cf・Xf(k)+Df・Pcom(k)
【0044】
ステップS100では、規範モデルホイールシリンダ圧Prefとホイールシリンダ圧Pwcの偏差△Pwcを入力としてフィードバック補償器(μシンセシスを用いて予め設計)の演算を行う。
Xμ(k+1)=Aμ・Xμ(k)+Bμ・△Pwc(k)・・・・(3)
Icom_fb(k)=Cμ・Xμ(k)+Dμ・△Pwc(k)
【0045】
ステップS110では、フィードフォワード補償器の出力Icom_ff(k)とフィードバック補償器の出力Icom_fb(k)を合算した後、上下限値(±Imax)で制限して、電磁バルブ電流指令値Icom(k)を算出する。
Icom(k)=Icom_ff(k)+Icom_fb(k)
【0046】
ステップS120では、差圧による電磁バルブ流量特性の差異による影響を排除するために、増減圧各電磁バルブ10,11に対して、差圧に応じた補正係数をテーブルデータから表引きして算出する。なお、Pcom_dowmは大気圧に相当する。
K_in=TABLE_in(Pline−Pwc)
K_out=TABLE_out(Pwc−Pcom_down)
【0047】
ステップS130では、図6に示すバルブ特性から増圧及び減圧バルブ10,11の不感帯に相当するオフセット値(OFFSET_in,OFFSET_out)を用いて、増圧及び減圧バルブ用電流指令値(I_in,I_out)をオフセット補正する。なお不感帯幅を学習する公知技術から算出したオフセット値でもよい。I_in=OFFSET_in+Icom(k)・K_in 但し0≦I_in≦定数K4
I_out=OFFSET_out−Icom(k)・K_out 但し0≦I_out≦定数K5定数K4は増圧バルブ10の最大流量を得る時の電流値、定数K5は減圧バルブ11の最大流量を得るときの電流値である。
【0048】
ステップS140では、回生協調ブレーキ制御時に行う出力処理である。油路切り替えバルブ4,5を制御モードにするようにポート出力を行い、増圧バルブ10と減圧バルブ11の各電流指令値(I_in,I_out)を各電流制御回路へ出力するためにD/A出力を行い、回生モータトルク指令値を高速通信を用いて、モータ制御コントローラ13へ送信するための送信処理を行う。ここで、一回の制御ルーチンを終了する。
【0049】
ステップS150では、回生協調ブレーキ制御停止時(つまり油圧フィードバック制御停止時)に行う出力処理である。油路切り替えバルブ4,5を通常モードにするようにポート出力を行い、増圧バルブ10と減圧バルブ11の各電流指令値(=0)を各電流制御回路へ出力するためにD/A出力を行い、回生モータトルク指令値(=0)を、高速通信を用いて、モータ制御コントローラ13へ送信するための送信処理を行う。ここで、一回の制御ルーチンを終了する。
【0050】
[ブレーキ回生協調制御作用]
図7に基づいてブレーキ回生協調制御作用について説明する。
図7のt1の時点でブレーキペダル1を踏み込むと、踏み込み動作中であるt1からt2の時点まではマスタシリンダ圧が上昇する。そして、t2の時点で踏み込み量を保ったままにしておくことで、t2の時点以降でマスタシリンダ圧Pmcに基づくドライバ制動トルク要求値Tbdemを、油圧ブレーキトルクと回生モータトルクとの和により得るべく、回生モータトルクの分だけ油圧ブレーキトルクを減圧する回生協調ブレーキ制御が行われる。
【0051】
この回生協調ブレーキ制御では、t2からt3までの間は、回生モータトルクの上昇に合わせてブレーキ油圧が減圧され、t3の時点でブレーキ油圧が下限値(大気圧レベル)に達すると、回生モータトルクもその時点のトルクに保たれ、t3からt4までの所定時間を経過すると、油圧フィードバック補償器の内部変数が初期化され、t4の時点から指令値は増圧側に変化し、t4からほんのわずか経過した時点からブレーキ油圧(ホイールシリンダ圧)が上昇する。
【0052】
また、t5の時点でブレーキ油圧が上限値まで達すると、回生モータトルクもトルクゼロに保たれ、ブレーキ油圧が上限値の状態のままでt5からt6までの所定時間を経過すると、油圧フィードバック補償器の内部変数が初期化され、t6の時点から指令値は減圧側に変化し、t6からほんのわずか経過した時点からブレーキ油圧(ホイールシリンダ圧)が下降する。
【0053】
次に、効果を説明する。
(1)ブレーキ油圧指令値が上限値から減圧に変化する際、または、ブレーキ油圧指令値が減圧側の下限値から増圧に変化する際、所定時間を経過すると油圧フィードバック補償器の内部変数が初期化されるため、図7に示すように、実際のブレーキ油圧(ホイールシリンダ圧)をブレーキ油圧指令値に対し応答良く追従させることができる。
【0054】
ちなみに、従来装置の場合、図8に示すように、ブレーキ油圧指令値が上限値から減圧に変化する際、または、ブレーキ油圧指令値が減圧側の下限値から増圧に変化する際、油圧フィードバック制御演算手段の有する積分特性により、電流指令値の不要に溜まった値がキャンセルされるまで減圧変化または増圧変化が待たれ、実際のブレーキ油圧がブレーキ油圧指令値に対し応答遅れにより減圧変化または増圧変化する。
(2)ステップS52〜ステップS56に示すように、上流圧にローパスフィルタ処理をした値を上限値とし、また、ドライバがブレーキ操作をする前のホイールシリンダ圧にローパスフィルタ処理をした値を下限値としているため、車両が走行している場所の高度差によって、大気圧のレベルが変化した場合においても、油圧フィードバック制御演算手段がバルブ電流指令値を減圧方向に無駄にとどめていくことがなく(図8のt3〜t4参照)、電磁バルブ11の消費電流を節約することができる。
(その他の実施の形態)
【0055】
以上、本発明を実施の形態1により説明してきたが、具体的な構成はこれに限られるものでなく、少なくとも図1に示す車両用ブレーキ制御装置の構成を備えている限り、様々な変更や追加が施されても請求項1に記載された発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における車両用ブレーキ制御装置の要部を示す概念図である。
【図2】実施の形態1の車両用ブレーキ制御装置を示す全体図である。
【図3】実施の形態1における車両用ブレーキ制御装置のブレーキ制御コントローラのマイコンが行うブレーキ制御動作を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1における車両用ブレーキ制御装置のブレーキ制御コントローラのマイコンが行うブレーキ制御動作を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1における車両用ブレーキ制御装置のブレーキ制御コントローラでの2自由度制御系ブロック図である。
【図6】実施の形態1の装置に用いられる増圧バルブ及び減圧バルブの電流に対する流量特性図である。
【図7】実施の形態1の装置で回生協調ブレーキ制御が行われるときのブレーキ油圧,回生モータートルク及び電流指令値を示すタイムチャートである。
【図8】従来装置で回生協調ブレーキ制御が行われるときのブレーキ油圧,回生モータートルク及び電流指令値を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル
2 油圧ブースタ
3 マスタシリンダ
4 油経路切り替え用電磁バルブ
5 油経路切り替え用電磁バルブ
6 ストロークシミュレータ
7 ホイールシリンダ
8 マスタシリンダ圧力センサ
9 ホイールシリンダ圧力センサ
10 増圧用電磁バルブ
11 減圧用電磁バルブ
12 ブレーキ制御コントローラ
13 モータ制御コントローラ
14 直流交流変換用電流制御回路
15 交流同期モータ
16 車両駆動輪
17 バッテリー
18 ポンプ
19 アキュムレータ
20 圧力センサ
21 圧力スイッチ

Claims (2)

  1. ブレーキ油圧指令値を演算するブレーキ油圧指令値演算手段と、
    ホイールシリンダに供給されるブレーキ油圧を計測するブレーキ油圧計測手段と、
    実際値である前記ブレーキ油圧計測値が目標値である前記ブレーキ油圧指令値と一致するようにフィードバック制御により制御指令値を演算する油圧フィードバック制御演算手段と、
    前記油圧フィードバック制御演算手段により演算された制御指令値に基づき決定された電流指令値を油圧制御電磁弁へ出力する油圧制御電磁弁用電流制御手段と、
    を備えた車両用ブレーキ制御装置において、
    前記ブレーキ油圧指令値演算手段により演算されたブレーキ油圧指令値の上限値と下限値を設定する上下限値設定手段と、
    前記ブレーキ油圧指令値が前記上下限値設定手段により設定された上限値に所定時間とどまった後、下方向に所定量変化したとき、前記油圧フィードバック制御演算手段の内部変数を初期化し、同様に前記ブレーキ油圧指令値が前記上下限値設定手段により設定された下限値に所定時間とどまった後、上方向に所定量変化したとき、前記油圧フィードバック制御演算手段の内部変数を初期化する初期化手段と、
    を設けたことを特徴とする車両用ブレーキ制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用ブレーキ制御装置において、
    前記上下限値設定手段を、液圧源油圧にローパスフィルタ処理をした値を上限値とし、また、ドライバがブレーキ操作をする前のホイールシリンダ圧にローパスフィルタ処理をした値を下限値とする手段としたことを特徴とする車両用ブレーキ制御装置。
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