JPH10258719A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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JPH10258719A
JPH10258719A JP6705597A JP6705597A JPH10258719A JP H10258719 A JPH10258719 A JP H10258719A JP 6705597 A JP6705597 A JP 6705597A JP 6705597 A JP6705597 A JP 6705597A JP H10258719 A JPH10258719 A JP H10258719A
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JP
Japan
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hydraulic pressure
current
solenoid
brake
reactive current
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JP6705597A
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Masaru Sakuma
賢 佐久間
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液圧制御弁5の特性にヒステリシスがあった
場合でも、所望のブレーキ特性を得ることができるブレ
ーキ液圧制御装置を提供すること。 【解決手段】 コントローラECU30は、圧力センサ
9から出力される信号(目標液圧)を検出した場合、液
圧制御弁5に設けられるソレノイド24へ供給する電流
として、オフセット電流を増加させながら出力する。ま
た、圧力センサ10によってホイールシリンダ3に圧力
が発生したことを検知すると、ソレノイド24に流れる
無効電流を検出し、この値を上昇側無効電流に設定して
上記オフセット電流が上昇側無効電流と等しくなるよう
オフセット電流を減少させる。また、コントローラEC
U30は、ソレノイドのヒステリシスに応じて目標液圧
が減少した場合の下降側目標液圧を記憶し、目標液圧下
降時にはオフセット電流を下降側無効電流に設定して液
圧下降時の制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、目標液圧に応じて
実液圧を制御するブレーキ液圧制御装置に係り、特に電
子式制動力制御装置に用いて好適なブレーキ液圧制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の制動力制御装置に用いられて
いるブレーキ液圧制御装置は周知のように電子化がなさ
れており、各車輪の制動力を有効に利用したり、ブレー
キペダルを踏み込んでいても各車輪がロックしないよう
にする制御を行っている。通常、このブレーキ液圧制御
装置にはソレノイドが設けられており、このソレノイド
に流す電流を制御することによって液圧制御弁を駆動し
て液圧の制御を行っている。
【0003】この種のブレーキ液圧制御装置において
は、例えば特開昭62−194965号公報の第13図
に示されているように、目標液圧信号(この公報におい
ては、手動ブレーキレバー回転角)が発生すると、ソレ
ノイドに流れる無効電流を打ち消すため、一度に固定さ
れた値の電流を比例ソレノイドに流すように構成されて
いる。上記無効電流は比例弁の固着を防止するため等に
必要な電流である。尚、上記目標液圧信号はブレーキペ
ダルの操作量に対応し、ホイールシリンダに発生させる
ブレーキ液圧の目標を示す電気的な信号である。
【0004】ところで、通常のブレーキ液圧制御装置で
は、設計製造上のバラツキ等によって装置毎にソレノイ
ドに流す必要な無効電流の値が異なる。同出願人は、こ
の無効電流を自動的に計測し、計測した無効電流に応じ
た値を有するオフセット電流を無効電流に加えてソレノ
イドを駆動することにより装置毎のブレーキ特性の差異
を吸収するブレーキ液圧制御装置を案出した。
【0005】通常の、ブレーキ液圧制御装置では、目標
液圧が発生すると上記ソレノイドに流す電流を除々に増
加させるが、目標液圧が発生してから所定の期間内はホ
イールシリンダに液圧が発生しない。同出願人が案出し
た上記のブレーキ液圧制御装置は液圧が発生した時点に
おいてソレノイドに流れる電流を無効電流として計測
し、この無効電流に応じたオフセット電流を演算算出し
て、無効電流にオフセット電流を加えた値でソレノイド
を駆動することによって装置毎のブレーキ特性の差異を
吸収して所望のブレーキ特性を得るようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ソ
レノイドに供給する電流とホイールシリンダに発生する
液圧との関係はヒステリシスを有する。従って、ソレノ
イドに流す電流の値を上昇させる過程において計測した
無効電流の値を、ソレノイドに流す電流を下降させる過
程において用いた場合、つまり、ホイールシリンダに液
圧が発生しなくなくなる電流値として上記無効電流の値
を用いた場合には、ソレノイドに流れる電流が無効電流
の値まで下降したとしてもホイールシリンダに依然とし
て液圧が発生した状態となってしまうため、期待したブ
レーキ特性が得られないという虞れが考えられる。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、ソレノイドに供給する電流とホイールシリンダに
発生する液圧との間にヒステリシスがあった場合でも、
所望のブレーキ特性を得ることができるブレーキ液圧制
御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、ブレーキの操作量を検出するブレーキ操
作量検出手段と、高圧のブレーキ液圧を出力供給する液
圧供給源と、車輪に設けられ、ブレーキ液圧が供給され
ることにより、当該車輪に対して制動力を付与するホイ
ールシリンダと、前記液圧供給源と前記ホイールシリン
ダとの間に設けられ、ソレノイドにより駆動される弁を
有し、前記ホイールシリンダと前記液圧供給源とを連通
制御する液圧制御弁と、前記ブレーキの操作量に対応し
た制動力を前記車輪に対して付与するために、前記ブレ
ーキ操作量検出手段からの出力に基づき前記ホイールシ
リンダへ加える目標液圧を演算し、該目標液圧に基づく
駆動電流を前記液圧制御弁のソレノイドに供給する弁制
御手段とを具備するブレーキ液圧制御装置であって、前
記ホイールシリンダに供給されるブレーキ液圧を検出す
る実液圧検出手段と、前記ソレノイドに流れる電流を検
出する電流検出手段とを有し、前記弁制御手段は、演算
された前記目標液圧に応じた前記ソレノイドの駆動電流
を演算し、基本制御出力として出力する基本制御処理部
と、前記ブレーキ操作量検出手段から検出結果が出力さ
れ、かつ前記実液圧検出手段から検出結果が出力されて
いない場合、前記ブレーキの操作に際して予め設定され
たオフセット電流を所定値だけ増加更新させる第1のオ
フセット電流更新手段と、前記実液圧検出手段から検出
結果が出力された時点における前記電流検出手段の検出
結果を上昇側無効電流として記憶する上昇側無効電流記
憶手段と、前記実液圧検出手段から検出結果が出力され
た後、前記第1のオフセット電流更新手段により増加更
新したオフセット電流を、無効電流記憶手段に記憶され
た無効電流以下となるまで、所定値だけ減少させる第2
のオフセット電流更新手段と、前記液圧制御弁のヒステ
リシス特性に応じて、前記目標液圧下降時の下降側無効
電流を記憶する下降側無効電流記憶手段と、前記目標液
圧が下降した場合には前記オフセット電流を前記下降側
無効電流に設定する設定手段と、前記ブレーキ操作量検
出手段の検出結果に基づき前記ホイールシリンダの目標
液圧を演算する毎に、前記基本制御出力と前記オフセッ
ト電流とを加えて駆動電流として前記ソレノイドに対し
て供給する出力手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態
によるブレーキ液圧制御装置の全体を示した構成図であ
る。図1において、符号1はブレーキペダルであり、こ
のブレーキペダル1の踏み込みによってマスターシリン
ダ2が液圧を発生するようになっている。なお、符号4
0は、マスターシリンダ2に設けられたリザーバであ
る。
【0010】また、符号3は液圧によって制動力を発生
するホイールシリンダ、符号4は倍力された液圧を供給
する外部液圧供給源、符号5はブレーキペダル1の操作
量に基づいて前記外部液圧供給源4からホイールシリン
ダ3に作用する圧力を調整する液圧制御弁、符号30
は、液圧制御弁5の駆動を制御することにより、外部液
圧供給源4からホイールシリンダ3に供給される液圧を
制御してホイールシリンダ3にブレーキペダル1の操作
量に応じた制動力を発生させるコントローラECUであ
る。
【0011】前記マスターシリンダ2の出力側の管路4
3には、切り換え弁6を介してドライバーがブレーキペ
ダルを操作したときにストロークと圧力とを与えるスト
ロークシミュレータ7が接続され、また、フェイルセー
フ弁8を介して前記ホイールシリンダ3が接続されてい
る。なお、符号9,10はそれぞれマスタシリンダ2及
びホイールシリンダ3の液圧を測定する圧力センサであ
って、これらの出力はそれぞれコントローラECU30
へ供給されるようになっている。
【0012】次に前記外部液圧供給源4の内部構成を説
明する。符号4aは液圧ポンプであって、この液圧ポン
プ4aはモータ4cによって駆動され、リザーバ4dか
らブレーキ液を吸い上げ、倍力された液圧を発生するよ
うになっている。前記液圧ポンプ4aの出力側にはアキ
ュームレータ4bが接続され、ホイールシリンダ3に供
給するための倍力された高い液圧を蓄えるようになって
いる。
【0013】また、符号4Eは、アキュームレータ4b
内の圧力を検出する圧力センサであり、この圧力センサ
4Eからの検出結果に基づいて、コントローラECU3
0がアキュームレータ4bの圧力が所定値以下となった
際に、前記モータ4cを駆動させて液圧ポンプ4aによ
って加圧を行なわせるようになっている。また、符号4
Fは、アキュームレータ4bにおける過剰な液圧をリザ
ーバ4dへ逃がすリリーフ弁である。
【0014】次に、前記液圧制御弁5の構造を説明す
る。符号11はボディーであって、このボディー11の
内部にはバルブ穴12が設けられ、このバルブ穴12に
連通する液圧供給ポート13、ドレーンポート14、出
力ポート15がそれぞれ設けられ図示の位置でバルブ穴
12内に開口している。すなわち前記液圧供給ポート1
3は外部液圧供給源4に接続され、前記ドレーンポート
14はバルブ穴12の両端を互いに連通するとともにリ
ザーバ4dに接続されて大気開放され、前記出力ポート
15は後述する液圧増幅装置31及びフェイルセーフ弁
8を介してホイールシリンダ3に接続されている。
【0015】前記バルブ穴12には、スプール16が摺
動自在に収容されている。このスプール16は、中央部
が縮径されていて、前記液圧供給ポート13と出力ポー
ト15を連通させるための環状連通溝16aとなってい
る。この環状連通溝16aが設けられていることによ
り、前記液圧供給ポート13とスプール16との間に可
変絞りsが形成され、また、前記ドレーンポート14と
スプール16との間に可変絞りtが形成されている。し
たがってスプール16が図中左方向へ移動することによ
って前記可変絞りsが開くとともに可変絞りtが閉じて
出力ポート15の圧力が増加し、スプール16が図中右
方向へ移動することによって逆に圧力が減少する。
【0016】前記出力ポート15の出力は、前記ホイー
ルシリンダ3へ向かう管路32から分岐した管路17を
介して、液圧制御弁5の一端の反力室18に接続されて
おり、この反力室18は反力発生手段19を構成する。
この反力発生手段19は、バルブ穴12の端部にはめ込
まれ、中央に貫通孔が形成されたスリーブに、前記スプ
ール16の端部の中心から突出するピン20を摺動自在
に挿入し、ピン20の先端側に前記反力室18が形成さ
れてなる。さらに、ボディー11の一端側とスプール1
6との間には、スプール16へ図中右方へ弾性力を与え
る手段としての圧縮ばね21が介在させられている。
【0017】また、前記ボディー11の他端側には、ソ
レノイド22が設けられている。このソレノイド22
は、前記バルブ穴12と同軸上にかつ軸方向に移動可能
に設けられた可動子23と、この可動子23に軸方向へ
の推進力を与えるべく設けられたコイル24およびヨー
ク25と、前記可動子23とヨーク25との間に介在し
て図中左方へ弾性力を与える圧縮ばね26とから構成さ
れている。
【0018】なお、符号27は前記液圧制御弁5の出力
ポート15の液圧をフェイルセーフ弁8に制御液圧とし
て導く管路、符号28は前記出力ポートの液圧を切り換
え弁6に制御圧力として導く管路である。即ち、管路3
6から管路27及び管路28を介してフェールセーフ弁
8及び切り換え弁6に作動圧が作用することにより、フ
ェールセーフ弁8はマスターシリンダ2からの管路43
とホイールシリンダ3との連通を遮断して、管路36を
ホイールシリンダ3に連通し、管路36からの液圧をホ
イールシリンダ3へ作用させるようになっており、切り
換え弁6は管路43とストロークシミュレータ7とを連
通する。
【0019】そして、ブレーキ作動時に何かの原因にて
管路36からの液圧が低下した場合には、管路27及び
管路28からそれぞれ切り換え弁6及びフェールセーフ
弁8へ作動圧が加わらなくなるため、切り換え弁6及び
フェールセーフ弁8はバネ等の付勢手段によって駆動
し、管路36とホイールシリンダ3との連通及びマスタ
ーシリンダ2からの管路43とストロークシミュレータ
7との連通を遮断するとともに、管路43をホイールシ
リンダ3に連通し、マスターシリンダ2からの液圧をホ
イールシリンダ3へ直接作用させ、制動力を発生させる
ようになっている。
【0020】そして、前記外部液圧供給源4のアキュー
ムレータ4bと上記構造の液圧制御弁5の液圧供給ポー
ト13との間の管路には、コントローラECU30から
の信号によって開閉駆動される液圧通路開閉弁29が設
けられている。即ち、この液圧通路開閉弁29によっ
て、外部液圧供給源4から液圧制御弁5への液圧の供給
路が開閉されるようになっている。
【0021】前記液圧増幅装置31は、径の異なる二つ
のシリンダ部41a,41bが形成されたシリンダ本体
41と、大径プランジャ部34aと小径プランジャ部3
4bとを有する凸状に形成され、大径プランジャ部34
aが大径シリンダ部41aに、小径プランジャ部34b
が小径シリンダ部41bに、それぞれ摺動可能に配設さ
れたプランジャ本体34とから構成されている。
【0022】そして、この大径シリンダ部41aと大径
プランジャ部34aとによって区画されたスペースが入
力側液圧室33とされ、小径シリンダ部41bと小径プ
ランジャ部34bとによって区画されたスペースが出力
側液圧室35とされている。そして、入力側液圧室33
には、流路32を介して液圧制御弁5の出力ポート15
が接続され、出力側液圧室35には、流路36を介して
切り換え弁8が接続されている。
【0023】また、出力側液圧室35には、圧縮スプリ
ングが配設されており、この圧縮スプリングによってプ
ランジャ本体34が大径シリンダ部41a側へ付勢され
ている。そして、この液圧増幅装置31の前記入力側液
圧室33に液圧制御弁5を介して外部液圧供給源4から
加圧されたブレーキ液が供給され、その液圧によってプ
ランジャ本体34が図中矢印イ方向へ、圧縮スプリング
の付勢力に反して押圧されて摺動される。これにより、
出力側液圧室35が小径プランジャ部34bによって圧
縮され、内部のブレーキ液が、流路36を介して切り換
え弁8へ加圧されて送り出されるようになっている。こ
こで、出力側液圧室35から流路36を介して送り出さ
れるブレーキ液の液圧は、それぞれのプランジャ部34
a,34bの面積の比率だけ増加される。
【0024】以上、本発明の一実施形態によるブレーキ
液圧制御装置の機械的構成について説明したが、次に電
気的構成について簡単に説明する。図2は、本発明の一
実施形態によるブレーキ液圧制御装置の電気的構成を簡
略化したブロック図である。図2において、50は後述
する各種制御を行うマイコン(マイクロコンピュータ)
であり、図1中の圧力センサ9,10から出力される検
出信号や、ソレノイド24を流れる電流の検出信号に基
づいて、ソレノイド24に流す電流を制御して、ホイー
ルシリンダ3に発生する液圧を制御する。このマイコン
50は、内部にRAM等のメモリを有しており、各種の
情報が記憶される。52はPWM駆動回路であり、マイ
コン50から出力される制御信号に基づいて、ソレノイ
ド24に流すPWM駆動電流を生成する。
【0025】PWM駆動回路52から出力されるPWM
駆動電流は駆動トランジスタ54のベース端に供給され
る。駆動トランジスタ54はエミッタ端が電源に接続さ
れ、コレクタ端がソレノイド24の一端に接続されてお
り、ベース端に入力されるPWM駆動電流に基づいてス
イッチング動作を行い、ソレノイド24に電流を供給す
る。上記ソレノイド24の他端にはソレノイド24に流
れる電流を検出するための検出用抵抗56の一端が接続
され、この検出用抵抗56の他端は接地されている。ま
た、ソレノイド24及び検出用抵抗56には、ソレノイ
ド24で発生する高圧の逆起電力から駆動トランジスタ
54を保護するためのダイオード58が並列に接続され
ている。
【0026】また、ソレノイド24及び検出用抵抗56
の接続点にはA/D変換器60が接続されている。この
A/D変換器60は、ソレノイド24を流れる電流に対
して検出用抵抗56で変換した電圧値をディジタル信号
に変換する。A/D変換器60で変換されたディジタル
信号はマイコン50に入力される。マイコン50は、前
述したようにA/D変換器60から出力されるディジタ
ル信号や、図1中の圧力センサ9,10から出力される
検出信号に基づいて、ソレノイド24に流す電流を制御
する。
【0027】図2中のマイコン50、PWM駆動回路5
2、及びA/D変換器60は図1中のコントローラEC
U30内に設けられる。以上の構成において、ソレノイ
ド24に流す電流を制御することによってホイールシリ
ンダ3に発生する制動力を制御するわけであるが、以下
にマイコン50の種々の制御動作を説明する。
【0028】まず、以下の説明で用いる語句の定義を行
う。 ・目標液圧…ブレーキペダルの操作量に対応し、ホイー
ルシリンダに発生させるブレーキ液圧の目標を示す電気
的な信号である ・出力電流…実際にソレノイド24に流す電流 ・基本制御出力…目標液圧に応じて一義的に定まるソレ
ノイド24に流す電流 ・オフセット電流…出力電流から基本制御出力を減算た
電流値 ・上昇側無効電流…目標液圧が上昇している過程におい
て、図1中の液圧制御弁5の液圧供給ポート13と出力
ポート15とを非連通状態から連通状態にするまでに必
要な電流であり、この電流の値は液圧制御弁5の製造誤
差等によって装置毎に異なる ・下降側無効電流…目標液圧が下降している過程におい
て、ブレーキ液圧が零になる時にソレノイド24に流れ
る電流 ・実液圧…ホイールシリンダ3に発生する実際のブレー
キ液圧
【0029】まず、最初に前述したソレノイド24に供
給する電流とホイールシリンダ3に発生する液圧との関
係について説明する。図3は、ソレノイド24に供給す
る電流とホイールシリンダ3に発生する液圧との関係を
示す図である。図3中の符号n1が付された点から符号
n2が付された点までが液圧上昇時の電流とホイールシ
リンダ3に発生する液圧との関係を示し、図中符号n3
が付された点から符号n4が付された点までが液圧下降
時の電流とホイールシリンダ3の液圧との関係を示す。
図3に示されたように、液圧上昇時の電流−液圧特性と
液圧下降時の電流−液圧特性は異なる経路を辿る。つま
り、ソレノイド24に供給する電流とホイールシリンダ
3に発生する液圧とはヒステリシスを有する。
【0030】従来は、液圧が発生した時点の電流値、つ
まり点n1における電流値Ixを無効電流と設定してブ
レーキの液圧を制御していたが、液圧を下降させる際に
は、電流を無効電流Ixにしたとしても、ホイールシリ
ンダ3には液圧Pxが発生していることになる。従っ
て、液圧発生時にソレノイド24に流れる電流値を無効
電流と固定して制御すると、所望のブレーキ特性を得る
ことができないことになる。 以下、このような問題点
を解決した本発明の一実施形態によるブレーキ液圧制御
装置の制御例について説明する。
【0031】〔第1制御例〕図4は本発明の一実施形態
によるブレーキ液圧制御装置の第1制御例を示すフロー
チャートである。図4に示されたフローチャートはサブ
ルーチンであり、予め設定された時間間隔(マシンサイ
クル)毎にメインルーチン(図示省略)から呼び出され
て処理が行われる。尚、以下の説明においては、図2中
のマイコン50内に設けられたRAMに実液圧が発生済
みであることを示すフラグ“Pフラグ”が設けられ、オ
フセット電流、つまり装置毎に異なる無効電流を補償し
て無効電流が異なったとしても一定のブレーキ特性を得
られるように基本制御出力に加算する電流の値を格納す
るレジスタが設けられている。以下、このオフセット電
流の値(レジスタに格納される値)をI0と記載する。
また、以下の説明においては前述した上昇側無効電流を
0u、下降側無効電流をI0dとそれぞれ示す。また、目
標液圧を示す信号、つまり、図1中の圧力センサから発
生される信号をTpと示す。
【0032】メインルーチンから図4に示されたフロー
チャートが呼び出されると、まずステップS10の処理
が行われる。ステップS10ではソレノイド24に流れ
る電流をモニタする処理が行われる。つまり、図2に示
された電流検出抵抗56によって検出された電圧がA/
D変換器60によってディジタル信号に変換され、この
ディジタル信号の値をマイコン50が読み込んで電流モ
ニタ値として記憶する処理が行われる。以下、この電流
モニタ値をImと記す。
【0033】ステップS10の処理が終了するとステッ
プS12へ進む。ステップS12では基本制御処理が行
われる。この基本制御処理は圧力センサ9,10から入
力された検出信号に基づいて、ソレノイド24に基本制
御出力を算出する処理が行われる。つまり、この基本制
御処理は、圧力センサ10から出力される検出信号が、
圧力センサ9から出力される検出信号(目標液圧)に近
づくようにソレノイド24に流す電流(基本制御出力)
を制御する処理である。従って、この基本制御処理で
は、前述したような装置毎の無効電流を考慮してソレノ
イド24へ流す電流を制御するような処理は行われな
い。
【0034】ステップS12の処理が終了すると、ステ
ップS14へ進み、目標液圧が発生したか否か、つま
り、圧力センサ9から検出信号が出力されたか否かを判
断する。ステップS14において、目標液圧が発生して
いない、つまりブレーキペダル1が操作されていないと
判断すると、処理はステップS16へ進む。ステップS
16では、“Pフラグ”をクリア(0を代入)するとと
もに、オフセット電流I0に初期値を代入する処理が行
われる。この初期値は、設計上ホイールシリンダ3に実
液圧が発生しない値に設定される。
【0035】ステップS16の処理が終了するとステッ
プS18へ進み、ソレノイド24に流す出力電流を、ス
テップS12で算出した基本制御出力とオフセット電流
0とを加算した値に設定する。ステップS20に進む
とマイコン50は、ステップS18で設定した値を制御
信号としてPWM駆動回路52へ出力し、PWM駆動回
路52はこの制御信号に基づいて駆動トランジスタ54
をPWM駆動してソレノイド24に電流を供給する。
【0036】一方、ステップS14において目標液圧が
発生している、つまりブレーキペダル1が操作されたと
判断すると、処理はステップS22へ進む。ステップS
22では“Pフラグ”の値を判定するが、目標液圧が発
生し始めた直後は、“Pフラグ”の値は初期化されてい
るため「0」であり、ステップS24へ進む。ステップ
S24では実液圧が発生しているか否か、つまり圧力セ
ンサ10から検出信号が出力されているか否かを判断す
る。
【0037】目標液圧が発生し始めた直後は、オフセッ
ト電流I0の値は初期値に設定されているため実液圧は
発生しないのでステップS26へ進む。ステップS26
ではオフセット電流I0の値を所定の増加分だけ加算す
る処理が行われる。この増加分は、目標液圧の発生から
実液圧の発生までの遅れが問題とならないように設定さ
れるが、目標液圧が発生してから50〜500ms、好
ましくは200ms程度までに実液圧が発生するように
設定される。
【0038】ステップS26の処理が終了するとステッ
プS18へ進み、出力電流がステップS12で算出した
電流と、ステップS26で増加分が加算されたオフセッ
ト電流I0とを加算した値に設定される。次にステップ
S20へ進み、ステップS18で設定された出力電流に
応じた電流がソレノイド24に流れるようにPWM駆動
処理が行われる。以上説明したように、目標液圧が発生
し始めた直後はステップS10,S12,S14,S2
2,S24,S26,S18,S20の処理が順次行わ
れ、マシンサイクル毎にソレノイド24に流れる電流が
増加される処理が行われる。
【0039】以上の処理を繰り返して実液圧が発生する
と、実液圧が発生した時点においては、“Pフラグ”の
値が「0」であるのでステップS22からステップS2
4へ進み、ステップS24において実液圧が発生したと
判断しステップS28へ進む。ステップS28では“P
フラグ”の値を「1」にセットする処理が行われる。次
に、上昇側無効電流I0uにステップS10においてモニ
タした電流モニタ値I mを代入する処理が行われ、さら
に、電流モニタ値I0dからヒステリシスの値を差し引い
た値を下降側無効電流I0dに代入する処理が行われる。
【0040】ここで、ヒステリシスの値は、ホイールシ
リンダ3に同一の液圧を発生させる液圧上昇時の電流値
と液圧下降時の電流値との差である。つまり、このヒス
テリシスの値は、図3を参照すると、図中符号IHが付
されている電流値の差に相当する。この値は液圧制御弁
5の特性を考慮して設定され、通常は30〜300mA
程度に設定される。ステップS28の処理が終了する
と、ステップS18に進み、出力電流が基本制御出力と
オフセット電流I0とを加算した値に設定される。そし
て、ステップS20へ進みステップS18において設定
された電流の値に基づいてPWM電流をソレノイド24
へ出力する処理が行われる。
【0041】次のマシンサイクルで図4に示したルーチ
ンが呼び出されると、“Pフラグ”の値が「1」である
ので、ステップS22からステップS30へ進む。ステ
ップS30では、オフセット電流I0の値と上昇側無効
電流I0uとを比較する処理が行われる。目標液圧から実
液圧が発生するまでは、上昇側無効電流にオフセット電
流を加えることによって、装置毎の無効電流の差異を吸
収している。しかし、実液圧が発生した後は上昇側無効
電流を差異を吸収する必要がなくなるのでオフセット電
流が不必要になるためオフセット電流は上昇側無効電流
0uと等しい値であればよい。このため、ステップS3
0ではオフセット電流I0と上昇側無効電流I0uとを比
較する処理が行われる。
【0042】ステップS30において、オフセット電流
0が上昇側無効電流I0uよりも大きいと判断されると
処理はステップS32へ進む。ステップS32ではオフ
セット電流I0を所定の減少分だけ減少させる処理が行
われる。この減少分は予め所定の値に設定されている。
ステップS32の処理が終了するとステップS18,S
20へ進み、ステップS32において減少されたオフセ
ット電流I0に応じたPWM駆動制御が行われる。実液
圧が発生した後、オフセット電流I0が無効電流より大
きい場合には、ステップS30,S32の処理がマシン
サイクル毎に行われ、オフセット電流I0と無効電流と
が等しくなるまで行われる。
【0043】一方、ステップS30においてオフセット
電流I0の値が上昇側無効電流I0u以下であると判断さ
れると、ステップS34へ進む。ステップS34では、
目標液圧を示す信号Tpが下降中であるか否かが判断さ
れる。ステップS34において目標液圧を示す信号が上
昇中であると判断されると、処理はステップS36へ進
み、上昇側無効電流I0uの値をオフセット電流I0に代
入する処理が行われる。一方、ステップS34におい
て、目標液圧を示す信号が下降中であると判断される
と、オフセット電流I0に下降側無効電流I0dの値を代
入する処理が行われる。
【0044】つまり、ステップS30,S32の処理で
ホイールシリンダ3に実液圧が発生した後にオフセット
電流I0の値を無効電流に一致させる処理が行われる
が、ステップS34,S36,S38の処理は、目標液
圧を示す信号が上昇中であるか下降中であるかに応じ
て、オフセット電流I0の値を上昇側無効電流I0uに設
定する処理又は下降側無効電流I0dに設定する処理が行
われる。
【0045】ステップS36及びステップS38の処理
が終了すると、ステップS18の処理が行われる。ステ
ップS18では、基本制御出力にステップS36で設定
したオフセット電流I0又はステップS38で設定した
オフセット電流I0の値を加算して出力電流に代入する
処理が行われる。ステップS18の処理が終了するとス
テップS20へ進み。ステップS18で設定した出力電
流に応じたPWM電流出力処理が行われる。以上説明し
た第1制御例においては、目標液圧が上昇中であるか又
は下降中であるかに応じて無効電流が変更されるので、
目標液圧の下降時においてホイールシリンダに残圧が発
生することがないため、所望のブレーキ特性を得ること
ができる。
【0046】〔第2制御例〕図5は本発明の一実施形態
によるブレーキ液圧制御装置の第2制御例を示すフロー
チャートである。図5に示されたフローチャートは第1
制御例で示したフローチャートと同様にサブルーチンで
あり、予め設定された時間間隔(マシンサイクル)毎に
メインルーチン(図示省略)から呼び出されて処理が行
われる。尚、以下の説明においては、第1制御例と同様
にフラグ“Pフラグ”、オフセット電流I0の値を格納
するレジスタ、上昇側無効電流I0u及び下降側無効電流
0dを格納するレジスタ、及び電流モニタ値を格納する
レジスタImが設けられている他、目標液圧が下降を開
始したか否かを示すフラグ“Dフラグ”が設けられてい
る。また、図5中のステップの内、図4に示されたステ
ップに該当するステップには同一の符号が付されてい
る。
【0047】図5に示された第2制御例を示すフローチ
ャートが、図4に示された第1制御例を示すフローチャ
ートと異なる点は、図4中のステップS16の代わり
に、“Dフラグ”を初期化する処理を含んだステップS
50が設けられ、図4中のステップS34とステップS
36との間に“Dフラグ”の値に応じて処理経路を変更
するステップS52が設けられ、図4中ステップS34
において目標液圧を示す信号Tpが下降中である場合の
処理が変更された点である。つまり、第2制御例におい
ては、上記変更を加えることによって、下降側無効電流
0dと現在の目標液圧とに基づいて、ソレノイド24に
流れる電流を滑らかに変更する処理が行われる。
【0048】マシンサイクル毎にメインルーチンから呼
び出されてステップS10,S12の処理が行われてス
テップS14へ進み、目標液圧が発生していないと判断
されると、処理はステップS50へ進む。ステップS5
0では、“Pフラグ”をクリア(0を代入)するととも
に、オフセット電流I0に初期値を代入する処理が行わ
れ、さらに“Dフラグ”をクリア(0を代入)する処理
が行われる。ステップS50の処理が終了するとステッ
プS18,S20へ進み、第1制御例で説明したような
PWM電流出力する処理が行われる。
【0049】第1制御例で説明したように、目標液圧を
示す検出信号Tpが発生するとステップS22,S2
4,S26,S18,S20の処理が行われ、出力電流
の値を増加させてソレノイド24に流す電流を徐々に大
きくする処理が行われる。実液圧が発生すると、ステッ
プS30及びS32の処理によってオフセット電流I0
を上昇側無効電流I0uの値と等しくなるまで減少させる
処理が行われる。オフセット電流I0が上昇側無効電流
0uの値と等しくなると、処理はステップS30からス
テップS34へ進む。
【0050】ステップS34では目標液圧を示す信号T
pが上昇中であるか下降中であるかが判断される。ステ
ップS34で目標液圧を示す信号Tpが下降中であると
判断された場合にはステップS52へ進む。ステップS
52では“Dフラグ”の値がセットされているかクリア
されているか(「1」か又は「0」が)が判断される。
つまり、ステップS34及びS52の処理によって、一
度目標液圧が下降してから再び目標液圧が上昇したか否
かが判断される。
【0051】ステップS52において“Dフラグ”がク
リアされている(値が「0」である)と判断された場
合、つまり目標液圧が下降していないと判断されると処
理はステップS36へ進む。ステップS36ではオフセ
ット電流I0に上昇側無効電流I0uを代入する処理が行
われる。ステップS36の処理が終了すると、ステップ
S18,S20の処理を行ってメインルーチンに復帰す
る。
【0052】一方、ステップS34において、目標液圧
を示す信号Tpが下降中であると判断されると、処理は
ステップS54へ進む。ステップS54では、目標液圧
を示す信号Tpの下降が開始されたか、つまり、下降が
開始されたばかりか又は下降継続中であるかが判断され
る。ステップS54において下降が開始されたばかりで
あると判断されると、ステップS56へ進む。ステップ
S56では、“Dフラグ”をセット(「1」を代入)す
る処理が行われ、下降開始時の目標液圧Tdを格納する
レジスタに現時点の目標液圧を示す信号Tpを代入する
処理が行われる。さらに、目標液圧が下降した時点にお
けるオフセット電流Idを格納するレジスタに現時点の
オフセット電流I0を代入する処理が行われる。
【0053】ステップS52において“Dフラグ”がセ
ット(値が「1」)されている場合、つまり目標液圧が
一度下降してから再び上昇した場合、ステップS54に
おいて目標液圧を示す信号が下降継続中であると判断さ
れた場合、及びステップS56の処理が終了した場合に
はステップS58へ進む。ステップS58では、以下の
式(1)に基づいて、オフセット電流I0を算出する処
理が行われる。 I0=(Id−I0d)×Tp/Td+I0d ・・・(1)
【0054】上式(1)は下降開始時点においてオフセ
ット電流がIdであり、目標液圧を示す信号の値Tp
「0」となった時点でオフセット電流I0が下降側無効
電流I 0dとなるようにオフセット電流I0を目標液圧に
応じて滑らかに変化させるための式を示している。ステ
ップS58の処理が終了するとステップS60へ進む。
ステップS60では、オフセット電流I0と上昇側無効
電流I0uとを比較する処理が行われる。ステップS60
において、オフセット電流I0が上昇側無効電流I0u
下であると判断されると、ステップS18,S20の処
理が行われる。
【0055】一方、オフセット電流I0が上昇側無効電
流I0uよりも大きいと判断されると、ステップS38へ
進む。ステップS38では上昇側無効電流I0uの値をオ
フセット電流I0に代入する処理が行われる。この処理
が狩猟するとステップS18,S20へ進み、メインル
ーチンへ戻る。ステップS60及びステップS38の処
理は、目標液圧が下降時から再び上昇に転じた場合に、
オフセット電流I0の最大制限値を与える。
【0056】以上説明したように、第2制御例によれば
目標液圧を示す信号の変化に応じて上昇側無効電流I0u
と下降側無効電流I0dとを切り換えるとともに、目標液
圧が下降している場合に、その時点で発生している目標
液圧と下降側目標液圧I0dとに応じて演算算出したオフ
セット電流I0によってソレノイド24を駆動してい
る。従って、第1制御例のように上昇側無効電流I0u
下降側無効電流I0dとを単純に切り換えた場合に生ずる
実液圧の変動を防止することができる。
【0057】〔第3制御例〕図6は本発明の一実施形態
によるブレーキ液圧制御装置の第3制御例を示すフロー
チャートである。図6に示されたフローチャートは第1
制御例で示したフローチャートと同様にサブルーチンで
あり、予め設定された時間間隔(マシンサイクル)毎に
メインルーチン(図示省略)から呼び出されて処理が行
われる。尚、以下の説明においては、第1制御例と同様
にフラグ“Pフラグ”、オフセット電流I0の値を格納
するレジスタ、上昇側無効電流I0u及び下降側無効電流
0dを格納するレジスタ、及び電流モニタ値を格納する
レジスタImが設けられている。また第2制御例で説明
したように、目標液圧が下降を開始したか否かを示すフ
ラグ“Dフラグ”が設けられている。図6中のステップ
の内、図5に示されたステップに該当するステップには
同一の符号が付されている。
【0058】図6に示された第3制御例を示すフローチ
ャートが、図5に示された第2制御例を示すフローチャ
ートと異なる点は、図5中のステップS54とステップ
S58との間に、ステップS80及びステップS82が
設けられた点である。つまり、ステップS34において
目標液圧を示す信号Tpが下降中であると判断されてス
テップS54へ進み、目標液圧Tpが下降開始されたば
かりであると判断されるとステップS82へ進む。
【0059】ステップS82では、“Dフラグ”に
「1」を代入するとともに、下降開始時の目標液圧Td
を格納するレジスタに現時点の目標液圧を示す信号Tp
を代入する処理が行われ、目標液圧が下降した時点にお
けるオフセット電流Idを格納するレジスタに現時点の
オフセット電流I0を代入する処理が行われる。また、
現時点の電流モニタ値Imdを格納するレジスタにステッ
プ10で求めた電流モニタ値Imを代入する処理が行わ
れ、圧力センサ10から出力される液圧を示す信号Wp
の現在値を、液圧下降開始時の実液圧Wpdを格納するレ
ジスタに代入する処理が行われる。
【0060】一方、ステップS54において、目標液圧
を示す信号Tpが下降継続中であると判断されると、処
理はステップS80へ進む。ステップS80では、液圧
下降時における無効電流I0dの推定補正機能が実行され
る。この推定補正機能は、次式(2)に示される式に示
されるように、目標液圧の下降が開始された時点におけ
る電流モニタ値Id及び実液圧Wpdと、現時点の電流モ
ニタ値Im及び実液圧W pとに基づいて、現時点における
下降側無効電流I0dを補正する機能である。
【0061】
【数1】
【0062】つまり、目標液圧が下降継続中である場合
には、図6に示されたフローがマシンサイクル毎にメイ
ンルーチンから呼び出される度に、ステップS80の処
理によって下降側無効電流I0dが随時補正されることに
なる。図7は、本発明の一実施形態によるブレーキ液圧
制御装置の第3制御例による制御を行った場合のソレノ
イド24に流れる電流とホイールシリンダ3に発生する
液圧との関係を示す図である。
【0063】図7中の点Pは目標液圧が下降を始めた時
点における電流モニタ値Imdと実液圧Wpdとを示してお
り、点A1,A2,A3は第3制御例によって下降側無
効電流値が補正されたときの電流モニタ値と実液圧との
関係を示している。点A1,A2,A3の電流値及び実
液圧の値は、それぞれ(Im1,Wp1)、(Im2
p2)、(Im3,Wp3)である。目標液圧の下降が継続
されるに従って電流値と液圧との関係が図中点A1→A
2→A3と変化し、下降側無効電流I0dも徐々に真の値
に近づくことになる。
【0064】以上説明した第3制御例においては、下降
側無効電流I0dを固定せずに、目標液圧の下降が開始さ
れた時点における電流モニタ値Id及び実液圧Wpdと、
現時点の電流モニタ値Im及び実液圧Wpとに基づいて下
降側無効電流I0dを補正するようにしているので、精度
の高いブレーキ制御が行える。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
目標液圧が上昇中であるか又は下降中であるかに応じて
無効電流が変更されるので、目標液圧の下降時において
ホイールシリンダに残圧が発生することがないため、所
望のブレーキ特性を得ることができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるブレーキ液圧制御
装置の全体を示した構成図である。
【図2】 同実施形態によるブレーキ液圧制御装置の電
気的構成を簡略化したブロック図である。
【図3】 ソレノイド24に供給する電流とホイールシ
リンダ3に発生する液圧との関係を示す図である。
【図4】 同実施形態によるブレーキ液圧制御装置の第
1制御例を示すフローチャートである。
【図5】 同実施形態によるブレーキ液圧制御装置の第
2制御例を示すフローチャートである。
【図6】 同実施形態によるブレーキ液圧制御装置の第
3制御例を示すフローチャートである。
【図7】 同実施形態によるブレーキ液圧制御装置の第
3制御例による制御を行った場合のソレノイド24に流
れる電流とホイールシリンダ3に発生する液圧との関係
を示す図である。
【符号の説明】
4 外部液圧供給源(液圧供給源) 9 圧力センサ(ブレーキ操作量検出手段) 3 ホイールシリンダ 5 液圧制御弁 24 ソレノイド 30 コントローラECU(弁制御手段) 10 圧力センサ(実液圧検出手段) 56 検出用抵抗(電流検出手段) 50 マイコン(基本制御処理部、第1のオフセット
電流更新手段、第2のオフセット電流更新手段、上昇側
無効電流記憶手段、下降側無効電流記憶手段、設定手
段、出力手段)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキの操作量を検出するブレーキ操
    作量検出手段と、 高圧のブレーキ液圧を出力供給する液圧供給源と、 車輪に設けられ、ブレーキ液圧が供給されることによ
    り、当該車輪に対して制動力を付与するホイールシリン
    ダと、 前記液圧供給源と前記ホイールシリンダとの間に設けら
    れ、ソレノイドにより駆動される弁を有し、前記ホイー
    ルシリンダと前記液圧供給源とを連通制御する液圧制御
    弁と、 前記ブレーキの操作量に対応した制動力を前記車輪に対
    して付与するために、前記ブレーキ操作量検出手段から
    の出力に基づき前記ホイールシリンダへ加える目標液圧
    を演算し、該目標液圧に基づく駆動電流を前記液圧制御
    弁のソレノイドに供給する弁制御手段とを具備するブレ
    ーキ液圧制御装置であって、 前記ホイールシリンダに供給されるブレーキ液圧を検出
    する実液圧検出手段と、 前記ソレノイドに流れる電流を検出する電流検出手段と
    を有し、 前記弁制御手段は、 演算された前記目標液圧に応じた前記ソレノイドの駆動
    電流を演算し、基本制御出力として出力する基本制御処
    理部と、 前記ブレーキ操作量検出手段から検出結果が出力され、
    かつ前記実液圧検出手段から検出結果が出力されていな
    い場合、前記ブレーキの操作に際して予め設定されたオ
    フセット電流を所定値だけ増加更新させる第1のオフセ
    ット電流更新手段と、 前記実液圧検出手段から検出結果が出力された時点にお
    ける前記電流検出手段の検出結果を上昇側無効電流とし
    て記憶する上昇側無効電流記憶手段と、 前記実液圧検出手段から検出結果が出力された後、前記
    第1のオフセット電流更新手段により増加更新したオフ
    セット電流を、無効電流記憶手段に記憶された無効電流
    以下となるまで、所定値だけ減少させる第2のオフセッ
    ト電流更新手段と、 前記液圧制御弁のヒステリシス特性に応じて、前記目標
    液圧下降時の下降側無効電流を記憶する下降側無効電流
    記憶手段と、 前記目標液圧が下降した場合には前記オフセット電流を
    前記下降側無効電流に設定する設定手段と、 前記ブレーキ操作量検出手段の検出結果に基づき前記ホ
    イールシリンダの目標液圧を演算する毎に、前記基本制
    御出力と前記オフセット電流とを加えて駆動電流として
    前記ソレノイドに対して供給する出力手段とを具備する
    ことを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
JP6705597A 1997-03-19 1997-03-19 ブレーキ液圧制御装置 Withdrawn JPH10258719A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001171498A (ja) * 1999-12-17 2001-06-26 Nissan Motor Co Ltd 車両用ブレーキ制御装置
JP2011105242A (ja) * 2009-11-20 2011-06-02 Nissin Kogyo Co Ltd 車両用ブレーキ液圧制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001171498A (ja) * 1999-12-17 2001-06-26 Nissan Motor Co Ltd 車両用ブレーキ制御装置
JP2011105242A (ja) * 2009-11-20 2011-06-02 Nissin Kogyo Co Ltd 車両用ブレーキ液圧制御装置

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