JP3933722B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両を減速、停止させるためのブレーキ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両を減速、停止させるためのブレーキ制御装置として、特開平5−39008号公報あるいは特開平5−39014号公報に開示されたもの等がある。
これらのブレーキ制御装置は、ブレーキ操作部材と、該ブレーキ操作部材の操作量を検出する操作量検出手段と、車輪の回転をブレーキ力で抑制するブレーキを有する車輪回転抑制手段と、実際の車両の減速度を検出する減速度検出手段と、操作量検出手段の検出結果に基づいて決まる目標減速度と減速度検出手段により検出される実際の減速度とが一致するように、車輪回転抑制手段を制御する制御手段とを有するもので、実際の車両の減速度が目標減速度から所定値以上ずれた場合にブレーキ力を増減させるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように実際の車両の減速度が目標減速度から所定値以上ずれた場合にブレーキ力を増減させるのでは、この条件さえ満たされていれば、例えば運転者がそのときのブレーキ力を維持しようとしてブレーキ操作部材の操作量を一定に維持していてもブレーキ力が増減させられてしまう等、運転者の意志に反したブレーキ力の増減が起きてしまうことになり、操作性の面で問題があった。
したがって、本発明の目的は、運転者の意志に反したブレーキ力の増減を防止することにより操作性を向上させることができるブレーキ制御装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ブレーキ操作部材と、該ブレーキ操作部材の操作量を検出する操作量検出手段と、 車輪の回転をブレーキ力で抑制するブレーキを有する車輪回転抑制手段と、 実際の車両の減速度を検出する減速度検出手段と、
前記操作量検出手段の検出結果に基づいて決まる目標減速度と前記減速度検出手段により検出される実際の減速度とが一致するように、前記実際の減速度が前記目標減速度から所定値以上ずれた場合に前記車輪回転抑制手段を制御する制御手段とを有するブレーキ制御装置において、 前記制御手段は、前記実際の減速度が前記目標減速度から所定値以上ずれて下回っている場合には、前記操作量検出手段で検出されるブレーキ操作部材の操作量が増加する場合にのみ前記車輪回転抑制手段によるブレーキ力を増加させ、前記実際の減速度が前記目標減速度から所定値以上ずれて上回っている場合には、前記操作量検出手段で検出されるブレーキ操作部材の操作量が減少する場合にのみ、車輪回転抑制手段によるブレーキ力を減少させることを特徴としている。
これにより、実際の減速度が目標減速度から所定値以上ずれて下回っている場合には、ブレーキ操作部材の操作量が増加する場合にのみ、すなわち運転者がブレーキ力を増加させようとブレーキ操作部材を操作した場合にのみ、ブレーキ力を増加させ、実際の減速度が目標減速度から所定値以上ずれて上回っている場合には、ブレーキ操作部材の操作量が減少する場合にのみ、すなわち運転者がブレーキ力を減少させようとブレーキ操作部材を操作した場合にのみ、ブレーキ力を減少させることになる。
【0005】
また、請求項2記載の発明は、上記に関して、前記目標減速度から所定値以上ずれたか否かの判定基準となる値は、前記目標減速度に係数を乗じた値であることを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、上記に関して、前記制御手段は、前記操作量検出手段で検出されるブレーキ操作部材の操作量から割り出される該操作量の増加速度に応じてブレーキ力を増加させ、かつ前記操作量検出手段で検出されるブレーキ操作部材の操作量から割り出される該操作量の減少速度に応じてブレーキ力を減少させることを特徴としている。
これにより、ブレーキ操作部材の操作量の増加速度に応じて、すなわち運転者がブレーキ力をどのような速度で増加させようとしているかに応じて、ブレーキ力を増加させ、ブレーキ操作部材の操作量の減少速度に応じて、すなわち運転者がブレーキ力をどのような速度で減少させようとしているかに応じて、ブレーキ力を減少させることになる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1〜図4に基づいて詳細に説明する。図2において10はブレーキ操作部材としてのブレーキペダルである。ブレーキペダル10はマスタシリンダ12に接続されており、マスタシリンダ12の2個の加圧室にそれぞれ、ブレーキペダル10の踏力に対応する液圧が発生させられる。マスタシリンダ12の一方の加圧室は、液通路14,16および分岐通路18,20により、左右前輪22,24にそれぞれ設けられたブレーキのフロントホイールシリンダ26,28に接続されており、他方の加圧室は、液通路30,32および分岐通路34,36により、左右後輪38,40にそれぞれ設けられたブレーキのリヤホイールシリンダ42,44に接続されている。46は後輪38,40用の液通路32に設けられたプロポーショニングバルブである。
【0007】
上記分岐通路18,20,34,36にはそれぞれ、電磁方向切換弁50,52,54,56が設けられ、液圧制御弁58,60,62,64が接続されている。電磁方向切換弁50〜56のソレノイドは常には消磁されて図に示す原位置にあり、ホイールシリンダ26,28,42,44を液圧制御弁58〜64に連通させているが、ソレノイドが励磁されれば反対側の位置に切り換えられ、ホイールシリンダ26,28,42,44をマスタシリンダ12に連通させる。
【0008】
液圧制御弁58〜64はそれぞれ、アキュムレータ70とリザーバ72とに液通路74,76により接続されており、アキュムレータ70にはリザーバ72の液がポンプ80によって汲み上げられ、一定の範囲で蓄えられる。液圧制御弁58〜64は、ソレノイドの励磁電流の制御により、アキュムレータ70の液圧を車輪の回転を抑制するために必要な高さに制御してホイールシリンダ26,28,42,44に供給し、その液圧に基づいてブレーキが作動し、該ブレーキの作動力で車輪の回転が抑制される。第1の実施の形態においては、ホイールシリンダ26,28,42,44と、これらによって作動させられる図示しないブレーキと、ポンプ80、アキュムレータ70、液圧制御弁58〜64等とが車輪回転抑制手段を構成しているのである。
【0009】
前記マスタシリンダ12とフロントホイールシリンダ26,28とを接続する液通路14と16との間、およびマスタシリンダ12とホイールシリンダ42,44とを接続する液通路30と32の間にはそれぞれ電磁方向切換弁84,86が設けられ、ストロークシュミレータ88,90が接続されている。ストロークシュミレータ88,90は、マスタシリンダ12から排出されるブレーキ液を収容してブレーキペダル10の踏込みを許容するとともに、踏込みストロークに応じた反力をブレーキペダル10に与えるものである。車輪の回転が液圧制御弁58〜64によって制御された液圧に基づいて抑制される状態においては、電磁方向切換弁84,86のソレノイドが消磁されてマスタシリンダ12がストロークシュミレータ88,90に連通させられ、運転者にあたかもホイールシリンダ26,28,42,44に接続されているかのような操作フィーリングを与えるようになされているのである。
【0010】
本ブレーキ制御装置は制御装置(制御手段)100によって制御される。制御装置100はCPU102、ROM104、RAM106、入力部108、出力部110およびバスを含んでいる。制御装置100の入力部108には、ブレーキペダル10の踏込みを検出するブレーキスイッチ112、ブレーキペダル10の踏込み力を検出する操作量検出手段としての踏力検出装置114、アキュムレータ70の液圧を検出する液圧センサ116、ホイールシリンダ26,28,42,44の液圧を検出する液圧センサ118,120,122,124、左右の前輪22,24および後輪38,40の各回転速度を検出する車輪速センサ126,128,130,132、各輪における車体の高さを検出する車高センサ134,136,138,140が接続されている。
【0011】
出力部110には、液圧制御弁58〜64および電磁方向切換弁50,52,54,56,84,86が接続されている。また、ROM104には、図3にグラフで示すブレーキペダル10の踏込み力と目標減速度Grとの関係を規定するマップおよび図1にフローチャートで示す車輪回転抑制ルーチンが格納されている。以下、このフローチャートに基づいて車輪回転の抑制について説明する。
【0012】
本ブレーキ制御装置による制動は、通常は液圧制御弁58〜64により制御された液圧に基づいて行われるのであって、電磁方向切換弁50〜56,84,86は常には消磁され、ホイールシリンダ26,28,42,44は液圧制御弁58〜64に連通させられ、マスタシリンダ12はストロークシュミレータ88,90に連通させられている。そして、イグニッションスイッチがONにされると同時に図示しないメインルーチンが実行され、その初期設定においてブレーキの摩擦材の摩擦係数μが基本値μBに設定されてRAM106に設けられた摩擦係数記憶エリアに格納される。基本値μBは設計上定められ、あるいは乾燥状態の摩擦材の常温における実測値である。
【0013】
ブレーキペダル10が踏み込まれれば、まず、ステップS1(以下、S1と略称する)が実行され、ブレーキペダル10の踏込み力PE、車輪速度および車高が読み込まれた後、S2において、踏込み力PEからその微分値である変化速度PE’を算出するとともに、S3において、車輪速センサ126,128,130,132で検出される車輪速度をもとにして車両の実減速度Gを演算する。
【0014】
このS3の演算方法としては、4つの車輪速センサ126,128,130,132で検出された車輪速度の最大値の所定時間間隔(100ms〜500msで、好ましくは200ms〜300ms)の変化量をその時間間隔で除した値をもって実減速度Gとする方法、あるいは所定速度変化(1km/h〜5km/hで好ましくは3km/h程度)毎にそれをその間の時間で除した値をもって実減速度Gとする方法、さらには、アンチロックブレーキシステムあるいはトラクションコントロールシステムで用いられているいわゆる模擬車体速度の傾斜をもって実減速度Gとする方法が採用される。
【0015】
続いて、S4において目標減速度Grが演算される。ブレーキペダル10の踏込み力と目標減速度Grとの関係を規定する前記マップから目標減速度Grが演算されるのである。
次いでS5〜S10が実行され、目標減速度Grと実減速度Gとを一致させるべく、ホイールシリンダの制動液圧を設定するために摩擦材の摩擦係数μが設定される。
【0016】
摩擦係数μは実減速度Gの目標減速度Grに対する割合に応じて設定される。S5においては実減速度Gが目標減速度Grの95%以下であるか否かの判定が行われ、95%以下であればS5の判定結果がYESとなって、S7においてブレーキペダル10の踏込み力が増加状態にあるか否かの判定が、例えば踏込み力の変化速度PE’が予め定められたβ(β>0)に対しPE’≧βであるか否かにより行われる。そして、PE’≧βであってブレーキペダル10の踏込み力が増加状態にあれば、S7の判定がYESとなってS10が実行される。このS10においては、摩擦係数μの変化が、変化速度PE’に比例するよう、μ=(1−K×PE’)μに決定されて、それまで摩擦係数記憶エリアに格納されていた摩擦係数μと置き換えられる。ここで、この式におけるKは正の値の比例定数であって、PE’はブレーキペダル10の踏込み力PEの微分値すなわち変化速度であり、ブレーキペダル10の踏込み力PEが増加していることからPE’は正であって、上記式から得られる摩擦係数μは元の値に対し小さくなる。一方、S7においてブレーキペダル10の踏込み力が増加状態になければ、S7の判定がNOとなってS9が実行され、摩擦係数μはそれまで通りの値に決定される。
【0017】
また、S5において実減速度Gが目標減速度Grの95%より大きい場合には、S6が実行され、実減速度Gが目標減速度Grの105%以上であるか否かの判定が行われる。目標減速度Grの105%以上であればS6の判定がYESとなって、S8においてブレーキペダル10の踏込み力が減少状態にあるか否かの判定が、例えば踏込み力の変化速度PE’が予め定められたβ(β>0)に対しPE’≦−βであるか否かにより行われる。そして、PE’≦−βであってブレーキペダル10の踏込み力が減少状態にあれば、S8の判定がYESとなってS10が実行される。このS10においては、摩擦係数μが、μ=(1−K×PE’)μに決定されて、それまで摩擦係数記憶エリアに格納されていた摩擦係数μと置き換えられる。ここで、ブレーキペダル10の踏込み力PEが減少していることからPE’は負となり上記式から得られる摩擦係数μは元の値に対し大きくなる。一方、S8においてブレーキペダル10の踏込み力が減少状態になければ、S8の判定がNOとなってS9が実行され、摩擦係数μはそれまで通りの値に決定される。
【0018】
これによって、実減速度Gが目標減速度Grの95%以下である間は、ブレーキペダル10の踏込み力が増加する場合にのみ、車輪回転抑制ルーチンの1実行サイクル毎に摩擦係数μがブレーキペダル10の踏込み力の増加速度に応じて減じられ、実減速度Gが目標減速度Grの105%以上である間は、ブレーキペダル10の踏込み力が減少する場合にのみ、車輪回転抑制ルーチンの1実行サイクル毎に摩擦係数μがブレーキペダル10の踏込み力の減少速度に応じて増やされ、95%と105%との間では変更されないこととなる。
【0019】
次いで、S11において左右の前輪22,24および後輪38,40の各車輪荷重が決定される。4輪の各荷重の大きさは車両の構造や制動時に生ずる車両後方から前方への荷重移動によって異なり、同じ制動力では4輪が同時にロックするように車輪の回転を抑制することができないため、各輪毎に適切な制動力が得られるように車輪荷重を決定するのである。左前輪22の荷重FFLは次式に従って決定される。
FFL=WFL+{(H・GX)/2L−(H・RF・GY)/T}−M
ただし、
WFL:停車状態において左前輪22にかかる車両重量
H:車両の重心高さ
GX:前後加速度
L:ホイールベース
RF:前輪のロール剛性配分
GY:横加速度
T:トレッド
M:車両の質量
【0020】
制動時には、前後加速度GXに車両の重心の高さHおよび車両の質量Mを掛けた大きさのモーメント(M・H・GX)が生じ、このモーメントは前輪に地面から加えられる反力FにホイールベースLを掛けたモーメント(F・L)と釣り合うことからF=(M・H・GX)/Lが得られ、さらにこの反力Fは左右の前輪22,24に加えられるのであるから、左前輪22の荷重は(M・H・GX)/2Lだけ増大することとなる。
【0021】
また、車両旋回時には車両の左右方向に荷重移動が生ずる。車両旋回時には横加速度GYに重心高さHを掛けた大きさのモーメント(M・H・GY)が生じ、トレッドTに左の前後輪に地面から加えられる反力Fを掛けたモーメント(F・T)と釣り合うことからF=(M・H・GY)/Tが得られる。この力Fは前輪と後輪とがそのロール剛性配分RF,RRの大きさに応じて分担する。ロール剛性配分は、車両が前後方向の軸線まわりに回動する際に、懸架装置からばね上重量に伝えられる復元モーメントの前輪と後輪との配分比率であり、(M・H・GY)/Tに前輪22,24のロール剛性配分RFを掛けた値が旋回に伴う左前輪22の荷重の変化量である。左旋回時における横加速度GYを正で表すとすれば、左前輪22の場合、車両の左旋回時には荷重移動により荷重が減少するため、上記式において(M・H・RF・Gr)/Τが引かれ、右旋回時にはGYが負の値となり、荷重が増大することとなる。
【0022】
また、右前輪24の荷重FFRは次式によって求められる。
FFR=WFR+{(H・GX)/2L+(H・RF・GY)/T}・M
ただし、
WFR=停車状態において右前輪24にかかる車両重量
右前輪24の場合、車両の左旋回時には横方向の荷重移動により荷重が大きくなり、これを加えることにより荷重FFRが求められ、右旋回時にはGYの値が負になるため、荷重が減少する。
【0023】
さらに、左後輪38および右後輪40の各荷重FRL,FRRは次式によって求められる。
FRL=WRL−{(H・GX)/2L+(H・RR・GY)/T}・M
FRR=WRR−{(H・GX)/2L−(H・RR・GY)/T}・M
ただし、
WRL:停車状態において左後輪38にかかる車両重量
RR:後輪のロール剛性配分
WRR:停車状態において右後輪40にかかる車両重量
制動に伴う前後方向の荷重移動により後輪の荷重は減少するため、(M・H・GX)/2Lを引くのである。また、左右方向の移動荷重は(M・H・GY)/Tに後輪のロール剛性の分担率RRを掛けることにより求められ、この値を左後輪38の場合には引き、右後輪40の場合には加えることとなる。
【0024】
このように左右の前輪22,24および後輪38,40の荷重が求められたならばS12が実行され、荷重の大きさに応じた制動力が得られるように、各輪のホイールシリンダ26,28,42,44に供給される制動液圧PFL,PFR,PRL,PRRが次式により算出される。
PFL=(FFL・Gr)/(μ・bF)
PFR=(FFR・Gr)/(μ・bF)
PRL=(FRL・Gr)/(μ・bR)
PRR=(FRR・Gr)/(μ・bR)
ただし、bFは前輪のブレーキファクタ、bRは後輪のブレーキファクタであり、bF,bRはそれぞれ次式によって表される。
bF=2・AF・(r/R)
bR=2・AR・(r/R)
ただし、
AF:左右前輪22,24のブレーキのピストン断面積
AR:左右後輪38,40のブレーキのピストン断面積
r:ディスクロータの有効半径
R:タイヤの有効半径
【0025】
したがって、実減速度Gが目標減速度Grの95%以下であれば、ブレーキペダル10の踏込み力が増加する場合にのみ、摩擦係数μがブレーキペダル10の踏込み力の増加速度に応じて減少させられ、該摩擦係数μすなわちブレーキペダル10の踏込み力の増加速度に応じて、同じ目標減速度Gr対する制動液圧Pすなわち該制動液圧Pで得られるブレーキ力が高められることとなる。この場合には、車輪回転の抑制量が不足しているため、制動液圧Pが高く決定され、車輪回転の抑制量が大きくなるようにされるのである。
また、実減速度Gが目標減速度Grの105%以上であれば、ブレーキペダル10の踏込み力が減少する場合にのみ、摩擦係数μがブレーキペダル10の踏込み力の減少速度に応じて増加させられ、該摩擦係数μすなわちブレーキペダル10の踏込み力の減少速度に応じて、同じ目標減速度Gr対する制動液圧Pすなわち該制動液圧Pで得られるブレーキ力が低められることとなる。この場合には、車輪回転の抑制が過大なのであるから、摩擦係数が増大させられて同じ目標減速度Gr対する制動液圧Pが低く決定され、車輪回転の抑制量が小さくされる。
【0026】
そして、S12において、算出された制動液圧が各ホイールシリンダ26,28,42,44に供給されるように液圧制御弁58〜64のソレノイドの励磁電流の大きさが制御される。液圧センサ118〜124によって検出されるホイールシリンダ26,28,42,44に供給される液圧と設定された制動液圧Pとが比較され、制動液圧Pが得られるように電流がフィードバック制御されるのである。
【0027】
このようにブレーキペダル10の踏込み力に対応する目標減速度Grを得るために、実減速度Gの目標減速度Grに対する割合によって制動液圧Pの高さが変えられる。実減速度Gが目標減速度Grの95%以下である間はS10が実行される毎に摩擦係数μがブレーキペダル10の踏込み力の増加速度に応じた分ずつ小さくされ、制動液圧Pが増大させられるのであり、実減速度Gが目標減速度Grの105%以上である間はS10が実行される毎に摩擦係数μがブレーキペダル10の踏込み力の減少速度に応じた分ずつ大きくされ、制動液圧Pが減少させられる。そして、実減速度Gが目標減速度Grの95%より大きく、105%より小さくなれば摩擦係数μは一定値に保たれ、実減速度Gが目標減速度Grと正確に一致しなくても、その範囲内では制動液圧Pが一定に保たれる。
【0028】
以上により、実減速度Gが目標減速度Grを、該目標減速度Grの95%以下となるよう下回っている場合には、S7の判断でブレーキペダル10の踏込み力が増加する場合にのみ、すなわち運転者がブレーキ力を増加させようとブレーキペダル10を踏込んだ場合にのみ、S10〜S12で摩擦係数μを減少させてブレーキ力を増加させ、実減速度Gが目標減速度Grを、該目標減速度Grの105%以上となるよう上回っている場合には、S8の判断でブレーキペダル10の踏込み力が減少する場合にのみ、すなわち運転者がブレーキ力を減少させようとブレーキペダル10の踏込みを解除する場合にのみ、S10〜S12で摩擦係数μを増加させてブレーキ力を減少させることになる。したがって、運転者の意志に反したブレーキ力の増減を防止することにより操作性を向上させることができる。
【0029】
また、S10においては、ブレーキペダル10の踏込み力の増加速度に応じて、すなわち運転者がブレーキ力をどのような速度で増加させようとしているかに応じて、前記増加速度に比例した速度で、摩擦係数μを減少させてブレーキ力を増加させることができ、ブレーキペダル10の踏込み力の減少速度に応じて、すなわち運転者がブレーキ力をどのような速度で減少させようとしているかに応じて、前記減少速度に比例した速度で、摩擦係数μを増加させてブレーキ力を減少させることができる。したがって、運転者の意志に基づく踏込み力に応じてブレーキ力の増加速度および減少速度を変化させることにより、より運転者の意志に合わせてブレーキ力を発生させることができる。
【0030】
以上の説明から明らかなように、第1の実施の形態においては、車輪速センサ126,128,130,132が減速度検出手段を構成し、制御装置100のうち、ROM104のS1〜S12を記憶する部分ならびにCPU102およびRAM106のそれらステップを実行する部分が制御手段に相当しているのである。
【0031】
なお、以上においては、ブレーキペダル10の踏込み力の増加および減少の判定を、踏込み力の変化速度PE’と、予め定められた所定値βあるいは−βとの比較により行ったが、上記したS1とS2の間に図4に示すS100〜S106を挿入し、これらS100〜S106に基づいて行ってもよい。
すなわち、S1の後のS100で、S1で読み込んだブレーキペダル10の踏込み力PEを、後述のS102による置き換えでそれまでに記憶された踏込み力の最大値PEpeakと比較する。そして、S100においてPE>PEpeakと判定された場合には、S101でブレーキペダル10の踏込み力が増加状態であると判定し記憶して、S102で、このときの踏込み力PEを最大値PEpeakとして記憶する。これにより、後にS7を実行する場合に、S7では、S101で踏込み力が増加状態と記憶されている場合はYESの判定を行い、そうでない場合はNOの判定を行うことになる。ここで、このPEpeakは、イグニッションスイッチがONされた時点およびブレーキペダル10の踏込み力が0となった時点でPEpeak=0にリセットされ、リセットとリセットとの間において最大値が検出される毎に、S102で該最大値に順次置き換えられる。
【0032】
他方、S100において最大値PEpeakより踏込み力PEが大きくないと判定された場合には、S103において、踏込み力PEをそれまでに記憶された踏込み力の最大値PEpeakから予め定められた所定値α(α>0)を減じた値と比較する。そして、S103においてPE<(PEpeak−α)であると判定された場合には、S104でブレーキペダル10の踏込み力が減少状態であると判定し記憶して、S105で、踏込み力PEに前記所定値αを加算したものを最大値PEpeakとして記憶する。これにより、後にS8を実行する場合に、S8では、S104で踏込み力が減少状態と記憶されている場合はYESの判定を行い、そうでない場合はNOの判定を行うことになる。
【0033】
また、S103においてPE<(PEpeak−α)でないと判定された場合には、S106でブレーキペダル10の踏込み力が保持状態であると判定し記憶する。これにより、後にS7あるいはS8を実行する場合、これら判定ではいずれもNOの判定を行うことになる。
【0034】
本発明の第2の実施の形態を図5および図6を参照して第1の実施の形態との相違部分を中心に以下に説明する。第2の実施の形態は、図2に示される車輪個々にブレーキ液圧を変調できる液圧制御弁58,60,62,64の代りに、出力が変調可能なブースタ160を用いた点が主たる相違点である。
すなわち、第2の実施の形態のブレーキ制御装置は、図6に示すように、ブレーキペダル10とマスタシリンダ12との間に介在されて、マスタシリンダ12の2個の加圧室にそれぞれ、ブレーキペダル10の踏込み力に対応する液圧を、ブレーキペダル10の踏込み力を助勢しつつ発生させるブースタ160を有しており、該ブースタ160は、上記したようにその出力を制御装置100からの信号で変調することにより、マスタシリンダ12から発生させる液圧を変調させるようになっている(このブースタ160については実開昭60−134067号公報、実開昭60−134068号公報および実開昭60−134069号公報参照)。
【0035】
マスタシリンダ12の一方の加圧室は、左前輪22(図6においては図示略)に設けられたブレーキのフロントホイールシリンダ26と右後輪40(図6においては図示略)に設けられたブレーキのリヤホイールシリンダ44に接続されており、他方の加圧室は、右前輪24(図6においては図示略)に設けられたブレーキのフロントホイールシリンダ28と左後輪38(図6においては図示略)に設けられたブレーキのリヤホイールシリンダ42に接続されている。後輪38,40用の液通路にはプロポーショニングバルブ46がそれぞれ設けられている。なお、符号162は、マスタシリンダ12からホイールシリンダ26,28,42,44への液圧を必要に応じて遮断しつつホイールシリンダ26,28,42,44の液圧を減圧および増圧等させるABS用アクチュエータである。また、第3の実施の形態と同様、ブレーキペダル10の踏込み力を検出する操作量検出手段としての踏力検出装置114、左右の前輪22,24および後輪38,40の各回転速度を検出する車輪速センサ126,128,130,132(図6においては図示略)等が設けられている。
なお、第2の実施の形態においては、ホイールシリンダ26,28,42,44と、これらそれぞれで作動させられる図示しないブレーキと、ブースタ160等とが車輪回転抑制手段を構成している。
【0036】
第2の実施の形態のブレーキ制御装置は、第1の実施の形態に対して、上記ブースタ160を用いる点が主に相違しているため、制御装置100に格納された車輪回転抑制ルーチンにおいて、目標減速度Grと実減速度Gとの比に応じてブースタ160の出力を変更し、ホイールシリンダ26,28,42,44に供給される制動液圧を制御するようになっており、また、S11の車輪荷重の決定およびS12の制動液圧のフィードバック制御は廃止され、これによりS1の代りに該S1から車高の読込みを削除したS201を実行するようになっている。ここで、第2の実施の形態においては、各目標減速度Grすなわちブレーキペダル10の各踏込み力に一対一で対応するブースタ160の基準の出力特性があらかじめ初期設定されマップとして制御装置100に記憶されている。
【0037】
車輪回転抑制ルーチンのS5において、実減速度Gが目標減速度Gr の95%以下であるか否かの判定が行われ、95%以下であればS5の判定結果がYESとなって、S7においてブレーキペダル10の踏込み力が増加状態にあるか否かの判定が、例えば踏込み力の変化速度PE'が予め定められたβ(β>0)に対しPE'≧βであるか否かにより行われる。そして、PE'≧βであってブレーキペダル10の踏込み力が増加状態にあれば、S7の判定がYESとなってS210が実行される。このS210においては、ブースタ160の基準の出力特性に対する実際の出力特性の係数値がその直前の値に対し(100×K×PE')%変化させられる。ここで、この式におけるKは正の値の比例定数であって、PE'はブレーキペダル10の踏込み力PE の微分値すなわち変化速度であり、ブレーキペダル10の踏込み力PE が増加していることからPE'は正であって、結果として、上記式から得られるブースタ160の実際の出力特性がその直前の出力特性に対し(100×K×PE')%増加されるようにブースタ160が制御される。
【0038】
なお、上記したブースタ160の出力特性とは、入力に対するブースタ160の出力特性のことであり、上記した実減速度Gが目標減速度Grの95%以下である場合に実行されるS210においては、ブレーキペダル10からの各入力に一対一で対応する出力(同じ入力に対し得られる出力)が、その直前のものに対し、すべて(100×K×PE’)%ずつ増やされるように出力特性を全体として変化させるよう、制御装置100がブースタ160を制御するのである。
一方、S7においてブレーキペダル10の踏込み力が増加状態になければ、S7の判定がNOとなってS209が実行され、ブースタ160の実際の出力特性はそれまでの状態に維持される。
【0039】
実減速度Gが目標減速度Grの95%より大きい場合にはS6が実行され、実減速度Gが目標減速度Grの105%以上であるか否かの判定が行われる。目標減速度Grの105%以上であればS6の判定がYESとなってS8が実行され、ブレーキペダル10の踏込み力が減少状態にあるか否かの判定が、例えば踏込み力の変化速度PE’が予め定められたβ(β>0)に対しPE’≦−βであるか否かにより行われる。そして、PE’≦−βであってブレーキペダル10の踏込み力が減少状態にあれば、S8の判定がYESとなってS210が実行される。このS210においては、ブースタ160の基準の出力特性に対する実際の出力特性の係数値がその直前の値に対し(100×K×PE’)%変化させられる。ここで、この式におけるKは正の値の比例定数であって、PE’はブレーキペダル10の踏込み力PEの微分値すなわち変化速度であり、ブレーキペダル10の踏込み力PEが減少していることからPE’は負であって、結果として、上記式から得られるブースタ160の実際の出力特性がその直前の出力特性に対し(100×K×PE’)%減少されるようにブースタ160が制御される。
【0040】
なお、上記した実減速度Gが目標減速度Grの105%以上である場合に実行されるS210においては、ブレーキペダル10からの各入力に一対一で対応する出力(同じ入力に対し得られる出力)が、その直前のものに対し、すべて(100×K×PE’)%ずつ減らされるように出力特性を全体として変化させるよう、制御装置100がブースタ160を制御する。
一方、S8においてブレーキペダル10の踏込み力が減少状態になければ、S8の判定がNOとなってS209が実行され、ブースタ160の実際の出力特性はそれまでの状態に維持される。
【0041】
これによって、実減速度Gが目標減速度Grの95%以下である間は、ブレーキペダル10の踏込み力が増加する場合にのみ、車輪回転抑制ルーチンの1実行サイクル毎にブースタ160の出力特性が踏込み力の増加速度に応じて(100×K×PE’)%ずつ増やされ、よって同じブレーキペダル10の踏込み力に対しより大きい制動液圧がホイールシリンダ26,28,42,44に伝達されることになり、105%以上である間は、ブレーキペダル10の踏込み力が減少する場合にのみ、出力特性が踏込み力の減少速度に応じた(100×K×PE’)%ずつ減らされ、よって同じブレーキペダル10の踏込み力に対しより小さい制動液圧がホイールシリンダ26,28,42,44に伝達されることになり、95%と105%との間では変更されず、よって同じブレーキペダル10の踏込み力に対し同じだけの制動液圧がホイールシリンダ26,28,42,44に伝達される。
【0042】
また、ブレーキペダル10の踏込み力が零になると、制御装置100はブースタ160の出力特性を基準の出力特性に初期化する。
以上により第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同様の効果を発揮することは勿論、車高センサが不要となるため低コスト化を図ることができる。
【0043】
本発明の第3の実施の形態を図7を参照して第2の実施の形態との相違部分を中心に以下に説明する。第3の実施の形態は、第2の実施の形態に対し制御内容が一部異なるものである。
第3の実施の形態において、各目標減速度Grすなわちブレーキペダル10の各踏込み力に一対一で対応する基準の制動液圧の出力特性があらかじめ初期設定されマップとして制御装置100に記憶されており、また、各制動液圧に一対一で対応するブースタ160の出力特性もあらかじめ初期設定されマップとして制御装置100に記憶されている。
【0044】
そして、S209,S210に続く、S312において、S209,S210で決定された実際のブースタの出力特性に対応する制動液圧の出力特性から得られる液圧が各ホイールシリンダ26,28,42,44に供給されるようにブースタ160が制御される。液圧センサ118〜124によって検出されるホイールシリンダ26,28,42,44に供給される液圧と、この液圧を発生させるべく目標減速度Grすなわちブレーキペダル10の踏込み力に応じて設定された前記制動液圧の出力特性上の液圧とが比較され、設定された液圧が得られるようにブースタ160がフィードバック制御される。
以上の第3の実施の形態も、第2の実施の形態と同様の効果を発揮することができる。
【0045】
なお、この第3の実施の形態の制御内容を、第1の実施の形態の液圧制御弁58,60,62,64を有するブレーキ制御装置に適用することも可能である。この場合は、第3の実施の形態のブースタ160を制御する部分を液圧制御弁58,60,62,64の制御に置き換えればよい。
ここで、上記各実施の形態においては、ブレーキペダル10の操作量として、ブレーキペダル10の踏込み力を検出する場合を例にとり説明したが、ブレーキペダル10の踏込み量を検出してもよい。この場合、図8に示すように、ブレーキペダル10の踏込み量に対する目標減速度の関係をあらかじめマップとして設定しておくことになる。
加えて、実減速度を車輪速度から検出するのではなく、車両の減速度を直接検出する減速度センサを用いることも可能であり、この場合、減速度センサは車両の傾斜角度を補正する必要があるため、この補正を行うためのセンサを設けることになる。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の発明によれば、実際の減速度が目標減速度から所定値以上ずれて下回っている場合には、ブレーキ操作部材の操作量が増加する場合にのみ、すなわち運転者がブレーキ力を増加させようとブレーキ操作部材を操作した場合にのみ、ブレーキ力を増加させ、実際の減速度が目標減速度から所定値以上ずれて上回っている場合には、ブレーキ操作部材の操作量が減少する場合にのみ、すなわち運転者がブレーキ力を減少させようとブレーキ操作部材を操作した場合にのみ、ブレーキ力を減少させることになる。したがって、運転者の意志に反したブレーキ力の増減を防止することにより操作性を向上させることができる。
【0047】
また、請求項2記載の発明によれば、前記目標減速度から所定値以上ずれたか否かの判定基準となる値として、前記目標減速度に係数を乗じた値を採用しており、これにより、同判断基準となる値として、目標減速度の増減に応じた適切な値を採用することができる。
また、請求項3記載の発明によれば、ブレーキ操作部材の操作量の増加速度に応じて、すなわち運転者がブレーキ力をどのような速度で増加させようとしているかに応じて、ブレーキ力を増加させ、ブレーキ操作部材の操作量の減少速度に応じて、すなわち運転者がブレーキ力をどのような速度で減少させようとしているかに応じて、ブレーキ力を減少させることになる。したがって、運転者の意志に応じてブレーキ力の増加速度および減少速度を変化させることにより、より運転者の意志に合わせてブレーキ力を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブレーキ制御装置の第1の実施の形態の制御装置に格納された車輪回転抑制ルーチンを示すフローチャートである。
【図2】本発明のブレーキ制御装置の第1の実施の形態の構成図である。
【図3】本発明のブレーキ制御装置の第1の実施の形態の制御装置に格納されたブレーキペダルの踏込み力と目標減速度との関係を示すグラフである。
【図4】本発明のブレーキ制御装置の第1の実施の形態の制御装置に格納された車輪回転抑制ルーチンの一部変更例を示すフローチャートである。
【図5】本発明のブレーキ制御装置の第2の実施の形態の制御装置に格納された車輪回転抑制ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】本発明のブレーキ制御装置の第2の実施の形態の構成図である。
【図7】本発明のブレーキ制御装置の第3の実施の形態の制御装置に格納された車輪回転抑制ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】本発明のブレーキ制御装置に適用可能なブレーキペダルの踏込み量と目標減速度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 ブレーキペダル(ブレーキ操作部材)
26,28 フロントホイールシリンダ(車輪回転抑制手段)
42,44 リヤホイールシリンダ(車輪回転抑制手段)
58,60,62,64 液圧制御弁(車輪回転抑制手段)
70 アキュムレータ(車輪回転抑制手段)
80 ポンプ(車輪回転抑制手段)
100 制御装置(制御手段)
114 踏力検出装置(操作量検出手段)
126,128,130,132 車輪速センサ(減速度検出手段)
160 ブースタ(車輪回転抑制手段)
Claims (3)
- ブレーキ操作部材と、
該ブレーキ操作部材の操作量を検出する操作量検出手段と、
車輪の回転をブレーキ力で抑制するブレーキを有する車輪回転抑制手段と、
実際の車両の減速度を検出する減速度検出手段と、
前記操作量検出手段の検出結果に基づいて決まる目標減速度と前記減速度検出手段により検出される実際の減速度とが一致するように、前記実際の減速度が前記目標減速度から所定値以上ずれた場合に前記車輪回転抑制手段を制御する制御手段とを有するブレーキ制御装置において、
前記制御手段は、前記実際の減速度が前記目標減速度から所定値以上ずれて下回っている場合には、前記操作量検出手段で検出されるブレーキ操作部材の操作量が増加する場合にのみ前記車輪回転抑制手段によるブレーキ力を増加させ、前記実際の減速度が前記目標減速度から所定値以上ずれて上回っている場合には、前記操作量検出手段で検出されるブレーキ操作部材の操作量が減少する場合にのみ、車輪回転抑制手段によるブレーキ力を減少させることを特徴とするブレーキ制御装置。 - 前記目標減速度から所定値以上ずれたか否かの判定基準となる値は、前記目標減速度に係数を乗じた値であることを特徴とする請求項1記載のブレーキ制御装置。
- 前記制御手段は、前記操作量検出手段で検出されるブレーキ操作部材の操作量から割り出される該操作量の増加速度に応じてブレーキ力を増加させ、かつ前記操作量検出手段で検出されるブレーキ操作部材の操作量から割り出される該操作量の減少速度に応じてブレーキ力を減少させることを特徴とする請求項1または2記載のブレーキ制御装置。
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