JPH05262213A - 制動力配分制御方法 - Google Patents

制動力配分制御方法

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JPH05262213A
JPH05262213A JP9196792A JP9196792A JPH05262213A JP H05262213 A JPH05262213 A JP H05262213A JP 9196792 A JP9196792 A JP 9196792A JP 9196792 A JP9196792 A JP 9196792A JP H05262213 A JPH05262213 A JP H05262213A
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JP
Japan
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wheel
braking
vehicle
braking force
load
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JP9196792A
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Kenji Shirai
健次 白井
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 四輪自動車の走行状態に応じて各車輪に制動
力を各個独自の比率で配分する制動制御方法において、
直進制動時のヨーモーメントの発生を回避する。 【構成】 車両の旋回中に制動が行われた場合にはS9
の判定がNOとなるため、S8において算出した各車輪
の接地荷重に応じた制動力を各車輪に生じさせ(S1
1)、車両全体の制動性能をよくする。一方、直進中の
制動が行われた場合には、S9の判定がYESとなるた
め、S10において、前輪側および後輪側における左右
両車輪の接地荷重をそれぞれ平均し、その平均値を左右
各車輪の接地荷重とする。すなわち、左前輪の接地荷重
FLと右前輪の接地荷重FFR、左後輪の接地荷重FRL
右後輪の接地荷重FRRをそれぞれ同じにするのであり、
その結果、車両の左右の制動力が等しくなって、ヨーモ
ーメントが発生せず、直進走行性を保証し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制動力配分制御方法に関
するものであり、特に直進制動時の制動力配分に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】本出願人は先に、四輪車両の制動時に、
車両の走行状態に応じて各個独自の比率で制動力を各車
輪に配分する制動力配分制御方法を提案した。特願平3
─240600号の発明がそれである。なお、ここにお
いて、「車輪の制動力」とは、車両を制動するために各
車輪が分担する制動力の意であり、各車輪の回転を抑制
するためのブレーキのアクチュエータの作動力の意では
ない。
【0003】上記発明の制動力配分制御方法によれば、
例えば、制動力を各車輪に、車両の走行状態に応じて変
わるそれらの接地荷重の大きさに対応した比率で配分す
ることができ、各車輪と路面との摩擦係数が均一である
限り4個の車輪すべてが殆ど同時にロック状態に陥るこ
ととなり、すべての車輪を車両の制動に最も有効に寄与
させることができる。また、接地荷重の大きさに対応し
た比率で配分した制動力に、車両の走行安定性等他の事
情に基づく修正を加えることもできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記例示の制
動力配分制御方法のように四輪車両の各車輪に原則とし
て各個独自の比率で制動力を配分する制動力制御方法
(以下、独自比率制動力配分制御方法と称する)におい
ては、各車輪の制動力の大きさが互いに異なるのが原則
であるため、車両の左右の制動力に差が生じ、直進制動
時にも車両にヨーモーメントが作用することがあるとい
う問題があった。
【0005】本発明は、この事情を背景として、独自比
率制動力配分制御方法であって、かつ、直進制動時には
左右制動力差によるヨーモーメントの発生を回避し得る
方法を得ることを課題として為されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、独自比率制動力配分制御方法において、
直進制動時には、左側の前輪と後輪との制動力の和と右
側の前輪と後輪との制動力の和とが均等になるように各
車輪に制動力を配分することを要旨とするものである。
直進制動時に、前輪側および後輪側のそれぞれにおい
て、左右の車輪に制動力を均等に配分してもよく、前輪
側および後輪側のそれぞれにおいては左右の車輪の制動
力は不均等であるが、その不均等が左右片側ずつの前輪
と後輪とで相殺され、制動力の和が左右で同じになるよ
うにしてもよい。
【0007】前者の場合には、例えば、前輪側および後
輪側のそれぞれにおいて、予め定められた制動力配分規
則に従って左右いずれか一方の車輪に配分される制動力
と同じ大きさの制動力を他方の車輪に配分してもよく、
制動力配分規則に従って左右両車輪に配分される制動力
を平均した大きさの制動力を左右各車輪に配分してもよ
い。
【0008】また、後者の場合には、制動力配分規則に
従って制動力を各車輪に配分した結果、車両の左右で制
動力差が生じた場合に、前輪の制動力と後輪の制動力と
の少なくとも一方を補正することにより、制動力の和が
車両の左右で均等になるようにしてもよく、直進制動時
にはまず車両の左右に同じ大きさの制動力を配分し、そ
の配分後の制動力を車両の前後方向の減速度等を考慮し
て前輪と後輪とに配分してもよい。
【0009】
【作用】このように、直進制動時には車両の左右の制動
力が必ず均等になるように制動力配分を行えば、直進制
動時にヨーモーメントが生じることを回避し得る。
【0010】
【発明の効果】したがって、本発明によれば、車両旋回
時の制動性能を向上させることができ、かつ、直進制動
時の直進性を保証することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図2において10はブレーキ操作部材とし
てのブレーキペダルである。ブレーキペダル10はマス
タシリンダ12に接続されており、マスタシリンダ12
の2個の加圧室にそれぞれ、ブレーキペダル10の踏力
に対応する液圧が発生させられる。マスタシリンダ12
の一方の加圧室は、液通路14,16および分岐通路1
8,20により、左右前輪22,24にそれぞれ設けら
れたブレーキのフロントホイールシリンダ26,28に
接続されており、他方の加圧室は、液通路30,32お
よび分岐通路34,36により、左右後輪38,40に
それぞれ設けられたブレーキのリヤホイールシリンダ4
2,44に接続されている。46は後輪38,40用の
液通路32に設けられたプロポーショニングバルブであ
る。
【0012】上記分岐通路18,20,34,36には
それぞれ,電磁方向切換弁50,52,54,56が設
けられ、液圧制御弁58,60,62,64が接続され
ている。電磁方向切換弁50〜56のソレノイドは常に
は消磁されて図に示す原位置にあり、ホイールシリンダ
26,28,42,44を液圧制御弁58〜64に連通
させているが、ソレノイドが励磁されれば反対側の位置
に切り換えられ、ホイールシリンダ26,28,42,
44をマスタシリンダ12に連通させる。
【0013】液圧制御弁58〜64はそれぞれ、アキュ
ムレータ70とリザーバ72とに液通路74,76によ
り接続されており、アキュムレータ70にはリザーバ7
2の液がポンプ80によって汲み上げられ、一定の範囲
で蓄えられる。液圧制御弁58〜64が、ソレノイドの
励磁電流の制御により、アキュムレータ70の液圧を車
輪の回転を抑制するために必要な高さに制御してホイー
ルシリンダ26,28,42,44に供給し、その液圧
に基づいてブレーキが作動し、車輪の回転が抑制され
る。
【0014】前記マスタシリンダ12とフロントホイー
ルシリンダ26,28とを接続する液通路14と16と
の間、およびマスタシリンダ12とホイールシリンダ4
2,44とを接続する液通路30と32との間にはそれ
ぞれ電磁方向切換弁84,86が設けられ、ストローク
シミュレータ88,90が接続されている。ストローク
シミュレータ88,90は、マスタシリンダ12から排
出されるブレーキ液を収容してブレーキペダル10の踏
込みを許容するとともに、踏込みストロークに応じた反
力をブレーキペダル10に与えるものである。車輪の回
転が液圧制御弁58〜64によって制御された液圧に基
づいて抑制される状態においては、電磁方向切換弁8
4,86のソレノイドが消磁されてマスタシリンダ12
がストロークシミュレータ88,90に連通させられ、
運転者にあたかもホイールシリンダ26,28,42,
44に接続されているかのように操作フィーリングを与
えるようにされているのである。
【0015】本ブレーキ装置は制御装置100によって
制御される。制御装置100はCPU102,ROM1
04,RAM106,入力部108,出力部110およ
びバスを含んでいる。制御装置100の入力部108に
は、ブレーキペダル10の踏込みを検出するブレーキス
イッチ112、ブレーキペダル10の踏込み力を検出す
る踏力検出装置114,アキュムレータ70の液圧を検
出する液圧センサ116、ホイールシリンダ26,2
8,42,44の液圧を検出する液圧センサ118,1
20,122,124,左右の前輪22,24および後
輪38,40の各回転速度を検出する車輪速センサ12
6,128,130,132,各車輪における車体の高
さを検出する車高センサ134,136,138,14
0および車体の前後方向の加速度を検出する前後Gセン
サ144,車体の横方向の加速度を検出する横Gセンサ
146が接続されている。
【0016】前後Gセンサ144は、軸受けにより車両
の左右方向の軸線回りに回動可能に支持された扇形の錘
を有する。この錘には、その回動軸線を中心とする円弧
上に微小間隔を隔てて多数のスリットが形成されるとと
もに、比較的大きい間隔を隔てた2個の切欠が形成され
ており、これらスリットおよび切欠が光電的に検出され
ることによって、錘の原点,回動方向および回動角度が
検出され、その検出結果から前後方向の加速度が求めら
れる。横Gセンサ146も前後Gセンサ144と同様の
構造を有し、車両の前後方向の軸線回りに回動可能に支
持された扇形の錘の原点からの回動角度および方向から
横方向の加速度を検出するものである。
【0017】出力部110には、液圧制御弁58〜64
および電気方向切換弁50,52,54,56,84,
86が接続されている。また、ROM104には、図3
にグラフで示すブレーキペダル10の踏込み力と目標減
速度GT との関係を規定するテーブルおよび図1にフロ
ーチャートで示す車輪回転抑制ルーチンが格納されてい
る。
【0018】以下、図1のフローチャートに基づいて車
輪回転の抑制について説明する。本液圧ブレーキ装置に
よる制動は、通常は液圧制御弁58〜64により制御さ
れた液圧に基づいて行われるのであって、電磁方向切換
弁50〜56,84,86は常には消磁され、ホイール
シリンダ26,28,42,44は液圧制御弁58〜6
4に連通させられ、マスタシリンダ12はストロークシ
ミュレータ88,90に連通させられている。そして、
イグニッションスイッチがONにされると同時に図示し
ないメインルーチンが実行され、その初期設定において
ブレーキの摩擦材の摩擦係数μが基本値μB に設定され
て、RAM106に設けられた摩擦係数記憶エリアに格
納される。基本値μB は設計上定められ、あるいは乾燥
状態の摩擦材の常温における実測値とされる。
【0019】ブレーキペダル10が踏み込まれれば、ま
ず、ステップ1(以下、S1と略称する)が実行され、
ブレーキペダル10の踏込み力,車体の前後方向の加速
度の正負を反転させたものGx (以下、目標減速度GT
と対比して実減速度GX と称する),車高H,車体の横
加速度GY が読み込まれる。S2において、目標減速度
T が演算される。目標減速度GT は図3に示すブレー
キペダル10の踏込み力と目標減速度GT との関係を規
定する前記テーブルに基づいて決定される。
【0020】次いで、S3〜S7が実行され、摩擦係数
μは実減速度GX の目標減速度GTに対する割合に応じ
て設定される。S3においては実減速度GX が目標減速
度GT の95%以下であるか否かの判定が行われ、95
%以下であればS3の判定結果がYESとなってS6が
実行され、摩擦係数μが0.99μに決定されて、それ
まで摩擦係数記憶エリアに格納されていた摩擦係数μと
置き換えられる。また、実減速度GX が目標減速度GT
の95%より大きい場合にはS4が実行され、実減速度
X が目標減速度GT の105%以上であるか否かの判
定が行われる。目標減速度GT の105%以上であれば
S4の判定がYESとなってS7が実行され、摩擦係数
μが1.01μに決定される。さらに、実減速度GX
目標減速度GT の95%より大きく、105%より小さ
い場合にはS5が実行され、摩擦係数μはそれまで通り
の値に決定される。これによって、実減速度GX が目標
減速度GT の95%以下である間は、車輪回転抑制ルー
チンの1実行サイクル毎に摩擦係数μが1%ずつ減じら
れ、105%以上である間は1%ずつ増やされ、95%
と105%との間では変更されないこととなる。
【0021】次いで、S8において左右の前輪22,2
4および後輪38,40の各車輪荷重がFFL,FFR,F
RL,FRRが算出される。本実施例においては、摩擦係数
μが一様な路面上において4輪が同時にロックするよう
に制動力の配分が行われるのであり、この場合、制動力
は車輪荷重の大きさに対応した比率で4輪に分配される
のであるが、4輪の各荷重の大きさは車両の構造によっ
て異なり、制動時に生ずる車両後方から前方への荷重移
動などによっても変わるため、まず、車輪荷重が決定さ
れるのである。左前輪22の荷重FFLは次式によって演
算される。 FFL=WFL+{(H・GX )/2L−(H・RF
Y )/T}・M ただし、 WFL:停車状態において左前輪22にかかる車両重量 H:車両の重心高さ GX :実減速度 L:ホイールベース RF :前輪のロール剛性配分 GY :横加速度 T:トレッド M:車両の質量
【0022】制動時には、実減速度GX に車両の重心の
高さHおよび車両の質量Mを掛けた大きさのモーメント
(M・H・GX )が生じ、このモーメントは前輪に地面
から加えられる反力FにホイールベースLを掛けたモー
メント(F・L)と釣り合うことからF=(M・H・G
X )/Lが得られ、さらに、この反力Fは左右の前輪2
2,24に加えられるのであるから、前後方向の荷重移
動に基づく左前輪22の荷重の増分は(M・H・GX
/2Lとなる。
【0023】また、車両旋回時には車両の左右方向に荷
重移動が生ずる。車両旋回時には横加速度GY に重心高
さHを掛けた大きさのモーメント(M・H・GY )が生
じ、トレッドTに左の前後輪に地面から加えられる反力
Fを掛けたモーメント(F・T)と釣り合うことからF
=(M・H・GY )/Tが得られる。この力Fは前輪と
後輪とがそのロール剛性配分RF ,RR の大きさに応じ
て分担する。ロール剛性配分は、車両が前後方向の軸線
まわりに回動する際に、懸架装置からばね上重量に伝え
られる復元モーメントの前輪と後輪との配分比率であ
り、(M・H・GY )/Tに前輪22,24のロール剛
性配分RF を掛けた値が旋回に伴う左前輪22の荷重の
変化量である。左旋回時における横加速度GY を正で表
すとすれば、左前輪22の場合、車両の左旋回時には荷
重移動により荷重が減少するため、上記式において(M
・H・RF ・GY )/Tが引かれ、右旋回時にはGY
負の値となり、荷重が増大することとなる。
【0024】また、右前輪24の荷重FFRは次式によっ
て求められる。 FFR=WFR+{(H・GX )/2L+(H・RF
Y )/T}・M ただし、 WFR=停車状態において右前輪24にかかる車両重量 右前輪24の場合、車両の左旋回時には横方向の荷重移
動により荷重が大きくなり、これを加えることにより荷
重FFRが求められ、右旋回時にはGY の値が負になるた
め、荷重が減少する。
【0025】さらに、左後輪38および右後輪40の各
荷重FRL,FRRは次式によって求められる。 FRL=WRL−{(H・GX )/2L+(H・RR
Y )/T}・M FRR=WRR−{(H・GX )/2L−(H・RR
Y )/T}・M ただし、 WRL:停車状態において左後輪38にかかる車両重量 RR :後輪のロール剛性配分 WRR:停車状態において右後輪40にかかる車両重量 なお、制動に伴う前後方向の荷重移動により後輪の荷重
は減少するため、(M・H・GX )/2Lを引くのであ
る。また、左右方向の移動荷重は(M・H・GY )/T
に後輪のロール剛性の分担率RR を掛けることにより求
められ、この値を左後輪38の場合には引き、右後輪4
0の場合には加える。
【0026】このように、左右の前輪22,24および
後輪38,40の荷重が求められたならばS9におい
て、横加速度GY の絶対値の大きさによって直進制動で
あるか否かが判定される。横加速度GY の絶対値が設定
値0.49m/s2 (0.05G)以下でありYESと
判定されれば、直進制動であるとされ、S10が実行さ
れた後S11が実行される。一方、横加速度GY の絶対
値が設定値0.49m/s2 (0.05G)より大き
く、S9においてNOと判定されれば、S10が実行さ
れずにS11が実行される。
【0027】S10においては、各車輪22,24,3
8,40の荷重が次式に従って再演算される。 FFL=FFR=(FFL+FFR)/2 FRL=FRR=(FRL+FRR)/2 S8において算出された左右前輪荷重FFL,FFRの平均
値が算出され、その平均値が左前輪22の荷重FFLおよ
び右前輪24の荷重FFRとされるのであり、左右前輪2
2,24の荷重FFL,FFRは互いに等しい大きさとされ
る。同様に左右後輪荷重FRL,FRRの平均値が算出さ
れ、その平均値が左後輪38の荷重FRLおよび右後輪4
0の荷重FRRとされる。
【0028】S11においては、各輪のホイールシリン
ダ26,28,42,44に供給される制動液圧PFL
FR,PRL,PRRが次式により算出される。 PFL=(FFL・GT )/(μ・bF ) PFR=(FFR・GT )/(μ・bF ) PRL=(FRL・GT )/(μ・bR ) PRR=(FRR・GT )/(μ・bR ) bF は前輪のブレーキファクタ、bR は後輪のブレーキ
ファクタであり、bF,bR はそれぞれ次式によって表
わされる。 bF =2・AF ・(r/R) bR =2・AR ・(r/R) ただし、 AF :左右前輪22,24のブレーキのピストン断面積 AR :左右後輪38,40のブレーキのピストン断面積 r:ディスクロータの有効半径 R:タイヤの有効半径
【0029】上記式から明らかなように、本実施例にお
いては実減速度GX が目標減速度GT の95%以下であ
って摩擦係数μが減少させられれば、制動液圧Pが高め
られることとなる。この場合には車輪回転の抑制量が不
足しているため、制動液圧Pが高く決定され、車輪回転
の抑制量が大きくなるようにされるのである。また、実
減速度GX が目標減速度GT の105%以上の場合に
は、車輪回転の抑制が過大なのであるから、摩擦係数が
増大させられて制動液圧Pが低く決定され、車輪回転の
抑制量が小さくされる。
【0030】S11においてはさらに、算出された制動
液圧が各ホイールシリンダ26,28,42,44に供
給されるように液圧制御弁58〜64のソレノイドの励
磁電流の大きさが制御される。液圧センサ118〜12
4によって検出されるホイールシリンダ26,28,4
2,44に供給される液圧と設定された制動液圧Pとが
比較され、制動液圧Pが得られるように電流がフィード
バック制御されるのである。
【0031】直進制動時には、前述のように左右前輪2
2,24の各荷重FFL,FFR、左右後輪38.40の各
荷重FRL,FRRの大きさが互いに等しくされるため、フ
ロントホイールシリンダ26,28の制動液圧PFL,P
FR、リアホイールシリンダ42,44の制動液圧PRL
RRもそれぞれ同じ高さになる。つまり、左前輪22と
右前輪24、左後輪38と右後輪40にそれぞれ制動力
が均等に配分されるのであり、直進制動時のヨーモーメ
ントの発生が良好に回避される。
【0032】それに対して、直進制動時以外において
は、S8において算出された各車輪荷重に基づいてS1
1の制動液圧決定が行われるため、各車輪にはそれぞれ
の車輪荷重に応じた制動力が配分されることとなり、全
ての車輪が車両の制動に最も有効に寄与することとなっ
て、車両全体としての制動性能が向上する。
【0033】なお、直進制動時にはS8における各車輪
22,24,38,40の荷重FFL,FFR,FRL,FRR
を求める式において、横加速度GY に設定値0.49m
/s2 (0.05G)以下の小さい値が代入されるた
め、(H・RF ・GY )・M/Tの項が小さくなり、左
右各車輪の停止状態における荷重の大きさがほぼ同じ場
合には、左右各車輪の荷重の大きさもほぼ同じになるは
ずである。しかし、実際には、停止状態における左右各
車輪の荷重の大きさが同じになるとは限らず、左右のホ
イールシリンダに制動液圧差が生じることがある。した
がって、本実施例では、S10において左右両車輪の荷
重をちょうど同じ大きさにすることとしたのである。
【0034】また、本実施例においては、図1のフロー
チャートに示す車輪回転抑制ルーチン(以下、回転抑制
ルーチンと略称する)のS10において、左右両車輪の
荷重が平均されるようになっているが、これは必ずしも
不可欠ではなく、次式に示すように、左前輪22の接地
荷重FFLと同じ大きさの接地荷重を右前輪24の接地荷
重FFRとし、左後輪38の接地荷重FRLと同じ大きさの
接地荷重を右後輪40の接地荷重FRRにしてもよい。 FFR=FFL=WFL+{(H・GX )/2L−(H・RF
・GY )/T}・M FRR=FRL=WRL−{(H・GX )/2L+(H・RR
・GY )/T}・M また逆に、右前輪24の接地荷重FFRを左前輪22の接
地荷重FFLとし、右後輪40の接地荷重FRRを左後輪3
8の接地荷重FRLとしてもよい。
【0035】しかし、いずれか一方の車輪の荷重を代表
的に採用する場合には、他方の車輪の荷重の適正値から
のずれが大きくなり過ぎる恐れがある。それに対して、
本実施例のように左右両車輪の荷重を平均すれば、その
ような事態の発生を回避し得る。
【0036】なお、上記実施例では、回転抑制ルーチン
のS8において各車輪の荷重が4個独自に算出された後
に、S9において直進制動であるか否かが判定されるよ
うになっているが、S8を実行する前に直進制動である
か否かの判定を行ってもよい。そして、直進制動である
と判定された場合には、各車輪の荷重を次式に従って求
め、それ以外の場合にはS8を実行するのである。 FFL=FFR=(WFL+WFR)/2+(H・GX )・M/
2L FRL=FRR=(WRL+WRR)/2−(H・GX )・M/
2L
【0037】また、前記実施例においては、前輪側と後
輪側とのそれぞれにおいて左右の車輪の制動力が均等に
されることにより、車両全体として制動力が左右均等と
なるようにされていたが、これは必ずしも不可欠ではな
い。直進制動時にヨーモーメントが発生しないようにす
るためには、車両の左右で制動力差が生じないようにす
ればよいのであり、左右の前輪同士および後輪同士の間
ではそれぞれ制動力の均等の存在を許しながら左前輪2
2と左後輪38との制動力の和と、右前輪24と右後輪
40との制動力の和とを均等にすることが可能なのであ
る。
【0038】例えば、回転抑制ルーチンのS8において
各車輪の荷重FFL,FFR,FRL,FRRが算出された後、
前輪荷重FFL,FFRは計算通りの値とし、後輪荷重
RL,FRRを補正することにより、車両の左右で制動力
の差が生じないようにすることができる。すなわち、式
(FFL+FRL)−(FFR+FRR)=ΔFにより、左前輪
22と左後輪38との制動力の和と右前輪24と右後輪
40との制動力の和との差を算出し、その差の絶対値の
1/2を、和(FFL+FRL)と和(FFR+FRR)とのう
ち小さい方に属する後輪の荷重に加え、大きい方に属す
る後輪の荷重から差し引けば、車両の左右の制動力を均
等にできるのである。
【0039】また、前記実施例においては、各車輪の荷
重が車両の実減速度GX および横加速度GY に基づいて
算出されるようになっていたが、各車輪の荷重を、例え
ば車高調整装置のシリンダ圧力等から算出し、その算出
結果に基づいて制動力を配分することも可能である。
【0040】さらに、前記実施例では、回転抑制ルーチ
ンのS9において、(a)横加速度GY の絶対値が設定
値0.49m/s2 (0.05G)以下である場合を直
進制動であると判定するようになっているが、(b)操
舵角Θの絶対値が設定値(例えば、5°)以下である場
合(c)ヨーレイトγの絶対値が設定値(例えば、2°
/sec)以下である場合等に直進制動であると判定す
るようにしてもよい。また、これら(a)〜(c)のう
ちの任意の2個の条件を満たす場合や、3個すべての条
件を満たす場合を直進制動としてもよい。
【0041】また、前記実施例においては、実減速度G
X が前後Gセンサ144によって検出されるようになっ
ていたが、車輪の回転速度を検出する回転センサの出力
値等から実減速度GX を求めることも可能である。
【0042】さらに、前記実施例では電気・マニュアル
2系統式の液圧ブレーキ装置が使用されていたが、他の
形式のブレーキ装置を使用しても本発明を実施すること
ができる。
【0043】その他、特許請求の範囲を逸脱することな
く、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した
態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において使用される電気制御
式液圧ブレーキ装置の制御装置の主体を成すコンピュー
タのROMに格納された車輪回転抑制ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図2】上記液圧ブレーキ装置の系統図である。
【図3】上記ROMに格納されたブレーキぺダルの踏込
み力と目標減速度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 ブレーキペダル 22 左前輪 24 右前輪 26,28 フロントホイールシリンダ 38 左後輪 40 右後輪 42,44 リヤホイールシリンダ 58,60,62,64 液圧制御弁 70 アキュムレータ 72 リザーバ 80 ポンプ 100 制御装置 118,120,122,124 ホイールシリンダ圧
センサ 126,128,130,132 車輪速センサ 146 横Gセンサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四輪車両の各車輪に、制動力を、車両の
    走行状態に応じて各個独自の比率でそれぞれ配分する制
    動力配分制御方法において、 直進制動時には、左側の前輪と後輪との制動力の和と右
    側の前輪と後輪との制動力の和とが均等になるように各
    車輪に制動力を配分することを特徴とする制動力配分制
    御方法。
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