JP3668973B2 - エバネッセント場法を使用して物質を定量する読み取り装置のキュベット - Google Patents

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Description

本発明は、エバネッセント場法を使用して物質を定量する読み取り装置用のキュベット、物質を定量するために処理されるキュベットを作製する方法、および前記キュベットを使用して物質を定量する方法に関する。
医学的診断、特に免疫学的診断は、主としてELISA(酵素結合免疫吸着検定法)法に基づく。免疫検定についての最近の記事をHage,Anal.Chem.71(1991)、294R〜304Rに見出すことができる。ELISAテストは、抗原や抗体の濃度を判定するために使用される。初めに、検査する物質(例えば抗原)を固体基板に接触させて配置し、その基板に検査する物質に固有の反応相手をまず結合させる(例えば抗体)。第2の反応相手である研究対象の物質を、基板に結合した第1の反応相手と結合することにより、検査する物質を固体基板上で濃縮させる。次いで、検査する物質の第3の反応相手(例えば別の抗体)を基板と接触させて配置し、その第3の反応相手を比色法による検出が可能とする酵素でマークする。その第3の反応相手が、基板表面に結合した検査対象の物質と反応する(すなわち結合する)と、酵素反応を介して着色された生成物が生成され、これを光学的に評価することができる。多くの場合ポリスチレン製である、96個のウェルを備える標準化されたプラスチック製のプレートが一般に固体基板として使用される。プラスチックウェルの表面は、免疫学的検出に充分な量の吸着を通じて、ナノグラム範囲のタンパク質と結合する。主として免疫グロブリンである第3の反応相手を酵素でマークするにはいくつかの方式がある。今日使用されているマーカは、例えばペルオキシダーゼまたはアルカリホスフォターゼである。
ELISAは、感度および特定性の点で良好な結果をもたらし、到達可能な検出限界はナノグラム範囲またはそれ以下である。この原理に基づく各種の定量の実施形態がある。それらの実施形態を用いると、問題に応じて抗原または抗体を検出することができる。
しかし、ウェルに異なる試薬を次々に加え、再度取り出さなければならないため、ELISA法の大きな不都合点はテストの扱いである。全体で10以上のピペッティング、洗浄、およびインキュベーションのステップが必要となる可能性がある。したがって、ELISA法は非常に時間がかかり、労力を要し、特別に訓練を受けた作業者によって注意深く行わなければならない。ELISA法の別の不都合点は、定量または試験のためのすべてのインキュベートおよび洗浄のステップに、通例は1時間あるいはそれ以上の時間がかかることである。
エバネッセント場法では、例えば表面上の生体分子の相互作用を直接観察することができる。この場合には、溶液中の反応物質の相互作用を硬質の基質面上で測定する。リガンドの結合を「表面プラズモン共鳴」として「実時間」で物理的に測定することが可能である。ELISA法と比較した利点は、試薬を加えた後にそれ以上のピペッテシングステップがないことと、待機のステップがないことである。過去には、このような測定を行うには高価な装置と特殊な界面化学を有する複数層のセンサーチップを必要とした。こうした不都合点により、この方法は日常的な診断には使用されなくなっている。
反応面上の生化学的な相互作用プロセスを定量するエバネッセント場法では、通例、分析対象の物質を含む溶液を入れるウェルを有するキュベットを用いる。数多くの診断および分析の用途では、使い捨てまたは消耗用のキュベットが好ましいことから低価格のキュベットに対する大きな需要が存在する。しかし、生化学分析ツールは同時に、感度および再現性に関する増大し続ける要件を満たさなければならない。したがって、キュベットは、製造コストと生化学的/光学的プロパティに関する厳格な必要条件をともに満たさなければならない。
したがって、本発明の根底にある技術的課題は、すぐれた生化学的および光学的なプロパティの両方を備え、非常に感度が高く、再現可能な高速の定量を可能にする、エバネッセント場法を使用して物質を定量する読み取り装置用の安価なキュベットを提供することである。さらに、キュベットを作製する方法を提供し、前記キュベットは日常的な診断にすぐに使用できるように処理される。
上述の技術的課題の解決は、特許請求の範囲に特徴を述べる実施形態を提供することによって実現される。
詳細には、エバネッセント場法を使用した定量を行う読み取り装置用のキュベットが提供され、このキュベットは
定量する物質を含む溶液を受ける少なくとも1つのウェルを有する少なくとも1つのウェル部と、
ウェル部の側壁部材を支持し、ウェルの励起面を提供する少なくとも1つの基部と
を備え、
基部は光学的に透明な材料で作製され、ウェルの励起面に垂直に交差する面に等脚台形の横断面形状を有し、台形は、同じ長さの第1の辺および第2の辺、および平行の上辺および下辺を有し、
基部はさらに、
励起面から間隔を空け、励起面に平行な下部面であって、前記面と下部面との交差線は、台形の下辺である下部面と、
外部の励起光源の励起光ビームを受ける第1の面であって、前記面と第1の面との交差線は、台形の第1の辺である第1の面と、
第1の面の反対側にある第2の面であって、前記面と第2の面との交差線は、台形の第2の辺である第2の面と、
を備え、
基部は、第1の面上の入射点から励起面における反射、第2の面および下部面を介し、入射点に戻る環状の光路に沿って励起光ビームを少なくとも部分的に導くように適合される。
好ましくは、ブルースター基準tanα=n2/n1を満たすように第1の面に入射する励起光ビームの入射各αを選択し、n2は基部の屈折率であり、n1は例えば空気など環境の屈折率である(n11)。励起光ビームがその入射面で直線的に偏光する場合は、基部の第1の面で励起光ビームの反射は生じない。その代わりに、励起光ビームは屈折角度βで基部内に屈折する。
続いて、ウェルの励起面、すなわち基部と定量対象の物質を含む溶液との界面で励起光ビームが全反射することが好ましい。励起面で反射した励起光ビームは、ウェル内に貫通する電磁的なエバネッセント場を生成する。エバネッセント場は、励起面の垂直方向に、ウェル中に向かって指数関数的に減衰する。励起面に隣接する領域では、定量する物質がエバネッセント場によって最適に励起され、蛍光シグナルを観察することができる。エバネッセント場がウェル中に向かって急速に減衰すると、励起領域は、通例は励起面からウェルに向かう100nm以下の空間に限定される。したがって、溶液のボリューム内では物質の最適な励起が生じない。
続いて、反射した光ビームは基部の第2の面に当たる。光ビームの偏光面が変わらない(すなわち第1の面に入射する励起光ビームの偏光面と同じである)場合には、光ビーム全体が第2の面で屈折し、基部を離れる。ただし、基部の製造に使用できる多くの材料は複屈折性であり、第2の面に入射する反射した光ビームの偏光面は、最初の偏光面と一致しない。この場合は、第2の面に入射する光ビームは部分的に第2の面で反射する。この反射した光ビームは続いて基部の下部面に向かう方向に伝播し、好ましくは下部面で全反射する。
本発明によれば、基部の台形形状と、基部の屈折率n2は、下部面で反射した光ビームが最初の入射励起光ビームと実質的に同じ入射点または範囲で第1の面に当たるように選択する。すなわち、光ビームは、閉じた環状の光路をなすように基部内で反射し、導かれる。光ビームは励起面、第2の面、そして下部面で反射し、第1の面へとこの順序で戻る。基部で反射した光ビームは、部分的に再び第1の面で反射し、第1の面で屈折した励起光ビームと同じ環状の光路に沿って伝播する。下部面で反射した光ビームも部分的に第1の面で屈折し、基部を離れる。
この基部の特殊な光学的設計により、従来のキュベット設計と比較して著しい利点が得られる。具体的には、基部内における励起光ビームの伝播経路の光路長が、従来のキュベット中の励起光ビームの光路長と比べて比較的短い。任意のキュベット、特に安価な消耗用キュベットの基部は、例えばプラスチックなど光学的な不純物や欠点がある材料で作られるので、基部内の励起光ビームの光路長が短いのが好ましい。光路長が長いと、光学的不純物によって散乱した光の寄生光の強度が大きくなる。この寄生光は、ウェルに入り、溶液のボリューム中の物質を励起する可能性がある。これにより寄生的なバックグラウンド信号が発生し、検出しようとする蛍光シグナルの信号対雑音比を減少させる。本発明によるキュベットの別の利点は、従来のキュベットに比べて、比較的大きな検出角度を可能にする、すなわちより大きな角度範囲にわたって蛍光シグナルを検出できるという事実にある。
好ましい実施形態によれば、台形の高さHは次の式によって与えられ、
式中(90°−γ)は下辺と第1の辺との間の台形の底角であり、n2は基部の屈折率であり、Aは台形の上辺の長さであり、そして
である。
台形の高さHは、下辺に垂直な方向における台形の上辺と下辺の間の距離である。上記の関係は、屈折率がn1=1の気体環境内で操作されるキュベットに当てはまる。さらに、基部の第1の面に入射する励起光ビームは、ブルースター角αB=arctan(n2)に相当する入射角で第1の面に当たるように方向付けられるものと仮定した。γは、下辺の垂直方向と、台形の第1の辺および第2の辺との間の角度を定義する台形の傾斜角である。βは、基部の第1の面で屈折する励起光ビームの屈折の角度である。
第1の面への励起光ビームの入射角αがブルースター角αBと一致する場合、角度βは基部の材料の屈折率n2のみに依存する。上辺の所与の長さAおよび台形の台形傾斜角γについて、上記の式を使用して台形の高さHを計算することができる。ただし、励起光ビームの入射角αは、正確にブルースター角αBに一致する必要はないことに留意されたい。代わりに、ブルースター角αBに相対的なαの角度偏差が生じる可能性があるが、効率が低下する。この場合、入射励起光ビームがその入射面で直線的に偏光する場合には第1の面では反射の損失が生じないので、入射角αは、ブルースター角αBになるように選択することが好ましい。例えば励起光ビームの入射角αがブルースター角αBから10°ずれる場合、台形の第1の面における反射による損失は、入射励起光ビームの最初の強度I0のほぼ1%になる。これは、直線的に偏光しない、従来の半導体レーザダイオードによって発される光の一部分とほぼ同じ桁に相当する。したがって、実質的な効率性を犠牲にすることなく、上記の入射角αについての厳格な条件を緩和することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、下辺の反射角δ=90°−(β+γ)は、arcsin(1/n2)より大きく、n2は基部の屈折率であり、そして
である。
キュベットの基部中の励起光ビームの環状の光路に沿って、光ビームは基部の下部面で(内側に)全反射することが好ましい。このために、下辺の反射角δ(下辺の垂直方向と下辺に入射する光ビームの間の角度)は、arcsin(1/n2)より大きくなくてはならない。下辺の反射角δは、第1の面で反射する光ビームの反射角βの関数である。
本発明の好ましい実施形態によれば、励起面の反射角ε=90°−(β―γ)は、arcsin(1/n2)より大きく、n2は基部の屈折率であり、そして、
である。
上述の実施形態と同様に、励起光ビームが基部の励起面によって(内側に)全反射することも非常に好ましい。その場合は、電磁的なエバネッセント場だけが、定量対象の物質を励起面に非常に近い空間内で励起する。ウェルのボリューム中の物質の光学的な励起は生じない。したがって、励起辺の反射角εは、acrsin(1/n2)より大きいことが好ましい。励起辺の反射角は、励起面に当たる励起光ビームと、励起面の垂直方向の間の角度である。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、台形は実質的に、高さHおよび幅AおよびA/H≒n2の長方形である。励起面の垂直方向に平行な横断面における基部の長方形は、完全な長方形からのわずかな角度のずれ(数度)も包含すべきことを理解されたい。この例では、長方形の幅Aと高さHの関係は、基部の屈折率n2に対応するように選択することが好ましい。この関係は、入射励起光ビームの入射角αがブルースター角arctan(n2)に一致するように選択する限り有効である。
本発明のキュベットは、ガラス、石英、シリコンまたは透明ポリマ、またはこれら材料の任意の組み合わせなど、好ましくは波長範囲が600〜700nmである、光学的に透明な材料で作製される。このキュベットは、ポリスチレンなどのプラスチック、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリアクリロニトル、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、SAN、シクロコポリマオレフィン(COC;例えばTOPASまたはZEONEXの商標名で流通する)などのポリオレフィン、および/またはこれらプラスチックの混合物または配合物を含むことが特に好ましい。原理的には、基本的に当該のスペクトル範囲(例えば可視範囲)の光を吸収せず、好ましくは特に蛍光体分子を結合させるための適切な被覆の塗布を可能にする任意のプラスチックまたはレジンが適する。材料は、特に射出成形のために処理特性を向上させる添加物を含むことができる。上述の材料の分散関係は知られているので、ウェルおよび基部の大きさの任意の必要な調節は計算によって行うことができる。一実施形態では、分散光によって生じる放出を排除するために、プラスチックを例えば淡青色に着色することもできる。当該の波長で基部は光学的に透明であることが好ましく、これに対しウェル部は光を吸収する材料または不透明な材料で作製することができる。プラスチックキュベットは、射出成形によって安価に得ることができ、好ましくは1〜400μl、特に好ましくは5〜200μlの反応容積を有する。本発明のキュベットは1個体として作製することが好ましい。内側の面および/または放出面、すなわち放出されたビームがキュベットから出る面を研磨して好ましくは最大で10nmの表面粗さにすることも利益となる可能性がある。
ウェル部および基部は一体成形することが好ましい。例えば、ウェル部および基部は、射出成形によって形成することができる。あるいは、ウェル部と基部を別々に形成し、例えば基部の屈折率と一致する屈折率を有する接着剤を使用してそれらの部分を組み立てることも可能である。ウェル部および基部は、上述のようなポリマを含む材料で形成することが好ましい。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、キュベットは、複数のウェル部を備える。例えば、ウェル部は、単一のキュベットで複数の定量を行えるように、棒形状のキュベット中に線状に配置することができる。複数のウェル部に対して1つのみの基部を提供することが好ましい。
次いで本発明について、添付図面とともに例として説明する。
図1(a)に、本発明によるキュベットの好ましい実施形態を示す。キュベット10は、実質的に棒形状であり、キュベット10を操作し、リーダに取り付けるための操作部12を有する。図1(b)に示すように、操作部12にはその中にくぼみ14が形成されている。キュベット10の操作部12の反対側には、分析部16が形成される。分析部16は、分析する物質を含む溶液を入れるウェル20を有する複数のウェル部18を有する。ウェル20の側壁22は、分析部16全体の上に延在する基部24によって支持される。図1に示す好ましい実施形態では、基部24はウェル部18と一体形成されている。キュベットは、射出成形し、例えばポリスチレン158Kからなることが好ましい。
図1(d)に、図1(a)の線B−Bに沿ったキュベットの横断面図を示す。この横断面は、ウェル部18のウェル20の励起面30に右の角度から交差する平面でとらえたものであり、すなわち横断面は励起面30の垂直方向と平行である。キュベット10の基部24は、外部からの励起光源(図示せず)の励起光ビームを受ける第1の面26を有する。第2の面は、第1の面26の反対側に配置される。基部24の下部は、励起面30から間隔を空け、励起面30と平行な下部面32によって形成される。図1(d)に示す断面図では、キュベット10の基部24の形は等脚台形形状である。図1(d)および図2も参照すると、台形の上辺30Sは、ウェル部18の側壁部材22を横切って延長した励起面30によって形成される。台形の下辺32Sは、下部面32によって形成される。台形の長さが等しい第1の辺26Sおよび第2の辺28Sは、それぞれ第1の面26および第2の面28によって形成される。面を参照する際は参照符号26、28、30、および32を使用し、台形の辺または脚部を参照する際は参照符号26S、28S、30S、および32Sを使用する。
台形の第1の辺26Sおよび第2の辺28Sは、上辺30Sまたは下辺32Sの垂直方向に対して2°の角度γだけ傾斜している。この基部24の第1の面26および第2の面28のわずかな傾きにより、成形後にキュベットを射出成形型から取り出すのを助ける。
図2に、本発明の別の好ましい実施形態によるキュベットの基部24の概略的な横断面図を示す。図2に、半導体レーザダイオードであることが好ましい外部からの励起光源の励起光ビーム34の光路を示す。励起光ビーム34は、基部24の第1の面26によって受け取られる。入射する励起光ビーム34の入射角αは、ブルースター角αB=arctan(n2/n1)に一致することが好ましく、ここでn2は基部24の屈折率であり、n1は通常は空気である周辺環境の屈折率である。この場合はn1=1である。
励起面30(上辺30S)の上方に、定量する物質を含む溶液を受けるウェル20が形成される。図を簡潔にするために図2にはウェル部18を示していない。ただし、励起面30は動作上、屈折率n2の基部24と、屈折率n3のウェル20中の溶液との界面になることを理解されたい。
励起光ビーム34は、台形の第1の面26(図2の第1の辺26S)で屈折する。屈折した光ビームは続いて、励起面30(図2の上辺30S)に当たり、そこで内側に全反射して、第2の面28の方向に伝播する。入射励起光ビーム34が、その入射面で完全に直線的に偏光する場合は、第1の面26で入ってくる励起光ビーム34の反射が生じない。さらに、理想的な光学的条件(基部24の材料が複屈折性でない)下では、励起光ビーム34は、第2の面28で屈折することにより基部24から離れる。ただし、励起光ビームの偏光面が妨害されるように基部24の典型的な材料は複屈折性である。したがって、第2の面28で光ビーム34の部分的な反射が生じる。反射した光ビームは、下部面32(下辺32S)の方向に伝播し、好ましくは下部面32で全反射する。
基部24は、下部面32で反射した光ビームが、入射する励起光ビーム34が最初に第1の面26に当たるのと実質的に同じ点または領域で第1の面26に当たるように設計する。すなわち、励起面30(上辺30S)と、上辺30Sの垂直方向に入ってくる励起光ビーム34の入射点との間の距離である連結する高さhが、下部面32で反射した光ビームが第1の面26に当たる高さと同じになる。このように、キュベット10の基部24は、入射励起光ビーム34が全く同じ開始点/領域と終点/領域を有する(閉じた)環状の光路に沿って基部24内で導かれるように設計する。図2に示す励起光ビーム24は、実際の励起光ビームが有限のビーム幅を有する程度まで簡略化していることを理解されたい。ビーム幅は、励起面30の所定の範囲を励起するように調整することが好ましい。有限のビーム幅を有する平行光の励起光ビーム34についても、上記の環状の光路の基準が当てはまる。
キュベット10の基部24内の環状の光路は、従来のキュベットと比べて数多くの利点がある。例えば、環状の光路の光路長(往復で2l+2k。図2を参照)は、従来のキュベットの光路長よりもかなり短い。キュベットの光路の光路長を短縮することは、基部24に必ず存在する不純物で散乱する光の強度が下がることを意味する。さらに、基部24のこの設計は、蛍光を収集/検出するための視野角度または検出角度をより大きくすることを可能にする。従来のキュベット設計では蛍光は比較的小さな角度範囲でしか検出できないのに対して、本発明によるキュベット10の検出角度はより大きくして改良された蛍光シグナルを得ることが可能である。さらに、基部24の台形形状は、当技術分野で知られる射出成形技術を使用した製造が比較的容易である。詳細には、射出成形技術の精度が一般には光学的に平坦な表面に充分なものであるので、基部24の第1の面26および第2の面28は必ずしも光学的に研磨する必要がない。
以下で、図2を参照して、本発明の好ましい実施形態の好ましい設計手順を説明する。
基部24の励起面30および下部面32による励起光ビームの内側への全反射を得るために、励起面の角度εおよび下部面の角度δは、全反射のための個々の臨界角よりも大きくなくてはならない。したがって、
ε(β,γ) > εmin
δ(β,γ) > δmin
ここで
ε(β,γ) = 90°−(β−γ)、
δ(β,γ) = 90°−(β+γ)、かつ
δ(β,γ) = 90°−(β+γ)である。
全反射のための臨界角は、
δmin = arcsin (n1 / n2)、かつ
εmin = arcsin (n3 / n2)である。
先に述べたように、複屈折材料(例えばプラスチック材料)を使用して基部24を製造する場合には、基部24の励起光ビーム34の閉じた光路(環状の光路)が非常に好ましい。基部24内に閉じた光路を得るには次の条件を満たさなくてはならない。
A / 2 + h tan(γ) = l cos (β−γ)、
h = l sin (β−γ)、
A / 2 + h tan(γ) = k cos (β+γ)、
式中、lは、第1の面26の入射点から励起面30の入射点までの光路の長さであり、kは、基部24の対称形の環状光路についての第1の面26と下部面32の入射点間の光路の長さである。Aは、第1の辺26Sと第2の辺28Sを結ぶ上辺30の長さである。
上記の条件から台形の高さについての次の式が得られることが分かる。
対称形の環状の光路、すなわち台形の上辺30Sおよび下辺32Sでの反射が個々の辺の中心で生じる環状光路を基部24に得る入射励起光ビーム34の連結する高さhは、次の式によって与えられる。
連結する高さhは、励起光ビーム34のビーム幅と一致することが好ましい。
台形が長方形であり、入射励起光ビーム34がブルースター角α=arctan(n2/n1)より小さな角度で入射する特殊な事例では、関係A/Hの単純な関係を計算することができる。長方形(γ=0)の場合、
αがブルースター角αに一致する場合、第1の面26で反射した光ビームと屈折した光ビームの間の角度は90°であり、
である。
したがって、
本発明の好ましい実施形態では、キュベットの励起面30は親水性であることが好ましい。
例えば表面を少なくとも部分的に親水性の化合物で被覆することにより、実質的に親水性の励起面30を得ることができる。親水性の励起面30を提供するために使用できる親水性化合物系は、例えば、ラジカルを生成するために励起面にX線処理を行った上にポリスチレンを被覆してなる励起面に共有結合するアリルデキストランなどのデキストラン誘導体である。詳細には、アリルデキストランを使用して親水性の励起面30を作製する一例は次の通りである:キュベットであるポリスチレンチップ(60Coを26kGrayでγ線照射)を提供し、約150kDの分子量を有するアリルデキストラン溶液(水に100μg/μl)50μlを加え、室温で16時間インキュベートする。この溶液を吸引し、ポリスチレンチップを3回水で洗浄する。ナトリウム(メタ)過ヨウ素酸塩(水に30mM)の溶液50μlを室温で1時間インキュベートした後、溶液を吸引し、ポリスチレンチップをPBSで3回洗浄する。次いでニュートラアビジンの溶液(0.1M NaHCO3に40μg/μl、pH9.3)50μlを加え、室温で2時間インキュベートし、続いてシアノホウ水素化ナトリウム溶液(5M)0.5μlを加え、室温で15分間インキュベートし、続いてエタノールアミンの水溶液(300mM)25μlを加えて室温で15分間インキュベートする。これらの溶液を吸引し、ポリスチレンチップをPBSで3回洗浄する。ポリスチレンチップの余分な反応点は、100μlのブロッキング溶液(例えばPBS、1%BSA、0.25%Tween20)中で1時間室温でインキュベートすることによってブロックする。
あるいは、親水性の励起面30を提供するために使用できる親水性の化合物系は、ポリエルリジン/グルタルアルデヒド系である。詳細には、一例は次の通りである。キュベットであるポリスチレンチップ(60Coを26kGrayでγ線照射)を提供し、ポリエルリジンの溶液(PBSplus(100mM K2HPO4/KH2PO4、100mMNaCl pH7.5)に10μg/μl)50μlを加え、室温で16時間インキュベートする。溶液を吸引し、ポリスチレンチップをPBSで3回洗浄する。グルタルジアルデヒドの溶液(PBSplusに1%)50μlを室温で1時間インキュベートした後、溶液を吸引し、ポリスチレンチップをPBSで3回洗浄する。次いで、ニュートラアビジン溶液(0.1M NaHCO3に40μg/μl、pH9.3)50μlを加え、室温で2時間インキュベートし、続いてシアノホウ水素化ナトリウムの溶液(5M)0.5μlを加え、室温で15分間インキュベートし、その後エタノールアミンの水溶液(300mM)を25μl加え、室温で15分間インキュベートする。これらの溶液を吸引し、ポリスチレンチップをPBSで3回洗浄する。ポリスチレンチップの余分な反応点は、100μlのブロッキング溶液(例えばPBS、1%BSA、0.25%Tween20)で室温で1時間インキュベートすることによってブロックする。
上述の親水性化合物による励起面の被覆は、例えばいわゆる「島構造」あるいは単分子層を形成することができる。
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、反応相手R1である化合物をキュベットの励起面30に固定化(すなわち結合し)、上記で概説したように励起面を親水性化合物で被覆することができる。用語「固定化された」は、反応相手R1が吸着(「直接の吸着」)により励起面30に付着したことを意味することが好ましい。ただし、反応相手R1は、例えば抗体、抗原、ストレプトアビジン、アビジン、ニュートラアビジンなどのタンパク質、あるいはビオチンなどの化合物といった固定用化合物を介して励起面30に固定化することもできる。反応相手R1は、共有結合を介して励起面(30)に固定化することもできる。これは、例えば、アクリル酸塩を含む励起表面のカルボジイミドによる変換によって提供することができる。
一般に、本発明の意味における用語「固定化された」および「結合された」は、反応相手、または固定用化合物や蛍光体を含む化合物などの化合物を、励起面30などの表面または別の反応相手および/または化合物に付着させることを意味し、イオン、極性または非極性の相互作用に基づく相互作用など、共有結合および非共有結合の相互作用両方を含む。
反応相手R1または固定用化合物は、一般的な方法で励起面に配置することができる。例えば、反応相手R1または固定用化合物として機能するタンパク質を励起面に被覆することができる。反応相手R1または固定用化合物は、吸着または共有結合によって表面に結合できることが好ましい。このステップの後、ブロッキング化合物を含む別の溶液で励起面を処理することが好ましく、反応相手R1または固定用化合物を含まない励起面上の範囲を、例えば定量を行うために使用する溶液中の化合物とは基本的に反応しないブロッキング化合物としての別のタンパク質によってブロックする。
本発明の好ましい実施形態では、反応相手R1または固定用化合物は凍結乾燥形態で存在する。
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、凍結乾燥した反応相手R1または凍結乾燥した固定用化合物を凍結乾燥したスペーサ層で覆う。スペーサ層の成分は、HEPESなどの1つまたは複数の緩衝化合物、BSAなどの1つまたは複数のタンパク質化合物、デキストランなどの1つまたは複数の親水性ポリマ、EDTAなどの1つまたは複数の錯化剤/抗凝固剤、および任意選択でトリメトプリム および/または サルファメトキサゾールなどの静菌性化合物、およびこれらの成分の1つまたは複数を含む混合物からなる群から選択することが好ましい。さらにスペーサ層は反応相手R3を含んでもよい。
本発明のさらなる好ましい実施形態では、キュベットは、凍結乾燥した反応相手R1または固定用化合物およびスペーサ層の他に、凍結乾燥したスペーサ層を覆う凍結乾燥物を含む。この凍結乾燥物は、
(A)反応相手R1を励起面30に固定化した場合には、蛍光体を含む化合物または反応相手R3としての化合物またはそれらの混合物、または
(B)前記固定用化合物を励起面30に固定化した場合には、反応相手R1、または蛍光体を含む化合物、または反応相手R3としての化合物、または前記成分の2つまたは3つを含むそれらの混合物
のいずれかを含み、
前記反応相手R3は定量する反応相手R2としての物質に対する親和力を有し、前記反応相手R3は、任意選択で蛍光体を含む部分を含み、前記蛍光体を含む化合物は反応相手R2または反応相手R3に対する親和力を有する。
本発明の好ましい実施形態では、用語「固定用化合物」、「反応相手R1」、「反応相手R2」、および「反応相手R3」は、一般に、単クローンまたは多クローン抗体、抗原として機能するタンパク質、ストレプトアビジン、アビジンなど特定の化合物に対する親和力を有するタンパク質、および例えばビオチンなど特定のタンパク質に親和力を有する化合物など、リガンド結合系の各1部分を含む。例えば、励起面に固定化された固定用化合物はストレプトアビジンであり;反応相手R1は、反応相手R2に対する単クローン抗体であり、ストレプトアビジン/ビオチン系を介した励起面への固定化を可能にするためにビオチンが共役しており;定量する物質である反応相手R2は抗体として機能し;反応相手R3は、反応相手R2に対する単クローン抗体であり、蛍光測定を可能にするために、蛍光体を含む化合物が共役している(図3も参照)。
さらに、本発明によれば、上記で定義したキュベットを作製するプロセスが提供され、このプロセスは、
(a)反応相手R1または固定用化合物をキュベットの励起面30に固定化するステップ
を含む。
本発明のプロセスは、さらに次のステップを含むことができる。
(b)HEPESなどの1つまたは複数の緩衝化合物、BSAなどの1つまたは複数のタンパク質性化合物、ポリ(エチレングリコール)など1つまたは複数の凍結保護物質、スクロースなどの1つまたは複数の凍結乾燥保護物質、n−オクチル−β−D−グルコピラノシドなどの1つまたは複数の界面活性剤、アスコルビン酸など1つまたは複数の酸化防止剤、デキストランなどの1つまたは複数の親水性化合物、EDTAなどの1つまたは複数の錯化剤/抗凝固剤、および任意選択で、トリメトプリムおよび/またはスルファメトキザゾールなどの静菌性化合物、およびこれら成分の1つまたは複数を含む混合物を含むことができる凍結可能な溶液(好ましくは水溶液)Iを、前記固定化された反応相手R1または固定化された固定用化合物の上に塗布するステップ、および
(c)前記溶液Iを凍結して、凍結スペーサ層を得るステップ。
本発明のプロセスのステップ(c)の後に、キュベットの凍結した内容物を凍結乾燥して、物質の定量にすぐに使用できる状態のキュベットを得ることができる。
本発明のプロセスはさらに次のステップを含むことができる。
(d)HEPESなどの1つまたは複数の緩衝化合物、BSAなどの1つまたは複数のタンパク質性化合物、デキストランなどの1つまたは複数の親水性化合物、ポリ(エチレングリコール)など1つまたは複数の凍結保護物質、スクロースなどの1つまたは複数の凍結乾燥保護物質、n−オクチル−β−D−グルコピラノシドなどの1つまたは複数の界面活性剤、アスコルビン酸など1つまたは複数の酸化防止剤、Tween20またはBrij35などの1つまたは複数のイオン性および/または非イオン性サーファクタント、NaClなどの1つまたは複数の塩類、グリシンなどの1つまたは複数の充填剤、および任意選択で、トリメトプリムおよび/またはスルファメトキザゾールなどの静菌性化合物、およびLissamine Green B、Indigocarmine、Briliant BlackまたはCu−Chlorophyllなどの1つまたは複数の染料、およびこれら成分の1つまたは複数を含む混合物を含むことができる凍結可能な溶液(好ましくは水溶液)IIであって、
(A)反応相手R1を励起面30に固定化した場合には、蛍光体を含む化合物または反応相手R3としての化合物またはそれらの混合物、または
(B)固定用化合物を励起面30に固定化した場合には、反応相手R1、または蛍光体を含む化合物、または反応相手R3としての化合物、または前記成分の2つまたは3つを含むそれらの混合物
のいずれかを含む溶液IIを前記凍結スペーサ層の上に塗布するステップ、
(e)前記溶液IIを凍結して、凍結した溶液Iの上に凍結した溶液IIを得るステップ、および
(f)キュベット中の凍結した内容物を凍結乾燥して、物質の定量に直ちに使用できる状態の凍結乾燥物を得るステップ。
反応相手R3などの次の反応相手を加える前に、スペーサ層は表面を完全に覆うべきであり、凍結乾燥させる前は凍結した固体である。通常はこの次の反応相手を加えることにより凍結したスペーサ層は溶解しないが、仮に溶解するとしてもスペーサ層の上部だけが溶解する。実施する定量の機能にとって、次の反応相手が、プロセスのどの時点にも反応相手R1または固定用化合物と直接接触しないことが不可欠である。
本発明の意味で、用語「定量する物質」は、すでに上述したように用語「反応相手R2」に対応する。
本発明のキュベットは、好ましくは免疫学的反応を介した物質の質的および/または量的な判定を行うために、医学的または獣医学的診断、食物分析、環境分析、化学的または生物学的分析、あるいは発酵プロセスの分析の諸方法で使用することができる。
本発明によるキュベットを使用した方法は、次のステップを含む。
固定化した反応相手R1、または固定化した固定用化合物、または凍結乾燥したスペーサ層と接触させて、反応相手R2としての定量対象の物質と、(A)反応相手R1を励起面30に固定化した場合には、蛍光体を含む化合物、または反応相手R3としての化合物、またはそれらの混合物、または(B)前記固定用化合物を励起面30に固定化した場合には、反応相手R1、または蛍光体を含む化合物、または反応相手R3としての化合物、または前記成分の2つまたは3つを含むそれらの混合物、のいずれかとを含む溶液を配置するステップであって、固定化された反応相手R1または固定化された固定用化合物の上に錯体が形成され、前記錯体は、
(i)反応相手R1、およびそこに共役した蛍光体を含む部分または蛍光体を含む化合物を含む反応相手R2、または
(ii)反応相手R1、反応相手R2、およびそこに共役した蛍光体を含む部分または蛍光体を含む化合物を含む反応相手R3、または
(iii)反応相手R1、反応相手R2、反応相手R3、および蛍光体を含む化合物、または
(iv)固定用化合物、反応相手R1、およびそこに共役した蛍光体を含む部分または蛍光体を含む化合物を含む反応相手R2、または
(v)固定用化合物、反応相手R1、反応相手R2、およびそこに共役した蛍光体を含む部分または蛍光体を含む化合物を含む反応相手R3、または
(vi)固定用化合物、反応相手R1、反応相手R2、反応相手R3、および蛍光体を含む化合物
のいずれかを含むステップと、
前記錯体を介して励起面30に結合した蛍光体を光源のエバネッセント場(すなわち、外部からの励起光源の励起光ビームを印加するとキュベット(または基部)内に生成されるエバネッセント場)によって励起し、生じた蛍光を測定するステップ。
本発明のより好ましい実施形態で、この方法は、凍結乾燥した反応相手R1または固定用化合物、凍結乾燥したスペーサ層、および(A)反応相手R1を励起面30に固定化した場合には、蛍光体を含む化合物または反応相手R3としての化合物またはそれらの混合物、または(B)前記固定用化合物を励起面30に固定化した場合には、反応相手R1、または蛍光体を含む化合物、または反応相手R3としての化合物、または前記成分の2つまたは3つを含むそれらの混合物、のいずれかを含むキュベットを使用し、前記方法は次のステップを含む。
キュベット中の凍結乾燥した内容物と接触させて、反応相手R2としての定量対象の物質を含む溶液を配置するステップであって、上記で概説したように固定化した反応相手R1または固定化した固定用化合物の上に錯体が形成されるステップ、および
前記錯体を介して励起面30に結合した蛍光体を光源のエバネッセント場によって励起し、生じる蛍光を測定するステップ。
本発明の好ましい実施形態では、キュベットで使用する方法は、色形成システムの代わりに蛍光体を使用したELISA法に基づく。
本発明によれば、用語「錯体」および「共役」は、2つ以上の好ましくは化学的または生物学的な物質間の分子の連結または結合として理解される。錯体または共役は、特に抗原抗体反応によって好まれる選択的および/または特異的な反応によって形成されることが好ましい。
本発明によれば、用語「反応」は、2つ以上の反応相手の共有結合および非共有結合の相互作用をともに含み、両タイプの相互作用は錯体中で逐次生じることができる。非共有結合の相互作用は、例えば、反応相手のヴァンデルワールスの相互作用、極性および/またはイオン相互作用を意味することができる。本発明において、用語「反応相手」は、一般に別の物質に対する親和力を有する化合物を意味する。
本発明の方法の好ましい一実施形態では、反応相手R2である定量する物質はそれ自体で、表面に固定化された反応相手R1に対する親和力を有することができ、したがってその反応相手R1に直接結合することができる。例えば定量する物質が抗体である場合は、その抗体に固有の抗原を表面上に配置することができ、その逆も可能である。
別の好ましい実施形態では、定量する物質、すなわち反応相手R2自体は、(基本的に)表面上の固定用化合物に対して親和力を持たないか、またはわずかな親和力しか持たない。この場合、表面に接触させて配置する溶液は、例えば、反応相手R1を含む別の化合物と、定量する物質の結合部位を含む。反応相手R1は、表面上の固定用化合物と結合することができ、したがって定量する物質を間接的に表面に固定化する。この別の連結は、定量する物質と、表面の固定用化合物間のブリッジ要素として機能する。例えば、表面上の固定用化合物としてアビジンが存在することができる。したがってもう一方の化合物(すなわち反応相手R1)は、定量する物質の結合部位の他に、例えば、表面に固定化されたアビジンに結合できるビオチンを含む。この実施形態には、アビジン(またはストレプトアビジン)を被覆した表面が、多くの抗体および抗原と異なり、より良好に凍結乾燥させることができ、また乾燥または凍結した形態において非常に安定しているという利点がある。また、アビジン(またはストレプトアビジン)/ビオチン系は、非常に高い解離定数KDを有する。また、アビジン(またはストレプトアビジン)を被覆した表面上で一連の異なる定量を行い、定量する物質の上にある、溶液を被覆した表面と接触させて配置されたもう一方の化合物だけを定量することも可能である。
図3に、本発明で使用する方法のこの実施形態を概略的に示す。励起面30と接触させて配置した溶液中には、互いに隣接して、定量する物質(すなわち反応相手R2)40、蛍光体を含む部分または化合物からなる反応相手R3 44、および固定用化合物48に対する親和力がある反応相手R1 46が存在する。固定用化合物48は励起面に結合する。反応相手R3および反応相手R1は、定量する物質(共役50)に吸着し、共役50は、反応相手R1を介して、表面上の固定用化合物48に結合して錯体52を形成する。したがって、蛍光体を含む反応相手R3を含む錯体52が励起面30に結合し、エバネッセント場54の蛍光を測定することにより定量することができる。
本発明における方法のこの実施形態には、アビジン(ストレプトアビジン)/ビオチン系の他に、例えばタンパク質が例えばヒスチジン、ヒスチジンタグ、レクチン、および/またはジゴキシゲニンのような1つまたは複数のリガンドの選択的および/または特異的な結合部位を有するすべてのリガンドまたはリガンド結合系が適しており、また上記で概略したように当然抗原/抗体系も適する。
本発明によれば、用語「蛍光体」、「蛍光体を含む化合物」、および「蛍光体を含む部分」は、蛍光性であれば特に限定は示さず、例えば、フィコビリソーム、フィコビリタンパク質、低分子量の蛍光を発する化学化合物または量子ドットなどの蛍光を発する化合物を含む。本発明によれば、Allophycocyanine (APC)、Cryptofluor Crimson、またはCryptofluor Redなどのフィコビリタンパク質を、蛍光を発するタンパク質として使用することができる。蛍光を発する低分子量化合物の例として、Cy5またはBODIPY(4,4−diluor−4−bora−3a,4a−diaza−s−indazeneを有する蛍光)を挙げることができる。600〜700nmの波長範囲の吸収が効率的な蛍光を発する染料が好ましい。
蛍光体に代えて、蛍光体の前駆物質である化合物を使用することができ、例えばpH値を変えるか、または保護基を分割することにより、測定プロセスの前にその化合物から蛍光体を放出する。
本発明によれば、用語「蛍光体」および「蛍光体を含む化合物」および「蛍光体を含む部分」は、燐光を発する化合物も含む。そのような燐光を発する化合物を蛍光体として使用する場合は、励起から時間差をもって放射される燐光を判定する。したがって、放射時間を測定時間と分離することが可能である。
蛍光体を含むこの化合物は、定量する物質の結合部位も有することができる。例えば、蛍光体は、反応相手R3としての抗体に結合した状態で入手することができる。この蛍光体を含む抗体は、抗原である定量する物質、例えばタンパク質と抗原抗体反応で反応できることが好ましい。
別の実施形態では、定量する物質(すなわち反応相手R2)自体が、蛍光体を含む化合物として提供される。この実施形態では、特に検出限界が低いことを特徴とする競合アッセイを行う。
本発明の方法を用いると各種の物質を検出することができる。この方法は、特に、タンパク性または非タンパク性のホルモンなどのホルモン、抗原、抗体、またはハプテンなどのタンパク質、DNS、オリゴヌクレオチドまたはRNA、医薬品、ウイルス、バクテリアなどのヌクレイン酸のような生物学的に能動的な物質を定量するのに適している。しかし、この方法は、環境毒物、毒素、乱用薬物、治療用薬物などの検出にも使用することができる。本発明の方法は、例えば、血液など人体体液中のHIV抗体、HBC抗体、またはHCV抗体などの免疫グロブリンを検出するための抗原と抗体の二重の定量も含む。
免疫反応によって定量対象の物質を検出することが特に好ましい。
表面に結合した蛍光体をエバネッセント場で励起する際には、キュベット/溶液相の境界で全反射が起こるように、光ビームをある角度で表面の下部に向ける。これにより、溶液中の表面の上方にエバネッセント場が形成され、これは数百ナノメートルまで流体中に侵入することができる。本発明によれば、表面の上400nm、好ましくは200nm、特に好ましくは50〜150nmの高さにエバネッセント場が形成されるように、少なくとも60°〜90°の入射角が好ましい。このエバネッセント場内で、発された光が適切な蛍光体を励起することができる。放射された蛍光を例えば倍増型光電管で検出し、評価する。
エバネッセント場には表面に結合した蛍光体だけがあるので、この結合した蛍光体だけが最適に励起され、光子を放出する。蛍光体を含み、溶液中で結合していない化合物はエバネッセント場の領域に存在せず、したがって基本的に励起されず、また基本的に光子も放出しない。したがって、この仕組みにより、それより前の分離および/または洗浄ステップなしで、上澄み溶液中に蛍光体がある状態で表面に結合した蛍光体を量的に判定することが可能になる。
光源には単色光を使用することができる。好ましくは蛍光体の放出を妨害しない波長の光を使用すべきである。その光が少なくとも635nmの波長を発するレーザが特に光源として好ましい。詳細には、上澄み溶液が血清である場合、血清に固有の蛍光はおよそ580nmなので、600〜700nmの波長を発するレーザが好ましい。
本発明の一実施形態では、表面に結合した蛍光体の付加は、時間とともに進行する反応により直接(実時間で)測定することができる。表面に結合した蛍光体の量は蛍光体を含む化合物の元の量に正比例するので、本発明の方法は、さらに追加的な洗浄および/またはピペッティングステップを必要とせずに、溶液にある反応物質を実時間で量的に判定することを可能にする。
蛍光体の吸収係数および放射特性は非常に良好なので、検出限界は小さい。わずか数分の後に反応を質的および/または量的に算定することができる。
ただし、キュベット中の光ビームの散乱は理想的でなく、分散光を低減する物理的措置をとった場合でも問題を呈する。散乱により、光がキュベット中のボリュームにも入り、そこでバックグラウンド蛍光を生じさせる。本発明で、用語「ボリューム」は、蛍光体を含む結合していない化合物を含む、エバネッセント場の外側にある液体と解釈する。光ビームの偏光は、プラスチック製キュベットとガラス製キュベットの両方にも入り込む。この結果、特に、脱共役の際に励起光の反射が生じ、いわゆる迷走光が生じ、この迷走光が、ボリュームおよび表面の散乱効果とともに、ボリュームの励起を生じさせる可能性がある。
本発明によれば、ボリューム中の蛍光体の励起は、表面と接触させて配置する溶液に、蛍光体の吸収および/または放出範囲内の吸収度を有する少なくとも1種の染料が添加されている場合にさらに抑制することができる。
ボリュームに加えられた染料の吸収度は、本発明では蛍光体の吸収および/または放出範囲に連係する。単一の染料または染料の混合を使用することができる。蛍光体の吸収範囲は、一般に、使用する光源の波長と相関する。染料がそのスペクトル範囲で最大の吸収度を有する必要はなく、吸収度スペクトル中の肩で充分である。例えば、APCまたはCy5のような蛍光体を使用する場合、使用する染料は、例えばBrilliant Blue FCFなど、600〜700nmの吸収を有することができる。加える染料の濃度は、放射される光の周波数によって決まる。貫通光が基本的に表面の上方1mm内で吸収されるように、染料の濃度はその染料に応じて調整することができる。染料の最適な濃度を求めるために、初めにボリュームの蛍光およびエバネッセント場の蛍光、すなわち表面の蛍光を様々な染料濃度について測定する。次いで、表面の蛍光とボリュームの蛍光の比を染料の濃度に対してプロットする。この比の最大値が最適の染料濃度に相当する。本発明によれば、「信号/雑音比」は、表面の蛍光(シグナル)対ボリュームの蛍光(「ノイズ」)の比である。「基本的に吸収される」とは、強度の相殺が70%であり、好ましくは80%であり、特に好ましくは少なくとも90%であることを意味することができる。
例えば、Brilliant Blue FCFを染料として使用する場合、ボリュームの蛍光の95%以上を抑制するには0.04mMの濃度で充分である。例えば、Brilliant Blue FCFの濃度は少なくとも0.001mMであることが好ましい。
寸法が小さく低価格であることにより、本発明のキュベットは日常的な診断および分析に適する。実際の応用では、このタイプのキュベットはあらかじめ作製し、特殊なラベルで閉じて市販することができる。すでに上記で概説したように、事前の作製には、キュベットの表面に第1の反応相手を被覆すること、および必要な場合には次いで被覆されていない箇所をブロッキングすることが含まれる。被覆済みのキュベットが凍結乾燥または乾燥した状態で提供されることが特に好ましい。通し番号を付したキュベットを提供することにより、製造ロット、検出反応、およびサンプルの明確な帰属をいつでも得ることが可能になる。
引用することのできる具体的な用途の例は、ELISAの原理に基づく各種の定量である。ELISAテストは、抗原または抗体の濃度を判定するために使用することができる。具体的な抗原の例は、HBV Sタンパク質、HCG、心臓マーカタンパク質、およびステロイドホルモン、ペプチドホルモン、甲状腺ホルモンなどのホルモンである。HIV抗体定量、S型肝炎抗体定量、または抗体仲介型のヘパリン起因血小板減少など、以前の感染または特定の病気の兆候を示す抗体定量を挙げることができる。本発明のキュベットを使用して、飲料水中のアトラジンなど植物保護製品の検出も可能である。
検出用の試薬をラベルすることができ、その試薬がある受容体に対する固有のリガンドである場合には、本発明のキュベットを使用して非免疫的な定量も行うことができる。したがって、受容体分子がキュベットの表面に結合し、ラベルされたリガンドまたはホルモンなどが特異的にその受容体に結合することができる。ホルモン受容体は、天然の受容体または組み換え型の受容分子であることができる。これは、薬品が蛍光的に誘導され、受容体タンパク質がキュベットの表面に固定化された、医薬品の競合アッセイである可能性がある。あるいは、薬品を受容体の表面に固定化し、蛍光ラベルした受容体が結合する。この応用例は、気晴らしのための麻薬にも使用することができる。
また、本発明のキュベットでRNAまたはDNAの検出も行うことができる。キュベットの表面に固定化された相補鎖がラベルされたオリゴヌクレオチドを捕捉することができる。オリゴヌクレオチドは例えばAPCでラベルすることができる。
本発明によるキュベットを使用すると、上記で定義した物質を定量する方法により、驚くべきことに、一般的なELISA法に比べて分析感度が少なくとも10倍になり、一般的なELISA法に比べて分析時間が少なくとも10分の1になる。
以下で本発明について実施例を使用してさらに説明するが、言うまでもなくこれは特許請求の範囲によって付与される保護範囲を限定しない。
以下の実施例では、10分(=600秒)間にわたり1秒ごとに光子を測定した。通常は、0分の開始時と10分後に計数した光子を測定し、差を計算する。この差は正であり、定量で測定される抗原に正比例する。例えば10000個の光子などいくつかの統計事象が認められる場合は、nの平方根の3倍として統計誤差を計算する。この例では、3×10000の平方根=3×100=300個の光子になる。
実験では、これら2つの時間点だけではなく、この10分間に600の時間点で測定を行っている。それらの点は直線に沿う。ここで線形回帰関数でトレンド関数を生成し、線形曲線を計算すると、99.99%の信頼区間の総合誤差は約30光子に低下する。これは、2点の計算によって実現される300光子の誤差の10分の1であることを意味する。したがって、この線形の回帰により分析の検出限界が10倍向上する。
実施例1:ストレプトアビジン表面へのビオチン−HRP結合のキネティクス
Nunc社のmaxisorpマイクロプレートをニュートラアビジン(0.1MのNaHCO3に10μg/ml)で室温で終夜被覆した。次いでマイクロプレートをTBST(10mMTrispH7.5、150mMNaCl、0.1%Tween20)で3回洗浄した。ビオチン化したホースラディッシュペルオキシダーセ(「HRP」。Pierce社から市販)の溶液(TBSTに10ng/ml)をウェルに加え、1分〜6時間までの様々な時間にわたってインキュベートした。ウェルをTBSTで6回、TBS(10mMTris pH7.5、150mM NaCl)で3回洗浄した。TMB(KPL社から市販)で結合HRPを明らかにし、室温で10分間インキュベートした後に630nmで光学濃度を測定した。この結果を図4に示す。
図4は、マイクロプレートにビオチン化HRPが結合する時間の関数としてのOD630のグラフである。10分後におよそ0.75のODが認められる。6時間の反応時間経過後の最大ODは2.10である。10分後に、拡散に基づく定量によりHRPについて最大値のおよそ30%のシグナルが示され、これにより有意味の結果を測定することが可能になる。例えば蛍光検出システムが利用できる場合は、結合がより少ないレベルを補償することができ、なお高速かつ高感度の定量を得ることができる。
実施例2:マウスIgGの滴定
(A)ELISA法
Nunc社のmaxisorpマイクロプレートのウェルを、ストレプトアビジンの溶液(PBSplus(100mM K2HPO4/KH2PO4、100mM NaCl pH7.5)に10μg/ml)で室温で終夜被覆した。次いで溶液を吸引し、ウェルをPBS(10mM K2HPO4/KH2PO4、137mM NaCl pH7.4)で4回洗浄した。残る反応点をブロックするために、PBSplusに1%BSAの溶液をウェルに加え、1時間放置した。
1ステップおよび3ステップのELISA手順を行った。この定量は、マウスIgGを検出するサンドイッチELISA法である。
0.025%のTween20を含む1%のBSA PBSplusに、ビオチン化したヤギ抗マウスIgG(Jackson社から市販)の溶液1μg/ml、ヤギ抗マウスHRP(Jackson社から市販)8μg/ml、および様々な量のマウスIgG(Jackson社から市販)を室温で0.5時間インキュベートすることにより1ステップELISAを行った。
0.025%Tween20を含む1%BSA PBSplus中でビオチン化したヤギ抗マウスIgG1μg/mlを1時間インキュベートし、続いてPBSによる洗浄を3回行うことによって3ステップELISAを行った。次いで同じ緩衝液中で様々な量のマウスIgGをインキュベートし、次いでPBSで3回洗浄し、続いて同じ緩衝液中でヤギ抗マウスHRP8μg/mlを1時間インキュベートした。
これらのインキュベートステップ後の手順は両方のELISA法で同じであり、PBSで5回洗浄し、次いで着色のためにTMBを10分間加え、630nmでODを読み取った。結果を図5(A)に示す。
図5(A)にサンプル中のマウスIgG濃度の関数としてのOD630のプロットを示す。マウスIgGの検出限界は、40分経過後の1ステップELISAではおよそ3ng/ml、あるいは3時間経過後の3ステップELISAでは1ng/mlである。
実施例2:マウスIgGの滴定
(B)蛍光定量
ポリスチレンから射出成形で製造された、本発明のキュベットの一例としての蛍光チップをコバルト60線源でガンマ線照射した。結果得られるポリスチレン表面をタンパク質吸着のために活性化する。ウェルをPBSplus(100mM KPO4、100mM NaCl pH7.5)に10μg/mlのストレプトアビジンの吸着によって室温で終夜被覆した。溶液を吸引し、ウェルをPBS(10mM K2HPO4/KH2PO4、137mM NaCl pH7.4)で4回洗浄した。残りの反応点をブロックするために、PBSplus中に0.25%Tween20の溶液をウェルに加え、1時間放置した。
マウスIgGを検出する1ステップの免疫検定を行い、エバネッセント励起により結合蛍光を測定した。
0.05%のTween20を含む1%BSA PBSplus中の、ビオチン化したヤギ抗マウスIgG1μg/ml、活性化APC(Intergenから市販)の供給者によって与えられる手順に従って作製したヤギ抗マウスAPCの共役10μg/ml、および様々な量のマウスIgGの混合物をポリエチレン製の蛍光チップに加えた。次いでチップを直接リーダの中に置き、蛍光光子の放出を時間の経過とともに監視し、記録した。反応が進行すると、蛍光分子が表面に結合し、測定される蛍光が時間とともに増大する。時間0と10分後に光子数を測定し、差を計算することにより、エバネッセント場によって励起された表面における生化学反応によるいくつかの光子数が得られる。この光子の増加は、サンプル中の抗原濃度に依存する。チップごとにバックグラウンドに微小なばらつきがある。このチップごとのばらつきは、10分間の測定時間中には変化せず、したがって結果には現れない。0.1〜10000ng/mlの範囲にわたってマウスIgGの量を滴定した。結果を図5(B)に示す。
図5(B)は、サンプル中のマウスIgG濃度の関数としての10秒間隔で測定された数として表した蛍光光子を示す。
検出限界は、装置内の光子のバックグラウンド放出の平方根の3倍に相当する、測定される光子の統計的変動によって与えられる。この例ではバックグラウンド蛍光は500000であり、これは3×707=2121個の統計的変動をもたらす。
0.1ng/mlのマウスIgGを含むサンプルは、装置の検出限界をかなり上回る5000光子のシグナルを生じさせた。したがって、実施例2(A)で述べたように、同等のELISA法に比べて10倍感度が高いシステムである。
実施例3:異なる基質におけるマウスIgGの滴定
実験条件と試薬は、実施例2(B)に示すものと同じである。サンドイッチアッセイでは、ビオチン化したヤギ抗マウスIgG1μg/ml、活性化APCの供給者によって与えられる手順に従って作製したヤギの抗マウスAPC共役10μg/ml、および様々な量のマウスIgG(Jackson社から市販される)の混合物を使用する。測定は、(a)0.05%Tween20を含む1%のBSA PBSplus;および(b)人間のEDTA血漿、の2つの異なる基質で行った。結果を図6に示す。
図6は、サンプル中のマウスIgG濃度の関数として1秒間隔で測定した数として表した蛍光光子を示す。
BSA、PBS、Tween20の合成混合物か、人間の血漿などの天然の基質を使用して、両方の緩衝系で結果を比較することができる。血漿は、顕著な自己蛍光は生成しないと思われる。
実施例4:キュベット中の凍結乾燥物の作製
本発明のキュベットの一例であるポリスチレンチップを提供し、ポリスチレンへの吸着によってアビジン層を作製した。あるいは、上述の方法の1つ(ポリエルリジンまたはアリルデキストラン)を使用した。一般的な文脈で、用語「アビジン」は、アビジン、ストレプトアビジン、またはニュートラアビジン、または任意の他のビオチン結合分子を包含する。溶液I(例えば20mM Hepes pH7.5、1%BSA、1%デキストランT70、10mM EDTA、および任意選択で32mg/mlのトリメトプリムおよび160mg/mlのスルファメトキサゾール)50μl/ウェルを加え、−20℃で4時間凍結した。溶液Iはスペーサ層を形成する。次いで、溶液II(例えば20mMHepes pH7.5、5.1%BSA、1%デキストランT70、2%グリシン、1%ブリジ、0.5%Tween20、100mM NaCl、および任意選択で32mg/mlのトリメトプリムおよび160mg/mlのスルファメトキサゾール、およびLissamine Green B、Indigocarmin、Brilliant BlackBN、あるいはCu−Chlorophyllinなどの染料)10μl/ウェルを凍結したスペーサ層の上に加え、−20℃で4時間凍結させた。溶液IIは、例えば50μg/mlのヤギの抗マウスIgG−XL−APCまたは5μg/mlのヤギの抗マウスIgGなど反応性免疫グロブリンを含む。最後に、チップを凍結乾燥してすぐに使用できる状態のキュベットを得た。
符号の説明
10 キュベット
12 操作部
14 くぼみ
16 分析部
18 ウェル部
20 ウェル
22 ウェルの側壁部材
24 基部
26 第1の面
28 第2の面
30 励起面
32 下部面
26S 台形の第1の辺
28S 台形の第2の辺
30S 台形の上辺
32S 台形の下辺
40 反応相手R2
44 反応相手R3
46 反応相手R1
48 固定用化合物
50 共役
52 錯体
54 エバネッセント場
本発明によるキュベットの好ましい実施形態の平面図である。 図1(a)の線A−Aに沿ったキュベットの横断面図である。 図1(a)に示すキュベットの下端側の側面図である。 図1(a)の線B−Bに沿った横断面図である。 図1(a)の線C−Cに沿ったキュベットの横断面図である。 図1(a)に示すキュベットの透視図である。 本発明の別の好ましい実施形態によるキュベットの基部の略図であり、光ビームの光路を概略的に示している。 本発明のキュベットを使用して物質を定量する方法の一実施形態の略図である。 ストレプトアビジン表面に結合するビオチンHRPのキネティクスの図である。 (A)はELISA法によるマウスIgG滴定の図であり、(B)は蛍光定量によるマウスIgG滴定の図である。 様々な基質におけるマウスIgGの滴定の図である。

Claims (23)

  1. エバネッセント場法を使用した定量のための読み取り装置用のキュベット(10)であって、
    定量する物質を含む溶液を受ける少なくとも1つのウェル(20)を有する少なくとも1つのウェル部(18)と、
    ウェル部(18)の側壁部材(22)を支持し、ウェル(20)の励起面(30)を提供する少なくとも1つの基部(24)と
    を備え、
    基部(24)は光学的に透明な材料で作製され、ウェル(20)の励起面(30)に垂直に交差する面(B−B)に等脚台形の横断面形状を有し、台形は、同じ長さの第1の辺および第2の辺(26S、28S)、および平行の上辺および下辺(32S、30S)を有し、
    基部(24)はさらに、
    励起面(30)から間隔を空け、励起面に平行な下部面(32)であって、前記面(B−B)と下部面(32)との交差線は、台形の下辺(32S)である下部面と、
    外部の励起光源の励起光ビーム(34)を受ける第1の面(26)であって、前記面(B−B)と第1の面(26)との交差線は、台形の第1の辺(26S)である第1の面と、
    第1の面(26)の反対側にある第2の面(28)であって、前記面(B−B)と第2の面(28)との交差線は、台形の第2の辺(28S)である第2の面と、
    を備え、
    基部(24)は、励起光ビーム(34)を少なくとも部分的に、第1の面(26)上の入射点から励起面(30)における反射、第2の面(28)および下部面(32)を介し、入射点に戻る環状の光路に沿って導くように適合されるキュベット。
  2. 台形の高さHが、



    によって与えられ、(90°−γ)は下辺(32S)と第1の辺(26S)の間の台形の底角であり、nは、基部(24)の屈折率であり、Aは台形の上辺(30S)の長さであり、かつ



    である請求項1に記載のキュベット(10)。
  3. 下辺の反射角δ=90°−(β+γ)は、arcsin(1/n)より大きく、nは基部(24)の屈折率であり、かつ



    である請求項1または2に記載のキュベット(10)。
  4. 励起辺の反射角ε=90°−(β−γ)はarcsin(1/n)より大きく、nは基部(24)の屈折率であり、かつ


    である請求項1から3のいずれか一項に記載のキュベット(10)。
  5. 台形は、実質的に、高さHおよび幅AおよびA/H≒nを有する長方形である請求項1から4のいずれか一項に記載のキュベット(10)。
  6. ウェル部(18)および基部(24)は、好ましくはPMMA、ポリスチレン、ポリカーボネート、SAN、シクロコポリマオレフィン、またはポリオレフィンを含むレジン材料で一体形成される請求項1から5のいずれか一項に記載のキュベット(10)。
  7. キュベット(10)は複数のウェル(20)を備える請求項1から6のいずれか一項に記載のキュベット(10)。
  8. 励起面(30)が親水性である請求項1から7のいずれか一項に記載のキュベット。
  9. 励起面(30)は少なくとも部分的に親水性化合物で被覆される請求項1から7のいずれか一項に記載のキュベット。
  10. 反応相手R1としての化合物は、任意選択で被覆した励起面(30)に固定化され、前記反応相手R1は、反応相手R2としての定量する物質に対する親和力を有する請求項1から9のいずれか一項に記載のキュベット。
  11. 前記反応相手R2は、蛍光体を含む部分を含む請求項10に記載のキュベット。
  12. 反応相手R1としての化合物のための固定用化合物が、任意選択で被覆した励起面(30)に固定化され、前記反応相手R1は、反応相手R2としての定量する物質に対する親和力を有する請求項1から9のいずれか一項に記載のキュベット。
  13. 前記反応相手R1または前記固定用化合物は凍結乾燥形態で存在する請求項10から12のいずれか一項に記載のキュベット。
  14. 前記凍結乾燥した反応相手R1または前記凍結乾燥した固定用化合物は、1つまたは複数の緩衝化合物、1つまたは複数のタンパク質性化合物、1つまたは複数の親水性化合物または1つまたは複数の錯化剤/抗凝固剤、および任意選択で静菌性化合物、またはこれらの成分の1つまたは複数を含む混合物を含む凍結乾燥したスペーサ層によって覆われる請求項13に記載のキュベット。
  15. 前記凍結乾燥したスペーサ層は、
    (A)反応相手R1を励起面(30)に固定化した場合には、蛍光体を含む化合物または反応相手R3としての化合物またはそれらの混合物、または
    (B)前記固定用化合物を励起面(30)に固定化した場合には、反応相手R1、または蛍光体を含む化合物、または反応相手R3としての化合物、またはこれらの2つまたは3つを含むそれらの混合物
    のいずれかを含む凍結乾燥物によって覆われ、
    前記反応相手R3は、反応相手R2としての定量する物質に対する親和力を有し、前記反応相手R3は、任選択で蛍光体を含む部分を含み、前記蛍光体を含む化合物は、反応相手R2または反応相手R3に対する親和力を有する請求項14に記載のキュベット。
  16. 請求項10から15のいずれか一項に記載のキュベットの作製プロセスであって、
    (a)請求項1から9のいずれか一項に定義した励起面(30)またはキュベットの上に反応相手R1または前記固定用化合物を固定化するステップ
    を含むプロセス。
  17. さらに、(b)1つまたは複数の緩衝化合物、1つまたは複数のタンパク質性化合物、1つまたは複数の親水性化合物または1つまたは複数の錯化剤/抗凝固剤、および任意選択で静菌性化合物、またはこれらの成分の1つまたは複数を含む混合物を含む凍結可能な溶液Iを、前記固定化した反応相手R1または前記固定化した固定用化合物の上に塗布するステップと、
    (c)前記溶液Iを凍結して凍結スペーサ層を得るステップと
    を含む請求項16に記載のプロセス。
  18. ステップ(c)の後に、凍結した溶液Iを凍結乾燥する請求項17に記載のプロセス。
  19. (A)反応相手R1を励起面(30)に固定化した場合には、蛍光体を含む化合物または反応相手R3としての化合物またはそれらの混合物、または(B)前記固定用化合物を励起面(30)に固定化した場合には、反応相手R1、または蛍光体を含む化合物、または反応相手R3としての化合物、またはこれらの2つまたは3つを含むそれらの混合物、のいずれかを含む凍結可能な溶液IIを、前記凍結スペーサ層の上に塗布するステップと、
    (e)前記溶液IIを凍結して、凍結した溶液Iの上に凍結した溶液IIを得るステップと、
    (f)キュベット中の凍結内容物を凍結乾燥して凍結乾燥物を得るステップと
    をさらに含む請求項17に記載のプロセス。
  20. 医学的または獣医学的診断、食物分析、環境分析、化学的または生化学的分析、または発酵プロセスの分析における請求項1から15のいずれか一項に記載のキュベットの使用方法。
  21. 免疫反応を介した物質の質的および/または量的な判定のための請求項1から15のいずれか一項に記載のキュベットの使用方法。
  22. 免疫反応を介した物質の質的および/または量的な判定のための請求項10から13のいずれか一項に記載のキュベットの使用であって、
    固定化した反応相手R1、または固定化した固定用化合物、または凍結乾燥したスペーサ層と接触させて、反応相手R2としての定量対象の物質と、(A)反応相手R1を励起面(30)に固定化した場合には、蛍光体を含む化合物、または反応相手R3としての化合物、またはそれらの混合物、または(B)前記固定用化合物を励起面(30)に固定化した場合には、反応相手R1、または蛍光体を含む化合物、または反応相手R3としての化合物、またはこれらの2つまたは3つを含むそれらの混合物、のいずれかとを含む溶液を配置するステップであって、固定化された反応相手R1または固定化された固定用化合物の上に錯体が形成され、前記錯体は、
    (i)反応相手R1、およびそこに共役した蛍光体を含む部分または蛍光体を含む化合物を含む反応相手R2、または
    (ii)反応相手R1、反応相手R2、およびそこに共役した蛍光体を含む部分または蛍光体を含む化合物を含む反応相手R3、または
    (iii)反応相手R1、反応相手R2、反応相手R3、および蛍光体を含む化合物、または
    (iv)固定用化合物、反応相手R1、およびそこに共役した蛍光体を含む部分または蛍光体を含む化合物を含む反応相手R2、または
    (v)固定用化合物、反応相手R1、反応相手R2、およびそこに共役した蛍光体を含む部分または蛍光体を含む化合物を含む反応相手R3、または
    (vi)固定用化合物、反応相手R1、反応相手R2、反応相手R3、および蛍光体を含む化合物
    のいずれかを含むステップと、
    前記錯体を介して励起面(30)に結合した蛍光体を光源のエバネッセント場によって励起し、生じる蛍光を測定するステップと
    を含むキュベットの使用方法。
  23. 免疫反応を介した物質の質的および/または量的な判定のための請求項15に記載のキュベットの使用であって、
    キュベット中の凍結乾燥した内容物と接触させて、反応相手R2としての定量する物質を含む溶液を配置するステップであって、固定化した反応相手R1または固定化した固定用化合物の上に錯体が形成され、前記錯体は、
    (i)反応相手R1、およびそこに共役した蛍光体を含む部分または蛍光体を含む化合物を含む反応相手R2、または
    (ii)反応相手R1、反応相手R2、およびそこに共役した蛍光体を含む部分または蛍光体を含む化合物を含む反応相手R3、または
    (iii)反応相手R1、反応相手R2、反応相手R3、および蛍光体を含む化合物、または
    (iv)固定用化合物、反応相手R1、およびそこに共役した蛍光体を含む部分または蛍光体を含む化合物を含む反応相手R2、または
    (v)固定用化合物、反応相手R1、反応相手R2、およびそこに共役した蛍光体を含む部分または蛍光体を含む化合物を含む反応相手R3、または
    (vi)固定用化合物、反応相手R1、反応相手R2、反応相手R3、および蛍光体を含む化合物
    のいずれかを含むステップと、
    前記錯体を介して励起面(30)に結合した蛍光体を光源のエバネッセント場によって励起し、生じる蛍光を測定するステップと
    を含むキュベットの使用方法。
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