JP3668604B2 - 固体撮像素子およびこれを用いた画像システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は固体撮像素子およびこれを用いた画像システムに係り、特にエリアセンサ部およびアナログ信号処理部またはディジタル信号処理部を少なくとも1つの半導体チップまたはモジュールに搭載するようにした固体撮像素子およびこれを用いた画像システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
固体撮像素子を用いた従来の画像入力システムは、動画像をテープに記録するビデオカメラや監視カメラ、ビデオフロッピーディスクやディジタルメモリ媒体に静止画像を記録する電子カメラシステム、工業用のカメラなどで使用されており、その殆どがエリア電荷結合素子(以下、CCD−Charge Coupled Device −と略記する。)センサを使用している。
【0003】
このエリアCCDセンサは、画素対応の光電変換素子を2次元に配列した光電変換部を持ち、この光電変換部に光学像を結像させることにより、当該光電変換部にて電荷となった信号を垂直転送CCDと水平転送CCDで、各画素の信号を順次読み出していくタイプである。
【0004】
上記エリアCCDセンサ以外の固体撮像素子も提案されており、その1つとして、MOS(Metal-Oxide Semiconductor −金属酸化膜半導体−)を用いたMOS型センサがある。MOS型センサは、垂直および水平転送にCCDを使用せず、メモリデバイスのようにアルミ線などで構成される選択線を含む画素選択部により選択された画素が、読み出し線により読み出されるものである。MOS型センサは、一時期、ビデオカメラに搭載されて商品化されたこともあったが、CCDセンサと比較するとノイズが大きいため、現在では固体撮像素子の殆どがCCDセンサにより製造されている。
【0005】
しかしながら、MOS型センサは、CCDセンサが備えていない特徴も備えている。例えば、CCDセンサがマルチ電源駆動であるのに対して、MOS型センサは、シングル電源駆動であるという点である。つまり、CCDセンサを駆動するには、たとえば+20[V]、+15[V]、−10[V]などのように、電極特性や値の異なる複数の電源電位を必要とするのに比べて、MOS型センサは、例えば+5[V]の単一電源を用いている。このように、MOS型センサによれば必要な電源電位が一つで済み、増幅回路や制御回路などの撮像システムを構成する他の回路と同じ電源電圧が使用できるので、電源の供給数を減らすことができる。
【0006】
また、MOS型センサは、駆動電源が単一であるばかりでなく、駆動電力も上記の例のように+5[V]で充分であるために、CCDセンサに比べてセンサ全体が消費する電力の総量も小さくなっている。
【0007】
さらに、MOS型センサのもう一つの特徴は、センサ上に同じMOS回路製造プロセスを用いてエリアセンサ以外の論理回路やアナログ回路、アナログデジタル変換回路などを形成し易いという点である。MOS型センサ製造時に、MOS型センサ上に、周辺回路や他の関連回路などを一緒に作成してしまうことの容易さは、良く知られており、その例として、試作品も学会において発表されている(例えば、1996年ISSCC)。近年、このMOS型センサの製造プロセスとして多くの開発メーカで採用されているのは、CMOSプロセスであり、一般にCMOS型センサと呼ばれている。
【0008】
このように、MOS型センサは、CCDセンサにない特徴があるが、これらの特徴を生かすには、使用されるシステムに適したセンサ内の回路構成や、他の回路部とのインターフェイスが必要となる。例えば、インターフェイスを適正なものにしないと、ピン数が多くなり、センサのチップ面積が大きくなったり、パッケージが大きくなり、コストが高くなる。
【0009】
一方、TV会議やTV電話などの画像圧縮技術が規格化されているが、パーソナルコンピュータ(パソコン)やパソコン通信の普及に伴い、パーソナルコンピュータを使用したデスクトップ会議が実現されつつあり、これにも画像圧縮技術が利用されている。
【0010】
これらの画像システムの画像取り込み部には、ビデオカメラレコーダや小型ビデオカメラが利用されている。これらのカメラ出力は、いまだアナログビデオ出力であるが、今後パーソナルコンピュータとデジタル直結、あるいはカメラを内蔵するパーソナルコンピュータが当たり前のことになる時代が来ることが予想できる。このような用途の撮像素子として、撮像処理回路を搭載した固体撮像素子があれば、部品の削減につながり、コストダウンとなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように、固体撮像素子としてのMOS型センサはノイズの点を除けば、CCDセンサに比べて利点が多く、ノイズ対策技術の進展に伴って、再び脚光を集めようとしてしている。そして、MOS型センサを撮像デバイスとして用いる場合に、単に、撮像デバイスとしての機能ばかりでなく、画像データ変換などの機能をMOS回路で当該MOS型センサの同一チップ上に作り込んでおくようにすれば、処理結果のみを利用することができるようになり、現在、周辺回路で行なう構成としていた分、MOS型センサを対応した実システムの設計や製造において、負担が軽減される。
【0012】
つまり、撮像素子として、撮像処理回路を搭載した固体撮像素子があれば、部品の削減につながり、コストダウンとなる。
【0013】
しかし、MOS型センサのチップ上にこれら撮像処理回路を単に作り込んでも、そのチップをシステムに応用する場合に、使い勝手の点で問題を残す。例えば、機能をユーザの要求する仕様に基づいて設計すれば、単機能の素子となってしまい、専用デバイスつまり、特定用途向けデバイスに近いものになって汎用性が失われる。
【0014】
情報化社会、マルチメディア全盛の現在の社会背景を考慮すると、画像処理の用途は、今後、種々の分野で必要とされるものであり、また、省スペース、省エネルギが叫ばれる中、機能素子も小型、低消費電力化を図る必要性から、これらを踏まえた要求を満たすことの可能なMOS型センサ応用の高機能、高汎用性固体撮像素子の出現は急務である。
【0015】
そこで、この発明の目的とするところは、小型であり、しかも、高機能、高汎用性を有すると共に、省エネルギ化の可能なMOS型センサ応用の固体撮像素子を提供することにある。また、この固体撮像素子を使用した画像システムを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の構成に係る固体撮像素子は、光電変換を行なう画素が行方向および列方向にそれぞれ複数配置されたエリアセンサ部と、前記行方向および列方向を同期させて前記エリアセンサ部を構成する複数の画素の中から特定の画素を選択して光電変換されたアナログ画像情報を順次に読み出す画素選択部と、前記画素から順次に読み出された前記アナログ画像信号を順次に信号処理するアナログ信号処理部と、前記アナログ信号処理部より出力されたアナログ画像信号を外部に出力する出力部と、外部から入力可能なコマンド信号に対応して生成されたタイミング信号に従って光電変換された前記アナログ画像情報を電荷として読み出すことにより前記出力部からの前記アナログ画像信号の出力を操作するインターフェイス部と、を備え、前記エリアセンサ部、画素選択部、アナログ信号処理部、出力部、インターフェイス部が単一の半導体チップとして構成されていると共に、前記画素選択部はブランキングを含む画像信号を生成する第1の信号生成手段とブランキングを含まない画像信号を生成する第2の信号生成手段とを備え、前記インターフェイス部は外部に出力される画像信号を変更できるように前記第1の信号生成手段と第2の信号生成手段を前記コマンド信号により選択するモード選択手段を備え、前記出力部は前記画像信号に同期信号を付加するか付加しないかを選択可能な選択回路を備え、前記インターフェイス部は外部に出力する画像信号を変更できるように前記コマンド信号により前記出力部の前記同期信号の有無を選択する画像信号変更手段を備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の第2の構成に係る固体撮像素子は、光電変換を行なう画素が行方向および列方向にそれぞれ複数配置されたエリアセンサ部と、前記行方向および列方向を同期させて前記エリアセンサ部を構成する複数の画素の中から特定の画素を選択して光電変換されたアナログ画像情報を順次に読み出す画素選択部と、前記画素から順次に読み出された前記アナログ画像信号を順次に信号処理するアナログ信号処理部と、前記アナログ信号処理部より出力されたアナログ画像信号を外部に出力する出力部と、外部から入力可能なコマンド信号に対応して生成されたタイミング信号に従って光電変換された前記アナログ画像情報を電荷として読み出すことにより前記出力部からの前記アナログ画像信号の出力を操作するインターフェイス部と、を備え、さらに、信号変換された前記アナログ画像信号をディジタル画像信号に変換するアナログ−ディジタル変換部と、このディジタル画像信号を所望の信号形式のディジタル画像データとするために信号処理を行なうディジタル信号処理部と、を備え、かつ、前記インターフェイスが前記アナログ画像信号と前記ディジタル画像信号との両者の出力を操作すると共に、前記エリアセンサ部、画素選択部、アナログ信号処理部、出力部、アナログ−ディジタル変換部、ディジタル信号処理部およびインターフェイス部が単一の半導体チップとして構成され、前記ディジタル信号処理部は複数のフィルタ信号処理手段を備え、前記インターフェイス部は外部に出力される前記ディジタル画像信号を変更できるように前記ディジタル信号処理部における前記複数のフィルタ信号処理手段の中から最適なフィルタ信号処理手段を前記コマンド信号により選択する選択手段を備え、前記画素選択部はブランキングを含む画像信号を生成する第1の信号生成手段とブランキングを含まない画像信号を生成する第2の信号生成手段とを備え、前記インターフェイス部は外部に出力される画像信号を変更できるように前記第1の信号生成手段と第2の信号生成手段を前記コマンド信号により選択するモード選択手段を備え、前記出力部は前記画像信号に同期信号を付加するか付加しないかを選択可能な選択回路を備え、前記インターフェイス部は外部に出力する画像信号を変更できるように前記コマンド信号により前記出力部の前記同期信号の有無を選択する画像信号変更手段を備えることを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明の第3の構成に係る固体撮像素子は、光電変換を行なう画素が行方向および列方向にそれぞれ複数配置されたエリアセンサ部と、前記行方向および列方向を同期させて前記エリアセンサ部を構成する複数の画素の中から特定の画素を選択して光電変換されたアナログ画像情報を順次に読み出す画素選択部と、前記画素から順次に読み出された前記アナログ画像信号を順次に信号処理するアナログ信号処理部と、信号処理された前記アナログ画像信号をディジタル画像信号に変換するアナログ−ディジタル変換部と、このディジタル画像信号を所定の信号形式のディジタル画像データとするために信号処理を行なうディジタル信号処理部と、外部から入力可能なコマンド信号に対応して生成されたタイミング信号に従って光電変換された前記アナログ画像情報を電荷として読み出すことにより前記出力部からの前記アナログ画像信号の出力を操作するインターフェイス部と、を備え、前記エリアセンサ部、画素選択部、アナログ信号処理部、アナログ−ディジタル変換部、ディジタル信号処理部、インターフェイス部が単一の半導体チップとして構成され、前記ディジタル信号処理部は複数のフィルタ信号処理手段を備え、前記インターフェイス部は外部に出力される前記ディジタル画像信号を変更できるように前記ディジタル信号処理部における前記複数のフィルタ信号処理手段の中から最適なフィルタ信号処理手段を前記コマンド信号により選択する選択手段を備え、前記画素選択部はブランキングを含む画像信号を生成する第1の信号生成手段とブランキングを含まない画像信号を生成する第2の信号生成手段とを備え、前記インターフェイス部は外部に出力される画像信号を変更できるように前記第1の信号生成手段と第2の信号生成手段を前記コマンド信号により選択するモード選択手段を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明の第4の構成に係る画像通信システムは、光電変換を行なう画素が行方向および列方向にそれぞれ複数配置されたエリアセンサ部と、前記行方向および列方向を同期させて前記エリアセンサ部を構成する複数の画素の中から特定の画素を選択して光電変換されたアナログ画像情報を順次に読み出す画素選択部と、前記画素から順次に読み出された前記アナログ画像信号を順次に信号処理するアナログ信号処理部と、前記アナログ信号処理部より出力されたアナログ画像信号を外部に出力する出力部と、外部から入力可能なコマンド信号に対応して生成されたタイミング信号に従って光電変換された前記アナログ画像情報を電荷として読み出すことにより前記出力部からの前記アナログ画像信号の出力を操作するインターフェイス部と、を備え、前記エリアセンサ部、画素選択部、アナログ信号処理部、出力部、インターフェイス部が単一の半導体チップとして構成されると共に、前記画素選択部はブランキングを含む画像信号を生成する第1の信号生成手段とブランキングを含まない画像信号を生成する第2の信号生成手段とを備え、前記インターフェイス部は外部に出力される画像信号を変更できるように前記第1の信号生成手段と第2の信号生成手段を前記コマンド信号により選択するモード選択手段を備え、前記出力部は前記画像信号に同期信号を付加するか付加しないかを選択可能な選択回路を備え、前記インターフェイス部は外部に出力する画像信号を変更できるように前記コマンド信号により前記出力部の前記同期信号の有無を選択する画像信号変更手段を備える固体撮像素子と、前記固体撮像素子を画像入力部として入力されたコマンド画像データを画像処理すると共に、この画像データの表示や送受信を制御する処理制御ユニットと、前記画像データを表示する表示ユニットと、前記画像データの送受信を外部機器との間で行なう通信ユニットと、を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明の第5の構成に係る画像通信システムは、光電変換を行なう画素が行方向および列方向にそれぞれ複数配置されたエリアセンサ部と、前記行方向および列方向を同期させて前記エリアセンサ部を構成する複数の画素の中から特定の画素を選択して光電変換されたアナログ画像情報を順次に読み出す画素選択部と、前記画素から順次に読み出された前記アナログ画像信号を順次に信号処理するアナログ信号処理部と、前記アナログ信号処理部より出力されたアナログ画像信号を外部に出力する出力部と、外部から入力可能なコマンド信号に対応して生成されたタイミング信号に従って光電変換された前記アナログ画像情報を電荷として読み出すことにより前記出力部からの前記アナログ画像信号の出力を操作するインターフェイス部と、を備え、さらに、信号変換された前記アナログ画像信号をディジタル画像信号に変換するアナログ−ディジタル変換部と、このディジタル画像信号を所望の信号形式のディジタル画像データとするために信号処理を行なうディジタル信号処理部と、を備え、かつ、前記インターフェイスが前記アナログ画像信号と前記ディジタル画像信号との両者の出力を操作すると共に、前記エリアセンサ部、画素選択部、アナログ信号処理部、出力部、アナログ−ディジタル変換部、ディジタル信号処理部およびインターフェイス部が単一の半導体チップとして構成され、前記ディジタル信号処理部は複数のフィルタ信号処理手段を備え、前記インターフェイス部は外部に出力される前記ディジタル画像信号を変更できるように前記ディジタル信号処理部における前記複数のフィルタ信号処理手段の中から最適なフィルタ信号処理手段を前記コマンド信号により選択する選択手段を備え、前記画素選択部はブランキングを含む画像信号を生成する第1の信号生成手段とブランキングを含まない画像信号を生成する第2の信号生成手段を備え、前記インターフェイス部は外部に出力される画像信号を変更できるように前記第1の信号生成手段と第2の信号生成手段を前記コマンド信号により選択するモード選択手段を備え、前記出力部は前記画像信号に同期信号を付加するか付加しないかを選択可能な選択回路を備え、前記インターフェイス部は外部に出力する画像信号を変更できるように前記コマンド信号により前記出力部の前記同期信号の有無を選択する画像変更手段を備える固体撮像素子と、前記固体撮像素子を画像入力部として入力されたコマンド画像データを画像処理すると共に、この画像データの表示や送受信を制御する処理制御ユニットと、前記画像データを表示する表示ユニットと、前記画像データの送受信を外部機器との間で行なう通信ユニットと、を備えることを特徴とする。
【0021】
本発明の第6の構成に係る画像通信システムは、光電変換を行なう画素が行方向および列方向にそれぞれ複数配置されたエリアセンサ部と、前記行方向および列方向を同期させて前記エリアセンサ部を構成する複数の画素の中から特定の画素を選択して光電変換されたアナログ画像情報を順次に読み出す画素選択部と、前記画素から順次に読み出された前記アナログ画像信号を順次に信号処理するアナログ信号処理部と、信号処理された前記アナログ画像信号をディジタル画像信号に変換するアナログ−ディジタル変換部と、このディジタル画像信号を所定の信号形式のディジタル画像データとするために信号処理を行なうディジタル信号処理部と、外部から入力可能なコマンド信号に対応して生成されたタイミング信号に従って光電変換された前記アナログ画像情報を電荷として読み出すことにより前記出力部からの前記アナログ画像信号の出力を操作するインターフェイス部と、を備え、前記エリアセンサ部、画素選択部、アナログ信号処理部、アナログ−ディジタル変換部、ディジタル信号処理部、インターフェイス部が単一の半導体チップとして構成され、さらに、前記ディジタル信号処理部は複数のフィルタ信号処理手段を備え、前記インターフェイス部は外部に出力される前記ディジタル画像信号を変更できるように前記ディジタル信号処理部における前記複数のフィルタ信号処理手段の中から最適なフィルタ信号処理手段を前記コマンド信号により選択する選択手段を備え、前記画素選択部はブランキングを含む画像信号を生成する第1の信号生成手段とブランキングを含まない画像信号を生成する第2の信号生成手段とを備え、前記インターフェイス部は外部に出力される画像信号を変更できるように前記第1の信号生成手段と第2の信号生成手段を前記コマンド信号により選択するモード選択手段を備える固体撮像素子と、前記固体撮像素子を画像入力部として入力されたコマンド画像データを画像処理すると共に、この画像データの表示や送受信を制御する処理制御ユニットと、前記画像データを表示する表示ユニットと、前記画像データの送受信を外部機器との間で行なう通信ユニットと、を備えることを特徴とする。
【0026】
以上のように、本発明に係る固体撮像素子は、光電変換を行なう画素を2次元状に配列したエリアセンサ部と、このエリアセンサ部の画素を選択し、画像信号を読み出す画素選択部と、画素から読み出した画像信号を信号処理するアナログ信号処理部と、この処理された信号をディジタル信号に変換するアナログ−ディジタル変換部と、このデジタル信号を所望の信号形式のディジタル信号にするために信号処理するディジタル信号処理部と、このディジタル信号を外部に出力すると共に、外部からのコマンド信号の入力が可能で、かつ、コマンド対応の操作をインターフェイス部と、を備えているものである。
【0027】
本発明は、撮像素子内のセンサ部の画素選択回路や信号処理回路の構成において、複数の画素読み出しモード、あるいは複数の信号処理モード、あるいは複数の信号出力形式モードを持ち、撮像素子が外部からのコマンドを入力するインターフェイス部を設けることにより、これらのモードを切り替え、撮像素子を用いるシステムに応じた、あるいは必要な、あるいは有益な出力を出すことができるものである。
【0028】
撮像素子に設けられた端子により、撮像素子を用いる画像システムは、コマンドを撮像素子に入力できる。このコマンドに沿って、撮像素子は、画像システムが要求する出力データの形式を出力する。
【0029】
【発明の実施形態の形態】
以下、本発明に係る固体撮像装置およびこれを用いた映像システムの実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の基本概念としての第1実施形態に係る固体撮像素子を示すブロック説明図である。図1において、固体撮像素子1は、光電変換を行なう画素が行方向および列方向にそれぞれ複数配置されたエリアセンサ部2と、行方向および列方向を同期させることによりエリアセンサ部2を構成する複数の画素の中から特定の画素を選択して光電変換されたアナログ画像信号を順次に読み出す画素選択部10と、画素から順次に読み出されたアナログ画像信号を順次に信号処理するアナログ信号処理部3と、前記アナログ信号処理部3より出力されたアナログ画像信号を外部に出力する出力部4と、外部から入力可能なコマンド信号に対応して生成されたタイミング信号に従って光電変換された前記アナログ画像情報を電荷として読み出すことにより前記出力部4からの前記アナログ画像信号の出力を操作するインターフェイス部5と、を備えており、エリアセンサ部2、画素選択部10、アナログ信号処理部3、出力部4、インターフェイス部5が単一の半導体チップとして構成されている。
【0030】
画素選択部10は、垂直方向に配列された画素の位置を特定する垂直走査部11と、水平方向に配列された画素の位置を特定する水平走査部12と、垂直方向および水平方向の走査を同期させるためのタイミングを発生させるタイミング発生部13と、を備えている。
【0031】
上記基本構成を備える第1実施形態に係る固体撮像素子は、図示されない光学システム等によって結像された光学像をエリアセンサ部2で捉えて光電変換を行ない、画素選択部10により垂直方向および水平方向に順次に画素の蓄積する電荷を読取ることによりアナログ信号を生成してこのアナログ信号をアナログ信号処理部3により信号処理してアナログ映像信号とし、例えば出力アンプ等の出力部4において増幅した後、アナログ映像端子を介して外部に映像を導き出している。インターフェイス部5は、この基本構成にあっては、外部より入力されるコマンド信号に基づいてタイミング発生部13に所望のタイミングのクロック信号を発生させるために用いられている。
【0032】
上述の基本構成に係る固体撮像素子は、あくまでもアナログ映像信号のみを外部に取り出すために用いられているが、今後のディジタル化時代においては、アナログ映像を取出すよりもディジタル画像データを処理することが要求されている。したがって、アナログ信号処理部3より出力されたアナログ映像信号を増幅する出力部4を設けることなく、アナログ映像信号をディジタル画像データに変換するアナログ−ディジタル変換部6と、変換されたディジタル画像データを信号処理するディジタル信号処理部7と、を設け、更にコマンド信号を入力するインターフェイス部5をディジタル信号処理部7の出力を導入した後、このインターフェイス部5を介してディジタル画像データを出力端子より出力させるように構成しても良い。
【0033】
また、上述のようにアナログ信号とディジタルデータとのどちらか一方を択一的に取出すのではなく、アナログ映像信号とディジタル画像データとの両方を個別に取出すようにしても良い。何れにしても、本発明の第1実施形態においてはエリアセンサ部とこれに付随する映像信号または画像データを取出すための回路構成とをMOS型半導体チップにより1チップ化または1モジュール化するようにして、固体撮像素子の小型化と高機能化とを図っている。
【0034】
次に、映像信号と画像データとの両方を同時に取出すように構成した第2実施形態に係るMOS型固体撮像素子について図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の第2実施形態に係る固体撮像素子の概略的な内部構成を示したブロック図である。図2において、1はMOS型固体撮像素子を示しており、図2に示すように、撮像素子1内には、エリアセンサ部2、タイミング発生部13のタイミングにより画素の出力を選択する垂直走査部11および水平走査部12、アナログ信号処理部3、検出された信号のアナログ−デジタル変換を行なうアナログ−ディジタル変換部6、ディジタル化された信号を出力信号に変換するディジタル信号処理部7、ディジタル画像データを外部に出力し、また外部からのコマンドデータを受け取るインターフェイス部5、アナログ信号処理部からの信号を外部に出力する出力アンプ4が設けられている。
【0035】
エリアセンサ部2は上述したMOS型センサであり、垂直走査部11はエリアセンサ部2を垂直走査制御するためのものであり、例えばCMOSプロセスにより形成される。水平走査部12はエリアセンサ部2を水平走査制御するためのものであり、これらはタイミング発生部13の出力信号に基づいて所要の走査制御をする構成である。
【0036】
タイミング発生部13は、外部からの信号を元に、各画素で光電変換された画像信号を読み出すためのタイミング信号を生成し、垂直および水平走査部11および12が、このタイミング信号に従って、画素内で光電変換された電荷を読み出している。またA−D変換部6、ディジタル信号処理部7、インターフェイス部5において変換や処理のために必要なタイミング信号も生成している。外部からの信号には、基準周波数であるマスタークロック、あるいは同期信号、あるいはその両者が考えられる。
【0037】
アナログ信号処理部3は、エリアセンサ部2から読み出された映像信号を所要の信号処理をしてA−D変換部6に出力するためのものであり、例えばノイズ低減や、増幅、ガンマ処理やクランプ処理などを行なう。A−D変換部6はこの映像信号をディジタル画像データに変換する。
【0038】
ディジタル信号処理部7は、このA−D変換部6においてディジタル変換された画像データ、すなわち画素配列信号から、外部出力に適した出力信号へ変換する。たとえばNTSCやPALなどのビデオ規格信号、輝度信号、RGB信号、輝度色差信号(YCrCb,YUV)などが考えられる。
【0039】
さらにこれらの信号を元に、信号処理することも考えられる。たとえば、輝度色差信号を元として、JPEGに代表される静止画データ圧縮処理、H.261やH.263などの会議用途向け動画処理、MPEG1やMPEG2、および現在、規格が審議中のMPEG4の信号処理などを施すことが可能である。またアナログ信号処理部3でなく、ディジタル信号処理部7でガンマ処理を行なうことも考えられる。
【0040】
ディジタル信号処理部7で処理されたディジタル画像データは、インターフェイス部5より固体撮像素子1の外部に出力される。これとは別にアナログ信号処理部3からのビデオ信号は、出力アンプ4にも導出されており、出力アンプ4よりアナログ映像信号として外部に出力されている。
【0041】
この第2実施形態で重要なことは、本固体撮像素子は、外部からコマンド入力を行なうことができ、コマンド対応に撮像素子1のモードや出力信号形式をコントロールできるようにしている点である。そのために設けられたものが、インターフェイス部5であり、外部からこのインターフェイス部5に所定のコマンドを与えると、インターフェイス部5は受けたコマンド対応の制御を行なうように各種構成要素の制御を実施する。
【0042】
以下、コマンドによる撮像素子出力信号形式の切り替えについて第3実施形態以下の具体例により詳細に説明する。
【0043】
第1の具体例としての第3実施形態に係る固体撮像素子は、この撮像素子の出力にブランキング部が有る形式と、ブランキング部が無い形式を持っており、これをコマンドで切り替えることができるようにした例である。図3は、ブランキングの有る形式を示しており、図3の下側の波形は、出力アンプ4より出力されるアナログ映像信号であり、図3の上側はインターフェイス部5より出力されるディジタル画像データを示しており、両者の時間軸は同じである。一般に、ビデオ信号をモニタに出力する場合には、ブランキング部が走査ビームの帰線期間として必要である。また、アナログ信号入力仕様のビデオキャプチャーボードを介してパーソナルコンピュータ(以下、パソコン)に画像を取り込む場合には、入力信号が、キャプチャーボードが定めたビデオ信号に則した信号である必要があり、通常ブランキング部を有する信号が用いられている。
【0044】
しかし、パソコンへ直接ディジタルデータとして入力する場合には、有効画像データのないブランキング期間は必ずしも必要ではなく、これを省いた方が、余分な時間がかからず、その後の処理が速くなる。図4は、図3に示されるブランキング期間を省いた時の波形と対応するディジタルデータの様子を示している。ブランキング期間が有るか無いかを切り替えることができるようにすれば、この撮像素子を使用するシステムにあわせて、切り替えることができ、それぞれ専用の撮像素子を使用する必要がなくなり、これは結果的にコストダウンになる。
【0045】
また、ブランキング期間が無い状態に固定してしか使用しない場合であっても撮像素子の出荷テストにおいて、これまでのブランキング期間が有る波形用の測定装置が使用できるので有益である。図5および図6は、垂直部分のブランキング期間の有無の様子を示している。図5の下側の波形は、出力アンプ4の出力であるアナログ映像信号を示し、図5の上側は、インターフェイス部5のディジタル画像データの出力を示している。図6の下側の波形は、垂直ブランキング部を省いたときのアナログ映像信号を示し、図6の上側はディジタル画像データを示している。このように、ブランキング期間が有るモードと無いモードとを持たせるようにして、これを切り替えるには、例えば図7に示すように、タイミング発生部13を構成すれば良い。
【0046】
図7において、タイミング発生部13は、入力されたクロック同期信号に基づいてブランキング期間有タイミング信号を生成するブランキング期間有タイミング信号生成回路14と、入力されたクロック信号に基づいてブランキング無タイミング信号を生成するブランキング無タイミング信号生成回路15と、インターフェイス部5からの切り替えコマンドにより、ブランキング有タイミング信号とブランキング無タイミング信号とを切り替えるスイッチ16と、切り替えられたモードにより垂直走査信号を発生させる垂直走査信号発生回路17と、切り替えられたモードにより水平走査信号を発生させる水平走査信号発生回路18と、を備えている。このように、タイミング発生回路13を構成することにより、垂直走査信号および水平走査信号に、ブランキング期間がそれぞれ有る場合と無い場合とを選択することができる。なお、インターフェイス部からの切り替えコマンドは、撮像素子を用いるシステムが、撮像素子に与えたコマンドである。この切り替えは、撮像素子の端子の設定(HかL)により行なうようにしてもよい。
【0047】
上記第3実施形態に係る固体撮像素子においては、このブランキング有り無しの設定を、図2に示すディジタル出力とアナログ出力の両方を有する撮像素子に適用する例をあげたが、どちらか一方の出力を持つ素子でも有効である。すなわち、図8に示すように、ディジタル画像データのみ出力されている場合には、図1および図2に示される出力アンプ4とアナログ映像信号出力端子が設けられていないだけであり、その他の構成は図1および図2と同じである。図3、図4、図5、図6に示される波形は、それぞれの図の上側に示されているディジタル画像データのみの出力となる。
【0048】
一方、アナログ映像信号の出力だけを有する場合には、図9に示される第4実施形態に係る固体撮像素子の構成となる。図9において、固体撮像素子1Aは、図2に示されるA−D変換部6、ディジタル信号処理部7が設けられておらず、インターフェイス部5は外部からのコマンド入力のみとなる。図3、図4、図5および図6のそれぞれ下側に示されるアナログ映像出力のみを出力する。また、図3および図5の下側に示されるアナログ映像信号における同期信号がない場合も考えられる。
【0049】
次に、コマンドによる切替えの第2の具体例としての第5実施形態に係る固体撮像素子について図10を参照しながら説明する。コマンド切替えの第2の具体例は、図10に示すように、同期信号のあるアナログ映像信号と同期信号のないアナログ映像信号とを生成することである。同期信号は、機器間で映像信号のタイミングを取るために必要なものだが、他に同期をとる手段がある場合には、必ずしもアナログ映像信号に同期信号をのせる必要はない。このように同期信号を省くことにより、ダイナミックレンジがより有効に利用されることになるので、SN比の改善になる。
【0050】
図10においては、水平ブランキング期間に水平同期信号があるアナログの映像信号と、水平同期信号がないアナログ映像信号を示した。この信号の選択は、図11に示すように、固体撮像素子のアナログ信号処理部3と、出力アンプ4との間に同期信号合成部19をおくことにより実現できる。同期信号合成部19はインターフェイス部5からの切替えコマンドに応じて、アナログ映像信号に同期信号を付加する。この図11の同期信号合成部19は、図2と図9に示される出力アンプ4を備える構成の撮像素子に対して応用が可能である。また図11に対応したディジタル画像データについても、同期信号の有り無しを設定することが考えられ、この場合は、図2または図8のディジタル信号処理部7を図12のような構成にすることによって達成される。図12において、ディジタル信号処理部7は、アナログ−ディジタル変換部6より入力されたディジタル画像信号を信号処理して画像データを生成する画像信号処理回路20と、この画像データに同期信号を付加する同期信号付加回路21と、同期信号が付加されていない画像データを同期信号が付加された画像データとを、インターフェイス部5からの切替えコマンドに基づいて切替えるスイッチ22と、を備えている。
【0051】
次に、コマンドによる切替えの第3の具体例としての第6実施形態に係る固体撮像素子について、図13ないし図15を参照しながら説明する。コマンド切替えの第3の具体例は、アナログ信号処理回路3に設けられたアナログアンプ23のゲインを外部からのアンプ切替えコマンドにより切替えて設定する例である。図1、図2、図8、図9に示されるアナログ信号処理部3には、アナログアンプが含まれており、これをゲイン変更可能なアナログアンプ23として、図13のような構成とし、外部からの変更コマンドにより変更する。これにより、暗い場所での映像入力においても、より鮮明な画像を得ることが可能となる。図1、図2あるいは図8の実際のアナログ信号処理部3の構成の例として、図14の回路構成例を説明する。エリアセンサ部2より出力された映像信号は、ノイズリダクション回路24によりノイズを減少させた後、アナログアンプ23により増幅され、ガンマ処理回路25に入力される。ガンマ処理回路25においてガンマ処理を受けた後、映像信号はクランプ回路26によりクランプされてA−D変換部6へ出力される。
【0052】
このように構成されたアナログ信号処理部に本第6実施形態を適用すると図15に示すようになる。すなわち、アナログアンプ23に対してアンプ切替えコマンドが入力されると、アナログアンプの増幅ゲインが切り替えられて、異なるゲインにより増幅度の異なるアナログ映像信号が出力されることになる。なお、アナログ・アンプの1種類としてAGC(オート・ゲイン・コントロール)アンプを用いてもよい。この場合は、出力レベルの設定を変える。また、図9に示す固体撮像素子へ応用した場合も、アナログ信号処理部の出力がアナログ−ディジタル変換部6へではなく出力アンプへ向かう以外の構成は、同じである。なお、図14および図15におけるガンマ処理回路25を省略するようにして、アナログアンプ23により増幅された映像信号を直接クランプ回路26へ供給するようにしてもよい。
【0053】
次に、コマンドによる切替えの第4の具体例としての第7実施形態に係る固体撮像素子について説明する。コマンド切替えの第4の具体例は、図2あるいは図8のディジタル信号処理部7における信号処理で用いているフィルタの切替えに関連する変更である。前述したようにディジタル信号処理部は、A−D変換部6より入力される画像データを、システムに適した画像信号に変換する。例えば、輝度信号と色差信号、RGB信号などであるが、これらの変換処理する場合に、帯域制限のフィルタを使用する場合がある。このフィルタを画像によって切替えることにすれば、画質を向上させることができる。
【0054】
例えば、図16に示す第7実施形態に係る固体撮像素子のディジタル信号処理部7のように、画像信号処理回路20と、3タップフィルタ27と、5タップフィルタ28と、インターフェイス部5からのフィルタ選択コマンドによりフィルタ27および28を切替えるスイッチ29と、を備えるようにしても良い。この例のように、フィルタの次数を3タップと5タップのものを用意しておき、処理速度を優先する場合は3タップ係数を選択し、画質を優先する場合には、5タップ係数を選択するようにすれば、所望の画質に応じたフィルタを用いることが可能となる。
【0055】
なお、この例では2種類であるが、複数のフィルタを用意することも可能であり、これを一般的に表わすと図17のようになる。図17において、ディジタル信号処理部7は、アナログ−ディジタル変換部6より入力された画像信号を信号処理する画像信号処理回路20と、第1,第2ないし第nのフィルタ8a,8bないし8nと、複数のフィルタ8aないし8nを選択する選択回路9と、を備えている。図16、図17ともインターフェイス部からのフィルタ選択コマンドによって、フィルタを選択することができる構成になっている。その他にも次のようなフィルタ切替えが考えられる。
【0056】
タップ数は同一としておいて、フィルタの係数を異ならせるように設定しておいて、これらのフィルタを切替えるようにしても良い。また、通常の画像生成のための帯域制限フィルタと、輪郭抽出のような特殊な画像生成のためのフィルタを用意しておいて、これらのフィルタを切替えるようにしても良い。さらに、1次元フィルタ,2次元フィルタ,3次元フィルタを用意しておいて、これらのフィルタを切替えるようにしても良い。さらに、通常のフィルタと撮像素子の画素欠陥を補正するフィルタとを用意しておいて、これらのフィルタを切替えて欠陥画素を補正するようにしても良い。なお、通常フィルタと欠陥補正フィルタとの切換えは、選択回路9により行なうのではなく、外部からのコマンドを両フィルタに供給して、このコマンドにより使用するフィルタを選択するようにしてもよい。
【0057】
最後に、上述の第1ないし第7実施形態に係るCMOS型固体撮像素子を用いた第8実施形態に係る画像システムについて図18を参照しながら説明する。図18は、本発明に係る撮像素子を用いた画像システムを携帯型情報機器に応用した場合のブロック図である。図18において、画像システム30は、例えば携帯型情報機器に適用されており、第1ないし第7実施形態に係る固体撮像素子1または1Aを含む画像入力ユニット31と、各種の信号処理や通信制御等を行なう中央処理装置(以下、CPU―Central Processing Unit―という。)32と、例えば液晶表示装置(LCD―liquid Crystal Display―)等より構成される表示ユニット33と、例えばキーボードやマウス等のデータ入力手段が接続される入力ユニット34と、無線通信回線等を用いて他の機器との間で情報の通信を行なう通信ユニット35と、外部に設けられた情報機器を接続可能な外部インターフェイスユニット36と、必要な画像データを記憶しておくためのメモリ37と、前記各ユニットやCPUおよびメモリ間で画像データを転送し合う内部バス38と、上記各構成要素に必要な駆動電力を供給するバッテリ39と、を備えている。
【0058】
画像入力ユニット31は、固体撮像素子1または1Aに光学像を結像させるための光学システム40を備えており、画像の入力はこの画像入力ユニット31を介して行なわれている。画像入力ユニット31の撮像素子1または1Aは、携帯型情報機器としての画像システム30の内部バス38に接続されており、CPU32からの命令を受け、その出力形式を変更する構成となっている。
【0059】
なお、上記各実施形態においては、エリアセンサ部をMOS型センサ、特にCMOSプロセスにより製造されたセンサにより形成する場合を例にして説明したが、本発明はこれに限定されず、例えばCCD等の他のセンサを用いる固体撮像素子により構成するものとしても単一のチップ上に周辺回路と共に形成できるという本発明に特有の効果を得ることが可能である。
【0060】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明に係るCMOS型固体撮像素子は、これが適用される画像システムの要求に応じた出力が可能となり、画像システム全体の部品点数を少なくすることができる。また、アナログ映像信号出力とディジタル画像データ出力との両者を取出すことができるようになるので、既存のシステムへの対応が容易となり、汎用性のある固体撮像素子を提供することが可能となると共に、同一の半導体チップにエリアセンサ部と周辺回路とを搭載することができるため、撮像素子自体のコストダウンを図ることができ、複数の画像システムへの対応が可能となるなどの種々の効果を得ることができる高機能な撮像素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本理念としての第1実施形態に係る固体撮像素子の構成を示す説明図。
【図2】本発明の第2実施形態に係る固体撮像素子の基本的な構成を説明するブロック図。
【図3】第3実施形態に係る固体撮像素子の水平同期期間の信号出力を説明する信号波形図。
【図4】図3で示した固体撮像素子の信号出力をコマンドで変更したときの信号出力を説明する図。
【図5】第3実施形態に係る固体撮像素子の垂直期間の信号出力を説明する波形図。
【図6】図5で示した固体撮像素子の信号処理をコマンドで変更したときの信号出力を説明する信号波形図。
【図7】第3実施形態に係る固体撮像素子におけるコマンドによる変更を実現するためのタイミング発生部の構成を示すブロック図。
【図8】本発明の第3実施形態に係る固体撮像素子の別の基本的な構成を説明するブロック図。
【図9】本発明の第4実施形態に係る固体撮像素子の基本的な構成を説明するブロック図。
【図10】本発明の第5実施形態に係る固体撮像素子においてコマンドにより同期信号を設定する様子を説明する信号波形図。
【図11】第5実施形態のコマンドによる同期信号設定を実現するための固体撮像素子の構成を示すブロック図。
【図12】図10のコマンドによる同期信号設定を実現するためのディジタル信号処理部の構成を示すブロック図。
【図13】本発明の第6実施形態に係る固体撮像素子におけるコマンドによりゲインを設定するアナログ・アンプの構成を示すブロック図。
【図14】第6実施形態の固体撮像素子のアナログ信号処理部の構成を示すブロック図。
【図15】図13のコマンドによるアナログ・アンプのゲイン設定を行なうためのアナログ信号処理部の構成を示すブロック図。
【図16】本発明の第7実施形態に係る固体撮像素子におけるコマンドによりディジタル信号処理部内のフィルタを切替える構成を示すブロック図。
【図17】図16に示す構成例を一般化したディジタル信号処理部の構成を示すブロック図。
【図18】本発明の固体撮像素子を携帯型情報機器に応用した第8実施形態に係る画像システムを示すブロック図。
【符号の説明】
1,1A 固体撮像素子
2 エリアセンサ部
3 アナログ信号処理部
4 出力部
5 インターフェイス部
6 アナログ−ディジタル(A−D)変換部
7 デジタル信号処理部
10 画素選択部
11 垂直走査部
12 水平走査部
13 タイミング発生部
Claims (6)
- 光電変換を行なう画素が行方向および列方向にそれぞれ複数配置されたエリアセンサ部と、前記行方向および列方向を同期させて前記エリアセンサ部を構成する複数の画素の中から特定の画素を選択して光電変換されたアナログ画像情報を順次に読み出す画素選択部と、前記画素から順次に読み出された前記アナログ画像信号を順次に信号処理するアナログ信号処理部と、前記アナログ信号処理部より出力されたアナログ画像信号を外部に出力する出力部と、外部から入力可能なコマンド信号に対応して生成されたタイミング信号に従って光電変換された前記アナログ画像情報を電荷として読み出すことにより前記出力部からの前記アナログ画像信号の出力を操作するインターフェイス部と、を備え、
前記エリアセンサ部、画素選択部、アナログ信号処理部、出力部、インターフェイス部が単一の半導体チップとして構成されると共に、
前記画素選択部はブランキングを含む画像信号を生成する第1の信号生成手段とブランキングを含まない画像信号を生成する第2の信号生成手段とを備え、前記インターフェイス部は外部に出力される画像信号を変更できるように前記第1の信号生成手段と第2の信号生成手段を前記コマンド信号により選択するモード選択手段を備え、
前記出力部は前記画像信号に同期信号を付加するか付加しないかを選択可能な選択回路を備え、前記インターフェイス部は外部に出力する画像信号を変更できるように前記コマンド信号により前記出力部の前記同期信号の有無を選択する画像信号変更手段を備えることを特徴とする固体撮像素子。 - 光電変換を行なう画素が行方向および列方向にそれぞれ複数配置されたエリアセンサ部と、前記行方向および列方向を同期させて前記エリアセンサ部を構成する複数の画素の中から特定の画素を選択して光電変換されたアナログ画像情報を順次に読み出す画素選択部と、前記画素から順次に読み出された前記アナログ画像信号を順次に信号処理するアナログ信号処理部と、前記アナログ信号処理部より出力されたアナログ画像信号を外部に出力する出力部と、外部から入力可能なコマンド信号に対応して生成されたタイミング信号に従って光電変換された前記アナログ画像情報を電荷として読み出すことにより前記出力部からの前記アナログ画像信号の出力を操作するインターフェイス部と、を備え、さらに、
信号変換された前記アナログ画像信号をディジタル画像信号に変換するアナログ−ディジタル変換部と、このディジタル画像信号を所望の信号形式のディジタル画像データとするために信号処理を行なうディジタル信号処理部と、を備え、かつ、前記インターフェイスが前記アナログ画像信号と前記ディジタル画像信号との両者の出力を操作すると共に、前記エリアセンサ部、画素選択部、アナログ信号処理部、出力部、アナログ−ディジタル変換部、ディジタル信号処理部およびインターフェイス部が単一の半導体チップとして構成され、さらに、
前記ディジタル信号処理部は複数のフィルタ信号処理手段を備え、前記インターフェイス部は外部に出力される前記ディジタル画像信号を変更できるように前記ディジタル信号処理部における前記複数のフィルタ信号処理手段の中から最適なフィルタ信号処理手段を前記コマンド信号により選択する選択手段を備え、
前記画素選択部はブランキングを含む画像信号を生成する第1の信号生成手段とブランキングを含まない画像信号を生成する第2の信号生成手段とを備え、前記インターフェイス部は外部に出力される画像信号を変更できるように前記第1の信号生成手段と第2の信号生成手段を前記コマンド信号により選択するモード選択手段を備え、
前記出力部は前記画像信号に同期信号を付加するか付加しないかを選択可能な選択回路を備え、前記インターフェイス部は外部に出力する画像信号を変更できるように前記コマンド信号により前記出力部の前記同期信号の有無を選択する画像信号変更手段を備えることを特徴とする固体撮像素子。 - 光電変換を行なう画素が行方向および列方向にそれぞれ複数配置されたエリアセンサ部と、前記行方向および列方向を同期させて前記エリアセンサ部を構成する複数の画素の中から特定の画素を選択して光電変換されたアナログ画像情報を順次に読み出す画素選択部と、前記画素から順次に読み出された前記アナログ画像信号を順次に信号処理するアナログ信号処理部と、信号処理された前記アナログ画像信号をディジタル画像信号に変換するアナログ−ディジタル変換部と、このディジタル画像信号を所定の信号形式のディジタル画像データとするために信号処理を行なうディジタル信号処理部と、外部から入力可能なコマンド信号に対応して生成されたタイミング信号に従って光電変換された前記アナログ画像情報を電荷として読み出すことにより前記出力部からの前記アナログ画像信号の出力を操作するインターフェイス部と、を備え、前記エリアセンサ部、画素選択部、アナログ信号処理部、アナログ−ディジタル変換部、ディジタル信号処理部、インターフェイス部が単一の半導体チップとして構成され、さらに、
前記ディジタル信号処理部は複数のフィルタ信号処理手段を備え、前記インターフェイス部は外部に出力される前記ディジタル画像信号を変更できるように前記ディジタル信号処理部における前記複数のフィルタ信号処理手段の中から最適なフィルタ信号処理手段を前記コマンド信号により選択する選択手段を備え、
前記画素選択部はブランキングを含む画像信号を生成する第1の信号生成手段とブランキングを含まない画像信号を生成する第2の信号生成手段とを備え、前記インターフェイス部は外部に出力される画像信号を変更できるように前記第1の信号生成手段と第2の信号生成手段を前記コマンド信号により選択するモード選択手段を備えることを特徴とする固体撮像素子。 - 光電変換を行なう画素が行方向および列方向にそれぞれ複数配置されたエリアセンサ部と、前記行方向および列方向を同期させて前記エリアセンサ部を構成する複数の画素の中から特定の画素を選択して光電変換されたアナログ画像情報を順次に読み出す画素選択部と、前記画素から順次に読み出された前記アナログ画像信号を順次に信号処理するアナログ信号処理部と、前記アナログ信号処理部より出力されたアナログ画像信号を外部に出力する出力部と、外部から入力可能なコマンド信号に対応して生成されたタイミング信号に従って光電変換された前記アナログ画像情報を電荷として読み出すことにより前記出力部からの前記アナログ画像信号の出力を操作するインターフェイス部と、を備え、前記エリアセンサ部、画素選択部、アナログ信号処理部、出力部、インターフェイス部が単一の半導体チップとして構成されると共に、前記画素選択部はブランキングを含む画像信号を生成する第1の信号生成手段とブランキングを含まない画像信号を生成する第2の信号生成手段とを備え、前記インターフェイス部は外部に出力される画像信号を変更できるように前記第1の信号生成手段と第2の信号生成手段を前記コマンド信号により選択するモード選択手段を備え、前記出力部は前記画像信号に同期信号を付加するか付加しないかを選択可能な選択回路を備える共に、前記インターフェイス部は外部に出力する画像信号を変更できるように前記コマンド信号により前記出力部の前記同期信号の有無を選択する画像信号変更手段を備える固体撮像素子と、
前記固体撮像素子を画像入力部として入力されたコマンド画像データを画像処理すると共に、この画像データの表示や送受信を制御する処理制御ユニットと、
前記画像データを表示する表示ユニットと、
前記画像データの送受信を外部機器との間で行なう通信ユニットと、
を備えることを特徴とする画像通信システム。 - 光電変換を行なう画素が行方向および列方向にそれぞれ複数配置されたエリアセンサ部と、前記行方向および列方向を同期させて前記エリアセンサ部を構成する複数の画素の中から特定の画素を選択して光電変換されたアナログ画像情報を順次に読み出す画素選択部と、前記画素から順次に読み出された前記アナログ画像信号を順次に信号処理するアナログ信号処理部と、前記アナログ信号処理部より出力されたアナログ画像信号を外部に出力する出力部と、外部から入力可能なコマンド信号に対応して生成されたタイミング信号に 従って光電変換された前記アナログ画像情報を電荷として読み出すことにより前記出力部からの前記アナログ画像信号の出力を操作するインターフェイス部と、を備え、さらに、信号処理された前記アナログ画像信号をディジタル画像信号に変換するアナログ−ディジタル変換部と、このディジタル画像信号を所望の信号形式のディジタル画像データとするために信号処理を行なうディジタル信号処理部と、を備え、かつ、前記インターフェイスが前記アナログ画像信号と前記ディジタル画像信号との両者の出力を操作すると共に、前記エリアセンサ部、画素選択部、アナログ信号処理部、出力部、アナログ−ディジタル変換部、ディジタル信号処理部およびインターフェイス部が単一の半導体チップとして構成され、さらに、前記ディジタル信号処理部は複数のフィルタ信号処理手段を備え、前記インターフェイス部は外部に出力される前記ディジタル画像信号を変更できるように前記ディジタル信号処理部における前記複数のフィルタ信号処理手段の中から最適なフィルタ信号処理手段を前記コマンド信号により選択する選択手段を備え、前記画素選択部はブランキングを含む画像信号を生成する第1の信号生成手段とブランキングを含まない画像信号を生成する第2の信号生成手段とを備え、前記インターフェイス部は外部に出力される画像信号を変更できるように前記第1の信号生成手段と第2の信号生成手段を前記コマンド信号により選択するモード選択手段を備え、前記出力部は前記画像信号に同期信号を付加するか付加しないかを選択可能な選択回路を備え、前記インターフェイス部は外部に出力する画像信号を変更できるように前記コマンド信号により前記出力部の前記同期信号の有無を選択する画像信号変換手段を備える固体撮像素子と、
前記固体撮像素子を画像入力部として入力されたコマンド画像データを画像処理すると共に、この画像データの表示や送受信を制御する処理制御ユニットと、
前記画像データを表示する表示ユニットと、
前記画像データの送受信を外部機器との間で行なう通信ユニットと、
を備えることを特徴とする画像通信システム。 - 光電変換を行なう画素が行方向および列方向にそれぞれ複数配置されたエリアセンサ部と、前記行方向および列方向を同期させて前記エリアセンサ部を構成する複数の画素の中から特定の画素を選択して光電変換されたアナログ画像情報を順次に読み出す画素選択部と、前記画素から順次に読み出された前記アナログ画像信号を順次に信号処理するアナログ信号処理部と、信号処理された前記アナログ画像信号をディジタル画像信号に変換するアナログ−ディジタル変換部と、このディジタル画像信号を所定の信号形式のディジタル画像データとするために信号処理を行なうディジタル信号処理部と、外部から入力可能なコマンド信号に対応して生成されたタイミング信号に従って光電変換された前記アナログ画像情報を電荷として読み出すことにより前記出力部からの前記アナログ画像信号の出力を操作するインターフェイス部と、を備え、前記エリアセンサ部、画素選択部、アナログ信号処理部、アナログ−ディジタル変換部、ディジタル信号処理部、インターフェイス部が単一の半導体チップとして構成され、さらに、前記ディジタル信号処理部は複数のフィルタ信号処理手段を備え、前記インターフェイス部は外部に出力される前記ディジタル画像信号を変更できるように前記ディジタル信号処理部における前記複数のフィルタ信号処理手段の中から最適なフィルタ信号処理手段を前記コマンド信号により選択する選択手段を備え、前記画素選択部はブランキングを含む画像信号を生成する第1の信号生成手段とブランキングを含まない画像信号を生成する第2の信号生成手段とを備え、前記インターフェイス部は外部に出力される画像信号を変更できるように前記第1の信号生成手段と第2の信号生成手段を前記コマンド信号により選択するモード選択手段を備える固体撮像素子と、
前記固体撮像素子を画像入力部として入力されたコマンド画像データを画像処理すると共に、この画像データの表示や送受信を制御する処理制御ユニットと、
前記画像データを表示する表示ユニットと、
前記画像データの送受信を外部機器との間で行なう通信ユニットと、
を備えることを特徴とする画像通信システム。
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