JP3667790B2 - 新規な膨脹剤組成物 - Google Patents

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Description

【産業上の利用分野】
【0001】
本発明は新規な膨脹剤組成物およびそのような組成物を用いるシステムに関する。さらに詳細には、本発明は、パン焼き用調理品において酸成分として独特のふくらし作用を示す酸性ピロリン酸カルシウムに関する。
【0002】
【従来の技術】
リン酸、通常オルトリン酸またはピロリン酸の酸類のいろいろな塩は一般に酸成分として炭酸塩成分と組合せで膨脹剤系において使用されている。カルシウム塩とナトリウム塩は異なる反応特徴を示すので、両者は膨脹剤用酸として異なる用途に使われる。ナトリウム塩もカルシウム塩も共に膨脹剤系の酸成分として広く従来用いられた。
【0003】
ある形の酸性ピロリン酸カルシウムを用いるパン焼き用調理品がBrownらへの米国特許第990,699号明細書に記載されている。このカルシウム塩はオルトリン酸カルシウムをばい焼することにより、オルトリン酸塩の各1モルから約2モルの水を除くことにより得られる。そのようにして製造された酸性ピロリン酸カルシウムはある種の用途に望ましい反応特性を有し、速い反応速度を示す。その製品は通例として未反応のモノリン酸塩を含め多量の他のリン酸塩を含有して不純である。
【0004】
パン焼き用膨脹剤の酸成分として酸性ピロリン酸ナトリウムの使用は知られているが望ましからぬ風味が従来感じられた。酸性リン酸カルシウムを酸性ピロリン酸ナトリウムに混合すると前記の風味を除くこと、およびパン焼き用成分の混合後のガス発生を抑制することも見いだされた。Stokesらへの米国特許第1,834,747号明細書には、普通の重炭酸ナトリウムと共にアルカリ土類金属リン酸塩、例えばモノ−カルシウムリン酸塩、を酸性ピロリン酸ナトリウムに添加して含むベーキングパウダー配合処方が記載されている。その報告によれば、この混合物は酸性ピロリン酸ナトリウム単独に比較して二酸化炭素の発生を遅くする効果があり、それによりさらに望ましい反応特性を与える。いろいろな塩類の量の変更により、ふくらす間のガス発生を調節して要求に応じるいろいろな反応特徴を与えることができると報告されている。
【0005】
ある酸性リン酸カルシウムの膨脹特性が米国特許第1,847,799号明細書に認められるが、そこでは完全に脱水された中性のピロリン酸カルシウムがベーキングパウダー組成物の充填剤として用いられた。その場合に、100度においてのみ乾燥されたリン酸カルシウムはその水を徐々にしか失わないが、より高い温度ではすべての水が除かれることが見られる。中性のピロリン酸カルシウムの混入はベーキングパウダーに貯蔵安定性を与えるので、その膨脹作用は長期の放置または空中の湿気への露出の後も失われなかった。
米国特許第2,133,286号明細書には、膨脹剤中に酸成分として、重炭酸ナトリウムのような炭酸塩成分と共に有用な数種の酸性テトラリン酸カルシウムが開示されている。
【0006】
ふくらす間のリン酸モノカルシウムの反応速度は、米国特許第2,263,487号明細書に従うと酸性ピロリン酸カルシウムの系への添加により修正される。このピロリン酸塩はリン酸モノカルシウムを約200℃より約250℃までの範囲の温度に加熱することより製造され、その際ピロリン酸塩の被覆がリン酸モノカルシウム粒子の外側の少なくとも一部に形成される。リン酸モノカルシウム粒子上の酸性ピロリン酸カルシウムは、前記粒子の10%だけが酸性ピロリン酸塩に変換されたときでも二酸化炭素の放出速度を低下させることが観察された。さらに、リン酸モノカルシウム粒子の上に酸性ピロリン酸カルシウムが追加して形成して、全体を被覆するに至っても、二酸化炭素の放出速度をさらに低下させるためには役立たず、むしろ低速度を延長させるということが判った。ガス発生曲線が単独の酸性ピロリン酸カルシウムから得られた結果を、ピロリン酸塩に変換された量をいろいろに有するリン酸モノカルシウムと比較した。単独の酸性ピロリン酸カルシウムについての反応速度は二酸化炭素放出の百分率により示されたが、正しく一定の遅い速度で、1時間後に利用できる二酸化炭素の40%を提供したに過ぎなかった。
【0007】
パン焼き配合物中にミルクを使用すると、膨脹剤の酸として酸性ピロリン酸カルシウムが用いられる場合に、焼き上り製品(ビスケット)の弾力性と比体積の損失をもたらすことが観察された。そのような効果は米国特許第2,366,857号明細書に示されており、そしてミルク内のカルシウムと酸性ピロリン酸カルシウムとの反応に帰せられた。そのような効果は、パン焼き配合物に少量のアルカリ金属のヘキサメタリン酸塩を添加することにより減ぜられることが見いだされた。この特許において用いられた酸性ピロリン酸カルシウムは「ブース」(“Booth”)法により製造されたが、その方法ではリン酸を水酸化カルシウムと、生石灰と酸の形で、180℃以上300℃以下の温度で反応させられる。その反応生成物はカルシウム塩の混合物で、ピロリン酸塩およびモノカルシウムオルトリン酸塩を含む。この開示によれば、オルトリン酸カルシウムを加熱することにより製造された酸性ピロリン酸カルシウムもまたヘキサメタリン酸塩の添加により改良された膨脹剤用酸として用いられることもある。
【0008】
さらに近年、欧州特許出願公開第0 350 607号公報に、パン焼き工程における膨脹剤として、以前にはそのような化合物は適しないと信じられていた酸性ピロリン酸カルシウムの使用が報告された。さらに詳細には、焼く前にかなり長期間冷凍されている既製品のドウにおいてもそれは十分な働きをすることを観察された。以前には、酸性ピロリン酸カルシウムはドウ内で速やかに反応したので、ドウが直ちに加工される場合にしかそれは有効でなかった。酸性ピロリン酸カルシウムの比較的遅い作用は、報告によれば、リン酸モノカルシウムまたはその一水化物を、密閉した反応器の壁の上の薄い層において、その薄い層を約255°〜330℃の範囲内の温度に加熱するように反応器を綿密に調節しながら、脱水反応に供することから高純度の形でそれを提供することにより達成される。その製品が酸性ピロリン酸カルシウムであることはX線粉末回折法により確認されたと報告されている。脱水反応を注意深く調節することにより、酸性ピロリン酸カルシウムは95%以上の純度で得られると主張されている。その生成物は少量のリン酸モノカルシウムおよびメタリン酸カルシウムと混合していることが判っている。
【0009】
上記の従来の技術から、酸性ピロリン酸カルシウムの膨脹作用を遅効性と特徴づけてきたパン焼き工業における行動の傾向がある。報告された速い反応の諸例において、それはピロリン酸塩の純度に関係していたように思われる。それというのは文献に開示されているピロリン酸塩の普通の製造方法はオルトリン酸モノカルシウムと酸性ピロリン酸カルシウム両者の混合物を与えるからである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
膨脹剤系の特性を一般に当業界において、「ドウ反応速度」(DRR)試験として知られている試験により測定することができる。DRR試験は長い間研究実験室において使用されてきたので、ある膨脹剤系が実際の使用の際どんな働きをするかを示す信頼できる指標にこの試験がなると判っている。この試験はパークスら(Parks et al)によりCereal Chemistry,Vol.37,pp.503−518,1960年6月号(引用によりここに組み込まれる)に記載されている。前記試験によれば、ある特定のビスケットドウの中の酸成分と炭酸塩成分から成る膨張剤系の反応特性を測定することができる。それらの特性はドウ成分の初めの混合と共に始まりそしてそれに続く期間に放出される二酸化炭素の量を測ることより求められる。試験は若干の異なる温度で繰返され、その温度は試験中一定に保たれる。特定の期間に発生される二酸化炭素の量を測定することにより、その膨脹剤系の反応特徴(CO量/時間)を求めることができる。そのような試験の結果はデータのグラフ表示により見られると一番よく判る。
【0011】
これまでに、いかなる酸性ピロリン酸カルシウムも、その製造方法に拘わらず、可変反応速度を示す、すなわち、ある時間は比較的遅い作用のままでおり、それから、温度のような条件の変化なしに、より速い反応速度を与え、そして理論的に得られる量に比較して多量の二酸化炭素を放出する、そういうものを見られたことがない。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、炭酸塩成分と酸性ピロリン酸カルシウムから成る新規な膨脹剤組成物が提供される。前記組成物は、DRR試験において、40℃の温度で初めの反応の後約17分から約40分までの間に起る二酸化炭素放出の速度を示し、前記最大速度は前記試験の混合時間の終りに見られる速度の少なくとも2倍である。
【0013】
本発明の酸性ピロリン酸カルシウムは、膨脹剤系の酸成分として使用されるとき、重炭酸ナトリウムのような普通の炭酸塩成分と共に独特の反応形態を与える。DRR試験において用いられるような、一定の温度で、本発明の酸性ピロリン酸カルシウムは初めの遅い反応速度に続いて反応速度の比較的速い増加を示す。混合ドウ内における反応形態のそのような特徴は、そのドウが冷蔵または冷凍ドウの状態でまたは長い保留時間を要求するバッター製品に使用を意図される場合に非常に有益である。さらに、本発明の酸性ピロリン酸カルシウムは、膨脹剤系において、理論的に得られる全量に比較して多量の二酸化炭素を与える。すなわち、40°で60分後に、DRR試験において混合が停止される時(初めの混合の3分後)に放出される量の少なくとも2−1/2倍の量の二酸化炭素が放出される。
【0014】
本発明の酸性ピロリン酸カルシウムはリン酸モノカルシウム一水加物を過剰のリン酸に高温度で加えることにより製造することができ、それりにより酸性ピロリン酸カルシウムの結晶が形成される。通常は、そのような酸性ピロリン酸カルシウムの晶癖は小板状または平板状である。
【0015】
図面の簡単な説明
添付の図面はいろいろな膨脹剤系の反応形態を示すDRR試験の結果をグラフにより示すものである。
【0016】
図1は本発明の膨脹剤系を用いたDRR試験の結果を示しており、この系において本発明の酸性ピロリン酸カルシウムはリン酸モノカルシウムとリン酸の反応により得られたものである。
【0017】
図2は本発明の膨脹剤系を用いたDRR試験の結果を示すが、この場合に本発明の酸性ピロリン酸カルシウムの製造の間に別のカルシウムイオン源(炭酸カルシウム)が与えられている。
【0018】
図3〜5は、カルシウム源とリン酸を反応させる手順においていろいろな変形を用いることにより得られた酸性リン酸カルシウムを含む膨脹剤系を用いたDRR試験の結果を示す。
【0019】
図6と7は例1Aおよび1Bにより提供された本発明の膨脹剤系を用いるDRR試験の結果を示す。
【0020】
図8は従来の技術の酸性ピロリン酸カルシウムを用いる比較用膨脹剤系を使用するDRR試験の結果を示す。
【0021】
図9は従来技術の酸性ピロリン酸カルシウムであって、予めより小さな粒子に粉砕されたものを使用したDRR試験の結果を示す。
【0022】
図10は、DRR試験における初めの混合の後で二酸化炭素生成の増加する前の遅延時間の量と酸性ピロリン酸カルシウム中の水素の量との関係を示す。
【0023】
図11〜19は、図1〜9のデータを、40℃におけるDRR試験において理論的に得られる全二酸化炭素の百分率として毎分の二酸化炭素発生速度に変換したときの結果を示す。これれらの図においてグラフに示されたデータをここでは「分時微分」(“minute differential”)曲線と名付けるが、それは40℃におけるDRR試験の遅延反応を一層目に見えるように示す。
【0024】
発明の詳細な説明
本発明の新規な酸性ピロリン酸カルシウムを得るための一つの方法はオルトリン酸モノカルシウムまたはその一水加物をモル過剰のリン酸に高温度で加えることにより与えられる。用語「高温度」により約180℃から約250℃までの範囲内の、好ましくは約200℃から約220℃までの範囲内の、温度が意味される。用語「モル過剰」により、HPOとして表わされるリン酸の、酸化カルシウムとして表わされるカルシウムイオン源に対して、少なくとも約3対1の、そして代表的には約5対1から約15対1までの、過剰が意味される。特に好ましくはリン酸の酸化カルシウム源に対する約7〜約15対1のモル過剰が用いられる。本発明に従って有用なことが判った結晶を得るための一手段はオルトリン酸塩をリン酸へ段階的に加えることである。そのような方法は文献にH.Bassett,J.Chem.Soc.1958,pp.2949−2955およびL.N.Eraizer et al,Inorganic Materials 1986,22(8),pp.1189−1193により記載されている。濾過のような普通の方法により結晶性生成物を回収した後、その結晶をアセトンのような有機溶媒で洗うと、Morin,Bull.Soc.Chim.France,1726(1961)により発表されたX線回折図形により示されるように高純度を有する生成物を与えることができる。
【0025】
上記の反応の結晶性生成物は代表的な用途において膨脹剤系の酸成分として炭酸塩成分と共に使用される。炭酸塩成分はすべて適当な塩基性物質、例えば重炭酸カリウム、無定形炭酸カルシウムまたは重炭酸アンモニウムなどを含む。
【0026】
約100重量部の本発明の酸性ピロリン酸カルシウムが69重量部の重炭酸ナトリウムを中和するために使用される。いろいろな膨脹剤系において有効な酸性ピロリン酸カルシウムの大体の量は上記を考慮して容易に計算することができる。その他の量が特別な所望の最終製品の特性を与えるために使用されることもある。本発明の膨脹剤酸の数種の炭酸塩成分に対する適当な重量比は、大抵のパン焼製品について約1.24:1から約1.91:1、好ましくは約1.36:1から約1.72:1までの範囲内にある。
【0027】
本発明の酸性ピロリン酸カルシウムを含む膨脹剤系の反応性はParksらによりCereal Chemistry,Vol.37,pp.503−518,1960年7月(引用によりここに組み込まれる)に記載されているようにDRR試験において評価された。前記試験に従って特定のビスケットドウにおける膨脹剤系の反応速度は一定の温度において混合の間およびそれに続く期間に圧力計により標準的手順で測定される。特定の期間中に生成する二酸化炭素の量を測定することにより、膨脹剤系の反応特徴(CO量/時間)が求められる。そのような試験の結果はデータをグラフにより表示されると一番見やすい。
【0028】
本発明の膨脹剤酸を酸成分として適当な炭酸塩成分と組合せることにより本発明に従う焼き上げ食品用の化学品の膨脹剤系が与えられる。木発明に従って有用な炭酸塩成分は従来知られたものである。
【0029】
本発明の酸性ピロリン酸カルシウムは他の既知の膨脹剤酸と混合して使用することができる。後者の例に含まれるものは、限定されないが、リン酸二水素モノナトリウム、酸性リン酸ナトリウムアルミニウム、酸性リン酸ナトリウムアルミニウムと無水硫酸アルミニウムの混合物、酸性リン酸ナトリウムアルミニウムと無水の被覆リン酸モノカルシウムの混合物、リン酸モノカルシウム、無水リン酸モノカルシウム被覆物、酸性ピロリン酸ナトリウム、クエン酸、リン酸モノカルシウムと酸性ピロリン酸ナトリウムの混合物、硫酸ナトリウムアルミニウムとリン酸モノカルシウムの混合物、無水リン酸モノカルシウム、フマル酸、リン酸モノカルシウムとリン酸ナトリウムアルミニウムの混合物、グルコノ−Δ−ラクトン、酒石酸モノカリウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸アルミニウムおよびすべてその他の食用の非毒性の酸である。
【0030】
本発明の重要な一面において、酸成分として本発明の膨脹剤酸およびナトリウムを含まない炭酸塩成分から成る焼き上げ食品用のナトリウムを含まない化学膨脹剤系が与えられる。人間の食物のナトリウム含量は、その高血圧との関係の故に抑制されるのが望ましいと留意されるようになった。医学専門家は、米国の人口の約20%は、食物中のナトリウムに敏感な高血圧の形に遺伝子的に前もって定められていると推定している。従来心臓病および浮腫に悩む患者について特に低ナトリウム食品および無ナトリウム食品を調製することに多大の努力が払われた。それ故焼き上げ食品用化学膨脹剤系であって、その使用の結果できる焼き物の消費により人間の食物にナトリウムを寄与しないものが与えられることは本発明の特別な利点である。したがって、本発明の膨脹剤酸は重炭酸カリウムのようなナトリウムを含まない炭酸塩成分と組合せて、新鮮なドウ製品およびそれからできる焼き物が、重炭酸ナトリウムとナトリウムを含む酸成分を含む従来の化学膨脹剤系により与えられるものよりも低いナトリウム含量を有するような膨脹剤系を提供する。
【0031】
本発明の化学膨脹剤系は、ドライパウダーミックスとして本発明の膨脹剤酸を炭酸塩成分と混合することにより便利に調製されたベーキングパウダーの中に取り入れられてもよい。乾燥粉末形のベーキングパウダーは、粉末のかさを増しかつ実用のための計量を容易にする充填剤と一緒に調製するのが一番よい。デンプンまたは炭酸カルシウムのような充填剤が一般に本発明のベーキングパウダーの中に使用される。慣用の保存剤および充填剤は、当業界に周知のように本発明のベーキングパウダー組成物と共に使用されてよい。
【0032】
新鮮なドウおよびバッターが、当業界において実施されてきたような慣用の方法で本発明の膨脹剤系から調製されることができる。通例それらの成分はドライミックスされるかまたはドウあるいはバッターとして調製されることができよう。ドウまたはバッターは冷蔵して従来通りの期間貯蔵されることができる。ドライミックスは当業界周知のようにミルクまたはショートニングのような適当な液を混入することにより新しいドウまたはバッターを調製するために使用される。
【0033】
当業界において周知のように、パン焼き最終製品の所望のpHは、当業界でその目的に通常用いられる膨脹剤用の酸とアルカリ性炭酸塩源を新しいドウまたはバッター中に混入することにより調節できる。一般に、最終パン焼き製品のpHは約5.5から約9.0、好ましくは約6.9から約7.5、の範囲にある。添加される炭酸塩材料の量は十分な二酸化炭素を与えなければならない。通例として、使用される各乾燥成分の全重量に基づき約0.3重量%から約3重量%までの食用アルカリ性剤が含まれている。
【0034】
本発明の膨脹剤用酸の代表的な用途およびその際一般に使用される濃度が下記の表に示されている。普通の市販の炭酸塩成分と共に使用される酸の濃度は中和しかつ二酸化炭素を放出するため十分な量である。本発明の酸性ピロリン酸カルシウム(CAPP)の量について百分率が示されている。
【0035】
【表1】
Figure 0003667790
【0036】
本発明の新鮮なドウおよびバッターの湿分は一般に乾燥各成分の全重量に基づき約5重量%より約130重量%までの範囲である。湿分は、そのドウまたはバッターがクッキー、ビスケット、ケーキなどに使用されるかどうかについての終局の効用に関係して変るのである。
【0037】
本発明の新鮮なドウまたはバッターの焼き時間は一般に既知の膨脹剤系の使用について当業界一般に知られている焼き時間の範囲内である。いろいろな新しいドウのミックスは、使用されるオーブンの焼き上りの特徴を同様に考慮していろいろな焼き時間を要求するのが一般的である。代表的な焼き時間はクッキーのためには7〜15分の範囲であり、またビスケットその他の焼き物のためにはより長い時間である。本発明のドウは、既知のベーカリー装置、例えばワイヤ切断装置、回転カッター、往復運動カッターなど、を使用して、慣用の方法で若干の小さな塊りにされる。
【0038】
通例、新しいドウは従来の技術におけると同様に小麦粉、ショートニング、砂糖、任意に乳化剤および保存剤、および約0.5重量%から約3.9重量%の本発明の膨脹剤系から調製される。もちろん、その他の任意の成分も当業界周知のように含まれることができる。
【0039】
本発明の新鮮なドウおよびバッターは任意に当業界に周知の新しいドウに添加される多くの物質、例えば食物繊維やヒドロコロイドのような増量材料、とうもろこし繊維、大豆濾液、ふすま、およびアプルトメース(tomace)繊維(脱水および冷凍乾燥された)を典型的な食物繊維として、を含むことができる。
【0040】
焼き上げ食品の製造に従来使用されるテクスチャー化および風味づけ成分は本発明の新規なドウに使用されてよい。その使用量は一般に十分な口ざわり、テクスチャーおよび味を達成するように従来の配合処方に用いられるものと同等である。焼き上げ食品の製造に使用される従来慣用のテクスチャー化および風味づけ成分の代表的な量は新鮮なドウの約5重量%から約25重量%までの範囲内である。その他、甘味料などのような添加剤もまた本発明の新規な膨脹剤系と組合せて使用されることができる。
【0041】
【実施例】
例1 本発明の酸性ピロリン酸カルシウムはAgricultural andFood Chemistry,Vol.11,No.3,1963年5月−6月号に記載のようなE.H.Brownらの方法(引用によりここに組み込まれる)により製造されることができる。本発明の酸性ピロリン酸カルシウムは前記の方法に従って1,275gの試薬級86%リン酸をガラスビーカーの中で激しく撹拌しながら210℃±10℃に加熱し、製造工程中撹拌を続けて過飽和を避けることにより製造された。リン酸モノカルシウム一水加物の初めの一部(112g)を2.5〜3g/分の速度で徐々に最初の結晶が現われるまで加えた。沈殿は結晶種を入れるかまたはビーカーをガラス棒で引っかくことにより促進されて過飽和を防いだ。リン酸モノカルシウム一水化物の第2の部分112gをそれから0.75g/分以下の添加速度で、適度に濃い懸濁液が得られるまで、加えた。その熱い混合物を直ちにフリットガラスのフィルター上で吸引濾過した。結晶を冷却させてからアセトンで洗い、空気乾燥させた。約142gの酸性ピロリン酸カルシウムを得た。得られた結晶の大きさを測定して、平均して約5〜約20ミクロンの範囲にあることが判り、また板状または薄板の外観をしていた。結晶のX線回折は前出のBrownらにより示された図形とおよびMorin,Bill.Soc.Chim.France,1726(1961)とに一致した。上記の操作を2回繰返し、そして得られた生成物は次の表および添付のグラフにおいて例1Aおよび例1Bと記号をつけられた。
【0042】
例2 例1の操作を繰返したが、ただしリン酸モノカルシウム一水化物の代りに95.6gの炭酸カルシウムを使用して酸性ピロリン酸カルシウムを製造した。
【0043】
例3 例1の操作を繰返したが、ただしリン酸カルシウムの添加の間リン酸の温度を、210℃の代りに、170℃とした。
【0044】
例4 例1の操作を繰返したが、ただしリン酸に加えられるリン酸モノカルシウム一水化物の量を25%の率で減らした。
【0045】
例5 例1の操作を繰返したが、ただしリン酸に加えられるリン酸モノカルシウム一水化物の量を20%の率で増した。
【0046】
下の表1に例1〜5の生成物の物理的説明が示されている。その表において、収率はオルトリン酸モノカルシウムの重量に基づいており、そしてt1/2分は、一定温度における反応速度の遅れた増加の何分間かの中間点である。その遅れは反応速度の増加が始まる時である。また表1に示されているのは、ドイツ国のBenckiser−Knapsack,GmbH,Ladenburg(BKL)社から得られた酸性ピロリン酸カルシウムについての利用できるデータである。
【0047】
【表2】
Figure 0003667790
【0048】
例6 例1の生成物をホワイトケーキミックスの膨脹剤系の酸成分として用いた。Roland Industries,St.Louis,Mo.社からの販売で得た657.036gのローランド・ホワイト・ケーキ・ミックスに5.293gの重炭酸ナトリウム(第2級品)および7.671gの例1の生成物を加えてドライブレンドした。そのドライミックスに83gの水を加えてから、混合して均一の混合物を作った。さらに99gの水を追加してから、そのバッターを高速度で1分間混合した。両側と底をかき落して後、そのバッターをさらにもう1分間同じ速度で混合した。それから、再び両側と底をかき落した後、さらに74gの水を加えてから次により遅い速度で1分間混合した。一部の試料を比重測定のために採取してから、420gのバッターを準備のできたライナー付きの鍋の中に置いた。350°Fのオーブンで33分間ケーキを焼いた。焼き上ったケーキをそれからオーブンより取り出して、評価する前に冷却させた。バッターの比重は100mlにつき0.8743gと測定された。ケーキ(レープシード)の比容は2.35cc/gであった。針入度試験において、合計212gの荷重がケーキの各端および中央に5分間置かれた。針入度(0.1mmで)は端で38および39と測定され、そして中央で42と観察された。ケーキのpHは9.0であることが判った。
【0049】
例7 例1の生成物をパンケーキバッターの膨脹剤中の酸成分として用いた。鉢に273.14gのローランド・パンケーキ・ミックスを加えた。別に、5.25gの重炭酸ナトリウムと7.61gの例1の生成物を、風袋を量ったボートに入れた。膨脹剤の酸とソーダを前記ミックスの上にふりかけてから、泡立て器で混入した。それから263.5gの水をミックスに加えて、泡立て器で混合した。一部試料を比重測定のため採取した。100mlの目盛り付きシリンダの中へ50mlのバッターを加えた。シリンダー内の容積を膨脹のため5分、10分、15分および30分に記録した。次に、レベル#24の小スコップで一すくいのバッターを375°Fに保たれた熱鉄板の上に注いで8個のパンケーキを作った。それらのパンケーキを1.5分間焼いて、それからひっくり返してさらに1.5分間焼いた。焼いた後、それらを鉄板から剥ぎ取って、そして評価した。バッターの比重は1.017g/ccと測定された。バッターのpHは1分後には7.34そして30分後には7.0であることが判った。目盛り付きシリンダーの中でいろいろな時間間隔で観測された体積は次の通りである。
【0050】
【表3】
Figure 0003667790
【0051】
パンケーキのpHは内部で8.5であると測定された。3個1組のパンケーキは2.563cc/gの比容を示し、そして直径対高さの比は1.0395を与えた。皮の色は金褐色であり、中身の色は黄色であった。味は甘くて気に入った。
【0052】
図面の詳細な説明
上記のDRR試験を用いることにより、いろいろな膨脹剤系が研究されており、そしてその結果が添付の図面にグラフとして示されている。前記に引用されたParksらの報告は一般的操作手順を提供するが、次の特定の条件は添付図面の観察データを生む試験において用いられたものである。
混合時間: 3分
全CO放出時間: 60分
ドウ成分:
ピナクルケーキ小麦粉(12.5%HO) 57g
無脂肪ドライミルク 3.7g
重炭酸ナトリウム 0.755g
膨脹剤用酸 1.0942
水 43g
* 重炭酸ナトリウム1部につき1.45部の割合で加えられた。
【0053】
図1に膨脹剤系中の酸成分として例1の酸性ピロリン酸カルシウムを用いるDRR試験の結果が示されている。そのDRR試験は21℃(線A)、40℃(線B)および48℃(線C)で行われた。膨脹剤系から得られる理論量の百分率としてのドウから放出される二酸化炭素の量は百分率として示され、そして成分を混合する開始からの経過時間は分で示されている。上記の試験からいろいろな温度で得られて図1にグラフで示されたデータは下記の表2に記載されている。図11には40℃におけるDRR試験において得られたデータに基づく分時微分データが示されている。
【0054】
【表4】
Figure 0003667790
【0055】
図1に見ることができるように、例1の酸性ピロリン酸カルシウムについての反応の特徴は初めの混合の後に起る速度の変化を示したことである。初めの混合の後に比較的低い反応速度があり、それから、温度の変化なしに、反応速度の速い変化が見られ、それは二酸化炭素生成の増加により示される通りである。40℃において二酸化炭素放出の最大速度(t1/2)は初めの混合の後20分に起る。
【0056】
図2には、膨脹剤系の酸成分として例2の酸性ピロリン酸カルシウムを用いるDRR試験の結果が示されている。DRR試験は21℃(線A)、40℃(線B)および48℃(線C)で行われた。図2には、成分の混合の開始から時間の経過の間(分で示される)、膨脹剤系から利用できる理論量の百分率としてドウから放出される二酸化炭素の量が示されている。いろいろな温度における上記のDRR試験で得られ、そして図2にグラフに表わされたデータを下記の表3に記載した。
【0057】
【表5】
Figure 0003667790
【0058】
図2に見ることができるように、例2の酸性ピロリン酸カルシウムについての反応の特徴は初めの混合の後の経過時間に起る速度の変化を示すことで、その最大速度は40℃において約23分で起った。初めの混合の後に比較的低い反応速度が見られ、それから、温度の変化なしに、反応速度に速やかな変化が見られ、それは二酸化炭素生成の増加により示される通りである。図12には、40℃における前記のDRR試験において採集されたデータから得られる分時微分が示されている。
【0059】
図3には、例3の酸性ピロリン酸カルシウムが用いられた膨脹剤系を使用するDRR試験の結果が示されている。データはこの試験では40℃においてのみ得られた。図3を与えるため得られたデータを下記の表4に示す。図13には、40℃における前記のDRR試験において採集されたデータから得られる分時微分が示されている。図3および13の曲線におけるt1/2点は12分において生ずる。従って、本発明の範囲内にない。
【0060】
【表6】
Figure 0003667790
【0061】
図4には、例4の酸性ピロリン酸カルシウムが用いられた膨脹剤系を使用するDRR試験の結果が示されている。データはこの試験では40℃においてのみ得られた。図4を与えるために得られたデータを下記の表5に示す。図14には、40℃における前記のDRR試験において採集されたデータから得られる分時微分が示されている。図4および図14の曲線におけるt1/2点は9分において生ずる。従って本発明の範囲内にない。
【0062】
【表7】
Figure 0003667790
【0063】
図5には、例5の酸性ピロリン酸カルシウムが用いられた膨脹剤系を使用するDRR試験の結果が示されている。データはこの試験では40℃においてのみ得られた。二酸化炭素生成速度における特徴的な速い増加が初めの混合の後約29分に見られる。これは、本発明の酸性ピロリン酸カルシウムを生成する反応におけるカルシウムイオン源対リン酸の高い比率が膨脹剤系における二酸化炭素放出の時機に影響を及ぼすことを示す。図5を与えるために得られたデータを下記の表6に示す。図15には、40℃における前記のDRR試験において採集されたデータから得られる分時微分が示されている。
【0064】
【表8】
Figure 0003667790
【0065】
図6には、例1Aの酸性ピロリン酸カルシウムが用いられた膨脹剤系を使用するDRR試験の結果が示されている。DRR試験は21℃(線A)、40℃(線B)、および48℃(線C)において行われた。二酸化炭素生成速度における特徴的な速い増加が見られた。図6を与えるため得られたデータを下記の表7に示す。図16には、40℃における前記のDRR試験において採集されたデータから得られる分時微分が示されている。図3および13の曲線におけるt1/2点は38分において生ずる。従って、本発明の範囲内にある。
【0066】
【表9】
Figure 0003667790
【0067】
図7には、例1Bの酸性ピロリン酸カルシウムが用いられた膨脹剤系を使用するDRR試験の結果が示されている。DRR試験は、21℃(線A)、40℃(線B)および48℃(線C)において行われた。二酸化炭素生成速度における特徴的な速い増加が見られた。図7を与えるため得られたデータを下記の表8に示す。図17には、40℃における前記のDRR試験において採集されたデータから得られる分時微分が示されている。図7および図17の曲線におけるt1/2点は26分において生ずる。従って、本発明の範囲内にある。
【0068】
【表10】
Figure 0003667790
【0069】
図8には、BKLから得られた酸性リン酸カルシウムにより前記のドウ配合処方および条件を用いたDRR試験の結果が示されている。この製品のX線回折による分析は、それが少量のリン酸モノカルシウムを含むことを示した。この物質に関するその他の利用できる情報は前記の表1に与えられている。同量の市販の物質が、図1に示されたデータを出すために前記に使用されたように、DRRにおいて酸成分としてドウ配合処方に使用された。他の試験におけるように、DRR試験は21℃(線A)、40℃(線B)および48℃(線C)において行われた。DRR試験の結果は、図8に示されるように、速い反応に続いて殆ど遅れのない速度の増加を示す。いろいろな温度における上記の試験において得られかつグラフに図8で示されたデータは下記の表9に記載されている。図18には、40℃における上記DRR試験において採集されたデータから得られた分時微分が示されている。図8および18の曲線におけるt1/2は13分に生ずる。また放出の最大速度は混合の終了において見られる速度の2倍より小さいので、従って本発明の範囲内にない。
【0070】
【表11】
Figure 0003667790
【0071】
BKLから得られた物質の他の一部はDRR試験に下記の表10のデータを出すために使用されたが、それは32ミクロンの平均直径を有する粒度まで粉砕された。粉砕された物質をそれから上記のDRR試験に使用される膨脹剤系に酸成分として用いた。この試験(40℃のみで行われた)の結果を図9に示す。DRR試験において得られたデータは下記の表10に示されている。図19には、40℃における上記DRR試験において採集されたデータから得られる分時微分が示されている。上述のピロリン酸カルシウムの処理は、この種類の物質についてDRR試験において測定されたように二酸化炭素放出速度を著しく変えなかった。
【0072】
【表12】
Figure 0003667790
【0073】
図10には、表1において例1、1A、1B、および2−5の生成物に見いだれた水素の量を示すデータをグラフに表わしている。このデータはt−1/2データに対してプロットされている。それらのt−1/2データは40℃におけるDRR試験において得られたものであり、そして本発明の酸性ピロリン酸カルシウムに特徴的な初めの混合の終了に続いて起る増加する反応速度の最大値を示す曲線の傾斜の中間点で時間の量を分で表したものである。上記の例は本発明の酸性ピロリン酸カルシウムの製造法において若干の変更を与えている。便宜上、これらの変更を、図10にプロットされたデータと一緒に要約した形で下記の表11に示す。図10にデータによりグラフに示されているように、本発明のピロリン酸カルシウム中の水素の量と初めの混合後の遅れの分時数との間に関係があるように見える。初めの混合の遅れの分時数(t−1/2)は酸性ピロリン酸カルシウム中に見いだされる水素の量に反比例して広がっている。
【0074】
【表13】
Figure 0003667790
【0075】
本発明の酸性ピロリン酸カルシウムの製造の間に低温にすることおよびカルシウム源の量を減らすことはその結果として膨脹作用のt−1/2を減少させるということに注意すると興味深い。また、従来技術の酸性ピロリン酸カルシウム(BKL)は1.00重量%の水素を含有し、そして本発明の酸性リン酸カルシウムにより示される二酸化炭素生産の最大値の遅れを示さないことが指摘される。式CaHを有する化合物の理論的水素含量は0.93重量%である。そのような化合物は本発明のピロリン酸カルシウムにより示される二酸化炭素の遅れた最大生産を示すとは期待されない。
【0076】
本発明はこれまで特定の例と材料について記述されたが、本発明の実施において多数の変形が作られることは可能であり、それらの変形は本発明の必須要件を保持することができるので、従って本発明の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による膨脹剤系を用いたDRR試験の結果を示すグラフ。
【図2】本発明による膨脹剤系を用いたDRR試験の結果を示すグラフ。
【図3】酸性リン酸カルシウムを含む膨脹剤系を用いたDRR試験の結果を示すグラフ。
【図4】酸性リン酸カルシウムを含む膨脹剤系を用いたDRR試験の結果を示すグラフ。
【図5】酸性リン酸カルシウムを含む膨脹剤系を用いたDRR試験の結果を示すグラフ。
【図6】例1Aの酸性ピロリン酸カルシウムを用いる膨脹剤系を用いたDRR試験の結果を示すグラフ。
【図7】例1Bの酸性ピロリン酸カルシウムを用いる膨脹剤系を用いたDRR試験の結果を示すグラフ。
【図8】従来技術の酸性ピロリン酸カルシウムを用いる比較用膨脹剤系を用いたDRR試験の結果を示すグラフ。
【図9】予め小さな粒子に粉砕された従来技術の酸性ピロリン酸カルシウムを用いる比較用膨脹剤系を用いたDRR試験の結果を示すグラフ。
【図10】遅延時間と酸性ピロリン酸カルシウム中の水素の量との関係を示すグラフ。
【図11】図1のデータを毎分の二酸化炭素発生速度に変換した結果を示すグラフ。
【図12】図2のデータを毎分の二酸化炭素発生速度に変換した結果を示すグラフ。
【図13】図3のデータを毎分の二酸化炭素発生速度に変換した結果を示すグラフ。
【図14】図4のデータを毎分の二酸化炭素発生速度に変換した結果を示すグラフ。
【図15】図5のデータを毎分の二酸化炭素発生速度に変換した結果を示すグラフ。
【図16】図6のデータを毎分の二酸化炭素発生速度に変換した結果を示すグラフ。
【図17】図7のデータを毎分の二酸化炭素発生速度に変換した結果を示すグラフ。
【図18】図8のデータを毎分の二酸化炭素発生速度に変換した結果を示すグラフ。
【図19】図9のデータを毎分の二酸化炭素発生速度に変換した結果を示すグラフ。

Claims (15)

  1. 炭酸塩成分と酸性ピロリン酸カルシウムから成る膨脹剤組成物において、前記酸性ピロリン酸カルシウムがリン酸モノカルシウムまたはその一水加物とモル過剰のリン酸との180℃乃至250℃における反応により製造され、但し該モル過剰のリン酸は、H PO として表した前記リン酸の、酸化カルシウムとして表したカルシウムイオン源に対する、少なくとも3:1〜15:1までのモル比のリン酸であることを特徴とする、前記の膨脹剤組成物。
  2. 炭酸塩成分は重炭酸ナトリウムである請求項1に記載の膨脹剤組成物。
  3. 炭酸塩成分は重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウムおよび安定化X線無定形炭酸カルシウムから成る群より選択される請求項1に記載の膨脹剤組成物。
  4. 穀粉、水およびショートニングと、炭酸塩成分と酸性ピロリン酸カルシウムから成る膨脹剤系を混合することから成る新鮮な、冷蔵または冷凍のドウ製品を膨脹させる方法において、前記酸性ピロリン酸カルシウムがリン酸モノカルシウムまたはその一水加物とモル過剰のリン酸との180℃乃至250℃における反応により製造され、但し該モル過剰のリン酸は、H PO として表した前記リン酸の、酸化カルシウムとして表したカルシウムイオン源に対する、少なくとも3:1〜15:1までのモル比のリン酸であることを特徴とする、前記の方法。
  5. 該炭酸塩成分は重炭酸ナトリウム、安定化X線無定形炭酸カルシウム、重炭酸アンモニウムおよび重炭酸カリウムから成る群より選択される請求項4に記載の方法。
  6. 該炭酸塩成分は重炭酸ナトリウムである請求項4に記載の方法。
  7. 穀粉、水およびショートニングと、炭酸塩成分と酸性ピロリン酸カルシウムから成る膨脹剤系の混合物から成る新鮮な、冷蔵または冷凍のドウ製品において、前記酸性ピロリン酸カルシウムがリン酸モノカルシウムまたはその一水加物とモル過剰のリン酸との180℃乃至250℃における反応により製造され、但し該モル過剰のリン酸は、H PO として表した前記リン酸の、酸化カルシウムとして表したカルシウムイオン源に対する、少なくとも3:1〜15:1までのモル比のリン酸であり、その際結晶性生成物が形成されるものである、前記のドウ製品。
  8. 該炭酸塩成分は重炭酸ナトリウムである請求項7に記載の新鮮な、冷蔵または冷凍のドウ製品。
  9. 該炭酸塩成分は重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウムおよび安定化X線無定形炭酸カルシウムから成る群より選択される請求項8に記載の新鮮な、冷蔵または冷凍のドウ製品。
  10. ケーキドウ、ビスケットドウ、およびピザドウから成る群より選択される請求項9に記載の冷蔵のドウ。
  11. 穀粉、水性成分、ショートニング、および炭酸塩成分と酸性ピロリン酸カルシウムから成る膨脹剤系の混合物から成る新鮮な、冷蔵または冷凍のバッター(練り粉)製品において、前記酸性ピロリン酸カルシウムがリン酸モノカルシウムまたはその一水加物とモル過剰のリン酸との180℃乃至250℃における反応により製造され、但し該モル過剰のリン酸は、H PO として表した前記リン酸の、酸化カルシウムとして表したカルシウムイオン源に対する、少なくとも3:1〜15:1までのモル比のリン酸であり、その際結晶性生成物が形成されるものである、前記のバッター製品。
  12. パンケーキ、ケーキおよびビスケットバッターから成る群より選択される冷凍のバッターから成る請求項11に記載のバッター製品。
  13. 穀粉、シヨートニング、および炭酸塩成分と酸性ピロリン酸カルシウムから成る膨脹剤系の混合物から成る新鮮な、冷蔵のドライミックス製品において、前記酸性ピロリン酸カルシウムがリン酸モノカルシウムまたはその一水加物とモル過剰のリン酸との180℃乃至250℃における反応により製造され、但し該モル過剰のリン酸は、H PO として表した前記リン酸の、酸化カルシウムとして表したカルシウムイオン 源に対する、少なくとも3:1〜15:1までのモル比のリン酸であり、その際結晶性生成物が形成されるものである、前記のドライミックス製品。
  14. ふくらした焼き上げ食品において、膨脹剤系が炭酸塩成分と酸性ピロリン酸カルシウムから成り、前記酸性ピロリン酸カルシウムがリン酸モノカルシウムまたはその一水加物とモル過剰のリン酸との180℃乃至250℃における反応により製造され、但し該モル過剰のリン酸は、H PO として表した前記リン酸の、酸化カルシウムとして表したカルシウムイオン源に対する、少なくとも3:1〜15:1までのモル比のリン酸であることを特徴とする、前記のふくらした焼き上げ食品。
  15. ケーキ、パンケーキ、ハッシュパピー、クッキー、ワッフル、ピザ、マフィン、クラッカーおよびビスケットから成る群より選択される請求項14に記載のふくらした焼き上げ食品。
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