JP3667176B2 - フラットケーブルおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットケーブルおよびその製造方法に関し、特に、内部に発泡絶縁層を有した複数の同軸線心より構成されるフラットケーブルとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報通信の分野、特に、コンピュータ、電子交換機等においては、伝送速度の高速化の要求に対処するために差動伝送方式が採用されている。
この方式に使用される通信線としては、特性インピーダンス、静電容量、減衰量、伝送時間、および伝送時間のスキュー等の諸特性に優れていることが必要であり、このため、一般には、同軸型のケーブルが使用されている。
【0003】
図7は、通常、この用途に使用されている同軸ケーブルの構造を示したものである。
図7の(a)のように複数の同軸線心19を並列に並べ、これらをフラット状に一体化させた構成を有する。普通、同軸線心19は、導体2を発泡ポリエチレン等の発泡絶縁層3で被覆し、ドレンワイヤ4を添えて周囲にシールド層5を形成し、これらを塩化ビニル樹脂等の外被6で被覆して構成される。
【0004】
並列化された同軸線心19には、図7の(b)のように所定の間隔毎に熱融着された一体化部23と熱融着されない非一体化部24が形成されており、必要な長さに切断されて使用される。このフラットケーブル22は、一体化部23を利用した一括コネクタの取り付けなど機器間あるいは機器内配線作業のために有利な特質を有しており、電子機器の配線材として広く用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のフラットケーブルによると、同軸線心19の一体化がフラットな融着面を有する外被6の熱融着によるため、熱融着の際の熱と圧力が線心内部の発泡絶縁層3に影響を及ぼすことがあり、このため、特性インピーダンスが変化して伝送特性に変動を来すことがある。また、発泡絶縁層3は、製造、保管、輸送および配線のときに受ける曲げあるいは張力等の機械的ストレスの影響を敏感に受け、これによっても特性変動を招くことがある。特に、一体化部23は同軸線心19が相互に補強し合っているが、非一体化部24は各同軸線心19が独立しているため、ここに機械的ストレスが集中する傾向がある。
【0006】
特に、近年においては、S/N比向上のために発泡絶縁層3の発泡度を高くする傾向にあり、このため、発泡絶縁層3は、僅かな熱的、機械的ストレスによっても影響を受けやすい。
【0007】
また、発泡絶縁層3は、発泡度が大きくなると、形状保持力が低下するため、僅かな熱と圧力の作用にも過敏となり、たとえば、導体2と発泡絶縁層3の密着が破壊されて導体2が飛び出したり、あるいは線心内部のドレインワイヤ4と発泡絶縁層3の緊密性が低下したり、さらには、外被6とシールド層5の一体性を悪化させるようなことがあり、最悪の場合には、シールド層5と導体2の接触をすら招くことがある。
【0008】
従って、本発明の目的は、機械的ストレスに対して高い耐性を有するフラットケーブルを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、発泡絶縁層が熱融着の影響を受けにくいフラットケーブルの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、導体を発泡絶縁層で絶縁し、最外層に保護層としての外被を有する線心を所定本数だけ並列に配置し、隣接する前記線心の前記外被を一体化する一体化部、および一体化しない非一体化部を前記線心の長さ方向に所定の間隔で形成したフラット型線心群を有したフラットケーブルにおいて、
前記フラット型線心群の少なくとも片面に配置され、前記一体化部および前記非一体化部において前記所定本数の前記線心の前記外被に貼着されて前記非一体化部の前記線心を補強する補強テープを有することを特徴とするフラットケーブル(以下、発明1という)を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、上記の目的を達成するため、導体を発泡絶縁層で絶縁し、最外層に保護層としての外被を有する複数の線心を並列に配置し、前記外被同士を熱融着することによって前記複数の線心の長さ方向に所定の間隔で一体化部と非一体化部とを形成するフラットケーブルの製造方法において、4角形の断面において水平方向に対向する2辺に第1の湾曲凹面を有するとともに他の2辺の少なくとも一方に第2の湾曲凹面を有し、前記第1および第2の湾曲凹面の組み合わせによって前記4角形の断面の角部に尖端部を形成した外被を有する線心の複数本を並列に配置し、前記第2の湾曲凹面の上下方向からの加圧により前記尖端部を水平に曲げるとともに隣接する前記線心の間で前記尖端部同士を押し付け合わせるようにして前記尖端部の加圧および加熱を行い、隣接する前記線心の間で前記尖端部同士を熱融着することにより前記一体化部を形成し、前記一体化部および前記非一体化部において前記線心の前記外被の少なくとも片面に貼着されて前記非一体化部の前記線心を補強する補強テープを貼着することを特徴とするフラットケーブルの製造方法(以下、発明2という)を提供するものである。
【0011】
さらに、本発明は、上記の目的を達成するため、導体を発泡絶縁層で絶縁し、最外層に保護層としての外被を有する複数の線心を並列に配置し、前記外被同士を熱融着することによって前記複数の線心の長さ方向に所定の間隔で一体化部と非一体化部とを形成するフラットケーブルの製造方法において、長辺部と短辺部が対向する台形の断面を有した外被を有し、前記短辺部の側に寄せて前記発泡絶縁層を位置させた複数の線心を前記長辺部と前記短辺部を水平方向に対向させて並列に配置し、並列に配置された前記複数の線心の前記長辺部に加圧および加熱を行うことにより前記外被の断面における前記長辺部の両端部を溶融変形させ、溶融変形した前記長辺部の両端部を前記複数の線心の間で隣接する前記短辺部に熱融着させて前記一体化部を形成し、前記一体化部および前記非一体化部において前記線心の前記外被の少なくとも片面に貼着されて前記非一体化部の前記線心を補強する補強テープを貼着することを特徴とするフラットケーブルの製造方法(以下、発明3という)を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、上記の目的を達成するため、導体を発泡絶縁層で絶縁し、最外層に保護層としての外被を有する複数の線心を並列に配置し、前記外被同士を熱融着することによって前記複数の線心の長さ方向に所定の間隔で一体化部と非一体化部とを形成するフラットケーブルの製造方法において、並列にされた前記複数の線心が移動するルートの側部の所定の位置に保持部材、加熱部材および冷却部材を配置し、前記保持部材を前記複数の線心と交差させるようにして前記ルートに突出させる動作と、前記加熱部材を前記ルートに突出させて前記保持部材で支えられた前記複数の線心を加圧加熱することにより前記複数の線心の前記外被の表面部同士を熱融着した後、前記加熱部材を原点に復帰させる動作と、前記冷却部材を前記ルートに突出させて接触させることにより前記保持部材で支えられた前記複数の線心を冷却した後、前記冷却部材を原点に復帰させる動作と、前記冷却部材の原点復帰の前記動作と同時、あるいはその前後に前記保持部材を原点に復帰させる動作と、前記保持部材の原点復帰後に前記複数の線心を所定の長さ移動させて停止させる動作を繰り返すことにより前記一体化部を形成する動作と、前記一体化部を形成した後に前記一体化部および前記非一体化部において前記線心の前記外被の少なくとも片面に貼着されて前記非一体化部の前記線心を補強する補強テープを貼着する動作とからなることを特徴とするフラットケーブルの製造方法(以下、発明4という)を提供するものである。
【0013】
発明1〜発明4において外被に貼着される補強テープは、機械的ストレスから線心を保護するために貼着されるもので、非一体化部においてフリーにされ、従って、一体化部に比べて外力の作用しやすいこの部分の線心は、補強テープの貼着によって相互補完的に耐性が向上することになり、その結果、線心の内部の発泡絶縁層は、外力による機械的ストレスから保護されることになる。この保護効果を確実なものとするためには、常態特性において3.0kg/mm2以上の引張強度と7.0%以下の破断時伸びを有した補強テープを貼着することが好ましい。
【0014】
線心への補強テープの貼着手段としては、補強テープ自身を線心の外被に熱融着するか、あるいは補強テープの片面に形成されたホットメルト層を外被に熱融着するなどが考えられる。厚さが薄いテープの外被への熱融着が、発泡絶縁層に熱的影響を与える恐れはない。補強テープの具体的な構成材としては、たとえば、片面に塩化ビニル樹脂等のホットメルト層を形成した和紙を挙げることができる。
【0015】
ケーブルの長さ方向の所定の位置に、線心の外被と補強テープが接着しない非貼着部を設ける構成は、配線時の利便性を向上させる効果がある。たとえば、切断単位の両端に非貼着部を設けておいて、配線後に、必要に応じてこの部分からテープを剥がすような使用形態が考えられる。
【0016】
フラット型線心群の各線心の外被の断面を4角形に構成するとともに、この4角形の4面に湾曲凹面を形成し、一体化部において隣接するシールド層の間にこの湾曲凹面に基づく空間部を形成する構成は好ましい。空間部は、一体化部に加わる屈曲、捩れ等の外力を緩和するように作用するため、一体化部の発泡絶縁層を保護するうえにおいて有用である。
【0017】
外被の4角形の断面における4辺の中のフラット型線心群の少なくとも片面に対応する辺に、補強テープを貼着する構成は好ましく、このようにするときには、フラット型線心群と補強テープの貼着面積が大きくなるため、線心として断面丸型のものを使用するときに比べて補強テープによる補強力が増大し、発泡絶縁層の保護効果はより向上することになる。
【0018】
線心の一体化部は、多くの場合、熱融着によって形成される。この熱融着部をフラット型線心群の表と裏に交互に形成することは可能であり、このように構成するときには、一体化部の片面が融着されないため、補強テープをフラット型線心群の片面のみに貼着する構成としたとき、補強テープが貼着されていない側の一体化部の線心の分離が容易になる。また、この場合、表と裏において熱融着部の一部を互いにラップさせるときには、一体化部の強度が増すことになる。
【0019】
発明2の製造方法は、線心の一体化部を熱融着によって形成するときに発泡絶縁層を熱と圧力から保護する効果を有する。第1の湾曲凹面と第2の湾曲凹面の組み合わせによって形成される尖端部は、外被の断面において左右方向と上下方向に同時に突出した形となり、従って、外被にこのような尖端部を有する線心を並列に並べて加熱加圧すれば、尖端部は、水平に曲げられるとともに隣接する線心間において互いに押し付け合わされることになり、この結果、隣接線心間の尖端部同士は互いに熱融着されることになる。
【0020】
この間において、線心に加わる熱と圧力は、尖端部の部分だけである。
発泡絶縁層に加わる熱と圧力は、尖端部のない外被を有した線心を使用する場合に比べると、格段に小さなものとなり、従って、発泡絶縁層の変形は確実に防がれることになる。なお、第2の湾曲凹面が外被の断面の上下の辺の片方だけに形成される場合には、線心間の熱融着はこの辺だけであり、一方、双方の辺に形成される場合には、両辺に熱融着が施されることになる。なお、この発明にいう第2の湾曲凹面の上下方向からの加圧とは、上方向、下方向、上および下方向のいずれの方向からの加圧をも意味する。
【0021】
熱融着のための加圧および加熱は、加圧および加熱に使用する加熱ロール等の部材が第2の湾曲凹面の底部に接触するまでか、あるいは接触する寸前までとすることが好ましく、このようにするときには、発泡絶縁層への熱と圧力の付加が大きく減少することができる。部材が底部に接触するまで行うときには、製造されるフラットケーブルの表面が平坦化するので好ましいが、過剰な接触は、発泡絶縁層の加圧につながるので好ましくない。
【0024】
発明3において、線心の外被の断面形状の台形は、必ずしも傾斜辺を2つ有するものとは限らず、傾斜辺が1つであってもよい。
発明3の製造方法においては、発泡絶縁層が長辺部と短辺部のうち短辺部の側に配置されるため、熱融着が行われるとき、圧力と熱は長辺部の側に集中することになり、従って、短辺部の側に位置する発泡絶縁層は、圧力と熱の作用から保護されることになる。
【0025】
また、発明3において、長辺部と短辺部に湾曲凹面を形成するときは、長辺部が小容量の熱と小さな圧力のもとに溶融変形して短辺部に融着するため、発泡絶縁層はより保護されることになる。短辺部側への発泡絶縁層の配置と湾曲凹面部の形成が組み合わされる結果、発泡度の下限値を80%の高レベルに設定することが可能となる。外被の構成材としては、この発泡度に対応するため、発明2に示したエチレン−酢酸ビニル共重合体のような融点の比較的低い樹脂であることが好ましい。
【0026】
発明4は、以上の発明2および3を実施するのに好適な製造方法である。
並列に並べられ、保持部材によって支えられた複数の線心に加熱部材を接触させて外被同士を熱融着するため、従来の線心全体を加熱加圧する上下一対の加熱ロールあるいは上下一対の加熱金型を使用する場合とは異なり、外被の表面同士の熱融着が可能であり、従って、発泡絶縁層への過大な熱と圧力の作用を抑制することができる。
【0027】
熱融着の対象は、並列に並べられた複数の線心の片面あるいは両面のいずれでもよい。両面を熱融着する場合には、保持部材、加熱部材および冷却部材を、並列に並べらた複数の線心の上方と下方に位置させて線心の移動ルートの側部に2組配置すればよい。なお、これら2組の部材を交互に作動させることによって、線心の表と裏を交互に熱融着することは可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、本発明によるフラットケーブルとその製造方法の実施の形態を説明する。 図1の(a)は、線心の構成を示し、1は導体2の周囲に発泡絶縁層3を被覆したコア、4はコア1に添えられたドレンワイヤ、5はコア1とドレンワイヤ4の周囲に形成されたシールド層、6は最外層の保護層としての外被を示す。
【0029】
外被6は略4角形の断面を有し、水平方向に対向する2辺7、8に第1の湾曲凹面9、10が形成されており、さらに、他の2辺11、12にも第2の湾曲凹面13、14が形成されている。15〜18は、第1の湾曲凹面9、10と第2の湾曲凹面13、14の組み合わせによって断面4角形の角部に形成された尖端部を示す。これらの尖端部15〜18は、湾曲凹面9、10、13および14の組み合わせより形成されているため、たとえば、15を例にとると、外被6の左と上方に同時に突出した形にあり、他の尖端部も同様である。
【0030】
図1の(b)は、以上の構成の線心19の複数本を並列に配置して外被6同士を熱融着することにってフラット化し、さらに、フラット化した片面に補強テープ20を貼着したフラットケーブルの構成を示し、最側部の線心としては、第1の湾曲凹面9あるいは10がなく、さらに、尖端部15および17、あるいは16および18のいずれかのペアが形成されていない線心を使用した(以下の各図も同じ)。線心19には、図7の(B)と同じく、その長さ方向に所定の間隔毎に一体化部23と非一体化部24が交互に形成されている。
【0031】
以上の構成のフラットケーブルによれば、配線時等において非一体化部24の線心19に曲げ力や張力等が作用したとしても、補強テープ20が線心19を支えることになり、従って、線心内部の発泡絶縁層3は、変形から保護されることになり、変形による特性インピーダンスの変化、およびそれによる伝送特性の変動を防ぐことができる。
【0032】
また、隣接する線心19の外被6の間には、図1の(b)に示されるように第1の湾曲凹面9、10に基づく空間部25が形成されているので、一体化部23に屈曲力等が作用したとき、空間部25がその力を緩和するように作用することになり、従って、発泡絶縁層3の安定性はさらに向上することになる。
【0033】
本実施の形態においては、補強テープ20が、外被6の断面の4辺の中のフラット型線心群の片面において対応する辺(面)21に貼着されているため、補強テープ20は、広い面積で貼着された形となり、従って、線心として断面丸型の線心を使用したときの、線心とテープ間が線接触となる形態に比べ、補強テープ20による補強効果が著しく増大する。
【0034】
図2は、以上の構成のフラットケーブルを得るための製造方法の実施の形態を示す。図2の(a)において、26aと26bは、並列に配置されて所定のルートを移動する複数の線心19の上方と下方に位置させられて、配置された2組の熱融着装置を示し、図2の(b)に示されるように並列された線心19の側部に設置されている。
【0035】
熱融着装置26aは、上方より順に、冷却部材27a、加熱ロール28a、ヒータ29aおよび保持部材30aを配置させており、一方、熱融着装置26bは、上方より、保持部材30b、ヒータ29b、加熱ロール28bおよび冷却部材27bを配置させている。
【0036】
まず、熱融着装置26bの保持部材30bが線心19の移動ルートに突出して上昇し、停止している線心19の熱融着すべき部分の下に位置する。次に、熱融着装置26aのヒータ29aが突出して下降することにより、並列された全線心19に接触してこれらを所定の時間予熱する。予熱は、60〜80℃で10〜20秒程度であり、また、ヒータ29aの下降が外被6の第2の湾曲凹面13の底部Aと接触するまでであるため、この予熱によって発泡絶縁層3が不要な熱と圧力を受けることはない。予熱後、ヒータ29aは原点に復帰する。
【0037】
ヒータ29aが復帰すると、次に、加熱ロール28aが突出して、その断面の円の中心を熱融着すべき部分の先端に位置させてから下降し、線心19の外被6と接触した状態で原点方向に所定の長さだけ移動する。加熱ロール28aは自転し、その回転速度は10〜15mm/秒程度である。加熱ロール28aは、この回転速度に同調した所定の速度で移動し、外被6の表面部を熱融着する。ロール温度は、外被6が塩化ビニル樹脂の場合、170〜200℃程度である。
【0038】
加熱ロール28aの下降は、ロールの表面が、図1の(a)の第2の湾曲凹面13の底部Aに僅かに接触する位置までであり、これにより、外被6の尖端部15と16は、水平に曲げられると同時に熱溶融し、隣接する線心19の間において互いに押し付け合わされることで相互に熱融着される。この間、発泡絶縁層3に過剰な熱と圧力が作用することはない。
【0039】
熱融着が完了して加熱ロール28aが原点に復帰すると、次に、冷却部材27aが突出して下降し、熱融着された線心19に接触してこれを冷却する。冷却部材27aとしては、それ自体に冷媒を循環させるのが普通であるが、原点位置での待機中にその都度冷却するように構成してもよい。
【0040】
冷却が完了すると、冷却部材27aと保持部材30bが順に原点に復帰し、これにより線心19の上面の熱融着が完了する。以上により上面への処置が終了すると、次に、熱融着装置26aの保持部材30aが突出して下降し、以下、熱融着装置26b側のヒータ29b、加熱ロール28bおよび冷却部材27bが順に突出して前述と同様の所定の動作を行い、これにより並列された線心19の下面が熱融着される。
【0041】
ヒータ29bと加熱ロール28bの上昇の度合は、上面と同じく、図1の(b)の第2の湾曲凹面14の底部Bの位置を基準にして設定される。ヒータ29bの上昇は、底部Bに接触するまでであり、一方、加熱ロール28bは、底部Bに接触する寸前に止められる。両面の熱融着が完成すると、複数の線心19は、所定の長さだけ移動して停止し、以上の各動作が再び行われる。以後、これが繰り返されることにより、非一体化部23と熱融着による一体化部24を交互に形成したフラットケーブル22が製造される。
【0042】
熱融着装置26aと26bの各部材の一連の動作、熱融着装置26aから26bへの動作の切り替え、および線心19の移動開始等は、光センサ、近接スイッチあるいはリミットスイッチ等を利用することにより、先の部材の原点復帰が次の部材の動作開始となるように連係づけることが好ましい。
【0043】
図3は、図2の製造方法における動作順をまとめたものである。
ステップ1により熱融着の準備が行われた後、ステップ2〜12の動作が順に進行することによって複数の線心19の上面側が熱融着され、引き続き、ステップ13〜23が進行することによって線心19の下面側が熱融着される。両面の熱融着後、ステップ24によって線心19が所定の長さ移動し、ステップ25において移動が停止する。、以後、ステップ1〜25の動作が繰り返される。
【0044】
以上のようにして進行するフラットケーブルの製造方法においては、線心19の熱融着を尖端部15と16の間で行うため、この間、発泡絶縁層3に過剰な熱と圧力が作用することがなく、従って、発泡絶縁層3に変形のない安定した熱融着作業を遂行することができる。
【0045】
図2の(a)において、31は、製造ラインの中でフラットケーブル22に補強テープ20を貼着するための貼付装置を示す。把持具32が図の右方向に移動することによって補強テープ20を引き出すとともに、カッター33によって所定の長さに切断してフラット型線心群の面21にテープ20を熱融着する機能を有している。熱融着は、熱量を精密に制御された熱風機等によって行われる。34は引取ロールを示す。
【0046】
図2の製造方法のひとつの形態として、熱融着装置26b(および保持部材30a)側だけを動作させることによって線心19の下面のみを所定の間隔毎に熱融着し、上面には補強テープ20を貼着するだけのフラットケーブルを製造することは可能であり、そのような実施の形態とそのような構成のフラットケーブルは本発明に含まれる。その場合、図1の(a)の第2の湾曲凹面13は有ってもよく、あるいは直線状にしてもよい。湾曲凹面13が存在する場合には、貼付装置31にこの形状に対応できる機能が付加される。たとえば、表面に凸型クラウンを付した軟質スポンジロール等の使用が考えられる。
【0047】
次に、図1の(a)の線心を使用し、図2および図3に基づいて製造されたフラットケーブルの特性を示す。製品の構成は、図1の(b)および図7の(b)の通りであり、材質、寸法、作業条件等は以下の通りである。
◇導体2:外径0.203mmの軟銅線
◇線心19の特性インピーダンス:50Ω
◇発泡絶縁層3
・材質:ポリエチレン
・外径:0.70mm
【0048】
◇ドレンワイヤ4:導体2に同じ
◇シールド層5:銀メッキ銅箔とポリエステルのラミネート材の巻き付けにより形成
◇外被6
・材質:塩化ビニル樹脂
・図1の(a)の寸法:h=0.95mm、w=1.27mm
◇補強テープ20:片面に塩化ビニル樹脂のホットメルト層を形成した厚さが0.1mmの和紙
【0049】
◇線心19の数:20
◇一体化部23の長さ:100mm
◇ヒータ29a、29bによる予熱:70℃×15秒
◇加熱ロール28a、28b
・ロール径:100mm
・温度;190℃
・速度:12mm/秒
【0050】
【実施例1】
発泡絶縁層3の発泡度:60%
【実施例2】
発泡絶縁層3の発泡度:70%
【0051】
【比較例1】
上下一対の挟圧式の加熱ロールを使用して以下の条件により図7のフラットケーブルを製造した。
◇線心19の特性インピーダンス:50Ω
◇導体2およびドレンワイヤ4:実施例1に同じ
◇シールド層5:実施例1に同じ
◇発泡絶縁層3
・材質:実施例1に同じ
・発泡度:60%
【0052】
◇外被6
・材質:実施例1に同じ
・断面形状:図1の(a)において、第1の湾曲凹面部9、10、および第2の湾曲凹面部13、14のない(従って、尖端部15〜18のない)完全な4角形
◇線心の数:実施例1に同じ
【0053】
◇一体化部23の長さ:実施例1に同じ
◇加熱ロール
・ロール径:100mm
・温度:170〜180℃
・速度:10〜15mm/秒
・加圧力:10kgf/cm2
【0054】
【比較例2】
比較例1において、加熱ロールの代わりに加圧プレスにセットされた上下一対の加熱金型を使用し、他を同一条件とすることによって図7のフラットケーブルを製造した。
◇加熱金型
・金型サイズ:100mm×100mm
・温度:170〜180℃
・加圧力:10kgf/cm2
・加圧時間:2〜5秒
【0055】
【比較例3】
発泡絶縁層3の発泡度を70%とする以外、比較例1と同一条件により図7のフラットケーブルを製造した。
【比較例4】
発泡絶縁層3の発泡度を70%とする以外、比較例2と同一条件により図7のフラットケーブルを製造した。
【0056】
表1に、以上の実施例および比較例により製造されたフラットケーブルの特性を示す。
【0057】
【表1】
Figure 0003667176
(備考)
1.発泡度
以下により求めた。
発泡度=(発泡絶縁層の元の比誘電率−発泡絶縁層の比誘電率)/(発泡絶縁層の元の比誘電率−空気の比誘電率)×100
2.特性インピーダンス波形
TDRメータにより測定したとき、一体化部の波形に歪みが発生しないものを○(特性インピーダンスに変動なし)、歪みが発生したものを×(特性インピーダンスに変動あり)とした。
3.一体化部の剥離強度
幅方向の端部に位置した測定対象の線心の端末を隣接する線心より一部剥離し、剥離した端末をケーブルの長さ方向に100mm/minの速度で牽引したときの剥離強度であり、20本の線心のうち36、9、12、15および18番目の線心を対象に測定し、そのバラツキを見た。
400g±10%を○、±10%を超えて±20%以内のものを△、±20%を超えるものを×とした。
4.一体化部の割れ強度
一体化部を外径15mmの金属丸棒に巻き付けたときの一体化部の融着状態を観察したもので、融着部に変化のないものを○、融着の合わせ目が線状に浮き出るものを△、融着部が割れるものを×とした。
5.一体化部の導体ピッチ精度
一体化部の導体間の寸法を測定し、各導体間の寸法が1.27±0.02mmに収まっているものを○、収まらないものを×とした。
6. 一体化部の剥離強度試験と割れ強度試験に供した実施例1および2のサンプルとしては、図2において補強テープ20を供給しないで製造した補強テープなしのフラットケーブルを使用した。
【0058】
表1によれば、実施例1および2により製造されたフラットケーブルが、特性インピーダンス波形、一体化部23の剥離力、同割れ強度、および一体化部23における導体2のピッチ精度において、いずれも良好な結果を示しているのに比べ、比較例1〜4によるフラットケーブルは、満足できる特性を示していない。
両者の差は明白であり、本発明の効果が如実に現れている。
【0059】
次に、特性インピーダンスの測定結果を示す。特性インピーダンスの測定は、測定対象に高速のパルス電圧を印加し、そのときの反射電圧を広帯域のオシロスコープで観察し、検出した反射電圧に基づいてインピーダンスを求めるTDR測定法により行った。
図4は、実施例2と比較例4によって得られたフラットケーブルにパルス電圧を印加したときの電圧の波形を示したもので、(a)は比較例4、(b)は実施例2を示す。
【0060】
図4の(a)の上方の図は、パルス電圧の印加方法を示したもので、全長が1mのフラットケーブル22を準備し、その一方の端末の導体2に電圧印加用端子35を接続し、他方の端末の導体2とシールド層5を抵抗Rを介して接続し、この状態でパルス電圧の印加を行う。特性インピーダンスは、以下により求められる。線心単独での特性インピーダンスが50Ωであるので、
反射係数(ρ)=印加電圧(Er)/反射電圧(Ei) (1)
特性インピーダンス(ZO)=(1+ρ)/(1−ρ)×50(Ω) (2)
の関係が成立する。
【0061】
比較例4のフラットケーブルを対象とした図4の(a)においては、一体化部23と一致して波形に歪みDが生じており、−5.5mVの反射電圧が発生している。このフラットケーブルの特性インピーダンスZ0を(1)および(2)式により求めると、47.3Ωとなり、線心単独の特性インピーダンス50Ωから変化している。これは、線心の熱融着時に発泡絶縁層3が変形させられたことを意味し、このような特性インピーダンスの変動は、設計通りのフラットケーブルの製造を難しくし、不良品を発生させる原因となる。
【0062】
一方、これに対して、実施例2のフラットケーブルを対象とした図4の(b)の場合には、一体化部23に相当する個所に波形の歪みが認められない。フラットケーブルが線心単独のときと同じ特性インピーダンスを有していることはこの結果より明らかであり、従って、本発明によれば、設計値通りの所定のフラットケーブルを製造することができる。
【0063】
ここで、実施例と比較例の特徴を考察する。
【実施例1、2】
線心の外被の特異な断面形状、および並列にされた複数の線心の上面と下面からの2回に分けての熱融着のため、熱融着前後における発泡絶縁層の断面形状に変化がなく、従って、特性インピーダンスに変動のない、安定した構成のフラットケーブルを製造することができる。熱融着後の発泡絶縁層を観察した結果では、発泡度60%と70%の間に特別な差は認められなかった。
【0064】
【比較例1、2】
加熱ロールによる挟圧加熱であり、さらに、線心の外被の断面形状が平板な4角形であるため、熱融着時における発泡絶縁層の変形と、それによるインピーダンスの変動の要素が大である。特性インピーダンスの維持を目標として、加熱ロールの温度と速度、および加熱金型の温度と加圧時間を調整することによって製造した結果が表1であり、融着強度に充分なものが得られなかった。また、導体間のピッチ精度も充分でなく、従って、この製造方法によって、特性インピーダンスおよび熱融着構成を同時に満足させることは困難である。
【0065】
【比較例3、4】
発泡度70%の影響が現れている。比較例1、2のように発泡絶縁層の保護のために条件の調整を行ったが、発泡絶縁層の変形は避けられず、このため、特性インピーダンスと融着強度のいずれをも満足できなかった。近年の高発泡度化の要求には、対処不能である。
【0066】
図5は、本発明によるフラットケーブルの他の実施の形態を示す。
図5の(a)に示されるように、導体2と発泡絶縁層3から構成されるコア1の数を2本とし、両者の間にドレンワイヤ4を配置してこれらの周囲にシールド層5と外被6を形成することによって線心19を構成した点に特徴を有する。他の部分は図1と同じである。
図2の製造方法にこの線心を適用すれば、図1の(a)の線心を適用したときと同様の効果を得ることができる。
【0067】
図6は、本発明による他のフラットケーブルの実施の形態を示す。
図6の(a)に示されるように外被6の断面を台形にするとともに、台形の形状の短辺部36と長辺部37に湾曲凹面38と39を形成し、さらに、発泡絶縁層3(コア1)を短辺部36の側に寄せることによって線心19が構成されている。
【0068】
以上の構成の線心19を図2の製造に適用すれば、長辺部37の両端部40および41は、加熱加圧により溶融変形して隣接する短辺部36の両端部42および43に接触してこれと熱融着することになり、従って、各線心19は、相互に熱融着して図6の(b)に示されるようなフラットケーブル22となる。
【0069】
この形式の線心19を使用する場合には、長辺部37の両端部40および41が溶融し、水平に変形させられての融着となるため、発泡絶縁層3への過大な熱と圧力の作用がなく、さらに、発泡絶縁層3が加熱部材からの圧力と熱の加わらない短辺部36の側に配置されているため、発泡絶縁層3は、より一層変形から保護されることになる。この図6の(a)の線心を使用して得られるフラットケーブルは、図1の(a)の線心を使用したフラットケーブルと同様に、線心単独におけるのと同水準の特性インピーダンスを維持することができる。
【0070】
【発明の効果】
本発明によるフラットケーブルおよびその製造方法によれば、以下のような効果が得られる。
1. 所定本数の線心を並列に配置したフラット型線心群の少なくとも片面に補強テープが貼着されているため、非融着部の線心がこのテープによって補強されることになり、従って、曲げ力、張力等の外力の作用による変形から発泡絶縁層を保護することができ、フラットケーブルとしての伝送特性を安定化させることができる。
【0071】
また、その具体的な構成として、
(1) 発泡絶縁層に添わせてドレンワイヤを配置し、発泡絶縁層およびドレンワイヤを包囲するようにシールド層を有する線心を適用した場合は、安定した同軸型のフラットケーブルを構成することができ、
(2) さらに、フラット型線心群の一体化部における線心の外被の断面を湾曲凹面を4面に有した4角形に構成し、隣接するシールド層の間に空間部を形成するときには、この空間部が屈曲、捩れ等の外力を緩和するように作用するため、発泡絶縁層をより一層保護することができる。
【0072】
(3) また、補強テープを、外被の4角形の断面の4辺の中のフラット型線心群の少なくとも片面に対応する辺に貼着するときには、補強テープの貼着面積が大になるので、断面丸型もしくは四角形の線心を使用して補強テープを貼着するときに比べると、補強テープによる補強効果が著しく増大することになり、従って、発泡絶縁層をより高度に保護することができるようになる。
【0073】
(4) また、一体化部を熱融着によって構成するとともに、この熱融着部をフラット型線心群の表と裏に交互に形成し、補強テープをフラット型線心群の片面だけに形成するときには、補強テープが貼着されていない側の一体化部の線心が融着されないため、この部分の線心の分離が容易になり、
(5) さらに、この表と裏の熱融着部の一部を互いにラップさせるように構成するときには、一体化部の強度を向上させることが可能となる。
【0074】
2. 本発明によるフラットケーブルの製造方法においては、外被の4角形の断面において水平方向に対向する2辺に第1の湾曲凹面を形成し、他の辺に第2の湾曲凹面を形成し、これらの第1および第2の湾曲凹面の組み合わせによって形成される尖端部を水平に曲げるとともに隣接する線心間で相互に押し付け合わせ、押し付け合わされた尖端部同士を加熱融着して線心を一体化することでフラットケーブルの製造を行うため、線心の中の発泡絶縁層に過大な熱と圧力を与える恐れがなく、従って、発泡絶縁層に変形のない良質なフラットケーブルを製造することができる。
【0075】
また、その具体的な方法として、
(1) 熱融着のための加圧および加熱を、加熱部材が第2の湾曲凹面の底部に接触するまで、あるいは接触する寸前までとするときには、発泡絶縁層へ加わる圧力と熱を大幅に減ずることができる。
【0076】
3. また、本発明の他の製造方法においては、長辺部と短辺部を対向させた台形の断面を有した外被を備え、発泡絶縁層を短辺部の側に寄せて位置させた線心を複数本並列に配置し、長辺部を加熱加圧することによって溶融した長辺部の両端部を隣接する線心の短辺部に接触させて溶融させ、これにより外被同士を融着することでフラットケーブルを製造するため、短辺部の側に位置する発泡絶縁層に加わる熱と圧力は大幅に抑制されることになり、従って、発泡絶縁層に変形のない良質なフラットケーブルを製造することができる。
【0077】
また、その具体的な方法として、
(1)長辺部と短辺部に湾曲凹面を設けることによって台形の角部に尖端部を形成するときには、この尖端部が容易に変形するとともに溶融しやすくなるため、発泡絶縁層への圧力と熱の作用は一層低減されることになる。
【0078】
4. また、上記2および3の製造方法を実施するのに好適な本発明の製造方法においては、並列に配置された複数の線心の移動ルートの側部に保持部材と加熱部材と冷却部材を配置し、突出させた保持部材によって複数の線心を支え、この状態で複数の線心の一方の面の外被に加熱部材を接触させることにより外被の表面部を相互に熱融着し、熱融着後、冷却部材を突出させて融着された外被を冷却することでフラットケーブルの製造が行われるため、一対の加熱ロールによって挟圧する製造方法、あるいは加圧プレスにセットされた一対の加熱金型によって狭圧する製造方法に比べると、線心に加わる圧力と熱を最小限に抑えることができ、従って、発泡絶縁層に変形のない高品質のフラットケーブルを製造することができる。
【0079】
さらに、その具体的な方法として、保持部材、加熱部材および冷却部材を、並列に並べられた複数の線心の上方と下方に位置させて2組配置するときには、線心の両面を熱融着することで高い強度の融着部を形成することができるとともに、必要によっては融着部を線心の両面に交互に形成することも可能となる。このように融着部を線心の片面のみに形成する場合には、一体化部での線心の分離が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフラットケーブルの実施の形態を示す説明図であり、(a)は線心の断面図、(b)はフラットケーブルの断面図を示す。
【図2】本発明によるフラットケーブルの製造方法の実施の形態を示す説明図であり、(a)は製造ラインの概略図、(b)は(a)のC−C矢視図を示す。
【図3】図2の動作順を示すフローチャート。
【図4】特性インピーダンスの測定において、フラットケーブルにパルス電圧を印加したときの電圧波形を示す説明図であり、(a)は比較例によって得られたフラットケーブルの電圧波形、(b)は本発明の実施例によって得られたフラットケーブルの電圧波形を示す。
【図5】本発明によるフラットケーブルの他の実施の形態を示す説明図であり、(a)は線心の断面図、(b)はフラットケーブルの断面図を示す。
【図6】本発明によるフラットケーブルのさらに他の実施の形態を示す説明図であり、(a)は線心の断面図、(b)はフラットケーブルの断面図を示す。
【図7】フラットケーブルの説明図であり、(a)は従来のフラットケーブルの断面図、(b)は一般的なフラットケーブルの斜視図を示す。
【符号の説明】
1 コア
2 導体
3 発泡絶縁層
4 ドレンワイヤ
5 シールド層
6 外被
9、10 第1の湾曲凹面
13、14 第2の湾曲凹面
15〜18 尖端部
19 線心
20 補強テープ
22 フラットケーブル
23 一体化部
24 非一体化部
25 空間部
26a、26b 熱融着装置
27a、27b 冷却部材
28a、28b 加熱ロール
29a、29b ヒータ
30a、30b 保持部材
31 貼付装置
34 引取ロール
36 短辺部
37 長辺部
38、39 湾曲凹面
40、41 両端部
A、B 底部

Claims (10)

  1. 導体を発泡絶縁層で絶縁し、最外層に保護層としての外被を有する線心を所定本数だけ並列に配置し、隣接する前記線心の前記外被を一体化する一体化部、および一体化しない非一体化部を前記線心の長さ方向に所定の間隔で形成したフラット型線心群を有したフラットケーブルにおいて、
    前記フラット型線心群の少なくとも片面に配置され、前記一体化部および前記非一体化部において前記所定本数の前記線心の前記外被に貼着されて前記非一体化部の前記線心を補強する補強テープを有することを特徴とするフラットケーブル。
  2. 前記線心は、前記発泡絶縁層に沿って配置されたドレンワイヤと、前記発泡絶縁層および前記ドレンワイヤを包囲し、外周を前記外被によって保護されたシールド層を有する同軸線心であることを特徴とする請求項1項記載のフラットケーブル。
  3. 前記補強テープは、前記外被の4角形の断面の4辺の中の前記フラット型線心群の少なくとも片面に対応する辺に貼着されていることを特徴とする請求項項記載のフラットケーブル。
  4. 導体を発泡絶縁層で絶縁し、最外層に保護層としての外被を有する複数の線心を並列に配置し、前記外被同士を熱融着することによって前記複数の線心の長さ方向に所定の間隔で一体化部と非一体化部とを形成するフラットケーブルの製造方法において、
    4角形の断面において水平方向に対向する2辺に第1の湾曲凹面を有するとともに他の2辺の少なくとも一方に第2の湾曲凹面を有し、前記第1および第2の湾曲凹面の組み合わせによって前記4角形の断面の角部に尖端部を形成した外被を有する線心の複数本を並列に配置し、
    前記第2の湾曲凹面の上下方向からの加圧により前記尖端部を水平に曲げるとともに隣接する前記線心の間で前記尖端部同士を押し付け合わせるようにして前記尖端部の加圧および加熱を行い、隣接する前記線心の間で前記尖端部同士を熱融着することにより前記一体化部を形成し、前記一体化部および前記非一体化部において前記線心の前記外被の少なくとも片面に貼着されて前記非一体化部の前記線心を補強する補強テープを貼着することを特徴とするフラットケーブルの製造方法。
  5. 前記加圧および加熱における加圧は、前記加圧および加熱を行うための部材が前記第2の湾曲凹面部の底部に接触するまで、あるいは接触する寸前までとすることを特徴とする請求項項記載のフラットケーブルの製造方法。
  6. 導体を発泡絶縁層で絶縁し、最外層に保護層としての外被を有する複数の線心を並列に配置し、前記外被同士を熱融着することによって前記複数の線心の長さ方向に所定の間隔で一体化部と非一体化部とを形成するフラットケーブルの製造方法において、
    長辺部と短辺部が対向する台形の断面を有した外被を有し、前記短辺部の側に寄せて前記発泡絶縁層を位置させた複数の線心を前記長辺部と前記短辺部を水平方向に対向させて並列に配置し、
    並列に配置された前記複数の線心の前記長辺部に加圧および加熱を行うことにより前記外被の断面における前記長辺部の両端部を溶融変形させ、溶融変形した前記長辺部の両端部を前記複数の線心の間で隣接する前記短辺部に熱融着させて前記一体化部を形成し、前記一体化部および前記非一体化部において前記線心の前記外被の少なくとも片面に貼着されて前記非一体化部の前記線心を補強する補強テープを貼着することを特徴とするフラットケーブルの製造方法。
  7. 前記外被は、前記台形の断面における前記長辺部および前記短辺部に湾曲凹面が形成され、前記台形の断面の角部に前記湾曲凹面の形成による尖端部が形成されることを特徴とする請求項項記載のフラットケーブルの製造方法。
  8. 導体を発泡絶縁層で絶縁し、最外層に保護層としての外被を有する複数の線心を並列に配置し、前記外被同士を熱融着することによって前記複数の線心の長さ方向に所定の間隔で一体化部と非一体化部とを形成するフラットケーブルの製造方法において、
    並列にされた前記複数の線心が移動するルートの側部の所定の位置に保持部材、加熱部材および冷却部材を配置し、
    前記保持部材を前記複数の線心と交差させるようにして前記ルートに突出させる動作と、
    前記加熱部材を前記ルートに突出させて前記保持部材で支えられた前記複数の線心を加圧加熱することにより前記複数の線心の前記外被の表面部同士を熱融着した後、前記加熱部材を原点に復帰させる動作と、
    前記冷却部材を前記ルートに突出させて接触させることにより前記保持部材で支えられた前記複数の線心を冷却した後、前記冷却部材を原点に復帰させる動作と、
    前記冷却部材の原点復帰の前記動作と同時、あるいはその前後に前記保持部材を原点に復帰させる動作と、
    前記保持部材の原点復帰後に前記複数の線心を所定の長さ移動させて停止させる動作を繰り返すことにより前記一体化部を形成する動作と、
    前記一体化部を形成した後に前記一体化部および前記非一体化部において前記線心の前記外被の少なくとも片面に貼着されて前記非一体化部の前記線心を補強する補強テープを貼着する動作とからなることを特徴とするフラットケーブルの製造方法。
  9. 前記保持部材、加熱部材および冷却部材は、並列にされた前記複数の線心の上方および下方に2組配置され、
    前記保持部材、加熱部材および冷却部材の各前記動作は、並列にされた前記複数の線心の表と裏に行われることを特徴とする請求項項記載のフラットケーブルの製造方法。
  10. 前記保持部材、加熱部材および冷却部材の各前記動作は、並列にされた前記複数の線心の表と裏に前記所定の間隔で交互に行われることを特徴とする請求項項記載のフラットケーブルの製造方法。
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