JP3667121B2 - 炭化ホウ素焼結体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置用治具、特にハロゲンプラズマ中で使用させる治具などの精密加工製品などに使用される高純度高強度の炭化ホウ素焼結体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、炭化ホウ素焼結体は、その優れた耐プラズマ特性から、ドライエッチング装置用多孔質電極に使用することが提案されている(特開平01−59818)。この炭化ホウ素焼結体は、純度が99.5%、平均粒径100μmの炭化ホウ素粉末を黒鉛ダイスに充填したのち、ホットプレス焼成にて作製するものである。
【0003】
一方、緻密な焼結体を作製する手法としては、1μm以下の粒度分布をもつ粉末状炭化ホウ素に遊離炭素を0.5〜10%混合した理論密度の90%以上の密度を有する焼結体が提案されている(特公昭58−30263号公報参照)。
【0004】
また、本発明者らは、高純度で緻密な焼結体を作製する手法として、ケイ素化合物特に炭化ケイ素を0.05〜5重量%および、熱分解で炭素に変化し得る有機化合物を炭素換算で0.5〜5重量%添加し純化処理後に焼成させる方法を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、添加物を用いない上記炭化ホウ素焼結体が開気孔率が20%以上あり焼結体自体の強度が充分でない。また、助剤として遊離炭素を添加した焼結体は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属を多く含んでおり、それらが製品を汚すため半導体製造装置用として使用するには問題があった。
【0006】
また、炭化ホウ素の一次原料中には不純物としてグラファイト相が含まれているが、このグラファイト相が焼結過程で偏析するため、焼結体組織に異相組織を形成する傾向にある。しかもこのグラファイト相はハロゲンガスのプラズマに対する耐食性が低いため、グラファイト相を多量に含有する焼結体を腐食性の高いなどのハロゲンプラズマ中で使用すると、グラファイト相の腐食を初期的腐食とするエッチングが促進され、エッチングレートが著しく増大するなど、半導体製造装置用耐プラズマ部材の材料として使用するには問題があった。
【0007】
従って、本発明は、焼結体中のグラファイト相を低減し、且つ緻密で高強度の炭化ホウ素焼結体とその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的に対して検討を重ねた結果、炭化ホウ素に対して、金属ホウ素を所定量含有せしめるか、または金属シリコンを添加することにより、金属ホウ素または金属シリコンが余剰の炭素と反応して、炭化ホウ素または炭化ケイ素に変換することにより、グラファイト相を低減できることを見いだした。また、その場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属を低減し、且つグラファイト相をX線回折測定によるピーク強度において特定の関係を満足する場合、優れた強度とハロゲンプラズマに対する耐久性が得られることを見いだし、本発明に至った。
【0009】
即ち、本発明の炭化ホウ素焼結体は、炭化ホウ素を主成分とし、X線回折測定において、炭化ホウ素の(021)面に帰属する回折ピークのピーク強度をIa、グラファイトの(002)面に帰属する回折ピークのピーク強度をIbとした時、Ib/Iaで表されるピーク強度比が0.01以下、アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属元素が総量で300ppm以下、相対密度が96%以上であり、且つプラズマ雰囲気中で使用されることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の他の炭化ホウ素焼結体は、炭化ホウ素を主成分とし、炭化珪素を0.5〜5重量%含有し、X線回折測定において、炭化ホウ素の(021)面に帰属する回折ピークのピーク強度をIa、グラファイトの(002)面に帰属する回折ピークのピーク強度をIbとした時、Ib/Iaで表されるピーク強度比が0.01以下、アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属元素が総量で300ppm以下、相対密度が96%以上であり、且つプラズマ雰囲気中で使用されることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明によれば、上記の焼結体を製造するにあたって、平均粒径が5μm以下の炭化ホウ素粉末に、平均粒径が3μm以下の金属ホウ素粉末を4〜12重量%、炭素粉末あるいは熱分解によって炭素に変化し得る有機化合物を炭素換算で0.5〜5重量%の割合で混合する工程と、該混合物を所定形状に成形する工程と、該成形体を1600℃〜2100℃の真空中で熱処理して、アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属元素を総量で300ppm以下となるまで純化する工程と、純化処理後に1900〜2250℃の温度の不活性雰囲気中で焼成して、X線回折測定において、炭化ホウ素の(021)面に帰属する回折ピークのピーク強度をIa、グラファイトの(002)面に帰属する回折ピークのピーク強度をIbとした時、Ib/Iaで表されるピーク強度比が0.01以下、相対密度96%以上に緻密化する工程とを具備するものである。
【0012】
さらに、他の製造方法としては、平均粒径が5μm以下の炭化ホウ素粉末に、平均粒径が5μm以下の金属シリコン粉末、あるいは前記金属シリコンと平均粒径が1μm以下の炭化ケイ素粉末あるいは熱分解によって炭化ケイ素に変換し得る有機化合物との混合物を炭化ケイ素換算で0.5〜5重量%、炭素粉末あるいは熱分解によって炭素に変化し得る有機化合物を炭素換算で0.5〜5重量%の割合で混合する工程と、該混合物を所定形状に成形する工程と、該成形体を1600℃〜2100℃の真空中で熱処理して、アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属元素を総量で300ppm以下となるまで純化する工程と、純化処理後に1900〜2250℃の温度の不活性雰囲気中で焼成して、X線回折測定において、炭化ホウ素の(021)面に帰属する回折ピークのピーク強度をIa、グラファイトの(002)面に帰属する回折ピークのピーク強度をIbとした時、Ib/Iaで表されるピーク強度比が0.01以下、相対密度96%以上に緻密化する工程とを具備するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の炭化ホウ素焼結体は、まず、第1に、Li,Na、Kなどのアルカリ金属、Mg、Ca、Baなどのアルカリ土類金属、およびY、希土類元素、Ti、V、Ta、Mo、W、Mn、Cr、Co、Fe、Niなどの遷移金属元素が総量で300ppm以下、特に150ppm以下、さらには50ppm以下、また言い換えると、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属が各々100ppm以下、特に50ppm以下、さらには10ppm以下であることが重要である。これは、上記の元素量が300ppmよりも多いと、半導体製造装置に使用した場合に、半導体製造時に半導体製品を汚染して、半導体の特性を劣化させてしまうためである。
【0014】
また、本発明の炭化ホウ素焼結体は相対密度96%以上であり、好ましくは98%以上の緻密体からなることが重要である。前記相対密度が96%よりも小さいと強度が低下してしまい、目的の強度が得られないためである。ここで、前記相対密度は理論密度に対する百分率で表したものである。
【0015】
さらに、本発明の炭化ホウ素焼結体は、炭化ホウ素の(021)面に帰属する回折ピークのピーク強度をIa、グラファイトの(002)面に帰属する回折ピークのピーク強度をIbとした時、Ib/Iaで表されるピーク強度比が0.01以下、特に0.002以下であることが重要である。
【0016】
これは、上記ピーク強度比が0.01よりも高いと、焼結体粒界中に存在するグラファイト相が偏析して異相組織を形成し、ここを起点としてプラズマによる腐食が進行するため著しく耐プラズマ性が劣化するためである。
【0017】
なお、本発明によれば、半導体製造時に悪影響を及ぼすことがなく、しかも真空中から高温まで安定な炭化ケイ素を0.5〜5重量%の割合で含有することもできる。この炭化ケイ素は焼結助剤として作用し、この量が0.5重量%よりも少ないと焼結助剤的な効果が期待できず、5重量%を越えると炭化ホウ素が粒成長を来たし、焼結体の強度を低下させてしまう。
【0018】
かかる高純度で高強度な炭化ホウ素焼結体を作製する方法は、少なくとも以下の(1)〜(4)の工程から構成される。
【0019】
(1)まず、出発原料として、a)炭化ホウ素粉末、b)平均粒径が3μm以下の金属ホウ素粉末、c)平均粒径が5μm以下の金属シリコン粉末、あるいは前記金属シリコンと平均粒径が1μm以下の炭化ケイ素粉末あるいは熱分解によって炭化ケイ素に変換し得る有機化合物との混合物とからなる炭化ケイ素成分、d)炭素粉末あるいは熱分解によって炭素に変化し得る有機化合物等の炭素源を用いて、a)およびd)に対して、b)及び/又はc)を添加混合する。
【0020】
この場合、主成分となるa)炭化ホウ素粉末の平均粒径は5μm以下、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下であることが必要であり、平均粒径が5μmを超えると、緻密化不足を招いて、強度低下を引き起こしてしまう。
【0021】
また、上記b)の金属ホウ素は4〜12重量%、特に7〜9重量%の割合で添加することが望ましく、この量が4重量%よりも少ないと、グラファイト相が残存し、12重量%よりも多いと過剰なホウ素が緻密化を阻害する。
【0022】
さらに、上記c)炭化ケイ素成分は、炭化ケイ素に換算して総量で0.5〜5重量%、好ましくは1〜4重量%、より好ましくは2〜3重量%である。この量が0.5重量%より小さいと緻密化が難しく、5重量%を超えると炭化ホウ素が粒子成長を起こし、強度を低下させてしまうためである。
【0023】
また、本発明によれば、平均粒径が5μm以下の金属シリコンを必須成分として含有し、特に炭化ケイ素換算で0.05重量%以上、好ましくは1重量%以上の割合で添加する。この金属シリコンは、後述する純化処理中に、炭化ホウ素の一次原料中に存在するグラファイト相と反応して炭化ケイ素を生成し、焼結体中に炭素源がグラファイト相として残存するのを抑制することができるためである。なお、上記金属シリコンの平均粒径が5μmよりも大きいと、グラファイト相との反応性が低下し、未反応のグラファイト相が残存しやすくなる。好ましくは2μm以下がよい。
【0024】
なお、熱分解によって炭化ケイ素を生成し得る有機化合物としては、ポリカルボシランなどが挙げられる。
【0025】
また上記d)炭素源は、炭素換算で0.5〜5重量%、好ましくは1〜4重量%の割合で混合する。この炭素源は、焼結中に炭化ホウ素主原料等に含まれるB2 O3 と反応して酸素分を除去する作用をなす。B2 O3 は焼結性を阻害するためにB2 O3 が還元分解されることにより焼結性が促進される。従って、この炭素量が0.5重量%よりも少ないとB2 O3 の還元が充分に行われず緻密化が難しく、5重量%を超えると逆に炭化ホウ素の粒子成長を抑制し、緻密化を阻害してしまうためである。なお、熱分解によって炭素に変化し得る有機化合物としては、コールタールピッチ、フルフリルアルコール、コーンスターチ、糖類、フェノール樹脂等が挙げられる。
【0026】
(2)次に、これらの混合物を、公知の所望の成形手段、例えば、金型プレス、冷間静水圧プレス、射出成形、押出し成形等により任意の形状に成形する。
【0027】
(3)そして、上記成形体を、まず、1600℃〜2100℃の真空中で熱処理することにより、成形体中のアルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属元素が総量で300ppm以下となるように純化処理を施す。また、この時の真空圧力は、10Pa以下であることが望ましく、10Paを超えると上記元素を効率的に除去することが難しくなるためである。
【0028】
この純化処理の温度は1600℃〜2100℃であるが、好ましくは1800℃〜2000℃であり、1600℃よりも低いと純化処理できず、2100℃を超えると添加した炭化ケイ素が飛散し緻密化を阻害し強度低下を引き起こすためである。
【0029】
(4)上記純化処理後、1900〜2250℃の温度で焼成して、相対密度96%以上に緻密化する。前記焼成温度は、好ましくは1900℃〜2100℃であり、不活性雰囲気、特にアルゴンガス中で焼成するのが望ましい。この焼成温度が2250℃を超えると炭化ホウ素が粒子成長し、強度低下を招き、1900℃よりも低いと相対密度96%以上に緻密化することが難しい。
【0030】
なお、焼成方法としては、常圧焼成(普通焼成)の他、ホットプレス焼成によって200kg/cm2 の機械的圧力を付与しながら焼成することもできる。上記ホットプレス法においては、(1)の粉末をホットプレス型内に充填して、上記の(3)純化処理を施した後、500kg/cm2 以上の機械的圧力を付与しながら(4)の条件で焼成することにより、(2)成形工程を(4)焼成工程と同時を行うことができるとともに、短時間で緻密化できる点で有利である。
【0031】
かくして得られる焼結体は、高純度で緻密化された高強度でかつ高い耐ハロゲンプラズマ性を有する炭化ホウ素焼結体であり、半導体製造装置用の治具やサセプターに使用した場合においても、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び遷移金属による半導体の汚染がほとんど無いという作用効果を有する。
【0032】
しかも、本発明の炭化ホウ素焼結体は、導電性を有する高強度の材料であり、ドライエッチングプロセスやハロゲンプラズマ等のプラズマ雰囲気中での成膜プロセスで使用される電極、サセプターなどの治具などの半導体製造装置用部品、半導体製造装置用チャンバー(壁体)、産業機械用の各種治工具、各種耐磨耗部品、精密加工用部品として好適に使用できる。
【0033】
【実施例】
炭化ホウ素粉末として、Na、Ca、Feがそれぞれ840ppm、120ppm、300ppmで、平均粒径が0.8μmの粉末(試料No.1〜32)と、平均粒径が20μmの粉末(試料No.33)を用いた。
【0034】
また、金属ホウ素粉末として平均粒径が1μmのものを使用した。金属Si粉末には平均粒径4μmのものを用いた。炭化ケイ素粉末としては、平均粒子径0.6μmのα−炭化ケイ素粉末を用いた。また、炭素源としては炭化率が20%のフェノール樹脂を有機溶媒に溶解させて用いた。
【0035】
そして、上記炭化ホウ素粉末、金属ホウ素あるいは炭化ケイ素源、炭素源を表1〜3に示す組み合わせおよび配合量で秤量し、プラスチックボールを用いて有機溶媒中で混合し、エバポレーターを用いて乾燥粉末を得た。
【0036】
焼成は、ホットプレス焼成装置(HP)と普通焼成(PLS)装置を用いた。ホットプレス焼成の場合は、混合粉末をカーボン型に入れ、表1〜3に示す温度で5Paの真空中で2時間純化処理をし、その後300kg/cm2 の圧力下で表に示す焼成温度でアルゴン中2時間保持し、焼成した。普通焼成の場合は、この粉末を3t/cm2 の圧力で静水圧処理をして成形体を作製し、表1〜3に示す温度で、5Paの真空中で2時間純化処理し、その後、表1〜3に示す焼成温度でアルゴンガス中で3時間保持し焼成した。
【0037】
また、比較のために、炭素粉末を真空雰囲気中で2500℃で5時間焼成したグラファイト焼結体を作製した(試料No.34)。
【0038】
得られた焼結体から試験片を切り出し、研磨加工した。そして比重をJISR2205に基づいて求め相対密度を求めた。強度値はJISR1601に基づく4点曲げ試験より室温強度を求めた。また、試料を粉砕し、X線回折測定を行いB4 C相の(021)面に帰属する回折ピークのピーク強度Ia、およびグラファイト相の(002)面に帰属する回折ピークのピーク強度Ibより、Ib/Iaのピーク強度比を求めた。なお、表中、試料No.3(本発明品)および試料No.1(比較品)のX線回折測定結果を図1および図2に示した。さらに、粉砕した粉末をICP発光分光分析を行い、アルカリ金属、アルカリ土類金属、その他遷移金属量を測定した。
【0039】
また、この試料をリアクティブイオンエッチング装置内に設置して、この装置内に塩素ガスを導入して装置内圧力を7〜10Paに保持した。そして、13.56MHz、1kWの高周波を導入してプラズマを発生させ、試料をプラズマに接触させた。なお試料温度は室温(25℃)に設定した。上記の条件下で3時間エッチング処理を行った後、試料の重量減少からエッチング速度を算出した。
【0040】
また、得られた焼結体から、炭化ケイ素量を算出した。炭化ケイ素量は、焼結体中に金属シリコンが検出されていないことから、焼結体中の総シリコン量から炭化ケイ素換算して求めた。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
表1〜3によると本発明の範囲内の試料は、いずれも高純度であり、200MPa以上の高強度を有し、エッチング速度が40Å/min以下の優れた耐プラズマ性を有するものであり、特に焼結体中に炭化ケイ素を含む場合、強度の向上が見られた。
【0045】
これに対して、グラファイト焼結体は、エッチング速度が著しく高く、耐プラズマ性は低い。一方、金属ホウ素または金属シリコンを添加しない試料No.1、19では、ピーク強度比が0.01より高く、一次原料中のグラファイト相が偏析する異相組織を形成しており耐プラズマ性も低いものであった。
【0046】
また、平均粒径が5μmを越える粉末を用いた試料No.35では、緻密化不足となり、強度が低下した。
【0047】
【発明の効果】
上述の如く、本発明の炭化ホウ素焼結体は、優れた抗折強度と高純度を有するとともに、優れた耐プラズマ性を有することから、半導体製造装置用治具、特にハロゲンプラズマ中で使用される治具などの精密加工製品に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭化ホウ素焼結体(試料No.3)のX線回折チャートを示す図である。
【図2】従来の炭化ホウ素焼結体(試料No.1)のX線回折チャートを示す図である。
Claims (4)
- 炭化ホウ素を主成分とし、X線回折測定において、炭化ホウ素の(021)面に帰属する回折ピークのピーク強度をIa、グラファイトの(002)面に帰属する回折ピークのピーク強度をIbとした時、Ib/Iaで表されるピーク強度比が0.01以下、アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属元素が総量で300ppm以下、相対密度が96%以上であり、且つプラズマ雰囲気中で使用されることを特徴とする炭化ホウ素焼結体。
- 炭化ホウ素を主成分とし、炭化珪素を0.5〜5重量%含有し、X線回折測定において、炭化ホウ素の(021)面に帰属する回折ピークのピーク強度をIa、グラファイトの(002)面に帰属する回折ピークのピーク強度をIbとした時、Ib/Iaで表されるピーク強度比が0.01以下、アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属元素が総量で300ppm以下、相対密度が96%以上であり、且つプラズマ雰囲気中で使用されることを特徴とする炭化ホウ素焼結体。
- 平均粒径が5μm以下の炭化ホウ素粉末に、平均粒径が3μm以下の金属ホウ素粉末を4〜12重量%、炭素粉末あるいは熱分解によって炭素に変化し得る有機化合物を炭素換算で0.5〜5重量%の割合で混合する工程と、
該混合物を所定形状に成形する工程と、
該成形体を1600℃〜2100℃の真空中で熱処理して、アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属元素を総量で300ppm以下となるまで純化する工程と、
純化処理後に1900〜2250℃の温度の不活性雰囲気中で焼成して、X線回折測定において、炭化ホウ素の(021)面に帰属する回折ピークのピーク強度をIa、グラファイトの(002)面に帰属する回折ピークのピーク強度をIbとした時、Ib/Iaで表されるピーク強度比が0.01以下、相対密度96%以上に緻密化する工程とを具備する、プラズマ雰囲気中で使用される炭化ホウ素焼結体の製造方法。 - 平均粒径が5μm以下の炭化ホウ素粉末に、平均粒径が5μm以下の金属シリコン粉末、あるいは前記金属シリコンと平均粒径が1μm以下の炭化ケイ素粉末あるいは熱分解によって炭化ケイ素に変換し得る有機化合物との混合物を炭化ケイ素換算で0.5〜5重量%、炭素粉末あるいは熱分解によって炭素に変化し得る有機化合物を炭素換算で0.5〜5重量%の割合で混合する工程と、
該混合物を所定形状に成形する工程と、
該成形体を1600℃〜2100℃の真空中で熱処理して、アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属元素を総量で300ppm以下となるまで純化する工程と、
純化処理後に1900〜2250℃の温度の不活性雰囲気中で焼成して、X線回折測定において、炭化ホウ素の(021)面に帰属する回折ピークのピーク強度をIa、グラファイトの(002)面に帰属する回折ピークのピーク強度をIbとした時、Ib/Iaで表されるピーク強度比が0.01以下、相対密度96%以上に緻密化する工程とを具備するプラズマ雰囲気中で使用される炭化ホウ素焼結体の製造方法。
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