JP3666813B2 - グローブボックス装置のダンパ取付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グローブボックス装置のダンパ取付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車室内のグローブボックスにダンパを備えることで、開閉動作に高級感を持たせた構造のグローブボックス装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−177496公報(第3頁、図1)
【0004】
特許文献1の図1を再掲し上記技術を説明する。ただし、同公報に記載の符号を新しく振り直すとともに記載の名称も一部変更した。
図8は特開2000−177496公報の図1の再掲図である。
インストルメントパネルやロアパネルなどの車体側壁面101にグローブボックス103の下方を回転自在に取付け、このグローブボックス103の上方裏面をダンパ装置104を介して車体側壁面1に開閉自在に取付けたものであり、ダンパ104装置を、車体側壁面101に取付けた取付け板105と、この取付け板105に回転自在に取付けた第1板材107と、グローブボックス103の上方裏面に取付けた取付け板111と、この取付け板111に回転自在に取付けた第2板材112と、これらの第1・第2板材107,112の先端同士を回転自在に連結するヒンジ軸108と、このヒンジ軸108に支持させて第1・第2板材107,112を付勢することでダンパ効果を持たすトーションばね(不図示)と、から構成したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のダンパ装置104は、インストルメントパネルやロアパネルなどの車体側壁面101に固定する構造なので、例えば、グローブボックス収納容量を大きく設計する場合などには、取付け強度が不十分になることもある。取付け強度を向上するために、インストルメントパネルに補強部材を取付けることが考えられるが、これでは、車体重量の増加を招く。さらに、グローブボックス収納容量を大きく設計する場合には、大型のダンパを使用する必要があり、このダンパを車体側にしっかりと支持させたいものである。
すなわち、車体重量の増加を招くことなく、ダンパを車体側にしっかりと支持させる技術が望まれる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、車体重量の増加を招くことなく、ダンパを車体側に強固に取付けることのできるグローブボックス装置のダンパ取付け構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1のグローブボックス装置のダンパ取付け構造は、車体から延ばしたインストルメントパネル用支持フレームと、この支持フレームに取付けたインストルメントパネルと、このインストルメントパネル若しくはインストルメントパネル用支持フレームに開閉自在に取付けるグローブボックスと、このグローブボックスとインストルメントパネル若しくはインストルメントパネル用支持フレームとに間に掛け渡すことでグローブボックスの開閉を滑らかにするダンパと、からなるグローブボックス装置において、ダンパの一端を、インストルメントパネルを介して直接的にインストルメントパネル用支持フレームに止めたことを特徴とする。
【0008】
グローブボックスが大きくなれば、ダンパも大型のものを用いる必要があり、その取付けも強固にしなければならない。このときに、車体重量の増加をともなうことなく、実現できるとすれば好ましい。
そこで、ダンパの一端を、インストルメントパネルを介して直接的にインストルメントパネル用支持フレームに止めるようにした。この結果、車体重量の増加を招くことなく、ダンパを車体側に強固に取付けることのできる。
また、インストルメントパネルを介して直接的にインストルメントパネル用支持フレームに止めることで、グローブボックスとダンパの位置精度を向上させることができる。この結果、滑らかにダンパを作動させることができ、高級感のあるグローブボックスの実現を図ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るグローブボックス装置のダンパ取付け構造を採用した車室の斜視図であり、図中、10は車体、11は車室、12はインストルメントパネル、13はフロントガラス、14はフロントピラー、15はグローブボックス、16はシフトレバー、17はサイドブレーキ、18はステアリング、21はステアリングコラム、22は車両用メータ、23はドアを示す。
本発明に係るグローブボックス装置のダンパ取付け構造は、大型のグローブボックス装置を構成するのに好適なダンパの取付け構造である。
【0010】
図2は本発明に係るグローブボックス装置のダンパ取付け構造の斜視図であり、グローブボックス装置30は、インストルメントパネル12に下端を回転自在に取付けたグローブボックス15と、このグローブボックス15とインストルメントパネル用支持フレーム31との間に掛け渡したダンパ33と、からなる。
グローブボックス15は、物品を収納する本体部34と、この本体部34の左右の下方両端に形成した回転凸部35,35(一方の35は不図示)と、本体部34の前面に形成した蓋部36と、この蓋部36に取付けた開閉用ハンドル37と、この開閉用ハンドル37に連動させることでインストルメントパネル12側に係止する係止爪38と、ダンパ33を掛ける突起部39と、からなる。
【0011】
図3は本発明に係るグローブボックス装置のダンパ取付け構造の分解斜視図であり、インストルメントパネル12は、ダンパ33を挿入する開口部42と、
ダンパ33をインストルメントパネル用支持フレーム31に止めるために取付けねじ43を貫通させる貫通部44と、を備える。
インストルメントパネル用支持フレーム31は、車体10側から延ばしたフレームであって、取付けねじ43の取付け部45を備える。
【0012】
図4は図3の4−4線断面図であり、ダンパ33は、シリンダ51と、このシリンダ51にOリング52を介して往復運動可能に取付けたピストン53と、このピストン53に取付けるロッド54と、このロッド54をスライド可能に支持するとともにピストン53の開口55を塞ぐ蓋部材56と、からなる。
【0013】
シリンダ51は、インストルメントパネル12(図2参照)に取付けるためにダンパ33の一端としての取付けステー61を備え、ピストン53は、Oリング52を保持する環状溝62と、ロッド54を連結する連結凹部63とを備える。ロッド54は、一端にグローブボックス15(図2参照)の突起部39に嵌合させるフック64と、他端にピストンの連結凹部63に連結する連結凸部65と、を備える。
蓋部材56は、ロッド54をスライドさせるスライド孔67と、シリンダ内の空気を出し入れすることでダンパ機能の役目を持たすオリフィス68,68と、を形成した。
【0014】
図5は図2の5矢視図であり、本発明のグローブボックス装置のダンパ取付け構造の側面を示す。
グローブボックス装置30のダンパ取付け構造は、車体10(図1参照)から延ばしたインストルメントパネル用支持フレーム31と、この支持フレーム31に取付けたインストルメントパネル12と、このインストルメントパネル12若しくはインストルメントパネル用支持フレーム31に開閉自在に取付けるグローブボックス15と、このグローブボックス15とインストルメントパネル12若しくはインストルメントパネル用支持フレーム31とに間に掛け渡すことでグローブボックス15の開閉を滑らかにするダンパ33と、からなるグローブボックス装置において、ダンパ33の一端を、インストルメントパネル12を介して直接的にインストルメントパネル用支持フレーム31に止めたものであると言える。
【0015】
図6は図2の6−6線断面図であり、本発明のグローブボックス装置のダンパ取付け構造の平面断面を示す。
例えば、グローブボックスが大きくなれば、ダンパも大型のものを用いる必要があり、その取付けも強固にしなければならない。このときに、車体重量の増加をともなうことなく、実現できるとすれば好ましい。
そこで、ダンパ33の取付けステー61を、インストルメントパネル12を介して直接的にインストルメントパネル用支持フレーム31に止めるようにした。この結果、車体重量の増加を招くことなく、ダンパ33を車体10(図1参照)側に強固に取付けることのできる。
また、インストルメントパネル12を介して直接的にインストルメントパネル用支持フレーム31に止めることで、グローブボックス15とダンパ33の位置精度を向上させることができる。この結果、滑らかにダンパ33を作動させることができ、高級感のあるグローブボックス15の実現を図ることができる。
【0016】
以上に述べたグローブボックス装置のダンパ取付け構造を次に説明する。
図7(a),(b)は本発明に係るグローブボックス装置のダンパ取付け構造の作用説明図であり、(a)は比較例のグローブボックス装置120のダンパ取付け構造を示し、(b)は実施例のグローブボックス装置30のダンパ取付け構造を示す。
【0017】
(a)において、グローブボックス装置120は、インストルメントパネル用支持フレーム121に取付けたインストルメントパネル122と、このインストルメントパネル122に回転自在に取付けたグローブボックス125と、このグローブボックス125とインストルメントパネル122との間に掛け渡したダンパ123と、からなる。
【0018】
図中、126はインストルメントパネル用支持フレーム121にインストルメントパネル122を取付ける取付けねじ、127はインストルメントパネル用支持フレーム121に形成した取付けねじ126の取付け部、128はインストルメントパネル122にダンパ123を取付ける取付けねじ、129はインストルメントパネル122に形成した取付けねじ128を取付ける取付け部である。
【0019】
グローブボックス装置120では、ダンパ123を取付けるためにインストルメントパネル122に強固な取付け部129を形成する必要があり、インストルメントパネル122の構造が複雑になる。一般的にインストルメントパネルは板形状の連続した形状を呈した樹脂成形品であり、インストルメントパネルの構造が複雑になると成形性の悪化を招くこともある。また、成形性を優先する場合には補強部材(不図示)等を追加する必要があることもあるが、この場合には車体重量の増加を招く。
【0020】
(b)において、グローブボックス装置30のダンパ取付け構造は、車体10(図1参照)から延ばしたインストルメントパネル用支持フレーム31と、この支持フレーム31に取付けたインストルメントパネル12と、このインストルメントパネル12若しくはインストルメントパネル用支持フレーム31に開閉自在に取付けるグローブボックス15と、このグローブボックス15とインストルメントパネル12若しくはインストルメントパネル用支持フレーム31とに間に掛け渡すことでグローブボックス15の開閉を滑らかにするダンパ33と、からなるグローブボックス装置において、ダンパ33の一端を、インストルメントパネル12を介して直接的にインストルメントパネル用支持フレーム31に止めた。
従って、車体重量の増加を招くことなく、ダンパ33を車体10(図1参照)側に強固に取付けることのできる。また、グローブボックス装置30は、比較例のグローブボックス装置120に比べ、ダンパ取付け構造の簡素化を図ることができる。
【0021】
尚、実施の形態では図1に示すように、ダンパ33の取付けステー61とインストルメントパネル用支持フレーム31との間にインストルメントパネル12を挟み込むようにしてダンパ33を取付けたが、これに限るものではなく、ダンパを単独でインストルメントパネル用支持フレームに直接的に取付けるようにしたものであってもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、ダンパの一端を、インストルメントパネルを介して直接的にインストルメントパネル用支持フレームに止めたので、車体重量の増加を招くことなく、ダンパを車体側に強固に取付けることのできる。また、インストルメントパネルを介して直接的にインストルメントパネル用支持フレームに止めることで、グローブボックスとダンパの位置精度を向上させることができる。この結果、滑らかにダンパを作動させることができ、高級感のあるグローブボックスの実現を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るグローブボックス装置のダンパ取付け構造を採用した車室の斜視図
【図2】本発明に係るグローブボックス装置のダンパ取付け構造の斜視図
【図3】本発明に係るグローブボックス装置のダンパ取付け構造の分解斜視図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図2の5矢視図
【図6】図2の6−6線断面図
【図7】本発明に係るグローブボックス装置のダンパ取付け構造の作用説明図
【図8】特開2000−177496公報の図1の再掲図
【符号の説明】
10…車体、12…インストルメントパネル、15…グローブボックス、30…グローブボックス装置、31…インストルメントパネル用支持フレーム、33…ダンパ、61…ダンパの一端(取付けステー)。
Claims (1)
- 車体から延ばしたインストルメントパネル用支持フレームと、この支持フレームに取付けたインストルメントパネルと、このインストルメントパネル若しくは前記インストルメントパネル用支持フレームに開閉自在に取付けるグローブボックスと、このグローブボックスとインストルメントパネル若しくは前記インストルメントパネル用支持フレームとに間に掛け渡すことで前記グローブボックスの開閉を滑らかにするダンパと、からなるグローブボックス装置において、
前記ダンパの一端を、インストルメントパネルを介して直接的に前記インストルメントパネル用支持フレームに止めたことを特徴とするグローブボックス装置のダンパ取付け構造。
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