JP3666684B2 - 光ケーブル接続用ケース - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光ケーブルの通信ケーブルの接続分岐配線するための光ケーブル接続部を保護収容する光ケーブル接続用ケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ケーブル接続装置はケーブルの接続部を被包して保護する収容体が用いられるが、この収容体は縦割りの筒状ケースと、該ケースの両端面を閉塞しケーブルを挿通する端面板とからなり、ケースの分割面を突き合わせて取付ネジまたはバンドなどの固定手段で連結して密着一体化し、コネクタを含むケーブル接続部を気密状態に維持する構造のものが知られている。
【0003】
ところが、このケーブル接続部の収容体は、ケーブル接続或いは分岐配線などの工事、点検の保守管理上内部を露呈する必要から分割タイプが多く、この分割タイプとすると、ケースの変形防止のために剛性を保ち水分、湿気や塵埃などの浸入を阻止しなければならないために、ケースの各構成部分は互いに密に結合され、かつケーブル挿入部との間の結合も密でなければならず気密材を設けたケーブル接続部収容体は、製作煩雑で高価となり経費を要するし、耐久性の面でも問題があり、気密確保のために締め付け力の管理や組立作業性が煩雑となって悪く問題があった。
本発明は、これら従来の欠点を排除しようとするもので、ケーブル接続部の収容体の変形防止を図り、安全性と気密性をも高めると共に、組立作業性を大幅に向上できるケーブル接続用ケースを構成簡単で安価な形態で提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光ケーブル接続部の周囲を被包する筒状ケースが、円筒状または角筒状であって、軸方向に沿設されたヒンジ部と、該ヒンジ部に対向配備された分割端縁部のある側壁部とを備えて拡開自在に構成され、該分割端縁部に嵌装される底板と該側壁部の中央部にケーブルを嵌挿する端面面シール部材とを着脱自在に嵌合配備すると共に、側壁部には端面シール部材を嵌挿する上下方向に嵌合溝を形成した分割間隙部と、前記底板の両端に突設した側板を嵌装する嵌合凹部とを備え、さらに前記端面シール部材に、光ケーブル嵌挿孔と、架空配線若しくは基線ケーブル嵌挿孔と、支持線嵌挿孔とを形成し各嵌挿孔に連通するスリットを切開自在にそれぞれ備えたものである。
【0005】
【作用】
ケースを底板より取り外して底板上のケーブル把持金具にケーブルを接続してから、ケーブル外皮を円周方向に研磨して、スペーサを嵌装したのちテンションメンバ把持金具を添わせて取付ボルトで均等に締め付ける。
次いで、ケーブルを端面シール部材のケーブル嵌挿孔に装入して、該端面シール部材をケーブル上に配備し、前記ケースをヒンジ部を中心として両端部を拡開させながら端面シール部材へケース側壁部の凹溝を嵌入して連結し、さらに底板にケースの両端縁部を嵌着すると共に、端面シール部材をも密着固定化し、取付け姿勢を安定強固にすると共に、ケースに備えられたロック機構を締結して密封性も大幅に高められ、安全に用いられるものである。
【0006】
【実施例】
本発明を図1乃至図8の例で説明すると、光ケーブル接続部1の周囲を被包する筒状ケース2が、円筒状または角筒状であって軸方向に沿設されたヒンジ部3と、該ヒンジ部3に対向配備された分割端縁部4,4のある側壁部5とを備えて、拡開自在に構成され、該分割端縁部4に嵌装される底板7と、該側壁部5の中央部にケーブルを嵌挿する端面シール部材6とを着脱自在に嵌合配備すると共に、前記筒状ケース2の両端縁部4,4を底板7に嵌合配備して、即ち、両端縁部4の凹溝に底板7のフランジ部18を嵌合し、かつ両端縁部4の鉤状凸部を底板7の係止用突部に掛止して密着一体化でき、前記端面シール部材6を筒状ケース2に嵌着保持した光ケーブル接続用ケースとしてある。
前記筒状ケース2の側壁部5としては、側壁部5に端面シール部材6を嵌挿する上下方向に嵌合溝8を形成した分割間隙部9と、前記底板7の両端に突設した側板11を嵌装する嵌合凹部10とを備え、前記端面シール部材6の外周縁を高密度に当接一体化できるようにしてある。(図3及び図7)
【0007】
また、前記端面シール部材6は、図7及び図8に示すように光ケーブル嵌挿孔12と、架空配線若しくは基線ケーブル嵌挿孔13と、支持線嵌挿孔14とを形成した弾性板状部材であって、該板状部材の周端面から嵌挿孔に連通するスリット15を切開自在にそれぞれ備え、ケーブル等配線の挿入を簡易に行ない、挿入後はスリットが密接してシール性を適確に保つようにしてある。
【0008】
さらに、前記端面シール部材6が、ケーブルなどの嵌挿孔12,13,14の内周面に凹凸条のガスケット部16をリング状に備えると共に、光ケーブル嵌挿孔12は貫通孔としてあるが、切離可能の薄肉キャップ部17を必要に応じ備え、切除して貫通孔としてから用いられるようにしてもよい。
【0009】
前記底板7としては、前記端面シール部材6の下端を嵌合する凹溝28を形成した側板11を両端に立設したものであって、該側板11に前記筒状ケース6の分割端縁部4の凹溝に嵌入されるフランジ18と突片18とを水平方向と垂直方向とに突設配備したものを用いるのがよい。(図7)
【0010】
なお、前記端面シール部材6の嵌挿孔12に幹線光ケーブルが貫通されてケーブル把持金具21で固定されていて、該ケーブルのテンションメンバは支持クランプのテンションメンバ把持金具20に接続連結されている。前記筒状ケース2は円筒状のハウジングで、軸方向に沿って片側が分離接合面で二つに分割できるようにしたもので、合成樹脂、例えばPP樹脂或いは難燃性のFRPPなどから構成され、軸方向に縦割りに二分割する突き合わせ接合面と、該筒状ケース2の両端の側壁部5に、前記ケーブル接続部1の両側のケーブルを貫通する端面シール部材6とを備え、該端面シール部材6を側壁部5に締め付けロックバー22で連結できるようにしてあり、この対面する接合面を含み、前記筒状ケース2の分割接合面にガスケットを嵌合挾持しうる凹溝の嵌合溝8を備えると共に、底板7の内面に、ケーブル外周に沿う押え挾持片からなるケーブル把持金具21とテンションメンバ把持金具20および屋外線把持金具23とを設けた連結金具19を固定装備し、さらに必要に応じ前記筒状ケース2の外周にネジからなる締結具25のあるバンド24を着脱自在に巻回配備してもよいが、ケース両端縁と底板とを突起または凹溝を対応する部材で嵌装する方法でワンタッチで締結するか、ケース外周にネジからなる締結具で一体化して、分離面での密封性を高められて連結できるようにしてある。(図1)
【0011】
なお、前記光ケーブル嵌挿孔12などで形成される貫通孔には、ゴム性などでのスペーサ或いはエアタイトテープを巻き付けてケーブル3の外周面を密着できるようにすることが配慮されている。また、筒状ケース2の底板7には脚片26を取り付けてある。
【0012】
図9の実施例では、端面シール部材6に設けた光ケーブル嵌挿孔12、基線嵌挿孔13及び支持線嵌挿孔14へのスリット15を凹凸面部で形成したもので密封性を高めた形態としたものである。
【0013】
また、前記底板7としては、図10に示すように底面に補強用リブ27を突設すると共に、両端部に前記端面シール部材6を嵌着する凹溝28のある側板11,11が立設され、ケース側壁部5の分割端縁部4が密着一体化できるように鉤状突起または凹溝に形成してある。
さらに底板7の内面側に隆起帯状部を形成し、底板上の両端にケーブル把持金具21と、またテンションメンバ把持金具20とを取付け、中央部に一例として一対のリング29のある収納用取付金具30を設けて芯線のコード収納トレイ31を多数配備し、屋外線把持金具23に引落される芯線の把持ができるようにしてある。(図1)該コード収納トレイ31は、図11の如くポケット状のトレイに開閉自在の蓋体33と受板34を設けたケースで、コード係止用の舌片35,36を備えると共に、リング29を嵌挿する貫通孔39をスリット38付きで形成してある。
【0014】
図12の実施例では、筒状ケースを角筒体とした例で高密度収容ケースとし内部構造は、屋外線把持金具23を備え、さらにファイバ芯線を入れる収納シートを収容する余長収納ケースを多数装入できる棚収容方式のコード収納部23及びコネクタホルダー23を備えた構成からなっている。
【0015】
また図13では、光ケーブル接続部を含むメンバーの周囲を被包する円筒状ケース42が軸方向に沿設されたヒンジ部43で連結された開閉自在の下開き蓋体を備えた二分割ケースであって、該分割接合端縁部44,44を締め付ける係脱自在のバックル32を備えると共に、ケース内部に内装されるメンバーの固定取付部材37に係脱自在に嵌装配備したケース構成としたものである。
この二分割ケースは、支持線嵌挿入孔40を形成した吊垂金具41を突設し、ケース42を支持線に吊り下げられるようになっていて、ケース内部のケーブルの接続機構の支持メンバーは前例と同様の構成としてある。また、前記蓋体を上開き構成(図示せず)のヒンジ部で連結することもできる。
【0016】
図14の実施例では、角筒状ケース52が軸方向に沿設されたヒンジ部53で連結された二分割ケースで開閉自在の形態としたもので、底板57に嵌着係止できるようにしてある。ケーブル嵌挿孔50と支持線嵌挿孔51とが、ケース側壁部に形成されていて、ケーブルの接続機構の支持メンバーは図15及び図16の如く、中間後分岐用の高密度収容器としてあって、屋外線把持金具23を備え、さらにファイバー芯線を入れる余長収納トレイ31を多数並列収容するケース方式(図15)とするか棚収容方式(図16)の構成を採用され取扱容易なものとしてある。
【0017】
図17乃至図19の例では、カマボコ形ケース62の底面に底板63を着脱自在に嵌着するもので、ケース62の内周面に補強用リブ61を間隔をあけて複数突設すると共に、端面シール部材64を端面板部65を底板63に備えてある。また、底板63はケース62の端縁に形成したガイド溝66に嵌合しケース62と底板63とに突設した一直線状に接続される継合レール67,68にスナップ69を係脱自在に設けて一体締結できるようにし、分離面での密封性が高められロックできるように考慮されている。
【0018】
なお、前記底板63上にはケーブル把持金具70が取付片71で固着され連結杆72で他端例のケーブル把持金具と接続されている。また前記端面シール部材64等を用いないで端面壁部にケーブル形状に合わせた突き合せ孔部を形成し、該孔部内周に凹凸状のガスケットを設けてケーブルを挾持して水密性を維持できるようにすることもできる。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、光ケーブル接続部の周囲を被包する筒状ケースが、円筒状または角筒状であって、軸方向に沿設されたヒンジ部と、該ヒンジ部に対向配備された分割端縁部のある側壁部とを備えて拡開自在に構成され、該分割端縁部に嵌装される底板と該側壁部の中央部にケーブルを嵌挿する端面面シール部材とを着脱自在に嵌合配備すると共に、側壁部には端面シール部材を嵌挿する上下方向に嵌合溝を形成した分割間隙部と、前記底板の両端に突設した側板を嵌装する嵌合凹部とを備え、さらに前記端面シール部材に、光ケーブル嵌挿孔と、架空配線若しくは基線ケーブル嵌挿孔と、支持線嵌挿孔とを形成し各嵌挿孔に連通するスリットを切開自在にそれぞれ備えたことにより、ケーブル接続部の被覆収容作業を著しく迅速に行うことができ、しかも少ない締め付け個所でスリーブ全周にわたって均一に圧迫して信頼性の高い密封を確保できると共に、端面板の省略でケースの姿勢も安定して取扱い良好で、側壁部と端面シール部との組合せや側壁部と底板との組合せが簡便で密着性も確実であってケーブル接続作業並びに移組立作業の容易化に役立ち、ケーブル等配線の挿入を簡易に行なえシール性をも保持でき配線作業の向上を図ることができるほかケーブル把持具での接続固定をも楽に安全に行え、しかもケーブル接続部の収容体の変形防止を図り、安全性と気密性をも高めると共に、組立作業性を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す一部切断平面図である。
【図2】 図1のA−A線における縦断面図である。
【図3】 図1の例の正面図である。
【図4】 図1のB−B線における縦断面図である。
【図5】 図1の例の一部切断側面図である。
【図6】 図1のC−C線における縦断面図である。
【図7】 図1のD−D線における縦断面図で分離状態を示す。
【図8】 図7の例の端面シール部材を示し、(a)は正面図、(b)は縦断面図、(c)は左側面図、(d)は上面平面図である。
【図9】 端面スペーサの他の例を示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は上面平面図である。
【図10】 図7の例の底板を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)はE−E線における縦断面図、(d)は底面図、(e)はF−F線における一部縦断面図である。
【図11】 ケーブル余長コード収納トレイを示し、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図12】 本発明の他の実施例を示し、(a)は正面図、(b)は一部切断側面図である。
【図13】 本発明のさらに他の実施例を示し、(a)は正面図、(b)は一部切断側面図、(c)は展開状態の正面図、(d)はG−G線における縦断面図、(e)は一部切断平面図である。
【図14】 本発明の他の実施例を示し、(a)は展開状態の正面図、(b)は一部切断側面図、(c)はH−H線における縦断面図、(d)は一部切断平面図である。
【図15】 図13及び14の例のケース方式の内部構造を示し、(a)は切断側面図、(b)はその平面図である。
【図16】 図13及び14の例の棚収容方式の内部構造を示し、(a)は切断側面図、(b)はその平面図である。
【図17】 さらに本発明の他の実施例を示し、(a)は一部切断平面図、(b)はI−I線における縦断面図、(c)はJ−J線における縦断面図である。
【図18】 (a)は図17の例の一部切断側面図、(b)は正面図である。
【図19】 図17の例のケースと底板との嵌合状態を示す分離斜視図である。
【符号の説明】
1 光ケーブル接続部
2 筒状ケース
3 ヒンジ部
4 分割端縁部
5 側壁部
6 端面シール部材
7 底板
8 嵌合溝
9 分割間隙部
10 嵌合凹部
11 側板
12 光ケーブル嵌挿孔
13 基線ケーブル嵌挿孔
14 支持線嵌挿孔
15 スリット
16 ガスケット部
17 薄肉キャップ
18 フランジ
18 突片
21 ケーブル把持金具
31 コード収納トレイ

Claims (3)

  1. 光ケーブル接続部の周囲を被包する筒状ケース2が、円筒状または角筒状であって、軸方向に沿設されたヒンジ部と、該ヒンジ部に対向配備された分割端縁部4のある側壁部5とを備えて拡開自在に構成され、該分割端縁部4に嵌装される底板7と該側壁部の中央部にケーブルを嵌挿する端面面シール部材6とを着脱自在に嵌合配備すると共に、側壁部5には端面シール部材6を嵌挿する上下方向に嵌合溝8を形成した分割間隙部9と、前記底板7の両端に突設した側板11を嵌装する嵌合凹部10とを備え、さらに前記端面シール部材6に、光ケーブル嵌挿孔12と、架空配線若しくは基線ケーブル嵌挿孔13と、支持線嵌挿孔14とを形成し各嵌挿孔に連通するスリット15を切開自在にそれぞれ備えたことを特徴とする光ケーブル接続用ケース。
  2. 前記端面シール部材が、ケーブルなどの嵌挿孔12,13,14の内周面に凹凸条のガスケット部16をリング状に備えると共に、光ケーブル嵌挿孔12に切離可能の薄肉キャップ部17を備えた請求項記載の光ケーブル接続用ケース。
  3. 前記底板が、前記端面シール部材の下端を嵌合する凹溝28を形成した側板11を両端に立設したものであって、該側板11に前記筒状ケースの分割端縁部の凹溝に嵌入されるフランジ18と突片18 とを水平方向と垂直方向とに突設配備した請求項または記載の光ケーブル接続用ケース。
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