JP3666154B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置の製造方法に関し、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)等の電界効果トランジスタ(FET)のしきい値電圧制御をレーザー照射により行うものである。
【0002】
【従来の技術】
高解像度ディスプレイ用として、スイッチング素子に多結晶シリコン薄膜トランジスタ(TFT)を用いた小型、高精細のアクティブマトリクス型液晶表示(LCD)パネルが開発されている。LCDのアクティブエレメントに多結晶シリコンTFTを用いると、同一透明絶縁基板上に画素アレイ部と駆動アレイ部とを同一プロセスで作製できるため、ワイヤーボンディングや駆動ICの実装等の工程を削減できる利点が有る。
【0003】
例えば、図9に、Nチャネル型多結晶シリコンTFTとPチャネル型多結晶シリコンTFTを同一基板上に作り、これらを組み合わせてシフトレジスターやサンプル&ホールド回路を構成した駆動回路内蔵型LCDの一例を示す。この例において、画素アレイ部100には、各画素毎に、スイッチング素子であるNチャネル型多結晶シリコンTFT101と映像信号電荷を蓄積するキャパシタ102とが設けられ、これらが、液晶を駆動する各画素電極(図示省略)に接続されている。各画素の多結晶シリコンTFT101は、そのドレインがサンプル&ホールド回路103を介してX−ドライバー104に接続され、ゲートがY−ドライバー105に接続されている。そして、これらのX−ドライバー104とY−ドライバー105により画素アレイ部100の個々の画素が選択されて駆動される。図示の如く、X−ドライバー104には、X−クロック信号とX−スタート信号が入力され、Y−ドライバー105には、Y−クロック信号とY−スタート信号が入力される。また、サンプル&ホールド回路103には、ビデオ信号が入力される。このように、画素アレイ部100と周辺駆動回路とに同じ多結晶シリコンTFTを用いることにより、これらを同一基板上に同一プロセスで製造することができる。
【0004】
一方、多結晶シリコンTFTを用いて大型且つ高精細のLCDパネルを実現するために低温化技術が注目されている。この低温化技術は、プロセス温度を600℃以下まで下げたもので、この温度領域であれば、安価で大面積のハードガラス基板が使えるため、駆動回路一体型の大型LCDやより低コストの小型LCDが実現できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
TFTのしきい値電圧は、例えば、LCDの駆動回路に使用しているCMOS構成のTFTのチャネル貫通電流に影響を与えており、最終的には駆動回路の消費電流を支配している。例えば、図10に、PチャネルTFT及びNチャネルTFTのしきい値電圧とオフセット電流(ゲート電圧が0V時のスタンバイ状態でのチャネル貫通電流)の関係を示す。図中、IDSは、TFTのドレイン−ソース間のチャネルを流れるチャネル貫通電流〔A〕、いわゆるドレイン電流であり、VGSは、ゲート−ソース間電圧〔V〕、いわゆるゲート電圧である。また、PチャネルTFTのしきい値電圧Vth(P) 及びNチャネルTFTのしきい値電圧Vth(N) は、いずれも、例えば、10-6A以上のチャネル貫通電流IDS(但し、絶対値)が流れ始めるゲート電圧VGSと定義される。
【0006】
ここで、図10(a)は、PチャネルTFTのしきい値電圧Vth(P) 及びNチャネルTFTのしきい値電圧Vth(N) が、いずれも、デプレッション方向にシフトした場合を示し、図10(b)は、いずれも、エンハンスメント方向にシフトした場合を示す。これらの図から分かるように、PチャネルTFT及びNチャネルTFT共、そのしきい値電圧Vth(P) 及びVth(N) がデプレッション方向にシフトすると、VGS=0〔V〕時のチャネル貫通電流が大きくなる。即ち、オフセット電流が大きくなり、駆動回路の消費電流が大きくなる。従って、理想的には、PチャネルTFT及びNチャネルTFT共、エンハンスメント型のしきい値電圧になるのが望ましい。しかし、一方で、高速動作のためには、しきい値電圧は夫々零電圧に近い方が良い。
【0007】
そこで、駆動回路の消費電流と高速動作との妥協点を見出して、PチャネルTFT及びNチャネルTFTのしきい値電圧Vth(P) 及びVth(N) を夫々最適値に制御する必要が生じる。
【0008】
このしきい値電圧制御は、例えば、通常の単結晶基板に形成したMOSFETの場合、チャネル領域に不純物を注入して半導体のフェルミ準位を制御することにより行うことができる。図11〜図13に、MOSFETの主要部であるMOSダイオードのバンド構造を示す。図11は、真性半導体における伝導帯、価電子帯及びその中間に存在するフェルミ準位(真性フェルミ準位)を示す。図12は、例えば、シリコン基板にホウ素等のアクセプタ型の不純物を多く注入した場合で、価電子帯の近傍にアクセプタ型の不純物準位が多く形成される結果、基板のフェルミ準位(擬フェルミ準位)が下がり、その擬フェルミ準位と真性フェルミ準位との差であるビルトインポテンシャルψB が大きくなる。これは、後述する〔数1〕に示したしきい値電圧Vthの式のψB の項と空乏電荷量を増大させ、その結果、しきい値電圧Vthが大きくなる。なお、ψS は表面ポテンシャルである。一方、図13は、図12の場合に比較してアクセプタ型の不純物準位が少ない場合で、この場合には、擬フェルミ準位が図12の場合よりも上昇し、ビルトインポテンシャルψB が小さくなる。従って、図12の場合よりもしきい値電圧Vthが小さくなる。このように、例えば、単結晶基板に形成したMOSFETの場合には、そのチャネル領域に注入する不純物の量によりしきい値電圧Vthを制御することができる。
【0009】
この不純物注入を比較的制御性良く行える手法として、イオン注入法が良く知られている。しかしながら、例えば、大型LCDのように、30cm×30cm以上の大面積の領域に制御性良くイオン注入を行える装置は現在のところ存在していない。例えば、シリコン膜を低抵抗化する程度の比較的ラフな制御は可能であるが、特に、低電流領域で動作するTFTのしきい値電圧制御のようなイオン注入量の微妙な制御は実際上不可能である。
【0010】
また、例えば、LCDにおけるTFTのように、透明絶縁基板上に形成した素子の場合、イオン注入法では、チャージアップの問題も生じる。チャージアップは、トランジスタのゲート絶縁膜の破壊耐圧劣化やドレイン−ソース間の耐圧劣化を引き起こし、駆動回路の誤動作の原因となる。
【0011】
以上に述べた理由から、特に、低温プロセスで製造した多結晶シリコンTFTでは、しきい値電圧制御を不純物のイオン注入により行うことができず、また、他に適当な手段も無かったため、従来は、そのしきい値電圧制御を実質上全く行っていなかった。このため、製造された素子の特性のばらつきが比較的大きかった。
【0012】
そこで、本発明の目的は、不純物のイオン注入によるしきい値電圧制御ではなく、例えば、透明絶縁基板上に形成したTFTに対しても好適にしきい値電圧制御が行える半導体装置の製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の半導体装置の製造方法では、電界効果トランジスタの少なくともチャネル領域となる非晶質半導体層を形成する第1工程と、この非晶質半導体層を多結晶半導体層に再結晶化する第2工程と、前記半導体層に導入した所定の導電型の不純物を活性化する第3工程と、前記チャネル領域にパルスレーザーを照射し、そのパルスレーザーの照射パルス数により前記電界効果トランジスタのしきい値電圧を制御する第4工程と、水素アニールにより欠陥準位を低減する第5工程とを有し、前記第2工程及び前記第3工程のうちの少なくとも前記第3工程と、前記第4工程とを前記パルスレーザーの照射によって同時に行い、前記第3工程での不純物の活性化及び前記第5工程での水素アニールによって生じる前記電界効果トランジスタのしきい値電圧の変動を見込んで、前記第4工程での前記パルスレーザーの照射パルス数を制御することにより、前記電界効果トランジスタのしきい値電圧を所定の値に制御する。
【0014】
また、本発明の別の態様による半導体装置の製造方法では、電界効果トランジスタの少なくともチャネル領域となる非晶質半導体層を形成する第1工程と、この非晶質半導体層を多結晶半導体層に再結晶化する第2工程と、前記半導体層に導入した所定の導電型の不純物を活性化する第3工程と、前記チャネル領域にレーザーを照射し、そのレーザーの照射エネルギーにより前記電界効果トランジスタのしきい値電圧を制御する第4工程と、水素アニールにより欠陥準位を低減する第5工程とを有し、前記第2工程及び前記第3工程のうちの少なくとも前記第3工程と、前記第4工程とを前記レーザーの照射によって同時に行い、前記第3工程での不純物の活性化及び前記第5工程での水素アニールによって生じる前記電界効果トランジスタのしきい値電圧の変動を見込んで、前記第4工程での前記レーザーの照射エネルギーを制御することにより、前記電界効果トランジスタのしきい値電圧を所定の値に制御する
【0015】
このように、本発明では、電界効果トランジスタの少なくともチャネル領域を構成する半導体層にレーザーを照射し、そのパルス数又は照射エネルギーにより電界効果トランジスタのしきい値電圧を制御する。従って、しきい値電圧制御のための不純物のイオン注入を特に必要とせず、例えば、透明絶縁基板上に形成した薄膜トランジスタのしきい値電圧制御でも簡便且つ好適に行うことができる。また、例えば、本発明によるしきい値電圧制御ためのレーザー照射(第4工程)は、トランジスタの製造プロセスにおけるソース/ドレイン領域に注入した不純物を活性化させる際のレーザーアニール(第3工程)(更に、場合によっては、非晶質シリコン膜を再結晶化する第2工程)を兼用して行ので、工程が非常に簡便となる。
しかも、第3工程での不純物の活性化及び第5工程での水素アニールによって生じる電界効果トランジスタのしきい値電圧の変動を見込んで、第4工程でのパルスレーザーの照射パルス数又はレーザーの照射エネルギーを制御することにより、前記電界効果トランジスタのしきい値電圧を所定の値に制御するので、常に目的とするしきい値電圧が得られると共に不純物の活性化及び欠陥準位の低減も達成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を好ましい実施の形態に従い説明する。
【0017】
まず、レーザー照射により電界効果トランジスタ(FET)、特に、多結晶シリコン薄膜トランジスタ(TFT)のしきい値電圧制御が可能な理由を説明する
【0018】
TFTのしきい値電圧Vthの式は、
【0019】
【数1】
Figure 0003666154
【0020】
のように表される。ここで、
φms:ゲート電極とシリコンとの仕事関数差
ss:界面電荷
i :ゲート絶縁膜の容量
ψB :ビルトインポテンシャル
εSi:シリコンの誘電率
q:素電荷
a :アクセプタ濃度
t :局在準位密度(トラップ準位密度)
である。また、Aは、TFTのチャネルを構成する、例えば、多結晶シリコンの膜厚の補正項であり、
【0021】
【数2】
Figure 0003666154
【0022】
で表される。ここで、T* は多結晶シリコンの膜厚である。また、Nd はドナー濃度である。従って、〔数2〕は多結晶シリコンの全膜厚がチャネル化した場合を示している。
【0023】
なお、単結晶基板に形成したMOSFETでは、上述した〔数1〕において、チャネル膜厚の補正項Aは入って来ず、また、局在準位密度Nt は通常省略される。
【0024】
ところで、多結晶シリコンTFTを、特に、低温プロセスで製造する際には、CVD(化学気相成長)法で形成した非晶質シリコン膜、又は、CVD法で形成した多結晶シリコン膜にシリコンをイオン注入して非晶質化したものを、例えば、レーザーアニール法により溶融させて再結晶化させる。この時、溶融状態から、再結晶化を意味する固化までの時間にシリコンの結晶配列が進む。そして、この時間が長ければ長いほど、結晶間に存在するシリコンのダングリングボンドは低減する。これは、その多結晶シリコン層の局在準位密度を低下させることになる。即ち、上述した〔数1〕における局在準位密度Nt の項が小さくなり、その結果、TFTのしきい値電圧Vthが小さくなる。
【0025】
これを図3に概念的に示す。図3(a)は、例えば、再結晶化までの時間が比較的短い場合で、多結晶シリコン膜中や多結晶シリコン膜とゲート酸化膜との界面に、Aで示すダングリングボンドが比較的多く存在する。一方、図3(b)は、再結晶化までの時間が長い場合で、多結晶シリコン膜中や多結晶シリコン膜とゲート酸化膜との界面におけるダングリングボンドAの数が減少している。即ち、再結晶化までの時間を長くすることで、多結晶シリコン膜中の局在準位密度及び多結晶シリコン膜とゲート酸化膜との界面における界面準位の数を減らすことができる。この再結晶化までの時間の制御は、レーザー照射時、パルスレーザーの照射パルス数若しくは照射エネルギーの制御により可能である。即ち、レーザー照射により、多結晶シリコンTFTのしきい値電圧制御が可能である。また、原理的には、この方法により、多結晶シリコンTFT以外のFETのしきい値電圧制御も可能である。
【0026】
次に、図1を参照して、上述の知見に基づき、レーザー照射により多結晶シリコンTFTのしきい値電圧制御を行う本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
図1(a)に、本発明の第1の実施の形態として、パルスレーザーのショット回数(1パルス/1回)を1〜4回に変化させた時のNチャネル型多結晶シリコンTFTのしきい値電圧Vth〔V〕の変化を示す。また、その時の多結晶シリコン膜中の局在準位密度〔/cm3 〕の変化も合わせて示す。なお、パルスレーザーとしては、照射エネルギー200mJ/cm2 、パルス幅150nsのものを用いた。
【0028】
この図から分かるように、パルスレーザーのショット回数を1→4回に増やす(即ち、照射パルス数を1→4個に増やす)に従い、局在準位密度が低下して行き、それに伴ってしきい値電圧Vthも低下する。
【0029】
即ち、この例では、パルスレーザーのショット回数を1〜4回の間で選択することにより、Nチャネル型多結晶シリコンTFTのしきい値電圧Vthを約0.00〜約1.30Vの範囲で制御可能である。なお、パルスレーザーのショット回数を5回以上で制御する場合には、例えば、あらかじめ何らかの手段によりしきい値電圧Vthを上げておき、その後、このパルスレーザーのショット回数(照射パルス数)によるしきい値電圧制御を行うようにすれば、しきい値電圧Vthの制御幅をより大きくすることができる。例えば、既述した不純物のイオン注入によりしきい値電圧Vthを大まかに上げておき、その後、このパルスレーザーのショット回数(照射パルス数)による精確なしきい値電圧制御を行って、しきい値電圧Vthを所望の値まで下げるようにすれば良い。なお、Pチャネル型多結晶シリコンTFTの場合には、図10からも分かるように、そのしきい値電圧Vthの正負が逆になるだけで、このNチャネル型多結晶シリコンTFTと殆ど同じ挙動を示す。
【0030】
この第1の実施の形態において、パルスレーザーのショット回数(照射パルス数)は、1〜1000回(個)の範囲で制御するのが好ましい。ショット回数(照射パルス数)が1000回(個)を超えると、積分されて行く照射エネルギーが大きくなり過ぎて、例えば、多結晶シリコン膜の平坦性が損なわれる虞が生じる。なお、図1(a)から分かるように、ショット回数1回当たり(照射パルス1個当たり)のしきい値電圧Vthの変化幅は、しきい値電圧Vthが零に近いほど、即ち、ショット回数(照射パルス数)が多いほど小さくなる。そこで、より高精度にしきい値電圧Vthを制御するためには、ショット回数(照射パルス数)の多い範囲を用いれば良いが、あまりショット回数(照射パルス数)を多くすると、上述したように、多結晶シリコン膜の平坦性が損なわれる虞が大きくなる。そこで、ショット回数(照射パルス数)は、100の前後、例えば、50〜150回(個)の範囲で制御するのがより好ましい。これは、この範囲であれば、しきい値電圧Vthの制御をかなり高精度に行うことができるとともに、例えば、多結晶シリコン膜の平坦性を損なう虞が殆ど無いからである。
【0031】
また、パルスレーザーのパルス幅は、20〜200nsのものを用い得る。
【0032】
図1(b)に、本発明の第2の実施の形態として、レーザーの照射エネルギー〔mJ/cm2 〕によるNチャネル型多結晶シリコンTFTのしきい値電圧Vth〔V〕の変化を示す。また、その時の多結晶シリコン膜中の局在準位密度〔/cm3 〕の変化も合わせて示す。なお、図示の例では、レーザーとして、パルス幅150nsのパルスレーザーをショット回数1回で用いたが、この第2の実施の形態では、CW(Continuous Wave)レーザーを用いても良い。
【0033】
この図から分かるように、レーザーの照射エネルギーを200→350mJ/cm2 に変化させるに従い、局在準位密度が低下して行き、それに伴ってしきい値電圧Vthも低下する。そして、ほぼ350mJ/cm2 のところで局在準位密度及びしきい値電圧Vthが夫々極小値をとり、その後、レーザーの照射エネルギーを350→400mJ/cm2 に増大させて行くに従い、今度は、局在準位密度及びしきい値電圧Vthは夫々増加して行く。これは、レーザーの照射エネルギーにより再結晶化する多結晶シリコンの粒径サイズの変化に対応している。即ち、照射エネルギーが200〜350mJ/cm2 の範囲では、照射エネルギーの増大に伴って多結晶シリコンの粒径サイズが大きくなって行き、ほぼ350mJ/cm2 のところで粒径サイズがピークになって、その後、350〜400mJ/cm2 の範囲では、照射エネルギーの増大に伴って今度は粒径サイズが小さくなって行き、多結晶シリコンが再び非晶質化して行く。後者の350〜400mJ/cm2 の範囲では、前者の200〜350mJ/cm2 の範囲と比較して、多結晶シリコン膜の平坦性は悪くなる。
【0034】
この第2の実施の形態では、レーザーの照射エネルギーを上述の200〜400mJ/cm2 の範囲で制御して、しきい値電圧Vthを制御するのが好ましい。照射エネルギーが200mJ/cm2 よりも小さいと、局在準位密度の顕著な改善が見られず、従って、しきい値電圧制御の効果が小さい。一方、照射エネルギーが400mJ/cm2 を超えると、上述した多結晶シリコン膜の非晶質化が進み過ぎて、膜の平坦性がかなり悪くなる虞が有る。また、多結晶シリコン膜の平坦性を考慮すると、レーザーの照射エネルギーとしては、200〜350mJ/cm2 の範囲を用いるのがより好ましい。即ち、図1(b)に示すように、200〜350mJ/cm2 の範囲と350〜400mJ/cm2 の範囲のいずれを用いても同じしきい値電圧Vthを得ることが可能である。しかしながら、上述したように、350〜400mJ/cm2 の範囲では、200〜350mJ/cm2 の範囲と比較して、多結晶シリコン膜の平坦性が悪くなる。従って、同じしきい値電圧Vthを得るのであれば、200〜350mJ/cm2 の範囲を用いる方が有利である。
【0035】
なお、この第2の実施の形態でも、Pチャネル型多結晶シリコンTFTの場合には、そのしきい値電圧Vthの正負が逆になるだけで、Nチャネル型多結晶シリコンTFTと殆ど同じ挙動を示す。
【0036】
図2に、上述した第1の実施の形態の方法によりしきい値電圧制御したNチャネル型多結晶シリコンTFTのゲート−ソース間電圧VGS〔V〕とチャネル貫通電流IDS〔A〕の関係を示す。図中、Aはパルスレーザーのショット数が2回の場合、Bはパルスレーザーのショット数が1回の場合である。また、a、bは、夫々のTFTのチャネル貫通電流IDSが最小値から立ち上がる際の傾きを示している。
【0037】
この図から分かるように、パルスレーザーのショット数が1回の場合のしきい値電圧Vth(B) よりも2回の場合のしきい値電圧Vth(A) の方が低い値(即ち、デプレッション方向)に制御される。また、パルスレーザー照射による局在準位の低下は、擬フェルミ準位の変動だけでなく、界面準位の改善にも寄与するため、TFTのチャネル貫通電流IDSが最小値から立ち上がる際の傾きは、パルスレーザーのショット数が1回の場合のbよりも2回の場合のaの方が大きくなる。従って、図示の如く、しきい値電圧Vthの変化量に比べて、TFTのチャネル貫通電流IDSの最小値を与えるゲート−ソース間電圧VGSの変化量は小さい。このことは、ゲート−ソース間電圧VGS=0〔V〕時のチャネル貫通電流IDS(スタンバイ時のオフセット電流で、回路の消費電流に影響する。)をそれほど大きくせずに、しきい値電圧Vthを比較的大きくデプレッション方向に変化させることができることを意味している。例えば、仮に、TFTのしきい値電圧制御を不純物のイオン注入で行ったとすると、このTFTのチャネル貫通電流IDSが最小値から立ち上がる際の傾きは殆ど変化しない。従って、このイオン注入法によりTFTのしきい値電圧をVth(B) →Vth(A) に変化させた場合には、例えば、Bの特性曲線がそのままの形でVth(A) の位置まで平行移動することになり、ゲート−ソース間電圧VGS=0〔V〕時のチャネル貫通電流IDSは、Aの特性曲線の場合と比較して大きくなる。
【0038】
なお、パルスレーザー照射により界面準位が改善されることは、本発明の第2の実施の形態においても同様であるため、本発明の第2の実施の形態のレーザーの照射エネルギーによるしきい値電圧制御でも、ゲート−ソース間電圧VGS=0〔V〕時のチャネル貫通電流IDSをそれほど大きくせずにしきい値電圧Vthを比較的大きくデプレッション方向に変化させることができる。
【0039】
即ち、本発明によるレーザーの照射パルス数又は照射エネルギーによるしきい値電圧制御では、オフセット電流をそれほど増大させずに、TFTのしきい値電圧を比較的大きくデプレッション方向に変化させることが可能である。従って、本発明によるしきい値電圧制御は、特に、駆動回路内蔵型LCDにおいて、駆動回路の消費電流をそれほど大きくせずに、駆動回路のPチャネル型多結晶シリコンTFT及びNチャネル型多結晶シリコンTFTのしきい値電圧Vth(P) 及びVth(N) を夫々デプレッション方向に制御することにより零電圧に近づけて、動作速度を速くする場合に極めて有効な方法である。
【0040】
以上に説明したように、本発明の第1の実施の形態では、多結晶シリコンTFTの少なくともチャネル領域を構成する多結晶シリコン膜にパルスレーザーを照射し、その照射パルス数によりTFTのしきい値電圧Vthを制御する。従って、TFTのしきい値電圧Vthをディジタル的に簡便に制御することができ、また、ガラス基板等の透明絶縁基板上に形成したTFTに対しても、チャージアップ等の問題を生じることなく、そのしきい値電圧Vthを簡便且つ高精度に制御することができる。
【0041】
また、本発明の第2の実施の形態では、多結晶シリコンTFTの少なくともチャネル領域を構成する多結晶シリコン膜にレーザーを照射し、その照射エネルギーによりTFTのしきい値電圧Vthを制御する。従って、TFTのしきい値電圧Vthをアナログ的に比較的精細に制御することができ、また、やはり、ガラス基板等の透明絶縁基板上に形成したTFTに対しても、チャージアップ等の問題を生じることなく、そのしきい値電圧Vthを簡便且つ高精度に制御することができる。
【0042】
また、本発明の第1及び第2の実施の形態によるレーザーによるしきい値電圧制御は、特に、不純物のイオン注入法だけでは精度良くしきい値電圧制御を行うことができない、600℃以下の低温プロセスで製造される多結晶シリコンTFTのしきい値電圧制御を行う場合に極めて有効な方法である。
【0043】
次に、図4〜図7を参照して、上述した本発明の第1又は第2の実施の形態によるしきい値電圧制御を適用した多結晶シリコンTFTの製造方法の例を説明する。
【0044】
まず、図4及び図5を参照して、Nチャネル型多結晶シリコンTFTの製造方法を説明する。このNチャネル型多結晶シリコンTFTは、例えば、アクティブマトリクス型LCDの画素部に各画素電極のスイッチング素子として設けられるものであり、或いは、そのアクティブマトリクス型LCDの周辺駆動回路に設けられるものである。これらは、通常、同一のプロセスで同時に製造される。
【0045】
まず、図4(a)に示すように、ガラス基板1上に、例えば、モリブデン(Mo)膜2a及びその上にタンタル(Ta)膜2bを順次スパッタ法により堆積し、その積層膜をフォトリソグラフィー及びドライエッチングによりパターニングして、ゲート電極パターン2を形成する。
【0046】
次に、図4(b)に示すように、ゲート電極パターン2のTa膜2bの部分及びMo膜2aの側面部分を陽極酸化して、Moからなるゲート電極3の表面部分に陽極酸化膜4が形成された構造を得る。ここで、陽極酸化膜4の上面部分は、絶縁膜であるTaOx で主として構成され、側面部分は、導電膜であるMoOx で主として構成されている。
【0047】
しかる後、図外の位置において、陽極酸化時の引き出し電極として用いるためにゲート電極パターン2と一体に設けてあった電極部分をフォトリソグラフィー及びドライエッチングにより除去し、更に、後にゲート電極3に対するコンタクトを形成する、やはり図外の位置において、陽極酸化膜4の上面部分のTaOx にフォトリソグラフィー及びドライエッチングにより開口を形成する。
【0048】
次に、図4(c)に示すように、全面にプラズマCVD(化学気相成長)法により窒化シリコン膜5、その上に酸化シリコン膜6、更に、その上に非晶質シリコン膜7を順次形成する。
【0049】
次に、図4(d)に示すように、全面にCVD法により酸化シリコン膜8を形成する。次いで、この酸化シリコン膜8上の全面に形成したフォトレジスト9を、ゲート電極3をマスクとしてガラス基板1の裏面側から露光し、現像して、図示の如く、ゲート電極3に対し自己整合的にフォトレジスト9のパターンを残す。
【0050】
次に、図5(a)に示すように、そのパターニングされたフォトレジスト9をマスクとして酸化シリコン膜8をドライエッチングし、図示の如く、酸化シリコン膜8をゲート電極3に対応したパターンに残した後、アッシングによりフォトレジスト9を除去する。しかる後、全面にパルスレーザー10を照射して、非晶質シリコン膜7を多結晶シリコン膜11に再結晶化する。この時、ゲート電極3の直上位置に設けた酸化シリコン膜8により、ゲート電極3から放散され易い熱エネルギーが酸化シリコン膜8の蓄熱作用(レーザー光反射防止作用)で補償され、これによってゲート電極3部分とそれ以外の部分でのシリコン膜の結晶化エネルギーの不均一が補償されて、非晶質シリコン膜7の全体がほぼ均一に再結晶化される。また、ゲート電極3の表面に設けた陽極酸化膜4により、ゲート電極3上に形成される多結晶シリコン膜11の部分の表面荒れが少なくなってその平坦性が向上する。なお、この陽極酸化膜4は、ゲート絶縁膜の誘電率を高くする効果も有る。
【0051】
この例では、この非晶質シリコン膜7の再結晶化の際に、同時に、TFTのしきい値電圧制御を行ってよい。即ち、パルスレーザー10のショット回数を制御して、TFTのしきい値電圧Vthが所望の値になるようにする。或いは、パルスレーザー10の照射エネルギーを制御して、TFTのしきい値電圧Vthが所望の値になるようにする。このように、非晶質シリコン膜7の再結晶化とTFTのしきい値電圧制御を同時に行うと簡便であるが、必ずしもその必要は無い。例えば、最初に、多結晶シリコン膜11の最適な粒径サイズが得られる条件でパルスレーザー10を照射し、次に、TFTのしきい値電圧制御のためのレーザー照射を行っても良い。この時、しきい値電圧制御のためのレーザー照射をCWレーザーにより行っても良い。但し、本発明によるしきい値電圧制御は、後述する不純物活性化のためのレーザーアニール処理と同時に行
【0052】
次に、図5(b)に示すように、ゲート電極3の直上位置に設けた酸化シリコン膜8をイオン注入マスクとして用い、例えば、PH3 により、多結晶シリコン膜11にゲート電極3と自己整合的にN型不純物12、例えば、リン(P)を比較的低濃度にイオン注入し、例えば、1018〜1019/cm3 程度の濃度のN型低濃度拡散層13を形成する。
【0053】
次に、図5(c)に示すように、酸化シリコン膜8、即ち、ゲート電極3を含む比較的幅広の領域にフォトレジスト14を形成し、このフォトレジスト14をイオン注入マスクとして用いて、例えば、PH3 により、多結晶シリコン膜11にN型不純物12、例えば、リン(P)を比較的高濃度にイオン注入し、例えば、1019〜1021/cm3 程度の濃度のN型高濃度拡散層15を形成する。これにより、TFTのソース/ドレインを主として構成するN型高濃度拡散層15の内側にN型低濃度拡散層13が設けられたLDD(Lightly Doped Drain)構造が形成される。
【0054】
以上により、LDD構造のNチャネル型多結晶シリコンTFTの主要部が製造される。
【0055】
次に、図6及び図7を参照して、上述したNチャネル型多結晶シリコンTFTの以後の製造工程をPチャネル型多結晶シリコンTFTの製造工程と合わせて説明する。従って、図6及び図7には、例えば、アクティブマトリクス型LCDの周辺駆動回路におけるNチャネル型多結晶シリコンTFTの部分とPチャネル型多結晶シリコンTFTの部分を合わせて示す。なお、画素部のNチャネル型多結晶シリコンTFTの図5(c)の工程以降の製造工程は、この図6及び図7に示すNチャネル型多結晶シリコンTFTの部分と同様である。
【0056】
図6(a)に示すように、右側のPチャネル型多結晶シリコンTFTの部分も、図4及び図5で説明したNチャネル型多結晶シリコンTFTの部分と同じプロセスで同時に製造される。但し、図5(b)〜(c)に示したN型不純物12のイオン注入時には、このPチャネル型多結晶シリコンTFTの部分はフォトレジストによりマスクされる。
【0057】
そこで、図5(c)の工程終了後、Nチャネル型多結晶シリコンTFTのゲート電極3部分を覆っているフォトレジスト14とPチャネル型多結晶シリコンTFTの部分を覆っているフォトレジストをアッシングにより除去した後、図6(a)に示すように、今度は、Nチャネル型多結晶シリコンTFTの部分をフォトレジスト16で覆う。そして、この状態で、例えば、BF3 により、Pチャネル型多結晶シリコンTFTの部分の多結晶シリコン膜11にそのゲート電極3と自己整合的にP型不純物17、例えば、ホウ素(B)をイオン注入し、例えば、1019〜1021/cm3 程度の濃度のP型拡散層18を形成する。
【0058】
次に、図6(b)に示すように、フォトレジスト16をアッシングにより除去した後、全面にパルスレーザー19を照射し、多結晶シリコン膜11に注入したN型及びP型の不純物を活性化する。なお、この不純物活性化のためのレーザーアニール時及び後述する水素アニール時にTFTのしきい値電圧Vthは若干変動するので、既述したしきい値電圧制御は、予めこれらの変動を見込んで行う。
【0059】
この例のようにボトムゲート型のTFTを用いると、既述した非晶質シリコン膜7の再結晶化工程と上述の不純物活性化工程を1回のレーザーアニール処理により同時に行うことが可能である。即ち、非晶質シリコン膜7の状態で、各不純物のイオン注入工程までをおこない、その後、パルスレーザーを照射して、非晶質シリコン膜7の再結晶化とそれに注入された不純物の活性化を同時に行う。その場合に、本発明によるしきい電圧制御を、その非晶質シリコン膜7の再結晶化及び不純物の活性化と同時に行うことが可能である。これにより、工程を大幅に簡略化することができる。即ち、上述した本発明の第1の実施の形態に従い、パルスレーザー10のショット回数を制御して、TFTのしきい値電圧V th が所望の値になるようにする。或いは、上述した本発明の第2の実施の形態に従い、パルスレーザー10の照射エネルギーを制御して、TFTのしきい値電圧V th が所望の値になるようにする。このように、非晶質シリコン膜7の再結晶化及び不純物の活性化とTFTのしきい値電圧制御を同時に行うと簡便である。このことは、上記した不純物の活性化(図6(b)の工程)において不純物の活性化としきい値制御を同時に行う場合も同様である。
【0060】
次に、図6(c)に示すように、フォトリソグラフィーでレジストマスク(不図示)を形成した後、例えば、HFによるウェットエッチングで多結晶シリコン膜11を各TFTの領域毎に島状に切り離し、各TFTを電気的に分離する。この後、上述のレジストマスクを除去する。
【0061】
次に、図7(a)に示すように、CVD法により全面に層間絶縁膜となる酸化シリコン膜20を形成し、フォトリソグラフィー及びHFによるウェットエッチングで酸化シリコン膜20の所定位置にコンタクト用の開孔21を形成する。
【0062】
次に、図7(b)に示すように、開孔21内を含む全面にスパッタ法によりAl等の金属膜22を形成する。
【0063】
次に、図7(c)に示すように、フォトリソグラフィー及びエッチングにより金属膜22を所定の配線パターンに加工した後、全面にプラズマCVD法によりパッシベーション膜となる、例えば、リンシリケートガラス(PSG)のような酸化シリコン膜23を形成する。しかる後、水素アニールを行って、各膜中の欠陥準位を低減する。既述したように、この処理によってもTFTのしきい値電圧Vthが変動する。
【0064】
図8に、本発明を適用可能なボトムゲート型の画素スイッチング用多結晶シリコンTFTの構造例を示す。
【0065】
図8(a)に示す例は、例えば、図4〜図7で説明したNチャネル型多結晶シリコンTFTの製造工程を経て酸化シリコン膜23までを形成した後、例えば、Tiからなる遮光層24、その上の層間絶縁膜となる酸化シリコン膜25及びITOからなる画素電極26を夫々形成したものである。
【0066】
また、図8(b)は、図8(a)に示した構造の酸化シリコン膜23を設けない例である。
【0067】
【発明の効果】
本発明においては、電界効果トランジスタ(FET)の少なくともチャネル領域を構成する半導体層にパルスレーザー等のレーザーを照射し、そのパルスレーザーの照射パルス数又はレーザーの照射エネルギーによりそのFETのしきい値電圧を制御する。従って、従来、不純物のイオン注入法では困難であった、特に、600℃以下の低温プロセスで製造される多結晶シリコン薄膜トランジスタ(TFT)のしきい値電圧制御でも簡便且つ精度良く行うことができる。この結果、例えば、駆動回路を内蔵した大型で高精細な液晶表示(LCD)パネルの素子特性を向上させることができて、高性能の大型LCDパネルを実現することができる。また、例えば、本発明によるしきい値電圧制御ためのレーザー照射(第4工程)は、トランジスタの製造プロセスにおけるソース/ドレイン領域等に注入した不純物を活性化させる際のレーザーアニール(第3工程)(更に、場合によっては、非晶質シリコン膜を再結晶化する第2工程)を兼用して行ので、工程が非常に簡便となる。
しかも、第3工程での不純物の活性化及び第5工程での水素アニールによって生じるトランジスタのしきい値電圧の変動を見込んで、第4工程でのパルスレーザーの照射パルス数又はレーザーの照射エネルギーを制御することにより、前記電界効果トランジスタのしきい値電圧を所定の値に制御するので、常に目的とするしきい値電圧が得られると共に不純物の活性化及び欠陥準位の低減も達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従いパルスレーザーのレーザーショット回数又はレーザーエネルギーにより多結晶シリコンTFTのしきい値電圧が制御されることを示すグラフである。
【図2】本発明によりしきい値電圧制御されたNチャネル型多結晶シリコンTFTのチャネル貫通電流の特性を示すグラフである。
【図3】レーザー照射により多結晶シリコン膜中及び多結晶シリコン膜とゲート絶縁膜との界面におけるシリコンのダングリングボンドが減少することを示す概念図である。
【図4】本発明を適用したNチャネル型多結晶シリコンTFTの製造方法を工程順に示す断面図である。
【図5】本発明を適用したNチャネル型多結晶シリコンTFTの製造方法を工程順に示す断面図である。
【図6】本発明を適用したNチャネル型多結晶シリコンTFT及びPチャネル型多結晶シリコンTFTの製造方法を工程順に示す断面図である。
【図7】本発明を適用したNチャネル型多結晶シリコンTFT及びPチャネル型多結晶シリコンTFTの製造方法を工程順に示す断面図である。
【図8】本発明の製造方法により製造される画素スイッチング用Nチャネル型多結晶シリコンTFTの構造を示す断面図である。
【図9】駆動回路内蔵型LCDの構成を示す概略図である。
【図10】Pチャネル型TFT及びNチャネル型TFTのチャネル貫通電流の特性を示すグラフである。
【図11】MOSダイオードのバンド構造を示す概念図である。
【図12】アクセプタ型不純物を多く注入した場合のMOSダイオードのバンド構造を示す概念図である。
【図13】アクセプタ型不純物が少ない場合のMOSダイオードのバンド構造を示す概念図である。
【符号の説明】
1…ガラス基板、3…ゲート電極、4…陽極酸化膜、5…窒化シリコン膜、
6…酸化シリコン膜、7…非晶質シリコン膜、8…酸化シリコン膜、
10、19…パルスレーザー、11…多結晶シリコン膜、12…N型不純物、
13…N型低濃度拡散層、15…N型高濃度拡散層、17…P型不純物、
18 …P型拡散層

Claims (14)

  1. 電界効果トランジスタの少なくともチャネル領域となる非晶質半導体層を形成する第1工程と、この非晶質半導体層を多結晶半導体層に再結晶化する第2工程と、前記半導体層に導入した所定の導電型の不純物を活性化する第3工程と、前記チャネル領域にパルスレーザーを照射し、そのパルスレーザーの照射パルス数により前記電界効果トランジスタのしきい値電圧を制御する第4工程と、水素アニールにより欠陥準位を低減する第5工程とを有し、前記第2工程及び前記第3工程のうちの少なくとも前記第3工程と、前記第4工程とを前記パルスレーザーの照射によって同時に行い、前記第3工程での不純物の活性化及び前記第5工程での水素アニールによって生じる前記電界効果トランジスタのしきい値電圧の変動を見込んで、前記第4工程での前記パルスレーザーの照射パルス数を制御することにより、前記電界効果トランジスタのしきい値電圧を所定の値に制御する、半導体装置の製造方法。
  2. 前記パルスレーザーの前記照射パルス数を1〜1000個の範囲で制御する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記パルスレーザーのパルス幅が20〜200nsである、請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 少なくとも前記チャネル領域が多結晶シリコン膜で構成された薄膜トランジスタのしきい値電圧を制御する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記多結晶シリコン膜を600℃以下の低温プロセスで形成する、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. レーザーアニール処理により非晶質シリコン膜を前記多結晶シリコン膜に再結晶化する、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記薄膜トランジスタがボトムゲート型である、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 電界効果トランジスタの少なくともチャネル領域となる非晶質半導体層を形成する第1工程と、この非晶質半導体層を多結晶半導体層に再結晶化する第2工程と、前記半導体層に導入した所定の導電型の不純物を活性化する第3工程と、前記チャネル領域にレーザーを照射し、そのレーザーの照射エネルギーにより前記電界効果トランジスタのしきい値電圧を制御する第4工程と、水素アニールにより欠陥準位を低減する第5工程とを有し、前記第2工程及び前記第3工程のうちの少なくとも前記第3工程と、前記第4工程とを前記レーザーの照射によって同時に行い、前記第3工程での不純物の活性化及び前記第5工程での水素アニールによって生じる前記電界効果トランジスタのしきい値電圧の変動を見込んで、前記第4工程での前記レーザーの照射エネルギーを制御することにより、前記電界効果トランジスタのしきい値電圧を所定の値に制御する、半導体装置の製造方法。
  9. 前記レーザーの前記照射エネルギーを200〜400mJ/cm2の範囲で制御する、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記レーザーの前記照射エネルギーを200〜350mJ/cm2の範囲で制御する、請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 少なくとも前記チャネル領域が多結晶シリコン膜で構成された薄膜トランジスタのしきい値電圧を制御する、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記多結晶シリコン膜を600℃以下の低温プロセスで形成する、請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
  13. レーザーアニール処理により非晶質シリコン膜を前記多結晶シリコン膜に再結晶化する、請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記薄膜トランジスタがボトムゲート型である、請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
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