JP3665125B2 - レンズ付きフイルムユニット及びレンズ付きフイルムユニットへのフイルムカートリッジ装填方法 - Google Patents

レンズ付きフイルムユニット及びレンズ付きフイルムユニットへのフイルムカートリッジ装填方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フイルムカートリッジが用いられるレンズ付きフイルムユニットと、フイルムカートリッジの装填方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
当技術分野で提案され、雑誌「写真工業」((株)写真工業出版社 1994年12月号 p.11)にも紹介されたAPS(Advanced Photo System)対応のフイルムカートリッジは、カートリッジ本体にプラスチックが用いられ、さらにフイルム出入り口の遮光に従来のテレンプに代えて、フイルム出入り口を開放する開き位置とフイルム出入り口を閉鎖して遮光する閉じ位置との間で回動自在とされたプラスチック製の遮光蓋が用いられている。この遮光蓋は、フイルムカートリッジがカメラに装填されるとカメラ内部の機構によって開き位置に回動され、カメラから取り出す際には閉じ位置に回動される。
【0003】
上記フイルムカートリッジは小型,軽量であるため、メーカーでの製造段階で写真フイルムが装填して販売されるレンズ付きフイルムユニットに装填するという提案が各種なされている。このようなレンズ付きフイルムユニットは、従来の135サイズの写真フイルムパトローネが装填されるレンズ付きフイルムユニットと同様に、フイルムカートリッジが収納されるカートリッジ室と、ロール状に巻かれた写真フイルムが収納されるフイルムロール室とが一体に形成された本体基部と、フイルムカートリッジのスプールに係合される巻上げダイヤルと、各種撮影機構が組み込まれ本体基部の前面に組み付けられる露光ユニットと、本体基部の前面及び背面側を覆う前カバー及び後カバーとから構成されている。
【0004】
また、上記のようなフイルムカートリッジを用いたレンズ付きフイルムユニットでは、使用後のフイルムカートリッジの取出し作業の効率を向上させるために、カートリッジ室の底面を光密に覆う底蓋の開放に連動して、遮光蓋を自動的に閉じるようにした遮光蓋回動機構を設けたものがある。
【0005】
上記遮光蓋回動機構は、カートリッジ室の上面に軸支されて遮光蓋の端部に係合する駆動軸と、この駆動軸と一体に形成されカートリッジ室上面に配置される係止レバーと、駆動軸を遮光蓋の閉じ方向に付勢するバネと、係止レバーを遮光蓋の開き位置に保持する連結棒とからなる。連結棒は、カートリッジ室と露光ユニットとの間に上下方向でスライド自在に組み付けられ、カートリッジ室上面から突出された上端部で係止レバーをバネの付勢に抗して遮光蓋の開き位置に保持する。また、連結棒の下端部は底蓋に一体に形成された係合爪に係止されており、底蓋が開放されると連結棒が下方にスライドされ、上端部での係止レバーの保持が解除されて駆動軸がバネ付勢により遮光蓋の閉じ位置に向けて回動される。
【0006】
このように、カートリッジ室に収納されたフイルムカートリッジには、巻上げダイヤルと遮光蓋回動機構の駆動軸とが係合されるため、カートリッジ室へのフイルムカートリッジの装填は、従来のレンズ付きフイルムユニットと同様にカートリッジ室の底面側から軸方向に挿入する必要がある。また、フイルムカートリッジから引き出された写真フイルムは、巻取り軸等に巻き付けてロール状にし、フイルムロール室に背面側から装填するのが適している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記レンズ付きフイルムユニットは、従来のレンズ付きフイルムユニットには無かった部品が多数組み込まれることから、製造効率を考慮して各部の組付け順序や組付け方法等を工夫する必要がある。特に、遮光蓋回動機構の組み付けでは、フイルムカートリッジのカートリッジ室への装填に先立って、駆動軸を遮光蓋の開き位置にセットしておく必要がある。
【0008】
遮光蓋回動機構の組付け方法としては、最初に連結棒を上端部がカートリッジ室の上面から突出されるように組み付け、係止レバーを連結棒に当接させながらバネの付勢に抗して駆動軸をカートリッジ室の上面に組み込むという順序が考えられる。しかしながら、この組付け時に駆動軸やバネの保持がきちんと行われていないと、駆動軸がバネによって抜け飛んでしまうという問題がある。また、このような組付け方法では自動化することが難しいという問題もある。
【0009】
更に、駆動軸をバネの付勢に抗して連結棒で保持させることができても、連結棒がバネの強い付勢力によって撓み、組付け状態が不安定になった駆動軸がカートリッジ室上面から抜け飛んでしまうという問題もある。また、レンズ付きフイルムユニットの組立て中に、本体基部に加えられる振動や衝撃等によって連結棒が組み付け位置から下方に滑り落ちてしまい、やはり連結棒による係止レバーの保持が解除されてしまうという問題もあった。
【0010】
更に、連結棒は底蓋の開放によって下方にスライドされるため、連結棒が完全に下方にスライドされて遮光蓋が閉じられるまで、カートリッジ室の底面は底蓋によって遮光されていなければならない。
【0011】
本発明は、上記各問題を解決するためのもので、遮光蓋が開き位置に回動された状態のフイルムカートリッジをカートリッジ室の底面側から軸方向に装填できるようにした、レンズ付きフイルムユニットと、フイルムカートリッジの装填方法とを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明では、駆動軸とバネとをカートリッジ室の上面に組み付け、駆動軸をバネの付勢に抗して遮光蓋の開き位置に向けて回動して仮止めし、この状態で遮光蓋が開き位置に回動されている状態のフイルムカートリッジを軸方向からカートリッジ室に装填するようにした。また、フイルムロールは背面側からフイルムロール室に装填し、後カバーが組み付けられた後に巻取り軸を抜き取ってフイルムロールを巻緩めるようにした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に従って、本発明を実施したレンズ付きフイルムユニットの一形態について説明する。図2に示すように、フイルムカートリッジ2は、プラスチック製の上ケース3と下ケース4とからなるカートリッジ本体5内に、写真フイルム6を巻き付けたスプール7が回動自在に収納されている。
【0014】
スプール7の両端はカートリッジ本体5の両端面から露呈し、各々係合穴8が形成されている。係合穴8には、キー溝8aが形成されており、係合穴8に挿入される軸のキーが嵌合される。上下ケース3,4の合わせ目の一方にはフイルム出入り口10が設けられており、このフイルム出入り口10を通して写真フイルム6がカートリッジ本体5内に出入りする。このフイルム出入り口10を開閉するために、フイルム出入り口10の奥には遮光蓋11が組み込まれ、その両端はスプール7と同様にカートリッジ本体5の端面から露呈し、各々C字型の切欠状の係合部12を有している。
【0015】
図3に示すように、遮光蓋12のフイルム出入り口10に対する部分には板状の遮光部14が形成されており、フイルム出入り口10を開放する開き位置と、図4に示すようにフイルム出入り口10を閉鎖する閉じ位置との間で回動自在とされている。
【0016】
また、図5に示すように、上ケース3からは遮光蓋11の回動を阻止するロックピン16が突設されており、遮光蓋11が開き位置にあるときには係合部12の外周面の平面部に沿い、遮光蓋11が不用意に閉じ位置に回動するのを阻止する。また、遮光蓋11が閉じ位置にあるときには、図6に示すようにロックピン16は係合部12に当接して、不用意に遮光蓋11が開き位置に回動するのを阻止する。遮光蓋11が開き位置から閉じ位置に回動される際には、ロックピン16は係合部12に押圧されて変形し、再び弾性によってもとの位置に戻って係合部12に当接する。また、遮光蓋11が閉じ位置から開き位置に回動される際には、係合部12に挿入される軸等によってロックピン16を押圧して変形させて係合部12との当接を外し、その状態で開き位置に回動させる。
【0017】
カートリッジ本体5内には特開平6−266053号公報で知られるようなフイルム送出し機構が内蔵されている。そして、係合部12を介して遮光蓋11を開くことによってスプール7の回転ロックが解除され、係合穴8を介してスプール7を図中時計方向に回転させることによって、写真フイルム6がフイルム出入り口10を通して頭出しされる。
【0018】
図2に示す符号18は、写真フイルム6の種別や撮影可能枚数がバーコードで記録されたディスクを示す。このディスク18はスプール7と一体に回転し、カメラあるいはプリンタに設けられたバーコードリーダーによってデータ内容が読み取られる。
【0019】
図7に示すように、写真フイルム6はフイルム自由端部6a,撮影領域6b,フイルム係止部6cから構成されている。撮影領域6bには、一方の側縁に沿ってサイズの異なった大小2個のパーフォレーション20,21が2種類の間隔で交互に配列されている。パーフォレーション20,21は、各撮影画面22のフイルム給送方向の先頭側と後部側とを設定するもので、レンズ付きフイルムユニットでは撮影毎に写真フイルム6をカートリッジ本体5内に巻き込んでいくことから、大パーフォレーション20がフイルム給送方向の先頭側を、小パーフォレーション21が後部側を示している。各パーフォレーション20,21は、撮影画面22の数に対応する数だけ設けられていない。
【0020】
フイルム係止部6cは端部がスプール7に係止されており、後に詳述する巻上げダイヤルの回動操作によるスプール7の回転によって、スプール7に巻き付けられる。フイルム自由端部6aとフイルム係止部6cとは、撮影に用いられない領域とされており、現像処理時等に使用するための露光禁止領域となっている。そのため、フイルム自由端部6aとフイルム係止部6cとは、未露光の状態でカートリッジ本体5内に巻き上げられる。
【0021】
図示した写真フイルム6は、一般のカメラに使用される写真フイルムに追加工を施してレンズ付きフイルムユニット用としたものである。カメラ用の写真フイルムとレンズ付きフイルムユニット用の写真フイルム6との差異は、大パーフォレーション20の大きさと、フイルム係止部6cの範囲内に追加された初期チャージ用の小パーフォレーション23である。カメラ用の写真フイルムでは全てのパーフォレーションの大きさが同じ大きさとなっており、フイルム係止部6c内にパーフォレーションは存在しない。なお、パーフォレーション20aは、カメラ用の写真フイルムにも存在する。
【0022】
図8は、本発明を用いたレンズ付きフイルムユニットを示すものである。レンズ付きフイルムユニット25は、予めフイルムカートリッジ2が装填され各種撮影機構が組み込まれたユニット本体26と、このユニット本体26を部分的に覆う外装紙27とから構成されている。
【0023】
ユニット本体26の上面にはシャッタボタン28,撮影枚数表示窓29が、前面にはファインダ30,撮影レンズ31,ストロボ充電スイッチ32,ストロボ発光部33等が設けられている。また、背面側からは1コマの撮影毎に回動操作される巻上げダイヤル51が露呈されている。外装紙27は、裏面に接着剤が塗布されてユニット本体26の中央部分に巻かれるように貼付され、撮影レンズ31やファインダ30,撮影枚数表示窓29等を外部に露呈させる開口が形成されている。
【0024】
図9に示すように、ユニット本体26は、フイルムカートリッジ2が装填される本体基部37と、この本体基部37の前面に組み付けられる露光ユニット38及びストロボユニット39と、本体基部37の前面側及び背面側を覆うように組み付けられる前カバー35及び後カバー36とから構成されており、これらは爪係合によって組み立てられる。
【0025】
ストロボユニット39は、ストロボ回路が設けられたプリント基板39aと、これに組み付けられたストロボ発光部33とからなり、前カバー35に設けられたストロボ充電スイッチ32の押圧によって、スイッチ接片100がプリント基板39aの接点部分に接触されることによりストロボ充電が行われ、シャッタレリーズにシンクロしてストロボ発光が行われる。また、プリント基板39aにはストロボユニット39の電源となる乾電池101を接続する金属接片も設けられている。
【0026】
本体基部37の中央部には、前面側に組み付けられた露光ユニット38から写真フイルム6までの間の撮影光路を遮光する遮光筒41が設けられている。この遮光筒41の背面側には、写真フイルム6への露光範囲を規定するアパーチャーが形成されており、このアパーチャーに対面するように後カバー36にフイルム支持面36aが形成されている。遮光筒41を挟む両側には、製造段階でカートリッジ本体5と、写真フイルム6がロール状に巻かれたフイルムロール42とがそれぞれ収納される、カートリッジ室43とフイルムロール室44とが一体に形成されている。
【0027】
カートリッジ室43及びフイルムロール室44は、本体基部37の背面側に後カバー36が組み付けられ、後カバー36に一体に形成されたカートリッジ室用の底蓋46と、フイルムロール室用の底蓋47とが閉じられることにより、適正な遮光能が得られる。なお、底蓋46,47は、後カバー36に対して屈曲自在な薄肉部46a(図1参照)を介して連結されており、底蓋46は使用後のレンズ付きフイルムユニット25からフイルムカートリッジ2を取り出す際に開放される。また、底蓋46の外周縁には、カートリッジ室43の底面を包み込んで覆うための遮光壁48が立設されている。
【0028】
図1に示すように、カートリッジ室43の上面49に形成された軸受け部50には、巻上げダイヤル51が回動自在に取り付けられる。巻上げダイヤル51の外周面にはギヤ50aが形成されており、回動操作(図中反時計方向)する際の指掛りがしやすくなっている。また、このギヤ50aには巻上げダイヤル51の逆方向(図中時計方向)への回動を阻止する逆止爪52が噛合される他、露光ユニット38に組み込まれ写真フイルム6の1コマ送り毎に巻上げダイヤル51の回動をロックするロック爪が噛合される。
【0029】
巻上げダイヤル51の下面には、カートリッジ室43に装填されたカートリッジ本体5のスプール7の係合穴8に係合する係合軸53が一体に形成されている。この係合軸53は、円柱状の軸にキー53aが一体に形成されたもので、キー53aはスプール7の係合穴8のキー溝8aに嵌合される。また、巻上げダイヤル51の上面には、円錐状の凹部54が形成されている。この凹部54は、巻上げダイヤル51の上方に配置されるシャッタボタン28の押圧ストロークを増すためのものである。
【0030】
更に、凹部54内には係合部である一対の突起55が設けられている。この突起対55は、カートリッジ室43にカートリッジ本体5が装填された後に、軸受け部50に巻上げノブ51を組み付ける際に、係合軸53が係合穴8に嵌合する位置を探るために巻上げダイヤル51を回転させる外部機器の駆動軸が係合される。
【0031】
巻上げダイヤル51は、シャッタボタン28の押圧による1コマの撮影ごとに図中反時計方向に回動操作され、巻上げダイヤル51にロックが掛かるまでのスプール7の回転によって、撮影画面1コマ分の写真フイルム6がカートリッジ本体5に巻き込まれる。
【0032】
カートリッジ室43の上面49には、巻上げダイヤル51の他に、遮光蓋回動機構を構成する駆動軸57が組み付けられる。駆動軸57は、上面49に形成された軸受け部58に回動自在に挿入され、カートリッジ室43内に装填されたカートリッジ本体5の遮光蓋11の係合部12に係合される。駆動軸57の上部には、同様に遮光蓋回動機構を構成する係止レバー59と、バネ60を保持するためのバネ保持部61が一体に形成されている。
【0033】
上記バネ60は、両端部が放射状に突出された捩じりバネであり、コイル部60aはバネ保持部61に組み付けられ、一端60bは係止レバー59上に形成された係止突起62に係止され、他端60cは上面49に突設された係止突起63に係止され、駆動軸57を遮光蓋11の閉じ位置方向である図中反時計方向に向けて付勢する。このバネ60は、遮光蓋11をすばやく閉じ位置に回動させるために、付勢力の強いものとされている。
【0034】
なお、カートリッジ室43の上面49に形成された突条64,65は、巻上げダイヤル51の下方に駆動軸57やバネ60の組み付けスペースを形成するとともに、巻上げダイヤル51の下面を支持して回動操作を安定化させるためのものである。
【0035】
カートリッジ室43と遮光筒41との間には、遮光蓋回動機構を構成する連結棒68を上下方向でスライド自在に保持するレール部69が形成されている。連結棒68の上端部には、駆動軸57が遮光蓋11の開き位置にある際の係止レバー59をバネ60の付勢に抗して保持するレバー保持部70が形成され、下端部には底蓋46の内面に突設された係合爪71に係合される被係合爪72が形成されている。なお、被係合爪72が前面側に屈曲されているのは、被係合爪72とレール部69との間に係合爪71が入り込むためである。
【0036】
また、連結棒68の中間部分には、両側面に一対の突起73が突設されており、これらの突起73の間には上下方向に延ばされたスリット74が形成されている。更に、突起73の下方には、レール部69内での連結棒68の上下方向のスライド量を規制するとともに、本体基部37への組付け時に連結棒68を保持するための保持部75が設けられている。この保持部75は、一方の側面75aが連結棒68の側面から突出されている。
【0037】
レール部69は、カートリッジ室43の側壁43aと、この側壁から連結棒68の幅よりも若干離して立設されたレール壁77とからなり、これらの間に連結棒68が収められる。側壁43aとレール壁73とには、連結棒68を上下方向でスライド自在に保持する2対の爪部材78,79が一体に形成されている。これらの爪部材78,79の間にはレール壁77が設けられておらず、連結棒68の保持部75が収められるようになっている。また、爪部材78の根元部78aは、レール部69内に僅かに突出されている。
【0038】
図10に示すように、連結棒68は、突起73が爪部材78の上方に位置し、保持部75が爪部材78と爪部材79との間に収められるように、レール部69に爪部材78,79によって組み付けられる。このように連結棒68は、保持部75と爪部材78との当接により上方へのスライドが規制され、また、突起73と爪部材78の根元部78aとの当接により下方へ滑り落ちるようなことはなく、正確に位置合わせして組み付けることができる。組付け時の連結棒68は、図11に示すように、レバー保持部70がカートリッジ室43の上面49の上方に突出され、図12に示すように、バネ60の付勢に抗して遮光蓋11の開き位置に回動された状態の係止レバー59がレバー保持部70に当接される。
【0039】
係止レバー59とレバー保持部70とには、それぞれ対面しない位置で凸部59a,70aが突設されており、係止レバー59がレバー保持部70に当接すると、凸部59a,70a同士が係合するようになっている。これにより、連結棒68が係止レバー59から逃げる方向に撓むことはないので、駆動軸57を遮光蓋11の開き位置に確実に保持しておくことができる。なお、レバー保持部70に形成されている斜面70bは、駆動軸57と連結棒68とをそれぞれカートリッジ室43に組み付けてから、係止レバー59とレバー保持部70とを係合させる際に、係止レバー59の押圧によって連結棒68の上端側を前面側に撓ませる際に用いられる。
【0040】
連結棒68が所定の位置に組み付けられた状態で、カートリッジ室43の底面を塞ぐように底蓋46を薄肉部46aで屈曲させて閉じると、底蓋46の係合爪71がレール部69と被係合爪72との間に入り込んで係合する。この時に、被係合爪72が必要以上に前面側に撓んで塑性変形したりしないように、係合爪71の前方には被係合爪72の前面側を押さえる押さえ壁81が設けられている。また、押さえ壁81の上方に配置されている符号82は、前カバー35の内面の被係合爪72に対面する位置から背面側に突設された突出片であり、この突出片82も押さえ壁81と同様の作用を有している。
【0041】
閉じられた底蓋46は、遮光壁48上に形成された2個の爪部材84,85が前カバー35の内面に係止されることにより完全に閉じられる。これにより、カートリッジ室43の底面は遮光壁48で包み込まれるので、カートリッジ室43内は光密に遮光される。
【0042】
底蓋46は、レンズ付きフイルムユニット25の使用終了後にフイルムカートリッジ2をカートリッジ室43から取り出すために開放される。図13に示すように、底蓋46が薄肉部46aで屈曲されながら開放されると、係合爪72と被係合爪71との係合によって連結棒68が下方に引っ張られる。この時に、連結棒68では突起73が爪部材78に引っ掛かって下方へのスライドが規制されるが、スリット74が撓むことにより突起73は爪部材78を通過することができるようになり、連結棒68は保持部75が爪部材79に当接する位置まで下方にスライドされる。
【0043】
連結棒68が下方にスライドされると、連結棒68のレバー保持部70がカートリッジ室上面49の下方に移動する。これにより、図14に示すように、係止レバー59の遮光蓋11の開き位置での保持が解除され、駆動軸57はバネ60の付勢によって遮光蓋11の閉じ位置である図中反時計方向に回動される。この際に、駆動軸57に係合された遮光蓋11も閉じ位置に回動される。なお、遮光蓋11の閉じ位置に向けて回動された駆動軸57は、逆止爪52の根元に形成された突起状のストッパー87に係止レバー59が当接して停止される。このストッパー87は、駆動軸57を遮光蓋11の閉じ位置で停止するように配置されているので、遮光蓋11の係合部12に必要以上に負荷が掛かって破損するようなことはない。
【0044】
なお、図11に示すように、底蓋46の遮光壁48の高さL1は、連結棒68のレバー保持部70のカートリッジ室上面49からの突出量L2よりも十分高くされており、底蓋46の開放に伴ってレバー保持部70がカートリッジ室上面49の下方に移動した時点でも、カートリッジ室43の底面を包み込んで光密に遮光し続ける。
【0045】
図15に示すように、フイルムカートリッジ2の遮光蓋11が閉じられた後に更に底蓋46を開放すると、保持部75が爪部材79に当接していることから連結棒68は下方にスライドすることができないので、被係合爪72は係合爪71に押圧されて前面側に撓み始める。しかしながら、被係合爪72が前面側に僅かに撓むと前カバー35の突出片82に当接するので、係合爪71は被係合爪72を介して突出片82に押圧されることになる。これにより、被係合爪72よりも細い係合爪71が破壊され、使用済みのレンズ付きフイルムユニット25に新たにフイルムカートリッジを装填して再使用することができなくなる。
【0046】
図9に示すように、露光ユニット38は従来のレンズ付きフイルムユニットと同様に、シャッタチャージ機構,フイルム巻止め機構,カウンタ送り機構,シャッタ駆動機構及びシャッタ羽根,撮影レンズ31等を含む他、ファインダ30を構成する対物レンズと接眼レンズとがユニット化されている。また、露光ユニット38に組み付けられた各部材を上方から軸支する保持板88には、駆動軸57のバネ保持部61を上方から押さえて抜け止めを行う、押さえ部88aが形成されている。
【0047】
この露光ユニット38には、図16に示すようなスプロケット89と、このスプロケット89に嵌合されて同軸で回動される複数のカムが一体に形成されたカム部材90とが組み込まれている。スプロケット89は、遮光筒41の上部に形成された開口92を通して背面側のフイルムレール面93(図17参照)から突出され、写真フイルム6のパーフォレーション20,21に噛合される。そして、写真フイルム6の1コマ分の巻上げ移送により半回転される。カム部材90はスプロケット89と一緒に半回転し、チャージカム90aによりシャッタチャージを行い、巻止めカム90bによりフイルム巻止めを行い、二歯ギヤ90cによりカウンタ送りを行う。
【0048】
スプロケット89は、外周面89aに写真フイルム6の大パーフォレーション20に噛合する大歯95と、小パーフォレーション21に噛合する小歯96とが回転対称で2対設けられている。大歯95の内部が切り欠かれているのは、レンズ付きフイルムユニット25に、全てのパーフォレーションの大きさが小パーフォレーション21と同一である一般のカメラ用の写真フイルムを詰め替えようとする際に、大歯95が小パーフォレーション21に噛合できる大きさに削られるのを防止するためである。
【0049】
上記スプロケット89は二対の歯の間の間隔が大きいため、回動途中で写真フイルム6のパーフォレーション20,21に噛合できなくなる瞬間がある。そのためカム部材90には、小歯96を小パーフォレーション21に噛合可能な位置まで移動させるための付勢カム90dが設けられている。この付勢カム90dは、スプロケット89の歯の間隔の広い部分がフイルムレール面93に対面した際に、露光ユニット38に組み付けられている金属製の板バネ98によってスプロケット89の従動方向に押圧され、嵌合されたスプロケット89を回動させる。
【0050】
図17に示すように、本実施形態のレンズ付きフイルムユニット25では、スプロケット89の大歯95がフイルムレール面93から突出されているときが、シャッタチャージ状態あるいはシャッタレリーズ直後となっている。そのため、大パーフォレーション20を大歯95に噛合させた状態で写真フイルム6をレンズ付きフイルムユニット25に装填すると、完成したレンズ付きフイルムユニット25はシャッタチャージ状態あるいはシャッタレリーズ直後の状態となってしまう。
【0051】
これでは、販売時に袋詰めされるレンズ付きフイルムユニット25が包装袋内で振動等でシャッタレリーズしてしまったり、また購入したユーザーがシャッタチャージのために写真フイルム6の巻き上げを行うことによって、写真フイルム6が1コマ分移送され無駄になってしまうという問題がある。
【0052】
そのため本実施形態では、図18に示すように、大歯95がフイルムレール面93内に引っ込み、小歯96が小パーフォレーション21を待ち受ける状態にスプロケット89を回動させた状態で、露光ユニット38を本体基部37に組み付けるようにし、また写真フイルム6は、図7に示すように、フイルム係止部6cの初期チャージ用の小パーフォレーション23よりもカートリッジ本体5側の部分がスプロケット89に対面するように装填する。
【0053】
これによれば、ユーザーがシャッタチャージのためにフイルム巻上げを行うと、写真フイルム6の移送により小パーフォレーション23が小歯96に到達して噛合し、スプロケット89が写真フイルム6の移送により回動されて大歯95が次の大パーフォレーション20に噛合しシャッタチャージが完了するようになるので、写真フイルム6が無駄に使用されることはない。
【0054】
なお、小歯96が写真フイルム6の平面部に押圧されると、スプロケット89は逆方向に回動して小歯96をフイルムレール面93内に引っ込めるので、フイルム係止部6cのフイルム移送には何ら支障ない。また、小パーフォレーション23が小歯96の位置に到達すると、板バネ98の付勢によって小歯96が再びフイルムレール面93から突出されるので、小歯96と小パーフォレーション23とは確実に噛合できる。
【0055】
上記レンズ付きフイルムユニット25へのフイルムカートリッジ2の装填は、図21及び22に示すフイルム装填装置112によって行われる。なお、ダイヤル位置調節装置113は、スプール7の係合穴8の状態に合わせて巻上げダイヤル51をカートリッジ室上面49に組み付ける装置である。このフイルム装填時には、本体基部37は前面側を下に向けた状態でパレット105上に載置され、保持枠106,107によって位置決めされる。
【0056】
フイルム装填装置112は、カートリッジ本体5を保持するカートリッジ保持部109と、フイルム出入り口10から引き出された写真フイルム6をロール状に巻いてフイルムロール42とする巻取り軸110と、写真フイルム6をガイドするガイド軸111からなる。
【0057】
カートリッジ保持部109は、カートリッジ本体5を受け取るカートリッジ供給位置と、本体基部37に向かって底面側から直進し、カートリッジ本体5をカートリッジ室43の底面側から軸方向に挿入する装填位置との間をエアシリンダ等によって移動自在とされている。また、カートリッジ本体5の保持はエア吸引等によって行うようになっている。
【0058】
カートリッジ保持部109内には、図示しないが遮光蓋11の係合部12に係合して開き位置に回動させる駆動軸と、スプール7の係合穴8に係合してフイルム送出し方向に回転する駆動軸とが設けられている。なお、図22は図面の煩雑化を避けるために、カートリッジ保持部109の記載を省略している。
【0059】
巻取り軸110は、カートリッジ室43とフイルムロール室44との間の距離と同じ距離だけ離れてカートリッジ本体5のフイルム出入り口10に対面する巻取り・装填位置と、カートリッジ保持部109の上方に配置される装填予備位置との間を、ガイド軸111を中心にエアシリンダ等によって回動される。ガイド軸111は、巻取り軸110の移動時に、フイルム出入り口10のエッジによって写真フイルム6が傷つかないようにガイドする。
【0060】
巻取り軸110の先端部分には、写真フイルム6の先端を挟み込むスリット110aが形成されており、巻取り・装填位置でスリット110aに写真フイルム6の先端が差し込まれ、回転することにより外周に写真フイルム6を巻き取ってフイルムロール42を形成する。また、巻取り軸110の直径Dは11mm以下となっているため、当然、巻取り軸110に巻き付けられている状態のフイルムロール42の内径も11mm以下となり、フイルムロール42の外径はフイルムロール室44の内径よりも小さくなる。
【0061】
なお、フイルムロール42をフイルムロール室44よりも小径にして装填するのは、フイルムロール室44への装填を容易にするためであり、フイルムロール室44の側壁には、装填予備位置から巻取り・装填位置に向けて巻取り軸110が移動される際に、フイルムロール42が干渉しないように切欠44bが形成されている。また、写真フイルム6は、フイルムロール42の内径が11mm以下であると巻癖がついてしまうという問題がある。そのため、本実施形態ではフイルムロール42をフイルムロール室44に装填した後に巻緩めさせて、内径が11mm以上となるようにしている。
【0062】
フイルムロール42の巻緩ませは、巻取り軸110を抜く際に僅かに逆方向に回動させたり、装填後にレンズ付きフイルムユニットに振動や衝撃を与えたりすることによって行う。
【0063】
フイルム装填装置112は、巻取り軸110が装填予備位置に配置された状態で本体基部37の底面側に向かって直進される。そして、カートリッジ室43にカートリッジ本体5が装填され、巻取り軸110が巻取り・装填位置に移動されることにより、フイルムロール42がフイルムロール室44に背面側から装填される。また、フイルムロール42とカートリッジ本体5との間の写真フイルム6は、フイルムレール面93上に配置される。
【0064】
フイルムレール面93上に配置される写真フイルム6は、初期チャージ用の小パーフォレーション23がスプロケット89よりもフイルム移送方向の下流側に配置されるように、予め巻取り軸110での写真フイルム6の巻取り量が調節されている。また、巻取り軸110をフイルムロール室44に挿入した後に、巻取り軸110を回転させて小パーフォレーション23の位置を調節することもできる。
【0065】
ダイヤル位置調節装置113は、巻上げダイヤル51をエア吸引によって保持して係合する駆動軸115と、この駆動軸115を回動させる駆動装置(図示せず)とからなる。駆動軸115は、先端部分に巻上げダイヤル51の上面に形成された突起対55に係合する一対の溝116と、吸引穴117とが形成されている。この駆動軸115は、供給された巻上げダイヤル51を受け取る位置と、カートリッジ室上面49の軸受け部50に巻上げダイヤル51を組み付ける位置との間で、エアシリンダ等によって移動自在とされている。
【0066】
駆動軸115は、供給された巻上げダイヤル51を吸引穴117によって吸引するとともに、溝116と突起対55とを係合させる。そして、カートリッジ室43にカートリッジ本体5が装填された後に、巻上げダイヤル51を軸受け部50に組み付ける位置に移動される。この時に、駆動軸115は巻上げダイヤル51を弱い力でスプール7に押し付けながら、係合軸53が係合穴8に合致する位置を探るために、巻上げダイヤル51のフイルム巻上げ方向に回転する。そして、係合軸53と係合穴8とが合致すると、巻上げダイヤル51は所定の位置まで押し込まれる。係合軸53と係合穴8との係合状態は、本体基部37の背面側から巻上げダイヤルとカートリッジ室43の端面との隙間をセンサー等で検出することにより確認できる。
【0067】
次に、以上で説明したレンズ付きフイルムユニットの製造工程について説明する。本体基部37は、背面側が下に向けられた状態でパレット等に保持されて組立てライン上を搬送される。この本体基部37の搬送途中にある連結棒組付け工程において、連結棒68がレール部69に組み付けられる。
【0068】
連結棒68は、保持部75がロボットアーム等によって保持されて、図10及び11に示すように、突起73が爪部材78の上部に配置され、保持部75が爪部材78,79の間に収められ、レバー保持部70がカートリッジ室上面49の上方に突出されるように、本体基部37の前面側からレール部69に挿入され、爪部材78,79によって係止される。このように連結棒68は、突起73と保持部75とによって正確に位置決めして組み付けられ、更に組み付け後には振動や衝撃等で不用意に動いてしまうこともない。
【0069】
連結棒68が取り付けられた本体基部37は、次に駆動軸57とバネ60とが組み付けられる駆動軸組付け工程に送られる。連結棒57は、カートリッジ室上面49に形成された軸受け部58に組み付けられる。そして、その上部のバネ保持部61には、バネ60が組み付けられるとともに各端部60b,60cが係止突起63,62に掛けられる。これにより、図14に示すように駆動軸57はバネ60に付勢され、係止レバー59がストッパー87に当接して、遮光蓋11の閉じ位置に合致する位置で保持される。
【0070】
遮光蓋回動機構が組み付けられた本体基部37は、駆動軸係止工程に送られる。この工程では、図19に示すように、カートリッジ室43の上面に組み付けられた駆動軸57が、バネ60の付勢に抗して時計方向に回動され、その回動途中で係止レバー59によって連結棒68のレバー保持部70の斜面70bを押圧する。レバー保持部70は、斜面70bが押圧されることによって、図20に示すように、爪部材78に保持されていない上部側が前面側に撓まされる。これにより、係止レバー59は連結棒68を通過することができる。
【0071】
係止レバー59が通過した後の連結棒68は、自身の弾性によって元の位置に復帰するので、駆動軸57の回動を停止することにより、バネ60によって遮光蓋11の閉じ位置に向けて付勢された係止レバー59と、連結棒68のレバー保持部70とが当接される。
【0072】
図12に示すように、当接された係止レバー59とレバー保持部70とでは、それぞれの凸部59aと凸部70aとが係合するので、連結棒68が係止レバー59の押圧によって撓んでしまうことはなく、駆動軸57は確実に遮光蓋11の開き位置に保持される。
【0073】
駆動軸57,バネ60,連結棒68からなる遮光蓋回動機構が遮光蓋の開き位置に合致する状態で組み込まれた本体基部37は、次に露光ユニット38が組み付けられる工程に送られる。露光ユニット38は、シャッタチャージがなされておらず、図18に示すようにスプロケット89が、小歯96のみがフイルムレール面93から突出されるように回動された状態で、遮光筒41の前面に爪係合される。露光ユニット38が本体基部37に組み付けられると、保持板88の押さえ部88a(図9参照)が駆動軸57のバネ保持部61を上方から押さえるので、駆動軸57が抜けてしまうようなことはない。
【0074】
また、露光ユニット38の組み付けの後に、ストロボ内蔵タイプのレンズ付きフイルムユニットでは、ストロボユニット39が本体基部37の前面側に組み付けられる。
【0075】
遮光蓋回動機構,露光ユニット38,ストロボユニット39が組み付けられた本体基部37は、図21及び22に示すように、カートリッジ本体5及び写真フイルム6が装填され、巻上げダイヤル51が組み付けられるフイルム装填工程に送られる。このフイルム装填工程は暗室内に配置されており、本体基部37は前面側を下に向けた状態でパレット105上に載置され、保持枠106,107によって位置決めされる。
【0076】
フイルム装填装置112では、カートリッジ保持部109がカートリッジ供給位置でフイルムカートリッジ2を受け取ってエア吸引等により保持し、内蔵された各駆動軸で遮光蓋11を開き位置に回動させ、スプール7をフイルム送出し方向に回動させ、写真フイルム6をフイルム出入り口10から送り出す。カートリッジ本体5から送り出された写真フイルム6は、フイルム出入り口10に対面する巻取り・装填位置に配置された巻取り軸110のスリット110a内に先端が挿入される。
【0077】
写真フイルム6の先端がスリット110a内に挿入されると、巻取り軸110は図中反時計方向に回転され、直径Dが11mm以下の外周に写真フイルム6を巻き付け、内径11mm以下のフイルムロール42を作成する。この写真フイルム6の巻取り時に、巻取り軸110は、初期チャージ用の小パーフォレーション23がフイルムロール42に近接して配置されるように巻取り量を調節する。
【0078】
フイルム装填装置112は、巻取り軸110を装填予備位置に移動してから、本体基部37の底面側に向かって直進される。これによりカートリッジ本体5はカートリッジ室43に底面側から軸方向に装填され、遮光蓋11と駆動軸57とが係合する。なお、フイルムロールは42はカートリッジ本体5よりも上方に配置されているので、カートリッジ室43等に干渉することはない。
【0079】
カートリッジ本体5のカートリッジ室43への装填が完了すると、巻取り軸110が巻取り・装填位置に移動される。これにより、フイルムロール42がフイルムロール室44に背面側から装填され、フイルムロール42とカートリッジ本体5との間の写真フイルム6は、小パーフォレーション23がスプロケット89よりもフイルム移送方向の下流側のフイルムレール面93上に配置される。
【0080】
次に本体基部37には、巻上げダイヤル51が組み付けられる。ダイヤル位置調節装置113では、巻上げダイヤル51を駆動軸115によって保持,係合し、カートリッジ室43に向かって直進して軸受け部50に係合軸53を挿入する。そして、駆動軸115をフイルム巻上げ方向に回動させ、係合軸53が係合穴8に嵌合する位置を探る。なお、巻上げダイヤル51を軸受け部50に真っ直ぐに組み付ける際に逆止爪52が邪魔になるので、組み付け時には逆止爪52を押圧して変位させておく。
【0081】
本体基部37への後カバー36の組み付けは、フイルム装填と同位置で行われる。後カバー36は、本体基部37の背面側に爪係合され、カートリッジ室43,フイルムロール室44,フイルムレール面93を覆う。
【0082】
後カバー36が組み付けられた後に、カートリッジ保持部109はカートリッジ本体5の保持を停止し、巻取り軸110とともに本体基部37の底面側から軸方向に離れる方向へ移動する。これにより巻取り軸110がフイルムロール室44から抜き取られるが、フイルムロール42はフイルムロール室44の底面側に形成された底板44aと、後カバー36の底蓋47の上部に形成された底板36b(図9参照)とにより端面が押さえられてフイルムロール室42に残される。そして、フイルムロール42は、外周がフイルムロール室44の内径いっぱいに巻緩められ、内径が11mm以上となるので、フイルムロール室44内の写真フイルム6に巻癖等はつかない。
【0083】
後カバー36が組み付けられた本体基部37は、前カバー組付け工程に送られ、後カバー36を下にしてパレット上に載置される。そして、前面側からストロボユニット39用の乾電池101が装填され、前カバー35が組み付けられる。この前カバー35の組み付けにより、前カバー35の内面に形成された突出片82が、連結棒86の被係合爪72の前面側に配置される。
【0084】
最後に、前カバー35の内面に係止される底蓋46,47を閉じ、底蓋46に形成された係合爪71と、連結棒86の被係合爪72とを係合することによりユニット本体26が完成する。完成したユニット本体26は、各種検査の後に外装紙27が貼着され、包装袋等に包装されてレンズ付きフイルムユニット25として販売される。
【0085】
なお、上記実施形態では、カートリッジ本体から引き出した写真フイルムをロール状に巻いてフイルムロール室に装填するようにしたが、カートリッジ本体とフイルムロールとを別々に装填してから、写真フイルムの端部をカートリッジ本体に向けて送り出し、フイルム出入り口に挿入してスプールに係止することもできる。
【0086】
また、巻上げダイヤルの係合部を突起対に構成したが、キー穴やローレット状の溝が内面に形成された穴等でもよい。更に底蓋の開放時に底蓋側の係合爪を破壊するようにしたが、連結棒の被係合爪が破壊されるようにしたり、連結棒自体を折ることもできる。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、駆動軸とバネとをカートリッジ室の上面に組み付けた後に、駆動軸をバネの付勢に抗して遮光蓋の開き位置に回動させて仮止めするようにしたので、従来のレンズ付きフイルムユニットと同様に、遮光蓋が開き位置にあるフイルムカートリッジを軸方向からカートリッジ室に装填することができる。また、写真フイルムは巻取り軸に巻き付けてフイルムロールとし、このフイルムロールをフイルムカートリッジよりもレンズ付きフイルムユニットの背面側から離れた位置に配置しておき、背面側からフイルムロール室に装填するようにしたので、フイルムカートリッジの装填時にカートリッジ室等と干渉せずに装填することができる。また、後カバーを組み付けた後に巻取り軸を抜き取るようにしたので、フイルムロールが巻き緩んで後カバーが組み付けられなくなることはない。
【0088】
また、駆動軸の仮止めに連結棒と係止レバーとを用いる場合、連結棒に突起を設け、更にこの突起があっても連結棒のスライドが可能となるように突起の間にスリットを設けたので、連結棒の位置ずれがなく効率よく組み付けを行うことができる。更に、遮光蓋の閉じ位置に回動された係止レバーが当接するストッパーをカートリッジ室上面に設けたので、駆動軸の組み付けも容易になる。また、係止レバーと連結棒とを互いの凸部同士で係合させるようにしたので、駆動軸の遮光蓋の開き位置での保持は確実なものとなる。
【0089】
また、底蓋の遮光壁は、遮光蓋が完全に閉じられるまでカートリッジ室の底面を光密に遮光し続ける高さを有しているので、写真フイルムが曝光されるようなことはない。
【0090】
更に、底蓋の開放時に、突出片によって係合爪を破壊するようにしたので、使用後のレンズ付きフイルムユニットへのフイルムカートリッジの不用意な詰め替えを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遮光蓋回動機構の構成を示す分解斜視図である。
【図2】フイルムカートリッジの一例を示す外観斜視図である。
【図3】遮光蓋開放状態にあるフイルムカートリッジの要部断面図である。
【図4】遮光蓋閉鎖状態にあるフイルムカートリッジの要部断面図である。
【図5】遮光蓋開放時の係合部の状態を示す側面図である。
【図6】遮光蓋閉鎖時の係合部の状態を示す側面図である。
【図7】写真フイルムの正面図である。
【図8】本発明のレンズ付きフイルムユニットの外観斜視図である。
【図9】ユニット本体の構成を示す分解斜視図である。
【図10】連結棒の組み付け状態を示す正面図である。
【図11】フイルムカートリッジ装填時の遮光蓋回動機構の状態を示す側面図である。
【図12】フイルムカートリッジ装填時の遮光蓋回動機構の状態を示す平面図である。
【図13】底蓋開放途中の遮光蓋回動機構の状態を示す側面図である。
【図14】底蓋開放途中の遮光蓋回動機構の状態を示す平面図である。
【図15】開放途中の底蓋の状態を示す側面図である。
【図16】露光ユニットの構成部品の一部を示す分解斜視図である。
【図17】チャージ時又はレリーズ直後のスプロケットの状態を示す平面図である。
【図18】本体基部への組込み時のスプロケットの状態を示す平面図である。
【図19】係止レバーと連結棒との係合作業中の遮光蓋回動機構の状態を示す平面図である。
【図20】係止レバーと連結棒との係合作業中の遮光蓋回動機構の状態を示す側面図である。
【図21】フイルム装填工程の構成を示す分解斜視図である。
【図22】フイルム装填中のユニット本体の要部断面図である。
【符号の説明】
2 フイルムカートリッジ
5 カートリッジ本体
6 写真フイルム
7 スプール
10 フイルム出入り口
11 遮光蓋
20,21,23 パーフォレーション
25 レンズ付きフイルムユニット
26 ユニット本体
35 前カバー
36 後カバー
37 本体基部
38 露光ユニット
42 フイルムロール
43 カートリッジ室
44 フイルムロール室
46 底蓋
51 巻上げダイヤル
57 駆動軸
59 係止レバー
60 バネ
68 連結棒
69 レール部
89 スプロケット
112 フイルム装填装置
113 巻上げダイヤル位置調節装置

Claims (8)

  1. フイルム出入り口を閉鎖する閉じ位置と開放する開き位置との間で回動自在な遮光蓋を備えたフイルムカートリッジが収納されるカートリッジ室の上面に、回動自在に組み付けられて遮光蓋の端部に係合する駆動軸と、この駆動軸と一体に形成されカートリッジ室上面に配置される係止レバーと、駆動軸を遮光蓋の閉じ位置に向けて付勢するバネと、該カートリッジ室の側方に上下方向でスライド自在に組み付けられ、上端部でバネの付勢に抗して遮光蓋の開き位置にある係止レバーを保持し、下端部がカートリッジ室の底面を覆う底蓋に一体に形成された係合爪に係止される連結棒とからなる遮光蓋回動機構を備えたレンズ付きフイルムユニットにおいて、
    前記連結棒は、幅方向で挟み込むように配置された少なくとも一対の爪部材によって中間部付近が保持され、該連結棒の上端部は、遮光蓋の閉じ位置から開き位置に向けて回動される係止レバーに押圧されて、係止レバーの通過を許容する方向に弾性変形されることを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。
  2. 前記連結棒は、爪部材の保持位置よりも上方の両側面に爪部材に当接する突起がそれぞれ形成され、これらの突起の間に、連結棒が下方にスライドされたときに撓んで、突起と爪部材との当接を解除させるスリットが設けられていることを特徴とする請求項1記載のレンズ付きフイルムユニット。
  3. 前記カートリッジ室の上面には、遮光蓋の閉じ位置に回動された係止レバーに当接して保持するストッパーが設けられていることを特徴とする請求項1又は2いずれか記載レンズ付きフイルムユニット。
  4. 前記係止レバーと連結棒の上端部とのそれぞれの当接部分には、互いに対面しない位置で凸部が設けられ、連結棒がバネの付勢に抗して遮光蓋の開き位置に係止レバーを保持する際に、各凸部同士が係合されることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載のレンズ付きフイルムユニット。
  5. 前記底蓋は、カートリッジ室の底面を包み込む遮光壁が外周縁に沿って立設されており、この遮光壁は、底蓋の開放によって連結棒が下方にスライドして係止レバーの開き位置での保持を解除するまで、カートリッジ室の底面を光密に遮光し続ける高さを有することを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載のレンズ付きフイルムユニット。
  6. 前記連結棒の下端部の前面側に、該下端部に当接して前面側への撓みを防止するとともに、底蓋開放時に連結棒の下端部を介して底蓋の係合爪を押圧して破壊する突出片を設けたことを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載のレンズ付きフイルムユニット。
  7. フイルム出入り口を閉鎖する閉じ位置と開放する開き位置との間で回動自在な遮光蓋を備えたフイルムカートリッジが収納されるカートリッジ室と、フイルムカートリッジから引き出された写真フイルムをロール状に巻いたフイルムロールが収納されるフイルムロール室と、該カートリッジ室の上面に回動自在に組み付けられて遮光蓋の端部に係合する駆動軸と、この駆動軸を遮光蓋の閉じ位置に向けて付勢するバネとからなる遮光蓋回動機構と、カートリッジ室とフイルムロール室との背面側に組み付けられる後カバーとを備えたレンズ付きフイルムユニットへのフイルムカートリッジ装填方法において、
    前記駆動軸とバネとをカートリッジ室上面に組み付け、駆動軸をバネの付勢に抗して遮光蓋の開き位置に向けて回動させて仮止めし、遮光蓋が開き位置に回動された状態のフイルムカートリッジを暗室内でカートリッジ室の底面側から軸方向に装填することを特徴とするレンズ付きフイルムユニットへのフイルムカートリッジ装填方法。
  8. 前記フイルムロールは、暗室内で巻取り軸に巻き付けられてフイルムカートリッジよりもレンズ付きフイルムユニットの背面側から離れた位置に配置されており、該フイルムカートリッジがカートリッジ室に軸方向に装填された後に背面側からフイルムロール室に装填され、暗室内で後カバーが組み付けられた後に巻取り軸が抜き取られて巻緩められることを特徴とする請求項7記載のレンズ付きフイルムユニットへのフイルムカートリッジの装填方法。
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