JP3668338B2 - レンズ付きフイルムユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ付きフイルムユニットに関し、更に詳しくは、フイルムカートリッジの取出し時の状態が一定となるレンズ付きフイルムユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
予め写真フイルムが装填され、簡単な撮影機構を備えたレンズ付きフイルムユニットが各種販売されている。前記写真フイルムは、一端がパトローネ内に回転自在に収納されたスプールに係止された状態でレンズ付きフイルムユニットに装填されており、撮影ごとにスプールに連結され外部に露呈された巻上げノブを回転操作し、撮影済みの写真フイルムをパトローネ内に巻き込む。これにより、明室内でレンズ付きフイルムユニットから写真フイルムパトローネの取り出しが行えるようになる。また、このようなレンズ付きフイルムユニットの中には、プラスチック製のカートリッジ本体に写真フイルムを収納し、未使用時に写真フイルムを全てカートリッジ本体内に収納しておくことにより、カメラへのフイルム装填を簡単にしたフイルムカートリッジが装填されているものがある。
【0003】
上記フイルムカートリッジは、写真フイルムが出入りするフイルム出入り口の遮光に、フイルム出入り口の奥に回動自在に組み込まれた棒状の遮光蓋を用いている。また、カートリッジ本体の一方の端面に、形状の異なる4個の表示開口と、これらの表示開口の背後でスプールと一体に回転する表示板とを有している。各表示開口には、それぞれ「未使用」,「撮影途中」,「撮影済み」,「現像済み」という意味が与えられており、表示板が露呈されている表示開口に与えられている意味が収納している写真フイルムの使用状態を示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
レンズ付きフイルムユニットは、撮影終了後にそのまま現像取扱店に渡して同時プリントの依頼を行うようになっている。そのため、レンズ付きフイルムユニットからのフイルムカートリッジの取り出しは現像所で行われる。現像所では、レンズ付きフイルムユニットからフイルムカートリッジを取り出す前に、必ず巻上げノブを回転操作している。これは、レンズ付きフイルムユニットの外観から写真フイルムが全てカートリッジ本体内に巻き込まれているか否かを判断することができないためであり、作業効率を悪化させていた。
【0005】
また、フイルムカートリッジを用いるカメラでは、スプールの回転位置を光電センサー等で検出しておき、カメラからのフイルムカートリッジの取り出し時には、表示板を「撮影済み」を表す表示開口の背後で停止させるようにしている。これは、取り出された後のフイルムカートリッジの誤装填を防止するためである。しかしながら、レンズ付きフイルムユニットにはコストや組み込みスペース等の問題からそのような機構が設けられておらず、レンズ付きフイルムユニットから取り出されたフイルムカートリッジの表示板の位置は特定されない。そのため、例えばユーザーがレンズ付きフイルムユニットからフイルムカートリッジを取り出してしまい、取り出したフイルムカートリッジの表示板が「未使用」を表す表示開口の背後に停止している場合、未使用品と誤ってカメラに装填してしまうことも考えられる。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためのもので、カートリッジ本体内に写真フイルムが全て巻き込まれていることを簡単に確認でき、更に、必ず「撮影済み」を表す状態でフイルムカートリッジを取り出せるレンズ付きフイルムユニットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明のレンズ付きフイルムユニットは、写真フイルムの規定長さに対応した所定回転数だけ巻上げノブが回転したことを検知する回転検知手段と、この回転検知手段によって巻上げノブが前記所定回転数だけ回転したことが検知された後、巻上げノブが一定の回転位置に移動してきたことを検知して巻上げノブの回転をロックするロック手段とを設け、カートリッジ本体内に写真フイルムが他端まで完全に巻き込まれ、かつスプールが一定の回転位置に達した時点で巻上げノブの回転操作を禁止するようにしたものである。また、巻上げノブと同軸で一体に回転する間欠ギヤと、この間欠ギヤに間欠に噛合されて所定角度ずつ歩進されるカウンタギヤと、このカウンタギヤと同軸で一体に回転し外周面に検知用切欠が形成されたカム円板と、カートリッジ本体のフイルム出入り口の奥に組み込まれた遮光蓋の端部に連結して、フイルム出入り口を開放する開き位置と閉鎖する閉じ位置との間で遮光蓋を回動させる蓋閉じ部材と、この蓋閉じ部材を遮光蓋の閉じ位置に向けて付勢する付勢バネと、巻上げノブの近傍に揺動自在に配置され、一端にはカム円板の外周面に対面する検知用突起が、他端には蓋閉じ部材に係合して遮光蓋を開き位置で保持する保持突起が形成されたタイミングレバーとを設け、巻上げノブが所定回転数だけ回転された際にカートリッジ本体の遮光蓋が閉じられるようにした構成でも、本発明の目的を達成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に従って、本発明の第1の実施の形態について説明する。図2に示すように、レンズ付きフイルムユニット2は、予めフイルムカートリッジが装填され、各種撮影機構が組み込まれたユニット本体3と、このユニット本体3を部分的に覆うラベル4とから構成されている。
【0009】
ユニット本体3の上面には、シャッタボタン5,残り撮影可能枚数を表示するカウンタ窓6,写真フイルムが全て巻き上げ済みであることを知らせる巻上げ完了表示窓7が、前面にはファインダ8,撮影レンズ9等が設けられている。また、背面側からは1コマの撮影毎に回転操作される巻上げノブ10が露呈されている。ラベル4は、ユニット本体3の中央部分に巻かれるように貼付され、撮影レンズ9やファインダ8,カウンタ窓6等を外部に露呈させる開口が形成されている。
【0010】
図3に示すように、ユニット本体3は、未露光の写真フイルム12と略円柱形状のカートリッジ本体13とからなるフイルムカートリッジ14が装填される本体部15と、この本体部15の前面に組み付けられる露光ユニット16と、本体部15の前面側及び背面側を覆うように組み付けられる前カバー17及び後カバー18とから構成されており、これらは爪係合によって組み立てられる。
【0011】
本体部15の中央部には、前面側に組み付けられた露光ユニット16から写真フイルム12までの間の撮影光路を遮光する遮光筒20が設けられている。この遮光筒20の前面側には露光開口20aが形成されており、背面側には写真フイルム12への露光範囲を規定するアパーチャーが形成されている。後カバー18には、アパーチャーに対面するフイルム支持面18aが形成されている。遮光筒20を挟む両側には、カートリッジ本体13とロール状に巻かれた写真フイルム12とが、それぞれ製造段階で収納されるカートリッジ室21とフイルムロール室22とが一体に形成されている。
【0012】
カートリッジ室21及びフイルムロール室22は、本体部15の背面側に後カバー18が組み付けられ、後カバー18に一体に形成されたカートリッジ室用の底蓋24と、フイルムロール室用の底蓋25とが閉じられることにより適正な遮光能が得られる。なお、底蓋24,25は、後カバー18に対して屈曲自在な薄肉部を介して連結されており、底蓋24は、使用後のレンズ付きフイルムユニット2からフイルムカートリッジ14を取り出す際に開放される。
【0013】
前カバー17は、本体部15の前面,上面,側面を覆うように本体部15の前面に取り付けられる。この前カバー17には、シャッタボタン5や巻上げ完了表示窓7等が形成されている。写真フイルム12は、1コマの撮影画面12aのフイルム給送方向の先頭側と後部側とに、大小のパーフォレーション12b,12cが1個ずつ設けられている。
【0014】
図4に示すように、露光ユニット16は、遮光筒20の前面に着脱自在に組み付けられるベース部材27に各種部品が組み付けられてユニット化されたものとなっている。ベース部材27の上面には、シャッタ機構を構成する複数の部品が組み付けられるとともに、ファインダ8を構成する対物レンズ28a,接眼レンズ28bが保持されている。ベース部材27の前面には撮影レンズ9を保持するレンズカバー29が組み付けられており、このレンズカバー29とベース部材27との間には、シャッタ羽根が揺動自在に組み付けられている。
【0015】
ベース部27の上面には、軸31,32,軸受け部33が形成されている。軸31には、シャッタ駆動レバー34,レリーズバネ35,カウンタ板36が順に挿入される。軸32には、ロックバネ37,係止レバー38が順に挿入される。軸受け部33には、カム部材39が挿入される。
【0016】
軸受け部33は下方まで穴が貫通されており、挿入されたカム部材39の軸部39aは下方から突出される。突出された軸部39aにはスプロケット41が係合され、スプロケット41は遮光筒20の上部の開口20bから写真フイルム12に向けて露呈される。スプロケット41の外周には、大小の歯41a,41bが回転対称で2対設けられている。これらの歯41a,41bは、写真フイルム12のパーフォレーション12b,12cに噛合し、1コマ分の写真フイルム12がカートリッジ本体13内に巻き上げられる際のフイルム移送に従動して、図中反時計方向に半回転する。
【0017】
カム部材39は、上方から順に、二歯ギヤ39b,巻止めカム39c,チャージカム39d,付勢カム39e,そして軸部39aが一体に形成されたものとなっている。二歯ギヤ39bは、カウンタ板36の外周に形成された歯36aに噛合する。カウンタ板36の上面には撮影可能枚数を表す目盛りが記されており、二歯ギヤ39bは半回転でカウンタ板36を一目盛り分だけ歩進させる。
【0018】
巻止めカム39cは、外周に回転対称に配置された一対の溝39fが設けられており、半回転するごと、すなわち写真フイルム12の1コマ分の移送が終了するたびに係止レバー38の巻止め爪38aが係合する。チャージカム39dは、回転対称で形成された一対の羽根形状の突起からなり、回転中にシャッタ駆動レバー34の一部を押圧して、シャッタ駆動レバー34がシャッタチャージされる方向に回動させる。
【0019】
付勢カム39eは、180°の回転対称で形成された一対の突起からなり、ベース部材27の上面に組み付けられた板バネ43によって押圧される。写真フイルム12にはパーフォレーション12b,12cが連続的に設けられていないことから、スプロケット41の歯41a,41bがパーフォレーション12b,12cのいずれとも噛合されない状態が発生してしまう。この状態のときに付勢カム39eが板バネ43によって押圧し、カム部材39を従動方向に回動させる。これにより、スプロケット41の歯41bは、次のパーフォレーション12cに噛合可能な位置まで移動される。なお、板バネ43は、金属薄板を屈曲させた板バネとなっている。
【0020】
シャッタ駆動レバー34は、図中時計方向のチャージ位置と反時計方向のレリーズ完了位置との間で回動自在とされており、レリーズバネ35によってレリーズ完了位置に向けて付勢されている。シャッタ駆動レバー34には、チャージ位置に向けて回動するようにチャージカム39dに押圧される被押圧部34aと、チャージ位置にある際に係止レバー38に係止される立ち上がり片34bと、チャージ位置からレリーズ完了位置に回動する際にシャッタ羽根を蹴飛ばして揺動させる蹴飛ばしアーム34cとが一体に形成されている。
【0021】
係止レバー38は、チャージ位置にあるシャッタ駆動レバー34に係合して保持するとともに、巻上げノブ10とカム部材39との回転をロックする時計方向の巻止め位置と、シャッタ駆動レバー34のチャージ位置での保持を解除するとともに、巻上げノブ10とカム部材39とのロックを解除する反時計方向の巻止め解除位置との間で回動自在となっており、ロックバネ37によって巻止め位置に向けて付勢されている。
【0022】
係止レバー38には、シャッタ駆動レバー34の立ち上がり片34bに係合する立ち下がり片38bと、前カバー17のシャッタボタン5に一体に形成された押圧ロッド5aによって巻止め解除位置に向けて押圧される立ち下がりロッド38cと、巻上げノブ10の外周の歯列10a(図1参照)に噛合して回転をロックするロック爪38dと、前述した巻止め爪38aとが一体に形成されている。
【0023】
また係止レバー38には、全ての写真フイルム12への撮影が終了し、スプロケット41の歯41a,41bと写真フイルム12のパーフォレーション12b,12cとの噛合が外れた後に、カウンタ板36の下面に一体に形成されたカム36bが当接する立ち上がり突起38eが一体に形成されている。カム36bが立ち上がり突起38eに当接すると、カウンタ板36はそれ以上の回転が阻止されることになり、このカウンタ板36に噛合した二歯ギヤ39b、すなわちカム部材39も回転できなくなる。これにより、これ以後はシャッタチャージが行われなくなり、係止レバー38は巻止め位置に回動しなくなるので、巻上げノブ10は回転が自由となる。
【0024】
ベース部材27の上部には天板45が組み付けられる。この天板45は、穴45aで軸31の上端を支持し、切欠45bでカム部材39の上端を支持する。また天板45は全体が透明なプラスチックで形成されており、符号46はカウンタ板36の上面に記された目盛りを拡大表示するレンズとなっている。
【0025】
図5に示すように、フイルムカートリッジ14は、略円柱形状のカートリッジ本体13と、このカートリッジ本体13内に収納される写真フイルム12と、カートリッジ本体13の外周面に貼着されるラベル47とから構成されている。カートリッジ本体13は、プラスチックで形成された第1ケース48,第2ケース49が組み合わされた中に、各種構成部品が組み込まれたものとなる。
【0026】
カートリッジ本体13内にはスプール51が回転自在に収納され、このスプール51に写真フイルム12の一端が係止される。また、スプール51の両端には、駆動軸、例えば巻上げノブ10が係合される係合穴51aが形成されており、第1,第2ケース48,49の端面から外部に露呈される。この係合穴51a内には、キー溝51bが形成されている(図6参照)。
【0027】
第1,第2ケース48,49の合わせ目には、カートリッジ本体13から写真フイルム12を出入りさせるためのフイルム出入り口52が形成されており、このフイルム出入り口52の奥には、外部から駆動されて回動することによりフイルム出入り口52を開閉する遮光蓋53が組み込まれている。この遮光蓋53の両端には、遮光蓋53を回動させる駆動軸が係合する係合部53aが形成されており、スプール51と同様に第1,第2ケース48,49の両端部から外部に露呈される。
【0028】
第2ケース49のフイルム出入り口52の奥には、突起54が形成されている。この突起54は、スプール51に巻かれた写真フイルム12の先端部をすくい上げてフイルム出入り口52に導く。
【0029】
スプール51の両端部には、ディスク56,57が開口56a,57aを利用して回転自在に嵌め込まれる。これらのディスク56,57の外周には、リップ56b,57bがそれぞれ向き合うように突出し、スプール51に巻かれた写真フイルム12の最外周を両端面側から部分的に包み込み、カートリッジ本体13内での巻き緩みを防止する。これにより、スプール51が図中時計方向であるフイルム送出し方向に回転すると、写真フイルム12はスプール51と一緒に回転し、この回転途中で写真フイルム12の先端が突起54に導かれてフイルム出入り口52から外部に送り出される。
【0030】
スプール51の端部でディスク56の外側には、ロック部材59が取り付けられる。このロック部材59には、表示板60と、ロックギヤ59aとが一体に形成されており、スプール51と一体に回転する。符号62は、スプール51をロックするロックレバーである。ロックレバー62は、遮光蓋53が閉じ位置に回動したときに遮光蓋53に一体に形成されたカムによって押圧され、ロック部材59のロックギヤ59aに噛合してスプール51の回転をロックする。このロックレバー62によるスプール51のロックは、遮光蓋53が開き位置に回動したときに解除される。
【0031】
スプール51の他方の端部には、扇形に切り欠かれたデータ板64が一体に形成されており、その表面には放射状にバーコードが記されたデータラベル65が貼着される。このデータラベル65に記されたバーコードは、収納した写真フイルム12の感度,撮影枚数等を示すもので、カメラ等の機器に装填された時に、機器内の装置で読み取られる。
【0032】
図6に示すように、表示板60が配置される側のカートリッジ本体13の端面には、形状の異なる4個の表示開口67a,67b,67c,67dが形成されている。各表示開口67a〜67dには、それぞれ写真フイルム12の使用状態を表す「未使用」,「撮影途中」,「撮影済み」,「現像済み」という意味が与えられている。前述の表示板60は、カートリッジ本体13内で表示開口67a〜67dの背後をスプール51と一体に回転し、いずれかの表示開口の背後で停止される。そして、表示板60が見えている表示開口に与えられている意味が、カートリッジ本体13内に収納されている写真フイルム12の状態を示すものとなる。なお、表示板60が表示開口67cの背後にあるときの係合穴51aのキー溝51bの向きは、カートリッジ本体13の基準線Lに対してθの角度となる。
【0033】
図1及び図7に示すように、カートリッジ室21の上面69の中央には軸受け部70が形成されており、この軸受け部70には巻上げノブ10が回転自在に取り付けられる。巻上げノブ10の外周面にはギヤ10aが形成されており、回転操作(図中反時計方向)する際の指掛りがしやすくなっている。このギヤ10aには、前述の係止レバー38の巻止め爪38aとともに、巻上げノブ10の逆方向(図中時計方向)への回転を阻止する逆止爪71が噛合する。この逆止爪71は、カートリッジ室21の上面69上に形成されている。
【0034】
巻上げノブ10の下面には、写真フイルム12が全てカートリッジ本体13内に巻き上げられるだけ巻上げノブ10が回転されたことを検知する回転検知手段と、この回転検知手段の検知後に巻上げノブ10の一定の位置を検知して、その回転をロックするロック手段とを構成する間欠ギヤである一歯ギヤ73が一体に設けられている。この一歯ギヤ73の外周面73aには、巻上げノブ10の回転中心軸から放射状に突設された噛合突起74と、被係止部であるロック用切欠75とが形成されている。一歯ギヤ73の下面には、スプール51の係合穴51aに係合する係合軸76が一体に形成されている。なお、巻上げノブ10の一定の位置とは、例えば、フイルムカートリッジ14の表示板60が、「撮影済み」を表す表示開口67cの背後にある際の巻上げノブ10の位置となっている。
【0035】
また、カートリッジ室21の上面69には多数のピンが立設されており、これらのうちの2本には、回転検知手段を構成する減速ギヤ78とカウンタギヤ79とが回転自在に取り付けられる。減速ギヤ78は、小径の上ギヤ78aと大径の下ギヤ78bとからなり、下ギヤ78bは一歯ギヤ73の噛合突起74に間欠に噛合されて所定角度(一歯分)ずつ歩進される。上ギヤ78aは、巻上げノブ10の回転数をカウントするカウンタギヤ79に噛合する。カウンタギヤ79は、全ての写真フイルム12が巻き上げられた後に誤って回転しないように、カウント終了後に減速ギヤ78に対面する部分には歯が形成されていない。
【0036】
カウンタギヤ79の上面の所定の位置には、前カバー17と異なる色で印刷が施されたマーク79aが設けられている。このマーク79aは、写真フイルム12が全てカートリッジ本体13内に巻き込まれる所定回転数の回転が巻上げノブ10で行われたときに、前カバー17の巻上げ完了表示窓7の下方に移動して外部から視認できるようになる。符合80は、カートリッジ室21の上面に取り付けられた板バネであり、下ギヤ78bに噛合して震動や衝撃等による減速ギヤ78及びカウンタギヤ79の誤回転を防止している。
【0037】
なお、巻上げノブ10の回転数を直接カウンタギヤ79でカウントしてもよいが、最多のコマ数の写真フイルム12(例えば40枚撮り)を全てカートリッジ本体13内に巻き上げる場合には、スプール51をおよそ45回転させなければならず、カウンタギヤ79が1回転以上してしまうという問題がある。また、これだけの回転数をカウンタギヤ79の1回転以内でカウントするには、インボリュート歯形を用いる場合にピッチ円直径が12〜15mmも必要となり、カートリッジ室21の上面69に組み込むことができなくなる。そのため、本発明では、一歯ギヤ73とカウンタギヤ79との間に減速ギヤ78を組み込んでいる。
【0038】
カウンタギヤ79の下面には、外周面82aに検知用切欠83が設けられたカム円板82が一体に形成されている。また、上面69の別のピンには、一歯ギヤ73の外周面73aに対面する係止部であるロック用突起85と、カム円板82の外周面82aに対面する検知用突起8とが一体に形成されたタイミングレバー84が揺動自在に取り付けられる。このタイミングレバー84は、捩じりバネ87によって図中時計方向に付勢され、検知用突起86がカム円板82の外周面82aに当接する。なお、一歯ギヤ73の噛合突起74は下方に設けられており、ロック用突起85は外周面73aの上部側に対面するようになっているので、噛合突起74とロック用突起85とが干渉することはない。
【0039】
図8に示すように、巻上げノブ10の所定回転数の回転が終了し、マーク79aが巻上げ完了表示窓7の下方に移動すると、検知用切欠83は検知用突起86に対面する。これにより、タイミングレバー84が僅かに揺動し、ロック用突起85が一歯ギヤ73の外周面73aに当接する。この状態で更に巻上げノブ10が回転されると、その1回転以内でロック用切欠75がロック用突起85に対面する。このロック用切欠75は、フイルムカートリッジ14の表示板60が「撮影済み」を表す表示開口67cの背後にあるとき、すなわちスプール51の係合穴51aの角度がθとなっているときにロック用突起85に対面する。これにより、表示板60が「撮影済み」を表す表示開口67cの背後にある状態で巻上げノブ10の回転がロックされる。
【0040】
カートリッジ室21には、巻上げノブ10や回転検知手段,ロック手段の他に、遮光蓋53を閉じ位置に向けて回動するための蓋閉じ部材88,付勢バネ89,連結棒90が取り付けられる。蓋閉じ部材88は、上面69に形成された軸受け穴69aに回動自在に挿入され、カートリッジ本体13の遮光蓋53の係合部53aに係合する係合軸91と、この係合軸91の上方に一体に形成され、付勢バネ89が掛けられて遮光蓋53の閉じ位置に向けて付勢される係止レバー92とからなる。
【0041】
連結棒90は、底蓋24の開放動作と蓋閉じ部材88の遮光蓋53の閉じ位置への回動とを連動させるためのもので、上端にカギ形状の係止部90aが形成され、下端に被係合爪90bが形成されており、係止部90aがカートリッジ室21の上面69よりも僅かに上方に突出するように、カートリッジ室21と遮光筒20との間に形成されたレール部93内に上下方向でスライド自在に組み込まれる。係止部90aは係止レバー92に係合し、付勢バネ89の付勢に抗して蓋閉じ部材88を遮光蓋53の開き位置で保持する。また、被係合爪90bは、底蓋24の内面に突設された係合爪94に係合する。
【0042】
底蓋24は、レンズ付きフイルムユニット2からフイルムカートリッジ14を取り出す際に開放されるが、その際に係合爪94が被係合爪90bを引っ張って連結棒90を下方にスライドさせる。これにより、係止部90aと係止レバー92との係合が解除され、蓋閉じ部材88は付勢バネ89の付勢によって遮光蓋53の閉じ位置に向けて回動される。同様に、駆動軸91に係合された遮光蓋53も閉じ位置に回動されるので、明室内でフイルムカートリッジ14の取り出しを行うことができる。
【0043】
なお、遮光蓋53の閉じ位置に向けて回動された蓋閉じ部材88は、逆止爪71の根元に係止レバー92が当接して停止されるので、遮光蓋53に必要以上に負荷がかかって破損するようなことはない。
【0044】
次に上記実施形態の作用について説明する。レンズ付きフイルムユニット2の組立て工程では、暗室でフイルムカートリッジ14を装填する作業がある。この作業は、カートリッジ本体13から未露光の写真フイルム12を引き出してフイルムロールを作成し、カートリッジ本体13をカートリッジ室21に軸方向から装填した後に、フイルムロールをフイルムロール室22に背面側から装填している。このときのカートリッジ本体13からの引出し量は管理されており、この引出し量はフイルム後端部の最初のコマを露光開口20aにセットする分だけ引き出した後に、さらに1コマ分の長さだけ引き出す。このように工場で未露光の写真フイルム12の引出し量を管理することで、フイルムロール室22に収納された写真フイルム12をカートリッジ本体13の内部に全部巻き込むための巻上げノブ10の所定回転数を一定にすることができる。
【0045】
各部品が組み込まれ、フイルムカートリッジ14が装填されたレンズ付きフイルムユニット2は各種検査を経て包装され、出荷される。このレンズ付きフイルムユニット2では、全てのコマへの撮影終了後にロックが掛かるまで巻上げノブ10の回転を続けてもらうための説明が、例えば包装袋やラベル4に記されている。
【0046】
使用前のレンズ付きフイルムユニット2のカートリッジ室21の上面69は、図7に示すように、カム円板82の外周面82aにタイミングレバー84の検知用突起85が当接している。また、蓋閉じ部材88は、連結棒90に係合されて遮光蓋53の開き位置に保持されている。カウンタギヤ79のマーク79aは、全ての写真フイルム12がカートリッジ本体13内に巻き上げられた際に、巻上げ完了表示窓7の下方に配置されるように設けられている。
【0047】
図4に示す露光ユニット16のシャッタ機構がシャッタチャージされている状態では、係止レバー38はロックバネ37の付勢によって巻止め位置に回動しており、ロック爪38dと巻止め爪38aとが巻上げノブ10と巻止めカム39cとに係合してその回転をロックしている。また、係止レバー38は、立ち下がり片38bがチャージ位置にあるシャッタ駆動レバー34の立ち上がり片34bに係合して、レリーズバネ35の付勢に抗してシャッタ駆動レバー34をチャージ位置で保持している。
【0048】
ファインダ8で撮影範囲を確認しシャッタボタン5を押下すると、押圧ロッド5a(図3参照)が移動して係止レバー38の立ち下がりロッド38cを押圧する。係止レバー38は、立ち下がり片38bによってシャッタ駆動レバー34の立ち上がり突起34bを係止したままロックバネ37の付勢に抗して巻止め解除位置に向けて回動される。
【0049】
係止レバー38が更に巻止め解除位置に向けて回動されると、立ち下がり片38bとシャッタ駆動レバー34の立ち上がり片34bとの係合が外れる。チャージ位置での係止が解除されたシャッタ駆動レバー34は、レリーズバネ35の付勢によってレリーズ完了位置である図中反時計方向に向けて回動する。レリーズ完了位置に向けて回動したシャッタ駆動レバー34は、ベース部材27とレンズカバー29との間に組み込まれたシャッタ羽根を蹴飛ばしアーム34cで蹴飛ばして揺動させる。シャッタ羽根は、バネによって露光開口を塞ぐ方向に付勢されているので露光開口はすぐに閉じられる。
【0050】
再びシャッタ機構をシャッタチャージ状態とするために、巻上げノブ10を図中時計方向であるフイルム巻上げ方向に回転操作すると、巻上げノブ10に係合されたスプール51が回転し、1コマ分の露光済みの写真フイルム12がカートリッジ本体13内に巻き上げられる。
【0051】
写真フイルム12の移動と板バネ43の付勢とにより、スプロケット41とカム部材39とは反時計方向に半回転される。この半回転の間にチャージカム39dはシャッタ駆動レバー34の一端34aを押圧し、レリーズバネ35の付勢に抗してチャージ位置に向けて回動させる。また、カム部材39の二歯ギヤ39bは、半回転でカウンタ板36を一目盛り分歩進させる。
【0052】
係止レバー38は、ロックバネ37の付勢によって巻止め位置に向けて回動しようとするが、巻止め爪38aが巻止めカム39cの外周面に当接するため、巻止め位置までは回動されない。カム部材39の半回転によって巻止めカム39cの溝39fが巻止め爪38aに対面すると、ロックバネ37の付勢によって係止レバー38は巻止め位置に向けて回動し、巻止め爪38aを溝39fに係合させてカム部材39の回転をロックする。ロック爪38dも巻上げノブ10の歯列10aに係合するので巻上げノブ10の回転もロックされる。
【0053】
また、係止レバー38は、チャージ位置にあるシャッタ駆動レバー34の立ち上がり片34bに立ち下がり片38bを係合させ、シャッタ駆動レバー34をチャージ位置で保持する。これにより、露光ユニット16のシャッタ機構は、再びシャッタチャージがなされた状態となり、レンズ付きフイルムユニット2の撮影準備が完了する。
【0054】
また、巻上げノブ10がフイルム巻上げ方向に回転操作されると、図7に示すように、下面に形成された一歯ギヤ73の噛合突起74が減速ギヤ78の下ギヤ78bに噛合し、減速ギヤ78は板バネ80の噛合に抗して図中時計方向に一歯分歩進される。この減速ギヤ78の回転は、上ギヤ78aによってカウンタギヤ79に伝達され、カウンタギヤ79は図中反時計方向に所定角度歩進される。そして、1コマ分の写真フイルム12がカートリッジ本体13内に巻き上げられた時点で、巻上げノブ10の歯列10aに係止レバー38のロック爪38bが係合して再びロックされる。
【0055】
なお、巻上げノブ10の回転中に、一歯ギヤ73のロック用切欠75がタイミングレバー84のロック用突起85に対面するが、検知用突起86がカム円板82に当接しているので、タイミングレバー84が揺動することはない。
【0056】
最後のコマへの撮影が終了した後に巻上げノブ10を回転操作して、スプロケット41の歯41a,41bと写真フイルム12のパーフォレーション12b,12cとの噛合が外れると、図4に示すカウンタ板36のカム36bが係止レバー38の立ち上がり突起38eに当接する。これにより、カウンタ板36と、これに噛合するカム部材39とが回転しなくなるので、係止レバー38は巻止め位置に回動しなくなり、巻上げノブ10の回転が自由となる。
【0057】
ユーザーが包装袋やラベル4の説明にしたがって巻上げノブ10の回転操作を行うと、一歯ギヤ73,減速ギヤ78,カウンタギヤ79を介して図中反時計方向に回転されたカム円板82は、検知用切欠83をタイミングレバー84の検知用突起86に対面させる。これにより、タイミングレバー84が捩じりバネ87の付勢によって僅かに揺動し、ロック用突起85を一歯ギヤ73の外周面に当接させる。
【0058】
その後の巻上げノブ10の1回転以内で、一歯ギヤ73のロック用切欠75がロック用突起85に対面する。これにより、検知用突起86とロック用突起85とが、検知用切欠83とロック用切欠75とに係合し、巻上げノブ10の回転がロックされる。また、カウンタギヤ79のマーク79aは、巻上げ完了表示窓7の下方に停止する。この巻上げ完了表示窓7によって、フイルム巻き上げが完了したことを外部から容易に確認できる。
【0059】
使用後のレンズ付きフイルムユニット2は、そのまま現像所に提出される。現像所では、巻上げ完了表示窓7を確認することにより、写真フイルム12が全て巻き上げ済みであるか否かがすぐに判断することができ、巻き上げが完了している場合には、そのレンズ付きフイルムユニット2をフイルムカートリッジ14の取出し工程に送り、巻き上げが完了していない場合には、巻上げノブ10にロックがかかるまで回転操作してからフイルムカートリッジ14の取出し工程に送る。
【0060】
フイルムカートリッジ14の取出し工程では、始めに底蓋24が僅かに開放される。この底蓋24の開放に連動して連結棒90が下方にスライドされ、連結棒90と蓋閉じ部材88との係合が解除される。蓋閉じ部材88は、付勢バネ89の付勢によって遮光蓋53の閉じ位置に向けて回動され、蓋閉じ部材88に係合された遮光蓋53も閉じ位置に回動される。遮光蓋53が閉じ位置に回動すると、この遮光蓋53に押圧されたロックレバー62がロック部材59のロックギヤ59aに噛合して、スプール51をロックする。
【0061】
遮光蓋53が閉じられているフイルムカートリッジ14は、明室内でレンズ付きフイルムユニット2から取り出すことができる。取り出されたフイルムカートリッジ14は、ロック用突起85がロック用切欠75に係合している際にはスプール51の回転がロックされているので、使用状態の表示は確実に「撮影済み」となっており、ユーザーがフイルムカートリッジ14を取り出した場合の誤装填を防止できる。
【0062】
取り出したフイルムカートリッジ14からは、写真フイルム12が引き出され、現像処理とプリント処理とが施される。現像済みの写真フイルム12は、元のカートリッジ本体13に巻き戻され、このカートリッジ本体13は表示板60が「現像済み」を表す表示開口67dの背後に停止された状態でプリント写真とともにユーザーに返却される。
【0063】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施形態と同じ部品については同符合を用い、説明を省略する。図9及び図10に示すように、カートリッジ室21の上面69には、巻上げノブ10,減速ギヤ78,カウンタギヤ79,板バネ80,タイミングレバー95,蓋閉じ部材96,付勢バネ89が組み付けられる。また、カートリッジ室21の前面側のレール部93には、カートリッジ本体13への写真フイルム12の巻き上げと、遮光蓋53の閉鎖とが終了したことを外部に表示する外部表示手段である連動表示部材97と、コイルバネ98とが組み込まれている。
【0064】
巻上げノブ10の下面には、写真フイルム12が全てカートリッジ本体13内に巻き上げられるだけ巻上げノブ10が回転されたことを検知する回転検知手段を構成する間欠ギヤである一歯ギヤ73と、この回転検知手段の検知後、フイルムカートリッジ14の表示板60が「撮影済み」を表す表示開口67cの背後にある際の巻上げノブ10の一定の位置を検知して、巻上げノブ10をロックするロック手段を構成するカム突条100とが一体に設けられている。カム突条100は、円環状の突条がカムとして用いられるもので、内壁面100aに被係合部であるロック用切欠101が形成されている。
【0065】
タイミングレバー95は、カートリッジ室21の上面に略中央付近が揺動自在に取り付けられ、一端にはカム円板82の外周面82aに対面する検知用突起103が形成されている。また他端には、捩じりバネ89の付勢に抗して蓋閉じ部材96に当接し、蓋閉じ部材96を遮光蓋53の開き位置に保持する保持突起104が形成されている。更に、この他端側の上面には、カム突条100の内壁面100aに対面する係合部であるロック用突起105が形成されている。
【0066】
図11に示すように、巻上げノブ10の所定回転数の回転が終了し、マーク79aが巻上げ完了表示窓7の下方に移動すると、検知用切欠83は検知用突起103に対面する。これにより、タイミングレバー95がわずかに揺動し、ロック用突起105がカム突条100の内壁面100aに当接する。この状態で更に巻上げノブ10が回転されると、その1回転以内でロック用切欠101がロック用突起105に対面する。このロック用切欠101は、フイルムカートリッジ14の表示板60が、「撮影済み」を表す表示開口67cの背後にあるとき、すなわちスプール51の係合穴51aの角度がθとなっているときにロック用突起105に対面する。
【0067】
蓋閉じ部材96は、上面69に形成された軸受け穴69aに回動自在に挿入され、カートリッジ本体13の遮光蓋53の係合部53aに係合する係合軸91と、この係合軸91の上方に一体に形成され、付勢バネ89が掛けられて遮光蓋53の閉じ位置に向けて付勢される係止レバー107とからなる。この係止レバー107は、遮光蓋53の開き位置にある際に一部分がレール部93の上方に配置され、遮光蓋53の閉じ位置に回動した際にはレール部93の上方を開放するような形状となっている。
【0068】
係止レバー107の上面には、遮光蓋53の開き位置にあるときにタイミングレバー95の保持突起104に当接する突起108が形成されている。この突起108が保持突起104に当接しているときに、タイミングレバー95は図中時計方向に付勢されることになるが、タイミングレバー95の検知用突起103はカム円板82の外周面82aに当接して揺動が阻止されているので、蓋閉じ部材96は遮光蓋53の開き位置に保持される。
【0069】
また、係止レバー107には、遮光蓋53の閉じ位置にあるときにタイミングレバー95の保持突起104に当接する突起109が形成されている。この突起109は、蓋閉じ部材96が遮光蓋53の閉じ位置に回動した際に、タイミングレバー95の保持突起104を押圧して検知用突起103を確実に検知用切欠83に係合させる。
【0070】
連動表示部材97には、スリット97a,ピン97bが形成されており、レール部93内に上下方向でスライド自在に組み込まれる際に、スリット97a内にレール部93内に立設されたピン93aが挿入される。そして、ピン93aとピン97bとにコイルバネ98が掛けられて、上方に向かって付勢される。上方に付勢された連動表示部材97は、蓋閉じ部材96が遮光蓋53の開き位置にある際に、上端が蓋閉じ部材96の係止レバー107に当接するので上方へのスライドが阻止される。また、蓋閉じ部材96が遮光蓋53の閉じ位置に向けて回動された際には、レール部93の上方に係止レバー107が存在しなくなるので、コイルバネ98の付勢によって上方にスライドする。
【0071】
底蓋24と後カバー18とで構成されるユニット本体3の下面には、底蓋24を開放する際に治具等を挿入するための開口111が形成されている。連動表示部材97は、レンズ付きフイルムユニット2の使用時にはこの開口111を塞いでおき、底蓋24を開放する際に開口111を開放するためのもので、下端には開口111を塞ぐ蓋板112が一体に形成されている。なお、符号113は、底蓋24を確実に閉じておくために、前カバー17に係合する爪部材となっている。
【0072】
図12に示すように、蓋閉じ部材96がタイミングレバー95によって遮光蓋53の開き位置に保持されている際には、連動表示部材97の上端は蓋閉じ部材96に当接しており、蓋板112は底蓋24の近傍の開口111を塞いでいる。そして、図13に示すように、蓋閉じ部材96が遮光蓋53の閉じ位置に回動すると、レール部93の上方、すなわち連動表示部材97の上方に蓋閉じ部材96が存在しなくなるので、連動表示部材97はコイルバネ98の付勢によって上方にスライドし、蓋板112は開口111を開放する。
【0073】
次に、上記実施形態の作用について説明する。使用前のレンズ付きフイルムユニット2のカートリッジ室21の上面69は、図10に示すように、突起108がタイミングレバー95の保持突起104に当接しているので、蓋閉じ部材96は付勢バネ89の付勢に抗して遮光蓋53の開き位置に保持されている。タイミングレバー95は、付勢バネ89の付勢によって検知用突起103をカム円板82の外周面82aに当接させている。また、連動表示部材97は、上端が蓋閉じ部材96の係止レバー107に当接しているため、図12に示すように、開口111を塞いでいる。カウンタギヤ79のマーク79aは、全ての写真フイルム12がカートリッジ本体13内に巻き上げられた際に、巻上げ完了表示窓7の下方に配置されるように設けられている。
【0074】
レンズ付きフイルムユニット2の撮影は、ファインダ8によるフレーミングと、シャッタボタン5の押圧によるシャッタレリーズとから行われる。シャッタレリーズが完了すると、それまで回転がロックされていた巻上げノブ10は回転が自由となる。巻上げノブ10は図中反時計方向に回転され、下面に形成された一歯ギヤ73の噛合突起74が減速ギヤ78の下ギヤ78bに噛合し、減速ギヤ78は板バネ80の噛合に抗して図中時計方向に一歯分歩進される。この減速ギヤ78の回転は、上ギヤ78aによってカウンタギヤ79に伝達され、カウンタギヤ79は図中反時計方向に所定角度歩進される。そして、1コマ分の写真フイルム12がカートリッジ本体13内に巻き上げられた時点で、巻上げノブ10は露光ユニット16のフイルム巻止め機構により再びロックされる。
【0075】
なお、巻上げノブ10の回転中に、カム突条100のロック用切欠101がタイミングレバー95のロック用突起105に対面するが、検知用突起103がカム円板82に当接しているのでタイミングレバー95が揺動することはない。
【0076】
最後のコマへの撮影が終了すると、露光ユニット16のフイルム巻止め機構は巻上げノブ10をロックしなくなる。ユーザーは、包装袋やラベル4の説明にしたがって巻上げノブ10の回転操作を行う。すると、一歯ギヤ73,減速ギヤ78,カウンタギヤ79を介して図中反時計方向に回転されたカム円板82は、検知用切欠83を検知用突起103に対面させる。これにより、タイミングレバー95は僅かに揺動し、ロック用突起105をカム突条100の内壁面100aに当接させる。
【0077】
また、その後の巻上げノブ10の1回転以内で、ロック用切欠101がロック用突起105に対面する。これにより、蓋閉じ部材96の付勢によって、検知用突起103とロック用突起105とが、検知用切欠83とロック用切欠101とに係合し、巻上げノブ10の回転をロックする。
【0078】
タイミングレバー95の揺動により、蓋閉じ部材96は遮光蓋53の開き位置での保持が解除されるので、付勢バネ89の付勢によって遮光蓋53の閉じ位置に向けて回動される。遮光蓋53が閉じ位置に回動すると、この遮光蓋53に押圧されたロックレバー62がロック部材59のロックギヤ59aに噛合して、スプール51をロックする。
【0079】
また、レール部93の上方に係止レバー107が存在しなくなるので、連動表示部材97はコイルバネ98の付勢によって上方にスライドする。図13に示すように、蓋板112も連動表示部材97と一緒に上方にスライドするので、開口111が開放される。この開口111の開放により、写真フイルム12が全てカートリッジ本体13内に巻き上げられ、遮光蓋53が閉じられていることを確認できる。また、開口111から治具を差し込んで底蓋24を開放し、カートリッジ室21からフイルムカートリッジ14を取り出すことができる。このように、治具の差し込み場所を指定することにより、他の場所に無理やり治具が差し込まれることによる部品の破損を防止することができるので、リサイクル効率も向上する。
【0080】
取り出されたフイルムカートリッジ14は、表示板60が「撮影済み」を表す表示開口67cの背後にあるときにスプール51が停止されているので、使用状態の表示は確実に「撮影済み」となっている。これにより、ユーザーがフイルムカートリッジ14を取り出した場合の誤装填が防止される。
【0081】
また、連動表示部材は、巻上げ完了と遮光蓋の閉鎖の完了との表示以外に、底蓋24のロック機構としても使用することができる。このロック機構を兼用させた実施形態としては、図14に示すように、前カバー17に係合する底蓋24の爪部材113を撓みやすく成形しておき、連動表示部材115の蓋部115aが開口116を閉じている際には、連動表示部材115に一体に形成された突起115bによって爪部材113を押圧し、前カバー17にしっかりと係合させる。これにより、底蓋24を無理に開放しようとしても、前カバー17と爪部材113との係合が外れないので、底蓋24が不用意に開放されることはない。
【0082】
図15に示すように、連動表示部材115が上方にスライドすると、連動表示部材115の蓋部115aが開口116を開放するので、この開口116から工具を差し込むことができるようになる。また、連動表示部材115の突起115bによる爪部材113の押圧が解除されるので、爪部材113が簡単に撓んで底蓋24を容易に開放できるようになる。なお、爪部材113を前カバー17から係合が外れそうな状態で成形し、この状態から爪部材113を連動表示部材115で押圧して前カバー17に係合させるようにしても同様の作用,効果を得ることができる。
【0083】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、上記各実施形態と同じ部品については同符合を用い、説明を省略する。図16及び図17に示すように、本実施形態は第2実施形態とほぼ同様の構成となっているが、蓋閉じ部材118の遮光蓋53の閉じ位置に向けての回動によって、巻上げノブ10の回転をロックするようにしている。
【0084】
巻上げノブ10の下面には、カム突条120が一体に形成されており、このカム突条120の内壁面120aには、ロック用切欠121が形成されている。蓋閉じ部材118には、放射状に突出された腕部122が設けられており、この腕部122の先端には上方に向かってロック用突起123が立設されている。また、この腕部122には突起124が形成されており、この突起124は遮光蓋53の閉じ位置に回動した際にタイミングレバー125の保持突起126を押圧して、検知用突起127と検知用切欠83との係合を確実にする。
【0085】
タイミングレバー125の揺動により遮光蓋53の開き位置での保持が解除されると、蓋閉じ部材118は遮光蓋53の閉じ位置に向けて回動する。蓋閉じ部材118の腕部122のロック用突起123は、カム突条120の内壁面120aに当接し、その後の巻上げノブ10の1回転以内でロック用切欠121に係合する。このロック用切欠121は、フイルムカートリッジ14の表示板60が「撮影済み」を表す表示開口67cの背後にあるときに、ロック用突起123に係合する位置に形成されているので、本実施形態でも取り出し後のフイルムカートリッジ14は、確実に撮影済みを表す状態となっている。
【0086】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、上記各実施形態と同じ部品については同符合を用い、説明を省略する。図18及び図19に示すように、タイミングレバー130の近傍に略楔形のロック部材131が回動自在に取り付けられている。そして、全ての写真フイルム12の巻上げ後にこのロック部材131を図中時計方向に回動させて、一歯ギヤ73の外周面73aに形成されたロック用切欠132に係合させることにより巻上げノブ10の回転をロックするようにしている。
【0087】
蓋閉じ部材134には、放射状に突出された押圧突起135が設けられている。蓋閉じ部材134は、タイミングレバー130の検知用突起130bが検知用切欠83に対面すると、タイミングレバー130の保持突起130aを押圧して揺動させ、遮光蓋53の閉じ位置に向けて回動する。そして、この回動時に押圧突起135でロック部材131の面131aを押圧する。
【0088】
ロック部材131は、面131aが押圧されると図中時計方向に回動してタイミングレバー130を押圧し、更に先端部136を一歯ギヤ73の外周面73aに当接させる。これにより、その後の巻上げノブ10の1回転以内で、ロック用切欠132に先端部136が係合する。このロック用切欠132は、フイルムカートリッジ14の表示板60が「撮影済み」を表す表示開口67cの背後にあるときに、ロック部材131に係合する位置に形成されているので、本実施形態でも取り出し後のフイルムカートリッジ14は、確実に撮影済みを表す状態となっている。
【0089】
【実施例】
上ギヤ78aとカウンタギヤ79との間の減速比は、例えば8/30としている。下ギヤ78bは、ピッチ円直径Dが5.4mm、モジュールmが0.3、歯数zが「16」とされている。これによれば、例えば25枚撮り用の写真フイルム12を内蔵する場合、巻き込み完了までの巻上げノブ10の回転量を29回転とすると、カウンタギヤ79の回転量は、8/30×22.5×29=174度となる。したがって、カウンタギヤ79のスタート位置から174度ずれた位置にマーク79aと検知用切欠83を設ければよい。
【0090】
撮影枚数の異なる写真フイルム12や、フイルムベースの異なる写真フイルム12を内蔵する場合には、フイルム先端までをカートリッジ本体13の内部に巻き込むための巻上げノブ10の回転量が異なる。この場合には、撮影枚数に合わせてマーク79aと検知用切欠83との位置が変えられたカウンタギヤ79を用いればよく、他の部品はそのまま流用することができる。例えば、40枚撮り用の写真フイルム12を内蔵する場合には、巻き込み完了までの巻上げノブ10の回転量を45回転とすると、カウンタギヤ79の回転量が、8/30×22.5×45=270度となるから、カウンタギヤ79のスタート位置から270度ずれた位置にマーク79aと検知用切欠83とが設けられたカウンタギヤ9を用いればよい。
【0091】
なお、上記第1の実施形態では、巻上げノブのロックと遮光蓋の閉鎖とを別々に行うようにしているが、その他の実施の形態と同様に連動させることもできる。また、第2〜第4の実施の形態では、蓋閉じ部材の遮光蓋の閉じ位置に向かう回動力を利用して巻上げノブのロックを行っているが、別に設けたバネを用いて巻上げノブのロックを行ってもよい。更に、第2の実施形態にのみ連動表示部材を設けたが、その他の実施の形態にも用いることができる。
【0092】
また、蓋閉じ部材の閉じ位置への回動に連動して連動表示部材を上方にスライドさせたが、例えば下方にスライドさせてユニット本体の下面から突出させてもよい。更に、タイミングレバーの揺動に連動して連動表示部材を移動させてもよい。また、巻上げ完了後にユニット本体の底面に開口が形成されると、回収時にユニット本体内にゴミが入り込んだり、ユーザーが底蓋を開放したくなる場合も考えられるので、ラベルで開口部分を塞いで開口を外部から見えなくし、現像所では開口部分のラベルを触って開口が形成されているか否かを確認するようにすることもできる。
【0093】
また、上記各実施の形態では、巻上げノブをロックする係合部と被係合部に、ロック用突起とロック用切欠とを用いたが、突起と突起との組み合わせや、切欠と突起との組み合わせでも同様の効果を得ることができる。更に、係合部,被係合部である突起と切欠とを巻上げノブの円周方向に設けたが、厚み方向で設けることもできる。
【0094】
また、間欠ギヤである一歯ギヤとカウンタギヤとの間に減速ギヤを設けたが、カウンタギヤの歯数内で全て巻き上げられる枚数の写真フイルムならば、減速ギヤを省くことができる。同様に、必要な歯数を備えたカウンタギヤを組み込むスペースがユニット本体内に得られるならば、減速ギヤを省くことができる。更に、カウンタギヤに巻上げ完了表示用のマークを設け、前カバーにマークを外部表示する表示窓を設けたが、巻上げノブのロックのみで巻上げの完了を確認する場合や、連動表示部材を備えている場合にはこれらを省くことができる。
【0095】
また、巻込み完了表示や遮光蓋の状態を表示する方法としては、タイミングレバーの揺動状態や、蓋閉じ部材の回動状態をユニット本体の外部から確認できるようにしてもよい。
【0096】
また、スプールの回転により写真フイルムをカートリッジ本体から送り出すフイルムカートリッジが装填されたレンズ付きフイルムユニットについて説明したが、本発明ではこれに限らず、周知の135タイプの写真フイルムパトローネを装填するレンズ付きフイルムユニットにも用いることができる。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレンズ付きフイルムユニットでは、カートリッジ本体内に写真フイルムを全て巻き上げるために必要な所定回転数の回転が巻上げノブで行われたことを検知する回転検知手段と、この回転検知手段の検知後に、巻上げノブが一定の回転位置に移動してきたことを検知して巻上げノブの回転をロックするロック手段とを設けたので、写真フイルムが巻き上げ済みか否かが容易に判別でき、カートリッジ本体の取出し作業の効率を向上することができる。
【0098】
また、ロック手段により検知される巻上げノブの一定の位置を、カートリッジ本体の表示板が撮影済みを表す表示開口の背後にある際の巻上げノブの位置としたので、ユーザーがフイルムカートリッジを取り出した場合でも、必ず取り出されたフイルムカートリッジは撮影済みを表す状態となっており、未使用品と誤ってカメラ等に誤装填するのを防止できる。
【0099】
更に、上記回転検知手段とロック手段は、数点の部品の増設と、従来部品の形状変更とによって構成できるので、低コストに実施することができる。また、バネ部材として蓋閉じ部材を用いるようにしたので、別途にタイミングレバーを付勢するバネを減らすことができ、巻上げノブのロックに連動して遮光蓋を閉じることもできる。
【0100】
更に、蓋閉じ部材の回動に連動して、カートリッジ本体へのフイルム巻上げと、遮光蓋の閉鎖とが終了したことを外部に表示する外部表示手段を設けたので、フイルム巻上げの終了と遮光蓋の閉鎖とが完了しているか否かが、巻上げノブを操作しなくても判別できる。また、この外部表示によってカートリッジ本体を取り出すために工具を差し込む開口を形成するようにしたので、カートリッジ本体の取り出し方法が明確になり、他の部分から無理にカートリッジ本体が取り出されることがなくなるので、回収後のリユース得率も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の回転検知手段及びロック手段の構成を示す分解斜視図である。
【図2】本発明を実施したレンズ付きフイルムユニットの外観を示す斜視図である。
【図3】ユニット本体の構成を示す分解斜視図である。
【図4】露光ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図5】フイルムカートリッジの構成を示す分解斜視図である。
【図6】フイルムカートリッジの一方の端面を示す側面図である。
【図7】第1の実施形態の回転検知手段及びロック手段の未作動時の状態を示す平面図である。
【図8】第1の実施形態の回転検知手段及びロック手段の作動時の状態を示す平面図である。
【図9】第2の実施形態の回転検知手段及びロック手段の構成を示す分解斜視図である。
【図10】第2の実施形態の回転検知手段及びロック手段の未作動時の状態を示す平面図である。
【図11】第2の実施形態の回転検知手段及びロック手段の作動時の状態を示す平面図である。
【図12】第2の実施形態の外部表示手段の未作動時の状態を示す斜視図である。
【図13】第2の実施形態の外部表示手段の作動時の状態を示す斜視図である。
【図14】別の実施形態の外部表示手段の未作動時の状態を示す要部断面図である。
【図15】別の実施形態の外部表示手段の作動時の状態を示す要部断面図である。
【図16】第3の実施形態の回転検知手段及びロック手段の未作動時の状態を示す平面図である。
【図17】第3の実施形態の回転検知手段及びロック手段の作動時の状態を示す平面図である。
【図18】第4の実施形態の回転検知手段及びロック手段の未作動時の状態を示す平面図である。
【図19】第4の実施形態の回転検知手段及びロック手段の作動時の状態を示す平面図である。
【符号の説明】
2 レンズ付きフイルムユニット
3 ユニット本体
7 巻上げ完了表示窓
10 巻上げノブ
12 写真フイルム
13 カートリッジ本体
14 フイルムカートリッジ
16 露光ユニット
51 スプール
53 遮光蓋
60 表示板
67a〜67d 表示開口
73 一歯ギヤ
78 減速ギヤ
79 カウンタギヤ
82 カム円板
84,95,125,130 タイミングレバー
88,96,118,134 蓋閉じ部材
97,115 連動表示部材
100,120 カム突条
111,116 開口
131 ロック部材

Claims (13)

  1. フイルム巻取り用のスプールを収納したカートリッジ本体と、前記スプールに一端を係止した規定長さの写真フイルムが予め組み込まれ、前記スプールに回転方向の一定の角度位置で連結された巻上げノブを撮影ごとに外部から回転操作することによって撮影済みの写真フイルムを前記スプールに巻き付けながらカートリッジ本体に巻き込むようにしたレンズ付きフイルムユニットにおいて、
    写真フイルムの前記規定長さに対応した所定回転数だけ前記巻上げノブが回転したことを検知する回転検知手段と、この回転検知手段によって巻上げノブが前記所定回転数だけ回転したことが検知された後、巻上げノブが一定の回転位置に移動してきたことを検知して巻上げノブの回転をロックするロック手段とを設け、前記カートリッジ本体内に写真フイルムが他端まで完全に巻き込まれ、かつ前記スプールが一定の回転位置に達した時点で巻上げノブの回転操作を禁止するようにしたことを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。
  2. 前記カートリッジ本体は、スプールと一体に回転する表示板と、この表示板の回転方向に沿って設けられ、表示板を選択的に外部に露呈させることによって写真フイルムの未使用あるいは使用済みの表示を行う複数の表示開口とを有し、スプールが前記一定の回転位置で停止されることにより、カートリッジ本体は写真フイルムの使用済みを表示する状態になることを特徴とする請求項1記載のレンズ付きフイルムユニット。
  3. 前記回転検知手段は、巻上げノブと同軸で一体に回転する間欠ギヤと、この間欠ギヤに間欠に噛合されて所定角度ずつ歩進されるカウンタギヤと、このカウンタギヤと同軸で一体に回転し外周面に検知用切欠が形成されたカム円板と、巻上げノブの近傍に揺動自在に設けられ、一端にカム円板の外周面に対面する検知用突起が形成されたタイミングレバーと、このタイミングレバーを付勢して検知用突起をカム円板の外周面に当接させる付勢手段とからなり、前記検知用切欠は、巻上げノブが所定回転数だけ回転された際にタイミングレバーに形成された検知用突起に対面し、付勢手段の付勢によって検知用突起と検知用切欠とが係合する際のタイミングレバーの揺動によって巻上げノブの所定回転数の回転を検知することを特徴とする請求項1又は2記載のレンズ付きフイルムユニット。
  4. 前記付勢手段は、前記カートリッジ本体のフイルム出入り口の奥に組み込まれた遮光蓋の端部に連結して、フイルム出入り口を開放する開き位置と閉鎖する閉じ位置との間で遮光蓋を回動させる蓋閉じ部材と、この蓋閉じ部材を遮光蓋の閉じ位置に向けて付勢する付勢バネとからなり、該蓋閉じ部材は、遮光蓋の開き位置にある際に前記タイミングレバーに当接して検知用突起がカム円板の外周面に当接する方向に押圧し、検知用突起と検知用切欠との係合によってタイミングレバーが揺動した際に当接を解除して遮光蓋の閉じ位置に向けて回動することを特徴とする請求項3記載のレンズ付きフイルムユニット。
  5. 前記蓋閉じ部材による遮光蓋の開き位置から閉じ位置に向けての回動に連動して、カートリッジ本体へのフイルムの巻き込みと遮光蓋の閉鎖とが完了したことを示唆するとともに、カートリッジ本体の取り出しを行うために工具が差し込まれる開口を形成する外部表示手段を設けたことを特徴とする請求項4記載のレンズ付きフイルムユニット。
  6. 前記外部表示手段は、一端が蓋閉じ部材に当接し、他端に前記開口を塞ぐ蓋板が一体に形成され、上下方向に沿って移動自在とされた連動表示部材と、この連動表示部材を上方に向けて付勢するバネとからなり、該連動表示部材は、蓋閉じ部材が遮光蓋の開き位置にある際に、一端を蓋閉じ部材に当接させて他端の蓋板で開口を塞ぎ、蓋閉じ部材が遮光蓋の閉じ位置に向けて回動した際に、バネの付勢によって上方に移動して開口を露呈させることを特徴とする請求項5記載のレンズ付きフイルムユニット。
  7. 前記ロック手段は、間欠ギヤの外周面に形成された被係止部と、タイミングレバーに一体に形成されて間欠ギヤの外周面に対面する係止部とからなり、この係止部はタイミングレバーの揺動によって一歯ギヤの外周面に当接し、巻上げノブが一定の回転位置に移動してきた際に被係止部に係合することを特徴とする請求項3ないし6いずれか記載のレンズ付きフイルムユニット。
  8. 前記ロック手段は、巻上げノブの下面に外周に沿って一体に形成されたカム突条と、このカム突条の内壁面に形成された被係止部と、タイミングレバーに一体に形成されてカム突条の内壁面に対面する係止部とからなり、この係止部は、タイミングレバーの揺動によってカム突条の内壁面に当接し、巻上げノブが一定の回転位置に移動してきた際に被係止部に係合することを特徴とする請求項3ないし6いずれか記載のレンズ付きフイルムユニット。
  9. 前記ロック手段は、巻上げノブの下面に外周に沿って一体に形成されたカム突条と、このカム突条の内壁面に形成された被係止部と、蓋閉じ部材に一体に形成され、この蓋閉じ部材が遮光蓋の閉じ位置に回動した際にカム突条の内壁面に当接する係止部とからなり、この係止部は、巻上げノブが一定の回転位置に移動してきた際に被係止部に係合することを特徴とする請求項4ないし6いずれか記載のレンズ付きフイルムユニット。
  10. 前記ロック手段は、一歯ギヤの外周面に形成された被係止部と、一歯ギヤの近傍に回動自在に設けられたロック部材と、蓋閉じ部材に一体に形成され、この蓋閉じ部材が遮光蓋の閉じ位置に回動された際にロック部材を押圧して回動させる押圧突起とからなり、該ロック部材は押圧突起に押圧されて回動し、巻上げノブが一定の回転位置に移動してきた際に被係止部に係合することを特徴とする請求項4ないし6いずれか記載のレンズ付きフイルムユニット。
  11. フイルム巻取り用のスプールを収納したカートリッジ本体と、前記スプールに一端を係止した規定長さの写真フイルムが予め組み込まれ、前記スプールの端部に連結された巻上げノブを撮影ごとに外部から回転操作することによって撮影済みの写真フイルムを前記スプールに巻き付けながらカートリッジ本体に巻き込むようにしたレンズ付きフイルムユニットにおいて、
    前記巻上げノブと同軸で一体に回転する間欠ギヤと、この間欠ギヤに間欠に噛合されて所定角度ずつ歩進されるカウンタギヤと、このカウンタギヤと同軸で一体に回転し外周面に検知用切欠が形成されたカム円板と、前記カートリッジ本体のフイルム出入り口の奥に組み込まれた遮光蓋の端部に連結して、フイルム出入り口を開放する開き位置と閉鎖する閉じ位置との間で遮光蓋を回動させる蓋閉じ部材と、この蓋閉じ部材を遮光蓋の閉じ位置に向けて付勢する付勢バネと、巻上げノブの近傍に揺動自在に配置され、一端にはカム円板の外周面に対面する検知用突起が、他端には蓋閉じ部材に係合して遮光蓋を開き位置で保持する保持突起が形成されたタイミングレバーとを設け、
    前記検知用切欠と検知用突起は、巻上げノブが所定回転数だけ回転された際に対面して係合し、その際のタイミングレバーの揺動によって保持突起による蓋閉じ部材の保持が解除され、付勢バネの付勢により蓋閉じ部材が遮光蓋を閉じ位置に回動させることを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。
  12. 前記蓋閉じ部材による遮光蓋の開き位置から閉じ位置に向けての回動に連動して、カートリッジ本体へのフイルムの巻き込みと遮光蓋の閉鎖とが完了したことを示唆するとともに、カートリッジ本体の取り出しを行うために工具が差し込まれる開口を形成する外部表示手段を設けたことを特徴とする請求項11記載のレンズ付きフイルムユニット。
  13. 前記外部表示手段は、一端が蓋閉じ部材に当接し、他端に前記開口を塞ぐ蓋板が一体に形成され、上下方向に沿って移動自在とされた連動表示部材と、この連動表示部材を上方に向けて付勢するバネとからなり、該連動表示部材は、蓋閉じ部材が遮光蓋の開き位置にある際に、一端を蓋閉じ部材に当接させて他端の蓋板で開口を塞ぎ、蓋閉じ部材が遮光蓋の閉じ位置に向けて回動した際に、バネの付勢によって上方に移動して開口を露呈させることを特徴とする請求項12記載のレンズ付きフイルムユニット。
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