JP3664639B2 - 既洗浸漬米の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炊飯に先立って洗米浸漬などの前処理を加えることなく、水を加えて直ちに炊飯することが可能となる既洗浸漬米を製造するための既洗浸漬米の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記既洗浸漬米の製造方法の第1従来例として、例えば特公平5−37008号公報に示されるように、一般に流通している約14%程度の低含水の精白米を摂氏60度〜80度の高温水で3〜6分間洗米処理を行った後、ドライヤを用いて急速乾燥するようにした製造方法がある。
この第1従来例に記載される既洗浸漬米の製造方法は、要するに、一般に流通している約14%程度の低含水の精白米を原材料として用いて、高温水にて洗米することにより、洗米浸漬などの前処理を加えることなく水を加えて直ちに炊飯(以下、無洗米炊飯という)するようにしても、中心部にシンが残らず全体が軟かくて美味しく炊き上がる既洗浸漬米を提供しようとするものであり、又、洗米処理した後に乾燥することにより、精白米の形状が崩れるのを防止するために保形性を持たせて保存性を高めるようにしたものである。
【0003】
又、既洗浸漬米の製造方法の第2従来例として、例えば特許公報第2651976号に示される製造方法がある。
この第2従来例に示されるものは、通常の含水率を有する玄米を予め調質した後に精米加工して得られた15%以上19%を越えない高含水率の精白米、通常の含水率を有する精白米を予め調質して得られた15%以上19%を越えない高含水率の精白米、又は、15%以上17%を越えない高含水率の玄米を無調質で精白した精白米のうちのいずれかを原材料として用いて、既洗浸漬米を製造する方法であって、精白米に水が触れてから乾燥が終了するまでの時間が11分以下という短時間で、低温の水(例えば摂氏3度〜40度程度)で攪拌洗浄して洗米処理を行い且つ洗米を行った後に例えば遠心脱水及び温風乾燥等により乾燥(除水)を行うようにして、水に漬ける前の精白米の含水率からの上昇含水率が2%を越えることがなく、且つ、乾燥が終了した時点で16%以上19%を越えない範囲の含水率となるようにした既洗浸漬米の製造方法である。
【0004】
この第2従来例に記載される製造方法は、要するに、予め調質した高含水の玄米や精白米、又は、高含水の玄米等を原材料として用いて、低温水にて洗米処理して、無洗米炊飯する場合でも中心部にシンが残らず全体が軟かくて美味しく炊き上がる既洗浸漬米を提供しようとするものであり、第1従来例と同様に、洗米処理した後に乾燥することにより、精白米の形状が崩れるのを防止するために保形性を持たせて保存性を高めるようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記第1従来例の製造方法では、摂氏60度〜80度の高温水で洗米処理を行うようにして、精白米を洗米する場合に水温が高いほど含水しやすい性質を利用して高温水で急激に精白米の中心部まで含水させることにより、精白米の表層部から中心部までの全体が高含水率になるようにしたものである。このように、精白米の中心部までの全体が高含水率になることにより、表層部から中心部にまで細かな亀裂が形成されることになる。従って、このように表層部から中心部にまで細かな亀裂が形成されているので、無洗米炊飯する場合においても、これらの細かな亀裂を通して水が中心部にまで含水して炊き上がったときに中心部にシンが残らない美味しい炊き上がり状態になるという利点を有している。
しかも、このような細かな亀裂が生じることから、洗米処理が行われるときに表層部よりも少し内方側に入り込んだ個所に存在している硫黄成分を含むアミノ酸等も効率よく除去できる利点も有している。尚、この硫黄成分を含むアミノ酸は、例えば、業務用の炊飯方法として用いられる高温密閉炊飯を行った場合の異臭発生の原因となるが、このような不利を回避できるのである。
更には、高温水を用いて洗米処理することによって精白米に含まれる雑菌を死滅させる利点も兼ね備えている。
【0006】
又、この第1従来例においては、原材料として通常一般に流通している、例えば、約14%程度の低含水の精白米を用いるようにしても、精白米を表層部から中心部までの全体が高含水率になるように含水させることができるのであり、低含水の精白米は、原材料として入手したときに流通や貯蔵の段階で既に変色や変質等の品質低下を起こしているおそれが少なく、製造される既洗浸漬米の品質低下を招くといった不都合の生じない状態で既洗浸漬米を製造することが可能となる。
【0007】
このように、この第1従来例による既洗浸漬米の製造方法は、高温水にて精白米を洗米することにより精白米を高含水にさせる洗米処理を行うようにしているから、上述したような種々の利点を有するものである。
【0008】
これに対して、上記第2従来例では、精白米を低温水にて短時間で素早く洗米処理を行うようにして、洗米処理によって一時的に含水率が高くなるのは精白米の表層部だけに止めて、洗米の後に短時間で素早く乾燥させることにより、精白米の表面部に付着残留している水分を除水して水分が精白米の中心部にまで含水しないようにしたものである。従って、洗米処理によって一時的に含水率が高くなるのは精白米の表層部だけに止めて、水分が精白米の中心部にまで含水しないようにして製造された既洗浸漬米は、その表層部は勿論、中心部にも細かな亀裂は発生していないものとなり、このようにして洗米処理と乾燥が行われた後において、表層部だけでなく中心部にも亀裂が発生していない既洗浸漬米は、無洗米炊飯した場合、精白米の中心部にまで水が含水することができず、炊き上がったときに中心部が硬くてシンが残り美味しい炊き上がり状態にならないおそれがあるといった不利がある。
因みに、通常の含水率を有する玄米や精白米を高含水率にさせる調質とは、「米の含水率を時間をかけて徐々にアップすること」であるから、そのことにより精白米に亀裂が発生するようなことはない。
【0009】
しかも、この第2従来例において、高含水の玄米を原材料として使用する場合、その玄米が高含水であることに起因して、流通や貯蔵の段階で既に変色したり変質しているおそれがあり、そのような玄米を用いると製造された既洗浸漬米の品質も低いものとなってしまうおそれがある。又、玄米を入手した時点では品質が良好であったとしても、入手してから既洗浸漬米の製造に利用するまでに長期間保存する必要があるような場合においては、その玄米が高含水であることに起因して品質が劣化しやすいので、品質を維持管理するための特別な対策を講じる必要があり、余計な手間や設備等が必要となる不利がある。
【0010】
又、この第2従来例においては、低含水の玄米や精白米を予め調質して高含水とする場合には、洗米処理の前段階で調質という余計な作業が必要であり、この調質は、上記したように米の含水率を時間をかけて徐々にアップすることであるから、処理に時間がかかり既洗浸漬米を製造するときの生産性が低下する不利があるとともに、そのための専用の設備も必要で設備コストの増大を招く不利がある。
【0011】
このように第2従来例の製造方法には、種々の不利な面があり、既洗浸漬米の製造方法として採用し難いものである。そこで、既洗浸漬米の製造方法として、上記第1従来例に記載されるような製造方法を採用することが考えられる。
【0012】
しかし、上記第1従来例においては、上記したような種々の利点を有するものではあるが、洗米処理を行った後に洗米処理済みの精白米を急速乾燥するようにしているので、未だ次のような面で改善の余地があった。
【0013】
すなわち、洗米処理が行われた後の精白米の表面に存在している水分は、精白米の表面全体にわたり均一な状態で付着していることは少なく、むしろムラのある状態で付着している場合が多いと考えられるが、上記第1従来例のように、このようなムラのある状態で付着している水分が、ドライヤ等の加熱手段による加熱によって、そのまま短時間のうちに乾燥されると、精白米の表層部において乾燥ムラが生じるおそれが大であった。そして、このように乾燥ムラが生じると、精白米の表層部の全体にわたり保形性を充分な強度で持たせることができなくなり、包装して運搬したり保存するような場合につぶされたり破砕してしまうおそれが大となる不利があった。又、第1従来例のように、洗米処理を行った後に急速乾燥を行うと、米粒の表面部を急激に乾燥させることによって表面のみが急に収縮して表面と内部との収縮差が大となり、亀裂が増加及び拡大したり、胴割れが発生してしまうおそれがある。このように、亀裂の増加及び拡大や胴割れが発生すると、炊き上がったときの食味、すなわち、歯応えが低下するおそれがある。
【0014】
本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、高温水にて精白米を洗米することにより精白米を高含水にさせる洗米処理を行うことにより得られる第1従来例が有する種々の利点を活かしながらも、乾燥処理に工夫を加えることによって、精白米の表層部の全体にわたり適正に保形性を備えさせることが可能になるとともに、胴割れが発生して炊飯時の食味が低下することを未然に防止することが可能となる既洗浸漬米の製造方法を提供する点にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の既洗浸漬米の製造方法は、高温水にて精白米の中心部まで含水させて、表層部から中心部までの全体が20〜26%の含水率になるように洗米処理を行った後に、前記洗米処理を行う時間よりも長い乾燥時間で、前記洗米処理が行われた高含水の精白米を17.5〜25%の含水率となるように緩速乾燥させる緩速乾燥処理を行う製造方法である。
【0016】
要するに、本製造方法は、温水にて精白米を洗米することにより精白米を高含水にさせて、無洗米炊飯にて中心部にシンが残らず全体が軟かくて美味しく炊き上がるものでありながら、亀裂の増加や拡大を抑制し、胴割れを生じ難くして、表層部の全体にわたり適正に保形性を備えさせることができるように乾燥処理を行うようにしたものであり、以下、詳細な説明を加える。
【0017】
洗米処理を行う時間よりも長い乾燥時間をかけて洗米処理が行われた精白米を緩速乾燥させるようにしたので、精白米の全体が20〜26%の含水率になるように含水させた状態であっても、短い時間で急速に乾燥させる場合のように乾燥ムラのある状態で乾燥が行われるといった不都合がなく、緩速で乾燥させることで付着している水分が徐々に除去されながら、しかも、米内での水分移動等によって乾燥ムラが解消され、精白米の粒全体としてほぼ均一な状態で乾燥処理を行うことが可能となる。すなわち、洗米処理が行われた精白米を急速乾燥する場合のように表層部において乾燥ムラが生じるといった不都合がなく表層部が均一に乾燥して保形性が良い状態を維持しながら長期保存することが可能な既洗浸漬米となる。
【0018】
洗米処理を行った後に急速乾燥を行うようにすると、米粒の表面部を急激に乾燥させることによって表面のみが急に収縮して表面と内部との収縮差が大となり、亀裂の増加や拡大が発生したり、胴割れが発生してしまうおそれがあるが、上記したように長い処理時間で緩速乾燥させることで、このような亀裂の増加及び拡大や胴割れに起因した食味の低下を防止することができる利点もある。
【0019】
その結果、高温水にて精白米を洗米することにより精白米を高含水にさせる洗米処理を行うことにより得られる第1従来例が有する種々の利点を活かしながらも、乾燥処理に工夫を加えることによって、精白米の表層部の全体にわたり適正に保形性を備えさせることが可能になるとともに、亀裂の増加及び拡大が発生したり、胴割れが発生して炊飯時の食味が低下することを未然に防止することが可能となる既洗浸漬米の製造方法を提供できるに至った。
又、前記洗米処理が終了した後における精白米の含水率が20〜26%である。
精白米の平均含水率が20〜26%の含水率になるように含水させるようにしているので、その後の乾燥処理により水分が減少するとしても、炊飯の際に浸漬工程により更に水を含水させなくても、澱粉の糊化が充分行われて美味しい炊き上がり状態になるための含水率にすることができる。尚、ここでいう含水率とは、精白米の全体重量に対する水分の重量の比率(%)で示す湿基準の含水率をいう。
又、前記緩速乾燥処理が終了した後における精白米の含水率が17.5〜25%であるから、このようにして製造された既洗浸漬米は、炊飯の際に所定時間浸漬させる手間をかけなくても美味しい炊き上がり状態になる。精白米の含水率が17.5%を下回ると、炊飯したときに中心部が硬くなって芯が残ることがあり、25%を越えると、例えば、腐敗したりカビが生え易くなったり、保形性が低下する不利があるが、上記したような含水率にさせることより、このような不利の生じ難い既洗浸漬米が得られる。
【0020】
請求項2に記載の既洗浸漬米の製造方法によれば、請求項1において、前記緩速乾燥処理において、前記洗米処理が終了した後の精白米から遠心脱水により脱水させた後に、精白米を乾燥処理するようにした。
【0021】
このように遠心脱水により精白米の表面やその近くに存在する水分を除去させた後に乾燥するようにしているので、脱水により精白米の表面やその近くにムラのある状態で存在する水分を有効に除去することになり、このように脱水によって上記したような水分を除去させた後に乾燥することにより、精白米の表層部が乾燥ムラがなくほぼ均一の乾燥状態となる。又、脱水する方法として、揺動運動や上下振動等によって脱水させることも考えられるが、このような方法に比べて、遠心力により水分を放出させることで確実に水分を脱水させることができる。
【0022】
請求項3に記載の既洗浸漬米の製造方法によれば、請求項1又は2において、前記緩速乾燥処理において、載置個所に層状に拡散する状態で載置された精白米に対して乾燥気を通気させて乾燥するようにした。
【0023】
従って、例えば、貯留槽内に積層状態で貯留されている状態で乾燥処理するような構成に比べて、乾燥気に触れる精白米の表面をできるだけ多くして乾燥を能率よく行うことができる。
【0024】
請求項4に記載の既洗浸漬米の製造方法によれば、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記洗米処理における高温水の温度が摂氏50度〜80度である。
【0025】
精白米の表層部及び中心部が20〜26%の含水率になるように含水させる場合、例えば常温水のような低温の水であれば含水に時間がかかるが、摂氏50度を越えるような高温水を用いると短時間で含水させることが可能であり、作業能率が向上するものとなる。但し、湯水の温度が摂氏80度を越えるような高温になると、精白米が一度、煮えた状態となって水臭くなってしまい、炊飯したときの食味が低下してしまうものである。そこで、摂氏50度〜80度の温水によって洗米処理することで美味しい炊き上がり状態になる既洗浸漬米を能率よく製造することが可能となる。
【0026】
請求項5に記載の既洗浸漬米の製造方法によれば、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記洗米処理が終了した後における精白米の平均含水率が20〜26%である。
【0027】
精白米の平均含水率が20〜26%の高含水率になるように含水させるようにしているので、その後の乾燥処理により水分が減少するとしても、炊飯の際に浸漬工程により更に水を含水させなくても、澱粉の糊化が充分行われて美味しい炊き上がり状態になるための含水率にすることができる。尚、ここでいう含水率とは、精白米の全体重量に対する水分の重量の比率(%)で示す湿基準の含水率をいう。
【0028】
請求項6に記載の既洗浸漬米の製造方法によれば、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記緩速乾燥処理が終了した後における精白米の含水率が17.5〜25%であるから、このようにして製造された既洗浸漬米は、炊飯の際に所定時間浸漬させる手間をかけなくても美味しい炊き上がり状態になる。精白米の含水率が17.5%を下回ると、炊飯したときに中心部が硬くなって芯が残ることがあり、25%を越えると、例えば、腐敗したりカビが生え易くなったり、保形性が低下する不利があるが、上記したような含水率にさせることより、このような不利の生じ難い既洗浸漬米が得られる。
【0029】
請求項に記載の既洗浸漬米の製造方法によれば、請求項1〜のいずれかにおいて、前記緩速乾燥処理が、前記精白米に含水された水分を精白米の全体的に浸潤させる時間をかけて行われるようにしたので、不必要に亀裂が発生するのを抑制して、食味の向上が図れる。
【0030】
請求項に記載の既洗浸漬米の製造方法によれば、請求項1〜のいずれかにおいて、前記洗米処理が、精白米を所定量づつまとめて洗米するバッチ処理にて行われ、前記緩速乾燥処理における最終処理が、精白米を少量づつ搬送しながらその搬送中にて乾燥する順次搬送乾燥処理にて行われ、前記洗米処理の処理時間が、約2〜4分であり、前記洗米処理の開始から前記緩速乾燥処理の終了までの処理時間が、前記洗米処理の処理時間の約3〜15倍である。
【0031】
前記洗米処理として、例えば、搬送手段にて精白米を連続搬送しながら順次、洗米処理するようにすることも考えられるが、このようにすると、搬送される精白米の搬送量のバラツキ等に起因して洗米時間にバラツキが発生して、洗米処理後の含水率の管理が適正に行えないおそれがある。そこで、約2〜4分の処理時間にて精白米を所定量づつまとめて洗米するバッチ処理にて洗米処理が行われるようにしたから、バッチ処理される全ての精白米に対する洗米時間を精度よく管理したり、洗米処理後の含水率の管理を適正に行うことが可能となる。
【0032】
そして、緩速乾燥処理は、その最終処理が、精白米を少量づつ搬送しながらその搬送中にて乾燥する順次搬送乾燥処理にて行われる状態で、洗米処理の処理時間の約3〜15倍という長い時間をかけてゆっくりと行われるので、例えば、乾燥処理も洗米処理と同様に所定量づつまとめて乾燥するバッチ処理にて行うようにすると、米粒が堆積した状態のままで乾燥処理されて乾燥状態のバラツキが大になるおそれがあるが、少量づつ搬送しながらその搬送中にて乾燥する順次搬送乾燥処理にて乾燥処理が行われるので、極力均一な乾燥状態に仕上げることが可能となる。
このようにして、請求項1〜のいずれかを実施するのに好適な手段が得られる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る既洗浸漬米の製造方法について説明する。
先ず、図面に基づいて既洗浸漬米を製造するための既洗浸漬米の製造装置について説明する。
この装置は、運搬車両等によって搬入された精白米を貯留するとともに、貯留している精白米を所定量づつ搬送する荷受け処理部A、荷受け処理部Aから搬送される精白米を高温水で洗米処理する洗米処理部B、洗米処理された精白米を乾燥する乾燥処理部C、乾燥が行われた精白米を計量して所定量づつ袋詰め包装する計量包装処理部D等を備えて構成されている。
【0034】
以下、図1、図2に基づいて構成について詳述する。
前記荷受け処理部Aは、前記運搬車両にて搬入される精白米を貯留する大型の貯留タンク1と、この貯留タンク1の底部出口から排出される精白米を上方に搬送するコンベア2、コンベア2の上部出口側から排出される精白米を設定量(例えば、20Kg程度)づつ計量して搬送するためのシャッター機構3付きの流量調整タンク4と、2系統の洗米処理工程に対して精白米を選択的に供給するための2口切換弁5等を備えて構成されている。つまり、貯留タンク1に貯留される精白米を、流量調整タンク4内に設定量を貯留した状態でシャッター機構3を開作動させ、2口切換弁5にていずれかの系統の洗米処理工程に対して、流下供給路6、7を通して精白米を設定量づつ流下させながら送り出すように構成されている。
【0035】
前記洗米処理部Bは、2系統の洗米処理工程を備えており、それら2系統の洗米処理工程の夫々に、高温水を流動させることにより精白米を攪拌洗米する水流攪拌式の洗米装置8と、精白米に調味料を供給するための調味料供給装置9とが備えられている。又、前記各洗米装置8に対して洗米用の高温水を供給するためのボイラー装置11が設けられている。このボイラー装置11は、高温水の温度が約摂氏70度の一定の温度に維持されるように加熱量を自動調節する構成となっている。
【0036】
前記洗米装置8は、図3、図4に示すように、上部が開放状の洗米槽12が設けられている。この洗米槽12は、上部側が円筒形状であって下部がその円筒形状に連なる円錐形状に形成され、この洗米槽12の内部に上方側から設定量の精白米が搬送供給されて、この内部で精白米を一時貯留する構成となっている。そして、洗米槽12の底部には、前記ボイラー装置11から温水供給管13を通して供給される約摂氏70度の高温水である洗浄水が槽内部にて上方側に向けて勢いよく吹き出すように噴出ノズル14が設けられている。尚、前記温水供給管13には、洗浄水を強制搬送させるためのポンプ15、温水供給管13の内部通路を断続自在な電磁弁16、送り出し圧力を表示する圧力計17等が備えられている。
前記洗米槽12の内部には、前記噴出ノズル14に対向して少し隙間をあけた状態で先端開口部18aが位置するとともに、洗米槽12の上方側外方に向けて延びるように槽内送水管18が設けられ、この槽内送水管18の上部側は、電磁操作式の3方法切換弁19を介して、他端側が洗米槽12の上方側中央部に開口する洗米用送水管20と、他端側が洗米槽12の外方側における水切り部10に向けて延びる送米用送水管21とに分岐する構成となっている。
又、洗米槽12の上部開口の外周部には、溢れ出した洗浄水を回収して排水管22から排出するための環状の洗浄水回収部23が形成されており、洗米槽12の内部には投入される精白米及び洗米用送水管20から排出される洗浄水等が径方向外方側に分散させる案内板24が備えられている。
【0037】
前記洗米装置8では、先ず最初に前記洗米槽12の内部に設定量の精白米が供給され、その後、ボイラー装置11からポンプ15を介して洗浄水が供給されて噴出ノズル14から勢いよく洗浄水が吹き出される。このとき、3方法切換弁19は、槽内送水管18と洗米用送水管20とを連通させる状態に切り換えておく。そうすると、噴出ノズル14から勢いよく吹き出される温水は、エジェクター作用によって精白米と一緒に槽内送水管18から洗米用送水管20を通り洗米槽12内に循環供給されることになる。そして、洗浄水の供給に伴ってオーバーフローした洗浄排水は洗浄水回収部23から排水管22を通して外部に排出される。従って、洗浄水を流動させることにより精白米を攪拌洗米する水流攪拌が行われることになる。このように摂氏70度の高温水である洗浄水による水流攪拌にて洗米することにより、精白米の中心部まで含水させて、表層部から中心部までの全体が高含水率になるように前記洗米処理を行うことになる。
洗米処理が行われた後に、3方法切換弁19を、槽内送水管18と送米用送水管21とを連通させる状態に切り換える。そうすると、噴出ノズル14から勢いよく吹き出される洗浄水は、槽内送水管18と送米用送水管21とを通り後述する水切り部10に向けて送り出される。このとき、噴出ノズル14から勢いよく吹き出される洗浄水のエジェクター作用によって洗米槽12内に貯留されている精白米も一緒に水切り部10に向けて送られるのである。
【0038】
次に、前記乾燥処理部Cの構成について説明する。
乾燥処理部Cは、洗米装置8にて洗米された精白米の水切りを行う水切り部10と、前記洗米処理部Bにて洗米された精白米から遠心力により水分を脱水する遠心脱水装置29と、脱水された精白米を高温の雰囲気温度にて熱乾燥処理する乾燥装置30とを備えて構成されている。
【0039】
前記水切り部10は、図1に示すように、洗浄水を受止めて排水処理する流し台25が備えられて、この流し台25の上部に網状収納具26が載置支持されている。そして、洗浄水と共に洗米装置8から搬送されてくる精白米をこの網状収納具26にて受止め収納することで洗浄水は流し台25から流れて排出されて精白米の水切りが行われる。又、この水切り部10には、水切りが行われた後の精白米に対して清浄水を降りかけるシャワー装置27が設けられている。このように清浄水を降りかけることで、高温水でも殺菌できないような高耐熱菌を流して除菌することが可能となり、又、精白米の表面に付着している糠等を除去することもできる。
【0040】
前記網状収納具26は、図1に示すように、リフト装置28によって持ち上げ移動可能に流し台25に載置されており、水切り処理とシャワー処理が終了した後に、リフト装置28によって持ち上げられて、次の乾燥処理における遠心脱水にそのまま利用される構成となっている。つまり、図5に示すように、略円筒形のステンレス製網カゴ26aの内部に水を容易に排水しやすい網状の布製筒体26bを収納し、布製筒体26bの一端側を網カゴ26aの上部側の周部に紐で締め付け固定し、布製筒体26bが袋状の収納容器として機能するように他端側を紐で絞っている。従って、リフト装置28によって持ち上げられるときは、袋状の収納容器として機能する布製筒体26bの内部に精白米が収納された状態で搬送できることになる。
【0041】
前記遠心脱水装置29は、図6に示すように、前記水切り部10にて処理が終了した後にリフト装置28によって持ち上げて移送されてくる網状収納具26が、上方側からそのまま載置収納される回転シリンダー31が設けられ、この回転シリンダー31の周囲は外筒32で覆われる構成となっている。回転シリンダー31は上下軸芯周りで回転自在にフレーム部33に支持されており、フレーム部33に位置固定状態で支持されている電動モータ34と、前記回転シリンダー31とが伝動ベルト35を介して連動連結され、回転シリンダー31内に網状収納具26が収納された状態で、電動モータ34の駆動力により回転シリンダー31が上下軸芯周りで高速で回転することにより、精白米から遠心力により水分を脱水することができるようになっている。尚、脱水処理が行われるときには、外筒32の上部開口を蓋体36にて閉塞して蓋体36を固定することによって外部に水や米が飛散するのを防止するようにしている。
【0042】
前記遠心脱水装置29での脱水処理が終了した後には、再度、リフト装置28によって網状収納具26が持ち上げられて乾燥装置30の搬送始端部に移動され、内部に収納されている精白米を乾燥装置30の搬送始端部に供給するようになっている。つまり、網状収納具26が乾燥装置30の搬送始端部の上方側に位置している状態で、手作業によって、布製筒体26bが袋状の収納容器として機能するように他端側を絞っている紐を外すことにより、その内部に収納されている精白米を乾燥装置30の搬送始端部に落下放出させるのである。
【0043】
次に、乾燥装置30の構成について説明する。
この乾燥装置30は、前記布製筒体26bから落下放出された精白米を載置搬送する搬送コンベア37が備えられ、搬送コンベア37にて載置搬送される精白米に対して、ヒータにて加熱された空気を通風手段にて精白米の存在個所に通風させて、精白米の雰囲気温度を外気温度よりも高温にして熱乾燥処理するように構成されている。
【0044】
詳述すると、図7、図8に示すように、前記搬送コンベア37が斜め上方に向かう搬送経路を有する状態で枠体38に支持され、搬送コンベア37による搬送経路の上方個所に前記ヒータとして複数の遠赤外線ヒータ39が位置固定状態で搬送経路方向に沿って並列配置され、又、その上方個所には前記通風手段としての6個のシロッコファン40が備えられている。前記各遠赤外線ヒータ39と各シロッコファン40との間には、各シロッコファン40により吹き出される空気が、搬送コンベア37上の広い範囲にわたり風圧が均平化された状態で通風するように、多数の挿通孔41が適宜間隔をあけて分散形成された多孔板42が設けられ、多孔板42の上方側には各シロッコファン40から吹き出される空気の風圧を均平化させるために一時貯留用の給気室43が形成されている。
【0045】
そして、各シロッコファン40から吹き出され多孔板42にて風圧が均平化された空気は、各遠赤外線ヒータ39にて加熱されて高温になって状態で、搬送コンベア37上を載置搬送される精白米の存在個所に対して通風されることになる。このように精白米の存在個所に通風供給された空気は、搬送経路の左右両側夫々にて搬送方向前後2個所に形成された循環通風路44、及び、この循環通風路44に連なる吸気室45を通して各シロッコファン40により吸引される構成となっている。従って、各シロッコファン40にて通風される空気が、給気室43、ヒータ配設空間、精白米存在個所、循環通風路44及び吸気室45を通してシロッコファン40に戻るように循環通風する構成となっている。
この乾燥装置30では、詳述はしないが、精白米存在個所に通風される空気の温度を温度センサにて検出して、その検出値が図示しない設定ダイヤルにて設定される目標温度になるように、前記各遠赤外線ヒータ39の加熱動作を制御する構成となっている。
【0046】
上記加熱作用個所の搬送始端位置にはクロスフローファン46が設けられ、加熱乾燥に先立って精白米の表面に残っている水を予め吹き飛ばすようにしている。又、精白米の通過個所の上方側には、適宜間隔をあけて棒状のレーキ部材47が分散配置され、これらのレーキ部材47は、載置搬送される精白米を層状に拡散させるように均す機能を有するとともに、図8に示すように、精白米の表面を略波形にさせて温風が作用する表面積を大きくさせる機能を有している。
【0047】
次に、計量包装処理部Dの構成について説明する。
図1、図2に示すように、計量包装処理部Dは、設定された重量になるように自動計量して包装袋に自動で包装する自動計量包装機48、設定された重量になるように自動計量する自動計量機49、乾燥装置30から排出される精白米を自動計量包装機48に向けて供給する供給装置50、包装された袋詰め米を出荷用テーブル51に搬送する出荷用コンベア52等を備えて構成されている。
前記供給装置50は、乾燥装置30の搬送終端部からシュート53を介して流下排出される乾燥後の精白米を受止めて、破砕粒や小石等の小径物を選別落下させる網状部材54を斜め姿勢で配置するとともに、この網状部材54を傾斜方向に沿って往復振動させるように構成され、網状部材54の下方側端部から流下排出される精白米が、往復揺動する流下板55にて受止めて昇降コンベア56のバケット57に向けて流下案内するように構成され、昇降コンベア56は自動計量包装機48や自動計量機49に対して精白米を上方側から自動供給するために高い位置まで昇降させるようになっている。尚、昇降コンベア56の上方側の出口部は、自動計量包装機48及び自動計量機49のうちいずれか一方に選択的に精白米を供給すべく2口切換弁58にて供給状態を切り換えられるようにしている。
【0048】
自動計量包装機48は、精白米を予め設定した重量毎に包装袋に密閉状態で自動で包装するように構成されている。この包装工程の途中において包装袋内に脱酸素剤を自動で供給する脱酸素剤供給装置59が設けられている。尚、自動計量機49は、設定された重量になるように自動計量する機能だけを備えており、包装作業を手作業で別途行うような場合等に利用される。
尚、図中、60は包装袋内に金属が存在するか否かを検知する金属探知機であり、61は包装袋に貼付するシールを作成するシール装置である。
【0049】
次に、上記構成の既洗浸漬米の製造装置による既洗浸漬米の製造方法について説明する。尚、荷受け処理部Aには既に精白米が荷受けされ、予め貯留タンク1内に貯留されているものとする。このように荷受け処理された精白米は、通常、13〜15%程度の含水率となっている。本実施形態において、含水率とは、精白米の全体重量に対する水分の重量の比率(%)で示す湿基準の含水率をいう。
先ず、ボイラー装置11から摂氏70度に温度管理された高温水である洗浄水を洗米槽12に供給開始する。その後、精白米を設定量(例えば、20Kg)計量して洗米槽12内に供給する。洗米槽12内には約40秒間で設定量の精白米が全量供給されることになる。そして、精白米の供給を開始した後に約2〜3分間水流攪拌による洗米処理を実行する。このとき、除去される糠等を含む洗浄排水は、洗浄水回収部23から排水管22を通して外部に排出される。水流攪拌による洗米処理が終了した後、約1分間そのまま待機して洗浄水内に浸漬しておく。従って、洗米処理工程は、洗米を約2〜3分間、浸漬処理を約1分間として、全体として約3〜4分間程度である。このとき、摂氏70度の高温水の水流攪拌によって洗米するので穀温は約摂氏70度になり、洗米処理工程が終了した時点における精白米の含水率は約24%程度になる。洗米処理部では、精白米の中心部まで含水させて、表層部から中心部までの全体が約24%程度の含水率になるように洗米処理が行われることになる。
【0050】
次に、3方法切換弁19を切り換えて洗米槽12内の精白米を噴出ノズル14からの噴出力により温水と一緒に水切り部10に載置支持されている網状収納具26内に向けて送り出す。この送米処理は約1分間で行われる。水切り部10では精白米は網状収納具26に収納されて温水はそのまま下方に流れて流し台25により流下案内されて排出されるので精白米の水切りが行われることになる。全量の精白米が送られた後には、シャワー装置27により適量の清浄水が供給され、精白米の表面に残っている糠や高耐熱菌等の除去処理が行われる。
尚、この水切り部10において清浄水の供給が終了した時点以後が乾燥処理工程に対応することになる。
【0051】
そして、乾燥処理工程においては、上記清浄水の供給処理が終了した後、リフト装置28を用いて網状収納具26を持ち上げ移動して、遠心脱水装置29の回転シリンダー31の内部に載置収納させ、上部開口を蓋体36にて閉塞して、回転シリンダー31を高速で回転駆動して遠心脱水処理を実行する。回転シリンダー31の回転速度は、例えば、800rpm〜1200rpm程度に設定される。この遠心脱水処理は例えば、約1分間実行することになる。
遠心脱水処理が終了すると、リフト装置28を用いて網状収納具26を持ち上げて乾燥装置30の搬送始端部まで移動して、手作業により布製筒体26bの他端側を絞っている紐を外すことにより、その内部に収納されている精白米を乾燥装置30の搬送始端部に落下放出させる。
【0052】
そして、乾燥装置30において、搬送コンベア37を低速で駆動しながら精白米をすこしづつ載置搬送しながら温風乾燥処理を実行する。このとき、精白米は、コンベア上を層状に拡散させるように均された状態で載置搬送される。精白米存在個所に通風される空気の目標温度は例えば摂氏70度に設定され、シロッコファン40による温風の流速は1m/sec以下の低速に設定されている。乾燥を開始してから乾燥が終了するまでの処理時間は約12分間に設定されている。乾燥処理が終了した時点における精白米の含水率は約20%程度になる。
従って、洗米処理後の乾燥処理は、前記洗米処理を行う時間よりも長い乾燥時間で、つまり、洗米処理の処理時間の3〜4倍に相当する大幅に長い乾燥時間で、前記洗米処理が行われた精白米を緩速乾燥させる緩速乾燥処理を行うことになる。
尚、この乾燥装置30により乾燥処理されて搬送終端部から排出される精白米を、供給装置50に供給する前に、一時、所定量づつ受入容器にて受止め貯留した状態で攪拌装置により機械的に攪拌させることで、精白米間での水分移動を行わせることにより、含水率がばらついている精白米全体を上記した含水率(約20%)にさせる含水率調整工程を設けるようにしてもよい。
【0053】
乾燥処理が終了した精白米は、供給装置50により自動計量包装機48に供給された後、設定された重量になるように自動計量して、脱酸素剤と共に包装袋に自動で密封状態で包装され、出荷用コンベア52にて出荷用テーブル51に搬送される。このように、乾燥処理が行われたのち、すぐに密封包装されるので出荷されるときの精白米の含水率は約20%になる。
【0054】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0055】
(1)上記実施形態では、乾燥処理において、遠心脱水を行った後に殺菌作用を有する遠赤外線ヒータで加熱した温風を通風させて乾燥するようにしたが、このような方法に限らず、次の(イ)〜(ニ)のいずれかの方法で乾燥するようにしてもよい。
(イ)前記遠赤外線ヒータに代えて普通の電熱線ヒータで加熱するようにしてもよい。
(ロ)前記温風通風式の乾燥装置に代えて、通風させることなく加熱手段による輻射熱によって精白米を乾燥させたり、このような加熱手段を設けることなく、単に通風手段による通風のみによって精白米を乾燥させるようにしてもよい。要するに、精白米の表面を乾燥させるようにすればよい。
(ハ)前記遠心脱水を行うことなく、洗米処理が終了した後、例えば、水切りを行った後に上記したような温風通風式の乾燥方法や他の乾燥方法により乾燥処理を実行する。
(ニ)前記遠心脱水に代えて、例えば、揺動、振動、その他の強制運動、又は、それらを組み合わせた運動を利用した強制運転により脱水処理を行うようにしてもよい。
【0056】
(2)上記実施形態では、洗米処理部にて摂氏70度の高温水を用いて洗米並びに含水を行うようにしたが、例えば、温水としては摂氏50度〜80度の範囲の高温水を用いて実施してもよい。このような高温水を用いることで短時間で能率よく精白米の表層部及び中心部が20〜26%の含水率になるように前記含水を行うことができるが、摂氏50度以下の高温水を用いるようにしてもよく、要するに、精白米の中心部まで含水させて、表層部から中心部までの全体が20〜26%の含水率になるように洗米処理を行う構成であればよい。
【0057】
(3)上記実施形態では、洗米装置として、水流攪拌によって洗米処理を行うようにしたが、攪拌棒や攪拌羽根を高速で回転させながら機械的に攪拌洗米するようにしてもよい。
【0058】
(4)上記実施形態では、洗米処理工程が終了した時点における精白米の含水率として約24%、乾燥処理が終了した時点における精白米の含水率として約20%になるようにしたが、この値は例示にすぎず、例えば洗米処理工程が終了した時点における精白米の含水率としては20%〜26%の範囲のうちのいずれかの含水率となるようにしてもよく、乾燥処理が終了した時点における精白米の含水率として、17.5%〜25%程度の範囲の含水率となるようにしてもよい。要するに、精白米の表層部及び中心部が20〜26%の含水率になるように含水を行うようにするものであればよい。つまり、洗米処理の処理時間を約2〜4分間として、洗米処理の開始から緩速乾燥処理の終了までの処理時間が、洗米時間の処理時間の約3〜15倍の長さにして実施してもよい。
【0059】
(5)上記実施形態では、前記水切り部に、水切り後の精白米に清浄水を降りかけるシャワー装置が設けられる構成を例示したが、このような構成のシャワー装置に代えて、あるいは、そのようなシャワー装置に加えて、前記精白米に除菌用液剤を降りかけるシャワー装置が設けられる構成としてもよい。除菌用液剤としては、例えば、除菌作用のあるオゾン水や酢等がある。
又、このような専用の水切り部を設けることなく、洗米処理が終了した精白米を直接、脱水装置に供給して脱水処理に移行するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】既洗浸漬米の製造装置の工程流れ図
【図2】既洗浸漬米の製造装置の平面図
【図3】洗米装置の縦断側面図
【図4】洗米装置の平面図
【図5】網状収納具を示す図
【図6】遠心脱水装置の断面図
【図7】乾燥装置の縦断側面図
【図8】乾燥装置の正面図
【符号の説明】
8 洗米装置
29 脱水装置
30 乾燥装置
B 洗米処理部
C 乾燥処理部

Claims (6)

  1. 高温水にて精白米の中心部まで含水させて、表層部から中心部までの全体が20〜26%の含水率になるように洗米処理を行った後に、
    前記洗米処理を行う時間よりも長い乾燥時間で、前記洗米処理が行われた高含水の精白米を17.5〜25%の含水率となるように緩速乾燥させる緩速乾燥処理を行う既洗浸漬米の製造方法。
  2. 前記緩速乾燥処理において、前記洗米処理が終了した後の精白米から遠心脱水により脱水させた後に、精白米を乾燥処理するようにした請求項1記載の既洗浸漬米の製造方法。
  3. 前記緩速乾燥処理において、載置個所に層状に拡散する状態で載置された精白米に対して乾燥気を通気させて乾燥するようにした請求項1又は2記載の既洗浸漬米の製造方法。
  4. 前記洗米処理における高温水の温度が摂氏50度〜80度である請求項1〜3のいずれか1項に記載の既洗浸漬米の製造方法。
  5. 前記緩速乾燥処理が、前記精白米に含水された水分を精白米の全体的に浸潤させる時間をかけて行われる請求項1〜4のいずれか1項に記載の既洗浸漬米の製造方法。
  6. 前記洗米処理が、精白米を所定量づつまとめて洗米するバッチ処理にて行われ、前記緩速乾燥処理における最終処理が、精白米を少量づつ搬送しながらその搬送中にて乾燥する順次搬送乾燥処理にて行われ、
    前記洗米処理の処理時間が、約2〜4分であり、前記洗米処理の開始から前記緩速乾燥処理の終了までの処理時間が、前記洗米処理の処理時間の約3〜15倍である請求項1〜4のいずれか1項に記載の既洗浸漬米の製造方法。
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